JP4090954B2 - 基板、基板用基体及び基板の製造方法並びに該製造方法に用いられる版 - Google Patents

基板、基板用基体及び基板の製造方法並びに該製造方法に用いられる版 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基体の表面に供給された流動体が固化してパターンが形成された基板の製造技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、基体の表面にパターンが形成されてなる基板を製造するために、スクリーン印刷により基体上にペーストを供給してパターンを形成する方法や、基体上に配線や素子を設けてエッチングによりパターンを形成する方法等が知られている。ところが、半導体実装基板等の基板では、高密度・高速化のために配線ピッチが狭小化しており、これまでの方法ではパターンを形成することが困難になってきている。また、エッチングによるパターン形成方法では、廃棄物の処理に設備や労力を要するので、こうした環境負荷の大きい技術によらない基板の製造方法が検討されている。
【0003】
一方、基板上に配線や素子を微細に設けることができ、しかも環境負荷の小さいパターン形成方法として、基体の表面の濡れ性の違いを利用する方法が提案されている(特許文献1乃至特許文献4参照)。この方法では、配線材料や素子材料を含有する流動体に対して親和性のある親和性領域と親和性のない非親和性領域とを基体の表面に形成し、この基体の表面に流動体を供給して流動体を親和性領域のみに付着させる。そして、その流動体を加熱等して固化させることによって、基体の表面に親和性領域の形状に対応したパターンを形成している。
【0004】
【特許文献1】
特開平7−326235号公報
【特許文献2】
特開2001−129474号公報
【特許文献3】
特開平11−207959号公報
【特許文献4】
特開平11−330666号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、基板は様々な部品を搭載するために複雑な形状のパターンや各部で幅の異なるパターンを必要とし、配線パターンについては半導体回路に比べて厚みのあるものを必要とし、安価に製造可能であることも求められている。
【0006】
しかしながら、上記特許文献1では、フェニル基等を有するシランカップリング剤により基体の表面(同文献における「基板表面」)全体に疎水膜を形成した後、パターンを形成する部分を紫外線に露光して親水化し、この基体の表面に金属酸化物の親水性溶液を供給して還元処理を行い微細な配線パターンの形成を可能としているが、形成されたパターンが配線として十分な厚さを有するか否か等については具体的に明示されていない。
【0007】
特許文献2では、基体の表面の下地層に凹凸を形成して親水性と疎水性との差異を大きくし、膨らみ形状を有するパターンの形成を実現しているが、この方法では親水性領域の形状や幅が変化すると形成されるパターンの厚さも変化するので、配線パターンの形成等には適していない。さらに、親水性の層と疎水性の層とを積層して基板を製造するというプロセスが複雑であるほか、疎水性の層を紫外線で処理する際に廃棄物が生じて必要なパターンが侵食されてしまうおそれがある。
【0008】
特許文献3及び特許文献4では、流動体に対して親和性のある親和性領域と親和性のない非親和性領域とを微細に、かつ、規則的に設けることにより、種々のパターンに対応し得るように基体を構成しているが、この方法ではたとえパターンの連続性を保ってその分断を防止することができたとしても、非親和性領域上におけるパターンの厚さを十分に確保することができずパターンの機能に不安定性が残るという問題がある。
【0009】
したがって、上記各文献に記載の方法は微細な配線パターンを形成する場合等には必ずしも好適ではなく、特に図12に示すように幅広の部分1aと幅狭の部分1bとが連続する配線パターン1を形成するような場合には、基体2の表面のパターン1に対応する部分のみを親和性として流動体3を慎重に供給したとしても、表面張力の作用により幅広の部分1aが厚く、幅狭の部分1bが薄くなってしまい、形成されるパターン1の厚さ分布(分布の幅、ばらつき)が大きくなってしまう(なお、図12において、符号4,5はそれぞれ基体2の表面の親和性領域、非親和性領域を表す。)。このようにパターンの厚さ分布が大きくなると、配線の抵抗にむらが生じてとりわけ高周波を伝送する場合に好ましくなく、パターンの導電機能に障害が生じることもあった。
【0010】
本発明は、上記の事情に鑑みて為されたもので、パターンが幅広の部分と幅狭の部分とを有する場合であっても、パターンの所要厚さを確保しつつ厚さ分布を簡易に抑制することができる基板の製造技術を提供することを課題としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1に係る発明は、基体の表面に供給された流動体が固化してパターンが形成された基板であって、前記基体の表面には前記流動体に対して親和性のある親和性領域と親和性のない非親和性領域とが形成され、前記親和性領域が互いに幅の異なる幅広部と幅狭部とを備えるとともに、該幅狭部よりも幅広で前記幅広部から前記流動体を誘引する誘引部を備えることを特徴とする。
【0012】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の基板において、前記非親和性領域が前記幅広部の内部にも形成されていることを特徴とする。
【0013】
請求項3に係る発明は、基体の表面に供給された流動体が固化してパターンが形成された基板であって、前記基体の表面には前記流動体に対して親和性のある親和性領域と親和性のない非親和性領域とが形成され、前記親和性領域が互いに幅の異なる幅広部と幅狭部とを備えるとともに、前記非親和性領域が前記幅広部の内部にも形成されていることを特徴とする。
【0014】
請求項4に係る発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の基板において、前記流動体がナノ粒子を含有することを特徴とする。
【0015】
請求項5に係る発明は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の基板において、前記流動体が乾燥により、又は、前記基体の表面の親和性及び非親和性を変化させない温度での加熱により固化したことを特徴とする。
【0016】
請求項6に係る発明は、表面に供給される流動体が固化してパターンが形成される基板用基体であって、前記表面には前記流動体に対して親和性のある親和性領域と親和性のない非親和性領域とが形成され、前記親和性領域が互いに幅の異なる幅広部と幅狭部とを備えるとともに、該幅狭部よりも幅広で前記幅広部から前記流動体を誘引する誘引部を備えることを特徴とする。
【0017】
請求項7に係る発明は、請求項6に記載の基板用基体において、前記非親和性領域が前記幅広部の内部にも形成されていることを特徴とする。
【0018】
請求項8に係る発明は、表面に供給された流動体が固化してパターンが形成される基板用基体であって、前記表面には前記流動体に対して親和性のある親和性領域と親和性のない非親和性領域とが形成され、前記親和性領域が互いに幅の異なる幅広部と幅狭部とを備えるとともに、前記非親和性領域が前記幅広部の内部にも形成されていることを特徴とする。
【0019】
請求項9に係る発明は、基体の表面にパターンが形成されてなる基板の製造方法であって、前記基体の表面に、前記パターンを形成する流動体に対して親和性のある親和性領域と親和性のない非親和性領域とを形成する基体表面処理工程と、前記基体の表面に前記流動体を供給して該流動体を前記親和性領域に集める流動体供給工程と、前記親和性領域に集まった流動体を固化させて前記パターンを形成する流動体固化工程とを備え、前記基体表面処理工程において、前記親和性領域として互いに幅の異なる幅広部と幅狭部とを設けるとともに、該幅狭部よりも幅広で前記幅広部から前記流動体を誘引する誘引部を設けることを特徴とする。
【0020】
請求項10に係る発明は、請求項9に記載の基板の製造方法において、前記基体表面処理工程において、前記非親和性領域を前記幅広部の内部にも形成することを特徴とする。
【0021】
請求項11に係る発明は、基体の表面にパターンが形成されてなる基板の製造方法であって、前記基体の表面に、前記パターンを形成する流動体に対して親和性のある親和性領域と親和性のない非親和性領域とを形成する基体表面処理工程と、前記基体の表面に前記流動体を供給して該流動体を前記親和性領域に集める流動体供給工程と、前記親和性領域に集まった流動体を固化させて前記パターンを形成する流動体固化工程とを備え、前記基体表面処理工程において、前記親和性領域として互いに幅の異なる幅広部と幅狭部とを設けるとともに、前記非親和性領域を前記幅広部の内部にも形成することを特徴とする。
【0022】
請求項12に係る発明は、請求項9乃至請求項11のいずれかに記載の基板の製造方法において、前記流動体固化工程において、前記流動体を乾燥により、又は、前記基体の表面の親和性及び非親和性を変化させない温度での加熱により固化させることを特徴とする。
【0023】
請求項13に係る発明は、基体の表面にパターンが形成されてなる基板の製造方法であって、前記基体の表面にパターン形成用の流動体を転写するための版の表面に、前記流動体に対して親和性のある親和性領域と親和性のない非親和性領域とを形成する版表面処理工程と、前記版の表面に前記流動体を供給して該流動体を前記親和性領域に集める流動体供給工程と、前記親和性領域に集まった流動体を前記基体の表面に転写する流動体転写工程と、前記基体の表面に転写された流動体を固化させて前記パターンを形成する流動体固化工程とを備え、前記版表面処理工程において、前記親和性領域として互いに幅の異なる幅広部と幅狭部とを設けるとともに、該幅狭部よりも幅広で前記幅広部から前記流動体を誘引する誘引部を設けることを特徴とする。
【0024】
請求項14に係る発明は、請求項13に記載の基板の製造方法において、前記版表面処理工程において前記非親和性領域を前記幅広部の内部にも形成することを特徴とする。
【0025】
請求項15に係る発明は、基体の表面にパターンが形成されてなる基板の製造方法であって、前記基体の表面にパターン形成用の流動体を転写するための版の表面に、前記流動体に対して親和性のある親和性領域と親和性のない非親和性領域とを形成する版表面処理工程と、前記版の表面に前記流動体を供給して該流動体を前記親和性領域に集める流動体供給工程と、前記親和性領域に集まった流動体を前記基体の表面に転写する流動体転写工程と、前記基体の表面に転写された流動体を固化させて前記パターンを形成する流動体固化工程とを備え、前記版表面処理工程において、前記親和性領域として互いに幅の異なる幅広部と幅狭部とを設けるとともに、前記非親和性領域を前記幅広部の内部にも形成することを特徴とする。
【0026】
請求項16に係る発明は、請求項13乃至請求項15のいずれかに記載の基板の製造方法において、前記流動体固化工程で形成されたパターンに重ねて別のパターンを形成することを特徴とする。
【0027】
請求項17に係る発明は、請求項9乃至請求項15のいずれかに記載の基板の製造方法において、前記流動体がナノ粒子を含有することを特徴とする。
【0028】
請求項18に係る発明は、パターン形成用の流動体に対して親和性のある親和性領域と親和性のない非親和性領域とが表面に形成され、請求項13乃至請求項15のいずれかに記載の基板の製造方法に使用可能である版であることを特徴とする。
【0034】
請求項1、請求項6又は請求項9に係る発明によれば、親和性領域に互いに幅の異なる幅広部と幅狭部とが設けられるとともに、この幅狭部よりも幅広で幅広部から流動体を誘引する誘引部が設けられるので、親和性領域に供給された流動体が幅広部のみならず誘引部にも集まろうとして幅広部に流れ込む流動体の量が抑制される。これにより、親和性領域全体としては流動体の厚さ、ひいてはパターンの厚さが均されるので、パターンの所要厚さを確保しつつも、その厚さ分布を簡易に抑制することができる。
【0035】
請求項2、請求項3、請求項7、請求項8、請求項10又は請求項11に係る発明によれば、非親和性領域が幅広部の内部にも形成されるので、幅広部の幅寸法が擬似的に小さくなったかのように幅広部に流れ込む流動体の量が抑制される。これにより、親和性領域全体としては流動体の厚さ、ひいてはパターンの厚さが均されるので、パターンの所要厚さを確保しつつも、その厚さ分布を簡易に抑制することが可能となる。
【0036】
請求項4に係る発明によれば、流動体がナノ粒子を含有するので、バルクが含有されている場合に比べて流動体を低温で固化させることができ、加熱による負荷を基体にかけることなく種々な機能を有する基板を製造することが可能となる。
【0037】
請求項5又は請求項12に係る発明によれば、流動体が乾燥により、又は、基体の表面の親和性及び非親和性を変化させない温度での加熱により固化するので、流動体を固化させる際に基体の表面の親和性領域及び非親和性領域が崩れず、パターンを確実に、かつ、精度よく形成することができる。
【0038】
請求項13乃至請求項16のいずれかに係る発明によれば、基体の表面にパターン形成用の流動体を転写するための版の表面に、流動体に対して親和性のある親和性領域と親和性のない非親和性領域とを形成し、その親和性領域に供給した流動体を基体の表面に転写して固化させるので、基体には親和性領域及び非親和性領域を形成する必要がなく、基体の材質を自由に選択することが可能となる。さらに、基体の一つ一つに親和性領域及び非親和性領域を形成する必要がないので、基板を安価に製造することが可能となる。
【0039】
とりわけ請求項13、請求項14又は請求項15に係る発明によれば、版の表面には親和性領域に誘引部が設けられるか、あるいは、幅広部の内部に非親和性領域が設けられるので、版から基体に転写される流動体の厚さが均されて形成されるパターンの厚さも均され、パターンの厚さ分布を簡易に抑制することができる。
【0040】
なお、基体の表面にパターンが形成されてなる基板の製造方法であって、パターン形成用の流動体を前記基体の表面に版により段階的に転写する流動体転写工程と、前記基体の表面に転写された流動体を固化させて前記パターンを形成する流動体固化工程とを備え、前記流動体転写工程において、前記パターンのうち相対的に幅広の部分を形成するための流動体と幅狭の部分を形成するための流動体とを分けて転写することとすれば、パターンのうち相対的に幅広の部分を形成するための流動体と幅狭の部分を形成するための流動体とを分けて基体の表面に転写するので、流動体が版の表面において幅狭の部分を形成するための領域から幅広の部分を形成するための領域に流れ込むという事態が防止され、流動体の厚さを一様としてパターンの厚さ分布を簡易に抑制することができる。
【0041】
また、基体の表面にパターンが形成されてなる基板の製造方法であって、パターン形成用の流動体を前記基体の表面に版により段階的に転写する流動体転写工程と、前記基体の表面に転写された流動体を固化させて前記パターンを形成する流動体固化工程とを備え、前記流動体転写工程において、前記パターンのうち相対的に幅広の部分を形成するための流動体を複数回に分けて転写することとすれば、パターンのうち相対的に幅広の部分を形成するための流動体を複数回に分けて基体の表面に転写するので、版の表面における流動体の供給面積が各回の転写について小さくて済み、流動体が版の表面に過大に膨出して付着するという事態が防止され、流動体の厚さを一様としてパターンの厚さ分布を簡易に抑制することができる。
【0042】
さらに、上記した基板の製造方法において、前記流動体転写工程において、前記パターンのうち相対的に幅広の部分を形成するための流動体を略同一幅分ずつ分けて転写することとすれば、パターンのうち相対的に幅広の部分を形成するための流動体を略同一幅分ずつ分けて転写するので、パターン全体の形状や幅にかかわらず基体の表面に転写する流動体の厚さを均一としやすく、パターンの厚さ分布を抑制することが一層容易となる。
【0043】
さらに、請求項16に係る発明によれば、流動体固化工程で形成されたパターンに重ねて別のパターンを形成するので、機能素子を有する基板等の種々の基板を製造することができる。
【0044】
請求項18に係る発明によれば、パターン形成用の流動体に対して親和性のある親和性領域と親和性のない非親和性領域とが表面に形成され、請求項13乃至請求項15のいずれかに記載の基板の製造方法に使用可能であるので、この版の使用によりそれらの請求項に係る発明の効果が奏される。
【0045】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0046】
[実施の形態1]
図1は、本実施の形態に係る基板を示す。この基板6は、基体7の表面に配線パターン8が形成されて構成されている(図1においてはパターン8の一部を図示し、他を省略している。)。パターン8は平面視長方形状の幅広のパッド部8aと、パッド部8aの長手方向端部から直線状に延在する幅狭の配線部8bとを複数有し、配線部8bの途中位置でパッド部8aの近傍には、配線部8bを拡幅してなる拡幅部8cが設けられている。
【0047】
この基板6を製造するには、まずPET製の基体7の表面に含フッ素アクリレートを一様に塗布し、含フッ素アクリレートの表層を形成する(ステップ1(図2においてS.1と記載。本実施の形態において以下同様))。つぎに、その表層を親水処理し(ステップ2)、パターン8が形成される部分以外の部分をレーザーにより加熱して疎水性に変化させる(ステップ3)。これにより、図3に示すように、基体7の表面には親水性を有する親水性領域9と、親水性を有しない疎水性領域10とが形成される。親水性領域9は、パッド部8aに対応する幅広部9aと、配線部8bに対応する幅狭部9bと、拡幅部8cに対応する誘引部9cとを備え、その幅広部9aの幅をd1とし、幅狭部9bの幅をd2とし、誘引部9cの幅をd3とすると、これらの間にはd1>d2、d3>d2の関係が成立している。
【0048】
ここで、基体7の表面に水性インクを供給すると、疎水性領域10に弾かれたインクが親水性領域9に集まって親水性領域9にのみ付着するが、この親水性領域9においては表面張力の作用によりインクは幅の狭い所から幅の広い所へ移動しようとする。つまり、幅広部9aの近傍で幅狭部9bにあるインク(幅広部9aと誘引部9cとの間にあるインク)は幅広部9aの方に移動するが、その一方で幅狭部9bよりも幅広な誘引部9cにも誘引されて誘引部9cの方にも移動するので、幅広部9aに流れ込むインクの量が減少して幅広部9aにおけるインクの厚さが抑制され、親和性領域9の各部におけるインクの厚さが均される。
【0049】
このことは基体7の表面にパターン8を形成するための流動体を供給した場合も同様である。パターン8を配線用として形成するには、金属粒子又は金属化合物粒子を含有する流動体を基体7の表面に供給し(ステップ4)、それが親水性領域9に集まった状態で固化させればよい(ステップ5)。例えば流動体が金(Au)や銀(Ag)等の金属粒子又は金属化合物粒子を含有する場合には、基体7の表面の親水性及び疎水性の状態が変化しない温度で熱処理を行い溶媒等を乾燥除去して流動性を消失させ、その後、固形成分である金属粒子又は金属化合物粒子が融着する温度で熱処理を行い当該粒子を残留・固化させることによって、導電性のパターン8を形成することができる。
【0050】
この実施の形態では、基体7の親和性領域9に互いに幅の異なる幅広部9aと幅狭部9bとが設けられるとともに、幅狭部9bよりも幅広で幅広部9aから流動体を誘引する誘引部9cが設けられているので、図4に示すように親和性領域9に供給された流動体11が幅広部9aのみならず誘引部9cにも集まろうとして幅広部9aに流れ込む流動体11の量が抑制される。これにより、親和性領域9の全体としては流動体11の厚さ、ひいてはパターン8の厚さが均されるので、パターン8の所要厚さを配線部8bにおいても確保してその分断を防止し、パターン8の厚さ分布を抑制することができる。
【0051】
ところで、流動体の材質や成分はパターンの用途等に応じて適宜選択すればよいが、特に流動体がナノ粒子(粒径が100nm程度以下の粒子)を含有する場合には、バルクが含有されている場合に比べて流動体を大幅な低温で固化させることができる。例えば流動体を固化させる場合、その含有物が通常の金属粒子であれば400℃程度で融着するが、ナノ粒子金属の場合には表面活性力が大きいために150〜250℃程度の低温でも融着し、低抵抗の導電性パターンを形成することができる。ただし、高粘度でほとんど流動性のない半田ペーストのようなものを流動体とすると、流動体が親和性領域だけでなく非親和性領域にも付着して隣接するパターン間で短絡等の不具合が生じ得る。これに対し、流動体の非親和性領域への付着を防止するためにパターン形状の開口を有するスクリーンマスクを用いたとすると、微細なパターンを形成することが難しくなる。また、流動体を高温(例えば400℃以上)で熱処理することにより溶融させて流動性を高めようとすると、基体の表面の親水性及び疎水性の状態が変化して所望のパターンを形成することができなくなる。よって、流動体の粘度としては、1Pa・s以下、特に100mPa・s以下であることが望ましい。
【0052】
流動体の具体的な含有物としては、例えばシリコン(Si)、硫化カドミウム(CdS)、テルル化カドミウム(CdTe)、二酸化チタン(TiO)等の半導体粒子や、ポリシラン、ポリチオフェン系等の半導体性高分子があり、これらを含有する流動体により半導体性パターンを形成することができる。一方、流動体がポリチオフェン系(PEDOT等)やポリフェニレンビニレン(PPV)等の導電性高分子を含有している場合には、流動体を250℃以下の低温で加熱等して固化させることにより導電性パターン(配線や電極)を形成することができ、流動体がポリビニルフェノール(PVPh)等の絶縁性高分子を含有している場合には、絶縁性パターンを形成することができる。流動体の含有物に高分子材料を用いる場合には、パターンを屈曲性に優れたものとすることができ、このパターンを高分子材料からなる基体と組み合わせることによって可撓性を有する基板を得ることもできる。
【0053】
[実施の形態2]
図5は、本実施の形態に係る基板の一部を拡大して示す。この基板12は、実施の形態1における基板6と同様に、基体13の表面にパターン14が形成されて製造される。パターン14は平面視長方形状の幅広のパッド部14aと、パッド部14aの長手方向端部から直線状に延在する幅狭の配線部14bとを有する。
【0054】
基体13の表面には親水性領域15と疎水性領域16とが形成され、親水性領域15はパッド部14aに対応する幅広部15aと、配線部14bに対応する幅狭部15bとを備える。また、幅広部15aの内部には、疎水性領域16をなす6つの囲繞部16aが設けられている。囲繞部16aは平面視長方形状を呈して幅広部15a(パッド部14a)及び幅狭部15b(配線部14b)に沿って整列し、幅広部15aの幅をd1とし、幅狭部15bの幅をd2とし、囲繞部16aの幅をd4とすると、これらの間にはd1>d2>d4の関係が成立している。この囲繞部16aは幅が細いため親水性領域15と同様に流動体11に覆われるが、幅広部15aの幅を実質的に小さくするように作用する。
【0055】
すなわち、この実施の形態では、疎水性の囲繞部16aが幅広部15aの内部に形成されることにより、幅広部15aの幅寸法が擬似的に小さくなったかのように幅広部15aに流れ込む流動体の量が抑制される。これにより、親和性領域15の全体としては流動体11の厚さ、ひいてはパターン14の厚さが均されるので、パターン14の所要厚さを配線部14bにおいても確保してその分断を防止し、パターン14の厚さ分布を抑制することができる。
【0056】
なお、囲繞部16aの幅d4を幅狭部15bの幅d2と同等以上の大きさとすると、流動体11の囲繞部16a上における厚さが減少して幅広部15a上における厚さが増大することがあり、このときはd1>d2>d4が満たされる場合よりもパターン14の厚さ分布が大きくなる。
【0057】
[実施の形態3]
本実施の形態では、実施の形態1における基体7を版として用い、これに塗布したインク(流動体)をガラス板(基体)に転写してガラス基板を製造する。
【0058】
すなわち、まずPET製の版7(基体7と同一物)の表面に含フッ素アクリレートを一様に塗布し、含フッ素アクリレートの表層を形成する(ステップ1(図6においてS.1と記載。本実施の形態において以下同様))。つぎに、その表層を親水処理し(ステップ2)、パターンに対応する部分以外の部分をレーザーにより加熱して疎水性に変化させ、版7の表面に幅広部9a、幅狭部9b及び拡幅部9cからなる親水性領域9と、疎水性領域10とを形成する(ステップ3)。そして、予め粘度を調整したインクを版7の表面(親水性領域)に塗布により供給し(ステップ4)、版7の表面をガラス板に接触させてインクをガラス板に転写し(ステップ5)、転写したインクを加熱により固化させることによって、パターン8と同形状のパターンをガラス板上に形成する(ステップ6)。このとき、ガラス板上に親水性領域や疎水性領域が形成されているわけではないので、必ずしも加熱温度を低温に抑える必要はない。
【0059】
この実施の形態では、版7の表面に流動体に対して親和性のある親水性領域9と親和性のない疎水性領域10とを形成し、その親水性領域9に供給したインクを基体の表面に転写して固化させるので、基体には親水性領域及び疎水性領域を形成する必要がなく、基体の材質を自由に選択することが可能となる。さらに、基体の一つ一つに親水性領域及び疎水性領域を形成する必要がなく、親水性領域9及び疎水性領域10が加熱により壊されることのない版7を繰り返して使用することにより、基板を安価に製造することが可能となる。
【0060】
また、版7の表面の親水性領域9には誘引部9cが設けられているので、版7から基体(ガラス板)に転写されるインクの厚さが均されて形成されるパターンの厚さも均され、パターンの厚さ分布を簡易に抑制することができる。
【0061】
なお、版7の代わりに実施の形態2における基体13を版として使用することによって、パターン14と同形状のパターンを有するガラス基板を製造することができるが、この場合には、版13(基体13と同一物)の表面には親水性領域15の幅広部15aの内部に非親和性領域16をなす囲繞部16aが設けられているので、版13からガラス板に転写されるインクの厚さが均されて形成されるパターンの厚さも均され、パターンの厚さ分布を抑制することができる。
【0062】
さらに、版7や版13の表面に塗布されたインクは、直接ガラス板に転写せず、ベルトやローラー等の中間体を介してガラス板に転写することとしてもよい。
【0063】
[実施の形態4]
本実施の形態では、図7に示す版17及び版18により実施の形態3におけると同様にインクをガラス板に転写することにより、図8に示すパターン19を有するガラス基板を製造する。このパターン19はパターン8の拡幅部8cを除いたものと同形状であり、平面視長方形状の幅広のパッド部19aと、パッド部19aの長手方向端部から直線状に延在する幅狭の配線部19bとを有する。
【0064】
版17は、図7(a)に示すように、親水性を有する親水性領域20と、親水性を有しない疎水性領域21とが表面に形成されている。親水性領域20は、パターン19を幅方向に5等分したときに得られる5つの帯状部のうち、3つに対応する帯状領域20a,20b,20cを有する。詳細には、帯状領域20a,20bはパターン19のパッド部19aの幅方向両端部に該当する帯状部19c,19gに対応し、帯状領域20cはパッド部19aの幅方向中央部と配線部19bとからなる帯状部19eに対応する(図8参照)。
【0065】
また、版18は、図7(b)に示すように、親水性を有する親水性領域22と、親水性を有しない疎水性領域23とが表面に形成されている。親水性領域22は、パターン19を幅方向に5等分したときに得られる5つの帯状部のうち、上記3つの帯状部19c,19e,19gを除く2つに対応する帯状領域22a,22bを有する。つまり、帯状領域22aは帯状部19c及び帯状部19eの間にある帯状部19dに対応し、帯状領域22bは帯状部19e及び帯状部19gの間にある帯状部19fに対応する。
【0066】
パターン19を形成するには、予め版17の表面に親水性領域20及び疎水性領域21を形成するとともに、版18の表面に親水性領域22及び疎水性領域23を形成し(ステップ1(図9においてS.1と記載。本実施の形態において以下同様))、その版17の表面の帯状領域20a,20b,20cにインクを供給した後(ステップ2)、このインクをガラス板に転写する(ステップ3)。続いて、版18の表面の帯状領域22a,22bにインクを供給し(ステップ4)、このインクを版17による転写を終えたガラス板に転写し(ステップ5)、ステップ3,5で転写したインクを加熱により固化させる(ステップ6)。ただし、インクの粘度が低くて版17によるインクパターンが版18による転写の際に崩れやすい場合には、版18による転写を行う前に、ガラス板上のインクを固化させる工程(ガラス板上のインクの流動性を低下させる工程)を加えてもよい。さらに、版17による転写よりも前に、版18による転写を行うこととしてもよい。
【0067】
この実施の形態では、パターン19を形成するためのインクを複数回に分けてガラス板の表面に転写するので、版17,18の表面におけるインクの供給面積(各帯状領域の面積)が小さくて済み、インクが版17,18の表面に過大に膨出して付着するという事態が防止され、インクの厚さを均一としてパターン19の厚さ分布を抑制することができる。
【0068】
なお、上記のようなインクの段階的な転写は、パターン19の形状を分割する方法を変えて行ってもよく、例えば版17による一回の転写によりパターン19のパッド部19aを形成するように親水性領域20及び疎水性領域21を図10(a)に示すように形成し、版18による一回の転写によりパターン19の配線部19bを形成するように親水性領域22及び疎水性領域23を図10(b)に示すように形成してもよい。さらには、パターン19のパッド部19aを複数回の転写により形成するように、版17の親水性領域を図8及び図9のように分割してもよい。このようにパターン19のうち幅広の部分(パッド部19a)を形成するためのインクと幅狭の部分(配線部19b)を形成するためのインクとを分けて転写することにより、インクが版の表面において幅狭の部分を形成するための領域から幅広の部分を形成するための領域に流れ込むという事態が防止され、パターンの厚さ分布をやはり抑えることができる。
【0069】
また、版17の親水性領域20と版18の親水性領域22とは、それぞれが転写するインクが重なり合うようにパターン19の等分幅より大きめに設計されていても、あるいは、インクの粘度が低い場合等にはその等分幅より小さめに設計されていてもよい。
【0070】
[実施の形態5]
図11は、本実施の形態に係るトランジスタ素子実装基板を示す。この基板24は、上記実施の形態1乃至実施の形態4のいずれかに記載のようなパターン形成方法により基体25の表面にパターンを形成し、さらに実施の形態3又は実施の形態4に記載のようなパターン形成方法により他のパターンを積層形成して製造されている。
【0071】
詳細には、基体25の表面に銀等の金属粒子又は金属化合物粒子を含有する流動体を直接又は版を介して供給し、その流動体を固化させて導体パターンであるゲート電極26を形成する。つぎに、ポリビニルフェノール等の絶縁性高分子を含有する流動体を版により転写し、その流動体を固化させて絶縁体パターンである絶縁層27を形成する。
【0072】
続いて、硫化カドミウム等の半導体粒子を含有する流動体を版により転写し、その流動体を固化させて半導体パターンである半導体層28を形成した後、銀等の金属粒子又は金属化合物粒子を含有する流動体を版により転写し、その流動体を固化させて導体パターンであるソース電極29及びドレイン電極30を形成する。これにより、基体25上にゲート電極、ソース電極及びドレイン電極が完成し、トランジスタ素子として機能する基板24が得られる。
【0073】
このように流動体により順次基板上にパターンを形成して多層化していくことにより、様々な配線や機能素子(ダイオード、発光素子等)を備える基板が製造されるが、そのパターンの形成には上記各実施の形態のいずれかに記載の方法と同様な方法が採られているので、パターンの厚さにむらが少なく性能に優れた基板を得ることができる。
【0074】
なお、本発明は上述した各形態に限られるものではなく、例えば上記実施の形態では基体の材質をPETとして含フッ素アクリレートにより表層を形成したが、パターン形成用の所定の流動体に対して親和性、非親和性を得ることができるのであれば、他の材質や方法によってもかまわない。また、親和性、非親和性は流動体が水性でなければ必ずしも親水性、疎水性と一致するものではないし、基体又は版の表面において両者が相対的であればよい。
【0075】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1、請求項6又は請求項9に係る発明によれば、親和性領域に互いに幅の異なる幅広部と幅狭部とが設けられるとともに、この幅狭部よりも幅広で幅広部から流動体を誘引する誘引部が設けられるので、親和性領域に供給された流動体が幅広部のみならず誘引部にも集まろうとして幅広部に流れ込む流動体の量が抑制される。これにより、親和性領域全体としては流動体の厚さ、ひいてはパターンの厚さが均されるので、パターンの所要厚さを確保しつつも、その厚さ分布を簡易に抑制することができる。
【0076】
請求項2、請求項3、請求項7、請求項8、請求項10又は請求項11に係る発明によれば、非親和性領域が幅広部の内部にも形成されるので、幅広部の幅寸法が擬似的に小さくなったかのように幅広部に流れ込む流動体の量が抑制される。これにより、親和性領域全体としては流動体の厚さ、ひいてはパターンの厚さが均されるので、パターンの所要厚さを確保しつつも、その厚さ分布を簡易に抑制することが可能となる。
【0077】
請求項4に係る発明によれば、流動体がナノ粒子を含有するので、バルクが含有されている場合に比べて流動体を低温で固化させることができ、加熱による負荷を基体にかけることなく種々な機能を有する基板を製造することが可能となる。
【0078】
請求項5又は請求項12に係る発明によれば、流動体が乾燥により、又は、基体の表面の親和性及び非親和性を変化させない温度での加熱により固化するので、流動体を固化させる際に基体の表面の親和性領域及び非親和性領域が崩れず、パターンを確実に、かつ、精度よく形成することができる。
【0079】
請求項13乃至請求項16のいずれかに係る発明によれば、基体の表面にパターン形成用の流動体を転写するための版の表面に、流動体に対して親和性のある親和性領域と親和性のない非親和性領域とを形成し、その親和性領域に供給した流動体を基体の表面に転写して固化させるので、基体には親和性領域及び非親和性領域を形成する必要がなく、基体の材質を自由に選択することが可能となる。さらに、基体の一つ一つに親和性領域及び非親和性領域を形成する必要がないので、基板を安価に製造することが可能となる。
【0080】
とりわけ請求項13、請求項14又は請求項15に係る発明によれば、版の表面には親和性領域に誘引部が設けられるか、あるいは、幅広部の内部に非親和性領域が設けられるので、版から基体に転写される流動体の厚さが均されて形成されるパターンの厚さも均され、パターンの厚さ分布を簡易に抑制することができる。
【0081】
また、基体の表面にパターンが形成されてなる基板の製造方法であって、パターン形成用の流動体を前記基体の表面に版により段階的に転写する流動体転写工程と、前記基体の表面に転写された流動体を固化させて前記パターンを形成する流動体固化工程とを備え、前記流動体転写工程において、前記パターンのうち相対的に幅広の部分を形成するための流動体と幅狭の部分を形成するための流動体とを分けて転写することとすれば、パターンのうち相対的に幅広の部分を形成するための流動体と幅狭の部分を形成するための流動体とを分けて基体の表面に転写するので、流動体が版の表面において幅狭の部分を形成するための領域から幅広の部分を形成するための領域に流れ込むという事態が防止され、流動体の厚さを一様としてパターンの厚さ分布を簡易に抑制することができる。
【0082】
さらに、基体の表面にパターンが形成されてなる基板の製造方法であって、パターン形成用の流動体を前記基体の表面に版により段階的に転写する流動体転写工程と、前記基体の表面に転写された流動体を固化させて前記パターンを形成する流動体固化工程とを備え、前記流動体転写工程において、前記パターンのうち相対的に幅広の部分を形成するための流動体を複数回に分けて転写することとすれば、パターンのうち相対的に幅広の部分を形成するための流動体を複数回に分けて基体の表面に転写するので、版の表面における流動体の供給面積が各回の転写について小さくて済み、流動体が版の表面に過大に膨出して付着するという事態が防止され、流動体の厚さを一様としてパターンの厚さ分布を簡易に抑制することができる。
【0083】
ついで、上記した基板の製造方法において、前記流動体転写工程において、前記パターンのうち相対的に幅広の部分を形成するための流動体を略同一幅分ずつ分けて転写することとすれば、パターンのうち相対的に幅広の部分を形成するための流動体を略同一幅分ずつ分けて転写するので、パターン全体の形状や幅にかかわらず基体の表面に転写する流動体の厚さを均一としやすく、パターンの厚さ分布を抑制することが一層容易となる。
【0084】
さらに、請求項16に係る発明によれば、流動体固化工程で形成されたパターンに重ねて別のパターンを形成するので、機能素子を有する基板等の種々の基板を製造することができる。
【0085】
請求項18に係る発明によれば、パターン形成用の流動体に対して親和性のある親和性領域と親和性のない非親和性領域とが表面に形成され、請求項13乃至請求項15のいずれかに記載の基板の製造方法に使用可能であるので、この版の使用によりそれらの請求項に係る発明の効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1に係る基板を示す平面図である。
【図2】実施の形態1に係る基板の製造方法を示す流れ図である。
【図3】図1の基体の一部を拡大して示す説明図である。
【図4】(a)は図1の基板の一部を拡大して模式的に示す断面図、(b)は(a)に対応して平面視でパターン形状(及び親水性領域形状)を示す説明図である。
【図5】(a)は実施の形態2に係る基板の一部を拡大して模式的に示す断面図、(b)は(a)に対応して平面視でパターン形状(及び親水性領域形状)を示す説明図である。
【図6】実施の形態3に係る基板の製造方法を示す流れ図である。
【図7】実施の形態4に係る一組の版を示し、(a)はその版の一方の一部を拡大して示す説明図、(b)はその版の他方の一部を拡大して示す説明図である。
【図8】実施の形態4に係る基板のパターン形状を示す平面図である。
【図9】実施の形態4に係る基板の製造方法を示す流れ図である。
【図10】実施の形態4に係る一組の版の他の例を示し、(a)はその版の一方の一部を拡大して示す説明図、(b)はその版の他方の一部を拡大して示す説明図である。
【図11】実施の形態5に係る基板を示す断面図である。
【図12】(a)は従来の基板の一部を拡大して示す断面図、(b)は(a)に対応して平面視でパターン形状を示す説明図である。
【符号の説明】
6,12,24 基板
7,13,25 基体
8,14,19 パターン
8a,14a,19a パッド部(幅広の部分)
8b,14b,19b 配線部(幅狭の部分)
9,15,20,22 親水性領域(親和性領域)
9a,15a 幅広部
9b,15b 幅狭部
9c 誘引部
10,16,21,23 疎水性領域(非親和性領域)
16a 囲繞部
11 流動体
17,18 版

Claims (18)

  1. 基体の表面に供給された流動体が固化してパターンが形成された基板であって、
    前記基体の表面には前記流動体に対して親和性のある親和性領域と親和性のない非親和性領域とが形成され、
    前記親和性領域が互いに幅の異なる幅広部と幅狭部とを備えるとともに、該幅狭部よりも幅広で前記幅広部から前記流動体を誘引する誘引部を備えることを特徴とする基板。
  2. 請求項1に記載の基板において、
    前記非親和性領域が前記幅広部の内部にも形成されていることを特徴とする基板。
  3. 基体の表面に供給された流動体が固化してパターンが形成された基板であって、
    前記基体の表面には前記流動体に対して親和性のある親和性領域と親和性のない非親和性領域とが形成され、
    前記親和性領域が互いに幅の異なる幅広部と幅狭部とを備えるとともに、前記非親和性領域が前記幅広部の内部にも形成されていることを特徴とする基板。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の基板において、
    前記流動体がナノ粒子を含有することを特徴とする基板。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の基板において、
    前記流動体が乾燥により、又は、前記基体の表面の親和性及び非親和性を変化させない温度での加熱により固化したことを特徴とする基板。
  6. 表面に供給される流動体が固化してパターンが形成される基板用基体であって、
    前記表面には前記流動体に対して親和性のある親和性領域と親和性のない非親和性領域とが形成され、
    前記親和性領域が互いに幅の異なる幅広部と幅狭部とを備えるとともに、該幅狭部よりも幅広で前記幅広部から前記流動体を誘引する誘引部を備えることを特徴とする基板用基体。
  7. 請求項6に記載の基板用基体において、
    前記非親和性領域が前記幅広部の内部にも形成されていることを特徴とする基板用基体。
  8. 表面に供給された流動体が固化してパターンが形成される基板用基体であって、
    前記表面には前記流動体に対して親和性のある親和性領域と親和性のない非親和性領域とが形成され、
    前記親和性領域が互いに幅の異なる幅広部と幅狭部とを備えるとともに、前記非親和性領域が前記幅広部の内部にも形成されていることを特徴とする基板用基体。
  9. 基体の表面にパターンが形成されてなる基板の製造方法であって、
    前記基体の表面に、前記パターンを形成する流動体に対して親和性のある親和性領域と親和性のない非親和性領域とを形成する基体表面処理工程と、
    前記基体の表面に前記流動体を供給して該流動体を前記親和性領域に集める流動体供給工程と、
    前記親和性領域に集まった流動体を固化させて前記パターンを形成する流動体固化工程とを備え、
    前記基体表面処理工程において、前記親和性領域として互いに幅の異なる幅広部と幅狭部とを設けるとともに、該幅狭部よりも幅広で前記幅広部から前記流動体を誘引する誘引部を設けることを特徴とする基板の製造方法。
  10. 請求項9に記載の基板の製造方法において、
    前記基体表面処理工程において、前記非親和性領域を前記幅広部の内部にも形成することを特徴とする基板の製造方法。
  11. 基体の表面にパターンが形成されてなる基板の製造方法であって、
    前記基体の表面に、前記パターンを形成する流動体に対して親和性のある親和性領域と親和性のない非親和性領域とを形成する基体表面処理工程と、
    前記基体の表面に前記流動体を供給して該流動体を前記親和性領域に集める流動体供給工程と、
    前記親和性領域に集まった流動体を固化させて前記パターンを形成する流動体固化工程とを備え、
    前記基体表面処理工程において、前記親和性領域として互いに幅の異なる幅広部と幅狭部とを設けるとともに、前記非親和性領域を前記幅広部の内部にも形成することを特徴とする基板の製造方法。
  12. 請求項9乃至請求項11のいずれかに記載の基板の製造方法において、
    前記流動体固化工程において、前記流動体を乾燥により、又は、前記基体の表面の親和性及び非親和性を変化させない温度での加熱により固化させることを特徴とする基板の製造方法。
  13. 基体の表面にパターンが形成されてなる基板の製造方法であって、
    前記基体の表面にパターン形成用の流動体を転写するための版の表面に、前記流動体に対して親和性のある親和性領域と親和性のない非親和性領域とを形成する版表面処理工程と、
    前記版の表面に前記流動体を供給して該流動体を前記親和性領域に集める流動体供給工程と、
    前記親和性領域に集まった流動体を前記基体の表面に転写する流動体転写工程と、
    前記基体の表面に転写された流動体を固化させて前記パターンを形成する流動体固化工程とを備え、
    前記版表面処理工程において、前記親和性領域として互いに幅の異なる幅広部と幅狭部とを設けるとともに、該幅狭部よりも幅広で前記幅広部から前記流動体を誘引する誘引部を設けることを特徴とする基板の製造方法。
  14. 請求項13に記載の基板の製造方法において、
    前記版表面処理工程において、前記非親和性領域を前記幅広部の内部にも形成することを特徴とする基板の製造方法。
  15. 基体の表面にパターンが形成されてなる基板の製造方法であって、
    前記基体の表面にパターン形成用の流動体を転写するための版の表面に、前記流動体に対して親和性のある親和性領域と親和性のない非親和性領域とを形成する版表面処理工程と、
    前記版の表面に前記流動体を供給して該流動体を前記親和性領域に集める流動体供給工程と、
    前記親和性領域に集まった流動体を前記基体の表面に転写する流動体転写工程と、
    前記基体の表面に転写された流動体を固化させて前記パターンを形成する流動体固化工程とを備え、
    前記版表面処理工程において、前記親和性領域として互いに幅の異なる幅広部と幅狭部とを設けるとともに、前記非親和性領域を前記幅広部の内部にも形成することを特徴とする基板の製造方法。
  16. 請求項13乃至請求項15のいずれかに記載の基板の製造方法において、
    前記流動体固化工程で形成されたパターンに重ねて別のパターンを形成することを特徴とする基板の製造方法。
  17. 請求項9乃至請求項15のいずれかに記載の基板の製造方法において、
    前記流動体がナノ粒子を含有することを特徴とする基板の製造方法。
  18. パターン形成用の流動体に対して親和性のある親和性領域と親和性のない非親和性領域とが表面に形成され、請求項13乃至請求項15のいずれかに記載の基板の製造方法に使用可能であることを特徴とする版。
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