JP4285604B2 - 貫通電極付き基板、その製造方法及び電子デバイス - Google Patents
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Description
(1)図3(b)に示すブラインドビアホール形成工程において、エッチングの深さにばらつきが生じる。
(2)ブラインドビアホール形成工程において、ブラインドビアホール112の口径が細くなるにつれて(例えば30μm以下)、レーザ顕微鏡等の深さ測長器によりエッチング深さを測定することが困難になり、ブラインドビアホール形成後の深さの検証ができなくなる。
(3)図3(e)に示す裏面研磨工程において、最も浅いブラインドビアホール112を基準に研磨を行わなければならない。
(4)裏面研磨工程において、裏面に形成されていた保護層(酸化膜)が除去されるため、図3(f)に示すように、裏面絶縁層115の形成工程が必要となる。
(5)裏面研磨工程において、裏面側の保護層すなわち絶縁層が一旦除去されるため、再度形成される絶縁層の品質が悪くなるおそれがあり、その結果裏面側の絶縁耐圧(耐電圧)が低下する。
(a)SOIウェハ2上にブラインドビアホール作製用の保護層11を形成する。SOIウェハ2は、例えば総厚が300−600μm、シリコン基板層10が250−550μm、埋め込み絶縁層20が0.1〜2μm程度である。また保護層11は通常、酸化膜(SiO2)、又はフォトレジスト、又は酸化膜+フォトレジストが使用される。
(b)ブラインドビアホール12を形成する。この時、ブラインドビアホール12は、埋め込み絶縁層20はSi(シリコン)と比較してエッチング速度が遅いため(選択費100以上)、外周部の穴が埋め込み絶縁層20に達し、その部分のエッチングが停止した後も、内周部の穴がその層に達するまでエッチングを継続することが可能である。よって深さ均一性の高いブラインドビアホール12が形成され、その深さはシリコンウェハ2内において埋め込み絶縁層が形成された深さとなる。
(c)形成したブラインドビアホール内壁に絶縁層13を形成する。その形成方法は、熱酸化法、PE−CVD法、陽極酸化法等が考えられる。
(d)絶縁層13を形成したブラインドビアホール12に貫通配線用の金属を充填し、導電層14を形成する。形成方法として、減圧空間内で溶融金属中に浸漬する溶融金属吸引法、印刷法、CVD法等が考えられる。
(e)ブラインドビアホール形成面と反対側(裏面側)から埋め込み絶縁層20まで、研磨もしくはエッチングによりシリコン層30を除去する。この工程により、これまでシリコン内部に形成されていた埋め込み絶縁層20は裏面側最表面の絶縁層として機能する。
(f)電極部分直下の絶縁層を、パターニング、又はエッチング、又は研磨により除去し、導通用の穴(コンタクトホール21)を形成する。
(イ)「(d)導電層形成」の工程で溶融金属吸引法を用いて導電層を形成する際、その原理によって充填が完全に行われず、図5(イ)に示すように、外周部に隙間(矢印A部分)が生じることがある。この隙間は最大で数μmである。
(ロ)「(e)裏面除去」の工程でシリコン層30除去後、充填金属(導電層14)と酸化膜(埋め込み絶縁層20)との密着性(図5(ロ)における矢印(B)部分の密着性)が悪いため、その間に隙間が生じることがある。
(ハ)「(f)コンタクトホール形成」の工程でコンタクトホール21を形成する際、図5(ハ)に示すように、上記隙間によって意図しない部分の酸化膜(埋め込み絶縁層20)がエッチングされてしまう異常エッチングが生じる可能性がある。
前記支持基板層に保護層をマスクとして埋め込み絶縁層厚み全体を貫通して前記シリコン層に達しかつ当該シリコン層に略球面状の凹所が生じる深さまで形成されたブラインドビアホールの内壁に内壁絶縁層が形成され、前記内壁絶縁層の形成されたブラインドビアホールに充填された貫通配線用の金属による導電層を備え、前記シリコン層が除去されかつ導電層外側の前記凹所の面に沿う絶縁層部分が除去されることで表れた、埋め込み絶縁層から隆起した態様で露出した前記導電層の前記凹所に対応する部分が、導電層の略球面状のウエハ外隆起部となっていることを特徴とする。
ここで、「導電層の略球面状のウエハ外隆起部」とは、導電層の埋め込み絶縁層から露出した部分すべて、略球面状の隆起部となっていること(略球面状をなして埋め込み絶縁層から隆起していること)を意味する。
前記支持基板層の表面に、ブラインドビアホールのマスク用の保護層を形成する工程と、
前記支持基板層に、前記埋め込み絶縁層をストップ層としてブラインドビアホールを形成する工程と、
埋め込み絶縁層に達する前記ブラインドビアホールの底部の埋め込み絶縁層をさらにエッチングし、前記シリコン層に達する深さのブラインドビアホールを形成する工程と、
シリコン層に達する前記ブラインドビアホールの底部のシリコン層をさらにエッチングして、底部のシリコン層に略球面状の凹所を形成する工程と、
形成したブラインドビアホールの内壁に絶縁層を形成する工程と、
前記内壁絶縁層を形成したブラインドビアホールに、貫通配線用の金属を充填して導電層を形成する工程と、
前記シリコン層を除去する工程と、
シリコン層を除去する前工程により表れた導電層外側の前記凹所の面に沿う絶縁層部分を除去して、前記導電層の前記凹所に対応する部分を導電層の略球面状のウエハ外隆起部として埋め込み絶縁層から露出させる工程と
を含むことを特徴とする。
(1)裏面のシリコン層を除去するだけで、導電層が裏面側外部に露出するので、コンタクトホールを形成する工程を必要とせずに、貫通電極を形成することができる。
(2)コンタクトホールを形成する工程がないので、コンタクトホールの異常エッチングの問題が生じる余地はない。
(3)導電層形成工程として例えば、減圧空間内で溶融金属中に浸漬する溶融金属吸引法を採用した場合、ブラインドビアホールがシリコン層まで達しているから、ブラインドビアホールに金属が充填されて導電層が形成される際に、導電層(充填金属)と絶縁層との間に隙間が生じる、という問題は生じる余地はない。
(4)また、裏面除去工程で、裏面のシリコン層除去後の状態で充填金属と酸化膜との密着性が悪い、という問題が発生する余地もなく、したがって、その間に隙間が生じることもない。
(5)本発明における導電層はさらに、シリコン層に略球面状の凹所が形成される深さまで形成したブラインドビアホールに金属充填して形成されるので、導電層がウエハ外(ブラインドビアホール形成面と反対側のウエハ外)に略球面状に隆起した形状となる。すなわち、バンプとして適切な形状の隆起部を有する貫通電極(導電層)を形成することができる。そして、シリコン層に形成する凹所を適切に設定することで、バンプ高さを任意に制御できる。
前記支持基板層10の図1で上面には、半導体回路あるいは素子が形成あるいは搭載されているかあるいはされる。
Via Hole)12を形成する。このブラインドビアホール形成工程において、例えば、DRIE(Deep Reactive Ion Etching)法、レーザ加工法、マイクロドリル加工法、PAECE(Photo
Assisted Electro-Chemical Etching)法など任意の形成方法を利用することが可能である。
この場合のエッチングは、ドライエッチングもしくはウェットエッチングにより行う。
ウェットエッチングによる場合は、BOE(Buffered Oxide Etchant,HF:NHF4=1:6)フッ酸・硝酸・酢酸の混合液を使用することができる。この時、埋め込み絶縁層20部分のエッチングレートは約0.1μm/minである。
ドライエッチングによる場合は、例えば四フッ化炭素(CF4)ガスを使用することができる。
この時、シリコン層30のエッチング深さを任意に設定することにより、後述の通り、完成後のバンプ高さの制御が可能である。
この「Si追加エッチング」工程(シリコン層30のエッチングの工程)ではドライエッチングを使用する。このドライエッチングでは、例えば、六フッ化硫黄(SF6)ガス・八フッ化炭素(C4F8)ガス・CF4ガス・酸素(O2)ガス、又はこれらの混合ガスを使用することができる。例えば、Deep−RIE法を用いた場合、SF6ガス(130sccm)+O2ガス(13sccm)の混合ガス12秒とC4F8ガス(85sccm)9秒を切り替えて行う。この時、RF出力は例えば600Wである。この時のエッチングレートは約2μm/minである。
この「裏面部除去」工程は、裏面シリコン除去工程と絶縁層除去工程に分かれる。
裏面シリコン除去工程すなわちシリコン層30のエッチング工程は、例えばSF6ガス・CF4ガス・酸素ガス、又はこれらの混合ガスを用いたドライエッチング、あるいは、フッ酸・硝酸・酢酸混合液、水酸化カリウム水溶液を用いたウェットエッチングで行なうことができる。また、物理的な研磨等を採用することも可能である。
シリコン層30の凹所30aの面に形成された絶縁層を除去する場合の絶縁層除去工程は、図2(c)で述べた埋め込み絶縁層20の除去工程と同様でよい。すなわち、ウェットエッチングの場合は、BOE(Buffered Oxide Etchant,HF:NHF4=1:6)フッ酸・硝酸・酢酸の混合液を使用することができ、ドライエッチングの場合は、例えば四フッ化炭素(CF4)ガスを使用することができる。
なお、ブラインドビアホール形成工程で、裏面側シリコン層30に凹所30aを形成しないことも考えられる。この場合には、導電層14の最外側表面が埋め込み絶縁層20の表面と同一面となるが、当然、コンタクトホールを形成する必要はない。
[1]図2(b)に示すブラインドビアホール形成工程において、形成されたブラインドビアホール12の深さにばらつきが生じない。
[2]ブラインドビアホール形成工程において、ブラインドビアホール12の口径が細くなっても、その口径にかかわらず深さを正確に一定にすることができる。
[3]図2(g)の裏面シリコン除去工程において、その研磨量を正確に一定にすることができる。
[4]裏面シリコン除去工程において、埋め込み絶縁層20が新たな絶縁層として機能するため、別途に裏面絶縁層を形成する工程が不要となる。
[5]裏面シリコン除去工程において、シリコン基板層10の裏面側は露出しないため、絶縁耐圧(耐電圧)の低下が生じない。
<1>コンタクトホールを形成することなく、貫通電極を形成することができる。
<2>コンタクトホールを形成する工程がないので、コンタクトホールの異常エッチングの問題が生じる余地はない。
<3>導電層形成工程で例えば溶融金属吸引法を用いて導電層14を形成する際に、導電層14と絶縁層(埋め込み絶縁層20)との間に隙間が生じる、という問題は生じない。
<4>裏面除去工程でシリコン層30除去後の状態で充填金属14と酸化膜(埋め込み絶縁層20)との密着性が悪い、という問題は発生する余地がなく、したがって、その間に隙間が生じることもない。
<5>導電層はさらに、シリコン層に略球面状の凹所が形成される深さまで形成したブラインドビアホールに金属充填して形成されるので、導電層14がウエハ外(ブラインドビアホール形成面と反対側のウエハ外)に略球面状に隆起した形状となる。すなわち、バンプとして適切な形状の隆起部14aを有する貫通電極(導電層14)を形成することができる。そして、シリコン層30に形成する凹所30aを適切に設定することで、バンプ高さを任意に制御できる。
2 SOI(Silicon On Insulator)ウェハ
10 支持基板層(シリコン基板層)
11 保護層
12 ブラインドビアホール
13 絶縁層(内壁絶縁層)
14 導電層
14a 隆起部
20 埋め込み絶縁層(シリコン酸化膜)
30 シリコン層(単結晶シリコン層)
30a 凹所
Claims (4)
- 半導体回路あるいは素子の形成あるいは搭載がされたあるいはされる半導体層である支持基板層と前記半導体回路あるいは素子側の面と反対側のシリコン層との間に埋め込み絶縁層を有するシリコンウェハから作られた貫通電極付き基板であって、
前記支持基板層に保護層をマスクとして埋め込み絶縁層厚み全体を貫通して前記シリコン層に達しかつ当該シリコン層に略球面状の凹所が生じる深さまで形成されたブラインドビアホールの内壁に内壁絶縁層が形成され、前記内壁絶縁層の形成されたブラインドビアホールに充填された貫通配線用の金属による導電層を備え、前記シリコン層が除去されかつ導電層外側の前記凹所の面に沿う絶縁層部分が除去されることで表れた、埋め込み絶縁層から隆起した態様で露出した前記導電層の前記凹所に対応する部分が、導電層の略球面状のウエハ外隆起部となっていることを特徴とする貫通電極付き基板。 - 半導体回路あるいは素子の形成あるいは搭載がされたあるいはされる半導体層である支持基板層と前記半導体回路あるいは素子側と反対側のシリコン層との間に埋め込み絶縁層を有するシリコンウェハを用いた貫通電極付き基板の製造方法であって、
前記支持基板層の表面に、ブラインドビアホールのマスク用の保護層を形成する工程と、
前記支持基板層に、前記埋め込み絶縁層をストップ層としてブラインドビアホールを形成する工程と、
埋め込み絶縁層に達する前記ブラインドビアホールの底部の埋め込み絶縁層をさらにエッチングし、前記シリコン層に達する深さのブラインドビアホールを形成する工程と、
シリコン層に達する前記ブラインドビアホールの底部のシリコン層をさらにエッチングして、底部のシリコン層に略球面状の凹所を形成する工程と、
形成したブラインドビアホールの内壁に絶縁層を形成する工程と、
前記内壁絶縁層を形成したブラインドビアホールに、貫通配線用の金属を充填して導電層を形成する工程と、
前記シリコン層を除去する工程と、
シリコン層を除去する前工程により表れた導電層外側の前記凹所の面に沿う絶縁層部分を除去して、前記導電層の前記凹所に対応する部分を導電層の略球面状のウエハ外隆起部として埋め込み絶縁層から露出させる工程と
を含むことを特徴とする貫通電極付き基板の製造方法。 - 前記導電層外側の前記凹所の面に沿う絶縁層部分を除去する工程を、ドライエッチング、又は、ウェットエッチングで行なうことを特徴とする請求項2記載の貫通電極付き基板の製造方法。
- 請求項1記載の貫通電極付き基板を用いたことを特徴とする電子デバイス。
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