JP2008218850A - 配線基板及びその製造方法 - Google Patents

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武 佐野
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Abstract

【課題】 この発明は、クラックの生じないインクジェット膜で低抵抗配線を有する配線基板と、マスクを使用せずにオンデマンドで配線パターンを形成できる配線基板の製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 この発明の配線基板は、絶縁性基体1表面に島状に配置した導電膜3…と、当該導電膜3、3間に配置した導電性微粒子からなるインクジェット膜2とにより、所定の導電膜3、3間が電気的に接続されている。そして、導電性微粒子が平均粒子径が1nm以上100nm以下の金属微粒子であり、粒子同士が融着されている。
【選択図】 図1

Description

この発明は、配線基板、特にインクジェット印刷法を利用した配線基板及びその製造方法に関する。
従来の基体表面への配線形成方法としては、基体表面に形成した導電膜をフォトリソグラフィ法により部分エッチングし、配線パターンを形成する方法がある。しかし、この方法は、環境負荷が大きいため、エッチングによらない形成方法が検討されている。また、この方法は、マスクが必要となるため、試作品や多品種少量生産には高コストとなるため、オンデマンドで安価に配線パターンを形成する方法が検討されている。
そこで、基体表面に配線パターンをマスク無しにオンデマンドで形成でき、しかも環境負荷の小さい方法として、インクジェット装置による形成方法が検討されている。
具体的には、インクジェット装置により導電性微粒子、分散剤、溶媒等を含有するインクをパターン状に塗布した後、加熱して溶剤および分散剤を除去し、導電性微粒子同士を融着または接触させることにより、配線パターンを形成している。
図4に、インクジェット装置を用いて配線パターンを形成する方法を示す。この図4を参照して、インクジェット装置を用いて配線パターンを形成する方法につき説明する。ここでの配線は、インク1滴に相当する幅の配線を形成した場合の例である。図4に示すように、絶縁性基体100上に、インクジェットヘッドからインク102が吐出される。
ここで、インクジェットヘッドから吐出されたインク102は基体100表面で乾燥後にほぼドット(円)形状となる。一般的なインクジェット装置の場合は、インク一滴が2〜8pl程度のため、このドット径は20〜200μm程度となる。そして、乾燥前に次のインク102を吐出し、基体表面でインク同士が一体となると乾燥時間が長くなって大きく濡れ広がるため、形状を制御することが困難になる。そこで、乾燥後に次のインクを吐出し、乾燥ドット同士の重ね合わせ、これを繰返し、パターン状に重ね合わせて、インクジェットによる導電膜120のパターンを形成している。
また、基体100表面にあらかじめ親疎水パターンを形成している場合には、乾燥前にインク同士が一体化しても親疎水パターンにより膜パターンの形状は制御される。
しかし、インクジェット法により形成された導電膜120(以下、インクジェット膜)は、導電性微粒子の集合体であるため、膜の乾燥や硬化時の体積収縮によりクラックが生じやすく、基体表面から剥離することもある。このクラックは、ドット状態では発生しないが、ドットを重ね合わせ、面積が大きくなると顕著になり、配線が長くなるほど断線確率が高くなるため問題となる。
また、このインクジェット膜120は、めっきやスパッタ等により形成された導電膜より抵抗値が高いため、厚膜形成する必要がある。しかし、厚膜になるほど、クラックが顕著になる。特に、溶媒が水を主成分とするインクで形成したインクジェット膜120は、膜厚が1μm以上になるとクラックが発生しやすくなる。
これらの問題を解決するために種々の技術が提案されている。例えば、特許文献1(特開平11−207959号公報)や特許文献2(特開2006−053451号公報)で
は、基体表面にインク(流動体)と親和性のある領域を形成して、インクの濡れ広がりを制御するとともに、インクジェット膜と基体との密着性を向上させるという技術が開示されている。
また、特許文献3(特開2002−324966号公報)では、インクに熱硬化性樹脂を含有させて、インクジェット膜と基体との密着性を向上させる技術が開示されている。
特開平11−207959号公報 特開2006−053451号公報 特開2002−324966号公報
しかしながら、上記した従来の特許文献に記載の技術では、次の問題がある。特許文献1や特許文献2においては、基体表面にインクと親和性のある領域を形成して、インクの濡れ広がりを制御するとともに、インクジェット膜と基体との密着性を向上させているが、インクジェット膜が厚い、配線が長い、面積が大きいといった場合には、インクジェット膜の乾燥や硬化時の体積収縮が大きくなり、その結果クラックが生じやすいという問題がある。そこで、特許文献3においては、インクに熱硬化性樹脂を含有させることにより、インクジェット膜と基体との密着性を向上させるとともに、インクジェット膜の乾燥や硬化時の体積収縮による応力を緩和し、インクジェット膜のクラックを防止している。しかしながら、特許文献3の方法では、熱硬化性樹脂が絶縁性樹脂のため、配線として必要な導電性が低下し、高抵抗の配線となるという問題がある。
そこで、この発明は、クラックの生じないインクジェット膜で低抵抗配線を有する配線基板と、マスクを使用せずにオンデマンドで配線パターンを形成できる配線基板の製造方法を提供することを目的とする。
この発明の配線基板は、絶縁性基体表面に島状に配置した導電膜と、当該導電膜間に配置した導電性微粒子とにより、所定の導電膜間が電気的に接続されていることを特徴とする。
そして、前記導電性微粒子が平均粒子径が1nm以上100nm以下の金属微粒子であり、粒子同士が融着するように構成するとよい。
また、前記導電膜が、金、銀、銅またはそれらの合金の中から選択すればよい。
また、前記導電膜と基体との段差が1μm以下に構成すればよい。
また、この発明の配線基板は、前記絶縁性基体表面に島状に配置した導電膜と、当該導電膜間に配置した触媒微粒子が形成され、導電膜および触媒微粒子上に無電解メッキ膜が形成されていることにより、所定の導電膜間が電気的に接続されていることを特徴とする。
この発明の配線基板の製造方法は、基体表面に島状の導電膜を形成する島状導電膜形成工程と、前記インクジェット装置により、導電性微粒子を含有するインクを所定の配線パターン領域の導電膜間に、異なる導電膜間のインク同士が連結しない様に塗布した後、インクを膜化して導電性微粒子膜を形成するインクジェット成膜工程と、少なくとも2工程を有することを特徴とする。
また、前記導電膜間に着弾したインク1滴が濡れ広がり、両側の導電膜端部に達するよ
うに、インク吐出量、導電膜間隔、インク表面張力、基体表面の濡れ性、基体表面温度の少なくとも一つを制御するように構成すればよい。
また、インクジェット成膜工程の前に、基体表面を親インク化する工程を含むように構成すればよい。
更に、前記した2工程の後、島状導電膜と導電性微粒子膜に無電解メッキを行う工程を更に加えることができる。
また、島状導電膜形成工程の後、導電膜間に絶縁膜材料を充填する工程を更に加えることができる。
また、この発明は、前記島状導電膜形成工程が、型に絶縁性樹脂を注入し、樹脂を硬化後、型から絶縁性樹脂と島状導電膜を同時に離型し、絶縁性樹脂に島状導電膜を転写する工程を有するように構成できる。
この発明は、基体表面に島状に配置した導電膜と、該導電膜間に配置した導電性微粒子とにより、所定の導電膜間を電気的に接続することで、インクジェット膜を厚く、長く形成する必要がないため、インクジェット膜の乾燥や硬化時の体積収縮が大きくならず、クラックが生じない。また、配線経路の大部分を導電膜が占めるため、低抵抗配線を有することができる。
導電性微粒子を平均粒子径1nm〜100nmの金属微粒子を用いることで、粒子サイズが小さくなり、インクジェットノズルの詰まりが少なく、生産性が落ちることが少ない。
また、粒子サイズが大きい場合と比べ、パターン形状精度がよく、パターン間隔が狭くても短絡しない。すなわち、微細配線に好適である。低温で低抵抗の配線を形成することができる。
導電膜を金、銀、銅またはそれらの合金を用いることで、金属微粒子と合金を形成することができ、金属微粒子と導電膜間で良好な導通を得られ、金属微粒子からなるインクジェット膜と導電膜間での密着性も良好である。このため、クラックのない低抵抗の配線を有することができる。
また、導電膜と基体との段差を1μm以下とすることで、導電膜間に形成したインクジェット膜はその一部が導電膜上にまたがって形成されることが多いが、その場合でも、膜厚は導電膜と基体との段差部で1μm程度であるため、溶媒が水を主成分とするインクを用いた場合でも、インクジェット膜のクラックを低減できる。
導電膜および触媒粒子上に無電解メッキ膜を形成することで、インクジェット膜や導電膜が薄い場合でも、無電解メッキによる金属膜からなる低抵抗な配線を有することができる。また、導電膜と無電解メッキ膜で合金が形成されるため、基体との密着性の良い配線を有することができる。
また、この発明の配線基板の製造方法においては、島状導電膜間に導電性微粒子をオンデマンドに配置でき、インクジェット膜と導電膜からなる配線パターンを形成できる。すなわち、クラックのない良好な配線回路を有する配線基板をオンデマンドに製造することができる。また、配線経路の大部分を導電膜が占めるため、低抵抗配線を有する配線基板を製造することができる。
また、インク吐出量、導電膜間隔、インク表面張力、基体表面の濡れ性、基体表面温度の少なくとも一つを制御することで、導電膜間に着弾したインク1滴の濡れ広がりが両側の導電膜端部に達するように制御できる。従って、インク一滴、すなわち1ドットで導電膜間の電気的接続がとれるため、ドットを重ね合わせることなく、配線を形成することができる。これにより、ドットを重ね合わせるときにインクの乾燥を待つ時間を無くすことができるため、インクジェット成膜時間を短縮することができる。
インクジェット成膜工程の前に、基体表面を親インク化することで、基体表面とインクジェット膜の密着性を良好にできる。また、導電膜と基体表面の濡れ性の差を小さくでき、インクが基体表面の端部まで濡れることで、導電膜と基体表面の境界部でのクラックや断線を防止できる。
また、触媒微粒子を活性化させる処理を行う工程と、活性化した触媒微粒子に無電解メッキを行う工程とを有することで、微粒子を融着させなくてもよいため、インクジェット膜にクラックが発生せず、また、金属ナノ粒子の融着温度より低温で低抵抗の配線を形成できる。
更に、島状導電膜形成工程の後、導電膜間に絶縁膜材料を充填する工程を有することで、導電膜が厚い場合でも、基体表面と導電膜の段差がない島状導電膜を形成できる。
また、島状導電膜形成工程が、型に絶縁性樹脂を注入し、樹脂を硬化後、型から絶縁性樹脂と島状導電膜を同時に離型し、絶縁性樹脂に島状導電膜を転写する工程の少なくとも2工程を有することで、基体表面となる絶縁性樹脂と導電膜の段差がない島状導電膜を形成でき、導電膜間を連結するインクジェット膜をクラック無しで形成するのに好適である。
この発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付し、説明の重複を避けるためにその説明は繰返さない。
図1は、この発明の実施形態にかかる配線基板を示す平面図である。図1に示すように、この発明の実施形態に係る配線基板は、絶縁性基体1の表面に複数の導電膜3…が島状に配置されている。導電膜3、3間にインクジェット装置により、導電性微粒子によるインクジェット膜2が配置される。このインクジェット膜2により、所定の導電膜3、3間が電気的に接続され、配線基板が形成されている。また、この実施形態においては、インクジェット膜は1ドットで構成されている。このため、導電膜3、3の間隔は、10〜180μm程度であり、この間隔に対応して使用するインクジェット装置のインク滴を制御すればよい。
上記したインクジェット膜2は、導電膜3、3間を電気的に接続すれば良いため、インクジェット膜2を厚く、長く形成する必要がない。このため、インクジェット膜2の乾燥や硬化時の体積収縮が大きくならず、クラックが生じない。これに対して、図4に示した従来のインクジェット膜は、前述したように、導電性微粒子の集合体であるため、膜の乾燥や硬化時の体積収縮によりクラックが生じやすく、基体表面から剥離することもある。このクラックは、ドット状態では発生しないが、ドットを重ね合わせ、面積が大きくまたは厚く形成すると顕著になり、配線が長くなるほど断線確率が高くなるため問題となる。
さらに、この発明の配線基板では、配線経路の大部分を導電膜3、3が占めるため、低抵抗配線を有することができる。
上記した絶縁性基体1としては、エポキシ樹脂、ガラスエポキシ樹脂、ポリイミド、ポリビニルアルコール等の樹脂や、ガラス、アルミナ等の無機材料を用いることができる。
この基体1の表面に設けられる導電膜は2は、良導電性の金属膜が好適であり金、銀、銅等で構成される。これら金属の中で、特に、化学的・物理的に安定な金が好適である。他には、導電性微粒子と金属間結合ができやすい銀や銅が好適である。
なお、基体1と導電膜3の密着性が悪い場合は、導電膜3の下地として、ニッケル、クロム、タンタル、またはそれらの合金を設けても良い。
次に、この発明の第1の実施形態につき更に説明する。基体1への導電膜の形成方法につき説明する。
基体1への導電膜の形成は、無電解メッキ、真空蒸着法、真空スパッタ法等の公知の技術が使用できる。導電膜3を一定の厚さで均一に形成できる成膜法であれば、その種類に特に限定されない。導電膜3は島以外の領域をエッチングするため、50〜200nm程度の厚さでよい。
次に、導電膜の島以外の領域をエッチングして、絶縁性基体1の表面に複数の導電膜3…を島状に配置する。
エッチング方法としては、RIE(反応性イオンエッチング)法、リフトオフ法、レーザトリミング法等の公知の技術が使用できる。
この後、導電膜3の導電性をよくするため、無電解メッキ等により1μm程度まで厚膜化してもよい。
上記したように、島状の導電膜3、3同士の間隔は、インクの表面張力、基体1との接触角、インク吐出量(滴サイズ)に応じて設定する。一般的なインクジェット装置の場合は、インク一滴が2〜8pl程度のため、基体表面ではドット径が20〜200μm程度となる。そのため、島状導電膜同士の間隔は10〜180μm程度とするのがよい。
以上により、絶縁性基体1上に島状に複数の導電膜3…を形成できた。
なお、この製造方法は一例であり、他の製造方法により、島状の導電膜3…を有する基体1を形成してもよい。
この第1の実施形態は、エポキシ樹脂からなる絶縁性基体1上にニッケル、金からなる厚さ300nmの導電膜3を40μmの間隔で形成した。
次に、インクジェットによるインクジェット膜の成膜工程につき説明する。
まず、インクの濡れ広がりを制御するとともに、インクジェット膜と基体との密着性を向上させるために、インク滴基体1表面を親インク化する。具体的には、大気圧プラズマ表面処理装置を用いて、絶縁性基体1であるエポキシ樹脂表面に酸素プラズマを照射する。この酸素プラズマの照射により、エポキシ樹脂表面の水接触角を30°以下にすることができた。
また、この酸素プラズマの代わりに、シランカップリング剤等を基体表面に塗布し、親
水化することもできる。
なお、ポリビニルアルコールやガラス等の親水性を示す基体の場合は、この処理は不要である。
次に、インクジェット装置を用いて、導電性微粒子を含有するインクを導電膜3、3間の基体1表面に吐出し、インクが基体1上を濡れ広がり、導電膜3端部に達するように、インク2を塗布する。濡れ広がったインク2は導電膜3上部に達してもよいが、隣の導電膜3間に吐出したインクと連結しないように塗布する。ここでは、インク1滴で導電膜3の端部を覆う様に吐出量を調整した。
他には、導電膜間隔、インク表面張力、基体表面の濡れ性、基体表面温度の少なくとも一つを制御することで、インクの濡れ広がりを制御できる。
なお、同じ導電膜3、3間に複数滴のインクを吐出してもよいが、クラックが生じない膜厚になるように、また、濡れ広がりが大きくならないように行う必要がある。
今回の実施形態のように、インク一滴で導電膜3、3間を覆う様にすることで、ドットを重ね合わせるときにインクの乾燥を待つ時間を無くすことができるため、インクジェット成膜時間を短縮することができる。
導電性微粒子としては、金、銀、銅、ニッケル、パラジウム等やそれらの化合物からなる粒子を用いることができる。この導電性微粒子は、平均粒子径1nm〜100nmの金属微粒子(以下、金属ナノ粒子)を用いる。この金属ナノ粒子は、粒子サイズが小さいため、インクジェットノズルの詰まりが少なく、生産性が落ちることが少ない。また、粒子サイズが大きい場合と比べ、パターン形状精度がよく、パターン間隔が狭くても短絡しない。すなわち、微細配線に好適である。
さらに、金属ナノ粒子は、バルクに比べ大幅な低温で溶融することが知られている。例えば、液滴が金属ナノ粒子と溶媒等にて構成されている場合、溶媒等を乾燥等で除去し固化させた後、加熱することにより金属粒子を融着・固化させることで導電膜を形成することができる。しかし、ミクロンサイズの金属粒子では、高温(銀でも400〜900℃)で融着するのに対し、金属ナノ粒子の場合、表面活性力が大きく低温(銀では200℃以下)で融着するため、基材として樹脂を用いることができる。また、樹脂中に金属粒子を分散した金属ペーストと比べて低抵抗の配線パターンが得られる。
このように、導電性微粒子として、平均粒子径1nm〜100nmの金属ナノ粒子を用いることで、低温で低抵抗の配線を形成することができる。
また、粒子を液体中で分散状態とするための分散剤を表面にコーティングされていてもよい。この第1の実施形態では、平均粒子径15nmの銀ナノ粒子を含有し溶媒の主成分が水である銀ナノインク(住友電工株式会社製)を用いた。
この粒子は粒子径がインクジェットのノズル径やドット径に対して十分小さいので、インク液滴の吐出時にノズルの詰まりがなく、また、ドット形状が楕円形状となったものの大きく崩れることなく、良好に形成できた。
次に、導電性微粒子からなるインクジェット膜を焼成し、導電性を発現させる。ここでは、180℃で1時間加熱してナノ粒子表面の分散剤を熱処理によって分解させてナノ粒子同士を融着させた。これにより、導電膜3と導電性微粒子からなるインクジェット膜2で連結して導電膜3、3間が導通した。また、導電性微粒子からなるインクジェット膜2
の膜厚は0.3μm程度であり、インクジェット膜にクラックは生じなかった。
このように、この第1の実施形態は、導電膜3と基体1との段差が1μm以下である。
導電膜3、3間に形成したインクジェット膜2はその一部が導電膜3、3上にまたがって形成されることが多いが、その場合でも、膜厚は導電膜3と基体1との段差部で1μm程度であるため、溶媒が水を主成分とするインクを用いた場合でも、インクジェット膜のクラックを低減できる。
以上により、クラックがなく低抵抗な配線を有する配線基板を製造することができた。
また、導電性微粒子を含有するインクの吐出位置を変えることで、配線パターンの異なる基板をオンデマンドに製造することができる。
比較のため、図4に示すように、インクジェット装置を用いて、導電粒子膜からなる配線パターン120を形成した。ここでは上記と同一の配線抵抗とするため、ドットを重ね合わせて形成したため、局所的に1μmを超える厚さとなり、導電粒子膜にクラックが発生した。
次に、この発明の第2の実施形態につき説明する。この第2の実施形態における配線基板は、絶縁性基体1表面に、島状に配置した導電膜3と、該導電膜3、3間に配置した触媒微粒子(インクジェット膜)2と、導電膜3および触媒粒子2上に無電解メッキ膜が形成される。そして、無電解メッキ膜により、所定の導電膜3、3間が電気的に接続されている。
以下に、この製造方法例を説明する。第1の実施形態と同様に、触媒粒子を含有するインクを絶縁性基体1表面の島状導電膜3、3間に塗布し、触媒微粒子となるインクジェット膜2を島状導電膜3、3間に配置する。
触媒微粒子としては、銀、パラジウム、白金等やそれらの化合物からなる金属ナノ粒子等を用いることができ、触媒機能を有する微粒子であればよい。
次に、導電膜と触媒微粒子からなるインクジェット膜2に無電解メッキ膜を成長させる。
無電解メッキ膜としては、銅、ニッケル、金等やそれらの化合物からなる膜を形成することができる。
ここでは、触媒微粒子を含有するインクとして、平均粒子径20nmの銀ナノ粒子を含有し溶媒の主成分が水である銀ナノインク(日本ペイント株式会社製)を用いた。
このインクで形成した触媒粒子からなるインクジェット膜2を、80℃で30分加熱して、ナノ粒子表面の分散剤を熱処理によって分解させて銀ナノ粒子を活性化させた。また、酸素プラズマにより銀ナノ粒子表面の分散剤を分解することでも活性化できる。
このように、金属ナノ粒子を融着温度より低温で活性化でき、膜厚も0.2μm以下と薄いので、インクジェット膜2にクラックが発生しない。
そして、この導電膜と触媒微粒子からなるインクジェット膜に無電解銅メッキ膜を成長させた。すなわち、基板1を無電解銅メッキ液(奥野製薬工業株式会社製TSPカッパー)に液温40℃で2時間浸漬し、導電膜と触媒微粒子からなるインクジェット膜2上にメッキ厚約3μmの導電膜パターンを形成できた。
以上説明したように、導電膜3および触媒粒子からなるインクジェット膜2上に無電解メッキ膜を形成しているので、インクジェット膜2や導電膜3が薄い場合でも、無電解メッキによる金属膜からなる低抵抗な配線を有することができる。また、導電膜3と無電解メッキ膜で合金が形成されるため、基体1との密着性の良い配線を有することができる。
このように、低抵抗で密着性の良い配線を有する配線構造を低温で製造することができた。また、無電解メッキ膜として銅を用いることにより、銀ナノ粒子からなるインクジェット膜を配線とした場合に比べ、イオンマイグレーション性が向上した。
次に、この発明の第3の実施形態つき説明する。図2は、この発明の配線基板の製造方法を示す工程別に示す模式的断面図である。
この実施形態の配線基板の製造方法においては、島状導電膜3を形成する工程の後に、導電膜3、3間に絶縁膜材料を充填する工程を有している。
以下に、製造方法の例を図2を参照して説明する。
第1の実施形態例と同様に、基体1上に島状導電膜3、3を形成する。その後、低抵抗化のために島状導電膜3、3に無電解銅メッキを行い、導電膜3を約3μmまで厚膜化した(図2(a)参照)。
ここでは、薄膜の導電膜3、3に無電解メッキを行って厚膜化したが、銅箔付き基板の銅箔をパターン状にエッチングして形成してもよく、また、スクリーン印刷により基体上に銀ペースト等の導電ペーストを塗布して形成してもよい。
次に、島状導電膜3、3間に絶縁性材料4を充填する(図2(b)参照)。ここでは、液状の熱硬化性エポキシ樹脂(日立化成株式会社製)をディスペンサにより塗布し、樹脂を加熱硬化させて形成した。なお、絶縁性材料としては、UV硬化性樹脂やポリイミド樹脂等でもよく、充填方法としては、転写法等の他の塗布方法でもよい。
絶縁膜材料4は導電膜3、3表面と同一面を形成しても良いが、絶縁膜4が導電膜3、3端部を覆ってもよい。これにより、インクジェット膜の下地となる導電膜3、3間がなだらかな連続面になるように絶縁膜を形成できた。
次に、第1の実施形態1と同様に絶縁膜表面を親インク化した。そして、第1の実施形態と同様に銀ナノ粒子からなるインクジェット膜を島状導電膜3、3間に形成し、銀ナノ粒子からなるインクジェット膜2を焼成した(図2(c)参照)。
これにより、導電膜3と導電性微粒子からなるインクジェット膜2で連結した導電膜3、3間が導通し、インクジェット膜2にクラックは生じなかった。
比較のため、膜厚3μmの導電膜3を基体1上に設け、導電膜3との絶縁膜を充填しないで、銀ナノ粒子からなるインクジェット膜を形成したところ、インクジェット膜にクラックが発生し、導電膜と導電性微粒子からなるインクジェット膜で連結した導電膜間は導通しなかった。
以上のように、導電膜厚さが1μm以上と厚い場合でも、導電膜間に絶縁膜材料を充填することで、インクジェット膜の下地に段差がない構成とでき、インクジェット膜のクラックを防止できる。すなわち、クラックのない低抵抗な配線を有する配線基板を製造でき
る。
次に、この発明の第4の実施形態における配線基板の製造方法につき図3を参照して説明する。この第4の実施形態は、島状導電膜3の形成工程に特徴があるので、ここでは、島状導電膜3の形成工程につき説明する。
この第4の実施形態における配線基板の製造方法においては、島状導電膜3の形成工程が、型の島状領域に導電膜を形成する工程と、型に絶縁性樹脂を注入し、樹脂を硬化後、型から絶縁性樹脂と島状導電膜を同時に離型し、絶縁性樹脂に島状導電膜を転写する工程の少なくとも2工程を有している。
以下に、島状導電膜の製造方法の例を図3を参照して説明する。
型への島状導電膜形成工程につき説明する。まず、型5の表面にスクリーン印刷で銀ペーストを島状に塗布し、ペーストを焼成し、導電膜3を形成した(図3(a)参照)。
ここでは、簡易のためスクリーン印刷で形成したが、実施例1の基体表面の島状導電膜と同様に形成することもできる。
続いて、成形工程につき説明する。下型5と上型6の内部空間に基体材料となる絶縁性樹脂7(成形材料)を充填し、絶縁性樹脂7を硬化させ、下型5と上型6から絶縁性樹脂7を剥離する。
具体的には、下型5と上型6を成形装置に組み込み、成形温度185℃で熱硬化性の絶縁性樹脂MP-7400(日東電工株式会社製)を注入後2分間放置してから離型した。島状導電膜3は絶縁性樹脂7に埋め込まれる形で成形体(基体)に転写していた。島状導電膜3は絶縁性樹脂7に埋め込まれたものをこの発明の絶縁性基体1として用いる。
なお、ここではトランスファ成形にて成形を実施しているが、それに限定されるものではなく、射出成形などの熱可塑性樹脂にて行われて3いる成形方法でもよい。
以上により、導電膜3が厚膜の場合でも、導電膜と基体である絶縁性樹脂に段差のない島状導電膜を備えた基板を得ることができるので、導電膜間を連結するインクジェット膜をクラック無しで形成するのに好適である。すなわち、クラックのない低抵抗な配線を有する配線基板を製造できる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。この発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
この発明の実施形態にかかる配線基板を示す平面図である。 この発明の第3の実施形態にかかる配線基板の製造方法を示す工程別に示す模式的断面図である。 この発明の第4の実施形態にかかる配線基板の製造方法を示す工程別に示す模式的断面図である。 インクジェット装置を用いて配線パターンを形成する方法を示す模式図である。
符号の説明
1 基体、2 インクジェット膜、3 導電体膜。

Claims (11)

  1. 絶縁性基体表面に島状に配置した導電膜と、当該導電膜間に配置した導電性微粒子とにより、所定の導電膜間が電気的に接続されていることを特徴とする配線基板。
  2. 前記導電性微粒子が平均粒子径が1nm以上100nm以下の金属微粒子であり、粒子同士が融着していることを特徴とする請求項1に記載の配線基板。
  3. 前記導電膜が、金、銀、銅またはそれらの合金の中から選択されることを特徴とする請求項1に記載の配線基板。
  4. 前記導電膜と基体との段差が1μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の配線基板。
  5. 前記絶縁性基体表面に島状に配置した導電膜と、当該導電膜間に配置した触媒微粒子が形成され、導電膜および触媒微粒子上に無電解メッキ膜が形成されていることにより、所定の導電膜間が電気的に接続されていることを特徴とする配線基板。
  6. 基体表面に島状の導電膜を形成する島状導電膜形成工程と、前記インクジェット装置により、導電性微粒子を含有するインクを所定の配線パターン領域の導電膜間に、異なる導電膜間のインク同士が連結しない様に塗布した後、インクを膜化して導電性微粒子膜を形成するインクジェット成膜工程と、少なくとも2工程を有することを特徴とする配線基板の製造方法。
  7. 前記導電膜間に着弾したインク1滴が濡れ広がり、両側の導電膜端部に達するように、インク吐出量、導電膜間隔、インク表面張力、基体表面の濡れ性、基体表面温度の少なくとも一つを制御することを特徴とする請求項6に記載の配線基板の製造方法。
  8. インクジェット成膜工程の前に、基体表面を親インク化する工程を含むことを特徴とする請求項6に記載の配線基板の製造方法。
  9. 前記した2工程の後、島状導電膜と導電性微粒子膜に無電解メッキを行う工程とを有することを特徴とする請求項6に記載の配線基板の製造方法。
  10. 島状導電膜形成工程の後、導電膜間に絶縁膜材料を充填する工程を有することを特徴とする請求項6に記載の配線基板の製造方法。
  11. 前記島状導電膜形成工程が、型に絶縁性樹脂を注入し、樹脂を硬化後、型から絶縁性樹脂と島状導電膜を同時に離型し、絶縁性樹脂に島状導電膜を転写する工程を有していることを特徴とする請求項6に記載の配線基板の製造方法。
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