JP2006032177A - 版、版の製造方法、基板およびこの基板の製造方法 - Google Patents

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Takeshi Sano
武 佐野
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Abstract

【課題】 パターン状の剥離層およびパターン層をエッチングによらずに簡単に形成でき、しかも、剥離層とパターン層が同一形状であるので、転写形状が綺麗で微細パターンに対応できる版、版の製造方法、基板および基板の製造方法を提供する。
【解決手段】 基板のパターンを転写により形成するための版において、基体1と、この基体1上に、パターンを形成する成分を含有する液状流動体6に対し親和性のない疎液領域3と、剥離層5を形成する成分を含有する液状流動体4に対し親和性のあるパターン状の親液領域2とを有する親疎液層2、3と、この親疎液層2、3の前記親液領域2上に、パターン転写時に層内または層間で剥離するパターン状の剥離層5と、この剥離層5上に、基板8に転写されるパターン層7とを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電子部品実装、配線形成、有機トランジスタ、薄型ディスプレイ、機構部品に使用する基板パターン形成するための版、版の製造方法、基板およびこの基板の製造方法に関するものである。
従来の回路基板を構成する絶縁基板上へのパターン形成方法としては、スクリーン印刷によるペーストの供給による方法、絶縁基板上に配線や素子を形成しエッチングによりパターン形成する方法、レジスト等を用いパターン状に配線や素子を形成してレジストをエッチングしてパターン形成する方法、また、それらを版に形成し配線や素子を絶縁基板に転写して基板上にパターン形成する方法などがある。(例えば、特許文献1ないし4参照)。
しかし、半導体実装基板等の基板では、高密度高速化の流れにより配線ピッチが小さくなってきており、従来の方法では任意の配線を形成することが困難になってきている。また、エッチング等によるパターン形成方法では、環境負荷が大きいため、エッチングによらない形成方法が検討されている。
そこで、基板上に配線や素子を微細に形成でき、しかも環境負荷の小さい方法として、基板表面の濡れ性の違いを利用してパターン形成する方法が提案されている。この方法では、絶縁基板上に、配線や素子材料を含有する流動体に対し親和性のある領域を形成し、そこに流動体を供給して流動体を親和性領域のみに付着させてから流動体を固化させ、親和性領域に配線パターンを形成している(例えば、特許文献1ないし3)。
また、転写方法を使用する方法として、転写シートに離形性変化層(濡れ性変化層)を設け、離形性の良くなった部分だけを転写して基板上にパターン形成する方法がある(例えば、特許文献4)。
特許文献1の開示は、微細化した半導体デバイスなどに金属パターンを形成する際に、プロセスが容易で簡単に実施でき、基板表面のトポログラフィによる影響も小さく、また高価な材料を必ずしも用いる必要のない金属パターンの形成方法及びこのような金属配線パターンを有する半導体装置の製造方法を提供することにある。
特許文献1の技術は、半導体基板等の基板上に、露光により親水化可能となる撥水性の処理剤を用いて半導体基板の配線パターン形成面を処理して配線パターン形成面を撥水化(I)し、この処理後の配線パターン形成面をパターン状に露光(II)する。
さらに、露光部を親水化(III)し、金属化合物の親水性溶液または撥水性溶液を該配線パターン形成面に塗布(IV)、(IV′)し、金属化合物を析出させこの金属化合物に金属化処理(V)、(V′)を施すことによってパターン状に金属を形成する。
特許文献2の開示は、エッチング工程や型によるエンボス工程を必要としない全く新しい凹凸パターンの形成方法を提供することである。撥水性部分と親水性部分からなるパターンの水に対する接触角差を80℃以上にして親水性物質の堆積部分の選択性を向上させる。
また、撥水性部分に微細凹凸組織を有する下地層と撥水性を有する最上層を設けて接触角の親水部分との差を80℃以上にする。撥水/親水パターンの解像度を向上させるため、光分解活性を有する中間層を下地層と最上層の間に設け、フォトマスクを介した光照射による撥水性を有する表面層の選択的分解、親水化を可能とする。
親水性流体としてコロイダルシリカと水を含む液体を用いて堆積の選択性を向上させ、大きな膨らみ形状の形成を可能にする。とくに熱可塑性微粒子が分散した液体を用いて、さらに大きな膨らみパターンの形成を可能にする。
特許文献3の開示は、パターン形成時に、乾燥前の流動体が広がりすぎず乾燥後にパターンが分断されない、インクジェット方式によるパターン形成に適する基板の提供にある。
特許文献2では、所定の流動体に対し親和性のある親和性領域と、流動体に対し親和性のない非親和性領域と、を備え、親和性領域が非親和性領域のなかで、所定のパターン(形状、大きさおよび配列)で配置されることにより、複数の前記親和性領域にまたがる一定の面積に流動体を連続して付着可能に構成された基板1を開示している。
特許文献4の開示は、EL素子の有機EL層を転写法でパターニングするさいに、レーザ転写法を用いることなく高精細な転写を可能とする転写シートを提供することである。
特許文献4は、基材と、上記基材上に形成され、離型性の異なるパターンを有する離型性変化層と、上記離型変化層上に形成され、熱により被転写体上に溶融転写する有機EL層とを有する転写シートを提供することを開示している。
特開平7−326235号公報 特開2001−129474公報 特開平11−207959号公報 特開2003−100454公報
しかしながら、絶縁基板は、様々な部品を搭載するため、幅の異なるパターンや複雑な形状のパターンが必要であり、また、半導体回路に比べ厚い配線が必要であり、しかも安価に形成することが必要とされる。
しかし、従来の技術では、以下の問題がある。まず、特許文献1では、基板全面にシランカップリング剤にて撥水膜を形成し、紫外線露光にて親水化し、金属酸化物を還元処理にて配線を形成している。しかし、この方法は微細なパターン形成は可能であるが、配線として必要とされる厚さに関しては技術課題が明確になっていない。
特許文献2では、大きな膨らみ形状を達成する手段として、下地層に凹凸を形成することで、親水部と撥水部の差を大きくし、パターンの厚みを大きくしている。しかし、この方法は、基板内の親水部の幅や形状が異なると厚さも異なるので、配線基板には不適である。また、達成手段として親水層と撥水層を積層にしており、形成プロセスが複雑である。
特許文献3では、流動体に対する親和部と非親和部のパターンを市松模様の様に規則的に配置することにより、流動体が広がりすぎたり分断したりすることなく、親和部の間にある非親和部にもパターンが形成されるようにしている。しかし、この方法では親和部の間にある非親和部のパターン厚さを大きくできない。
そこで、本出願人等は、これに対する対策を研究した。すなわち、これによれば、基板の基体表面に、パターン形成材料を含有する第1の液状流動体に対して親和性のある親液領域と親和性のない疎液領域とを形成する親疎液層形成工程を実施し、親液領域に第1の液状流動体を供給する。
また、第1の流動体を固化させてパターンを形成する第1のパターン形成工程を実施してパターン上に第2の流動体を供給し、第2の流動体を固化させてパターンを厚膜化する第2のパターン形成工程を行い、第2のパターン形成工程を1回以上行なうことにより、厚膜パターンを有する基板を作製できた。
しかしながら、この方法では基板に親疎液層を形成する必要があり、多層化が困難であった。そこで、第1の流動体にパターン形成材料ではなく剥離層形成材料を含有させれば、パターン状の剥離層が形成でき、第2の流動体にパターン形成材料を含有させれば、剥離層上にパターン層を形成できる。
このため、パターン状の剥離層およびパターン層をエッチングによらずに形成でき、これを版として用いパターン層を基板に転写させれば、エッチングによらずにパターン基板を作製できる。また、複数の版を用いれば多層基板も作製できることに着目した。
なお、特許文献4では、剥離層の非親和性領域に相当する有機ELパターンを転写しているが、これは、パターン層が溶融または軟化しているので、パターンを所望の形状で転写できる。しかし、この方法は金属パターン等低温で溶融しないパターン形成材料では使用できない。
そこで、本発明の目的は、上述した実情を考慮して、パターン状の剥離層およびパターン層をエッチングによらずに簡単に形成でき、しかも、剥離層とパターン層が同一形状であるので、転写形状が綺麗で微細パターンに対応できる版および版の製造方法を提供することにある。本発明方法は、剥離層とパターン層を同一形状で形成しているので、金属パターン等低温で溶融しないパターン形性材料にも使用できる。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、転写用のパターンを基体上に備えた版において、基体と、この基体上に形成されて前記パターンの構成成分を含有する第2の液状流動体に対し親和性のない疎液領域と、基体上に形成されて剥離層を形成する成分を含有する第1の液状流動体に対し親和性のある親液領域と、前記親液領域上に形成される前記剥離層と、前記剥離層上に形成された前記パターン層とを備えることを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1において、前記剥離層が、粘着剤であることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1において、前記剥離層が、溶剤可溶性であることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1において、前記剥離層が粒径100nm以上の金属または金属化合物粒子を含有しており、前記パターン層が粒径100nm未満の金属または金属化合物粒子を含有していることを特徴とする。
請求項5の発明は、基体上に、熱または光により所定の液状流動体に対し親和性の変化する層を形成する親和性変化層形成工程と、前記親和性変化層に熱または光をパターン状または逆パターン状に印加し、剥離層を形成する成分を含有する第1の液状流動体に対し親和性のあるパターン状の親液領域と、前記第1の液状流動体に対し親和性のない逆パターン状の疎液領域とを形成する親疎液層形成工程と、前記親疎液層のパターン状の前記親液領域上に、前記第1の液状流動体を供給し該第1の液状流動体の溶媒成分を除去してパターン状の剥離層を形成する剥離層形成工程と、前記剥離層上に、パターンを形成する成分を含有し前記疎液領域に対して親和性がなくかつ前記剥離層に対して親和性のある第2の液状流動体を供給し、前記第2の液状流動体の溶媒成分を除去してパターン層を形成するパターン層形成工程との少なくとも4工程からなることを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項5において、前記パターン層形成工程において、溶媒成分除去時またはその後に、粒径100nm以上の金属または金属化合物粒子同士が融着せず、粒径100nm未満の金属または金属化合物粒子同士が融着する温度で加熱することを特徴とする。
請求項7の発明に於いて、請求項1ないし4記載の版のパターン層形成面を、基板または基体表面に形成した接着層に密着させて加圧してから、前記版と前記基板を離すことにより、版表層のパターンを前記基板又は基体表面の接着層に転写することを特徴とする。
請求項8の発明は、請求項7において、前記加圧時に、前記剥離層に熱または光を印加することを特徴とする。
請求項9の発明は、請求項7において、前記加圧時に、前記剥離層に溶剤を供給することを特徴とする。
請求項10の発明は、請求項7ないし9記載の基板の製造方法により製造したことを特徴とする。
本発明によれば、基体と親疎液層とパターン状の剥離層とパターン層とを備えているので、転写性が良好であり、微細パターンにも対応できる。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は本発明による版の実施の形態を示す概略断面図である。図1において、版基体1上には、親和性領域(親水領域)2、非親和性領域(疎水領域)3、第1の流動体4(図示せず)、剥離層5、第2の流動体6(図示せず)、およびパターン層7を有している。
図2は本発明による版Aの製造方法の親疎液層形成工程を示す断面図である。図3は本発明による版の製造方法の親疎液層形成工程を示す断面図である。さらに、図2は親水層形成後を、そして図3は親疎液層形成後を示している。
図2および図3において、<親疎液層形成工程>は、まず、基体であるPETフィルム1上に親水性を有する感熱材料(含フッ素アクリレートTG−702 ダイキン工業株式会社製)を塗布する(親和性変化層形成工程)。
90℃のエチレングリコール中に版基体1を30秒浸漬させて、版基体1上に親水層を形成した。次に、半導体レーザ(松下電子工業株式会社製 LN9830)を感熱材料に照射し、線状の逆パターン状に加熱を行い、加熱部を疎水性(疎水領域)3に変化させた。これにより、パターン状の親水領域(親和性領域)2を版基体1上に形成した(親疎液層形成工程)。レーザ光に代えて熱を加えて親和性を変化させてもよい。
図4は本発明による版の製造方法の第1の液状流動体の供給を示す断面図である。図5は本発明による版の製造方法の剥離層形成工程を示す断面図である。さらに、図4は第1の液状流動体の供給後を、図5は剥離層形成後を示している。
図4および図5において、剥離層形成工程では、親和性領域(親水領域)2、非親和性領域(疎水領域)3上に、第1の液状流動体4を供給する。
第1の液状流動体4としては水溶性セルロース(信越化学:メトローズ)の1%水溶液を使用する。これにより、親水領域(親和性領域)2のみにセルロース水溶液が付着した。その後、第1の液状流動体4を乾燥させて、パターン状の剥離層(水溶性粘着層)5が形成された。
図6は本発明による版の製造方法の第2の液状流動体の供給を示す断面図である。図7は本発明による版の製造方法におけるパターン層形成工程を示す断面図である。さらに、図6は第2の液状流動体の供給後を、図7はパターン層形成後を示している。
図6および図7において、パターン層形成工程では、次に、親疎液層2、3の疎水領域(非親和性領域)3および剥離層5上に第2の液状流動体6として銀ナノ粒子(平均粒径20nm)を含有する銀コロイド水溶液(ファインスフィアSVW102 日本ペイント製)を供給することにより、剥離層5上のみに銀コロイド水溶液が付着した。
その後、流動体を乾燥させて、銀ナノ粒子からなるパターン層7を形成した。さらに、200℃、30分で加熱して銀ナノ粒子を融着させ、良導体パターン層を形成した。
これよって、本発明によれば、パターン状の剥離層5およびパターン層7をエッチングによらずに簡単に形成でき、微細パターンに対応できる版を得ることができた。
なお、ここでは、版の基体材料としてPET、親疎液層2、3として含フッ素アクリレートを用いたが、親和性と非親和性を示す材料であれば、他のものでも良い。例えば、版上に光触媒である酸化チタン層を形成する。このときの表面は疎水性を示す。
次に、パターン状に紫外線を照射して、パターン状に親和性領域2を形成できる。また、流動体として水性のインクを用いたので、親水領域2と撥水領域3を形成したが、水以外が溶媒の流動体を供給する場合は、その流動体に対する親和性領域2と非親和性領域3を形成すればよい。
第2の流動体の溶媒として、第1の流動体と同じ溶媒である水を用いたが、これは、第1の流動体で形成した剥離層5が親水性であり、剥離層5以外の親疎水層2、3は疎水性である。
したがって、全面に流動体を供給しても、流動体が液滴状態で親水部のみに付着するので、簡便である。もちろん、同様の特性を示せば、第1の流動体と異なる溶媒を用いることも可能である。
流動体の溶媒等を乾燥して除去しているので、親疎液層2、3の親和性または非親和性状態は変化せず、溶媒等が乾燥する間にパターン形状が変化しない。また、溶媒等を熱処理で乾燥除去する場合には、親疎液層2、3の親和性または非親和性状態が変化しない温度以下で熱処理を行って溶媒等を除去して流動性を無くすのが望ましい。
流動体の固形成分としては、所望の機能に対応し、様々な材料を使用できる。
流動体が金(Au)や銀(Ag)等の金属粒子または金属化合物粒子を含有している場合には、流動体を乾燥等により除去して固形成分である金属粒子または金属化合物粒子を残し、固化することにより導電性パターン、すなわち、配線や電極を形成できる。
とくに、100nm以下の粒子を含有する流動体(ハリマ化成、藤倉化成、日本ペイント等)では、200℃以下の低温で金属粒子を融着・固化させることで低抵抗の導電性パターンを形成できる。なお、この融着工程は転写後に基板上で行っても良い。
同様に、流動体がシリコン(Si)、硫化カドミウム(CdS)、テルル化カドミウム(CdTe)、ニ酸化チタン(TiO)等の半導体粒子を含有している場合には、半導体パターンを形成できる。
流動体がポリチオフェン系(PEDOT等)やポリフェニレンビニレン(PPV)等の導電性高分子を含有している場合には、流動体を加熱等により固化することにより導電性パターン、すなわち、配線や電極を形成できる。この場合も、250℃以下の低温で導電性パターンを形成できる。
流動体がポリシランやポリチオフェン系等の半導体性高分子を含有している場合には、半導体パターンを形成できる。
流動体がポリビニルフェノール(PVPh)等の絶縁性高分子を含有している場合には、絶縁性パターンを形成できる。
流動体がEL材料等の発光材料を含有している場合には、発光素子パターンを形成できる。なお、高分子材料を用いる場合には、屈曲性に優れたパターンを形成できる。
図8は本発明による基板の製造方法の転写前の工程を示す断面図である。図9は本発明による基板の製造方法の加圧中の工程を示す断面図である。図10は本発明による基板の製造方法の転写後の工程を示す断面図である。
以下に、本発明の版Aを使って基板Bを製造する例をあげる。図8ないし図10において、ガラス版にエポキシ樹脂を塗布し、基板Bの基体8上に接着層9を形成した。次に、上記の版の製造方法で作製した版と基板を重ね合わせ(図8)、ローラで加圧(約9MPa)した(図9)。
次に版Aを基板Bから離すと、パターン層7が基板基体8の接着層9に接着した状態で剥離し、パターン基板10が得られた。なお、ここでは、基板基体8上に接着層9を形成したが、セラミック基板のように基体の表面粗さが大きい場合には接着層はなくても良い。
また、作製したパターン基板10上に接着層を再度形成し、再度、版のパターン層7を接着層9に転写させれば、多層パターン基板が得られる。
本発明による版の製造方法の他の実施の形態を説明する。図示してないが、この実施の形態の版形成工程において、上述した版の製造方法と同様に、親疎液層を形成する。
次に、親疎液層2、3上に、第1の液状流動体4として銀粉(平均粒径0.5μm)を含有する水溶液を供給することにより、親水領域2のみに銀粉含有水溶液が付着した。その後、流動体を乾燥させて、パターン状の銀粉層(剥離層5)を形成した。
次に、親疎液層2、3の疎水領域3および剥離層5上に第2の液状流動体6として銀ナノ粒子(平均粒径20nm)を含有する銀コロイド水溶液(ファインスフィアSVW102 日本ペイント製)を供給することにより、剥離層5上のみに銀コロイド水溶液が付着した。
その後、第2の液状流動体6を乾燥させた。流動体の供給と乾燥を3回繰り返し、平均厚さ3μmの銀ナノ粒子からなるパターン層7を形成した。次に、200℃、30分で加熱して銀ナノ粒子を融着させ、良導体パターン層を形成した。このとき、剥離層5の銀粉は融着しなかった。
本発明による基板の製造方法における他のパターン層転写工程を説明する。
上述した基板の製造方法と同様に、作製した版Aと基板Bを重ね合わせ、ローラで加圧した。次に版を基板から離すと、剥離層5内または剥離層5とパターン層7の界面で剥離し、パターン層7は基板Bに転写し、良導体パターンを有する基板10(B)が得られた。
これは、剥離層5の銀粉が融着しておらず銀粉同士の結合力が弱いために剥離層5内または剥離層5とパターン層7の界面で剥離したと思われる。また、粘着剤などの付着によるパターン層7の導電性低下を生じさせない。
上述した基板の製造方法の版Aと基板Bを加圧するときに、80℃程度に加熱することにより、上述した基板の製造方法より低加圧力(5〜7MPa)でパターン層7が基板Bに転写され、パターン層7が得られた。
これは、加熱により剥離層5の粘着力が低下したためである。また、加圧時に水を供給することにより、同様に低加圧力で剥離した。なお、水溶性セルロースを使用しているため、有機溶媒を使用する必要がなく、環境汚染が少ない。水溶性粘着材としては、水溶性アクリル粘着材も使用できる。
また、粘着材としてUV硬化タイプを用いた場合には、UV光を粘着層に照射することにより、同様に上述した基板の製造法より低加圧力(5〜7MPa)でパターン層7が基板Bに転写され、パターン基板10が得られた。また、低圧で転写することにより版にダメージを与えない。
さらに、パターン層形成工程で銀ナノ粒子の融着を版上で行わず加熱による版へのダメージもない場合は、版を繰り返し使用できる(銀ナノ粒子の融着は転写後に基板上で行えばよい)。
すなわち、パターン層転写後、再度、剥離層5とパターン層7を形成すれば、再度、パターン層7を有した版として使用できる。これにより、基板の製造コストはさらに低下し、微細パターンを有し、環境負荷の小さい、安価な基板を得ることができる。
本発明によれば、剥離層5が粘着材であるので、剥離層5内または剥離層5とパターン層7の界面で、パターン層7が版(版基体)基体1と容易に分離し、転写性が良い。また、剥離層が、溶剤可溶性であるので、剥離層が溶解するので、パターン層が版と容易に分離し、転写性が良い。
本発明によれば、剥離層5は、粒径100nm以上の金属または金属化合物粒子を含有しており、パターン層7が、粒径100nm未満の金属または金属化合物粒子を含有している。
したがって、剥離層5とパターン層7で融着温度が異なり、剥離層5の粒子同士は融着せず、パターン層7の粒子同士を融着させることができ、剥離層5内または剥離層5とパターン層7の界面で、パターン層7が分離するので、転写性が良好で良導体パターンを有する。
本発明による版の製造方法によれば、親和性変化層形成工程と、親疎液層形成工程と、剥離層形成工程と、パターン層形成工程の少なくとも4工程から作製しているので、パターン状の剥離層5およびパターン層7を有する版をエッチングによらずに簡単に作製できる。
本発明による版の製造方法によれば、パターン層形成工程において溶媒成分除去時またはその後に、粒径100nm以上の金属または金属化合物粒子同士が融着せず、粒径100nm未満の金属または金属化合物粒子同士が融着する温度で加熱している。
剥離層5の粒子同士は融着せず、パターン層7の粒子同士を融着し、剥離層5内または剥離層5とパターン層7の界面で、パターン層7が分離することのできる版を作製できる。
また、パターン層7は、流動体が金属ナノ粒子を含有しているので、バルクが含有されている場合に比べて低温で金属ナノ粒子を融着でき、バルクに近い特性を有するパターンが形成できる。
また、加熱による負荷を基体にかけることなく種々な機能パターンを有する版や基板を製造することが可能となる。また、粒子サイズが小さいため、微細で精度の良いパターンが形成できる。
本発明による基板の製造方法によれば、版(版基体)1を、基板の基体10または基体表面に形成した接着層9と合わせ、パターン層7を基板の基体8に密着させて加圧し、版1と基板8を離して、版表層のパターンを基板の基体8または基体表面に形成した接着層に転写しているので、転写時にパターン形状の変化の少ない基板を作製できる。
本発明による基板の製造方法によれば、加圧時に剥離層5に熱または光を印加しているので、剥離層5の粘着材とパターン層7の密着力を低下して、パターン層7を剥離し易くでき、転写時の加圧力を下げることができるので、版および基板へのダメージを少なく出来る。
本発明による基板の製造方法によれば、加圧時に剥離層5に溶剤を供給しているので、剥離層5が溶剤に溶け、あるいは湿潤するので、パターン層7を剥離し易くでき、転写時の加圧力を下げることができるので、版および基板へのダメージを少なく出来る。
本発明による基板によれば、上述した基板の製造方法を使用して基板を製造しているので、微細パターンを有し、環境負荷が小さく、安価である。
本発明による版の実施の形態を示す概略断面図。 本発明による版の製造方法の親疎液層形成工程を示す断面図。 本発明による版の製造方法の親疎液層形成工程を示す断面図。 本発明による版の製造方法の第1の液状流動体の供給を示す断面図。 本発明による版の製造方法の剥離層形成工程を示す断面図。 本発明による版の製造方法の第2の液状流動体の供給を示す断面図。 本発明による版の製造方法におけるパターン層形成工程を示す断面図。 本発明による基板の製造方法の転写前の工程を示す断面図。 本発明による基板の製造方法の加圧中の工程を示す断面図。 本発明による基板の製造方法の転写後の工程を示す断面図。
符号の説明
1 版(版基体)
2 親水領域親和性領域(親和性領域、親水領域)
3 疎液領域(疎水領域、非親和性領域)
4 第1の流動体
5 剥離層
6 第2の流動体
7 パターン層
8 基板(基板の基体)
9 接着層
10 パターン基板(転写後の)

Claims (10)

  1. 転写用のパターンを基体上に備えた版において、基体と、この基体上に形成されて前記パターンの構成成分を含有する第2の液状流動体に対し親和性のない疎液領域と、基体上に形成されて剥離層を形成する成分を含有する第1の液状流動体に対し親和性のある親液領域と、前記親液領域上に形成される前記剥離層と、前記剥離層上に形成された前記パターン層とを備えることを特徴とする版。
  2. 前記剥離層が、粘着剤であることを特徴とする請求項1記載の版。
  3. 前記剥離層が、溶剤可溶性であることを特徴とする請求項1記載の版。
  4. 前記剥離層が粒径100nm以上の金属または金属化合物粒子を含有しており、前記パターン層が粒径100nm未満の金属または金属化合物粒子を含有していることを特徴とする請求項1記載の版。
  5. 基体上に、熱または光により所定の液状流動体に対し親和性の変化する層を形成する親和性変化層形成工程と、前記親和性変化層に熱または光をパターン状または逆パターン状に印加し、剥離層を形成する成分を含有する第1の液状流動体に対し親和性のあるパターン状の親液領域と、前記第1の液状流動体に対し親和性のない逆パターン状の疎液領域とを形成する親疎液層形成工程と、前記親疎液層のパターン状の前記親液領域上に、前記第1の液状流動体を供給し該第1の液状流動体の溶媒成分を除去してパターン状の剥離層を形成する剥離層形成工程と、前記剥離層上に、パターンを形成する成分を含有し前記疎液領域に対して親和性がなくかつ前記剥離層に対して親和性のある第2の液状流動体を供給し、前記第2の液状流動体の溶媒成分を除去してパターン層を形成するパターン層形成工程との少なくとも4工程からなることを特徴とする版の製造方法。
  6. 前記パターン層形成工程において、溶媒成分除去時またはその後に、粒径100nm以上の金属または金属化合物粒子同士が融着せず、粒径100nm未満の金属または金属化合物粒子同士が融着する温度で加熱することを特徴とする請求項5記載の版の製造方法。
  7. 請求項1ないし4記載の版のパターン層形成面を、基板または基体表面に形成した接着層に密着させて加圧してから、前記版と前記基板を離すことにより、版表層のパターンを前記基板又は基体表面の接着層に転写することを特徴とする基板の製造方法。
  8. 前記加圧時に、前記剥離層に熱または光を印加することを特徴とする請求項7記載の基板の製造方法。
  9. 前記加圧時に、前記剥離層に溶剤を供給することを特徴とする請求項7記載の基板の製造方法。
  10. 請求項7ないし9記載の基板の製造方法により製造したことを特徴とする基板。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP5201131B2 (ja) * 2007-03-01 2013-06-05 味の素株式会社 金属膜転写用フィルム、金属膜の転写方法及び回路基板の製造方法
JP2015207445A (ja) * 2014-04-21 2015-11-19 コニカミノルタ株式会社 パターン形成方法

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