JP2006038577A - 時間分解分光装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 コリメートされたプローブ光を第一回折格子に斜めに入射させて、分散によるスペクトル分布が生じる方向での位置及び時間遅延量が異なる一次回折光の集合に変換し、これら各一次回折光を二次元変換光学系によって変換して擬似ニ次元スペクトログラムSを得る時間分解分光装置において、第一回折格子に対する共役面FC上に第一回折格子と同じ格子定数の第二回折格子8を設置し、この第二回折格子8と撮像装置との間に、縮小光学系であるリレー光学系11を配置する。
【選択図】 図7
Description
この時間−2次元空間変換光学系を用いた光信号の観測は、以下のようにして行われる。
次に、この回折光を1次元フーリエ変換光学系によって水平方向成分に対してフーリエ変換することにより、信号光のスペクトル分布を空間分布として得る。
このフィルタリングされた光波を1次元逆フーリエ変換光学系によって水平方向成分に対して逆フーリエ変換することにより、水平方向には時間遅延の分布、垂直方向には切り出されたスペクトル成分の分布がそれぞれ対応する光波分布を得る。
このようにして得た干渉縞のパターンは、光波分布における時間的な強度分布に対応するものであるので、このパターンを解析することで、計測すべき信号光の振幅情報及び位相情報を得る。
このように回折格子が時間−2次元空間変換光学系の光軸に対して傾斜させられると、1次元フーリエ変換光学系及び1次元逆フーリエ変換光学系からなる光学系において回折格子と共役となる共役面も、時間−2次元空間変換光学系の光軸に対して傾斜することとなる。このため、干渉縞を撮影する撮像装置の撮像面も、共役面と共役となるように、時間−2次元空間変換光学系の光軸に対して傾斜させる必要がある。
本発明は、ビーム整形光学系によってコリメートされたプローブ光を第一回折格子に斜めに入射させて、該第一回折格子への入射位置に応じて、分散によるスペクトル分布が生じる方向での位置及び時間遅延量が異なる一次回折光の集合に変換し、これら各一次回折光を、二次元変換光学系によって該二次元変換光学系の光軸に交差する仮想平面内でそれぞれ前記スペクトル分布が生じる方向とは交差する方向にスペクトル分布が生じるように変換して、前記第一回折格子と共役となる共役面上に前記プローブ光の擬似二次元スペクトログラムを結像させ、撮像装置によって前記擬似二次元スペクトログラムと参照光との干渉縞パターンを撮影して、該干渉縞パターンに基づいて前記プローブ光のスペクトル解析を行う時間分解分光装置であって、前記二次元光学系の光軸に対して、前記第一回折格子は傾斜させて配置されており、前記共役面上に、前記第一回折格子と格子定数の等しい第二回折格子が配置され、前記撮像装置が、前記第二回折格子によって分散された前記各一次回折光の光軸に対して、撮像面を前記第二回折格子と同一方向または逆方向に傾斜して配置され、該第二回折格子と前記撮像装置との間にリレー光学系が配置されており、該リレー光学系が、前記第二回折格子によって分散された前記各一次回折光を集光する集光レンズと、該集光レンズによって集光された光線を平行光に戻して前記擬似二次元スペクトログラムを前記撮像面に投影するコリメートレンズとを有する縮小光学系からなる時間分解分光装置を提供する。
第二回折格子は、第一回折格子と格子定数が等しい回折格子であるので、第二回折格子に入射した各一次回折光は、それぞれ、第一回折格子で分散されることによって生じた各波長成分ごとの回折角の差が打ち消されて、各波長成分の伝播方向が略平行となったコリメート光に変換される。
前記のように、第二回折格子は、光軸に対して第一回折格子とは逆向きに傾斜しているので、第一回折格子に分散されることによって各一次回折光間に生じていた時間遅延量の差が打ち消される。
このため、撮像装置によって擬似ニ次元スペクトログラムを撮影するためには、第二回折格子と撮像装置の撮像面との間で、各コリメート光間に光路差を生じさせる必要がある。言い換えれば、撮像装置は、撮像面が参照断面に対して共役となるように設置する必要がある。
本発明に係る時間分解分光装置では、撮像面がコリメート光の集合の光軸に対して傾斜するようにして撮像装置が配置されているので、各コリメート光間に光路差が生じて(撮像面が参照断面と共役となって)、撮像面上に擬似ニ次元スペクトログラムが投影される。
集光レンズは、前側焦点が参照断面上に位置するように配置され、コリメートレンズは、前側焦点が集光レンズの後側焦点と一致し、後側焦点が撮像面上に位置するように配置される。
このことから、光軸に対する撮像面の法線の傾斜角度は、第一回折格子の傾斜角度だけでなくコリメートレンズの後側焦点の位置によっても異なり、コリメートレンズの後側焦点が集光レンズの後側焦点に近くなるほど、光軸に対する撮像面の法線の傾斜角度が小さくなる。
これにより、この時間分解分光装置では、第一回折格子の傾斜角度を小さくすることなく、光軸に対して撮像面の法線のなす角度を小さくすることができ、第一回折格子の回折効率を低下させることなく、リレー光学系を通過した光束を、撮像面の法線に対してより小さい角度で、撮像面に入射させることができる。
本発明に係る時間分解分光装置によれば、前記のように、各一次回折光が、共役面に設置された第二回折格子によって各波長成分の伝播方向が略平行となったコリメート光に変換されるので、各波長成分間での撮像装置への入射角度の差が小さくなり、得られる干渉縞パターンは、波長による周期の差が少ないパターンとなり、干渉縞パターンの分析が容易となる。
第一回折格子に入射したプローブ光は、第一回折格子によって一次回折光に変換されて、二次元変換光学系に向けて出射され、二次元変換光学系のレンズによって整形されたのちに反射型二次元変換素子に入射する。ここで、反射型二次元変換素子としては、反射型フィルタや、反射型回折格子アレイ等が用いられる。
レンズによって再度整形された一次回折光は、第一回折格子によって再び分散されて、ハーフミラーに向けて出射され、この一次回折光のうち、ハーフミラーを通過して縮小光学系に到達した一次回折光によって、前記二次元スペクトログラムが形成される。
また、二次元変換光学系内での一次回折光の光路が折り返されていて、透過型二次元変換素子を用いた場合に比べて光路長を約半分に抑えることができるので、二次元変換光学系の全長が短く、時間分解分光装置が小型で済む。
さらに、第一回折格子が第二回折格子を兼ねているので、第一回折格子と第二回折格子とを個別に設けた場合に比べて製造コストが低い。
これにより、反射型回折格子アレイに入射した一次回折光のうち、反射型回折格子アレイによって単に反射された反射光は入射角と同じ角度で反射され、反射型回折格子アレイによって分散された回折光は、各波長成分がそれぞれ入射角とは異なる回折角度で反射される。
このため、反射型回折格子アレイの回折効率が低くても、反射光と回折光とを分離することが可能となって得られる干渉縞パターンのコントラストが高くなり、干渉縞パターンの分析が容易となる。
[第一実施形態]
以下、本発明の第一実施形態について、図1から図7を用いて説明する。
本実施形態に係る時間分解分光装置1は、試料によって変調された信号光(プローブ光)を分析することによって、フェムト秒〜ピコ秒のオーダーの極短時間内での試料の挙動を観察するものである。
第一ビーム整形光学系4の後段には、第一ビーム整形光学系4によってコリメートされたプローブ光を分散させる第一回折格子5と、第一回折格子5による一次回折光をスペクトル分布が生じる方向とは交差する方向にスペクトル分布が生じるように変換して第一回折格子5と共役となる共役面FC上にプローブ光の擬似二次元スペクトログラムを結像させる二次元変換光学系6と、共役面FC上に結像された擬似二次元スペクトログラムを撮影する撮像装置7とが設けられている。
撮像装置7は、第二回折格子によって分散された各一次回折光の光軸に対して、撮像面7aを第二回折格子8と同一方向または逆方向に傾斜して配置されている。本実施形態では、撮像装置7は、撮像面7aを第二回折格子8とは逆方向に傾斜して配置されている。
さらに、光源2と照射光学系3との間には、光源2が発した超短パルス光の一部を分岐させて参照光として取り出す第一ビームスプリッタ12が設けられている。
この第一ビームスプリッタ12の後段には、参照光を整形する第二ビーム整形光学系13が設けられており、第二ビーム整形光学系13の後段には、整形された参照光を二次元変換光学系6から出射したプローブ光と合波させる合波装置14が設けられている。
光源2としては、例えば超短パルス光レーザー発振器等が用いられる。本実施形態では、光源2の発する信号光は、中心波長800nm、波長幅±5nm、パルス幅100フェムト秒の超短パルス光である。
照射光学系3は、光源2から入射した超短パルス光をポンプ光とプローブ光とに分岐させる第二ビームスプリッタ21と、第二ビームスプリッタ21とステージStとの間でポンプ光に対して任意の時間遅延量をプローブ光に生じさせる時間遅延発生装置22とを有している。第二ビームスプリッタ21としては、例えばハーフミラーが用いられる。
本実施形態では、時間遅延発生装置22は、プローブ光を反射させるミラー23と、ミラー23を移動させるミラー駆動装置24とを有しており、ミラー駆動装置24によってミラー23を移動させることで、プローブ光の光路長を変化させて、ポンプ光に対するプローブ光の時間遅延量を調整することができるようになっている。
ここで、本実施の形態では、照射光学系3の光軸AX1と二次元変換光学系6の光軸AX2とが直交させられている。以下の説明では、光軸AX1と光軸AX2との交点を含みかつ光軸AX2に直交する面を仮想平面F1とし、仮想平面F1上で光軸AX1に平行となる方向をX軸とし、仮想平面F1上でX軸に直交する方向をY軸とし、光軸AX2と平行な方向をZ軸とする。また、光軸AX1と光軸AX2との交点を原点として、X軸及びZ軸においてそれぞれプローブ光の伝播方向を正方向とする。
本実施形態では、第一、第二シリンドリカルレンズ36、38は、それぞれ焦点距離f=100mmとされている。
ここで、図2に示すように、共役面FCは、第二シリンドリカルレンズ38の後側焦平面F3を、仮想平面F1に対する仮想平面F1aの回転方向とは逆向きにしてY軸回りに角度θ回転させたものである。本実施形態では、共役面FCの回転角度θは、45°とされている。
本実施形態では、第二回折格子8の傾斜角度θは45°であるので、第ニ回折格子8には、二次元変換光学系6から入射角45°で一次回折光が入射されて、この一次回折光が、ZX平面に平行な平面上で光軸AX2に直交する方向(X軸の負方向)に向けて分散されるようになっている。
前記のように、第二回折格子8は、光軸AX2に対して第一回折格子5とは逆向きに傾斜しているので、第一回折格子5に分散されることによって各一次回折光間に生じていた時間遅延量の差が打ち消される。
この時間遅延量の差のないコリメート光の集合では、第二回折格子8と同じ向きまたは逆向きに傾斜する断面(以下参照断面FRとする)上に擬似二次元スペクトログラムSが形成される。ここで、本実施形態では、参照断面FRを、共役面FC上の断面としている。すなわち、光軸AX3に対する参照断面FRの法線(第二回折格子8の法線L2に等しい)の傾斜角度をγとすると、傾斜角度γは、共役面FCと同じく(π/2−θ)とされている。
本実施形態では、集光レンズ41は、焦点距離f41=100mmの球面レンズであり、コレクタレンズ42は焦点距離f42=40mmの球面レンズである。すなわち、リレー光学系11の倍率Mは、0.4とされている。
ここで、前記のように、第二回折格子8から出射されるコリメート光の集合では、光軸AX3に対して傾斜する参照断面FR上に擬似二次元スペクトログラムSが形成される。このため、撮像装置7は、第二回折格子8と撮像面7aとの間で各コリメート光間に光路差を生じさせて撮像面7a上に擬似ニ次元スペクトログラムが投影されるように、光軸AX3に対して撮像面7aを傾斜させて配置されている。言い換えれば、撮像装置7は、撮像面7aが参照断面FRと共役な仮想平面F4a上に位置するようにして配置されている。本実施形態では、参照断面FRを共役面FC上の断面としているので、仮想平面F4aは、光軸AX3に対して垂直な仮想平面F4に対して、共役面FCとは逆向きにしてY軸回りに角度φ回転させたものである。すなわち、ZX平面上での光軸AX2に対する仮想平面F4aの法線L3の傾斜角度はφである。
第二ビーム整形光学系13は、例えば、レンズ46とレンズ47とによって構成されるビームエキスパンダである。また、第一ビームスプリッタ12は、レンズ47から出射された参照光を合波装置14まで中継するミラー48,49を有している。
本実施形態では、レンズ46の焦点距離は10mm、レンズ47の焦点距離は100mmとされている。すなわち、第二ビーム整形光学系13は、第一ビーム整形光学系4と同じく、入射したプローブ光を約10倍に拡大しかつコリメートして出射するようになっている。
このハーフミラー51には、第二ビーム整形光学系13から、プローブ光の光路に対して傾斜する方向より参照光が入射されるようになっている。したがって、ハーフミラー51は、プローブ光を通過させつつ、参照光をプローブ光と平行になるようにZ軸の正方向に向けて反射して撮像装置7に入射させるようになっている。
図7に示すように、集光レンズ41は、前側焦点が仮想平面F3a上に位置するように配置され、コリメートレンズ42は、前側焦点が集光レンズ41の後側焦点R1と一致し、後側焦点が仮想平面F4上に位置するように配置される。
すなわち、リレー光学系11の倍率が小さくなるほど、光軸AX3に対する撮像面7aの法線L3の傾斜角度φが小さくなる。
参照断面FRと撮像面7aとはリレー光学系11によって結像関係にあるので、参照断面FRを含む仮想平面F3aと撮像面7aを含む仮想平面F4aとの交線Uは、ZX平面上で基準平面FSと集光レンズ41の後側焦点R1とを結ぶ半直線UR1上に位置している。
このことから、次式(1)の関係が得られる。
そして、式(1)から次式(2)が得られる。
以上のことから、リレー光学系11が縮小倍率を有する場合には、撮像面7aの傾斜角度φが、参照断面FRの傾斜角度γに比べて小さくなる。
ここで、リレー光学系11の参照断面FRと撮像面7a間の倍率について説明する。図7に示すように参照断面FR内でZX平面と平行となる座標軸XFRを定義する。また、撮像面7a上でZX平面と平行となる座標軸Xiを定義する。
リレー光学系11において、Y軸方向の倍率はリレー光学系11の倍率Mと等しいが、XFR軸とXi軸との間での倍率はMcosγ/cosφで与えられる。従って、参照断面FR上に形成される擬似二次元スペクトログラムSのXFR軸方向の寸法αとY軸方向の寸法(図示せず)はそれぞれ14.14mm、10mmであり、撮像装置7の撮像面7a上に投影される擬似二次元スペクトログラムSのXi軸方向の寸法βとY軸方向の寸法(図示せず)はそれぞれ4.31mm、4.0mmとなる。
このように、この時間分解分光装置1では、撮像装置7による干渉縞パターンの撮影を良好に行うことができ、時間分解分光計測を高精度に行うことができる。
以下、本発明の第二実施形態について、図8及び図9を用いて説明する。
図8に示すように、本実施形態に係る時間分解分光装置61は、第一実施形態に示した時間分解分光装置1において、第一ビーム整形光学系4及び二次元変換光学系6の代わりに、第一ビーム整形光学系64及び二次元変換光学系66を設けたことを主たる特徴とするものである。以下、第一実施形態の時間分解分光装置1と同様または同一の部材については同じ符号を用いて示し、詳細な説明を省略する。
本実施形態では、第一ビーム整形光学系64は、焦点距離100mmの球面レンズ71と焦点距離50mmの球面レンズ72とからなる、倍率0.5の縮小光学系を有している。そして、この縮小光学系と第一回折格子5との間には、Z軸方向に正のパワーを有する第三シリンドリカルレンズ73と、前側焦平面が第三シリンドリカルレンズ73の後側焦平面上に位置する第四シリンドリカルレンズ74とが設けられている。これら第三、第四シリンドリカルレンズ73,74は、倍率10の拡大光学系を構成しており、プローブ光の幅(Z軸方向の寸法)をY軸方向の寸法の10倍に拡大している。
そして、このようにして第一回折格子5の傾斜方向に延びる線状の断面の光束に整形されたプローブ光は、第一回折格子5によって分散されて、各一次回折光の集合が、スペクトル分布の生じる方向(X軸方向)に延びる線状の断面の光束となる。
具体的には、回折格子アレイ77は、図9に示すように、格子溝がY軸方向に複数設けられかつそれぞれ格子定数が異なる複数の回折格子77a,77b,77c,…を、X軸方向に沿って格子定数の大きさの順番に配列したものである。これにより、第一回折格子5によってX軸に沿ったスペクトル分布を有する各一次回折光は、それぞれ波長に応じて異なる格子定数の回折格子に入射して、それぞれYZ平面上の異なる方向に分散される。
本実施形態では、球面レンズ76,78は、それぞれ焦点距離f=40mmとされている。また、共役面FC上に形成される擬似二次元スペクトログラムSのY軸方向の寸法は14.14mm、ZX平面に平行な方向の寸法は10mmである。
なお、本実施形態では、撮像装置7の撮像面7a上に投影される擬似二次元スペクトログラムSのXFC方向の寸法とY軸方向の寸法はそれぞれ2.58mm、2.5mmとなる。
以下、本発明の第三実施形態について、図10及び図11を用いて説明する。
図10に示すように、本実施形態に係る時間分解分光装置81は、第一実施形態に示した時間分解分光装置1において、第一ビーム整形光学系4及び二次元変換光学系6の代わりに、第一ビーム整形光学系84及び二次元変換光学系86を設けたことを主たる特徴とするものである。以下、第一実施形態の時間分解分光装置1と同様または同一の部材については同じ符号を用いて示し、詳細な説明を省略する。
本実施形態では、レンズ87,88の光軸を、光軸AX1とする。また、光軸AX1に沿った方向をX軸とし、プローブ光の伝播方向をX軸の正方向とする。
本実施形態では、ハーフミラー91によって反射されたプローブ光の光軸(以下光軸AX3とする)に沿った方向をZ軸方向とし、このプローブ光の進行方向とは反対方向をZ軸の正方向とする。また、X軸とZ軸とは直交させられており、X軸及びZ軸に対して直交する方向をY軸とする。
二次元変換光学系86は、その光軸AX2が、光軸AX3に対して傾斜させて設けられている。ここで、本実施形態では、光軸AX2と光軸AX3との交点を含みかつ光軸AX2に直交する面を仮想平面F5とする。本実施形態では、第一回折格子5は、仮想平面F5をY軸回りに45°回転させた仮想平面F5a上に配置されている。すなわち、傾斜角度θは45°である。
ここで、シリンドリカルレンズ96は、二次元変換光学系86に入射した各一次回折光をそれぞれZX平面に平行な平面上でコリメートして反射型フィルタ97に入射させるフーリエ変換光学系を構成している。本実施形態では、シリンドリカルレンズ96は、焦点距離f=100mmとされている。
ここで、図10に示すように、共役面FCは、仮想平面F1a上に形成されている。
そして、光軸AX3上には、縮小光学系11及び撮像装置7が、第一実施形態と同様の配置で設けられており、第一実施形態と同様にして、二次元スペクトログラムSと参照光との干渉縞パターンPの撮影が行われるようになっている。なお、本実施形態では、光軸AX3に対する参照断面FRの法線の傾斜角度γは、共役面FCの傾斜角度θと同一とされている。
また、二次元変換光学系86内での一次回折光の光路が折り返されていて、透過型二次元変換素子を用いた場合に比べて光路長を約半分に抑えることができるので、二次元変換光学系86の全長が短く、時間分解分光装置81が小型で済む。
さらに、第一回折格子5が第二回折格子を兼ねているので、第一回折格子5と第二回折格子とを個別に設けた場合に比べて製造コストが低い。
以下、上記の技術思想を第二実施形態に係る時間分解分光装置66に適用してなる時間分解分光装置101について、図12及び図13を用いて説明する。
第一ビーム整形光学系104は、第一ビーム整形光学系84において、レンズ87,88の代わりに、第二実施形態で用いたレンズ71,72,シリンドリカルレンズ73,74を、プローブ光の伝播方向に沿ってこの順番に設置したことを主たる特徴とするものである。
反射型回折格子アレイ107は、第二実施形態で示した回折格子アレイ77を反射型の回折格子アレイにしたものである。
以下、本発明の第四実施形態について、図14を用いて説明する。
図14に示すように、本実施形態に係る時間分解分光装置111は、第三実施形態に示した時間分解分光装置101において、例えば第一回折格子5へのプローブ光の入射位置を調整するなどして、二次元変換光学系106の球面レンズ76に対してその光軸AX2から、反射型回折格子アレイ107による分散が生じる方向(Y軸方向)に沿って距離Dだけ偏心した位置に一次回折光が入射されるように構成したものである。
これにより、反射型回折格子アレイ107に入射した一次回折光のうち、反射型回折格子アレイ107によって単に反射された反射光は入射角Aと同じ角度Aで反射されて、第一回折格子5において光軸AX2から距離D離間した位置に到達する。
一方、反射型回折格子アレイ107によって分散された回折光は、各波長成分(例えば図14に示すλ1、λ2、λ3)がそれぞれ入射角Aとは異なる回折角度で反射されて、第一回折格子5において反射光が入射する領域とは異なる領域に入射して、第一回折格子5によって分散されたのちに、縮小光学系11を介して撮像装置7の撮像面7aに入射する。
このため、反射型回折格子アレイ107の回折効率が低くても、反射光と回折光とを分離することが可能となって得られる干渉縞パターンPのコントラストが高くなり、干渉縞パターンPの分析が容易となる。
4,64,84,104 第一ビーム整形光学系
5 第一回折格子
6,66,86,106 二次元変換光学系
7 撮像装置
8 第二回折格子
11 リレー光学系
37 フィルタ
41 集光レンズ
42 コリメートレンズ
76,96 レンズ
77 回折格子アレイ
91 ハーフミラー
97 反射型フィルタ(反射型二次元変換素子)
107 反射型回折格子アレイ(反射型二次元変換素子)
FC 共役面
P 干渉縞パターン
S 擬似二次元スペクトログラム
Claims (3)
- ビーム整形光学系によってコリメートされたプローブ光を第一回折格子に斜めに入射させて、該第一回折格子への入射位置に応じて、分散によるスペクトル分布が生じる方向での位置及び時間遅延量が異なる一次回折光の集合に変換し、これら各一次回折光を、二次元変換光学系によって該二次元変換光学系の光軸に交差する仮想平面内でそれぞれ前記スペクトル分布が生じる方向とは交差する方向にスペクトル分布が生じるように変換して、前記第一回折格子と共役となる共役面上に前記プローブ光の擬似二次元スペクトログラムを結像させ、撮像装置によって前記擬似二次元スペクトログラムと参照光との干渉縞パターンを撮影して、該干渉縞パターンに基づいて前記プローブ光のスペクトル解析を行う時間分解分光装置であって、
前記二次元光学系の光軸に対して、前記第一回折格子は傾斜させて配置されており、
前記共役面上に、前記第一回折格子と格子定数の等しい第二回折格子が配置され、
前記撮像装置が、前記第二回折格子によって分散された前記各第一回折光の光軸に対して、撮像面を前記第二回折格子と同一方向または逆方向に傾斜して配置され、
該第二回折格子と前記撮像装置との間にリレー光学系が配置されており、
該リレー光学系が、前記第二回折格子によって分散された前記各一次回折光を集光する集光レンズと、該集光レンズによって集光された光線を平行光に戻して前記擬似二次元スペクトログラムを前記撮像面に投影するコリメートレンズとを有する縮小光学系からなる時間分解分光装置。 - 前記第一回折格子が前記ビーム整形光学系の前記プローブ光の出射方向から外れた位置に配置されており、
前記ビーム整形光学系の前記プローブ光の出射方向に、該プローブ光を前記第一回折格子に向けて反射するハーフミラーが設けられており、
前記二次元変換光学系が、正のパワーを有するレンズと、
該レンズから出射された前記一次回折光を前記レンズに向けて反射するとともに該レンズの光軸に交差する仮想平面内で前記スペクトル分布が生じる方向とは交差する方向にスペクトル分布が生じるように変換する反射型二次元変換素子とを有しており、
前記第一回折格子が、前記二次元変換光学系によって投影された前記一次回折光を分散させて前記ハーフミラーに向けて出射する前記第二回折格子を兼ねており、
前記縮小光学系が、前記ハーフミラーを通過した前記一次回折光の光路上に配置されている請求項1記載の時間分解分光装置。 - 前記反射型二次元変換素子が、前記各一次回折光中の各波長成分を、それぞれその波長に応じて、前記二次元変換光学系の光軸と平行かつ前記スペクトル分布が生じる方向とは交差する面上で異なる方向に分散させる反射型回折格子アレイによって構成されており、
前記二次元変換光学系では、前記レンズに対してその光軸から前記反射型回折格子アレイによる分散が生じる方向に沿って偏心した位置に前記一次回折光が入射されるようになっている請求項2記載の時間分解分光装置。
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