JP2006037436A - 板状体の接着工法 - Google Patents

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Makoto Takeha
誠 竹葉
Tomonori Imanari
友規 今成
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Abstract

【課題】建物の下地材に固定したフェノールフォーム断熱材に、内装材或いは外装材からなる板状体をホットメルト接着剤を利用して固定する。
【解決手段】建物の下地材1に不織布又は織布からなる面材2aを両面に設けたフェノールフォーム断熱材2をビス3によって固定し、該フェノールフォーム断熱材2の表面にホットメルト接着剤を両面に塗布した金属片5を仮止めし、金属片5を仮止めしたフェノールフォーム断熱材2の表面に板状体6を接触させ、次いで、板状体6の表面から加熱器を操作して、電磁誘導加熱により金属片5に塗布したホットメルト接着剤を溶融(軟化)させて板状体6をフェノールフォーム断熱材2に接着する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、建物の下地材に固定した発泡プラスチック断熱材に板状体を接着するための工法に関するものである。
外壁部分の屋内側或いは屋外側に断熱材を取り付けて建物の断熱性を高めることが行われている。このような断熱材として、板状の発泡プラスチック断熱材が用いられるようになっている。このような発泡プラスチック断熱材を介して板状体を建物に取り付ける場合、粘着テープや接着剤で取り付けている。
一方、建物に内装材を取り付ける際に、予め金属製の下地材やシートにホットメルト接着剤を塗布しておき、非金属製の壁板を押し付けた状態で、下地材,シートに高周波電流を供給して発熱させて接着剤を溶融させることで、下地材やシートと壁板を接着させて固定するような技術が提案されている(例えば特許文献1、特許文献2参照)。
特開2000−291226号公報 特開2003−147940号公報
発泡プラスチック断熱材に対し、特許文献1又は特許文献2の技術を利用して内装材を接着しようとした場合、発泡プラスチック断熱材では、電磁誘導により金属製のシートやプレートに塗布されているホットメルト接着剤を溶融させる際の熱によって表面が溶けてしまい接着し難いうという問題が生じる。
本発明の目的は、下地材に固定した発泡プラスチック断熱材にホットメルト接着剤によって板状体を接着固定する工法を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明に係る板状体の接着工法は、建物の下地材に不織布又は織布からなる面材を両面に設けたフェノールフォーム断熱材を固定し、その表面にホットメルト接着剤を両面に塗布した金属片を仮止めし、該金属片を仮止めしたフェノールフォーム断熱材の表面に板状体を接触させ、次いで、板状体の表面から、電磁誘導加熱により該金属片に塗布したホットメルト接着剤を溶融させて板状体をフェノールフォーム断熱材に接着することを特徴とするものである。
本発明の板状体の接着工法では、熱に強いフェノールフォームを用いることで、ホットメルト接着剤を溶融させる際に断熱材が変形,損傷することなく板状体を接着することが出来、この結果、断熱性能を維持することが出来る。
また両面に不織布又は織布からなる面材を設けたフェノールフォーム断熱材を用いることによって、ホットメルト接着剤を両面に塗布した金属片を介して板状体を接着することが出来る。特に、両面に不織布又は織布からなる面材を設けたことによって、溶融したホットメルト接着剤は不織布,織布の繊維間に浸透し、この浸透した接着剤によって板状体を接着することが出来る。
また電磁誘導加熱接着装置で再加熱することによって再度接着剤を溶融させることで、板状体の位置の調整や解体を容易に行うことが出来、解体した板状体を必要に応じて再利用することが出来る。
本発明では、フェノールフォーム断熱材に対して従来の接着剤によって内装材を接着する場合に比較して、短時間で接着することが出来る。
以下、本発明に係る板状体の接着工法の好ましい実施形態について説明する。本発明に係る板状体の接着工法は、建物の屋内側或いは屋外側に断熱層を構成する際に有利なものであり、建物に設けた下地材に不織布又は織布からなる面材を両面に設けたフェノールフォーム断熱材を固定し、このフェノールフォーム断熱材の表面に、ホットメルト接着剤を両面に塗布した金属片を仮止めし、この金属片を仮止めしたフェノールフォーム断熱材の表面に板状体を接触させ、この状態で板状体の表面から電磁誘導加熱により金属片に塗布したホットメルト接着剤を溶融させて、板状体をフェノールフォーム断熱材に接着するものである。
従って、フェノールフォーム断熱材と板状体との間には金属片の厚さよりも大きな隙間がなくなり、該板状体を内装材とした場合には外壁に沿った壁厚を薄くして屋内の有効面積を広くすることが可能となり、また板状体を外装材とした場合であっても、外壁の厚さを薄くして高い断熱性を持った外壁を構成することが可能である。
フェノールフォーム断熱材として好ましく使用し得るものとしては、特許第3523196号に記載されたしたフェノール樹脂発泡体積層板が挙げられる。このフェノールフォーム断熱材は、フェノール樹脂発泡体の両面に合成繊維を用いた不織布からなる面材を設けて構成されている。この面材として、繊維径が0.01デニール〜3.0デニールであり、目付が15g/m2 〜80g/m2 のポリエステル系長繊維やポリプロピレン系長繊維である合成繊維不織布を用いている。
このような面材を両面に設けたフェノールフォーム断熱材では、絡み合った繊維の間に溶融したホットメルト接着剤が浸透することが可能であり、浸透したホットメルトが固化することで、面材を介してフェノール樹脂発泡体を強固に接着することが可能である。
フェノールフォーム断熱材は建物に設けた下地材に固定される。この下地材としてはフェノールフォーム断熱材を固定することが可能なものであれば良く、材質や構造を限定するものではない。例えば下地材としては、建物の外壁を構成する外壁材(ALCパネル(軽量気泡コンクリートパネル)やPCパネル(プレキャストコンクリートパネル)等)そのものであって良く、また建物の躯体を構成する柱や間柱或いは梁、更に、鉄筋コンクリート(RC)躯体そのものであっても良く、更に、胴縁や野地,垂木等であっても良い。
上記の如き下地材にフェノールフォーム断熱材を固定する際の固定方法も特に限定するものではなく、下地材の材質や構造に応じて最適な方法を採用することが好ましい。
両面にホットメルト接着剤を塗布した金属片は電磁誘導により発熱することが必要であり、この条件を満たせば形状や寸法は特に限定するものではない。このような金属片としては、帯板状や棒状、或いは短冊状であることが好ましい。また帯板,短冊板,ピース等に形成された金属片の両面にホットメルト接着剤を塗布する方法は限定するものではない。
また金属片の両面に塗布されるホットメルト接着剤としては、特別なものである必要はなく、通常市販されているホットメルト接着剤を用いることが可能である。このようなホットメルト接着剤の軟化点は、約90℃〜180℃程度の範囲であり、この温度範囲は、フェノール樹脂発泡体の熱変形温度よりも充分に低く、従って、接着作業を行う際に、断熱材が変形、損傷することなく板状体を接着することができる。
両面にホットメルト接着剤を塗布した金属片を下地材に固定されているフェノールフォーム断熱材の表面に仮止めするに際し、金属片の数や配置位置は特に限定するものではなく、接着すべき板状体の重量や強度等の条件に応じて適宜設定することが好ましい。また金属片を仮止めする方法も限定するものではなく、フェノールフォーム断熱材に板状体を接着させるまでの間、所定の配置位置を保持し得る程度の止め方で良い。このような仮止めの方法としては、釘やタッカー或いは粘着テープを用いることが可能である。
フェノールフォーム断熱材に接着させる板状体としては、建物の内装材として或いは外装材として利用し得るものであり、且つ電磁誘導を阻害しないものであれば良い。
上記の如き板状体としては、例えば内装材としての石膏ボードや合板等があり、また外装材としてのガラス板やタイル或いはセメント板等の無機質外装板等がある。しかし、板状体としては前記した板に限定するものではなく、建物の内装材,外装材として用いることが可能で、且つ電磁誘導に悪影響を与えることがなければ利用することが可能である。
以下、本発明の接着工法の好ましい実施例について図を用いて説明する。図1は本実施例に係る接着工法を説明するための斜視図である。図2は要部を拡大して説明する図である。図3は外壁に沿ってフェノールフォーム断熱材を配置すると共に該フェノールフォーム断熱材に内装材を接着した建物の断熱構造を説明する図である。
本実施例に於いて、図1〜3に示すように、下地材1としては建物の外壁材として用いられるALCパネルを用いている。このALCパネルは、下端部及び上端部の所定位置が躯体を構成する梁に取り付けられている。
上記の如くして建物に取り付けられている下地材1に対し、先ず、両面に面材2aを設けたフェノールフォーム断熱材2が固定される。即ち、フェノールフォーム断熱材2を下地材1に当接させ、この状態で複数のビス3をフェノールフォーム断熱材2を介して下地材1に締結することで固定されている。このビス3には締結に伴ってフェノールフォーム断熱材2に作用する力を分散させるための座金4が取り付けられている。
尚、隣接するフェノールフォーム断熱材2どうしの継目は、下地材1を構成するALCパネルの継目に対しずらしておくことが好ましい。
次に、下地材1に固定されたフェノールフォーム断熱材2の表面(面材2a)に、両面にホットメルト接着剤が塗布された金属片5が仮止めされる。本実施例に於いて、金属片5はフェノールフォーム断熱材2の長さと略等しい長さを持った帯板状に形成されており、この金属片5をフェノールフォーム断熱材2の幅方向に3列にわたって配置している。
金属片5は、エアタッカーを利用してフェノールフォーム断熱材2の表面に仮止めされる。即ち、金属片5は板状体6を接着するまでの間、フェノールフォーム断熱材2の表面に留まっていることが必要であり、一度接着した後は、仮止めは不要となる。
上記の如くしてフェノールフォーム断熱材2の表面には複数の金属片5が配置される。このとき、金属片5は間隔が一定である必要はなく、板状体6の幅寸法に対応した位置であれば良い。
次いで、複数の金属片5が仮止めされたフェノールフォーム断熱材2の表面に、石膏ボードからなる板状体6が配置され、この状態で接着される。即ち、板状体6をフェノールフォーム断熱材2の表面に当接させ、この当接状態を保持して板状体6の表面側(屋内側の表面)であって金属片5と対向する位置に図示しない電磁誘導加熱接着装置を接触させ、該電磁誘導加熱接着装置を操作して電磁誘導作用を発揮させると、この作用によって金属片5が発熱して表面に塗布されたホットメルト接着剤が溶融(軟化)する。溶融したホットメルト接着剤は、フェノールフォーム断熱材2の面材2aを構成する繊維の間に浸透する。
金属片5に塗布されているホットメルト接着剤が充分に溶融する時間が経過した後、電磁誘導加熱接着装置の操作を停止すると、金属片5の発熱が停止して冷却を開始し、これに伴って、溶融しているホットメルト接着剤が固化する。従って、フェノールフォーム断熱材2と板状体6は面材2aに浸透したホットメルト接着剤によって接着される。
本発明に係る接着工法は、建物の下地材に固定した発泡プラスチック断熱材に板状体を接着する工法に好適に用いられる。
本実施例に係る接着工法を説明するための斜視図である。 要部を拡大して説明する図である。 外壁に沿ってフェノールフォーム断熱材を配置すると共に該フェノールフォーム断熱材に内装材を接着した建物の断熱構造を説明する図である。
符号の説明
1 下地材
2 フェノールフォーム断熱材
2a 面材
3 ビス
3a 頭部
4 座金
5 金属片
6 板状体

Claims (1)

  1. 建物の下地材に不織布又は織布からなる面材を両面に設けたフェノールフォーム断熱材を固定し、その表面にホットメルト接着剤を両面に塗布した金属片を仮止めし、該金属片を仮止めしたフェノールフォーム断熱材の表面に板状体を接触させ、次いで、板状体の表面から、電磁誘導加熱により該金属片に塗布したホットメルト接着剤を溶融させて板状体をフェノールフォーム断熱材に接着することを特徴とする板状体の接着工法。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011179229A (ja) * 2010-03-01 2011-09-15 Asahi Kasei Construction Materials Co Ltd 断熱材の施工方法及び断熱材の取付構造

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