JP2015173260A - 機能性部材の製造方法、および機能性部材製造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】機能性部を均一な膜厚で形成することができ、また機能性部の断面が矩形になるように形成することが可能な機能性部材の製造方法を提供する。【解決手段】表面が疎水性を示す疎水性領域3aと、表面が親水性を示す親水性領域3bとを有する転写基材10を用い、転写基材の疎水性領域および親水性領域の全面に機能性部形成用塗工液4aを塗布する塗布工程と、塗布された機能性部形成用塗工液を固化し、機能性部形成用塗膜4bとする固化工程と、表面が、疎水性領域の濡れ性と親水性領域の濡れ性との中間の濡れ性を示す被転写基材6を用い、機能性部形成用塗膜と被転写基材の表面とを接触させ、転写基材の疎水性領域上の機能性部形成用塗膜を被転写基材の表面に転写する転写工程とを有し、転写基材および被転写基材の少なくとも一方の表面上に、機能性部形成用塗膜のパターンからなる機能性部を有する機能性部材を形成する。【選択図】図1
Description
本発明は、機能性素子の電子部材や半導体素子の作製に好適に用いられる機能性部材の製造方法に関するものである。
従来、図案、画像、文字、回路等の種々の機能性部材を製造することが可能な機能性部材の製造方法としては、各種手法が提案されている。
特に、高精細なパターニングが可能な機能性部材の製造方法としては、液体に対する表面の濡れ性の差異を利用した手法が提案されている。
特に、高精細なパターニングが可能な機能性部材の製造方法としては、液体に対する表面の濡れ性の差異を利用した手法が提案されている。
例えば、平版印刷が知られている。平版印刷とは、表面に親水性を示す親水性領域および疎水性を示す疎水性領域を有する平版を形成し、上記平版の親水性領域上に選択的に機能性部形成用塗工液を付着させ、その後、上記平版を被転写基材に転写して所望の機能性部を有する機能性部材を製造するというものである。このような平版印刷としては、具体的に次のような方法が提案されている。すなわち、基板上にレーザー光を吸収する感熱層を形成し、上記感熱層上に疎水性を示す微粒子を含有するシリコーンゴム層を形成して平版印刷版原版を形成した後、上記平版印刷版原版にレーザー光を照射して、レーザー光が照射された領域のシリコーンゴム層を除去して平版印刷版を製造する。次に、上記平版印刷版表面の濡れ性の差異を利用して、シリコーンゴム層が除去されることにより露出した感熱層に機能性部形成用塗工液を付着させ、その後、上記平版印刷版表面から被転写基材に機能性部形成用塗工液を転写することにより所望の機能性部を有する機能性部材を製造する方法である(特許文献1参照)。
また、上述した平版印刷の他にも次のような機能性部材の製造方法が提案されている。すなわち、表面が疎水性を示す疎水性基板上に、表面が親水性を示す親水性領域をパターン状に形成し、上記親水性領域上に絶縁性機能材料からなり、疎水性領域よりも有機溶媒に対する親水性が高い親水性機能層を形成し、上記親水性機能層上に、有機半導体材料および有機溶媒を含有する有機半導体層形成用塗工液を選択的に塗工して有機半導体層を形成することにより、パターン状の有機半導体層を形成する方法が提案されている(特許文献2参照)。この方法によれば、基板表面の濡れ性の差異を利用して、簡易的にパターン状の有機半導体層を形成することができ、さらに、基板表面に直接パターン状の有機半導体層を形成することができるという利点を有する。
このように、液体に対する表面の濡れ性の差異を利用した機能性部材の製造方法は、高精細かつ簡易的に機能性部材を形成できるという観点から幅広い分野で用いられている。
ところで、液体に対する表面の濡れ性の差異を利用した機能性部材の製造方法は、親水性領域の形状に応じて、上記親水性領域に付着する機能性部形成用塗工液のメニスカスの大きさに差異が生じてしまい、結果として均一な膜厚の機能性部を形成することができないという問題がある。このような問題が生じる原因としては、次のようなことが考えられる。すなわち、例えば図12(a)に示すように、まず、基板1上に、表面が疎水性を示す疎水性層2が形成され、上記疎水性層2の一部が親水化された親水性領域3b、およびそれ以外の疎水性領域3aを有する転写基材において、上記親水性領域3b上に機能性部形成用塗工液4aを塗布した転写基材10’では、上記親水性領域3b表面と上記親水性領域3b上に塗布された機能性部形成用塗工液4aとの接触角度θcは、上記親水性領域3bの形状によらず一定になる。そのため、上記親水性領域3b上に付着する機能性部形成用塗工液4aの液面のメニスカスは、上記親水性領域3bの形状に応じて異なる大きさとなり、結果として上記機能性部形成用塗工液4aからなる機能性部4cの膜厚d1および膜厚d2に差異が生じてしまう。
また、機能性素子の配線やカラーフィルタの着色層等の機能性部を形成する場合においては次のような問題がある。すなわち、従来の機能性部材の製造方法では、機能性部形成用塗工液を親水性領域上に選択的に付着させて所望の機能性部とするため、図12(a)に示すように、親水性領域3b上に付着した上記機能性部形成用塗工液4aからなる機能性部4cの液面は曲面になり、例えば図12(b)に示すように、機能性部4cの断面を矩形に形成することが困難になるという問題がある。この場合、機能性素子の配線の形成にあたっては、機能性部形成用塗工液4aの液面、すなわち上記配線の断面が曲面になることにより配線の抵抗値が上昇してしまうおそれがある。なお、配線の抵抗値の上昇は、配線パターンを微細に形成するに伴い顕著になる。また、カラーフィルタの着色層の形成にあたっては、上記着色層の断面が曲面になり、上記着色層表面の平坦性が失われることにより、カラーフィルタの色ムラの発生や白抜けが生じてしまうおそれがある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、機能性部を均一な膜厚で形成することができ、また機能性部の断面が矩形になるように形成することが可能な機能性部材の製造方法を提供することを主目的とするものである。さらに、高精細なパターニングが可能であり、かつ簡易的に機能性部材を形成することが可能な機能性部材の製造方法を提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するために、本発明は、表面が疎水性を示す疎水性領域と、表面が親水性を示す親水性領域とを有する転写基材を用い、上記転写基材の上記疎水性領域および上記親水性領域の全面に機能性部形成用塗工液を塗布する塗布工程と、上記塗布された機能性部形成用塗工液を固化し、機能性部形成用塗膜とする固化工程と、表面が、上記疎水性領域の濡れ性と上記親水性領域の濡れ性との中間の濡れ性を示す被転写基材を用い、上記機能性部形成用塗膜と上記被転写基材の表面とを接触させ、上記転写基材の上記疎水性領域上の上記機能性部形成用塗膜を上記被転写基材の表面に転写する転写工程とを有し、上記転写基材および上記被転写基材の少なくとも一方の表面上に、上記機能性部形成用塗膜のパターンからなる機能性部を有する機能性部材を形成することを特徴とする機能性部材の製造方法を提供する。
本発明においては、機能性部形成用塗工液を転写基材の疎水性領域および親水性領域の全面に塗布する塗布工程を行った後に、固化工程および転写工程を行い所望の機能性部を形成するため、上記機能性部の膜厚を各機能性部の形状によらずに均一に形成することが可能になる。さらに、本発明においては、親水性領域上に選択的に機能性部形成用塗工液を塗布する従来の塗布工程とは異なり、疎水性領域および親水性領域の全面に機能性部形成用塗工液を塗布し、その後、上記疎水性領域上に塗布された上記機能性部形成用塗工液を転写して機能性部を形成することができるため、上記機能性部の断面を矩形に形成することができる。また、本発明においては、疎水性領域および親水性領域を有する転写基材を用いて機能性部を形成する機能性部材の製造方法であることにより、高精細なパターニングが可能であり、かつ簡易的に機能性部材を形成することが可能になる。
上記発明においては、上記機能性部が、導電性を有する導電層であり、上記導電層が、薄膜トランジスタの構成の一部であることが好ましい。上記導電層の膜厚を各導電層の形状によらずに均一に形成することができ、また、上記導電層の断面を矩形に形成することができる。さらに、高精細なパターニングが可能であり、かつ簡易的に上記導電層を有する機能性部材を形成することが可能になる。
また、本発明は、機能性部を有する機能性部材を形成するために用いられる機能性部材製造装置であって、表面が疎水性を示す疎水性領域と、表面が親水性を示す親水性領域とを有する転写用ロールを支持するロール支持部と、上記転写用ロール表面の上記疎水性領域および上記親水性領域の全面に機能性部形成用塗工液を塗布することが可能な塗布部と、表面が、上記疎水性領域の濡れ性と上記親水性領域の濡れ性との中間の濡れ性を示す被転写基材を支持し、上記転写用ロール表面と上記被転写基材の表面とが接することが可能な位置に上記被転写基材を配置可能な被転写基材支持部と、上記ロール支持部、および上記被転写基材支持部の相対的な移動を可能とする駆動部と、上記転写用ロールと接触し、上記転写用ロールと接触する位置に配置され、上記転写用ロールと接触することにより、転写後の上記機能性部形成用塗工液を除去することが可能な洗浄用ロールとを有することを特徴とする機能性部材製造装置を提供する。
本発明においては、上述した機能性部材の製造方法により機能性部を形成することが可能な機能性部材製造装置であるため、機能性部を均一な膜厚で形成することができ、さらには機能性部の断面が矩形になるように形成することができる。また、本発明においては、洗浄用ロールを備えるため、転写用ロールの疎水性領域上に塗布された機能性部形成用塗工液を被転写基材に転写した後に、上記転写用ロールの親水性領域に塗布された機能性部形成用塗工液を除去して洗浄することができる。これにより、上記転写用ロールの再利用が可能になり、連続した機能性部の形成や機能性部の形成効率の向上、さらには製造コストの削減を図ることができる。さらに、高精細なパターニングが可能であり、かつ簡易的に機能性部材を形成することが可能になる。
上記発明においては、上記機能性部が、導電性を有する導電層であり、上記導電層が、薄膜トランジスタの構成の一部であることが好ましい。上記導電層を均一な膜厚で形成することができ、上記導電層の断面が矩形になるように形成することができる。また、連続した上記導電層の形成や上記導電層の形成効率の向上、さらには製造コストの削減を図ることができる。さらにまた、高精細なパターニングが可能であり、かつ簡易的に上記導電層を有する機能性部材を形成することが可能になる。
さらに、本発明は、機能性部を有する機能性部材を形成するために用いられる機能性部材製造装置であって、表面が疎水性を示す疎水性領域と、表面が親水性を示す親水性領域とを有する転写基材を支持する転写基材支持部と、上記転写基材表面の上記疎水性領域および上記親水性領域の全面に機能性部形成用塗工液を塗布することが可能な塗布部と、表面が、上記疎水性領域の濡れ性と上記親水性領域の濡れ性との中間の濡れ性を示す被転写ロールを支持し、上記転写基材表面と上記被転写ロール表面とが接することが可能な位置に上記被転写ロールを配置可能な被転写ロール支持部と、上記転写基材支持部、および上記被転写ロール支持部の相対的な移動を可能とする駆動部とを有することを特徴とする機能性部材製造装置を提供する。
本発明においては、上述した機能性部材の製造方法により機能性部を形成することが可能な機能性部材製造装置であるため、機能性部を均一な膜厚で形成することができ、さらには機能性部の断面が矩形になるように形成することができる。また、本発明においては、被転写ロールを配置することができるため、転写基材の疎水性領域上に塗布された機能性部形成用塗工液を被転写用ロールに転写して回収することが可能になる。これにより、転写基材に直接機能性部を形成することができるとともに、少ない工程数で機能性部の効率的に形成することができる。さらに、高精細なパターニングが可能であり、かつ簡易的に機能性部材を形成することが可能になる。
上記発明においては、上記機能性部が、導電性を有する導電層であり、上記導電層が、薄膜トランジスタの構成の一部であることが好ましい。上記導電層を均一な膜厚で形成することができ、上記導電層の断面が矩形になるように形成することができる。また、転写基材に直接上記導電層を形成することができるとともに、少ない工程数で上記導電層の効率的に形成することができる。さらに、高精細なパターニングが可能であり、かつ簡易的に上記導電層を有する機能性部材を形成することが可能になる。
本発明においては、機能性部形成用塗工液を転写基材の疎水性領域上および親水性領域上に連続的に塗布する塗布工程を行った後に、固化工程および転写工程を行い所望の機能性部を形成するため、上記機能性部の膜厚を各機能性部の形状によらずに均一に形成することが可能になる。さらに、本発明は、親水性領域上に選択的に機能性部形成用塗工液を塗布する従来の塗布工程とは異なり、疎水性領域および親水性領域の全面に機能性部形成用塗工液を塗布するため、上記疎水性領域上に塗布された機能性部形成用塗工液を転写して得られる機能性部の断面を矩形に形成することができる。また、本発明は、疎水性領域と親水性領域とが形成された転写基材を用いるため、高精細かつ簡易的に機能性部材を形成することができるという効果を奏する。
以下、本発明の機能性部材の製造方法、および機能性部材製造装置について詳細に説明する。
A.機能性部材の製造方法
本発明の機能性部材の製造方法は、表面が疎水性を示す疎水性領域と、表面が親水性を示す親水性領域とを有する転写基材を用い、上記転写基材の上記疎水性領域および上記親水性領域の全面に機能性部形成用塗工液を塗布する塗布工程と、上記塗布された機能性部形成用塗工液を固化し、機能性部形成用塗膜とする固化工程と、表面が、上記疎水性領域の濡れ性と上記親水性領域の濡れ性との中間の濡れ性を示す被転写基材を用い、上記機能性部形成用塗膜と上記被転写基材の表面とを接触させ、上記転写基材の上記疎水性領域上の上記機能性部形成用塗膜を上記被転写基材の表面に転写する転写工程とを有し、上記転写基材および上記被転写基材の少なくとも一方の表面上に、上記機能性部形成用塗膜のパターンからなる機能性部を有する機能性部材を形成することを特徴とする製造方法である。
本発明の機能性部材の製造方法は、表面が疎水性を示す疎水性領域と、表面が親水性を示す親水性領域とを有する転写基材を用い、上記転写基材の上記疎水性領域および上記親水性領域の全面に機能性部形成用塗工液を塗布する塗布工程と、上記塗布された機能性部形成用塗工液を固化し、機能性部形成用塗膜とする固化工程と、表面が、上記疎水性領域の濡れ性と上記親水性領域の濡れ性との中間の濡れ性を示す被転写基材を用い、上記機能性部形成用塗膜と上記被転写基材の表面とを接触させ、上記転写基材の上記疎水性領域上の上記機能性部形成用塗膜を上記被転写基材の表面に転写する転写工程とを有し、上記転写基材および上記被転写基材の少なくとも一方の表面上に、上記機能性部形成用塗膜のパターンからなる機能性部を有する機能性部材を形成することを特徴とする製造方法である。
本発明によれば、機能性部形成用塗工液を転写基材の疎水性領域および親水性領域の全面に塗布する塗布工程を行った後に、固化工程および転写工程を行い所望の機能性部を有する機能性部材を形成するため、上記機能性部の膜厚を各機能性部の形状によらずに均一に形成することが可能になる。この理由については、次のようなことが考えられる。すなわち、従来の機能性部材の製造方法では、図12(a)に例示するように、転写基材10’における親水性領域3bに選択的に機能性部形成用塗工液4aを塗布する塗布工程を有する。そのため、親水性領域3bの形状に応じて上記親水性領域3b上に付着する機能性部形成用塗工液4aの量に差異が生じ、結果として、上記親水性領域3b上の機能性部形成用塗工液4aから構成される機能性部形成用塗膜の膜厚に差異が生じることになる。一方、本発明の機能性部材の製造方法では、従来の塗布工程とは異なり、転写基材の疎水性領域および親水性領域の全面に機能性部形成用塗工液を塗布することが可能になる。したがって、本発明においては、機能性部形成用塗膜の膜厚を、転写基材のいずれの領域においてもほぼ均一にすることができ、その後、転写基材の疎水性領域上の機能性部形成用塗膜を被転写基材の表面に転写することにより、上記転写基材上における親水性領域の形状によらず膜厚が均一な機能性部を有する機能性部材を形成することが可能になると考えられる。
なお、本発明において、転写基材の疎水性領域および親水性領域の全面に機能性部形成用塗工液を塗布して固化した後に、上記疎水性領域上の機能性部形成用塗膜のみを選択的に被転写基材に転写することができる理由については、次のようなことが考えられる。すなわち、本発明においては、機能性部形成用塗工液を転写基材表面の疎水性領域および親水性領域に関わらず、いずれの領域上にも塗布するものである。そして、その後の固化工程にて固化させることにより、転写基材表面への密着力に、疎水性領域と親水性領域とで差異をつけることができる。具体的には、疎水性領域では機能性部形成用塗膜の密着力が弱くなり、親水性領域では機能性部形成用塗膜の密着力が強くなる。なお、上記密着力の強さは、機能性部形成用塗膜が付着する疎水性領域および親水性領域の濡れ性、すなわち表面エネルギーによるものであり、疎水性領域および親水性領域の表面エネルギーの大きさとしては、疎水性領域の表面エネルギーが小さく、親水性領域の表面エネルギーが大きい。このように、疎水性領域上および親水性領域上の機能性部形成用塗膜は、上記疎水性領域および上記親水性領域の表面エネルギーの大きさに応じて密着力に差異が生じることになる。そのため、機能性部形成用塗工液を固化させる固化工程後に、疎水性領域の表面エネルギーよりも大きく、かつ親水性領域の表面エネルギーよりも小さい表面エネルギーを有する被転写基材を、上記疎水性領域および親水性領域の全面に形成された機能性部形成用塗膜に押し当てると、機能性部形成用塗膜は、上記疎水性領域では被転写基材への密着力が勝り、親水性領域では親水性領域表面への密着力が勝るため、上記疎水性領域上の機能性部形成用塗膜のみを選択的に被転写基材側へ転写させることが可能になると考えられる。
また、本発明においては、親水性領域上に選択的に機能性部形成用塗工液を塗布する従来の塗布工程とは異なり、疎水性領域および親水性領域の全面に機能性部形成用塗工液を塗布し、固化した後、上記疎水性領域上の機能性部形成用塗膜を被転写基材に転写して機能性部を形成することができるため、上記機能性部の断面を矩形に形成することができる。この理由については、次のようなことが考えられる。すなわち、本発明の塗布工程は、上述のように、機能性部形成用塗工液を疎水性領域および親水性領域の全面に塗布する工程であるため、疎水性領域と親水性領域との境界部分において、機能性部形成用塗膜の膜厚に大きな差異は生じない。そのため、その後の転写工程において、疎水性領域上の機能性部形成用塗膜が被転写基材に転写されて得られる機能性部の断面は矩形になるものと考えられる。
さらに、本発明は、疎水性領域および親水性領域を有する転写基材を用いて機能性部材を形成する機能性部材の製造方法であることにより、高精細なパターニングが可能であり、かつ簡易的に機能性部材を形成することが可能になる。
ここで、本発明における「機能性」とは、光学的(光選択吸収、反射性、偏光性、光選択透過性、非線形光学性、蛍光あるいはリン光等のルミネッセンス、フォトクロミック性等)、磁気的(硬磁性、軟磁性、非磁性、透磁性等)、電気・電子的(導電性、絶縁性、圧電性、焦電性、誘電性等)、化学的(吸着性、脱着性、触媒性、吸水性、イオン伝導性、酸化還元性、電気化学特性、エレクトロクロミック性等)、機械的(耐摩耗性等)、熱的(伝熱性、断熱性、赤外線放射性等)、生体機能的(生体適合性、抗血栓性等)のような各種の機能を意味するものである。
また、本発明における「機能性部材」とは、例えば、薄膜トランジスタ用基板やダイオード等の半導体基板、有機エレクトロルミネッセンス素子用基板、カラーフィルタ用基板、マイクロレンズ用基板、バイオチップ用基板等を指し、さらに、「機能性部」とは、例えば、上記機能性部材を構成する配線や導電層、着色層等の構成部分を指す。
さらにまた、本発明における「上記疎水性領域および上記親水性領域の全面に機能性部形成用塗工液を塗布する」とは、疎水性領域と親水性領域とが形成された転写基材上に機能性部形成用塗工液を塗布し、上記疎水性領域および上記親水性領域に関わらず、上記機能性部形成用塗工液から構成された連続した機能性部形成用塗膜を形成することを指す。なお、上記「連続した機能性部形成用塗膜」とは、上記疎水性領域上および上記親水性領域上に連なって形成された機能性部形成用塗工液から構成される膜を指す。
本発明の機能性部材の製造方法は、上述した塗布工程、固化工程および転写工程を有するものであれば特に限定されるものではない。このような本発明の機能性部材の製造方法としては、例えば、次のような態様が挙げられる。まず、転写基材の疎水性領域上の機能性部形成用塗膜を被転写基材に転写させ、上記被転写基材の表面上に機能性部形成用塗膜のパターンからなる機能性部を形成する方法が挙げられる。次に、転写基材の疎水性領域上の機能性部形成用塗膜を被転写基材に転写して除去し、転写基材の表面上に機能性部形成用塗膜のパターンからなる機能性部を形成する方法が挙げられる。
なお、機能性部材の製造方法の具体例として挙げた上記前者を第1態様とし、上記後者を第2態様とする。
なお、機能性部材の製造方法の具体例として挙げた上記前者を第1態様とし、上記後者を第2態様とする。
以下、本発明の機能性部材の製造方法について、第1態様と第2態様とに分けて説明する。
1.第1態様
本態様の機能性部材の製造方法は、転写基材の疎水性領域上の機能性部形成用塗膜を被転写基材に転写させ、上記被転写基材の表面上に機能性部形成用塗膜のパターンからなる機能性部を形成する方法である。
本態様の機能性部材の製造方法は、転写基材の疎水性領域上の機能性部形成用塗膜を被転写基材に転写させ、上記被転写基材の表面上に機能性部形成用塗膜のパターンからなる機能性部を形成する方法である。
本態様の機能性部材の製造方法について図面を参照しながら説明する。
図1(a)〜(d)は、本態様の機能性部材の製造方法の一例を示す工程図である。まず、図1(a)に示すように、表面が疎水性を示す疎水性領域3aと表面が親水性を示す親水性領域3bとを有する転写基材10を準備する。次に、図1(b)に示すように、上記転写基材の上記疎水性領域3aおよび上記親水性領域3bの全面に機能性部形成用塗工液4aを塗布する塗布工程を行う。続いて、図示はしないが、機能性部形成用塗工液4aを固化し、機能性部形成用塗膜4bとする固化工程を行い、その後、図1(c)に示すように、機能性部形成用塗膜4bが形成された転写基材から、上記疎水性領域3a上の機能性部形成用塗膜4bを被転写基材6の表面に転写する転写工程を行う。これにより、図1(d)に示すように、上記疎水性領域3a上に形成された機能性部形成用塗膜4bのパターンからなる機能性部4cを有する機能性部材100を形成することができる。なお、本例における被転写基材6は、基板1’上に、疎水性領域3aの濡れ性と親水性領域3bの濡れ性との中間の濡れ性を有する被転写層5を有する。
図1(a)〜(d)は、本態様の機能性部材の製造方法の一例を示す工程図である。まず、図1(a)に示すように、表面が疎水性を示す疎水性領域3aと表面が親水性を示す親水性領域3bとを有する転写基材10を準備する。次に、図1(b)に示すように、上記転写基材の上記疎水性領域3aおよび上記親水性領域3bの全面に機能性部形成用塗工液4aを塗布する塗布工程を行う。続いて、図示はしないが、機能性部形成用塗工液4aを固化し、機能性部形成用塗膜4bとする固化工程を行い、その後、図1(c)に示すように、機能性部形成用塗膜4bが形成された転写基材から、上記疎水性領域3a上の機能性部形成用塗膜4bを被転写基材6の表面に転写する転写工程を行う。これにより、図1(d)に示すように、上記疎水性領域3a上に形成された機能性部形成用塗膜4bのパターンからなる機能性部4cを有する機能性部材100を形成することができる。なお、本例における被転写基材6は、基板1’上に、疎水性領域3aの濡れ性と親水性領域3bの濡れ性との中間の濡れ性を有する被転写層5を有する。
また、図2(a)〜(d)は、本態様の機能性部材の製造方法の他の例を示す工程図である。図2(a)〜(d)に示すように、本態様ではロール状の転写基材10Rを用いてもよい。すなわち、図2(a)に示すように、表面が疎水性を示す疎水性領域3aと表面が親水性を示す親水性領域3bとを有するロール状の転写基材10Rを準備する。次に、図2(b)に示すように、上記転写基材上の上記疎水性領域3aおよび上記親水性領域3bの全面に機能性部形成用塗工液4aを塗布する塗布工程を行う。続いて、図示はしないが、機能性部形成用塗工液を固化させて機能性部形成用塗膜とする固化工程を行い、その後、図2(c)に示すように、機能性部形成用塗膜4bが形成されたロール状の転写基材に被転写基材6を接触させつつ上記被転写基材6を相対的に移動させ、上記疎水性領域3a上の機能性部形成用塗膜4bを被転写基材6の表面に転写する転写工程を行う。これにより、図2(d)に示すように、上記疎水性領域3a上に形成された機能性部形成用塗膜4bのパターンからなる機能性部4cが、被転写基材6上に形成された機能性部材100を形成することができる。なお、本例における被転写基材6は、基板1’上に被転写層5を有する。
なお、本態様においては、図示はしないが、ロール状の転写基材にロール状の被転写基材を接触させることにより、上記転写基材における疎水性領域上の機能性部形成用塗膜を、上記被転写基材上に転写してもよい。
以下、本態様の機能性部材の製造方法における転写基材および各工程について説明する。
(1)転写基材
本態様における転写基材は、表面が疎水性を示す疎水性領域と表面が親水性を示す親水性領域とが形成されたものである。
以下、転写基材、疎水性領域および親水性領域の濡れ性、基材についてそれぞれ説明する。
本態様における転写基材は、表面が疎水性を示す疎水性領域と表面が親水性を示す親水性領域とが形成されたものである。
以下、転写基材、疎水性領域および親水性領域の濡れ性、基材についてそれぞれ説明する。
(a)転写基材
本態様における転写基材としては、表面が疎水性を示す疎水性領域と表面が親水性を示す親水性領域とを有するものであれば特に限定されるものではない。
本態様における転写基材としては、表面が疎水性を示す疎水性領域と表面が親水性を示す親水性領域とを有するものであれば特に限定されるものではない。
本態様における転写基材の疎水性領域のパターン形状および親水性領域のパターン形状としては、例えば、半導体素子の配線やカラーフィルタの着色層等、本態様の機能性部材の製造方法を用いて形成する機能性部の種類に応じて適宜選択されるものであり、任意の形状とすることができる。
このような転写基材としては、まず、親水性を有する親水層上に疎水性を有する疎水層をパターン状に形成して得られた転写基材(iの態様)、また、疎水性を有する疎水層上に親水性を有する親水層をパターン状に形成して得られた転写基材(iiの態様)、さらに、疎水性を有する疎水層の表面をパターン状に親水化処理して得られた転写基材(iiiの態様)、さらにまた、親水性を有する親水層の表面をパターン状に疎水化処理して得られた転写基材(ivの態様)が挙げられる。中でも、親水性を有する親水層上に疎水性を有する疎水層をパターン状に形成して得られた転写基材が好ましい。後述する転写工程により、転写基材における疎水性領域上の機能性部形成用塗膜を、被転写基材の表面に容易に転写することができるからである。以下、上述した各転写基材の態様について説明する。
(i)iの態様の転写基材
上記iの態様の転写基材の製造方法について、図を参照しながら説明する。
図3(a)〜(f)は、iの態様の転写基材の製造方法の一例を示す工程図である。具体的には、図3(a)に示すように、基板1上に親水性を示す親水性層2bを形成し、次いで、図3(b)に示すように、上記親水性層2b上にレジスト7を形成する。続いて、図3(c)に示すように、マスクMを用いてレジスト7をパターン状に露光し、図3(d)に示すように、レジスト7をパターニングする。その後、図3(e)に示すように、レジスト7から露出した親水性層2b上に、疎水性を示す疎水性層2aを形成し、最後に、図3(f)に示すように、レジスト7を除去する。このようにして、疎水性領域3aおよび親水性領域3bを有するiの態様の転写基材10が得られる。
なお、図3では、基板1上に親水性層2bおよび疎水性層2aを形成する例を示したが、例えば、図3に示す基板1が親水性を示すものであり、上記基板1および親水性層2bが一体に形成されたものであってもよい。
上記iの態様の転写基材の製造方法について、図を参照しながら説明する。
図3(a)〜(f)は、iの態様の転写基材の製造方法の一例を示す工程図である。具体的には、図3(a)に示すように、基板1上に親水性を示す親水性層2bを形成し、次いで、図3(b)に示すように、上記親水性層2b上にレジスト7を形成する。続いて、図3(c)に示すように、マスクMを用いてレジスト7をパターン状に露光し、図3(d)に示すように、レジスト7をパターニングする。その後、図3(e)に示すように、レジスト7から露出した親水性層2b上に、疎水性を示す疎水性層2aを形成し、最後に、図3(f)に示すように、レジスト7を除去する。このようにして、疎水性領域3aおよび親水性領域3bを有するiの態様の転写基材10が得られる。
なお、図3では、基板1上に親水性層2bおよび疎水性層2aを形成する例を示したが、例えば、図3に示す基板1が親水性を示すものであり、上記基板1および親水性層2bが一体に形成されたものであってもよい。
上記疎水性を有する疎水性層としては、後述する所定の濡れ性を有するものであれば特に限定されるものではない。例えば、疎水性材料を含有するものであってもよく、表面に疎水性を有する自己組織化膜が形成されたものであってもよい。
疎水性材料としては、後述する所定の濡れ性を満たすものであれば特に限定されるものではなく、例えば、フッ素樹脂やCF4C4F8をプラズマ処理により堆積させたプラズマフッ化膜等が挙げられる。
また、自己組織化膜としては、自己組織化単分子膜、ラングミュア−ブロジェット膜、交互吸着膜等を用いることができる。例えば、自己組織化単分子膜の材料としては、オクタデシルトリクロロシランやパーフルオロアルキルシラン等のシラン類を挙げることができる。なお、自己組織化単分子膜、ラングミュア−ブロジェット膜、および交互吸着膜については、例えば特開2003−195029号公報に記載されているものと同様とすることができるので、ここでの詳しい説明は省略する。
疎水性材料としては、後述する所定の濡れ性を満たすものであれば特に限定されるものではなく、例えば、フッ素樹脂やCF4C4F8をプラズマ処理により堆積させたプラズマフッ化膜等が挙げられる。
また、自己組織化膜としては、自己組織化単分子膜、ラングミュア−ブロジェット膜、交互吸着膜等を用いることができる。例えば、自己組織化単分子膜の材料としては、オクタデシルトリクロロシランやパーフルオロアルキルシラン等のシラン類を挙げることができる。なお、自己組織化単分子膜、ラングミュア−ブロジェット膜、および交互吸着膜については、例えば特開2003−195029号公報に記載されているものと同様とすることができるので、ここでの詳しい説明は省略する。
上記親水性を有する親水層としては、後述する所定の濡れ性を有するものであれば特に限定されるものではなく、親水性材料を含有するものである。
親水性材料としては、後述する所定の濡れ性を満たすものであれば特に限定されるものではなく、公知の有機材料の中から適宜選択して用いることができる。親水性材料の例としては、ポリビニルアルコール類や尿素樹脂類が挙げられる。
親水性材料としては、後述する所定の濡れ性を満たすものであれば特に限定されるものではなく、公知の有機材料の中から適宜選択して用いることができる。親水性材料の例としては、ポリビニルアルコール類や尿素樹脂類が挙げられる。
上記疎水性層の厚みとしては、上記疎水性材料の種類等に応じて適宜調整されるものであり、特に限定されるものではない。具体的には、0.005μm〜50μmの範囲内であることが好ましく、中でも0.01μm〜5μmの範囲内であることが好ましく、特に0.02μm〜1μmの範囲内であることが好ましい。
iの態様の転写基材における疎水性層の厚みは、疎水性領域表面と親水性領域表面との間に生じる段差に相当する。そのため、疎水性層の厚みが上記範囲内であることにより、後述する転写工程において、疎水性領域上の機能性部形成用塗膜を選択的に被転写基材の表面に転写することが可能になる。
ここで、疎水性層の厚み、すなわち疎水性領域表面と親水性領域表面との段差とは、例えば図3(f)のtで示される距離を指す。
iの態様の転写基材における疎水性層の厚みは、疎水性領域表面と親水性領域表面との間に生じる段差に相当する。そのため、疎水性層の厚みが上記範囲内であることにより、後述する転写工程において、疎水性領域上の機能性部形成用塗膜を選択的に被転写基材の表面に転写することが可能になる。
ここで、疎水性層の厚み、すなわち疎水性領域表面と親水性領域表面との段差とは、例えば図3(f)のtで示される距離を指す。
(ii)iiの態様の転写基材
上記iiの態様の転写基材の製造方法としては、基板上に、基板上に疎水性を示す疎水性層を形成し、次いで、上記疎水性層上にレジストを形成する。続いて、マスクを用いてレジストをパターン状に露光し、レジストをパターニングする。その後、レジストから露出した疎水性層上に、親水性を示す親水性層を形成し、最後にレジストを除去する。このようにして、疎水性領域および親水性領域を有するiiの態様の転写基材が得られる。
なお、ここでは、基板上に疎水性層および親水性層を形成する例を示したが、例えば、基板が疎水性を示すものであり、上記基板および疎水性層が一体に形成されたものであってもよい。
上記iiの態様の転写基材の製造方法としては、基板上に、基板上に疎水性を示す疎水性層を形成し、次いで、上記疎水性層上にレジストを形成する。続いて、マスクを用いてレジストをパターン状に露光し、レジストをパターニングする。その後、レジストから露出した疎水性層上に、親水性を示す親水性層を形成し、最後にレジストを除去する。このようにして、疎水性領域および親水性領域を有するiiの態様の転写基材が得られる。
なお、ここでは、基板上に疎水性層および親水性層を形成する例を示したが、例えば、基板が疎水性を示すものであり、上記基板および疎水性層が一体に形成されたものであってもよい。
疎水性層上に形成される親水性層の厚みとしては、上記親水性材料の種類等に応じて適宜調整されるものであり、特に限定されるものではない。具体的には、0.005μm〜50μmの範囲内であることが好ましく、中でも0.01μm〜5μmの範囲内であることが好ましく、特に0.02μm〜1μmの範囲内であることが好ましい。
ここで、iiの態様の転写基材における親水性層の厚みは、疎水性領域表面と親水性領域表面との間に生じる段差に相当する。そのため、親水性層の厚みが上記範囲内であることにより、後述する転写工程において、疎水性領域上の機能性部形成用塗膜を選択的に被転写基材の表面に転写することが可能になる。
ここで、iiの態様の転写基材における親水性層の厚みは、疎水性領域表面と親水性領域表面との間に生じる段差に相当する。そのため、親水性層の厚みが上記範囲内であることにより、後述する転写工程において、疎水性領域上の機能性部形成用塗膜を選択的に被転写基材の表面に転写することが可能になる。
なお、上記疎水性層および親水性層の材料、厚み、形成方法等については、上記「(i)iの態様の転写基材」の項で説明したものと同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
(iii)iiiの態様の転写基材
上記iiiの態様の転写基材の製造方法について、図を参照しながら説明する。
図4は、iiiの態様の転写基材の製造方法の一例を示す工程図である。具体的には、図4(a)示すように、基板1上に疎水性層2aを形成し、次いで、図4(b)に示すように、マスクMを用いて上記疎水性層2aにパターン状にエネルギーを照射し、エネルギーが照射された上記疎水性層2a表面を親水化する。このようにして、図4(c)に示すように、疎水性領域3aおよび親水性領域3bを有するiiiの態様の転写基材10が得られる。
なお、図4では、基板1上に疎水性層2aを形成する例を示したが、例えば、図4に示す基板1が疎水性を示すものであり、上記基板1および疎水性層2aが一体に形成されたものであってもよい。
上記iiiの態様の転写基材の製造方法について、図を参照しながら説明する。
図4は、iiiの態様の転写基材の製造方法の一例を示す工程図である。具体的には、図4(a)示すように、基板1上に疎水性層2aを形成し、次いで、図4(b)に示すように、マスクMを用いて上記疎水性層2aにパターン状にエネルギーを照射し、エネルギーが照射された上記疎水性層2a表面を親水化する。このようにして、図4(c)に示すように、疎水性領域3aおよび親水性領域3bを有するiiiの態様の転写基材10が得られる。
なお、図4では、基板1上に疎水性層2aを形成する例を示したが、例えば、図4に示す基板1が疎水性を示すものであり、上記基板1および疎水性層2aが一体に形成されたものであってもよい。
上記親水化処理としては、例えば、UV−オゾン処理、真空紫外線処理、酸素プラズマ処理等が挙げられる。親水化処理が可能な材料としては、親水化処理後において親水性領域表面の濡れ性が後述する条件を満たすものであれば特に限定されるものではなく、例えば、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルサルフォン、セルローストリアセテート、ポリスチレン、オルガノポリシロキサン等の高分子材料、および上述した疎水性材料を挙げることができる。
なお、疎水性層の材料、厚み、形成方法等については、上記「(i)iの態様の転写基材」の項で説明したものと同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
(iv)ivの態様の転写基材
上記ivの態様の転写基材の製造方法としては、基板上に親水性層を形成し、次いで、マスクを用いて上記親水性層にパターン状にエネルギーを照射し、エネルギーが照射された上記親水性層表面を疎水化する。このようにして、疎水性領域および親水性領域を有するivの態様の転写基材が得られる。
なお、ここでは、基板上に親水性層を形成する例を示したが、例えば、基板が親水性を示すものであり、上記基板および親水性層が一体に形成されたものであってもよい。
上記ivの態様の転写基材の製造方法としては、基板上に親水性層を形成し、次いで、マスクを用いて上記親水性層にパターン状にエネルギーを照射し、エネルギーが照射された上記親水性層表面を疎水化する。このようにして、疎水性領域および親水性領域を有するivの態様の転写基材が得られる。
なお、ここでは、基板上に親水性層を形成する例を示したが、例えば、基板が親水性を示すものであり、上記基板および親水性層が一体に形成されたものであってもよい。
上記疎水化処理としては、例えばフッ素プラズマ処理が挙げられる。疎水化処理が可能な材料としては、疎水化処理後において疎水性領域表面の濡れ性が後述する条件を満たすものであれば特に限定されるものではなく、例えばオルガノポリシロキサン、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等の高分子材料が挙げられる。
なお、親水性層の材料、厚み、形成方法等については、上記「(i)iの態様の転写基材」の項で説明したものと同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
(b)疎水性領域および親水性領域の濡れ性
(i)疎水性領域の濡れ性
疎水性領域表面の疎水性としては、疎水性領域表面の液体との接触角が、後述する親水性領域表面の液体との接触角よりも大きければ特に限定されるものではない。具体的には、疎水性領域表面の接触角は、25℃の純水との接触角が60°以上であることが好ましく、中でも80°以上であることが好ましく、特に100°以上であることが好ましい。また、疎水性領域における上記接触角の上限としては、一般的には、180°以下とされる。疎水性領域表面の接触角が上記範囲内であることにより、親水性領域表面の液体との接触角と、疎水性領域表面の液体との接触角との差を大きくすることができ、より高精細なパターニングが可能となる。なお、上記接触角は、例えば、協和界面科学株式会社 自動接触角計 DM-301により測定することができる。
(i)疎水性領域の濡れ性
疎水性領域表面の疎水性としては、疎水性領域表面の液体との接触角が、後述する親水性領域表面の液体との接触角よりも大きければ特に限定されるものではない。具体的には、疎水性領域表面の接触角は、25℃の純水との接触角が60°以上であることが好ましく、中でも80°以上であることが好ましく、特に100°以上であることが好ましい。また、疎水性領域における上記接触角の上限としては、一般的には、180°以下とされる。疎水性領域表面の接触角が上記範囲内であることにより、親水性領域表面の液体との接触角と、疎水性領域表面の液体との接触角との差を大きくすることができ、より高精細なパターニングが可能となる。なお、上記接触角は、例えば、協和界面科学株式会社 自動接触角計 DM-301により測定することができる。
(ii)親水性領域の濡れ性
親水性領域表面の親水性としては、親水性領域表面の液体との接触角が、上述した疎水性領域表面の液体との接触角よりも小さければ特に限定されるものではない。具体的には、親水性領域表面の接触角は、25℃の純水との接触角が49°以下であることが好ましく、中でも40°以下であることが好ましく、特に30°以下であることが好ましい。親水性領域表面の接触角が上記範囲内であることにより、親水性領域表面の液体との接触角と、疎水性領域表面の液体との接触角との差を大きくすることができ、より高精細なパターニングが可能となる。なお、上記接触角は、上述した疎水性領域表面の液体との接触角と同様の方法により測定することができるため、具体的な測定方法についての記載は省略する。
親水性領域表面の親水性としては、親水性領域表面の液体との接触角が、上述した疎水性領域表面の液体との接触角よりも小さければ特に限定されるものではない。具体的には、親水性領域表面の接触角は、25℃の純水との接触角が49°以下であることが好ましく、中でも40°以下であることが好ましく、特に30°以下であることが好ましい。親水性領域表面の接触角が上記範囲内であることにより、親水性領域表面の液体との接触角と、疎水性領域表面の液体との接触角との差を大きくすることができ、より高精細なパターニングが可能となる。なお、上記接触角は、上述した疎水性領域表面の液体との接触角と同様の方法により測定することができるため、具体的な測定方法についての記載は省略する。
(c)基板
本態様における転写基材は、疎水性層および親水性層の別層として基板を有していてもよい。上記基板は、疎水性層や親水性層を支持することができるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、ガラス、樹脂フィルム、セラミック、金属からなるもの等を挙げることができる。
本態様における転写基材は、疎水性層および親水性層の別層として基板を有していてもよい。上記基板は、疎水性層や親水性層を支持することができるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、ガラス、樹脂フィルム、セラミック、金属からなるもの等を挙げることができる。
(2)塗布工程
本態様の機能性部材の製造方法は、上記転写基材の上記疎水性領域および上記親水性領域の全面に機能性部形成用塗工液を塗布する塗布工程を有する。
以下、本工程において用いられる機能性部形成用塗工液および具体的な塗布工程について説明する。
本態様の機能性部材の製造方法は、上記転写基材の上記疎水性領域および上記親水性領域の全面に機能性部形成用塗工液を塗布する塗布工程を有する。
以下、本工程において用いられる機能性部形成用塗工液および具体的な塗布工程について説明する。
(a)機能性部形成用塗工液
本工程において用いられる機能性部形成用塗工液は、上記疎水性領域および上記親水性領域のいずれの領域にも付着可能な材料である。
本工程において用いられる機能性部形成用塗工液は、上記疎水性領域および上記親水性領域のいずれの領域にも付着可能な材料である。
機能性部形成用塗工液としては、疎水性領域と親水性領域とが形成された転写基材上に連続的に塗布することが可能な材料から構成されていれば特に限定されるものではないが、少なくとも機能性材料を含有するものである。機能性材料としては、機能性部材の種類や用途等に応じて適宜選択されるものであり、例えば、半導体材料、発光材料、PEDOT/PSS等の正孔注入性材料、金属ナノコロイド等の導電性材料、着色材料、樹脂材料、タンパク質、細胞、DNA等の生体物質などを挙げることができる。
また、機能性部形成用塗工液は、上記疎水性領域および上記親水性領域のいずれの領域にも付着可能な材料である。具体的には、粘度が所定の値以上となるように調製された機能性部形成用塗工液、または表面張力が所定の値以下となるように調製された機能性部形成用塗工液が挙げられる。
以下、粘度が所定の値以上となるように調製された機能性部形成用塗工液をAの態様とし、表面張力が所定の値以下となるように調製された機能性部形成用塗工液をBの態様としてそれぞれ分けて説明する。
以下、粘度が所定の値以上となるように調製された機能性部形成用塗工液をAの態様とし、表面張力が所定の値以下となるように調製された機能性部形成用塗工液をBの態様としてそれぞれ分けて説明する。
(i)Aの態様
本態様の機能性部形成用塗工液は、上述したように、粘度が所定の値以上となるように調製し、転写基材における疎水性領域および親水性領域のいずれの領域にも付着可能としたものである。
本態様の機能性部形成用塗工液は、上述したように、粘度が所定の値以上となるように調製し、転写基材における疎水性領域および親水性領域のいずれの領域にも付着可能としたものである。
本態様の機能性部形成用塗工液の粘度としては、転写基材における疎水性領域および親水性領域のいずれの領域にも付着させることができる程度の粘度であれば特に限定されるものではない。例えば、機能性部形成用塗工液の粘度が2Pa・s以上であることが好ましく、中でも、10Pa・s以上であることが好ましく、特に、20Pa・s以上であることが好ましい。機能性部形成用塗工液の粘度が、上記範囲内であることにより、転写基材における疎水性領域および親水性領域のいずれの領域にも機能性部形成用塗工液を付着することができ、機能性部を均一な膜厚で形成することができる。また、機能性部の断面を、矩形になるように形成することができる。機能性部形成用塗工液の上記粘度は、協和科学株式会社 ブルックフィールドデジタル粘度計により測定することができる。
機能性部形成用塗工液が上述した粘度となるように調製する方法としては、機能性部形成用塗工液に用いる機能性材料の種類等に応じて適宜選択されるものであり、特に限定されない。例えば、機能性部形成用塗工液を構成する固形分の濃度を調整する方法や、機能性部形成用塗工液にバインダーポリマーを添加する方法等が挙げられる。上記バインダーポリマーとしては、例えば、ポリエチエン、ポリスチレン、ポリアクリレート、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。
(ii)Bの態様
本態様の機能性部形成用塗工液は、上述したように、表面張力が所定の値以下となるように調製し、転写基材における疎水性領域および親水性領域のいずれの領域にも付着可能としたものである。
本態様の機能性部形成用塗工液は、上述したように、表面張力が所定の値以下となるように調製し、転写基材における疎水性領域および親水性領域のいずれの領域にも付着可能としたものである。
本態様の機能性部形成用塗工液の表面張力としては、転写基材における疎水性領域および親水性領域のいずれの領域にも付着させることができる程度の表面張力であれば特に限定されるものではない。例えば、機能性部形成用塗工液の表面張力が50mN/m以下であることが好ましく、中でも40mN/m以下であることが好ましく、特に20mN/m以下であることが好ましい。機能性部形成用塗工液の表面張力が、上記範囲内であることにより、転写基材における疎水性領域および親水性領域のいずれの領域にも機能性部形成用塗工液を付着することができ、機能性部を均一な膜厚で形成することができる。また、機能性部の断面を、矩形になるように形成することができる。機能性部形成用塗工液の上記表面張力は、協和界面科学株式会社 自動表面張力計DY-300により測定することができる。
機能性部形成用塗工液が上述した表面張力となるように調製する方法としては、機能性部形成用塗工液に用いる機能性材料の種類等に応じて適宜選択されるものであり、特に限定されない。例えば、機能性部形成用塗工液に界面活性剤を添加する方法、機能性部形成用塗工液に所定の表面張力を有する有機溶媒を添加する方法、あるいは機能性部形成用塗工液にフッ素溶媒を添加する方法等が挙げられる。
機能性部形成用塗工液に含有する界面活性剤としては、機能性部形成用塗工液に用いる機能性材料に応じて適宜選択されるものであり、特に限定されない。例えば、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、アセチレングリコール系界面活性剤、アルファスルホ脂肪酸エステルナトリウム、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキル硫酸エステルナトリウム、アルキルエーテル硫酸エステルナトリウム、アルファオレフィンスルホン酸ナトリウム、アルキルスルホン酸ナトリウム、ショ糖脂肪酸エステルソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、アルキルアミノ脂肪酸ナトリウム、アルキルベタイン、アルキルアミンオキシド、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩等が挙げられる。
(b)塗布工程
本工程における機能性部形成用塗工液の塗布方法としては、上記転写基材の上記疎水性領域および上記親水性領域の全面に機能性部形成用塗工液を塗布することができれば特に限定されるものではなく、機能性部形成用塗工液の種類に応じて適宜選択される。例えば、スリットコート、スピンコート、ダイコート、ロールコート、バーコート、ディップコート、スプレーコート、ブレードコート、グラビア・オフセット印刷等が挙げられる。中でも、スリットコートが好ましい。機能性部形成用塗工液を均一な膜厚に容易に塗布することができるからである。
本工程における機能性部形成用塗工液の塗布方法としては、上記転写基材の上記疎水性領域および上記親水性領域の全面に機能性部形成用塗工液を塗布することができれば特に限定されるものではなく、機能性部形成用塗工液の種類に応じて適宜選択される。例えば、スリットコート、スピンコート、ダイコート、ロールコート、バーコート、ディップコート、スプレーコート、ブレードコート、グラビア・オフセット印刷等が挙げられる。中でも、スリットコートが好ましい。機能性部形成用塗工液を均一な膜厚に容易に塗布することができるからである。
(3)固化工程
本態様の機能性部材の製造方法は、上記塗布された機能性部形成用塗工液を固化し、機能性部形成用塗膜とする固化工程を有する。
本態様の機能性部材の製造方法は、上記塗布された機能性部形成用塗工液を固化し、機能性部形成用塗膜とする固化工程を有する。
本工程としては、上記機能性部形成用塗工液が転写工程において転写に耐えうる強度を有する機能性部形成用塗膜となる状態にすることができれば特に限定されない。具体的な固化方法としては、溶媒を除去する方法や、光または熱により半硬化させる方法等が挙げられる。
以下、本工程により得られる機能性部形成用塗膜および具体的な固化工程について説明する。
以下、本工程により得られる機能性部形成用塗膜および具体的な固化工程について説明する。
(a)機能性部形成用塗膜
機能性部形成用塗工液を生乾きの状態に固化させることにより得られる機能性部形成用塗膜は、疎水性領域表面および親水性領域表面に対して所定の密着力を有する。疎水性領域表面および親水性領域表面に対する機能性部形成用塗膜の密着力は、疎水性領域表面での機能性部形成用塗膜の密着力が、親水性領域表面での機能性部形成用塗膜の密着力よりも弱ければ特に限定されない。
機能性部形成用塗工液を生乾きの状態に固化させることにより得られる機能性部形成用塗膜は、疎水性領域表面および親水性領域表面に対して所定の密着力を有する。疎水性領域表面および親水性領域表面に対する機能性部形成用塗膜の密着力は、疎水性領域表面での機能性部形成用塗膜の密着力が、親水性領域表面での機能性部形成用塗膜の密着力よりも弱ければ特に限定されない。
上記機能性部形成用塗膜の厚みとしては、後述する転写工程において上記疎水性領域上の機能性部形成用塗膜を被転写基材の表面選択的に転写することができる程度の厚みであれば特に限定されるものではなく、機能性部形成用塗膜の材料に応じて適宜調整されるものである。例えば、5nm〜20μmの範囲内であることが好ましく、中でも50nm〜10μmの範囲内であることが好ましく、特に100nm〜5μmの範囲内であることが好ましい。上記機能性部形成用塗膜の厚みが上記範囲以上である場合には、後述する転写工程後において、機能性部形成用塗膜の強度が大きくなりすぎ、その後の転写工程の際に、疎水性領域上の機能性部形成用塗膜を被転写基材表面に選択的に転写することが困難になるおそれがある。また、上記機能性部形成用塗膜の厚みが上記範囲以下である場合には、機能性部としての機能を十分に発揮できないおそれがある。
なお、上記機能性部形成用塗膜の厚みとしては、転写基材上の疎水性領域および親水性領域に上記機能性部形成用塗膜を連なって形成することができれば特に限定されるものではなく、転写基材におけるいずれの領域においても上記機能性部形成用塗膜の厚みが同一となる必要はない。すなわち、上記機能性部形成用塗膜の厚みに多少のバラつきがあってもよい。
(b)固化工程
機能性部形成用塗工液を固化させて機能性部形成用塗膜とする方法としては、機能性部形成用塗工液を所定の強度を有する機能性部形成用塗膜にすることができれば特に限定されないが、例えば、機能性部形成用塗工液を生乾きの状態に乾燥させる方法や、機能性部形成用塗工液に光や熱をあてて半硬化させる方法等が挙げられる。
機能性部形成用塗工液を固化させて機能性部形成用塗膜とする方法としては、機能性部形成用塗工液を所定の強度を有する機能性部形成用塗膜にすることができれば特に限定されないが、例えば、機能性部形成用塗工液を生乾きの状態に乾燥させる方法や、機能性部形成用塗工液に光や熱をあてて半硬化させる方法等が挙げられる。
ここで、上記「生乾き」とは、機能性部形成用塗工液が完全に固まる前の状態を指し、例えば、機能性部形成用塗工液中に含まれる溶媒の50%以上、好ましくは95%以上、より好ましくは97%以上、且つ100%未満、好ましくは99.99%以下、より好ましくは99%以下が揮発している状態を指す。また、例えば、機能性部形成用塗工液に含有される機能性材料が金属ナノコロイドである場合における生乾きの状態とは、機能性部形成用塗工液に含まれる主溶媒が所定の割合で揮発しており、また、機能性部形成用塗膜表面に、固形分である金属ナノ粒子、微量の副溶媒および添加剤からなる膜が形成され、さらには機能性部形成用塗工液に含まれる金属ナノ粒子が未焼結な状態であることを指す。さらに、機能性部形成用塗工液に含有される機能性材料がカラーフィルタの着色材料である場合における生乾きの状態とは、機能性部形成用塗工液に含まれる主溶媒が所定の割合で揮発しており、また、機能性部形成用塗膜表面に、レジスト成分、微量の副溶媒および添加剤からなる膜が形成され、さらには機能性部形成用塗工液に含まれるレジスト成分が未架橋な状態であることを指す。
機能性部形成用塗工液中に含まれる溶媒の揮発した割合は、揮発前後での機能性部形成用塗工液の重量と、当該機能性部材形成用塗工液に含まれる溶媒の割合とを用いて算出することができる。また、揮発前後での機能性部形成用塗工液の重量の変化量は、例えば、本発明が実施される環境と同じ環境下において、精密天秤上に転写基材を配置し、当該転写基材表面に機能性部形成用塗工液を塗工して、所定の間、機能性部形成用塗工液中に含まれる溶媒を揮発させることにより測定することができる。
また、上記「半硬化」とは、後述する転写工程において、疎水性領域上の機能性部形成用塗膜を被転写基材表面に選択的に転写することが可能な程度に硬化させた状態を指す。
(4)転写工程
本態様の機能性部材の製造方法は、表面が、上記疎水性領域の濡れ性と上記親水性領域の濡れ性との中間の濡れ性を示す被転写基材を用い、上記機能性部形成用塗膜と上記被転写基材の表面とを接触させ、上記転写基材の疎水性領域上の機能性部形成用塗膜を上記被転写基材の表面に転写する転写工程を有する。
本態様の機能性部材の製造方法は、表面が、上記疎水性領域の濡れ性と上記親水性領域の濡れ性との中間の濡れ性を示す被転写基材を用い、上記機能性部形成用塗膜と上記被転写基材の表面とを接触させ、上記転写基材の疎水性領域上の機能性部形成用塗膜を上記被転写基材の表面に転写する転写工程を有する。
本工程の具体的な転写方法としては、例えば、機能性部形成用塗膜が形成された転写基材に被転写基材を押し当てて転写する方法が挙げられる。なお、本態様において用いられる転写基材が、図2(a)〜(d)に示すようにロール状である場合には、ロール状の転写基材に被転写基材6を接触させつつ上記被転写基材6を相対移動させて、疎水性領域上の機能性部形成用塗膜4bを被転写基材6に転写することができる。
本工程において、機能性部形成用塗膜が形成された転写基材を被転写基材に押し当てる際の圧力としては、転写基材における疎水性領域上の機能性部形成用塗膜を被転写基材に転写することができる程度であれば特に限定されるものではなく、機能性部形成用塗膜の材料等に応じて適宜調整されるものである。
(5)被転写基材
本態様において転写基材における疎水性領域上の機能性部形成用塗膜が転写される被転写基材は、上記疎水性領域の濡れ性と上記親水性領域の濡れ性との中間の濡れ性を示すものである。すなわち、被転写基材は、表面エネルギーが疎水性領域の表面エネルギーよりも大きく、かつ親水性領域の表面エネルギーよりも小さいものである。具体的には、被転写基材の表面エネルギーは、疎水性領域の表面エネルギーよりも10mN/m以上大きいことが好ましく、中でも30mN/m以上大きいことが好ましく、特に、50mN/m以上大きいことが好ましい。また、被転写基材の表面エネルギーは、親水性領域の表面エネルギーよりも5mN/m以上小さいことが好ましく、中でも10mN/m以上小さいことが好ましく、特に、20mN/m以上小さいことが好ましい。被転写基材の表面エネルギーが上記範囲内であることにより、転写基材における疎水性領域上の機能性部形成用塗膜を被転写基材上に転写することができ、高精細な機能性部材を形成することができる。
本態様において転写基材における疎水性領域上の機能性部形成用塗膜が転写される被転写基材は、上記疎水性領域の濡れ性と上記親水性領域の濡れ性との中間の濡れ性を示すものである。すなわち、被転写基材は、表面エネルギーが疎水性領域の表面エネルギーよりも大きく、かつ親水性領域の表面エネルギーよりも小さいものである。具体的には、被転写基材の表面エネルギーは、疎水性領域の表面エネルギーよりも10mN/m以上大きいことが好ましく、中でも30mN/m以上大きいことが好ましく、特に、50mN/m以上大きいことが好ましい。また、被転写基材の表面エネルギーは、親水性領域の表面エネルギーよりも5mN/m以上小さいことが好ましく、中でも10mN/m以上小さいことが好ましく、特に、20mN/m以上小さいことが好ましい。被転写基材の表面エネルギーが上記範囲内であることにより、転写基材における疎水性領域上の機能性部形成用塗膜を被転写基材上に転写することができ、高精細な機能性部材を形成することができる。
本態様の機能性部材の製造方法において、転写基材における疎水性領域上の機能性部形成用塗膜が転写される被転写基材としては、形成しようとする機能性部材に応じて適宜選択されるものである。
そのため、例えば、本態様の機能性部材の製造方法を用いて電極や配線等の機能性部を有する機能性部材を形成する場合には、電極や配線を構成する機能性部形成用塗工液からなる機能性部形成用塗膜が転写される被転写基材は、絶縁膜であることが好ましい。
また、本態様の機能性部材の製造方法を用いてゲート電極、ソース電極・ドレイン電極または半導体層等の機能性部を有する機能性部材を形成する場合には、ゲート電極、ソース電極・ドレイン電極または半導体層を構成する機能性部形成用塗工液からなる機能性部形成用塗膜が転写される被転写基材はゲート絶縁膜であることが好ましい。
さらに、上記機能性部がカラーフィルタにおける着色層である場合には、着色層を構成する機能性部形成用塗工液からなる機能性部形成用塗膜が転写される被転写基材は光透過性を有する部材であることが好ましい。
そのため、例えば、本態様の機能性部材の製造方法を用いて電極や配線等の機能性部を有する機能性部材を形成する場合には、電極や配線を構成する機能性部形成用塗工液からなる機能性部形成用塗膜が転写される被転写基材は、絶縁膜であることが好ましい。
また、本態様の機能性部材の製造方法を用いてゲート電極、ソース電極・ドレイン電極または半導体層等の機能性部を有する機能性部材を形成する場合には、ゲート電極、ソース電極・ドレイン電極または半導体層を構成する機能性部形成用塗工液からなる機能性部形成用塗膜が転写される被転写基材はゲート絶縁膜であることが好ましい。
さらに、上記機能性部がカラーフィルタにおける着色層である場合には、着色層を構成する機能性部形成用塗工液からなる機能性部形成用塗膜が転写される被転写基材は光透過性を有する部材であることが好ましい。
また、上記被転写基材としては、転写基材における疎水性領域上の機能性部形成用塗膜を転写することが可能な形状であれば特に限定されるものではない。例えば、図1(c)〜(d)に示すように、板状のものであってもよく、または図示はしないが、シート状のものであってもよい。なお、被転写基材がシート状である場合には、ロールを用いて上記シートの巻き出しおよび巻き取りを行うことが可能である。
さらに、上記被転写基材は、図1(c)、(d)および図2(c)、(d)に示すように、基板1’上に被転写層5が形成されたものであってもよい。ここで、上記被転写層としては、転写基材における疎水性領域の濡れ性と親水性領域の濡れ性との中間の濡れ性を有するものであれば特に限定されるものではなく、例えば、上述のような所定の濡れ性を有する樹脂により形成することができる。また、上記基板としては、転写基材に用いられる基板と同様とすることができ、具体的には、上記「(1)転写工程 (c)基板」に記載の内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
(6)その他
本態様の機能性部材の製造方法は、上述した塗布工程、固化工程および転写工程を有するものであれば特に限定されるものではないが、必要に応じて上記工程以外の工程を有してもいてもよい。塗布工程、固化工程および転写工程以外のその他の工程としては、例えば、転写工程後に、被転写基材表面に転写された機能性部形成用塗膜を硬化する硬化工程が挙げられる。なお、上記硬化工程における具体的な硬化手段としては、機能性部形成用塗膜に用いられる材料の種類等に応じて適宜選択されるものであり特に限定されないが、一般的な硬化手段を用いることができる。
本態様の機能性部材の製造方法は、上述した塗布工程、固化工程および転写工程を有するものであれば特に限定されるものではないが、必要に応じて上記工程以外の工程を有してもいてもよい。塗布工程、固化工程および転写工程以外のその他の工程としては、例えば、転写工程後に、被転写基材表面に転写された機能性部形成用塗膜を硬化する硬化工程が挙げられる。なお、上記硬化工程における具体的な硬化手段としては、機能性部形成用塗膜に用いられる材料の種類等に応じて適宜選択されるものであり特に限定されないが、一般的な硬化手段を用いることができる。
2.第2態様
本態様の機能性部材の製造方法は、疎水性領域と親水性領域とが形成された転写基材に直接機能性部を形成する方法であって、転写基材の疎水性領域上の機能性部形成用塗膜を被転写基材に転写して除去し、転写基材の表面上に機能性部形成用塗膜のパターンからなる機能性部を形成する方法である。
本態様の機能性部材の製造方法は、疎水性領域と親水性領域とが形成された転写基材に直接機能性部を形成する方法であって、転写基材の疎水性領域上の機能性部形成用塗膜を被転写基材に転写して除去し、転写基材の表面上に機能性部形成用塗膜のパターンからなる機能性部を形成する方法である。
本態様の機能性部材の製造方法について図面を参照しながら説明する。
図5(a)〜(d)は、本態様の機能性部材の製造方法の一例を示す工程図である。まず、図5(a)に示すように、表面が疎水性を示す疎水性領域3aと表面が親水性を示す親水性領域3bとを有する転写基材10を準備する。次に、図5(b)に示すように、上記転写基材上の上記疎水性領域3aおよび上記親水性領域3bの全面に機能性部形成用塗工液4aを塗布する塗布工程を行う。続いて、図示はしないが、機能性部形成用塗工液を固化して機能性部形成用塗膜とする固化工程を行い、その後、図5(c)に示すように、上記疎水性領域3a上の機能性部形成用塗膜4bを被転写基材6に転写して除去する転写工程を行う。これにより、図5(d)に示すように、上記親水性領域3b上に形成された機能性部形成用塗膜4bのパターンからなる機能性部4cを転写基材上に直接形成し、機能性部材100を得ることができる。なお、本例における転写基材10は、基板1上に疎水性を示す疎水性層2aを形成し、上記疎水性層2aの表面をパターン状に親水性処理することにより、疎水性領域3aおよび親水性領域3bを形成したものである。また、被転写基材6は、基板1’上に被転写層5を有する。
図5(a)〜(d)は、本態様の機能性部材の製造方法の一例を示す工程図である。まず、図5(a)に示すように、表面が疎水性を示す疎水性領域3aと表面が親水性を示す親水性領域3bとを有する転写基材10を準備する。次に、図5(b)に示すように、上記転写基材上の上記疎水性領域3aおよび上記親水性領域3bの全面に機能性部形成用塗工液4aを塗布する塗布工程を行う。続いて、図示はしないが、機能性部形成用塗工液を固化して機能性部形成用塗膜とする固化工程を行い、その後、図5(c)に示すように、上記疎水性領域3a上の機能性部形成用塗膜4bを被転写基材6に転写して除去する転写工程を行う。これにより、図5(d)に示すように、上記親水性領域3b上に形成された機能性部形成用塗膜4bのパターンからなる機能性部4cを転写基材上に直接形成し、機能性部材100を得ることができる。なお、本例における転写基材10は、基板1上に疎水性を示す疎水性層2aを形成し、上記疎水性層2aの表面をパターン状に親水性処理することにより、疎水性領域3aおよび親水性領域3bを形成したものである。また、被転写基材6は、基板1’上に被転写層5を有する。
また、図6(a)〜(d)は、本態様の機能性部材の製造方法の他の例を示す工程図である。図6(a)〜(d)に示すように、ロール状の被転写基材6Rを用いてもよい。すなわち、図6(a)に示すように、表面が疎水性を示す疎水性領域3aと表面が親水性を示す親水性領域3bとを有する転写基材10を準備する。次に、図6(b)に示すように、上記転写基材上の上記疎水性領域3aおよび上記親水性領域3bの全面に機能性部形成用塗工液4を塗布する塗布工程を行う。続いて、図示はしないが、機能性部形成用塗工液を固化して機能性部形成用塗膜とする固化工程を行い、その後、図6(c)に示すように、機能性部形成用塗膜4bが形成された転写基材に、ロール状の被転写基材6Rを接触させつつ上記転写基材を相対的に移動させ、上記疎水性領域3a上の機能性部形成用塗膜4bを被転写基材6Rの表面に転写して除去する転写工程を行う。これにより、図6(d)に示すように、上記親水性領域3b上に形成された機能性部形成用塗膜4bのパターンからなる機能性部4cを転写基材上に直接形成し、機能性部材100を得ることができる。なお、本例における本例における転写基材10は、基板1上に疎水性を示す疎水性層2aを形成し、上記疎水性層2aの表面をパターン状に親水性処理することにより、疎水性領域3aおよび親水性領域3bを形成したものである。また、被転写基材6Rは、基板1’上に被転写層5を有する。
なお、本態様においては、図示はしないが、ロール状の転写基材にロール状の被転写基材を接触させることにより、上記転写基材の疎水性領域上の機能性部形成用塗膜を上記被転写基材上に転写して除去してもよい。
以下、本態様の機能性部材の製造方法における転写基材および各工程について説明する。
(1)転写基材
本態様における転写基材は、表面が疎水性を示す疎水性領域と表面が親水性を示す親水性領域とが形成されたものである。
本態様における転写基材は、表面が疎水性を示す疎水性領域と表面が親水性を示す親水性領域とが形成されたものである。
本態様における転写基材の親水性領域のパターン形状としては、例えば、機能性素子の配線やカラーフィルタの着色層等、本態様の機能性部材の製造方法を用いて形成される機能性部を有する機能性部材の種類に応じて適宜選択されるものであり、任意の形状とすることができる。
本態様における転写基材としては、形成しようとする機能性部材に応じて適宜選択されるものであるが、例えば、本態様の機能性部材の製造方法を用いて電極や配線等の機能性部を有する機能性部材を形成する場合には、転写基材は絶縁膜であることが好ましい。
また、上記機能性部がカラーフィルタにおける着色層である場合には、転写基材は光透過性を有する部材であることが好ましい。
また、上記機能性部がカラーフィルタにおける着色層である場合には、転写基材は光透過性を有する部材であることが好ましい。
なお、上記転写基材については、上記「1.第1態様 (1)転写基材」の項に記載したものと同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
(2)塗布工程
本態様の機能性部材の製造方法は、上記転写基材の上記疎水性領域および上記親水性領域の全面に機能性部形成用塗工液を塗布する塗布工程を有する。
なお、本工程において用いられる機能性部形成用塗工液および具体的な塗布工程については、上記「1.第1態様 (2)塗布工程」の項に記載したものと同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
本態様の機能性部材の製造方法は、上記転写基材の上記疎水性領域および上記親水性領域の全面に機能性部形成用塗工液を塗布する塗布工程を有する。
なお、本工程において用いられる機能性部形成用塗工液および具体的な塗布工程については、上記「1.第1態様 (2)塗布工程」の項に記載したものと同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
(3)固化工程
本態様の機能性部材の製造方法は、上記塗布された機能性部形成用塗工液を固化し、機能性部形成用塗膜とする固化工程を有する。
なお、本工程において得られる機能性部形成用塗膜および具体的な固化工程ついては、上記「1.第1態様 (3)固化工程」の項に記載したものと同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
本態様の機能性部材の製造方法は、上記塗布された機能性部形成用塗工液を固化し、機能性部形成用塗膜とする固化工程を有する。
なお、本工程において得られる機能性部形成用塗膜および具体的な固化工程ついては、上記「1.第1態様 (3)固化工程」の項に記載したものと同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
(4)転写工程
本態様の機能性部材の製造方法は、表面が、上記疎水性領域の濡れ性と上記親水性領域の濡れ性との中間の濡れ性を示す被転写基材を用い、上記機能性部形成用塗膜と上記被転写基材の表面とを接触させ、上記転写基材の疎水性領域上の機能性部形成用塗膜を上記被転写基材の表面に転写する転写工程を有する。
本態様の機能性部材の製造方法は、表面が、上記疎水性領域の濡れ性と上記親水性領域の濡れ性との中間の濡れ性を示す被転写基材を用い、上記機能性部形成用塗膜と上記被転写基材の表面とを接触させ、上記転写基材の疎水性領域上の機能性部形成用塗膜を上記被転写基材の表面に転写する転写工程を有する。
本工程における具体的な転写方法としては、例えば、機能性部形成用塗膜が形成された転写基材に被転写基材を押し当てて転写する方法が挙げられる。なお、本態様において用いられる被転写基材が、図6(a)〜(d)に示すようにロール状である場合には、機能性部形成用塗膜が形成された転写基材に、ロール状の被転写基材6Rを接触させつつ上記転写基材を相対移動させて、疎水性領域上の機能性部形成用塗膜4bを被転写基材6Rに転写して除去することができる。
なお、本工程については、上記「1.第1態様 (4)転写工程」の項に記載したものと同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
(5)被転写基材
本態様において、転写基材の疎水性領域上から機能性部形成用塗膜を転写により除去する際に用いられる被転写基材としては、上述した機能を発揮することができる部材であれば特に限定されない。
本態様において、転写基材の疎水性領域上から機能性部形成用塗膜を転写により除去する際に用いられる被転写基材としては、上述した機能を発揮することができる部材であれば特に限定されない。
なお、被転写基材については、上記「1.第1態様 (5)被転写基材」の項に記載した内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
3.用途
本発明の機能性部材の製造方法は、例えば、薄膜トランジスタ用基板の製造方法として用いることができる。上記薄膜トランジスタ用基板の製造方法は、上述した機能性部が導電性を有する導電層であり、上記導電層が薄膜トランジスタの構成の一部であることを特徴とする製造方法である。
すなわち、本発明の薄膜トランジスタ用基板の製造方法は、表面が疎水性を示す疎水性領域と、表面が親水性を示す親水性領域とを有する転写基材を用い、上記転写基材の上記疎水性領域および上記親水性領域の全面に、導電性材料を含む導電層形成用塗工液を塗布する塗布工程と、上記塗布された導電層形成用塗工液を固化し、導電層形成用塗膜とする固化工程と、表面が、上記疎水性領域の濡れ性と上記親水性領域の濡れ性との中間の濡れ性を示す被転写基材を用い、上記導電層形成用塗膜と上記被転写基材の表面とを接触させ、上記転写基材の上記疎水性領域上の上記導電層形成用塗膜を上記被転写基材の表面に転写する転写工程とを有し、上記転写基材および上記被転写基材の少なくとも一方の表面上に、上記導電層形成用塗膜のパターンからなる導電層を有する薄膜トランジスタ用基板を形成することを特徴とする製造方法である。
本発明の機能性部材の製造方法は、例えば、薄膜トランジスタ用基板の製造方法として用いることができる。上記薄膜トランジスタ用基板の製造方法は、上述した機能性部が導電性を有する導電層であり、上記導電層が薄膜トランジスタの構成の一部であることを特徴とする製造方法である。
すなわち、本発明の薄膜トランジスタ用基板の製造方法は、表面が疎水性を示す疎水性領域と、表面が親水性を示す親水性領域とを有する転写基材を用い、上記転写基材の上記疎水性領域および上記親水性領域の全面に、導電性材料を含む導電層形成用塗工液を塗布する塗布工程と、上記塗布された導電層形成用塗工液を固化し、導電層形成用塗膜とする固化工程と、表面が、上記疎水性領域の濡れ性と上記親水性領域の濡れ性との中間の濡れ性を示す被転写基材を用い、上記導電層形成用塗膜と上記被転写基材の表面とを接触させ、上記転写基材の上記疎水性領域上の上記導電層形成用塗膜を上記被転写基材の表面に転写する転写工程とを有し、上記転写基材および上記被転写基材の少なくとも一方の表面上に、上記導電層形成用塗膜のパターンからなる導電層を有する薄膜トランジスタ用基板を形成することを特徴とする製造方法である。
本発明においては、導電性形成用塗工液を転写基材の疎水性領域および親水性領域の全面に塗布する塗布工程を行った後に、固化工程および転写工程を行い所望の導電層を形成するため、上記導電層の膜厚を各導電層の形状によらずに均一に形成することが可能になる。さらに、本発明は、親水性領域上に選択的に導電層形成用塗工液を塗布する従来の塗布工程とは異なり、疎水性領域および親水性領域の全面に導電層形成用塗工液を塗布し、その後、上記疎水性領域上に塗布された導電層形成用塗工液を転写して導電層を形成することができるため、上記導電層の断面を矩形に形成することができる。また、本発明においては、疎水性領域および親水性領域を有する転写基材を用いて導電層を形成する薄膜トランジスタ用基板の製造方法であることにより、高精細なパターニングが可能であり、かつ簡易的に薄膜トランジスタ用基板を形成することが可能になる。
なお、上記効果が得られる具体的な原理等については、上述した機能性部材の製造方法の効果と同様とすることができるため、ここでの記載は省略する。
なお、上記効果が得られる具体的な原理等については、上述した機能性部材の製造方法の効果と同様とすることができるため、ここでの記載は省略する。
ここで、上記「上記疎水性領域および上記親水性領域の全面に、導電性材料を含む導電層形成用塗工液を塗布する」とは、疎水性領域と親水性領域とが形成された転写基材上に導電層形成用塗工液を塗布し、上記疎水性領域および上記親水性領域に関わらず、上記導電層形成用塗工液から構成された連続した導電層形成用塗膜を形成することを指す。なお、上記「連続した導電層形成用塗膜」とは、上記疎水性領域上および上記親水性領域上に連なって形成された導電層形成用塗工液から構成される膜を指す。
以下、本発明により形成される薄膜トランジスタ用基板について具体的に説明する。
以下、本発明により形成される薄膜トランジスタ用基板について具体的に説明する。
本発明における薄膜トランジスタ用基板は、上記転写基材および上記被転写基材の少なくとも一方の表面上に、上記導電層形成用塗膜のパターンからなる導電層を有するものである。
上記導電層形成用塗膜とは、導電層形成用塗工液から構成されるものである。導電層形成用塗工液は、通常、導電層の材料である導電性材料と溶剤とを含有する。
導電性材料としては、例えば、Au、Cu、Ag、ITO、Pt等の金属粒子もしくは金属酸化物粒子、グラフェン、カーボンナノチューブ等の炭素材料、PEDOT/PSS等の導電性高分子材料などが挙げられる。
また、溶剤としては、例えば、水、アセトン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、プロピレングリコール1−モノメチルエーテル2−アセタート、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラリン、デカヒドロナフタレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等が挙げられる。
導電性材料としては、例えば、Au、Cu、Ag、ITO、Pt等の金属粒子もしくは金属酸化物粒子、グラフェン、カーボンナノチューブ等の炭素材料、PEDOT/PSS等の導電性高分子材料などが挙げられる。
また、溶剤としては、例えば、水、アセトン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、プロピレングリコール1−モノメチルエーテル2−アセタート、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラリン、デカヒドロナフタレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等が挙げられる。
B.機能性部材製造装置
以下、本発明の機能性部材製造装置について、第3態様および第4態様に分けて説明する。
以下、本発明の機能性部材製造装置について、第3態様および第4態様に分けて説明する。
1.第3態様
本態様の機能性部材製造装置は、機能性部を有する機能性部材を形成するために用いられるものであって、表面が疎水性を示す疎水性領域と、表面が親水性を示す親水性領域とを有する転写用ロールを支持するロール支持部と、上記転写用ロール表面の上記疎水性領域および上記親水性領域の全面に機能性部形成用塗工液を塗布することが可能な塗布部と、表面が、上記疎水性領域の濡れ性と上記親水性領域の濡れ性との中間の濡れ性を示す被転写基材を支持し、上記転写用ロール表面と上記被転写基材の表面とが接することが可能な位置に上記被転写基材を配置可能な被転写基材支持部と、上記ロール支持部、および上記被転写基材支持部の相対的な移動を可能とする駆動部と、上記転写用ロールと接触し、上記転写用ロールと接触する位置に配置され、上記転写用ロールと接触することにより、転写後の上記機能性部形成用塗工液を除去することが可能な洗浄用ロールとを有することを特徴とするものである。
本態様の機能性部材製造装置は、機能性部を有する機能性部材を形成するために用いられるものであって、表面が疎水性を示す疎水性領域と、表面が親水性を示す親水性領域とを有する転写用ロールを支持するロール支持部と、上記転写用ロール表面の上記疎水性領域および上記親水性領域の全面に機能性部形成用塗工液を塗布することが可能な塗布部と、表面が、上記疎水性領域の濡れ性と上記親水性領域の濡れ性との中間の濡れ性を示す被転写基材を支持し、上記転写用ロール表面と上記被転写基材の表面とが接することが可能な位置に上記被転写基材を配置可能な被転写基材支持部と、上記ロール支持部、および上記被転写基材支持部の相対的な移動を可能とする駆動部と、上記転写用ロールと接触し、上記転写用ロールと接触する位置に配置され、上記転写用ロールと接触することにより、転写後の上記機能性部形成用塗工液を除去することが可能な洗浄用ロールとを有することを特徴とするものである。
本態様の機能性部材製造装置について図を参照しながら説明する。
図7は、本態様の機能性部材製造装置の各構成の一例を示す概略図である。
本態様の機能性部材製造装置は、図7に示すように、表面が疎水性を示す疎水性領域3aと表面が親水性を示す親水性領域3bとが形成された転写用ロール11を支持するロール支持部Aを有する。また、コーターヘッド9から、上記転写用ロール11上に機能性部形成用塗工液4aを吐出させ、上記転写用ロール11の上記疎水性領域3aおよび親水性領域3bの全面に、機能性部形成用塗工液4aを塗布する塗布部Bを有する。さらに、表面が、上記疎水性領域3aの濡れ性と上記親水性領域3bの濡れ性との中間の濡れ性を示す被転写基材6を支持し、上記転写用ロール11表面と上記被転写基材6の表面とが接することが可能な位置に上記被転写基材6を配置可能な被転写基材支持部Cを有し、上記ロール支持部Aおよび上記被転写基材支持部Cの相対的な移動を可能とする駆動部(図示略)を有する。さらにまた、上記転写用ロール11と接触し、上記転写用ロール11と接触する位置に配置され、上記転写用ロール11と接触することにより、転写後の機能性部形成用塗工液4aを除去することが可能な洗浄用ロールDを有する。なお、図7において説明していない符号については、図2(a)〜(d)と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
図7は、本態様の機能性部材製造装置の各構成の一例を示す概略図である。
本態様の機能性部材製造装置は、図7に示すように、表面が疎水性を示す疎水性領域3aと表面が親水性を示す親水性領域3bとが形成された転写用ロール11を支持するロール支持部Aを有する。また、コーターヘッド9から、上記転写用ロール11上に機能性部形成用塗工液4aを吐出させ、上記転写用ロール11の上記疎水性領域3aおよび親水性領域3bの全面に、機能性部形成用塗工液4aを塗布する塗布部Bを有する。さらに、表面が、上記疎水性領域3aの濡れ性と上記親水性領域3bの濡れ性との中間の濡れ性を示す被転写基材6を支持し、上記転写用ロール11表面と上記被転写基材6の表面とが接することが可能な位置に上記被転写基材6を配置可能な被転写基材支持部Cを有し、上記ロール支持部Aおよび上記被転写基材支持部Cの相対的な移動を可能とする駆動部(図示略)を有する。さらにまた、上記転写用ロール11と接触し、上記転写用ロール11と接触する位置に配置され、上記転写用ロール11と接触することにより、転写後の機能性部形成用塗工液4aを除去することが可能な洗浄用ロールDを有する。なお、図7において説明していない符号については、図2(a)〜(d)と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
本態様においては、上述した第1態様の機能性部材の製造方法により機能性部を有する機能性部材を形成することが可能な機能性部材製造装置であるため、機能性部を均一な膜厚で形成することができ、さらには機能性部の断面が矩形になるように形成することができる。
また、本態様の機能性部材製造装置は洗浄用ロールを備えるため、転写用ロールの疎水性領域上に塗布された機能性部形成用塗工液を被転写基材に転写した後に、上記転写用ロールの親水性領域に塗布された機能性部形成用塗工液を除去して洗浄することができる。これにより、上記転写用ロールの再利用が可能になり、連続した機能性部材の製造や機能性部材の製造効率の向上、さらには製造コスト削減を図ることができる。
さらに、上記洗浄用ロールは、上記転写用ロールの親水性領域に塗布された機能性部形成用塗工液を回収することができるため、回収された機能性部形成用塗工液を再利用することが可能になる。
さらに、上記洗浄用ロールは、上記転写用ロールの親水性領域に塗布された機能性部形成用塗工液を回収することができるため、回収された機能性部形成用塗工液を再利用することが可能になる。
さらにまた、本発明は、上述した第1態様の機能性部材の製造方法により機能性部を有する機能性部材を形成することが可能な機能性部材製造装置であるため、高精細なパターニングが可能であり、かつ簡易的に機能性部材を形成することが可能になる。
以下、本態様の機能性部材製造装置の各構成について説明する。
(1)ロール支持部
本態様におけるロール支持部は、表面が疎水性を示す疎水性領域と、表面が親水性を示す親水性領域とを有する転写用ロールを支持するものである。
本態様におけるロール支持部は、表面が疎水性を示す疎水性領域と、表面が親水性を示す親水性領域とを有する転写用ロールを支持するものである。
上記ロール支持部におけるロールの支持手段としては、通常のロール支持手段を用いることができ、特に限定されるものではない。
また、本態様において支持される転写用ロールとしては、疎水性領域と親水性領域とを有するものであれば特に限定されるものではない。なお、上記転写用ロールについては、上記「A.機能性部材の製造方法 1.第1態様 (1)転写基材」の項に記載のロール状の転写基材と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
(2)塗布部
本態様における塗布部は、上記転写用ロール表面の上記疎水性領域および上記親水性領域の全面に機能性部形成用塗工液を塗布することが可能なものである。
本態様における塗布部は、上記転写用ロール表面の上記疎水性領域および上記親水性領域の全面に機能性部形成用塗工液を塗布することが可能なものである。
本態様における塗布部としては、上記転写用ロールにおける疎水性領域上および親水性領域上の全面に機能性部形成用塗工液を塗布することができれば特に限定されるものではない。例えば、転写用ロール上にコーターヘッドが配置された構成が挙げられる。具体的には、図7に示すように、コーターヘッド9から機能性部形成用塗工液4を吐出させつつ上述した転写用ロール11を回転させて、機能性部形成用塗工液4を転写用ロール11における疎水性領域3a上および親水性領域3b上に塗布することができる構成が挙げられる。
なお、本構成において用いられる機能性部形成用塗工液や具体的な塗布方法については、上記「A.機能性部材の製造方法 1.第1態様 (2)塗布工程」の項に記載した機能性部形成用塗工液と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
(3)被転写基材支持部
本態様における被転写基材支持部は、表面が、上記疎水性領域の濡れ性と上記親水性領域の濡れ性との中間の濡れ性を示す被転写基材を支持し、上記転写用ロール表面と上記被転写基材の表面とが接することが可能な位置に上記被転写基材を配置可能なものである。
本態様における被転写基材支持部は、表面が、上記疎水性領域の濡れ性と上記親水性領域の濡れ性との中間の濡れ性を示す被転写基材を支持し、上記転写用ロール表面と上記被転写基材の表面とが接することが可能な位置に上記被転写基材を配置可能なものである。
本態様における被転写基材支持部において、被転写基材を相対移動させる際の速度や被転写基材と転写用ロールとの接触面における圧力については、使用される機能性部形成用塗工液の種類等に応じて適宜調整されるものである。
なお、本態様において用いられる被転写基材や具体的な転写方法については、「A.機能性部材の製造方法 1.第1態様 (4)転写工程」および「A.機能性部材の製造方法 1.第1態様 (5)被転写基材」の項に記載した転写工程および被転写基材と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
(4)駆動部
本態様における駆動部は、上記ロール支持部、および上記被転写基材支持部の相対的な移動を可能とするものである。
本態様における駆動部は、上記ロール支持部、および上記被転写基材支持部の相対的な移動を可能とするものである。
本態様における駆動部としては、例えば、図8(a)に示すように、上記ロール支持部Aおよび上記被転写基材支持部Cを相対的に移動させ、転写用ロール11表面と被転写基材6表面とを接触させ、上記転写用ロール11の疎水性領域に塗布された機能性部形成用塗工液4aを上記被転写基材6表面に転写させることができるものである。なお、駆動部の駆動速度等については、転写用ロールおよび被転写基材の種類や機能性部形成用塗工液の種類等に応じて適宜調整される。また、図8(a)において説明していない符号については、図1(a)〜(d)および図7における符号と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
(5)洗浄用ロール
本態様における洗浄用ロールは、上記転写用ロールと接触し、上記転写用ロールと接触する位置に配置され、上記転写用ロールと接触することにより、転写後の機能性部形成用塗工液を除去することが可能なものである。
本態様における洗浄用ロールは、上記転写用ロールと接触し、上記転写用ロールと接触する位置に配置され、上記転写用ロールと接触することにより、転写後の機能性部形成用塗工液を除去することが可能なものである。
本態様における洗浄用ロールとしては、上記転写用ロールの上記親水性領域に塗布された上記機能性部形成用塗工液を洗浄することができるものであれば特に限定されるものではない。例えば、図7および図8(b)に示すように、ロールRと、上記ロールRにより巻き出しおよび巻き取りが行われる洗浄シートSとを備えた構成が挙げられる。なお、図8(b)において説明していない符号については、図1(a)〜(d)および図7における符号と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
以下、洗浄用ロールに用いられる洗浄シートおよびロールについて説明する。
以下、洗浄用ロールに用いられる洗浄シートおよびロールについて説明する。
(a)洗浄シート
上記洗浄シートは、図8(b)に示すように、転写用ロール11における親水性領域に塗布された機能性部形成用塗工液4aを転写により剥離し、洗浄することができるものである。このような上記洗浄シートとしては、転写用ロールにおける親水性領域に塗布された機能性部形成用塗工液と接触する面が、上記親水性領域の濡れ性、すなわち、上記親水性領域の表面エネルギーよりも高い表面エネルギーを有するものである洗浄シートや、また上記親水性領域上から機能性部形成用塗工液を除去することができる程度の粘着力を有する洗浄シート等が挙げられる。
上記洗浄シートは、図8(b)に示すように、転写用ロール11における親水性領域に塗布された機能性部形成用塗工液4aを転写により剥離し、洗浄することができるものである。このような上記洗浄シートとしては、転写用ロールにおける親水性領域に塗布された機能性部形成用塗工液と接触する面が、上記親水性領域の濡れ性、すなわち、上記親水性領域の表面エネルギーよりも高い表面エネルギーを有するものである洗浄シートや、また上記親水性領域上から機能性部形成用塗工液を除去することができる程度の粘着力を有する洗浄シート等が挙げられる。
また、洗浄用ロールに用いられる洗浄シートは、図9(a)に示すように、粘着層13の単層から構成されていてもよく、または図9(b)に示すように、基材1’’および粘着層13の2層から構成されていてもよい。なお、図9(a)、(b)は、図8(b)に示す領域fを拡大した拡大図であり、本態様における洗浄用ロールに用いられる洗浄シートを説明する説明図である。
上記粘着層としては、少なくとも粘着剤を含有するものであれば特に限定されるものではない。具体的な粘着剤としては、例えば、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、アルファ−シアノアクリレート系粘着剤、マレイミド系粘着剤、スチロール系粘着剤、ポリオレフィン系粘着剤、レゾルシノール系粘着剤、ポリビニルエーテル系粘着剤が挙げられる。
また、上記粘着層の厚みとしては、本態様における洗浄用ロールに用いることができる程度の厚みであれば特に限定されるものではなく、粘着層に含有される粘着剤の種類等に応じて適宜調整される。
さらに、上記粘着層としては、弾性を有するものであってもよく、あるいは弾性を有さないものであってもよいが、中でも弾性を有するものであることが好ましい。粘着層が弾性を有することにより、転写用ロールにおける疎水性領域および親水性領域の表面に段差がある場合、すなわち図3に示すように、親水性層2b上にパターン上の疎水性層2aが形成されている場合に、転写用ロールに粘着層を十分に密着させることができ、転写用ロールにおける親水性領域上の機能性部形成用塗工液を効果的に除去して洗浄することができる。
さらにまた、上記粘着層の下地として基材を有する場合、上記基材としては、上記基材上に粘着層を形成することができるものであれば特に限定されるものではなく、有機材料からなるものであってもよく、無機材料からなるものであってもよい。有機材料としては、例えば、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリプロピレン共重合体、ポリエチレン、テフロン(登録商標)やエチレン−テトラフロオロエチレン共重合体等のフッ素樹脂、ポリカーボネート、アセタール樹脂、ポリサルフォン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、ポリメタクリル酸メチルなどのアクリル樹脂、ポリウレタン、ポリエステル、ポリイミド、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、コラーゲン、エラスチン、セルロース等の天然または合成の樹脂材料を挙げることができる。
また、無機材料としては、例えば、ガラス、シリコーンゴム、種々の金属等を挙げることができる。
また、無機材料としては、例えば、ガラス、シリコーンゴム、種々の金属等を挙げることができる。
上記基材の厚みとしては、本態様における洗浄用ロールに用いることができる程度の厚みであれば特に限定されるものではなく、上記基材の材料等に応じて適宜調整される。
(b)ロール
上記ロールは、上述した洗浄シートの巻き出しおよび巻き取りを行うことができるものであれば特に限定されるものではない。
上記ロールは、上述した洗浄シートの巻き出しおよび巻き取りを行うことができるものであれば特に限定されるものではない。
上記ロールの材料としては、上記洗浄シートの巻き出しおよび巻き取りを行うことができるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、樹脂、セラミック、金属からなるもの等を挙げることができる。
(6)その他
本態様における機能性部材製造装置としては、上述したロール支持部、塗布部、被転写部材支持部、駆動部、および洗浄用ロールを有するものであれば特に限定されるものではないが、その他の構成として、転写用ロールの全面に機能性部形成用塗工液を塗布した後に、上記機能性部形成用塗工液を固化して機能性部形成用塗膜とする固化部を有していてもよい。
本態様における機能性部材製造装置としては、上述したロール支持部、塗布部、被転写部材支持部、駆動部、および洗浄用ロールを有するものであれば特に限定されるものではないが、その他の構成として、転写用ロールの全面に機能性部形成用塗工液を塗布した後に、上記機能性部形成用塗工液を固化して機能性部形成用塗膜とする固化部を有していてもよい。
本態様における固化部としては、例えば、上記機能性部形成用塗工液を加熱や送風により生乾きの状態まで固化させることが可能な構成や、上記機能性部形成用塗工液を光照射や加熱により半硬化させることが可能な構成のもの等が挙げられる。なお、上記「生乾き」および「半硬化」については、上記「A.機能性部材の製造方法 1.第1態様 (3)固化工程」の項において定義した内容と同様であるため、ここでの説明は省略する。
上記固化部が加熱により固化させる構成である場合には、機能性部形成用塗工液が塗布された転写用ロールの表面に光照射等を行い、上記転写用ロールを外部から加熱して機能性部形成用塗工液を固化させてもよい。また、機能性部形成用塗工液が塗布された転写用ロールの中心部に加熱装置を設置して、上記転写用ロールを内部から加熱して機能性部形成用塗工液を固化させてもよい。
また、機能性部形成用塗工液を固化させる構成が、送風により固化させる構成である場合には、機能性部形成用塗工液が塗布された転写用ロールの表面に風があたるように、送風部材を設置して機能性部形成用塗工液を固化させてもよい。
また、機能性部形成用塗工液を固化させる構成が、送風により固化させる構成である場合には、機能性部形成用塗工液が塗布された転写用ロールの表面に風があたるように、送風部材を設置して機能性部形成用塗工液を固化させてもよい。
(7)機能性部材製造装置
本態様の機能性部材製造装置としては、上述したロール支持部、塗布部、被転写部材支持部、駆動部、および洗浄用ロールを有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば、図7に示すように、上記各構成が相対的に移動することにより、連続して機能性部材を形成することができるような配置で設計されていることが好ましい。
本態様の機能性部材製造装置としては、上述したロール支持部、塗布部、被転写部材支持部、駆動部、および洗浄用ロールを有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば、図7に示すように、上記各構成が相対的に移動することにより、連続して機能性部材を形成することができるような配置で設計されていることが好ましい。
(8)用途
本態様の機能性部材製造装置は、例えば、薄膜トランジスタ用基板製造装置として用いることができる。上記薄膜トランジスタ用基板製造装置は、上述した機能性部が、導電性を有する導電層であり、上記導電層が、薄膜トランジスタの構成の一部であることを特徴とする製造装置である。
すなわち、本態様における薄膜トランジスタ用基板製造装置は、表面が疎水性を示す疎水性領域と、表面が親水性を示す親水性領域とを有する転写用ロールを支持するロール支持部と、上記転写用ロール表面の上記疎水性領域および上記親水性領域の全面に、導電性材料を含む導電層形成用塗工液を塗布することが可能な塗布部と、表面が、上記疎水性領域の濡れ性と上記親水性領域の濡れ性との中間の濡れ性を示す被転写基材を支持し、上記転写用ロール表面と上記被転写基材の表面とが接することが可能な位置に上記被転写基材を配置可能な被転写基材支持部と、上記ロール支持部、および上記被転写基材支持部の相対的な移動を可能とする駆動部と、上記転写用ロールと接触し、上記転写用ロールと接触する位置に配置され、上記転写用ロールと接触することにより、転写後の上記導電層形成用塗工液を除去することが可能な洗浄用ロールと、を有することを特徴とするものである。
本態様の機能性部材製造装置は、例えば、薄膜トランジスタ用基板製造装置として用いることができる。上記薄膜トランジスタ用基板製造装置は、上述した機能性部が、導電性を有する導電層であり、上記導電層が、薄膜トランジスタの構成の一部であることを特徴とする製造装置である。
すなわち、本態様における薄膜トランジスタ用基板製造装置は、表面が疎水性を示す疎水性領域と、表面が親水性を示す親水性領域とを有する転写用ロールを支持するロール支持部と、上記転写用ロール表面の上記疎水性領域および上記親水性領域の全面に、導電性材料を含む導電層形成用塗工液を塗布することが可能な塗布部と、表面が、上記疎水性領域の濡れ性と上記親水性領域の濡れ性との中間の濡れ性を示す被転写基材を支持し、上記転写用ロール表面と上記被転写基材の表面とが接することが可能な位置に上記被転写基材を配置可能な被転写基材支持部と、上記ロール支持部、および上記被転写基材支持部の相対的な移動を可能とする駆動部と、上記転写用ロールと接触し、上記転写用ロールと接触する位置に配置され、上記転写用ロールと接触することにより、転写後の上記導電層形成用塗工液を除去することが可能な洗浄用ロールと、を有することを特徴とするものである。
本態様においては、上述した薄膜トランジスタ用基板の製造方法により導電層を形成することが可能な薄膜トランジスタ用基板製造装置であるため、導電層を均一な膜厚で形成することができ、さらには導電層の断面が矩形になるように形成することができる。また、本発明においては、洗浄用ロールを備えるため、転写用ロールの疎水性領域上に塗布された導電層形成用塗工液を被転写基材に転写した後に、上記転写用ロールの親水性領域に塗布された導電層形成用塗工液を除去して洗浄することができる。これにより、上記転写用ロールの再利用が可能になり、連続した導電層の形成や導電層の形成効率の向上、さらには製造コストの削減を図ることができる。さらに、高精細なパターニングが可能であり、かつ簡易的に薄膜トランジスタ用基板を形成することが可能になる。
なお、本態様の薄膜トランジスタ用基板製造装置を用いて形成される薄膜トランジスタ用基板については、上記「A.機能性部材の製造方法 3.用途」の項で記載したものと同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
2.第4態様
本態様の機能性部材製造装置は、機能性部を有する機能性部材を形成するために用いられるものであって、表面が疎水性を示す疎水性領域と、表面が親水性を示す親水性領域とを有する転写基材を支持する転写基材支持部と、上記転写基材表面の上記疎水性領域および上記親水性領域の全面に機能性部形成用塗工液を塗布することが可能な塗布部と、表面が、上記疎水性領域の濡れ性と上記親水性領域の濡れ性との中間の濡れ性を示す被転写ロールを支持し、上記転写基材表面と上記被転写ロール表面とが接することが可能な位置に上記被転写ロールを配置可能な被転写ロール支持部と、上記転写基材支持部、および上記被転写ロール支持部の相対的な移動を可能とする駆動部とを有することを特徴とするものである。
本態様の機能性部材製造装置は、機能性部を有する機能性部材を形成するために用いられるものであって、表面が疎水性を示す疎水性領域と、表面が親水性を示す親水性領域とを有する転写基材を支持する転写基材支持部と、上記転写基材表面の上記疎水性領域および上記親水性領域の全面に機能性部形成用塗工液を塗布することが可能な塗布部と、表面が、上記疎水性領域の濡れ性と上記親水性領域の濡れ性との中間の濡れ性を示す被転写ロールを支持し、上記転写基材表面と上記被転写ロール表面とが接することが可能な位置に上記被転写ロールを配置可能な被転写ロール支持部と、上記転写基材支持部、および上記被転写ロール支持部の相対的な移動を可能とする駆動部とを有することを特徴とするものである。
本態様の機能性部材製造装置について図を参照しながら説明する。図10は、本態様の機能性部材製造装置の各構成の他の例を示す概略図である。
本態様の機能性部材製造装置は、図10に示すように、表面が疎水性を示す疎水性領域と表面が親水性を示す親水性領域とが形成された転写基材1を支持する転写基材支持部Eを有する。また、コーターヘッド9から機能性部形成用塗工液4aを吐出させ、上記転写基材の上記疎水性領域および上記親水性領域の全面に機能性部形成用塗工液4aを塗布する塗布部Bを有する。さらに、表面が、上記疎水性領域の濡れ性と上記親水性領域の濡れ性との中間の濡れ性を示す被転写ロール14を支持し、上記転写基材表面と上記被転写ロール14表面とが接することが可能な位置に上記被転写ロール14を配置可能な被転写ロール支持部Fと、上記転写基材支持部E、および上記被転写ロール支持部Fの相対的な移動を可能とする駆動部(図示略)とを有する。このような構成を有することにより、所望の機能性部を有する機能性部材を得ることができる。なお、図10において説明していない符号については、図5(a)〜(d)と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
本態様の機能性部材製造装置は、図10に示すように、表面が疎水性を示す疎水性領域と表面が親水性を示す親水性領域とが形成された転写基材1を支持する転写基材支持部Eを有する。また、コーターヘッド9から機能性部形成用塗工液4aを吐出させ、上記転写基材の上記疎水性領域および上記親水性領域の全面に機能性部形成用塗工液4aを塗布する塗布部Bを有する。さらに、表面が、上記疎水性領域の濡れ性と上記親水性領域の濡れ性との中間の濡れ性を示す被転写ロール14を支持し、上記転写基材表面と上記被転写ロール14表面とが接することが可能な位置に上記被転写ロール14を配置可能な被転写ロール支持部Fと、上記転写基材支持部E、および上記被転写ロール支持部Fの相対的な移動を可能とする駆動部(図示略)とを有する。このような構成を有することにより、所望の機能性部を有する機能性部材を得ることができる。なお、図10において説明していない符号については、図5(a)〜(d)と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
本発明においては、上述した機能性部材の製造方法により機能性部材を形成することが可能な機能性部材製造装置であるため、また、機能性部を均一な膜厚で形成することができ、さらには機能性部の断面が矩形になるように形成することができる。
また、本発明においては、被転写ロールおよび駆動部を備えるため、転写基材の疎水性領域上に塗布された機能性部形成用塗工液を被転写ロール表面に転写して回収することが可能になる。これにより、転写基材に直接機能性部を形成することができるとともに、少ない工程数で機能性部材を効率的に製造することができる。
さらに、上記被転写ロールは、上記転写基材の疎水性領域に塗布された機能性部形成用塗工液を回収することができるため、回収された機能性部形成用塗工液を再利用することができ、コスト削減を図ることができる。
さらに、上記被転写ロールは、上記転写基材の疎水性領域に塗布された機能性部形成用塗工液を回収することができるため、回収された機能性部形成用塗工液を再利用することができ、コスト削減を図ることができる。
さらにまた、本発明においては、上述した第2態様の機能性部材の製造方法により機能性部を有する機能性部材を形成することが可能な機能性部材製造装置であるため、高精細なパターニングが可能であり、かつ簡易的に機能性部材を形成することが可能になる。
以下、本態様の機能性部材製造装置の各構成について説明する。
(1)転写基材支持部
本態様における転写基材支持部は、表面が疎水性を示す疎水性領域と、表面が親水性を示す親水性領域とを有する転写基材を支持するものである。
本態様における転写基材支持部は、表面が疎水性を示す疎水性領域と、表面が親水性を示す親水性領域とを有する転写基材を支持するものである。
上記転写基材支持部における転写基材の支持手段としては、通常の転写基材支持手段を用いることができ、特に限定されるものではない。
なお、本態様における転写基材支持部により支持される転写基材については、上記「A.機能性部材の製造方法 2.第2態様 (1)転写基材」の項に記載した内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
(2)塗布部
本態様における塗布部は、上記転写基材表面の上記疎水性領域および上記親水性領域の全面に機能性部形成用塗工液を塗布することが可能なものである。
本態様における塗布部は、上記転写基材表面の上記疎水性領域および上記親水性領域の全面に機能性部形成用塗工液を塗布することが可能なものである。
本態様における塗布部としては、上記転写基材における疎水性領域上および親水性領域上の全面に機能性部形成用塗工液を塗布することができれば特に限定されるものではない。例えば、転写基材上にコーターヘッドが配置された構成が挙げられる。具体的には、図10に示すように、コーターヘッド9から機能性部形成用塗工液4aを吐出させつつ上述したコーターヘッド9を移動させて、機能性部形成用塗工液4aを転写基材における疎水性領域および親水性領域の全面に塗布することができる構成のものが挙げられる。
なお、本構成において用いられる機能性部形成用塗工液や具体的な塗布方法については、上記「A.機能性部材の製造方法 2.第2態様 (2)塗布工程」の項に記載した機能性部形成用塗工液と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
(3)被転写ロール支持部
本態様における回収部は、表面が、上記疎水性領域の濡れ性と上記親水性領域の濡れ性との中間の濡れ性を示す被転写ロールを支持し、上記転写基材表面と上記被転写ロール表面とが接することが可能な位置に上記被転写ロールを配置可能なものである。
本態様における回収部は、表面が、上記疎水性領域の濡れ性と上記親水性領域の濡れ性との中間の濡れ性を示す被転写ロールを支持し、上記転写基材表面と上記被転写ロール表面とが接することが可能な位置に上記被転写ロールを配置可能なものである。
上記被転写ロール支持部により支持される被転写ロールとしては、上記転写基材の上記疎水性領域から機能性部形成用塗工液を転写して回収することができるものであれば特に限定されるものではない。例えば、図10に示すように、ロールRと、上記ロールRにより巻き出しおよび巻き取りが行われる被転写シートPとを備えた構成が挙げられる。
上記被転写シートは、転写基材における疎水性領域に塗布された機能性部形成用塗工液を転写により剥離し、回収することができるものであれば特に限定されるものではない。このような上記被転写シートとしては、転写基材における疎水性領域に塗布された機能性部形成用塗工液と接触する面が、上記疎水性領域の濡れ性、すなわち上記疎水性領域の表面エネルギーよりも高く、かつ上記親水性領域の表面エネルギーよりも低い表面エネルギーを有するものである被転写シートや、また上記疎水性領域上から機能性部形成用塗工液を除去することができる程度の粘着力を有する被転写シート等が挙げられる。
なお、具体的な被転写シートについては、「A.機能性部材の製造方法 2.第2態様 (5)粘着基材」の項に記載した内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
(4)駆動部
本態様における駆動部は、上記転写基材支持部、および上記被転写ロール支持部の相対的な移動を可能とするものである。
本態様における駆動部は、上記転写基材支持部、および上記被転写ロール支持部の相対的な移動を可能とするものである。
本態様における駆動部としては、図11に示すように、上記転写基材支持部Eおよび上記被転写ロール支持部Fを相対的に移動させ、転写基材表面と被転写ロール14表面とを接触させ、上記転写基材の疎水性領域に塗布された機能性部形成用塗工液4aを上記被転写ロール14表面に転写させることができるものであれば特に限定されるものではない。なお、駆動部の駆動速度等については、転写基材および被転写ロールの種類や機能性部形成用塗工液の種類等に応じて適宜調整される。また、図11において説明していない符号については、図5(a)〜(d)および図10における符号と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
(5)その他
本態様における機能性部材製造装置としては、上述した転写基材支持部、塗布部、被転写ロール支持部および駆動部を有するものであれば特に限定されるものではないが、その他の構成として、転写基材の全面に機能性部形成用塗工液を塗布した後に、上記機能性部形成用塗工液を固化して機能性部形成用塗膜とする固化部を有していてもよい。
本態様における機能性部材製造装置としては、上述した転写基材支持部、塗布部、被転写ロール支持部および駆動部を有するものであれば特に限定されるものではないが、その他の構成として、転写基材の全面に機能性部形成用塗工液を塗布した後に、上記機能性部形成用塗工液を固化して機能性部形成用塗膜とする固化部を有していてもよい。
なお、転写基材の全面に塗布された機能性部形成用塗工液を固化させる具体的な方法等については、上記「B.機能性部材製造装置 1.第3態様 (6)その他」の項に記載した内容と同様とすることができるため、ここでの記載は省略する。
(6)機能性部材製造装置
本態様の機能性部材製造装置としては、上述した転写基材支持部、塗布部、被転写ロール支持部および駆動部を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば、図10に示すように、上記各構成が相対的に移動することにより、連続して機能性部材を形成することができるような配置で設計されていることが好ましい。
本態様の機能性部材製造装置としては、上述した転写基材支持部、塗布部、被転写ロール支持部および駆動部を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば、図10に示すように、上記各構成が相対的に移動することにより、連続して機能性部材を形成することができるような配置で設計されていることが好ましい。
(7)用途
本態様の機能性部材製造装置は、例えば、薄膜トランジスタ用基板製造装置として用いることができる。上記薄膜トランジスタ用基板製造装置は、上述した機能性部が、導電性を有する導電層であり、上記導電層が、薄膜トランジスタの構成の一部であることを特徴とする製造装置である。
すなわち、本態様における薄膜トランジスタ用基板製造装置は、表面が疎水性を示す疎水性領域と、表面が親水性を示す親水性領域とを有する転写基材を支持する転写基材支持部と、上記転写基材表面の上記疎水性領域および上記親水性領域の全面に、導電性材料を含む導電層形成用塗工液を塗布することが可能な塗布部と、表面が、上記疎水性領域の濡れ性と上記親水性領域の濡れ性との中間の濡れ性を示す被転写ロールを支持し、上記転写基材表面と上記被転写ロール表面とが接することが可能な位置に上記被転写ロールを配置可能な被転写ロール支持部と、上記転写基材支持部、および上記被転写ロール支持部の相対的な移動を可能とする駆動部と、を有することを特徴とするものである。
本態様の機能性部材製造装置は、例えば、薄膜トランジスタ用基板製造装置として用いることができる。上記薄膜トランジスタ用基板製造装置は、上述した機能性部が、導電性を有する導電層であり、上記導電層が、薄膜トランジスタの構成の一部であることを特徴とする製造装置である。
すなわち、本態様における薄膜トランジスタ用基板製造装置は、表面が疎水性を示す疎水性領域と、表面が親水性を示す親水性領域とを有する転写基材を支持する転写基材支持部と、上記転写基材表面の上記疎水性領域および上記親水性領域の全面に、導電性材料を含む導電層形成用塗工液を塗布することが可能な塗布部と、表面が、上記疎水性領域の濡れ性と上記親水性領域の濡れ性との中間の濡れ性を示す被転写ロールを支持し、上記転写基材表面と上記被転写ロール表面とが接することが可能な位置に上記被転写ロールを配置可能な被転写ロール支持部と、上記転写基材支持部、および上記被転写ロール支持部の相対的な移動を可能とする駆動部と、を有することを特徴とするものである。
本態様においては、上述した薄膜トランジスタ用基板の製造方法により導電層を形成することが可能な薄膜トランジスタ用基板製造装置であるため、導電層を均一な膜厚で形成することができ、さらには導電層の断面が矩形になるように形成することができる。また、本発明においては、被転写ロールを配置することができるため、転写基材の疎水性領域上に塗布された導電層形成用塗工液を被転写用ロールに転写して回収することが可能になる。これにより、転写基材に直接導電層を形成することができるとともに、少ない工程数で導電層の効率的に形成することができる。さらに、高精細なパターニングが可能であり、かつ簡易的に薄膜トランジスタ用基板を形成することが可能になる。
なお、本態様の薄膜トランジスタ用基板製造装置を用いて形成される薄膜トランジスタ用基板については、上記「A.機能性部材の製造方法 3.用途」の項で記載したものと同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下に実施例を示し、本発明をさらに詳細に説明する。
[実施例1]
(転写基材の作製)
PENフィルム(帝人デュポンフィルム社 Q65FA)表面に真空紫外光(ウシオ電機社 UER−200−172)を照射し、表面を洗浄した。その後、上記PENフィルム上に、ポリジメチルシロキサン(信越ポリマー社 KE106)を、バーコータ(小林製作所 M50)を用いて塗布し、150℃に熱したオーブン(ヤマト科学社 DES82)で1時間焼成することにより、上記ポリジメチルシロキサンからなるPDMS薄膜を固定化した。このとき、PDMS薄膜の厚みは、14±1μmであった。なお、PDMS薄膜の厚みは、小坂研究所 サーフコーダー SE−4000により測定した。
次に、上記PDSM薄膜表面に、石英およびクロムからなるフォトマスク(ミタニマイクロニクス社)を配置し、上記フォトマスクを介して真空紫外光を照射することにより、真空紫外光が照射されたPDSM薄膜表面を親水化した。これにより、未処理のPDSM薄膜表面を疎水性領域とし、親水化処理されたPDSM薄膜表面を親水性領域とする転写基材を作製した。なお、上記疎水性領域は、25℃の純水との接触角が105±3°であり、上記親水性領域は、25℃の純水との接触角が13±2°であった。上記接触角の測定には、協和界面科学 DM−901を用いた。
(転写基材の作製)
PENフィルム(帝人デュポンフィルム社 Q65FA)表面に真空紫外光(ウシオ電機社 UER−200−172)を照射し、表面を洗浄した。その後、上記PENフィルム上に、ポリジメチルシロキサン(信越ポリマー社 KE106)を、バーコータ(小林製作所 M50)を用いて塗布し、150℃に熱したオーブン(ヤマト科学社 DES82)で1時間焼成することにより、上記ポリジメチルシロキサンからなるPDMS薄膜を固定化した。このとき、PDMS薄膜の厚みは、14±1μmであった。なお、PDMS薄膜の厚みは、小坂研究所 サーフコーダー SE−4000により測定した。
次に、上記PDSM薄膜表面に、石英およびクロムからなるフォトマスク(ミタニマイクロニクス社)を配置し、上記フォトマスクを介して真空紫外光を照射することにより、真空紫外光が照射されたPDSM薄膜表面を親水化した。これにより、未処理のPDSM薄膜表面を疎水性領域とし、親水化処理されたPDSM薄膜表面を親水性領域とする転写基材を作製した。なお、上記疎水性領域は、25℃の純水との接触角が105±3°であり、上記親水性領域は、25℃の純水との接触角が13±2°であった。上記接触角の測定には、協和界面科学 DM−901を用いた。
(塗布工程)
上記転写基材表面に、機能性部形成用塗工液として、粘度50Pa・sのAgペースト(太陽ホールディングス社)を、バーコータ(小林製作所 M50)を用いて塗布した。これにより、転写基材表面の疎水性領域および親水性領域上に、均一な膜厚の機能性部形成用塗膜を形成した。
上記転写基材表面に、機能性部形成用塗工液として、粘度50Pa・sのAgペースト(太陽ホールディングス社)を、バーコータ(小林製作所 M50)を用いて塗布した。これにより、転写基材表面の疎水性領域および親水性領域上に、均一な膜厚の機能性部形成用塗膜を形成した。
(固化工程)
上記機能性部形成用塗膜が形成された転写基材を、23℃の室内で2分間自然乾燥させた。これにより、機能性部形成用塗工液中に含まれる溶媒を98%揮発させ、機能性部形成用塗膜を生乾きの状態にした。
上記機能性部形成用塗膜が形成された転写基材を、23℃の室内で2分間自然乾燥させた。これにより、機能性部形成用塗工液中に含まれる溶媒を98%揮発させ、機能性部形成用塗膜を生乾きの状態にした。
(転写工程)
生乾きの状態に固化された上記機能性部形成用塗膜表面に、被転写基材であるガラス基板を押し当て、その後、上記ガラス基板を剥離することにより、疎水性領域上に形成された機能性部形成用塗膜をガラス基板表面に転写した。これにより、ガラス基板表面に、疎水性領域と同様のパターン形状を有する機能性部を形成した。このとき、機能性部の最小線幅は10μmであった。なお、上記最小線幅は、顕微鏡(Olympus社 SZX16)を用いて観察した。
生乾きの状態に固化された上記機能性部形成用塗膜表面に、被転写基材であるガラス基板を押し当て、その後、上記ガラス基板を剥離することにより、疎水性領域上に形成された機能性部形成用塗膜をガラス基板表面に転写した。これにより、ガラス基板表面に、疎水性領域と同様のパターン形状を有する機能性部を形成した。このとき、機能性部の最小線幅は10μmであった。なお、上記最小線幅は、顕微鏡(Olympus社 SZX16)を用いて観察した。
(硬化工程)
上記機能性部が形成されたガラス基板を、150℃に熱したオーブンで1時間焼成し、硬化した。このとき、機能性部の厚みは2±0.4μmであり、抵抗値は5×10−5Ω・cmであった。
上記機能性部が形成されたガラス基板を、150℃に熱したオーブンで1時間焼成し、硬化した。このとき、機能性部の厚みは2±0.4μmであり、抵抗値は5×10−5Ω・cmであった。
[実施例2]
(転写基材の作製)
ガラス基板上に表面に、プロピレングリコール1−モノメチルエーテル2−アセタート(関東化学社 鹿特級)に濃度5wt%のスチレンポリマー(和光純薬工業社)を溶解させた溶液を、スピンコーター(ミカサ社 MS−A100)を用いて塗布した。その後、120℃に熱したホットプレート(アズワン社 ND−1)上で加熱することにより、ガラス基板上にポリスチレン薄膜を形成した。このとき、ポリスチレン薄膜表面は、25℃の純水との接触角が85±2°であった。上記接触角の測定には、協和界面科学 DM−901を用いた。
次に、上記ポリスチレン薄膜表面に、メタルマスク(ミタニマイクロニクス社)を配置し、上記メタルマスクを介してUVオゾン(Filgen UV253)処理を行うことにより、UVオゾン処理されたポリスチレン薄膜表面を親水化した。これにより、未処理のポリスチレン薄膜表面を疎水性領域とし、親水化処理されたポリスチレン薄膜表面を親水性領域とする転写基材を作製した。なお、上記疎水性領域は、25℃の純水との接触角が85±2°であり、上記親水性領域は、25℃の純水との接触角が27±3°であった。
(転写基材の作製)
ガラス基板上に表面に、プロピレングリコール1−モノメチルエーテル2−アセタート(関東化学社 鹿特級)に濃度5wt%のスチレンポリマー(和光純薬工業社)を溶解させた溶液を、スピンコーター(ミカサ社 MS−A100)を用いて塗布した。その後、120℃に熱したホットプレート(アズワン社 ND−1)上で加熱することにより、ガラス基板上にポリスチレン薄膜を形成した。このとき、ポリスチレン薄膜表面は、25℃の純水との接触角が85±2°であった。上記接触角の測定には、協和界面科学 DM−901を用いた。
次に、上記ポリスチレン薄膜表面に、メタルマスク(ミタニマイクロニクス社)を配置し、上記メタルマスクを介してUVオゾン(Filgen UV253)処理を行うことにより、UVオゾン処理されたポリスチレン薄膜表面を親水化した。これにより、未処理のポリスチレン薄膜表面を疎水性領域とし、親水化処理されたポリスチレン薄膜表面を親水性領域とする転写基材を作製した。なお、上記疎水性領域は、25℃の純水との接触角が85±2°であり、上記親水性領域は、25℃の純水との接触角が27±3°であった。
(被転写基材の作製)
PENフィルム(帝人デュポンフィルム社 Q65FA)表面に真空紫外光(ウシオ電機社 UER−200−172)を照射し、表面を洗浄した。その後、上記PENフィルム上に、ポリジメチルシロキサン(信越ポリマー社 KE106)を、バーコータ(小林製作所 M50)を用いて塗布し、150℃に熱したオーブン(ヤマト科学社 DES82)で1時間焼成することにより、上記ポリジメチルシロキサンからなるPDMS薄膜を固定化した。
次に、上記PDSM薄膜表面を、UVオゾン処理することにより改質し、被転写基材を作製した。このとき、PDSM薄膜表面は、25℃の純水との接触角が50±2°であった。
PENフィルム(帝人デュポンフィルム社 Q65FA)表面に真空紫外光(ウシオ電機社 UER−200−172)を照射し、表面を洗浄した。その後、上記PENフィルム上に、ポリジメチルシロキサン(信越ポリマー社 KE106)を、バーコータ(小林製作所 M50)を用いて塗布し、150℃に熱したオーブン(ヤマト科学社 DES82)で1時間焼成することにより、上記ポリジメチルシロキサンからなるPDMS薄膜を固定化した。
次に、上記PDSM薄膜表面を、UVオゾン処理することにより改質し、被転写基材を作製した。このとき、PDSM薄膜表面は、25℃の純水との接触角が50±2°であった。
(塗布工程)
上記転写基材表面に、Agナノコロイド(シグマアルドリッチジャパン社 730785)に濃度3wt%の界面活性剤を添加した機能性部形成用塗工液を、バーコータ(小林製作所 M50)を用いて塗布した。これにより、転写基材表面の疎水性領域および親水性領域上に、均一な膜厚の機能性部形成用塗膜を形成した。
上記転写基材表面に、Agナノコロイド(シグマアルドリッチジャパン社 730785)に濃度3wt%の界面活性剤を添加した機能性部形成用塗工液を、バーコータ(小林製作所 M50)を用いて塗布した。これにより、転写基材表面の疎水性領域および親水性領域上に、均一な膜厚の機能性部形成用塗膜を形成した。
(固化工程)
上記機能性部形成用塗膜が形成された転写基材を、23℃の室内で1分間自然乾燥させた。これにより、機能性部形成用塗工液中に含まれる溶媒を98%揮発させ、機能性部形成用塗膜を生乾きの状態にした。
上記機能性部形成用塗膜が形成された転写基材を、23℃の室内で1分間自然乾燥させた。これにより、機能性部形成用塗工液中に含まれる溶媒を98%揮発させ、機能性部形成用塗膜を生乾きの状態にした。
(転写工程)
生乾きの状態に固化された上記機能性部形成用塗膜表面に、上述した被転写基材を押し当て、その後、上記被転写基材を剥離することにより、疎水性領域上に形成された機能性部形成用塗膜を被転写基材表面に転写して除去した。これにより、転写基材表面に、親水性領域と同様のパターン形状を有する機能性部を形成した。このとき、機能性部の最小線幅は7μmであった。なお、上記最小線幅は、顕微鏡(Olympus社 SZX16)を用いて観察した。
生乾きの状態に固化された上記機能性部形成用塗膜表面に、上述した被転写基材を押し当て、その後、上記被転写基材を剥離することにより、疎水性領域上に形成された機能性部形成用塗膜を被転写基材表面に転写して除去した。これにより、転写基材表面に、親水性領域と同様のパターン形状を有する機能性部を形成した。このとき、機能性部の最小線幅は7μmであった。なお、上記最小線幅は、顕微鏡(Olympus社 SZX16)を用いて観察した。
(硬化工程)
上記機能性部が形成された転写基材を、150℃に熱したオーブンで1時間焼成し、硬化した。このとき、機能性部の厚みは150±10nmであり、抵抗値は9×10−6Ω・cmであった。
上記機能性部が形成された転写基材を、150℃に熱したオーブンで1時間焼成し、硬化した。このとき、機能性部の厚みは150±10nmであり、抵抗値は9×10−6Ω・cmであった。
[比較例1]
実施例1と同様に転写基材を作製し、当該転写基材表面の疎水性領域および親水性領域上に、均一な膜厚の機能性部形成用塗膜を形成した。次に、上記機能性部形成用塗膜が形成された転写基材を、23℃の室内で10秒間自然乾燥させ、機能性部形成用塗工液中に含まれる溶媒を40%揮発させた。その後、実施例1と同様に転写工程を行ったところ、転写基材および被転写基材の両方にパターン形状が潰れた機能性部が付着した。このとき、機能性部の線幅は100μm以下であった。
実施例1と同様に転写基材を作製し、当該転写基材表面の疎水性領域および親水性領域上に、均一な膜厚の機能性部形成用塗膜を形成した。次に、上記機能性部形成用塗膜が形成された転写基材を、23℃の室内で10秒間自然乾燥させ、機能性部形成用塗工液中に含まれる溶媒を40%揮発させた。その後、実施例1と同様に転写工程を行ったところ、転写基材および被転写基材の両方にパターン形状が潰れた機能性部が付着した。このとき、機能性部の線幅は100μm以下であった。
[評価]
実施例1、2では高精細な機能性部材を形成することができた。一方、比較例1ではパターン不良を起こし、所望の機能性部材を形成することができなかった。
実施例1、2では高精細な機能性部材を形成することができた。一方、比較例1ではパターン不良を起こし、所望の機能性部材を形成することができなかった。
1 … 基板
2a … 疎水性層
2b … 親水性層
3a … 疎水性領域
3b … 親水性領域
4a … 機能性部形成用塗工液
4b … 機能性部形成用塗膜
4c … 機能性部
10 … 転写基材
100… 機能性部材
A … ロール支持部
B … 塗布部
C … 被転写基材支持部
D … 洗浄用ロール
E … 転写基材支持部
F … 被転写ロール支持部
2a … 疎水性層
2b … 親水性層
3a … 疎水性領域
3b … 親水性領域
4a … 機能性部形成用塗工液
4b … 機能性部形成用塗膜
4c … 機能性部
10 … 転写基材
100… 機能性部材
A … ロール支持部
B … 塗布部
C … 被転写基材支持部
D … 洗浄用ロール
E … 転写基材支持部
F … 被転写ロール支持部
Claims (6)
- 表面が疎水性を示す疎水性領域と、表面が親水性を示す親水性領域とを有する転写基材を用い、前記転写基材の前記疎水性領域および前記親水性領域の全面に機能性部形成用塗工液を塗布する塗布工程と、
前記塗布された機能性部形成用塗工液を固化し、機能性部形成用塗膜とする固化工程と、
表面が、前記疎水性領域の濡れ性と前記親水性領域の濡れ性との中間の濡れ性を示す被転写基材を用い、前記機能性部形成用塗膜と前記被転写基材の表面とを接触させ、前記転写基材の前記疎水性領域上の前記機能性部形成用塗膜を前記被転写基材の表面に転写する転写工程とを有し、
前記転写基材および前記被転写基材の少なくとも一方の表面上に、前記機能性部形成用塗膜のパターンからなる機能性部を有する機能性部材を形成することを特徴とする機能性部材の製造方法。 - 前記機能性部が、導電性を有する導電層であり、
前記導電層が、薄膜トランジスタの構成の一部であることを特徴とする請求項1に記載の機能性部材の製造方法。 - 機能性部を有する機能性部材を形成するために用いられる機能性部材製造装置であって、
表面が疎水性を示す疎水性領域と、表面が親水性を示す親水性領域とを有する転写用ロールを支持するロール支持部と、
前記転写用ロール表面の前記疎水性領域および前記親水性領域の全面に機能性部形成用塗工液を塗布することが可能な塗布部と、
表面が、前記疎水性領域の濡れ性と前記親水性領域の濡れ性との中間の濡れ性を示す被転写基材を支持し、前記転写用ロール表面と前記被転写基材の表面とが接することが可能な位置に前記被転写基材を配置可能な被転写基材支持部と、
前記ロール支持部、および前記被転写基材支持部の相対的な移動を可能とする駆動部と、
前記転写用ロールと接触し、前記転写用ロールと接触する位置に配置され、前記転写用ロールと接触することにより、転写後の前記機能性部形成用塗工液を除去することが可能な洗浄用ロールとを有することを特徴とする機能性部材製造装置。 - 前記機能性部が、導電性を有する導電層であり、
前記導電層が、薄膜トランジスタの構成の一部であることを特徴とする請求項3に記載の機能性部材製造装置。 - 機能性部を有する機能性部材を形成するために用いられる機能性部材製造装置であって、
表面が疎水性を示す疎水性領域と、表面が親水性を示す親水性領域とを有する転写基材を支持する転写基材支持部と、
前記転写基材表面の前記疎水性領域および前記親水性領域の全面に機能性部形成用塗工液を塗布することが可能な塗布部と、
表面が、前記疎水性領域の濡れ性と前記親水性領域の濡れ性との中間の濡れ性を示す被転写ロールを支持し、前記転写基材表面と前記被転写ロール表面とが接することが可能な位置に前記被転写ロールを配置可能な被転写ロール支持部と、
前記転写基材支持部、および前記被転写ロール支持部の相対的な移動を可能とする駆動部とを有することを特徴とする機能性部材製造装置。 - 前記機能性部が、導電性を有する導電層であり、
前記導電層が、薄膜トランジスタの構成の一部であることを特徴とする請求項5に記載の機能性部材製造装置。
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2015
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