JP2006035499A - 液滴吐出装置及びその製造方法並びに接続検査方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】液滴吐出装置において電極の接続状態の検査を簡易に短時間で行い、接続状態を確認するとともに検査結果に基いて吐出状態のバラツキをなくす。
【解決手段】液体を液滴として吐出する液滴吐出ヘッドと、該液滴吐出ヘッドに吐出駆動信号を供給する吐出駆動信号用配線基板を有する液滴吐出装置であって、前記液滴吐出ヘッドと前記吐出駆動信号用配線基板の双方に形成された前記吐出駆動信号を受け渡しする駆動信号用電極同士の接続状態を検査するための接続検査用電極及び接続検査用配線素子を、前記液滴吐出ヘッドと前記吐出駆動信号用配線基板の双方に備えたことを特徴とする液滴吐出装置を提供することにより前記課題を解決する。
【選択図】 図17
【解決手段】液体を液滴として吐出する液滴吐出ヘッドと、該液滴吐出ヘッドに吐出駆動信号を供給する吐出駆動信号用配線基板を有する液滴吐出装置であって、前記液滴吐出ヘッドと前記吐出駆動信号用配線基板の双方に形成された前記吐出駆動信号を受け渡しする駆動信号用電極同士の接続状態を検査するための接続検査用電極及び接続検査用配線素子を、前記液滴吐出ヘッドと前記吐出駆動信号用配線基板の双方に備えたことを特徴とする液滴吐出装置を提供することにより前記課題を解決する。
【選択図】 図17
Description
本発明は、液滴吐出装置及びその製造方法並びに接続検査方法に係り、特に液滴吐出口が高密度配置された液滴吐出装置における液滴吐出ヘッドと駆動信号用配線板との電極の接続状態の検査を簡易化する技術に関する。
従来より、画像形成装置としてインクジェット記録装置(インクジェットプリンタ)が知られている。このインクジェット記録装置は、インクを液滴として被記録媒体に向けて吐出する多数の液滴吐出口(ノズル)が配列された液滴吐出ヘッド(インク吐出ヘッド)を有する液滴吐出装置を含んで構成され、インク吐出ヘッドと被記録媒体を相対的に移動させながら、ノズルからインクを被記録媒体に吐出して、被記録媒体上にドットを形成することにより、画像を形成するものである。
このようなインクジェット記録装置におけるインク吐出方法として、従来から様々な方法が知られている。例えば、圧電素子(圧電アクチュエータ)の変形によって圧力室(インク室)の一部を構成する振動板を変形させて、圧力室の容積を変化させ、圧力室の容積増大時にインク供給路から圧力室内にインクを導入し、圧力室の容積減少時に圧力室内のインクをノズルから液滴として吐出する圧電方式や、インクを加熱して気泡を発生させ、この気泡が成長する際の膨張エネルギーでインクを吐出させるサーマルインクジェット方式などが知られている。
このようにインクジェット記録装置においては、ノズルから吐出されたインクによって形成されるドットを組み合わせることによって1つの画像が表現される。近年、インクジェット記録装置においても写真プリントなみの高画質な画像記録が望まれており、そのためインクドットを小さくし1画像あたりの画素数を多くして高画質を実現するために、ノズル径を小さくした多数のノズルを高密度に配列することが行われている。
しかしこのような小さなノズルの高密度配列に伴い、ノズルを駆動してインクを吐出するための各種電子部品等の配線も非常に微細化・高密度化され、その接続電極の状態を確認して接続を確実に行うことが次第に困難となっている。そこで、このような微小な電子部品における配線の接続を確実に行うためのさまざまな提案がなされている。
例えば、フレキシブルフィルム配線基板と配線基板との配線が接続される複数の接続端子のうち、少なくとも1つの接続端子のライン幅が他の接続端子のライン幅よりも広くなるようにして、接着固定の際の不良接続の発生を少なくしたインクジェット記録ヘッド及びその組立て方法が知られている(例えば、特許文献1等参照)。
また例えば、印刷配線板の両端部の独立する2電極に各々配線を引き延ばして検査用電極を形成し、この形成した検査用電極に各々抵抗計のプローブを当てて抵抗値を測定し、測定した抵抗値が正常な値であれば接続状態は正常であると判断するようにして、接続電極の接続部の接続状態の良否を目視検査することなく容易に行おうとしたものが知られている(例えば、特許文献2等参照)。
また例えば、インクジェット記録装置の分野ではないが、半田をプリコートし電子部品をリフロー工程により実装するプリント配線基板において半田溶融状態を検査する検査方法として、パターン端子間のピッチを実装する電子部品間のピッチよりも狭めるとともに、パターン端子の長手方向に目盛部を設けた一対のチェック用のパターン端子をプリント配線基板の少なくとも一方の対角線上の両隅部に設け、プリント配線基板の実装パターン端子及びチェックパターン端子部にクリーム半田をプリコートして実装パターン端子上に電子部品を搭載して外部からプリント配線基板を加熱してクリーム半田を溶融させ、電子部品を表面実装した後、一対のチェックパターン端子部のクリーム半田の溶融状態を検査することにより半田溶融状態を検査するものが知られている(例えば、特許文献3等参照)。
特開平10−230603号公報
特開平7−176857号公報
特許第3052739号公報
しかしながら、上述したように、液滴吐出装置における液滴吐出ヘッドと駆動信号用配線板との接続において、液滴吐出ヘッドが高密度多素子となる中で配線板との接続が正常に行われているかどうかの確認検査を行うのに、目視ではその確認が非常に困難であるという問題があった。
また、個々の圧電素子の静電容量や固有振動数を1個1個検査したり、あるいは実際に液滴吐出ヘッドから被記録媒体に液滴を吐出して印字結果を検査する等の方法では非常に時間がかかるという問題があった。
例えば、上記特許文献1に記載のものは、接続端子のライン幅を他の接続端子のライン幅よりも広くして、接続時に位置が少しずれても接続不良を起こさないようにするものであり、電極の接続状態を検査するものではない。
また、上記特許文献2に記載のものは、各接続電極から検査用電極を引き出して抵抗計で測定するものであり、1個1個検査する必要があり検査に時間がかかるという問題がある。
また、上記特許文献3に記載のものは、あくまで半田がうまく塗られているかどうかを見るものであり、電極の電気的な接続状態の良否を検査(いわゆる通電チェック)するものではなく、さらに、チェック用パターン端子に設けられた目盛りを読むことによって半田の溶融状態を判断するものであり、検査に時間がかかるという問題がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、電極の接続状態の検査を簡易に短時間に自動的に行うとともに、未接続、短絡、接触不良等の接続状態の確認を可能とし、さらに、検査結果に基いて吐出状態のバラツキをなくすことを可能とする液滴吐出装置及びその製造方法並びに接続検査方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、液体を液滴として吐出する液滴吐出ヘッドと、該液滴吐出ヘッドに吐出駆動信号を供給する吐出駆動信号用配線基板を有する液滴吐出装置であって、前記液滴吐出ヘッドと前記吐出駆動信号用配線基板の双方に形成された前記吐出駆動信号を受け渡しする駆動信号用電極同士の接続状態を検査するための接続検査用電極及び接続検査用配線素子を、前記液滴吐出ヘッドと前記吐出駆動信号用配線基板の双方に備えたことを特徴とする液滴吐出装置を提供する。
これによれば、駆動信号用電極同士の接続確認の検査を一つ一つの駆動信号用電極全てについて検査することなく、接続検査用電極を用いて一次的な検査を行うことで簡易に全体的な接続の良否判定(1次チェック)を行うことができる。
また、請求項2に示すように、前記液滴吐出ヘッドと前記吐出駆動信号用配線基板とを接合する際の、前記液滴吐出ヘッド及び前記吐出駆動信号用配線基板のそれぞれに設けられた前記接続検査用電極同士の接続状態の検出結果に基いて前記駆動信号用電極同士の接続状態を自動的に判定するようにしたことを特徴とする。
これによれば、接続状態の確認を目視によることなく容易に行うことができる。
また、請求項3に示すように、前記接続検査用電極のサイズが、少なくとも前記駆動信号用電極のサイズより小さいことを特徴とする。これによれば、検出条件を厳しくすることによって、組立て工程において、多少の位置ずれに対しても余裕を確保することができる。
また、請求項4に示すように、前記接続検査用電極の個数は、前記駆動信号用電極の個数よりも少ないことを特徴とする。これによれば、少ない個数の接続検査用電極を検査するのみでおおまかな接続検査を行うことができ、検査を簡略化し検査時間を短縮することができる。
また、請求項5に示すように、前記駆動信号用電極は前記液滴吐出ヘッド及び前記吐出駆動信号用配線基板上に2次元マトリクス状に配列され、前記接続検査用電極は、前記駆動信号用電極が配列された領域に対し少なくともその対角上に配置されたことを特徴とする。
これによれば、接続検査用電極を対角に配置することで接続の良否判定の確度を向上させることができる。
また、請求項6に示すように、前記接続検査用電極は、前記駆動信号用電極が配列された領域に対しその四隅に配置され、かつその1つの対角上にはある方向のサイズが前記駆動信号用電極より小さい前記接続検査用電極を配置し、他の対角上には前記ある方向とは異なる方向のサイズが前記駆動信号用電極より小さい前記接続検査用電極を配置したことを特徴とする。
これによれば、接続検査用電極を対角に配置した場合よりもさらに検出精度を向上することができ、組立て時における縦横方向への位置ずれ、圧力や温度の不均一による長さ方向での不良を検出することが可能となる。
また、請求項7に示すように、前記液滴吐出ヘッド上の近接した位置に2つの前記接続検査用電極を配置し、その一方を一定の電圧端子に接続するとともに、他方をオープン端子に接続したことを特徴とする。
これによれば、オープン端子を利用することにより、一定の電圧端子に接続したものだけではできなかった隣接する端子との短絡をも容易に検出することができる。
また、請求項8に示すように、請求項1〜7のいずれか1項に記載の液滴吐出装置において、さらに、前記液滴吐出ヘッドに、液滴の吐出を行うためのアクチュエータの他に検査用のアクチュエータ及び前記検査用のアクチュエータの変位を検出する変位検出手段を設けたことを特徴とする。
これによれば、液滴吐出ヘッドに設けられるアクチュエータのロット間のバラツキを検出することができる。
また、請求項9に示すように、前記変位検出手段の検出結果に基いて、前記液滴吐出ヘッドの前記駆動信号用電極に対応する液滴吐出用のアクチュエータに対する駆動波形を補正することによって前記液滴吐出用のアクチュエータの変位量を制御することを特徴とする。
これによれば、検出したアクチュエータの変位特性に基づいてアクチュエータのロット間のバラツキを補正して、配線抵抗と接触抵抗等のバラツキ分を駆動信号により調整可能となる。
また、同様に前記目的を達成するために、請求項10に記載の発明は、液体を液滴として吐出する液滴吐出ヘッドと、該液滴吐出ヘッドに吐出駆動信号を供給する吐出駆動信号用配線基板を有する液滴吐出装置において、前記液滴吐出ヘッドと前記吐出駆動信号用配線基板の双方に形成された前記吐出駆動信号を受け渡しする駆動信号用電極の接続状態を検査する接続検査方法であって、前記駆動信号用電極同士の接続状態を検査するための接続検査用電極及び接続検査用配線素子を、前記液滴吐出ヘッドと前記吐出駆動信号用配線基板の双方に形成し、前記液滴吐出ヘッドと前記吐出駆動信号用配線基板とを接合する際、前記液滴吐出ヘッド及び前記吐出駆動信号用配線基板のそれぞれに設けた前記接続検査用電極同士の接続状態を検出することにより前記駆動信号用電極の接続状態を検査することを特徴とする接続検査方法を提供する。
これによれば、駆動信号用電極同士の接続確認の検査を接続検査用電極を用いて行うことで簡易に接続の良否判定を行うことができる。
また、請求項11に示すように、前記接続検査用電極のサイズを、少なくとも前記駆動信号用電極のサイズより小さくしたことを特徴とする。
これにより、厳しい検査条件で検査を行い検出精度を高め、接続不良のものを確実に検出することができるため、組立て時における組立精度に、ある程度の余裕を確保することができる。
また、請求項12に示すように、前記接続検査用電極の個数を、前記駆動信号用電極の個数よりも少なくしたことを特徴とする。これにより、接続検査を簡単に短時間に行うことができる。
また、請求項13に示すように、前記駆動信号用電極は前記液滴吐出ヘッド及び前記吐出駆動信号用配線基板上に2次元マトリクス状に配列され、前記接続検査用電極は、前記駆動信号用電極が配列された領域に対し少なくともその対角上に配置されたことを特徴とする。
このように接続検査用電極を対角に配置することで接続検査精度を向上させることができる。
また、請求項14に示すように、前記接続検査用電極は、前記駆動信号用電極が配列された領域に対しその四隅に配置され、かつその1つの対角上にはある方向のサイズが前記駆動信号用電極より小さい前記接続検査用電極を配置し、他の対角上には前記ある方向とは異なる方向のサイズが前記駆動信号用電極より小さい前記接続検査用電極を配置したことを特徴とする。
これにより、より一層接続検査精度を向上させることができる。
また、請求項15に示すように、前記液滴吐出ヘッド上の近接した位置に2つの前記接続検査用電極を配置し、その一方を一定の電圧端子に接続するとともに、他方をオープン端子に接続したことを特徴とする。
これにより、隣接した端子同士の短絡状態を容易に検出することができる。
また、同様に前記目的を達成するために、請求項16に記載の発明は、液体を液滴として吐出する液滴吐出ヘッドと、該液滴吐出ヘッドに吐出駆動信号を供給する吐出駆動信号用配線基板を有する液滴吐出装置の製造方法であって、前記液滴吐出ヘッドと前記吐出駆動信号用配線基板の双方に前記吐出駆動信号を受け渡しする駆動信号用電極を2次元マトリクス状に形成し、前記駆動信号用電極同士の接続状態を検査するための接続検査用電極及び接続検査用配線素子を、前記液滴吐出ヘッドと前記吐出駆動信号用配線基板の双方の、前記駆動信号用電極が形成される領域に対し少なくともその対角上に配置するように形成し、前記駆動信号用電極、前記接続検査用電極及び接続検査用配線素子が形成された前記液滴吐出ヘッドと前記吐出駆動信号用配線基板を張り合わせることを特徴とする液滴吐出装置の製造方法を提供する。
これにより、組立て工程において簡易的なチェックが出来、無駄な作業を削減することができる。
また、請求項17に示すように、前記液滴吐出ヘッドと前記吐出駆動信号用配線基板の双方において、前記接続検査用電極を、前記駆動信号用電極が形成される領域に対しその四隅に配置し、かつその1つの対角上にはある方向のサイズが前記駆動信号用電極より小さい前記接続検査用電極を配置するとともに、他の対角上には前記ある方向とは異なる方向のサイズが前記駆動信号用電極より小さい前記接続検査用電極を配置したことを特徴とする。
これによれば、組立て工程において、より精度の高い接続検査を簡易に行うことができ、作業効率を向上することが可能となる。
また、請求項18に示すように、請求項16または17に記載の液滴吐出装置の製造方法において、さらに、前記液滴吐出ヘッドに、検査用のアクチュエータ及び前記検査用のアクチュエータの変位を検出する変位検出手段を設けたことを特徴とする。
これにより、アクチュエータのロット間のバラツキを検出することのできる液滴吐出装置を製造することができる
以上説明したように、本発明に係る液滴吐出装置及びその製造方法並びに接続検査方法によれば、接続電極の接続状態の検査を、個々の駆動信号用電極の接続状態を検査することなく、接続検査用電極の接続状態のみを検査することで、全体の接続状態の概略を簡単に確認でき、電極の接続状態の良否の一次的な検査を簡易に短時間に行うことができる。また、1組の接続検査用電極の一方をオープン端子に接続した場合には、未接続、短絡、接触不良等の接続状態を容易に確認でき、さらに、液滴の吐出を行わないアクチュエータとその変位を検出する変位検出手段を設けた場合には、その変位検査結果に基いて液滴吐出用のアクチュエータの駆動波形を補正することにより、各アクチュエータの吐出状態のバラツキをなくすことができる。
以下、添付した図面を参照して、本発明に係る液滴吐出装置及びその製造方法並びに接続検査方法について詳細に説明する。
図1は、本発明に係る液滴吐出装置を有する画像形成装置としてのインクジェット記録装置の一実施形態の概略を示す全体構成図である。
図1に示すように、このインクジェット記録装置10は、インクの色毎に設けられた複数の印字ヘッド(液滴吐出ヘッド)12K、12C、12M、12Yを有する印字部と、各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yに供給するインクを貯蔵しておくインク貯蔵/装填部14と、記録紙16を供給する給紙部18と、記録紙16のカールを除去するデカール処理部20と、前記印字部12のノズル面(インク吐出面)に対向して配置され、記録紙16の平面性を保持しながら記録紙16を搬送する吸着ベルト搬送部22と、印字部12による印字結果を読み取る印字検出部24と、印画済みの記録紙(プリント物)を外部に排紙する排紙部26とを備えている。
図1では、給紙部18の一例としてロール紙(連続用紙)のマガジンが示されているが、紙幅や紙質等が異なる複数のマガジンを併設してもよい。また、ロール紙のマガジンに代えて、又はこれと併用して、カット紙が積層装填されたカセットによって用紙を供給してもよい。
ロール紙を使用する装置構成の場合、図1のように、裁断用のカッター28が設けられており、該カッター28によってロール紙は所望のサイズにカットされる。カッター28は、記録紙16の搬送路幅以上の長さを有する固定刃28Aと、該固定刃28Aに沿って移動する丸刃28Bとから構成されており、印字裏面側に固定刃28Aが設けられ、搬送路を挟んで印字面側に丸刃28Bが配置されている。なお、カット紙を使用する場合には、カッター28は不要である。
複数種類の記録紙を利用可能な構成にした場合、紙の種類情報を記録したバーコードあるいは無線タグ等の情報記録体をマガジンに取り付け、その情報記録体の情報を所定の読取装置によって読み取ることで、使用される用紙の種類を自動的に判別し、用紙の種類に応じて適切なインク吐出を実現するようにインク吐出制御を行うことが好ましい。
給紙部18から送り出される記録紙16はマガジンに装填されていたことによる巻き癖が残り、カールする。このカールを除去するために、デカール処理部20においてマガジンの巻き癖方向と逆方向に加熱ドラム30で記録紙16に熱を与える。このとき、多少印字面が外側に弱いカールとなるように加熱温度を制御するとより好ましい。
デカール処理後、カットされた記録紙16は、吸着ベルト搬送部22へと送られる。吸着ベルト搬送部22は、ローラー31、32間に無端状のベルト33が巻き掛けられた構造を有し、少なくとも印字部12のノズル面及び印字検出部24のセンサ面に対向する部分が平面(フラット面)をなすように構成されている。
ベルト33は、記録紙16幅よりも広い幅寸法を有しており、ベルト面には多数の吸引孔(図示省略)が形成されている。図1に示したとおり、ローラー31、32間に掛け渡されたベルト33の内側において印字部12のノズル面及び印字検出部24のセンサ面に対向する位置には吸着チャンバー34が設けられており、この吸着チャンバー34をファン35で吸引して負圧にすることによってベルト33上の記録紙16が吸着保持される。
ベルト33が巻かれているローラー31、32の少なくとも一方にモータ(図示省略)の動力が伝達されることにより、ベルト33は図1において、時計回り方向に駆動され、ベルト33上に保持された記録紙16は、図1の左から右へと搬送される。
縁無しプリント等を印字するとベルト33上にもインクが付着するので、ベルト33の外側の所定位置(印字領域以外の適当な位置)にベルト清掃部36が設けられている。ベルト清掃部36の構成について詳細は図示しないが、例えば、ブラシ・ロール、吸水ロール等をニップする方式、清浄エアーを吹き掛けるエアーブロー方式、あるいはこれらの組み合わせなどがある。清掃用ロールをニップする方式の場合、ベルト線速度とローラー線速度を変えると清掃効果が大きい。
なお、吸着ベルト搬送部22に代えて、ローラー・ニップ搬送機構を用いる態様も考えられるが、印字領域をローラー・ニップ搬送すると、印字直後に用紙の印字面にローラーが接触するので、画像が滲み易いという問題がある。したがって、本例のように、印字領域では画像面と接触させない吸着ベルト搬送が好ましい。
吸着ベルト搬送部22により形成される用紙搬送路上において印字部12の上流側には、加熱ファン40が設けられている。加熱ファン40は、印字前の記録紙16に加熱空気を吹きつけ、記録紙16を加熱する。印字直前に記録紙16を加熱しておくことにより、インクが着弾後乾き易くなる。
印字部12は、最大紙幅に対応する長さを有するライン型ヘッドを紙搬送方向(副走査方向)と直交する方向(主走査方向)に配置した、いわゆるフルライン型のヘッドとなっている(図2参照)。各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yは、図2に示すように、本インクジェット記録装置10が対象とする最大サイズの記録紙16の少なくとも一辺を超える長さにわたってインク吐出口(ノズル)が複数配列されたライン型ヘッドで構成されている。
記録紙16の搬送方向(紙搬送方向)に沿って上流側(図1の左側)から黒(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の順に各色インクに対応した印字ヘッド12K、12C、12M、12Yが配置されている。記録紙16を搬送しつつ各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yからそれぞれ色インクを吐出することにより記録紙16上にカラー画像を形成し得る。
このように、紙幅の全域をカバーするフルラインヘッドがインク色毎に設けられてなる印字部12によれば、紙搬送方向(副走査方向)について記録紙16と印字部12を相対的に移動させる動作を一回行うだけで(すなわち、一回の副走査で)記録紙16の全面に画像を記録することができる。これにより、印字ヘッドが紙搬送方向と直交する方向(主走査方向)に往復動作するシャトル型ヘッドに比べて高速印字が可能であり、生産性を向上させることができる。
なお、ここで主走査方向及び副走査方向とは、次に言うような意味で用いている。すなわち、記録紙の全幅に対応したノズル列を有するフルラインヘッドで、ノズルを駆動する時、(1)全ノズルを同時に駆動するか、(2)ノズルを片方から他方に向かって順次駆動するか、(3)ノズルをブロックに分割して、ブロックごとに片方から他方に向かって順次駆動するか、等のいずれかのノズルの駆動が行われ、用紙の幅方向(記録紙の搬送方向と直交する方向)に1ライン(1列のドットによるライン又は複数列のドットから成るライン)の印字をするようなノズルの駆動を主走査と定義する。そして、この主走査によって記録される1ライン(帯状領域の長手方向)の示す方向を主走査方向という。
一方、上述したフルラインヘッドと記録紙とを相対移動することによって、上述した主走査で形成された1ライン(1列のドットによるライン又は複数列のドットから成るライン)の印字を繰り返し行うことを副走査と定義する。そして、副走査を行う方向を副走査方向という。結局、記録紙の搬送方向が副走査方向であり、それに直交する方向が主走査方向ということになる。
また本例では、KCMYの標準色(4色)の構成を例示したが、インク色や色数の組み合わせについては本実施形態には限定されず、必要に応じて淡インク、濃インクを追加してもよい。例えば、ライトシアン、ライトマゼンタ等のライト系インクを吐出する印字ヘッドを追加する構成も可能である。
図1に示したように、インク貯蔵/装填部14は、各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yに対応する色のインクを貯蔵するタンクを有し、各タンクは図示を省略した管路を介して各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yと連通されている。また、インク貯蔵/装填部14は、インク残量が少なくなるとその旨を報知する報知手段(表示手段、警告音発生手段等)を備えるとともに、色間の誤装填を防止するための機構を有している。
印字検出部24は、印字部12の打滴結果を撮像するためのイメージセンサ(ラインセンサ等)を含み、該イメージセンサによって読み取った打滴画像からノズルの目詰まりその他の吐出不良をチェックする手段として機能する。
本例の印字検出部24は、少なくとも各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yによるインク吐出幅(画像記録幅)よりも幅の広い受光素子列を有するラインセンサで構成される。このラインセンサは、赤(R)の色フィルタが設けられた光電変換素子(画素)がライン状に配列されたRセンサ列と、緑(G)の色フィルタが設けられたGセンサ列と、青(B)の色フィルタが設けられたBセンサ列とからなる色分解ラインCCDセンサで構成されている。なお、ラインセンサに代えて、受光素子が二次元配列されて成るエリアセンサを用いることも可能である。
印字検出部24は、各色の印字ヘッド12K、12C、12M、12Yにより印字されたテストパターンを読み取り、各ヘッドの吐出検出を行う。吐出判定は、吐出の有無、ドットサイズの測定、ドット着弾位置の測定等で構成される。
印字検出部24の後段には、後乾燥部42が設けられている。後乾燥部42は、印字された画像面を乾燥させる手段であり、例えば、加熱ファンが用いられる。印字後のインクが乾燥するまでは印字面と接触することは避けたほうが好ましいので、熱風を吹きつける方式が好ましい。
多孔質のペーパに染料系インクで印字した場合などでは、加圧によりペーパの孔を塞ぐことでオゾンなど、染料分子を壊す原因となるものと接触することを防ぐことで画像の耐候性がアップする効果がある。
後乾燥部42の後段には、加熱・加圧部44が設けられている。加熱・加圧部44は、画像表面の光沢度を制御するための手段であり、画像面を加熱しながら所定の表面凹凸形状を有する加圧ローラー45で加圧し、画像面に凹凸形状を転写する。
このようにして生成されたプリント物は、排紙部26から排出される。本来プリントすべき本画像(目的の画像を印刷したもの)とテスト印字とは分けて排出することが好ましい。このインクジェット記録装置10では、本画像のプリント物と、テスト印字のプリント物とを選別してそれぞれの排出部26A、26Bへと送るために排紙経路を切り換える選別手段(図示省略)が設けられている。なお、大きめの用紙に本画像とテスト印字とを同時に並列に形成する場合は、カッター(第2のカッター)48によってテスト印字の部分を切り離す。カッター48は、排紙部26の直前に設けられており、画像余白部にテスト印字を行った場合に、本画像とテスト印字部を切断するためのものである。カッター48の構造は前述した第1のカッター28と同様であり、固定刃48Aと丸刃48Bとから構成されている。
また、図示を省略したが、本画像の排出部26Aには、オーダー別に画像を集積するソーターが設けられている。
次に、印字ヘッド(液滴吐出ヘッド)について説明する。インク色毎に設けられている各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yの構造は共通しているので、以下、これらを代表して符号50によって印字ヘッドを表すものとし、図3に印字ヘッド50の平面透視図を示す。
図3に示すように、本実施形態の印字ヘッド50は、インクを液滴として吐出するノズル51、インクを吐出する際インクに圧力を付与する圧力室52、図示しない共通流路から圧力室52にインクを供給するインク供給口53を含んで構成される圧力室ユニット54が千鳥状の2次元マトリクス状に配列され、ノズル51の高密度化が図られている。
図3に示すように、各圧力室52は、上方から見ると略正方形状をしており、その対角線の一方の端にノズル51が形成され、他方の端にインク供給口53が設けられている。
また、図3中の4−4線に沿った断面図を図4に示す。
図4に示すように、圧力室ユニット54は、インクを吐出するノズル51と連通する圧力室52によって形成され、圧力室52には、供給口53を介してインクを供給する共通流路55が連通するとともに、圧力室52の一面(図では天面)は振動板56で構成され、その上部には、振動板56に圧力を付与して振動板56を変形させる圧電素子58が接合され、圧電素子58の上面には個別電極57が形成されている。また、振動板56は共通電極を兼ねている。
圧電素子58は、共通電極(振動板56)と個別電極57によって挟まれており、これら2つの電極56、57に駆動電圧を印加することによって変形する。圧電素子58の変形によって振動板56が押され、圧力室52の容積が縮小されてノズル51からインクが吐出されるようになっている。2つの電極56、57間への電圧印加が解除されると圧電素子58がもとに戻り、圧力室52の容積が元の大きさに回復し、共通流路55から供給口53を通って新しいインクが圧力室52に供給されるようになっている。
なお、図4では省略したが、個別電極57の上側には、これらの電極56、57に電気を供給するための配線が形成されたフレキシブル配線基板あるいはリジッド基板等の配線部が形成されるが、本発明のポイントであるこれら電極56、57の配線及びその接続の検査等については後で詳述する。
また、図5は他の印字ヘッドの構造例を示す平面透視図である。図5に示すように、複数の短尺ヘッド50’を2次元の千鳥状に配列して繋ぎ合わせて、これらの複数の短尺ヘッド50’全体で印字媒体の全幅に対応する長さとなるようにして1つの長尺のフルラインヘッドを構成するようにしてもよい。
図6はインクジェット記録装置10におけるインク供給系の構成を示した概要図である。インクタンク60は印字ヘッド50にインクを供給するための基タンクであり、図1で説明したインク貯蔵/装填部14に設置される。インクタンク60の形態には、インク残量が少なくなった場合に、補充口(図示省略)からインクを補充する方式と、タンクごと交換するカートリッジ方式とがある。使用用途に応じてインク種類を替える場合には、カートリッジ方式が適している。この場合、インクの種類情報をバーコード等で識別して、インク種類に応じて吐出制御を行うことが好ましい。なお、図6のインクタンク60は、先に記載した図1のインク貯蔵/装填部14と等価のものである。
図6に示したように、インクタンク60と印字ヘッド50を繋ぐ管路の中間には、異物や気泡を除去するためにフィルタ62が設けられている。フィルタ・メッシュサイズは印字ヘッド50のノズル径と同等若しくはノズル径以下(一般的には、20μm程度)とすることが好ましい。
なお、図6には示さないが、印字ヘッド50の近傍又は印字ヘッド50と一体にサブタンクを設ける構成も好ましい。サブタンクは、ヘッドの内圧変動を防止するダンパー効果及びリフィルを改善する機能を有する。
また、インクジェット記録装置10には、ノズルの乾燥防止又はノズル近傍のインク粘度上昇を防止するための手段としてのキャップ64と、ノズル面50Aの清掃手段としてのクリーニングブレード66とが設けられている。
これらキャップ64及びクリーニングブレード66を含むメンテナンスユニットは、図示を省略した移動機構によって印字ヘッド50に対して相対移動可能であり、必要に応じて所定の退避位置から印字ヘッド50下方のメンテナンス位置に移動される。
キャップ64は、図示しない昇降機構によって印字ヘッド50に対して相対的に昇降変位される。昇降機構は、電源OFF時や印刷待機時にキャップ64を所定の上昇位置まで上昇させ、印字ヘッド50に密着させることにより、ノズル面50Aのノズル領域をキャップ64で覆うようになっている。
クリーニングブレード66は、ゴムなどの弾性部材で構成されており、図示を省略したブレード移動機構により印字ヘッド50のインク吐出面(ノズル面50A)に摺動可能である。ノズル面50Aにインク液滴又は異物が付着した場合、クリーニングブレード66をノズル面50Aに摺動させることでノズル面50Aを拭き取り、ノズル面50Aを清浄するようになっている。
印字中又は待機中において、特定のノズル51の使用頻度が低くなり、そのノズル51近傍のインク粘度が上昇した場合、粘度が上昇して劣化したインクを排出すべく、キャップ64に向かって予備吐出が行われる。
また、印字ヘッド50内のインク(圧力室52内のインク)に気泡が混入した場合、印字ヘッド50にキャップ64を当て、吸引ポンプ67で圧力室52内のインク(気泡が混入したインク)を吸引により除去し、吸引除去したインクを回収タンク68へ送液する。この吸引動作は、初期のインクのヘッドへの装填時、或いは長時間の停止後の使用開始時にも粘度が上昇して固化した劣化インクの吸い出しが行われる。
すなわち、印字ヘッド50は、ある時間以上吐出しない状態が続くと、ノズル近傍のインク溶媒が蒸発してノズル近傍のインクの粘度が高くなってしまい、吐出駆動用のアクチュエータ(積層圧電素子58)が動作してもノズル51からインクが吐出しなくなる。したがって、この様な状態になる手前で(積層圧電素子58の動作によってインク吐出が可能な粘度の範囲内で)、インク受けに向かって積層圧電素子58を動作させ、粘度が上昇したノズル近傍のインクを吐出させる「予備吐出」が行われる。また、ノズル面50Aの清掃手段として設けられているクリーニングブレード66等のワイパーによってノズル面50Aの汚れを清掃した後に、このワイパー摺擦動作によってノズル51内に異物が混入するのを防止するためにも予備吐出が行われる。なお、予備吐出は、「空吐出」、「パージ」、「唾吐き」などと呼ばれる場合もある。
また、ノズル51や圧力室52内に気泡が混入したり、ノズル51内のインクの粘度上昇があるレベルを超えたりすると、上記予備吐出ではインクを吐出できなくなるため、以下に述べる吸引動作を行う。
すなわち、ノズル51や圧力室52のインク内に気泡が混入した場合、或いはノズル51内のインク粘度があるレベル以上に上昇した場合には、積層圧電素子58を動作させてもノズル51からインクを吐出できなくなる。このような場合、印字ヘッド50のノズル面50Aに、キャップ64を当てて圧力室52内の気泡が混入したインク又は増粘インクをポンプ67で吸引する動作が行われる。
ただし、上記の吸引動作は、圧力室52内のインク全体に対して行われるためインク消費量が大きい。したがって、粘度上昇が少ない場合はなるべく予備吐出を行うことが好ましい。なお、図6で説明したキャップ64は、吸引手段として機能するとともに、予備吐出のインク受けとしても機能し得る。
また、好ましくは、キャップ64の内側が仕切壁によってノズル列に対応した複数のエリアに分割されており、これら仕切られた各エリアをセレクタ等によって選択的に吸引できる構成とする。
図7はインクジェット記録装置10のシステム構成を示す要部ブロック図である。インクジェット記録装置10は、通信インターフェース70、システムコントローラ72、画像メモリ74、モータドライバ76、ヒータドライバ78、プリント制御部80、画像バッファメモリ82、ヘッドドライバ84等を備えている。
通信インターフェース70は、ホストコンピュータ86から送られてくる画像データを受信するインターフェース部である。通信インターフェース70にはUSB、IEEE1394、イーサネット、無線ネットワークなどのシリアルインターフェースやセントロニクスなどのパラレルインターフェースを適用することができる。この部分には、通信を高速化するためのバッファメモリ(図示省略)を搭載してもよい。ホストコンピュータ86から送出された画像データは通信インターフェース70を介してインクジェット記録装置10に取り込まれ、一旦画像メモリ74に記憶される。画像メモリ74は、通信インターフェース70を介して入力された画像を一旦格納する記憶手段であり、システムコントローラ72を通じてデータの読み書きが行われる。画像メモリ74は、半導体素子からなるメモリに限らず、ハードディスクなどの磁気媒体を用いてもよい。
システムコントローラ72は、通信インターフェース70、画像メモリ74、モータドライバ76、ヒータドライバ78等の各部を制御する制御部である。システムコントローラ72は、中央演算処理装置(CPU)及びその周辺回路等から構成され、ホストコンピュータ86との間の通信制御、画像メモリ74の読み書き制御等を行うとともに、搬送系のモータ88やヒータ89を制御する制御信号を生成する。
モータドライバ76は、システムコントローラ72からの指示に従ってモータ88を駆動するドライバ(駆動回路)である。ヒータドライバ78は、システムコントローラ72からの指示にしたがって後乾燥部42等のヒータ89を駆動するドライバである。
プリント制御部80は、システムコントローラ72の制御に従い、画像メモリ74内の画像データから印字制御用の信号を生成するための各種加工、補正などの処理を行う信号処理機能を有し、生成した印字制御信号(印字データ)をヘッドドライバ84に供給する制御部である。プリント制御部80において所要の信号処理が施され、該画像データに基づいてヘッドドライバ84を介して印字ヘッド50のインク液滴の吐出量や吐出タイミングの制御が行われる。これにより、所望のドットサイズやドット配置が実現される。
プリント制御部80には画像バッファメモリ82が備えられており、プリント制御部80における画像データ処理時に画像データやパラメータなどのデータが画像バッファメモリ82に一時的に格納される。なお、図7において画像バッファメモリ82はプリント制御部80に付随する態様で示されているが、画像メモリ74と兼用することも可能である。また、プリント制御部80とシステムコントローラ72とを統合して1つのプロセッサで構成する態様も可能である。
ヘッドドライバ84はプリント制御部80から与えられる印字データに基づいて各色の印字ヘッド50のアクチュエータ58を駆動する。ヘッドドライバ84にはヘッドの駆動条件を一定に保つためのフィードバック制御系を含んでいてもよい。
印字検出部24は、図1で説明したように、ラインセンサー(図示省略)を含むブロックであり、記録紙16に印字された画像を読み取り、所要の信号処理などを行って印字状況(吐出の有無、打滴のばらつきなど)を検出し、その検出結果をプリント制御部80に提供するものである。
プリント制御部80は、必要に応じて印字検出部24から得られる情報に基づいて印字ヘッド50に対する各種補正を行うようになっている。
図8は、インクジェット記録装置10中の液滴吐出装置に相当する部分としての印字ヘッド50周辺の全体構成図である。
図8に示すように、印字ヘッド50とCPU基板90はフレキシブル配線基板(フレキシブルケーブル)93及びリジッド基板94からなる配線板92によって接続されている。CPU基板90は、上述したシステムコントローラ72、プリント制御部80、画像メモリ74、画像バッファメモリ82、ヘッドドライバ84等を含み、印字ヘッド50に対して印字データや駆動信号等を送信して印字ヘッド50の動作を制御する素子がその上に形成されたものである。
プリント制御部80は、画像データを印字制御用のデータに変換するデータ変換IC及び印字ヘッド50の圧電素子(アクチュエータ)58を駆動する駆動信号を生成する信号発生IC等を含んでいる。
配線板92上には、CPU基板90上のヘッドドライバ(駆動回路)84から信号を印字ヘッド50へ転送するシリアルバス95と印字ヘッド50上の各個別電極57に対する引き出し電極(パッド、図8では図示省略)に接続する個別配線96との間を仲介し、シリアル/パラレル変換を行うS/P変換IC98が設けられている。またS/P変換IC98には、信号の切換えを行うスイッチICも含まれている。
図8に示す例では、印字ヘッド50上における各個別電極57の引き出し電極との接続部分及びS/P変換IC98が形成される部分はリジット基板94で構成され、その間が個別配線96及びシリアルバス95が形成されたフレキシブル配線基板93によって接続されている。
図9は、フレキシブル配線基板93及びリジッド基板94と印字ヘッド50上の各個別電極57の引き出し電極との接続の様子を模式的に示す側面図である。
図9に示すように、各個別電極57の引き出し電極と接続するリジッド基板94は、印字ヘッド50上を覆うように配置されている。また図9では図示を省略したが、S/P変換IC98から出ている各個別配線96が各個別電極57の引き出し電極と接続するように形成されている。また、所定数の個別配線96毎にS/P変換IC98が設けられ、多層構造となっている。
なお、配線板92は図8、図9に示したものには限定されず、さまざまな構成があり、その構成に応じて印字ヘッド50と配線板92との接続方法もいろいろなものが考えられる。以下、印字ヘッド50と配線板92との接続方法の例について説明する。
図10(a)に、印字ヘッド50上にマトリクス状に配列された各個別電極57毎に引き出し電極99を引き出し、引き出し電極99のパッド上に配線接続用の半田バンプ100が形成された様子を斜視図で示す。個別電極57は、図3に示したように2次元マトリクス状に配列された圧力室52の上面に形成された圧電素子58(図4参照)の上側に形成されている。個別電極57から横へ配線を引き出してそこに引き出し電極99としてのパッドを形成し、その上に半田バンプ100を乗せ、これを配線板92側との配線接続部としている。
また、図10(b)に、このように個別電極57の引き出し電極99のパッド上に配線接続用の半田バンプ100が形成された印字ヘッド50に対し、配線板92を接合した様子を断面図で示す。
図10(b)に示すように、印字ヘッド50と接合する配線板92の部分はリジッド基板94で形成され、個別電極57の引き出し電極99に対応する部分には接続用電極99aが設けられている。印字ヘッド50側の個別電極57の引き出し電極99と配線板92側の接続用電極99aは、半田バンプ100によって接続されている。配線板92の接続用電極99aには、配線板92のスルーホール101に形成された垂直配線手段102が接続し、垂直配線手段102は、図示を省略した配線板92上の配線96(図8参照)へと接続している。
これにより、配線板92の配線96と印字ヘッド50の個別電極57とが導通する。すなわち、印字ヘッド50の個別電極57の引き出し電極99と、配線板92の接続用電極99aは、配線板92と印字ヘッド50との間で吐出駆動信号を受け渡しする駆動信号用電極を構成する。
なお、図10に示した例、及び次に図11で説明する接続方法の例では、印字ヘッド50の個別電極57の引き出し電極99と配線板92の接続用電極99aとからなる接続部の接合は半田バンプによってなされているが、この接合は半田バンプに限定されるものではなく、他の導電性接着剤あるいは異方性導電膜(ACF)等の導電性接合材料を用いて行うことができる。
図11に、印字ヘッド50上の各個別電極57の引き出し電極99と配線板92の接続用電極99aとの接合部を半田バンプによって接合した場合の接続方法の例を示す。
図11(a)に示すものは、図9に示したものと略同様のものであり、印字ヘッド50上に多層化されたリジッド基板94が形成され、多層化されたリジッド基板94に設けられたスルーホール101中に、各個別電極57の引き出し電極99毎に形成された半田バンプ100に個別配線(図示省略)を接続する垂直配線手段102が形成されている。また、印字ヘッド50から離れた位置のリジッド基板94にはS/P変換IC98(あるいは駆動IC等)が形成され、印字ヘッド50とS/P変換IC98間はフレキシブル配線基板93で接続されている。
図11(b)に示す例は、配線板92を全て多層化されたリジッド基板94で形成したものである。多層化されたリジッド基板94に設けられた垂直配線手段102と接続する接続用電極99aと各個別電極57の引き出し電極99とが接続され、垂直配線手段102は各層のリジッド基板94に形成された個別配線(図示省略)と接続されている。多層リジッド基板94上にS/P変換IC98(駆動IC)が並んで設置されている。
図11(c)に示す例は、印字ヘッド50上のリジッド基板94を多層化せずに、各個別電極57の引き出し電極99毎に半田バンプ100によって垂直配線手段102と接続している。そして、各個別電極57の引き出し電極99毎のリジッド基板94が階段状となるように形成して、それぞれのリジッド基板94の側面から配線を引き出してそれぞれフレキシブル配線基板93によってS/P変換IC98(駆動IC)へと接続するようにしたものである。
図11(d)に示す例は、印字ヘッド50上にまずフレキシブル配線基板93を配置し、各個別電極57の引き出し電極99を半田バンプ100によってにフレキシブル配線基板93に接続し、さらにフレキシブル配線基板93上にまた半田バンプ104を配置してその上に今度は多層のリジッド基板94を配置してその上にS/P変換IC98を設置したものである。
図11(e)に示す例は、印字ヘッド50上の個別電極57の引き出し電極99をいくつかの組に分けて各組の半田バンプ100毎に一つのリジッド基板94を配置して接続し、このリジッド基板94とS/P変換IC98(駆動IC)が形成された他のリジッド基板94との間を、フレキシブル配線基板93によって、その側面で接続するようにしたものである。
また、図11(f)に示す例は、印字ヘッド50上に直接多層のリジッド基板94を配置してその上にS/P変換IC98を設置し、各個別電極57の引き出し電極99上に形成された半田バンプ100を各層のリジッド基板94に接続するための垂直配線手段102を形成したものである。
次に本実施形態のインクジェット記録装置10を制御するための駆動回路の構成について説明する。
図12は、本実施形態のインクジェット記録装置10の駆動回路の構成を示すブロック図である。
図12に示す構成は、基本的には前述した図7に示すシステム構成と同様であり、ここでは特に印字ヘッド50を駆動するための回路構成を詳しく示したものである。
図12に示すように、インクジェット記録装置10には、印字すべき画像データに対して画像処理を行うホストコンピュータ86と基準電源部73が接続されている。インクジェット記録装置10は、ホストコンピュータ86から送られてくる画像データを受け取る通信インターフェース70、CPU及びROM、RAM等の周辺回路を備えインクジェット各部を制御するシステムコントローラ72、プリント制御部80、ヘッドドライバ84、画像メモリ74、画像バッファ(ラインバッファ)82等を有している。
プリント制御部80(ヘッドドライバ84)と印字ヘッド50は配線基板92によって接続されており、配線基板92を通じて印字ヘッド50に駆動用信号が送られて印字ヘッド50が駆動される。
配線基板92の上にはS/P変換IC98が設けられており、プリント制御部80とS/P変換IC98を結ぶシリアルバス95と、S/P変換IC98と各個別電極57(図12では図示省略)とを結ぶ個別配線96との間においてデータをシリアル/パラレル変換する。なお、詳しくは後述するがS/P変換IC98はスイッチICを含んでいる。
この駆動回路により印字ヘッド50を駆動する際の作用を図13に示す。
図13に示すように、まずプリント制御部80内の特定用途向けIC(ASIC)により印字すべき画像データの波形データから波形を選択し、印字タイミングを検出する。次に、このデータ(デジタルデータ)をデジタル/アナログ変換(A/D変換)してアナログデータとする。
次にこれを電圧増幅するとともに、電圧/電流変換して電流増幅し、ノズル切換えスイッチにより駆動すべきノズル51を選択してインクを吐出すべきノズル51の圧電素子58を駆動する。
また、図14に、S/P変換IC98中のスイッチICを中心とした駆動回路の構成を示す。
図14に示すように、印字ヘッド50からインクを吐出するための駆動回路は、主に、プリント制御部80に含まれる特定用途向けIC(ASIC)、印字ヘッド50への駆動波形を発生させる駆動信号発生部110、プリント制御部80から送られて来る印字シリアルデータSDをシリアル/パラレル変換し、駆動すべき圧電素子58を選択するためのスイッチアレイ112(スイッチIC)を有するS/P変換IC98とからなる。
なお、ここで圧電素子58は、図14中OUT0等と容量性負荷として表現されており、その一方(図14中右側)の電極56は共通電極(コモン)でありアースされている。また他方(図14中左側)の電極57は各圧電素子58を個別に駆動するための個別電極であり、それぞれスイッチアレイ112の各スイッチ回路と接続されている。すなわち、この容量OUT0、・・・、OUTn(圧電素子58)を含む部分が印字ヘッド50に相当する。
プリント制御部80のASICは、印字ヘッド50の1行分に相当するドットデータが得られるとこの1行分のドットデータ(デジタルデータ)を、図示を省略した発振回路からのクロック信号CLKに同期して、S/P変換IC98に印字シリアルデータSDとして送出するとともに、また所定のタイミングでラッチ信号LATをS/P変換IC98に送出する。
駆動信号発生部110は、駆動波形のデータをD/A(デジタル/アナログ)変換するD/A変換器(DAC)を含む波形生成回路114と、DAC出力レベルに応じて駆動波形を電圧増幅するアンプ116とで構成される。
S/P変換IC98は、プリント制御部80のASICからのクロック信号CLK及び印字信号である印字シリアルデータSDを入力するシフトレジスタ120と、シフトレジスタ120のレジスト値をプリント制御部80のASICからのラッチ信号LATでラッチするラッチ回路122と、ラッチ回路122の出力値をレベル変化させるレベル変換回路124と、このレベル変換回路124でオン/オフが制御されるスイッチアレイ112とから構成される。
また、駆動信号発生部110の後段には、アンプ116で電圧増幅された駆動波形を低インピーダンスに変換する、NPNトランジスタとPNPトランジスタによって構成されたSEPP回路(Single-Ended Push-Pull circuit) 118が接続されており、このSEPP回路118の出力はスイッチアレイ112に入力されるようになっている。
スイッチアレイ112(スイッチIC)は、駆動信号発生部110で生成されSEPP回路118を介して送られて来た駆動波形が入力されるスイッチS1、・・・、Snからなり、各スイッチS1、・・・、Snは、上述したように印字ヘッド50の各ノズル51(図14では図示省略)に対応する圧電素子58(OUT0、・・・、OUTn)にそれぞれ接続されている。
以下、図14に示した駆動回路の動作を簡単に説明する。
プリント制御部80(ASIC)は、ホストコンピュータ86(図12参照)側から与えられる画像情報を入力し、印字ヘッド50を駆動するタイミングに合わせて波形データをD/A変換器を有する波形生成回路114に入力する。波形生成回路114は、与えられた電圧データを所定の駆動波形として形成して出力する。
出力された駆動波形はアンプ116によって電圧増幅される。電圧増幅された駆動波形はSEPP回路118によって低インピーダンスに変換され、S/P変換IC98のスイッチアレイ112に入力される。
また、プリント制御部80(ASIC)は、駆動すべき圧電素子58を指定するための印字シリアルデータSDとクロック信号CLKをシフトレジスタ120へ、またラッチ信号LATをラッチ回路122へそれぞれ入力する。
ラッチ回路122は、ラッチ信号LATにより、シフトレジスタ120に入力された印字シリアルデータSDをラッチし、レベル変換回路124に入力する。レベル変換回路124は、データの内容に応じて各圧電素子58(OUT0、・・・、OUTn)に接続されるスイッチS0 、・・・、Sn をオンすることで駆動すべき圧電素子58を選択する。選択された圧電素子58には、駆動波形が印加され、これにより圧電素子58が駆動されて、これに対応するノズル51からインクが吐出される。
通常のインク吐出のための圧電素子58の駆動は、以上説明したように行われるが、このような圧電素子58の駆動が正常に行われるためには、図11にその例を示したような各圧電素子58を個別に駆動するための個別電極57の引き出し電極99とこれに駆動波形を印加するための配線板92の接続用電極99aとで形成される接続部の電気的な接続が良好に行われていなければならない。
本発明は、この電極(個別電極57の引き出し電極99と接続用電極99a)の接続が良好に行われていることを目視ではなく自動で簡単に検査する技術を提供するものである。そこで、駆動信号用電極としての各圧電素子58に対する個別電極57の引き出し電極99と接続用電極99aとの接続部の接続状態を検査するために、これらとは別に、以下説明するように接続検査用の電極を設置する。
以下、この接続検査用電極の配置の仕方について、説明の便宜上異方性導電膜(ACF)によって接合する場合を例にとって説明するが、前述したように接合方法は半田等の導電性接着剤による方法でもよいのはもちろんである。
図15(a)は、印字ヘッド50上に形成された個別電極の引き出し電極に対して接続検査用の電極を付加した様子を示す平面図である。
すなわち、図15(a)に示すように、個別電極57の引き出し電極99は一辺(横の辺)が2Xa の長方形で2Xb の間隔をもって配列されており、これに対しで接続検査用電極126も同じ形で同じ間隔で引き出し電極99の外側に配置されている。
これに対して、これと同じように個別電極57の引き出し電極99に対する接続用電極99aと接続検査用電極126を配線板92上に形成し、異方性導電膜(ACF)を用いて、図15(a)の印字ヘッド50に対しそれぞれの電極が向かい合うように張り合わせた様子を図15(b)に示す。
ここで異方性導電膜(Anisotropic Conductive Film)とは、加圧方向に電気接続する導電粒子を分散させたペースト膜であり、導電、絶縁、接着の3つの機能を同時に持つ接着材料であって、熱圧着することにより膜厚方向には導電性を持ち、面方向には絶縁性を持つように電気的異方性を有する高分子膜である。
図15(b)においては、配線板92と印字ヘッド50とが横方向にSだけずれて接着されている。このとき上述したようにACFの性質から図に斜線で示した領域Dの部分のみが導電性を有し、その他の部分は絶縁性を有している。従って、正確に接着された場合に比べて電気の導通は悪くなっている。
また、図16(a)に、印字ヘッド50上に形成された個別電極に対して他の形の接続検査用電極を付加した様子を平面図で示す。
図16(a)に示す例は、個別電極57の引き出し電極99の配置は図15(a)に示すものと同じであるが、検査用電極128は、横方向の長さが引き出し電極99の長さ2Xa の1/2のXa となっている。また、配置する位置は、各引き出し電極99同士の間隔2Xb と同じで引き出し電極99の外側である。
このとき、接続検査用電極128及び個別電極57の引き出し電極99に対応する接続用電極99aを配線板92上に形成して、印字ヘッド50に電極同士が対向するように半田で接着した様子を図16(b)に示す。
図16(b)に示すように、この場合にも配線板92と印字ヘッド50は、ずれ量Sで接着されている。この場合、ずれ量Sが接続検査用電極128の横方向の長さXa より大きくなると、すなわちずれ量Sが各引き出し電極99あるいは接続用電極99aの長さ2Xa の1/2より大きくなると、印字ヘッド50及び配線板92上の接続検査用電極128は未接続となり、接続検査用電極128同士の導通を確認することにより、接続検査用電極128の未接続を検出することで個別電極57の引き出し電極99と接続用電極99aと接続部の接続不良をより厳しい条件で確実に検出することが可能となる。
このように接続検査用電極の一辺の長さを個別電極57の引き出し電極99の一辺の長さより小さく(例えば1/2等)することにより、検査条件を厳しくして検査精度を高めることができる。
図17に、接続検査用電極の配置例の1つを示す。図17に示すように、この配置例においては、印字ヘッド50上に2次元マトリクス状に配列された個別電極57に対応してその引き出し電極99が2次元マトリクス状に配列されている面において、その2次元マトリクスの四隅に、その最も外側の列と同じ並びで各引き出し電極99と同間隔でその外側にそれぞれ1つずつ接続検査用電極130、131、132、133が配置されている。
図17に示すように、各引き出し電極99は、X方向(図17の横方向)の長さは2L、Y方向(図17の縦方向)の長さは2Kの長方形をしており、各引き出し電極99同士のX方向の間隔は2L、Y方向の間隔は2Kであるとする。
このとき、図17の左上隅に配置された接続検査用電極130と右下隅に配置された接続検査用電極131は、それぞれ引き出し電極99からX方向に2Lの間隔だけ外側に離れた位置に配置され、X方向の長さは2Lで各引き出し電極99のX方向の長さ2Lと同じであるが、Y方向の長さはKで各引き出し電極99のY方向の長さ2Kの1/2となっている。
また、図17の右上隅に配置された接続検査用電極132と左下隅に配置された接続検査用電極133は、それぞれ引き出し電極99からX方向に2Lの間隔だけ外側に離れた位置に配置され、Y方向の長さは2Kで各引き出し電極99のY方向の長さ2Kと同じであるが、X方向の長さはLで各引き出し電極99のX方向の長さ2Lの1/2となっている。
このように接続検査用電極130〜133を四隅に配置して、それぞれX方向、Y方向の長さを引き出し電極99の半分の長さとしているため、印字ヘッド50と配線板92を張り合わせて引き出し電極99と接続用電極99aを接続する際、X方向にずれても、Y方向にずれても、あるいは両方をあわせた斜め方向にずれたとしても、そのずれによる接続不良を検出することができる。
図18に、接続検査用電極の配置の他の例を示す。
図18に示す例は、接続検査用電極を図17の例と同様に2次元マトリクスに配列された引き出し電極99の四隅に配置するものであるが、ここでは、X方向の長さを引き出し電極99の長さの1/2にしたものと、Y方向の長さを引き出し電極99の長さの1/2にしたものの2つの接続検査用電極をそれぞれの隅に配置するようにしている。
すなわち、図18において、マトリクス状に配置された引き出し電極99の左上隅にはY方向の長さを1/2とした接続検査用電極130aとX方向の長さを1/2とした接続検査用電極130bの2つが配置されている。また、マトリクスの右下隅には、これに対応してY方向の長さを1/2とした接続検査用電極131aとX方向の長さを1/2とした接続検査用電極131bの対が配置されている。
また、マトリクスの右上隅と左下隅にも同様にそれぞれX方向の長さを1/2にしたものとY方向の長さを1/2にしたものの2つの接続検査用電極の対、132a、132b及び133a、133bがそれぞれ配置されている。
このように、それぞれX方向、Y方向の長さを小さくした形状の異なる接続検査用電極を対にして四隅に配置したことにより、検査精度がより一層向上する。
また図19に接続検査用電極の配置の他の例を示す。
図19に示す例は、図18に示す配置のうちマトリクスの右上隅の一対の接続検査用電極132a、132bと左下隅の一対の接続検査用電極133a、133bのみを取り出して対角線上に配置したものである。
このようにX方向及びY方向の長さをそれぞれ引き出し電極99の長さの1/2とした接続検査用電極の組を対角線上に配置することによっても充分精確に電極の接続検査を行うことが可能である。
次に、上で説明したいずれかの方法によって接続検査用電極を設置した構成により実際に電極の接続検査を行う方法について説明する。
図20に接続検査を行う回路構成の概略を示す。
図20に示すように、接続検査を行う回路構成は、主に、駆動信号を送出したり検出信号の判定を行う制御部150、信号の伝達・切換えを行う配線板92(駆動信号用配線板部)、印字ヘッド50(ヘッド部)から成る。
制御部150は、印字ヘッド50に対する駆動波形を発生して送出する駆動信号発生部110、基準電源部73、印字ヘッド50等に対して各種制御を行うプリント制御部80、接続検査結果を表す検査信号をA/D変換するA/D変換器153等を含んでいる。なお、基準電源部73の電源電圧はV1であるとする。
配線部92(駆動信号用配線板部)は、S/P変換IC98を有し、S/P変換IC98は駆動する圧電素子58の選択切換えを行うスイッチアレイ112を含んでいる。また、本発明のポイントである検査用配線部140が配線板92と印字ヘッド50の双方に渡って形成されている。なお、ここでは接続検査に関係する部分のみ表示し、前述したようなS/P変換IC98等の詳しい構成は省略している。
印字ヘッド50は、共通電極56、圧電素子58、個別電極57及びその引き出し電極99を有している。また配線板92側には、各個別電極57の引き出し電極99と接続する接続用電極99aが形成されており、各接続用電極99aにはスイッチアレイ112の各スイッチS0、・・・、Snを介して駆動信号が入力されるようになっている。
また、印字ヘッド50には、接続検査用電極141a、142aが形成されている。この接続検査用電極141a、142aは、例えば図17〜図19等に示すような位置に配置される。いま図20に示す例では、接続検査用電極141a、142aは2つのみ表示されているが、2つに限定されるものではなく、例えば図18に示すように2次元マトリクスの四隅に2つずつ計8個あるいはそれ以上配置してもよい。
図20に示す2つの接続検査用電極141a、142aは、図17〜図19に示したもののうち2箇所に設置されたものをそれぞれ表しているものとしてもよいし、1箇所に2つ設置されたものを表しているものとしてもよい。
結局、個々の個別電極57の引き出し電極99と接続用電極99aとの接続状態を全て検査する代わりに、これらよりも数の少ない接続検査用電極141a、142aで代表して検査することにより、簡略に接続不良を検出するものである。このとき、検査精度を高めるために接続検査用電極の形状及び配置を図17〜図19のように工夫したものである。
検査用配線部140は、印字ヘッド50側に設置された接続検査用電極141a、142aと、これに対応して配線板92側に設置された接続検査用電極141b、142bとで形成される接続部143、配線板92側に設置された接続検査用電極141b、142bへの通電のオンオフを切り替えるスイッチSK1、SK2及び接続検査用電極141b、142bへの配線上に設置された抵抗素子144、145等を含んで構成される。
図20に示す例では、印字ヘッド50に形成された接続検査用電極141a、142aはそれぞれ共通電極56に接続されている。共通電極56はアースしてもよい。
印字ヘッド50側の接続検査用電極141aとこれに対応する配線板92側の接続検査用電極141bとの組、あるいは印字ヘッド50側の接続検査用電極142aとこれに対応する配線板92側の接続検査用電極142bとの組からなる接続部143を用いて電極の接続検査が行われる。
スイッチSK1、SK2をそれぞれオンしたときの各接続検査用電極141b、142bの回路のそれぞれの電圧を検出し、この検出信号をA/D変換器153でデジタル信号に変換してプリント制御部80に送り、プリント制御部80においてこのデジタル信号に変換された電圧検出値に基いて自動的に接続の良否の判定が行われる。
まずスイッチSK1をオンにすると、接続検査用電極141aと141bとが図21(a)に示すように良好に接続できていれば接続検査用電極141a、141bに電源電圧V1の基準電源部73による電流が流れる。このとき接続検査用電極141aが共通電極56側に接続されており、共通電極56がアースされている場合、A/D変換器153を介してプリント制御部80で検出される電圧値は、抵抗素子144と接続検査用電極141b及び141a間の接触抵抗、またこれら素子間の配線抵抗に依存した値となる。これによりプリント制御部80は、接続検査用電極141aと141bとの接続は良好であると判定する。
また、接続検査用電極141aと141bとの接続が図21(c)に示すように未接続の場合、スイッチSK1をオンにしても接続検査用電極141a、141b間には電流は流れず、A/D変換器153を介してプリント制御部80が検出する電圧値は、略電源電圧V1となる。これより、プリント制御部80は接続検査用電極141aと141bとが未接続であると判定する。
また、接続検査用電極141aと141bとの接続が図21(b)に示すような接続不良の場合、スイッチSK1をオンにしたとき、A/D変換器153を介してプリント制御部80が検出する電圧値は、接続検査用電極141b及び141a間の接触抵抗が図21(a)の接続良好の場合よりも増大するため、それに依存して高めの値となる。これによってプリント制御部80は、接続検査用電極141aと141bとは接続不良であると判定する。
また、このとき検出された電圧値により接続部143の配線抵抗及び接触抵抗を含めたバラツキを検出することが可能であり、これに基づいて吐出時の駆動電圧を制御することにより、各装置間のバラツキを補正することができる。
このようにして、接続検査用電極141aと141bとの間の接続状態の検査が行われる。
次に、接続検査用電極141aと141bとの間及び接続検査用電極142aと142bとの間を半田バンプによって接合した場合の接続検査について説明する。
図22に検出用電極141a、141b、142a、142bの間を半田バンプによって接続した場合の各接続状態を模式的に示す。
図22(a)は、接続状態が良好な場合を示しており、印字ヘッド50側の接続検査用電極141a、142aと配線板92側の接続検査用電極141b、142bとがそれぞれ半田バンプ161、162によって正確な位置に接着されている。
図22(b)は、接続状態が不良の場合を示しており、位置ずれ量が許容範囲外であり、それぞれ接続検査用電極141aと141b、及び接続検査用電極142aと142bとが位置が大きくずれて接触している部分が狭く、一応導通はするが接触抵抗が大きく実用上問題となる。
図22(c)は、さらに位置がずれて未接続となった場合を示している。また、図22(d)は、位置はそれほどずれていないが、それぞれの接続検査用電極141aと141b及び142aと142bとを接続する半田バンプ161及び162が大きくはみ出して互いに接触し短絡した場合を示している。
前述したACFによる接続の場合にはほとんど短絡が発生する危険性はないが、半田バンプによる接続の場合には、この図22(d)のように隣接する電極接続部同士が短絡してしまう場合が有り得る。
図23に、このような短絡を含めた接続状態を検査するための回路構成を示す。
図23に示す回路構成は、前述した図20に示す回路構成と略同じであるが、今回は短絡の検査もできるように、接続部143の一方の接続検査用電極142aがオープン端子146に接続している点が異なっている。
共通電極56に接続された接続検査用電極141aと141b及びオープン端子146に接続された接続検査用電極142aと142bの両方を用いてこれらの接続部143の短絡の検査が行われる。
接続検査用電極141aと141bとの接続検査の方法は、図20を用いて説明した方法と同じである。以下、短絡検査の方法について説明する。
以下、接続検査用電極141aと141b及び接続検査用電極142aと142bとをそれぞれ接続する半田バンプ161及び162が図22(d)に示すように接触してこれらの電極が短絡しているか否かを検査する方法について説明する。
まず、これらの電極が短絡していない場合には、スイッチSK2をオンにしても接続検査用電極142a側はオープン端子143となっているため、A/D変換器153を介してプリント制御部80が検出する電圧値は略電源電圧のV1である。
しかし、接続検査用電極141a、141bと接続検査用電極142a、142bとが図22(d)に示すように短絡している場合には、スイッチSK2をオンにすると、これらの電極が短絡しているため、接続検査用電極142bから半田バンプ162及び接続検査用電極141aを通って共通電極56側に電気が流れ、共通電極56はアースされているため、A/D変換器153を介してプリント制御部80が検出する電圧値は、抵抗素子145と接続検査用電極142b、142a、141b、141a間の接触抵抗及びこれらの素子間の配線抵抗に依存した値となる。これの結果によりプリント制御部80は、接続検査用電極141aと141b及び接続検査用電極142aと142bとの間が短絡していると判断する。このようにして、これら電極間の短絡を自動的に検出することができる。
また、このとき図17〜図19等を用いて説明したように、接続検査用電極の一辺の長さを標準の個別電極の一辺の長さより小さくして(上の例では1/2として)、さらにその長さを小さくした辺が互いに違う方向を向くように複数の接続検査用電極を対角線上あるいはマトリクスの四隅に配置するようにしているため、個別電極と接続電極との接続状態をよりきびしい条件で検出することができる。
また、通常のインク吐出を行う圧電素子58の他に、インク吐出を行わないダミーの圧電素子を設置して、これを用いて圧電素子58の変位特性(バラツキ)を検出することができる。以下、これについて説明する。
図24に、この圧電素子のバラツキを検出するための検査用回路の構成例を示す。
図24に示す検査用回路の構成例は、前述した図23に示す短絡の検査を含めた接続検査を行う回路構成において、検査用配線部140(図24では図示省略)の他にさらに変位特性検査用配線部170を設けたものであり、変位特性検査用配線部170以外の構成は図23と同様である。変位特性検査用配線部170は、圧電素子58のロット間のバラツキを検出するものである。
変位特性検査用配線部170は、通常の印字時にはインク吐出を行わない検査用のダミーの圧電素子181a、182aと、それぞれの圧電素子181a、182aに対して設置された圧電素子181a、182aの変位状態を検出するセンサ(変位検出手段)としての圧電素子181b、182bと、これらの圧電素子181a、182a、181b、182bとの配線の接続を行う接続用電極171a、171b、172a、172b、・・・、176a、176b及びそれぞれダミーの圧電素子181a、182aの駆動信号のオンオフを行うスイッチSK1、SK2を含んで構成される。
ダミーの圧電素子181a、182aは、電気−機械変換素子として作用し、その変位を検出するセンサである圧電素子181b、182bは、機械−電気変換素子として作用する。
接続電極171a、・・・、176aは印字ヘッド50側に設置され、接続電極171b、・・・、176bは、配線板92側に設置されており、接続電極171aと接続電極171b、・・・、接続電極176aと接続電極176bとがそれぞれ接続するように印字ヘッド50に配線板92が接続される。
接続電極171a(及び171b)は、スイッチSK1を介してダミー圧電素子181aに基準電源部73からの駆動信号を送るためのものである。接続電極172a(172b)は、変位検出用圧電素子181bの発生する電圧をA/D変換器153を介して検出するためのものである。接続電極173a(173b)は、変位検出用圧電素子181bに電源電圧を供給するためのものである。
同様に、接続電極174a(174b)は、ダミー圧電素子182aに駆動信号を送るためのものである。接続電極175a(175b)は、変位検出用圧電素子182bの発生する電圧をA/D変換器153を介して検出するためのものである。また、接続電極176a(176b)は、変位検出用圧電素子182bに電源電圧を供給するためのものである。
ダミー圧電素子181a及び変位検出用圧電素子181bの作用と、ダミー圧電素子182a及び変位検出用圧電素子182bの作用は同様であり、これらの組はどちらか一つだけでもよい。
そこでダミー圧電素子181a及び変位検出用圧電素子181bの作用について説明する。
プリント制御部80からの駆動制御信号により、スイッチSK1を切り替えることによって、基準電源部73からの駆動電圧がダミー圧電素子181aに印加されると、その駆動電圧に応じてダミー圧電素子181aが駆動され変形する。
変位検出用圧電素子181bは、機械−電気変換素子であり、ダミー圧電素子181aの変形に伴い変形してその変形に応じた電圧を発生する。この電圧はA/D変換器153によってデジタル値に変換され、プリント制御部80によって検出される。
プリント制御部80では、この検出した電圧値を予め設定されている基準値と比較することによりダミー圧電素子181aの変位状態を判定する。そして、その結果に基いて駆動信号発生部110を制御して、駆動信号の波形を補正し、ロット間における吐出状態のバラツキをなくすようにする。
このように、検査用配線部140の他に変位特性検査用配線部170を設けたことにより、電極の接続検査のみばかりでなく、圧電素子(アクチュエータ)の変位特性のロット間バラツキをも検出することができ、この結果を用いてそのバラツキを補正することも可能となる。
以上、説明したように、本実施形態によれば、接続確認の検査を接続検査用電極を用いて行うことで全ての個別電極の引き出し電極について検査することなく、代表検査のみで容易に電極の装置全体の概略の接続状態の良否を判定することができ、検査時間を短縮することができる。
すなわち、この接続検査用電極の検査によって接続不良とされた製品については、生産ラインから除去し、廃棄するかあるいは可能であれば分解して再利用する。一方、接続検査用電極の検査によって一応接続状態が良好とされたものについては、改めて各個別電極の引き出し電極の接続検査を行うようにする。
また、接続検査に際し、特に検査用端子(電極)を個別電極(信号用端子)のサイズより小さく(例えば、1/2のサイズに)することにより、接合時の位置ずれ量が接続良好なずれ量の範囲内(例えば、標準の電極サイズの1/2以内)であるかどうかの判断が容易であり、未接続、短絡、接触不良の判定が可能となる。
また、少なくとも四隅に検査端子(接続検査用電極)を配置する際、X方向(横方向)を1/2サイズにした端子を対角に配置し、また同時にY方向(縦方向)を1/2サイズにした端子を残りの対角に配置することで、X方向及びY方向での位置ずれ量が接続良好な範囲内か否かを容易に検出することができる。
また、短絡検査用とオープン検査用の2つの検査用端子を設けることで、接続状態の良否判断を精度良く行うことができる。このとき共通電極(コモン)に接続した検査用端子のみでは、オープン検出はできるが隣接端子との短絡検出は困難である。そこで例えば図23に示すように共通電極に接続した接続検査用電極とオープン端子とした接続検査用電極を設けることで隣接端子との短絡検出が可能となる。
また、以上説明したような液滴(インク)吐出装置を製造するには、多数の圧力室ユニットを2次元マトリクス状に配列した印字ヘッドを通常の方法で形成し、図17乃至図19に示したように、検出用電極をマトリクスの四隅あるいは対角に配置するように形成する。
一方、フレキシブル配線基板、あるいはリジッド基板等の配線板側にも、上記各圧力室ユニットの個別電極に対する接続電極及び検出用電極に接続する検出用電極を形成して、これを上記印字ヘッドに対して各対応する電極が接続するようにACFあるいは半田により接着する。このときの印字ヘッドと配線板との接続方法は、特に限定はされず例えば図11に示すいずれかの方法によればよい。
接続検査用電極を形成する際には、一箇所に近接して2つ並べて配置し、例えば図23に示すように、1つは共通電極(コモン)に接続し、他の1つはオープン端子とするように形成すれば、隣接端子間の短絡の検出を行うことが可能となる。
また、圧電素子の変位特性のバラツキを検出するためには、印字ヘッドに駆動用の圧電素子を形成する際に、上記接続検査用電極を含む接続検査用回路とは別にダミーの圧電素子及びこの変位を検出するセンサとしての変位検出用圧電素子を含む変位検査用回路を合わせて形成するようにすればよい。
多数の圧力室ユニットを有する印字ヘッドを形成する方法としては特に限定はされず、例えば、ノズル基板、流路基板、振動板等の薄膜基板を多数積層して形成するようにしてもよい。あるいはAD(エアロゾル)法等の方法で形成するようにしてもよい。
また、上述した例では、検出用電極は、2次元マトリクス状に形成された個別電極の外側の四隅あるいは対角上に配置したが、この他の位置、例えばマトリクスの中央部等にも検出用電極を配置するようにしてもよい。これによれば接続検出の精度をより高めることができる。
以上、本発明の液滴吐出装置及びその製造方法並びに接続検査方法について詳細に説明したが、本発明は、以上の例には限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変形を行ってもよいのはもちろんである。
10…インクジェット記録装置、12…印字部、14…インク貯蔵/装填部、16…記録紙、18…給紙部、20…デカール処理部、22…吸着ベルト搬送部、24…印字検出部、26…排紙部、28…カッター、30…加熱ドラム、31、32…ローラー、33…ベルト、34…吸着チャンバー、35…ファン、36…ベルト清掃部、40…加熱ファン、42…後乾燥部、44…加熱・加圧部、45…加圧ローラー、48…カッター、50…印字ヘッド、50A…ノズル面、51…ノズル、52…圧力室、53…インク供給口、54…圧力室ユニット、55…共通流路、56…振動板(共通電極)、57…個別電極、58…圧電素子、60…インクタンク、62…フィルタ、64…キャップ、66…ブレード、67…吸引ポンプ、68…廃インクタンク、70…通信インターフェース、72…システムコントローラ、74…画像メモリ、76…モータドライバ、78…ヒータドライバ、80…プリント制御部、82…画像バッファメモリ、84…ヘッドドライバ、86…ホストコンピュータ、88…モータ、89…ヒータ、90…CPU基板、92…配線板、93…フレキシブル配線基板、94…リジッド基板、95…シリアルバス、96…配線、100…半田バンプ、102…垂直配線手段、110…駆動信号発生部、112…スイッチアレイ、114…波形生成回路、116…アンプ、118…SEPP回路、120…シフトレジスタ、122…ラッチ回路、124…レベル変換回路、126、128…接続検査用電極、130〜133…接続検査用電極、140…検査用配線部、146…オープン端子、150…制御部、170…変位特性検査用配線部
Claims (18)
- 液体を液滴として吐出する液滴吐出ヘッドと、該液滴吐出ヘッドに吐出駆動信号を供給する吐出駆動信号用配線基板を有する液滴吐出装置であって、
前記液滴吐出ヘッドと前記吐出駆動信号用配線基板の双方に形成された前記吐出駆動信号を受け渡しする駆動信号用電極同士の接続状態を検査するための接続検査用電極及び接続検査用配線素子を、前記液滴吐出ヘッドと前記吐出駆動信号用配線基板の双方に備えたことを特徴とする液滴吐出装置。 - 前記前記液滴吐出ヘッドと前記吐出駆動信号用配線基板とを接合する際の、前記液滴吐出ヘッド及び前記吐出駆動信号用配線基板のそれぞれに設けられた前記接続検査用電極同士の接続状態の検出結果に基いて前記駆動信号用電極同士の接続状態を自動的に判定するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の液滴吐出装置。
- 前記接続検査用電極のサイズが、少なくとも前記駆動信号用電極のサイズより小さいことを特徴とする請求項1または2に記載の液滴吐出装置。
- 前記接続検査用電極の個数は、前記駆動信号用電極の個数よりも少ないことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の液滴吐出装置。
- 前記駆動信号用電極は前記液滴吐出ヘッド及び前記吐出駆動信号用配線基板上に2次元マトリクス状に配列され、前記接続検査用電極は、前記駆動信号用電極が配列された領域に対し少なくともその対角上に配置されたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の液滴吐出装置。
- 前記接続検査用電極は、前記駆動信号用電極が配列された領域に対しその四隅に配置され、かつその1つの対角上にはある方向のサイズが前記駆動信号用電極より小さい前記接続検査用電極を配置し、他の対角上には前記ある方向とは異なる方向のサイズが前記駆動信号用電極より小さい前記接続検査用電極を配置したことを特徴とする請求項5に記載の液滴吐出装置。
- 前記液滴吐出ヘッド上の近接した位置に2つの前記接続検査用電極を配置し、その一方を一定の電圧端子に接続するとともに、他方をオープン端子に接続したことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の液滴吐出装置。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の液滴吐出装置において、さらに、前記液滴吐出ヘッドに、液滴の吐出を行うためのアクチュエータの他に検査用のアクチュエータ及び前記検査用のアクチュエータの変位を検出する変位検出手段を設けたことを特徴とする液滴吐出装置。
- 前記変位検出手段の検出結果に基いて、前記液滴吐出ヘッドの前記駆動信号用電極に対応する液滴吐出用のアクチュエータに対する駆動波形を補正することによって前記液滴吐出用のアクチュエータの変位量を制御することを特徴とする請求項8に記載の液滴吐出装置。
- 液体を液滴として吐出する液滴吐出ヘッドと、該液滴吐出ヘッドに吐出駆動信号を供給する吐出駆動信号用配線基板を有する液滴吐出装置において、前記液滴吐出ヘッドと前記吐出駆動信号用配線基板の双方に形成された前記吐出駆動信号を受け渡しする駆動信号用電極の接続状態を検査する接続検査方法であって、
前記駆動信号用電極同士の接続状態を検査するための接続検査用電極及び接続検査用配線素子を、前記液滴吐出ヘッドと前記吐出駆動信号用配線基板の双方に形成し、前記液滴吐出ヘッドと前記吐出駆動信号用配線基板とを接合する際、前記液滴吐出ヘッド及び前記吐出駆動信号用配線基板のそれぞれに設けた前記接続検査用電極同士の接続状態を検出することにより前記駆動信号用電極の接続状態を検査することを特徴とする接続検査方法。 - 前記接続検査用電極のサイズを、少なくとも前記駆動信号用電極のサイズより小さくしたことを特徴とする請求項10に記載の接続検査方法。
- 前記接続検査用電極の個数を、前記駆動信号用電極の個数よりも少なくしたことを特徴とする請求項10または11に記載の接続検査方法。
- 前記駆動信号用電極は前記液滴吐出ヘッド及び前記吐出駆動信号用配線基板上に2次元マトリクス状に配列され、前記接続検査用電極は、前記駆動信号用電極が配列された領域に対し少なくともその対角上に配置されたことを特徴とする請求項10〜12のいずれか1項に記載の接続検査方法。
- 前記接続検査用電極は、前記駆動信号用電極が配列された領域に対しその四隅に配置され、かつその1つの対角上にはある方向のサイズが前記駆動信号用電極より小さい前記接続検査用電極を配置し、他の対角上には前記ある方向とは異なる方向のサイズが前記駆動信号用電極より小さい前記接続検査用電極を配置したことを特徴とする請求項13に記載の接続検査方法。
- 前記液滴吐出ヘッド上の近接した位置に2つの前記接続検査用電極を配置し、その一方を一定の電圧端子に接続するとともに、他方をオープン端子に接続したことを特徴とする請求項10〜14のいずれか1項に記載の接続検査方法。
- 液体を液滴として吐出する液滴吐出ヘッドと、該液滴吐出ヘッドに吐出駆動信号を供給する吐出駆動信号用配線基板を有する液滴吐出装置の製造方法であって、
前記液滴吐出ヘッドと前記吐出駆動信号用配線基板の双方に前記吐出駆動信号を受け渡しする駆動信号用電極を2次元マトリクス状に形成し、
前記駆動信号用電極同士の接続状態を検査するための接続検査用電極及び接続検査用配線素子を、前記液滴吐出ヘッドと前記吐出駆動信号用配線基板の双方の、前記駆動信号用電極が形成される領域に対し少なくともその対角上に配置するように形成し、
前記駆動信号用電極、前記接続検査用電極及び接続検査用配線素子が形成された前記液滴吐出ヘッドと前記吐出駆動信号用配線基板を張り合わせることを特徴とする液滴吐出装置の製造方法。 - 前記液滴吐出ヘッドと前記吐出駆動信号用配線基板の双方において、前記接続検査用電極を、前記駆動信号用電極が形成される領域に対しその四隅に配置し、かつその1つの対角上にはある方向のサイズが前記駆動信号用電極より小さい前記接続検査用電極を配置するとともに、他の対角上には前記ある方向とは異なる方向のサイズが前記駆動信号用電極より小さい前記接続検査用電極を配置したことを特徴とする請求項16に記載の液滴吐出装置の製造方法。
- 請求項16または17に記載の液滴吐出装置の製造方法において、さらに、前記液滴吐出ヘッドに、検査用のアクチュエータ及び前記検査用のアクチュエータの変位を検出する変位検出手段を設けたことを特徴とする液滴吐出装置の製造方法。
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