JP2006035659A - 現像レス平版印刷用原版及び平版印刷版 - Google Patents

現像レス平版印刷用原版及び平版印刷版 Download PDF

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隆幸 眞田
Tomoya Terauchi
知哉 寺内
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Abstract

【課題】 近赤外領域のレーザー光で描画でき、かつ現像や拭き取り操作が不要な現像レス平版印刷版および原版、さらに詳しくは、検版性および非画線部の親水性の改良された現像レス平版印刷版および現像レス平版印刷用原版を提供すること。
【解決手段】 界面活性剤を含有する下地層を介して支持体上に感光層が形成されたことを特徴とする現像レス平版印刷用原版、および該現像レス平版印刷用原版を露光して得られる現像レス平版印刷版。
【選択図】 なし

Description

本発明は平版印刷用原版、特に湿し水を用いる現像レス平版印刷用原版及びそれより得られる平版印刷版に関するものである。特に近赤外領域のレーザー光で描画でき、かつ現像や拭き取り操作が不要な現像レス平版印刷版及び原版に関するものであり、さらに詳しくは、検版性および非画線部の親水性の改良された現像レス平版印刷版及び原版に関する。
コンピュータの普及につれ、製版用フィルムを使用しないで、コンピュータ上の原稿から直接版材にレーザー光やサーマルヘッド、インクジェットで印字し製版する所謂コンピュータ・ツー・プレート(CTP)タイプの印刷版が登場し普及し始めている。このうちレーザー光を用いる印刷版はさらに光反応によるフォトンモードのものと、光熱変換を行って熱反応を起こさせるヒートモードの2つのタイプに分けられる。このうちヒートモードタイプのCTP版は、明室で取り扱えるといった利点があり、今後の主流になると言われている。また、フォトンモードでは露光後に未露光部が反応しないよう、失活や現像といった後工程が必須であるが、ヒートモードではこれらの後工程を省くことが可能であり、所謂現像レス版を得ることも可能になると期待されている。
現像レス版には大きく分けて三つのタイプが挙げられる。例えば表面層をレーザー露光で焼き飛ばすアブレーションタイプ、印刷機上で湿し水あるいはインクにより非画線部あるいは画線部を除去する印刷機上現像タイプ、レーザー露光部の親水性(あるいは撥インク性)が変化する極性変換タイプの三つであり、各社から提案されている。
このうちアブレーションタイプは、焼き飛ばした表面層がゴミとなり、版表面に付着するため、露光後に拭き取りあるいは洗浄の実施が推奨されている。また、印刷機上現像タイプは、除去物が湿し水に混入することで汚れやすくなったり、インクに混入することで印刷物の色が濁ったりするといった問題がある。これらに対し、極性変換タイプは拭き取り等の後工程が全く不要で、かつ印刷に悪影響を与える除去物の発生がないため、完全なプロセスレス版が可能となり、今後期待されている。
そこで本出願人は、感光性樹脂組成物を架橋した親水性樹脂感光層からなり、光の照射により表面が親水性から親インク性に変化する極性変換タイプの現像レス版を開発し提案してきた。例えば、WO01/83234号(特許文献1)、特開2001−180144号公報(特許文献2)、特開2002−362052号公報(特許文献3)、特開2002−370467号公報(特許文献4)、特開2004−122599号公報(特許文献5)等は、感光層として親水性ポリマーマトリクス中に疎水性ポリマーの微粒子を分散させており、感光層中に存在する光吸収剤が光照射することで光を熱に変換し、発生した熱により疎水性ポリマーが発泡したり、熱融着したりして、光照射した部分の感光層の親水性が失われ、親インク性に変化することを利用しているものである。
これらの平版印刷版は現像や拭き取り操作が不要で、且つレーザー光照射部の表面だけが変化するため、感度、解像度に優れているものであるが、これらの版のさらなる性能向上のために、非画線部の親水性を向上させることが望まれている。
現像レス版の非画線部の親水性を向上させる方策として、例えば特開2001−109140号公報(特許文献6)には、架橋構造を有する親水性層に分子量1000未満の水溶性化合物を添加した平版印刷原版が開示されている。また特開平11−42865号公報(特許文献7)には、親水性結着剤を主成分とする画像受理層にポリエーテル化合物を含む直描型平版印刷原版が開示されている。また本出願人は、特開2002−362052号公報(特許文献3)で、親水性樹脂感光層中に含まれる親水性添加剤が陰イオン性界面活性剤であるダイレクトオフセット印刷原版を提案した。これらの親水性添加剤は確かに非画線部の親水性や保水性を向上させるが、湿し水やインキの種類によっては印刷中に溶出することがあり、その効果が短時間で消えてしまう場合があった。
また、上記極性変換タイプの現像レス版の別の課題として検版性向上が挙げられる。このタイプの版は、非画線部と画線部が同じ一層で達成されるため良好な検版性の付与が困難となってしまうからである。例えば、WO01/83234号(特許文献1)で開示した印刷版は、レーザー露光により感光層表面が白濁するため検版は可能であるが、コントラストが小さく、検版性を向上させることが望まれている。
WO01/83234号公報 特開2001−180144号公報 特開2002−362052号公報 特開2002−370467号公報 特開2004−122599号公報 特開2001−109140号公報 特開平11−42865号公報
本発明の目的は、近赤外領域のレーザー光に感光し、現像や拭き取り操作が不要で、且つ非画線部の親水性、更に検版性の改良された現像レス平版印刷用原版および平版印刷版を提供することである。
本発明者らは、鋭意検討した結果、界面活性剤を驚くべきことに感光層自体ではなく、下地層中に含有させておくことで、高い親水性付与効果が発揮されるとともに、その効果が持続すること、更に検版性が向上することを見出し、本発明を完成した。即ち本発明は、以下の構成からなるものである。
(1) 界面活性剤を含有する下地層を介して支持体上に感光層が形成されたことを特徴とする現像レス平版印刷用原版。
(2) 界面活性剤が、フッ素系界面活性剤である(1)記載の現像レス平版印刷用原版。
(3) 下地層を介して支持体上に形成された感光層を有する現像レス平版印刷用原版を露光して得られる現像レス平版印刷版において、下地層が界面活性剤を含有することを特徴とする現像レス平版印刷版。
(4) 界面活性剤が、フッ素系界面活性剤である(3)記載の現像レス平版印刷版。
本発明の平版印刷用原版を用いれば、検版性および非画線部の親水性に優れ、かつレーザー露光後に現像や拭き取り等の工程を不要とする現像レス平版印刷用原版を提供することができる。また、更に印刷中に非画線部の親水性が低下しない現像レス平版印刷用原版を提供することができる。
以下、本発明の現像レス平版印刷用原版及び平版印刷版について詳細に説明する。
本発明の現像レス平版印刷用原版及び平版印刷用版は、支持体上に下地層を介して設置された感光層を有しており、該下地層に界面活性剤を添加して含有させることを特徴とするものである。下地層に界面活性剤を添加することにより、感光層の親水性が向上することを本出願人は見出した。
この現象が起こる理由は定かではないが、界面活性剤を下地層中に含有させることで印刷中にこれらが徐々に表面にブリードし、親水性付与効果を発揮していると考えられる。また、別の効果としてレーザー露光部の白濁度が上がり、検版性が向上することも見出した。レーザー露光部の白濁度が上がる理由は明らかではないが、熱により下地層中の界面活性剤が単独で変性するか、あるいは周囲の樹脂と反応することで、レーザー露光部の屈折率が変化し白濁度が上がると考えられる。
[下地層]
本発明の現像レス平版印刷原版においては、支持体と感光層の密着性を高めるため下地層を設置する。この時に用いる下地層の組成は特に制限はないが、感光層に含まれる疎水性ポリマーと同じ種類の樹脂を用いることが好ましい。特にウレタン系、アクリル系、酢酸ビニル系、合成ゴム系、エチレン系等の疎水性ポリマーを使用することが好ましい。
これら下地層に用いられる疎水性ポリマーは、水溶液又は有機溶媒に溶解した均一溶液やエマルジョンの形態とし、これらを成膜することで下地層とすることができる。特に好ましいのはポリマーエマルジョン型である。この疎水性ポリマーエマルジョンは強制乳化型でもよいし、自己乳化型でもよい。エマルジョンを用いた場合、下地層の表面凹凸を防ぐため、ポリマーの平均粒径は5〜500nm程度、より好ましくは10〜300nmが好ましい。尚、エマルジョンの平均粒径は、一般的には水で薄めて粒度測定器(例えば「マイクロトラック」等)により測定することが可能である。その他、エマルジョンを凍結後スライスして透過型電子顕微鏡で測定することもでき、平均粒径が10nm以下の場合には特にこの方法が好ましく用いられる。
このエマルジョンは塗布後、分散溶媒が蒸発すると融着して造膜する特性を有することが好ましい。製造上問題がなければ造膜温度は特に限定されず、何℃でもよい。下地層には1種類または2種類以上の前記疎水性ポリマーを混合して使用できる。さらに、架橋剤を加えて強靭な膜を作ることも可能である。
本発明では、下地層に界面活性剤を添加することが重要な特徴である。界面活性剤を添加することにより感光層の親水性が向上するとともに、レーザー露光部の白濁度が上がり、検版性を向上することができる。また、印刷中に感光層の親水性が低下しないという効果も有するものである。
界面活性剤の添加方法として、下地層に使用する疎水性ポリマーの溶液あるいはエマルジョンを攪拌しながら界面活性剤あるいは界面活性剤溶液を添加する方法、支持体に塗布、乾燥した下地層に界面活性剤あるいは界面活性剤溶液を含浸させる方法、支持体上に界面活性剤あるいは界面活性剤溶液を塗布後、疎水性ポリマーの溶液あるいはエマルジョンを重ねて塗布する方法等が挙げられる。界面活性剤が均一に分散できることから、下地層に使用する疎水性ポリマーの溶液あるいはエマルジョンを攪拌しながら界面活性剤あるいは界面活性剤溶液を添加する方法が好ましい。
この下地層を塗布するときには例えば、バーコーター、ロールコータ、ブレードコータ、グラビアコータ、カーテンフローコータ、ダイコータ、ディップコータやスプレー法等を用いれば良い。下地層の膜厚は特に制限はないが、通常0.1〜10μm程度、好ましくは0.2〜5μmである。
下地層塗布後、そのまま感光性組成物を塗布してもよいし、加熱または送風乾燥してから使用してもよい。このように設けた下地層によって、支持体/下地層界面、下地層/感光層界面の密着性が上がるため耐刷性がよく、湿し水が供給されても界面での剥離は起きない。
[界面活性剤]
本発明の現像レス平版印刷用原版においては、親水性付与のため下地層に界面活性剤を添加することが重要である。ここで界面活性剤は、印刷中に徐々に表面にブリードし親水性を付与するものであれば、特に限定されず公知の界面活性剤が使用可能である。例として非イオン性界面活性剤、イオン性界面活性剤、フッ素系界面活性剤等が挙げられる。好ましくはブリードしやすく、かつ少量で高い親水性を与えるとともに、レーザー露光部の白濁度が高いことから、フッ素系界面活性剤を用いることが好ましい。下地層への界面活性剤の添加量は、0.01〜5重量%であることが好ましく、0.1〜5重量%であることが更に好ましい。添加量がこの範囲である場合に親水性付与効果が十分見られ、支持体及び感光層との密着性が良好であるため好ましい。
本発明において使用可能なフッ素系界面活性剤の具体例としては、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルキルアンモニウム塩、パーフルオロアルキルベタイン、パーフルオロアルキルアミンオキシド、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物、ヘキサフルオロプロペンオリゴマーカルボン酸塩、ヘキサフルオロプロペンオリゴマースルホン酸塩、ヘキサフルオロプロペンオリゴマーホスホン酸、ヘキサフルオロプロペンオリゴマーベタイン、ヘキサフルオロプロペンオリゴマーアンモニウム塩等が挙げられる。より好ましくはパーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルベタイン、パーフルオロアルキルアミンオキシドである。
陰イオン性界面活性剤の具体例としては、スルホン酸塩系、例えばアルキルフェニルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルアリルスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物のナトリウム塩、ポリオキシエチレンアルキルスルホコハク酸塩、ジアルキルスルホ琥珀酸エステル塩やジアルキルスルホ琥珀酸エステル塩等があげられる。また、カルボン酸塩系、例えばジアルキル琥珀酸エステル塩、モノアルキルコハク酸エステル塩、ポリカルボン酸等があげられ、硫酸エステル塩系、例えばアルキルジフェニル硫酸オキシド、アルキル硫酸エステル、高級アルコール硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エーテル塩等が挙げられる。また、りん酸エステル塩系、例えばアルキルエーテルりん酸エステル塩やアルコールりん酸エステル塩等も使用できる。
また陽イオン性界面活性剤としては、第1級アミン塩系、第2級アミン塩系、第3級アミン塩系、第4級アンモニウム塩系、四級ピリジニウム塩系、ラウリルイミダゾリン系、アルキルアミン系等が挙げられる。両性界面活性剤としては、アルキルベタイン系、アミノ酸型、スルホン酸型、硫酸エステル型、りん酸エステル型、アミンオキシド型、ポリオキシエチレンアルキルアミン型、ポリアルキレンポリアミン型、ポリエチレンイミン型、カルボン酸型、硫酸エステル型等の両イオン性のものが使用可能である。
さらに非イオン性活性剤活性剤として具体例には、ポリエチレングリコール型、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリプロピレングリコールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン等や、多価アルコール型、例えばアルキルアルカノールアミド、グリセリン脂肪酸エステル、しょ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、やし油やひまし油を原料とした界面活性剤、ポリエチレングリコール、アルキルフェニルエーテルやアルキルエーテル、アルキルアリルエーテル、ラウリルエーテル系の界面活性剤等が挙げられる。本発明において下地層に含有させる界面活性剤は、一種単独で使用しても、二種以上を併用して用いてもよい。
[支持体]
本発明の現像レス平版印刷用原版及び平版印刷版は、支持体上に下地層を介して感光層を設けるものであるが、この際用いられる支持体としては特に制限はなく、公知のものが使用可能である。支持体の具体例としては、アルミ板、鋼板、ステンレス板、銅板等の金属板やポリエステル、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ABS樹脂等のプラスチックフィルムや紙、プラスチックフィルムラミネート紙等が挙げられる。これらの支持体の厚さは特に制限はないが、通常100〜400μm程度である。又、これらの支持体には下地層との密着性の改良等のために酸化処理、クロメート処理、サンドブラスト処理、コロナ放電処理等の表面処理を施してもよい。
[感光層]
次に本発明の現像レス平版印刷用原版に用いることのできる感光層に関して説明する。本発明の現像レス平版印刷用原版は湿し水を用いるオフセット印刷用の現像レス版であり、感光層の光照射部以外は非画像部になるものである。従って、本発明において感光層は親水性で、且つ水に溶けないことが必要である。そして、本発明の印刷用原版では、光を照射した部分の感光層はアブレーションにより取り除かれることはなく、感光層の親水性が親インク性に変化する性質を有するものである。そのため、本発明の版は光の照射後に現像や拭き取り等が不要となるが、上記したような特性の変化を具現化するために、本発明に用いる感光層は、親水性ポリマー、架橋剤、疎水性ポリマー及び光吸収剤を含有してなる感光性樹脂組成物を架橋してなるものであることが好ましい。親水性ポリマーは架橋することにより水に不溶性となる。このような感光性樹脂組成物として、例えば特開2002−362052号公報に記載の感光性樹脂組成物が挙げられ、具体的には、置換または無置換(メタ)アクリルアミドやN−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、水酸基や酸性基を有する(メタ)アクリレート、例えばヒドロキシエチルメタクリレートなどを共重合した親水性ポリマー、2個以上の官能基を持ったエポキシ樹脂やアミノ樹脂、ブロック化イソシアネートのような架橋剤、水分散ポリウレタン樹脂、アクリル系ラテックス、水分散ポリエステル樹脂のような疎水性ポリマー、シアニン系色素、フタロシアニン系色素、ナフタロシアニン系色素、カーボンブラックのような光吸収剤からなる感光性樹脂組成物が好ましい。架橋剤、疎水性ポリマー及び光吸収剤の配合量は、親水性ポリマー100質量部に対し、それぞれ5〜100質量部、0〜300質量部、1〜100質量部であることが好ましい。配合量がこの範囲である場合に、非画線部の親水性、画線部の親インク性、耐刷性、レーザー露光に対する感度が良好となるため好ましい。水溶液あるいはエマルジョン状の親水性ポリマー、架橋剤、疎水性ポリマー及び光吸収剤を攪拌しながら混合し作成した感光性樹脂組成物を、下地層上に塗布、加熱することで感光層が形成される。ここで感光性樹脂組成物には印刷条件に対する安定性を広げるため、種々の界面活性剤を添加しても良い。
尚、前記の記載に於いて、(メタ)アクリルアミドや(メタ)アクリレートに於ける(メタ)アクリル、(メタ)アクリレートは、それぞれアクリルまたはメタクリル、アクリレートまたはメタクリレートを意味することとする。
本発明の現像レス平版印刷用原版は光を照射した部分の感光層表面の親水性が親インク性に変化し、平版印刷版となる。この平版印刷版は、現像や拭き取り操作をしなくても光の照射部にはインクが付着し、印刷が可能となる。
本発明の現像レス平版印刷用原版の光照射に際しては、照射速度の点から収束光を高速で走査するのが好ましく、使用し易い。また、光源としては高出力のものが適しており、この点から、照射する光としてはレーザー光、特に750〜1100nmの波長域の発振波長を有するレーザー光が好ましく、例えば830nmの高出力半導体レーザーや1064nmのYAGレーザーが好ましく用いられる。これらのレーザーを搭載した露光機は所謂サーマル用プレートセッター(露光機)として既に市場に供されている。
以下、実施例にて更に本発明を詳細に説明する。
[実施例1]
(下地層の塗工)
厚さ0.3mmのアルミニウム板に、下記組成(単位質量部、以下同様)からなる下地層用樹脂液をワイヤーバーを用いて塗布した後、140℃1分間乾燥し、5μmの下地層を成膜した。
水分散ウレタン樹脂(三井化学(株)製、オレスターTMUD350、固形分40重量%):100部
パーフルオロアルキルスルホン酸塩((株)ジェムコ製、フッ素系界面活性剤、エフトップTM―103、固形分100重量%):0.5部
(現像レス平版印刷用原版の作成)
上記方法にて作成した下地層の上に、下記組成(単位質量部、以下同様)からなる感光性樹脂組成物の水溶液をワイヤーバーを用いて塗布した後、120℃で60分間乾燥し、2μmの膜厚の感光層を成膜して現像レス平版印刷原版を作成した。
アクリルアミド:ヒドロキシエチルアクリレート=90:10(重量比)の親水性ポリマー水溶液(固形分15重量%):267部
メチル化メラミン樹脂(三井サイテック(株)製、サイメルTM350、固形分80重量%):25部
水分散ウレタン樹脂(第一工業製薬(株)製、スーパーフレックスTM700、固形分40重量%):100部
シアニン色素水溶液(日本感光性色素(株)製、IR−125、固形分5重量%):100部
アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製、ネオコールTMYSK、固形分70重量%):3部
(描画・平版印刷版の製造)
この原版に波長830nmの半導体レーザー光を350mJ/cmの照射エネルギー密度となるように集光しながら走査照射して、175線/インチの画像情報の描画を行った。レーザー露光部は白濁化しており、蛍光灯下、4ポイントの細明朝体で描画した「三井化学」の文字およびベタ部分の抜き文字を目視ではっきりと確認できた。
(印刷評価)
この描画した版をオフセット印刷機三菱重工業(株)製ダイヤ1F−4にセットし、湿し水として(株)日研化学研究所のH液アストロマーク3の2%水溶液、インクとして東洋インキ製造(株)製のハイエコーTMSOYを使用して印刷を行った。PS版で用いる湿し水量は印刷機の目盛りで50であるが、実施例1の版では46でも光の未照射部にはインクが全く付かず、一方、照射部にはインクが十分に付着し、描画した画像が印刷用紙上に再現された。また2万枚印刷後も同じ湿し水量のままで、未照射部にはインクが全く付かず、照射部へのインク付着性も損なわれず、親水性付与効果が持続していた。
[実施例2]
実施例1の下地層に添加する界面活性剤を、パーフルオロアルキルベタイン(セイミケミカル(株)製フッ素系界面活性剤サーフロンTMS―131、固形分30重量%)に替えた以外は実施例1と同様にして印刷版を作り描画した。レーザー露光部は白濁化しており、蛍光灯下、4ポイントの細明朝体で描画した「三井化学」の文字およびベタ部分の抜き文字を目視ではっきりと確認できた。実施例1と同様にして印刷評価を行なったところ、湿し水量を45まで減らすことができた。また2万枚印刷後も同じ湿し水量のままで、未照射部にはインクが全く付かず、照射部へのインク付着性も損なわれず、親水性付与効果が持続していた。
[実施例3]
実施例1の下地層に添加する界面活性剤を、パーフルオロアルキルアミンオキシド(セイミケミカル(株)製フッ素系界面活性剤サーフロンTMS―141、固形分30重量%)に替えた以外は実施例1と同様にして印刷版を作り描画した。レーザー露光部は白濁化しており、蛍光灯下、4ポイントの細明朝体で描画した「三井化学」の文字およびベタ部分の抜き文字を目視で確認できた。実施例1と同様にして印刷評価を行なったところ、湿し水量を45まで減らすことができた。また2万枚印刷後も同じ湿し水量のままで、未照射部にはインクが全く付かず、照射部へのインク付着性も損なわれず、親水性付与効果が持続していた。
[比較例1]
実施例1の下地層に界面活性剤を添加しないこと以外は実施例1と同様にして現像レス平版印刷版を作り描画した。レーザー露光部は白濁化していたものの白濁度が低く、蛍光灯下では4ポイントの細明朝体で描画した「三井化学」の文字はわずかに確認できたものの、見難かった。実施例1と同様にして印刷評価を行なったところ、印刷初期にはPS版と同じ湿し水量50で光の未照射部にはインクが全く付かず、一方、照射部にはインクが十分に付着し、描画した画像が印刷用紙上に再現された。しかし1万枚印刷した後では、湿し水量を55に上げないと網点面積率80%以上の領域にインキ絡みが発生した。
[比較例2]
実施例1のフッ素系界面活性剤であるエフトップTM―103を下地層ではなく、感光層に添加した以外は実施例1と同様にして現像レス平版印刷原版を作り、描画した。レーザー露光部は白濁化していたものの白濁度が低く、蛍光灯下では4ポイントの細明朝体で描画した「三井化学」の文字はわずかに確認できたものの、見難かった。実施例1と同様にして印刷評価を行なったところ、印刷初期には湿し水量48でも光の未照射部にはインクが全く付かず、一方、照射部にはインクが十分に付着し、描画した画像が印刷用紙上に再現された。しかし5千枚印刷した後では、湿し水量を50に上げないと網点面積率80%以上の領域にインキ絡みが発生した。さらに2万枚印刷後では、湿し水量は55に上げないとインキ絡みが発生した。
本発明の現像レス平版印刷用原版によれば、検版性および非画線部の親水性に優れ、かつ現像や拭き取り操作が不要な現像レス平版印刷版を提供できる。

Claims (4)

  1. 界面活性剤を含有する下地層を介して支持体上に感光層が形成されたことを特徴とする現像レス平版印刷用原版。
  2. 界面活性剤が、フッ素系界面活性剤である請求項1記載の現像レス平版印刷用原版。
  3. 下地層を介して支持体上に形成された感光層を有する現像レス平版印刷用原版を露光して得られる現像レス平版印刷版において、下地層が界面活性剤を含有することを特徴とする現像レス平版印刷版。
  4. 界面活性剤が、フッ素系界面活性剤である請求項3記載の現像レス平版印刷版。
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