JP2006031990A - 有機elパネル - Google Patents
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Abstract
【課題】 斬新な表示を行うことができ、表示パネルとしての商品性,デザイン性を向上させることが可能な有機ELパネルを提供する。
【解決手段】 有機ELパネルAは、一対の電極3,6と電極3,6に挟持される少なくとも発光層を有する有機層5とを基板(支持基板)2上に積層形成してなる有機EL素子1を備える。前記発光層と前記発光層から発せられる光が出射される表示面2bとの間に形成され、表示面2bに対して略垂直に発せられる第一の光L1の表示色と視角が所定の角度以上で発せられる第二の光L2の表示色とを異ならせるための回折部8を備えてなる。
【選択図】 図2
【解決手段】 有機ELパネルAは、一対の電極3,6と電極3,6に挟持される少なくとも発光層を有する有機層5とを基板(支持基板)2上に積層形成してなる有機EL素子1を備える。前記発光層と前記発光層から発せられる光が出射される表示面2bとの間に形成され、表示面2bに対して略垂直に発せられる第一の光L1の表示色と視角が所定の角度以上で発せられる第二の光L2の表示色とを異ならせるための回折部8を備えてなる。
【選択図】 図2
Description
本発明は、少なくとも発光層を有する有機層を一対の電極間に積層形成した有機EL(エレクトロルミネッセンス)素子を基板上に形成してなる有機ELパネルに関する。
従来、有機材料によって形成される自発光素子である有機EL素子を備える有機ELパネルとしては、例えば、陽極となるITO(Indium Tin Oxide)等からなる第一電極と、少なくとも発光層を有する有機層と、陰極となるアルミニウム(Al)等からなる非透光性の第二電極と、を基板上に順次積層して前記有機EL素子を形成するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
かかる有機EL素子は、前記第一電極から正孔を注入し、また、前記第二電極から電子を注入して正孔及び電子が前記発光層にて再結合することによって光を発するものである。
また、有機ELパネルの課題としては、効率よく所定の発光色を得ることが上げられる。所定の発光色を得る有機ELパネルとしては、例えば、特許文献2に開示されるような、ガラス材料から透光性の支持基板上に、陽極となるITO等からなる透明電極と、正孔注入層,正孔輸送層,発光層及び電子輸送層等からなる有機層と、陰極となるアルミニウム(Al)等からなる非透光性の背面電極と、を順次積層形成して構成されるものであって、少なくとも2層以上の異なる発光色を示す発光層を積層してなるものが知られている。かかる有機ELパネルは、異なる発光色を示す発光層を積層することで混色によって所定の表示色を得ることができ、例えば青色発光層と黄色発光層とを積層することにより白色の表示色を得ることができる。
特開昭59−194393号公報
特開2003−17250号公報
かかる有機ELパネルは、例えば車両用計器や携帯電話等の所定の情報を表示する表示装置の表示パネルとして用いられるものである。しかしながら、かかる表示装置の表示パネルにおいては、商品性,デザイン性を向上させるために斬新な表示を行うことが望まれており、表示方法に関して更なる改善が望まれていた。
本発明は、このような問題に鑑み、斬新な表示を行うことができ、表示パネルとしての商品性,デザイン性を向上させることが可能な有機ELパネルを提供することを目的とする。
本発明の有機ELパネルは、一対の電極と前記電極に挟持される少なくとも発光層を有する有機層とを基板上に積層形成してなる有機EL素子と、前記発光層と前記発光層から発せられる光が出射される表示面との間に形成され、前記表示面に対して略垂直に発せられる第一の光の表示色と視角が所定の角度以上で発せられる第二の光の表示色とを異ならせるための回折部と、を備えてなることを特徴とする。
また、前記回折部は、前記表示面側に形成される透光性電極を含んでなることを特徴とする。
また、前記回折部は、前記透光性電極と前記発光層との間に形成される他の層を含んでなることを特徴とする。
また、前記第一の光の色度座標(x1,y1)と前記視角が45°である前記第二の光の色度座標(x2,y2)とが、|x1−x2|≧0.01かつ|y1−y2|≧0.01の関係をなすことを特徴とする。
本発明は、少なくとも発光層を有する有機層を一対の電極間に積層形成した有機EL素子を基板上に形成してなる有機ELパネルに関するものであり、斬新な表示を行うことができ、表示パネルとしての商品性,デザイン性を向上させることが可能となる。
以下、セグメント型の有機ELパネルに本発明の有機EL素子を適用した実施形態を添付の図面に基いて説明する。
有機ELパネルは、図1及び図2に示すように、有機EL素子1を透光性の支持基板2上に形成してなるものである。有機EL素子1は、透光性の第一電極3と、絶縁層4と、有機層5と、第二電極6と、から主に構成されている。また、支持基板2上には有機EL素子1を気密的に覆うように封止部材7が配設されている。また、かかる有機ELパネルは、有機EL素子1の発光を支持基板2側から取り出し、後述する第一の発光層の黄色発光と第二の発光層の青色発光との混色によって白色の表示を行うものである。また、支持基板2上には、支持基板2の垂線Pに対する角度θ(以下、視角θという)によって表示光の色度を変更させるための回折部8が形成されている。
支持基板2は、長方形形状からなる透光性のガラス基板である。
第一電極3は、陽極となるものであり、支持基板2上にITO等の導電性材料を蒸着法やスパッタリング法等の手段によって膜厚50〜70nm程度の層状に形成し、フォトリソグラフィー法等によって例えば日の字型の表示意匠に応じてパターニングしてなるもので、日の字型の表示セグメント部3aと、個々のセグメントからそれぞれ引き出し成形されたリード部3bと、リード部3bの終端部に設けられる電極部3cとを備えている。尚、電極部3cは、支持基板2の一辺に集中的に配設されている。
絶縁層4は、ポリイミド系やフェノール系等の絶縁材料からなるもので、スパッタリング法等の手段によって層状に形成し、フォトリソグラフィー法等の手段によって支持基板2上の非発光個所に所定の形状にて形成される。絶縁層4は、表示セグメント3aに対応した窓部4aと、第二電極6の後述する電極部に対応する切り欠き部4bとを有し、発光領域の輪郭を鮮明に表示するため、第一電極3の表示セグメント3aの周縁部と若干重なるように窓部4aが形成され、また、第一電極3と第二電極6との絶縁を確保するためにリード部3b上を覆うように配設される。
有機層5は、第一電極3及び絶縁層4上に絶縁層4における窓部4aの形成箇所に対応するように所定の大きさをもって形成されるものであり、図3に示すように、正孔輸送層5a,第一の発光層5b,第二の発光層5c,電子輸送層5d及び電子注入層5eを蒸着法等の手段によって順次積層形成してなるものである。
正孔輸送層5aは、第一電極3から正孔を取り込むとともに正孔を発光層5cへ伝達する機能を有し、例えばアリールアミン誘導体(NPD)等の正孔輸送材料を蒸着法等の手段によって膜厚10nm程度の層状に形成してなるものである。
第一の発光層5bは、正孔及び電子の輸送が可能な有機材料からなる例えば出光興産株式会社製のIDE120からなるホスト材料に、電子と正孔との再結合に反応して発光する機能を有し、黄色発光を示す例えばナフタセン誘導体からなる第一の発光材料とを共蒸着等の手段によって混合し例えば膜厚20nm程度の層状に形成してなるものである。
第二の発光層5cは、第一の発光層5bと同様の前記ホスト材料に、電子と正孔との再結合に反応して発光する機能を有し、青色発光を示す例えば出光興産株式会社製のBD102からなる第二の発光材料とを共蒸着等の手段によって混合し例えば膜厚30nm程度の層状に形成してなるものである。
電子輸送層5dは、電子を発光層5cへ伝達する機能を有する例えばキレート系化合物であるアルミキノリノール(Alq3)等の電子輸送材料を蒸着法等の手段によって膜厚20〜60nmの層状に形成してなる。
電子注入層5eは、第二電極6から電子を注入する機能を有し、例えばフッ化リチウム(LiF)等を蒸着法等の手段によって膜厚略1nmの層状に形成してなる。
第二電極6は、アルミニウム(Al)やマグネシウム銀(Mg:Ag)等の導電性材料を蒸着法等の手段によって膜厚50〜70nm程度の層状に形成してなるものであり、支持基板2の一辺に設けられるリード部6aと電気的に接続してなる。なお、リード部6aの終端部には、電極部(引き出し部)6bが設けられ、リード部6a及び電極部6bは第一電極3と同材料により形成される。
封止部材7は、例えばガラス材料からなる平板部材に凹部7aをサンドブラスト、切削及びエッチング等の適宜方法で形成してなるものである。封止部材7は、凹部7aを取り囲むようにして形成される支持部7bを例えば紫外線硬化性エポキシ樹脂からなる接着剤(図示しない)を介し支持基板2上に気密的に配設することで、封止部材7と支持基板2とで有機EL素子1を封止する。封止部材7は、第一電極3の電極部3cおよび第二電極6の電極部6bが外部に露出するように支持基板2よりも若干小さめに構成されている。
回折部8は、例えばポリイミド系やフェノール系等の透光性の樹脂材料からなるもので、支持基板2上に、スパッタリング法等の手段によって少なくとも有機EL素子1の発光個所と対向するように層状に形成されるものである。なお、回折部8は、膜厚が80nm以上となるように形成されることが好ましい。第一,第二の発光層5b,5cから発せられる光は、回折部8を通過して入射面2aから支持基板2に入射し、支持基板2の表示面2bから出射される。このとき、支持基板2の表示面2bに対して略垂直、すなわち視角θ=0°である第一の光L1は、回折部8内を通過する距離が最も短く、視角θが大きい光ほど回折部8内を通過する距離が長くなることで回折部8を通過する際に光の回折が生じやすくなり、視角θによって光の色度が異なることとなる。図4(a),(b)は、有機ELパネルAにおける視角θと光の色度との関係を示す図である。視角θ=0°である第一の光L1の色度座標(x1,y1)を基準として、視角θの値が大きくなると表示光の色度座標(x,y)が変化していることは図4(a),(b)からも明らかである。特に、第一の光L1の色度座標(x1,y1)と視角θ=45°である第二の光L2の色度座標(x2,y2)は、|x1−x2|≧0.01かつ|y1−y2|≧0.01となっており、第一の光L1と第二の光L2とで表示色が異なることを利用者が認識可能な程度に色度を異ならせることが可能となっている。なお、本実施形態においては、第一の光L1は白色の表示色を示し、第二の光L2は黄色がかった表示色を示すものである。
かかる有機ELパネルAは、少なくとも第一,第二の発光層5b,5cを有する有機層5を第一,第二電極3.6間に形成した有機EL素子1を支持基板2上に形成し、第一,第二の発光層5b,5cと第一,第二の発光層5b,5cから発せられる光が出射される表示面2bとの間に形成され、表示面2bに対して略垂直に発せられる第一の光L1が示す表示色と視角θが所定の角度以上で発せられる第二の光L2が示す表示色とを異ならせるための回折部8を備えてなるものである。かかる構成により、視角θ=0°の第一の光L1の色度座標(x1,y1)を基準として、視角θの値が大きい光ほど色度座標(x,y)を変化させることができ、視角θの差が所定値以上となる場合に表示光の表示色が異なる斬新な表示を行うことができ、表示パネルとしての商品性,デザイン性を向上させることが可能となる。また、表示面2bに対して略垂直の第一の光L1の色度座標(x1,y1)と視角θ=45°である第二の光L2の色度座標(x2,y2)とが、|x1−x2|≧0.01かつ|y1−y2|≧0.01となるように回折部8を設けることによって、第一の光L1と第二の光L2とで利用者が認識可能な程度に表示色を異ならせることが可能となる。
なお、本実施形態はセグメント型の有機ELパネルに本発明の有機EL素子1を適用したが、本発明は、ドットマトリクス型の有機ELパネルにも適用可能である。また、本実施形態である有機ELパネルは、透光性の第一電極3を備え、有機EL素子1の発光を支持基板2側から取り出し、所定の表示を行うものであったが、本発明の有機EL素子は、有機層上の第二電極を透光性の導電材料で形成し、封止部材側から光を採りだして所定の表示を行ういわゆるトップエミッション型の有機ELパネルにも適用可能である。かかる有機ELパネルにおいては、回折部は発光層と前記封止部材の表示面との間に設けられることとなる。
また、本実施形態において、有機ELパネルAに備えられる有機EL素子1は、第一,第二の発光層5b,5cを有するものであったが、本発明において有機EL素子は、単層あるいは三層以上の発光層を備えるものであってもよい。
また、本実施形態は、支持基板2上に専用に設けられる回折部8を有するものであったが、本発明において回折部は、表示面側に形成される透光性電極からなるものであってもよく、また、前記透光性電極と前記発光層との間に形成される他の層である正孔注入層や正孔輸送層とからなるものであってもよい。特に、透光性電極を回折部として用いる場合、前記透光性電極を厚く形成することによって、前記透光性電極における抵抗値を低減させることができ、駆動電圧を下げ、有機EL素子の発光寿命を向上させることが可能となる。なお、前記透光性電極を前記回折部として用いる場合、前記透光性電極は、80nm以上の膜厚(さらに好ましくは200nmより厚く)で形成されることが望ましい。また、前記透光性電極及び前記他の層を前記回折部として用いる場合、前記透光性電極及び前記他の層の膜厚の合計が100nm以上(さらに好ましくは260nmより厚く)となるように形成されることが望ましい。
1 有機EL素子
2 支持基板
2a 入射面
2b 表示面
3 第一電極
4 絶縁層
5 有機層
5a 正孔輸送層
5b 第一の発光層
5c 第二の発光層
5d 電子輸送層
5e 電子注入層
6 第二電極
7 封止部材
8 回折部
2 支持基板
2a 入射面
2b 表示面
3 第一電極
4 絶縁層
5 有機層
5a 正孔輸送層
5b 第一の発光層
5c 第二の発光層
5d 電子輸送層
5e 電子注入層
6 第二電極
7 封止部材
8 回折部
Claims (4)
- 一対の電極と前記電極に挟持される少なくとも発光層を有する有機層とを基板上に積層形成してなる有機EL素子と、前記発光層と前記発光層から発せられる光が出射される表示面との間に形成され、前記表示面に対して略垂直に発せられる第一の光の表示色と視角が所定の角度以上で発せられる第二の光の表示色とを異ならせるための回折部と、を備えてなることを特徴とする有機ELパネル。
- 前記回折部は、前記表示面側に形成される透光性電極を含んでなることを特徴とする請求項1に記載の有機ELパネル。
- 前記回折部は、前記透光性電極と前記発光層との間に形成される他の層を含んでなることを特徴とする請求項2に記載の有機ELパネル。
- 前記第一の光の色度座標(x1,y1)と前記視角が45°である前記第二の光の色度座標(x2,y2)とが、|x1−x2|≧0.01かつ|y1−y2|≧0.01の関係をなすことを特徴とする請求項1に記載の有機ELパネル。
Priority Applications (1)
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2004
- 2004-07-13 JP JP2004205622A patent/JP2006031990A/ja not_active Abandoned
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