JP2006027961A - カーボンナノチューブ分散膜及び発光体 - Google Patents

カーボンナノチューブ分散膜及び発光体 Download PDF

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Abstract

【課題】高強度の特定波長の光を発光するカーボンナノチューブ分散膜及びそれを用いた発光体を提供する。
【解決手段】複数のカーボンナノチューブが、透明バインダー中に配向した状態で、互いに独立に分散されたカーボンナノチューブ分散膜とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、複数のカーボンナノチューブが透明バインダ中で分散したカーボンナノチューブ分散膜及びそれを用いた発光体に関する。
20世紀終盤になってC60やカーボンナノチューブがこれまでの炭素材料に加わり、第IVb属元素「炭素」は周期律表中で最も多様な物質群を構成するようになっている。そして21世紀の基盤技術と目されるナノテクノロジーを先導する物質として、炭素の筒、すなわち「カーボンナノチューブ」に今、大きな期待がかけられている。炭素材料の構造や機能の多様性は炭素原子がsp,sp2,sp3の結合方式を取ることによるが、これは炭素の卓越した個性であって同じ第IVb属元素のケイ素やゲルマニウムと大きく異なる点であり、この結合の多様性が類稀な炭素種の多様性の根源となっている。
カーボンナノチューブは単一の炭素原子で構成されているにもかかわらず、構造によって光学特性が大きく変化し、例えば励起光を吸収して特定波長の光を発光するという特性を有している。これは炭素六角網平面がナノサイズの筒状を呈することによって炭素結合の多様性が相加的に反映されたためである。すなわちカーボンナノチューブ自体も、豊かな多様性を有した物質であり、広範な範囲での応用が期待される所以となっている。同じsp2の炭素であっても、グラファイト、カーボンナノチューブ、C60等のフラーレンはその幾何学構造の違い(結合の広がりの次元が2次元、擬1次元、擬0次元と変化すること)によって、電子の波動関数に対する境界条件が変化し、電子の状態密度関数が、固体としてのバンド構造、バンホーブ発散をもつバンド構造、分子としての離散的な電子レベルとそれぞれ変化し全く異なる物性を示す。
上記カーボンナノチューブを含有した薄膜技術の一例が非特許文献1,2に開示されている。
非特許文献1では、カーボンナノチューブのクロロホルム溶液を純水の表面上に広げて当該カーボンナノチューブで構成された膜の膜面に対し、石英ガラス基板を水平に上下動(Horizontal Lifting)又は垂直に上下動(Vertical Dipping)させて石英ガラス基板上にカーボンナノチューブを移し取り、カーボンナノチューブを含有した薄膜(ラングミュアブロジェット膜)を作製している(p.7630左欄第4段落,図1参照。)。当該非特許文献1では、石英ガラス基板を膜面に水平に上下動させた場合と垂直に上下動させた場合との2つの試料に対してそれぞれ偏光吸収スペクトルを測定し、その測定結果から、薄膜中でカーボンナノチューブが一方向に配向していることを証明している(p.7632右欄第2段落〜p.7633右欄第1段落,図8,図9参照。)。
他方、非特許文献2では、カーボンナノチューブを含有した溶液とゼラチンとを混合してその混合液を石英基板にキャスト(cast)して乾燥させ、カーボンナノチューブを含有した薄膜を作製している。当該非特許文献2では、当該薄膜に対し波長785nmの励起光を入射させたときの蛍光スペクトルを測定し、その測定結果から、種々の波長の光を発光しているのを理解でき、カーボンナノチューブが薄膜中(ゼラチン中)で互いに独立に分散しているのを証明している。
南信次、他5名,「単層カーボンナノチューブのラングミュアブロジェット薄膜:チューブの層成長及び平面内配向(Langmuir-Blodgett Films of Single-Wall Carbon Nanotubes: Layer-by-layer Deposition and In-plane Orientation of Tubes)」,ジャパニーズ・ジャーナル・オブ・アプライド・フィジックス,ジャパン・ソシエティ・オブ・アプライド・フィジックス,2003年12月10日,第42巻,p.7629−7634 南信次、他2名,「分離SWNTから成る薄膜の光吸収・発光特性(Thin Films of Isolated Individual SWNT: Photoluminescence and Optical Absorption Studies)」,第51回応用物理学関係連合講演会講演予稿集,2004年3月,29p−F−8,p.538
しかしながら、非特許文献1に記載の薄膜は、カーボンナノチューブが薄膜中で配向はしているが、薄膜中においてバンドル(束)になった状態で存在している(p.7633右欄第2段落参照。)ため、当該薄膜に励起光を照射してもその励起光を吸収して特定波長の光を発光することはないし、カーボンナノチューブの配向状態を安定に維持できない。他方、非特許文献2に記載の薄膜は、カーボンナノチューブが薄膜中で互いに独立に分散はしているが、配向はしていない。
本発明の目的は、高強度の特定波長の光を発光するカーボンナノチューブ分散膜及びそれを用いた発光体を提供することである。
上記課題を解決するため請求項1に記載の発明は、
複数のカーボンナノチューブが透明バインダ中で分散されたカーボンナノチューブ分散膜であって、
前記各カーボンナノチューブが配向した状態で互いに独立に分散していることを特徴としている。
なお、「各カーボンナノチューブが配向する」とは、本発明に係るカーボンナノチューブ分散膜の偏光吸収スペクトルを、同一条件で測定した場合に、入射させる偏光の角度により吸収の差が生じることをいう。すなわち、配向していないカーボンナノチューブ分散膜の偏光吸収スペクトルは偏光入射角によらず、特定波長の吸収ピーク強度が一定なのに対し、配向しているカーボンナノチューブ分散膜の偏光吸収スペクトルではその吸収ピークに対応する特定波長に吸収ピークが存在しない(又はその吸収ピークより弱い吸収ピークが存在する)偏光入射角が存在する。
また、「各カーボンナノチューブが互いに独立に分散する」とは、カーボンナノチューブ分散膜に、特定波長の光を照射したときに、発光することをいう。
請求項2に記載の発明は、
請求項1又は2に記載のカーボンナノチューブ分散膜において、
前記カーボンナノチューブが単層カーボンナノチューブであることを特徴としている。
請求項3に記載の発明は、
請求項1に記載のカーボンナノチューブ分散膜において、
前記カーボンナノチューブがACCVD法によって生成された単層カーボンナノチューブであることを特徴としている。
請求項4に記載の発明は、
請求項1〜3のいずれか一項に記載のカーボンナノチューブ分散膜において、
前記透明バインダがゼラチンであることを特徴としている。
請求項5に記載の発明は、
請求項1〜4のいずれか一項に記載の前記カーボンナノチューブ分散膜が所定の基板上に成膜されていることを特徴としている。
請求項6に記載の発明は、
複数のカーボンナノチューブがそれぞれ透明バインダ中で互いに独立に分散されたカーボンナノチューブ分散膜であって、
前記カーボンナノチューブがACCVD法によって生成された単層カーボンナノチューブであることを特徴としている。
請求項7に記載の発明は、
請求項6に記載のカーボンナノチューブ分散膜において、
前記透明バインダがゼラチンであることを特徴としている。
請求項8に記載の発明の発光体は、
請求項6又は7に記載の前記カーボンナノチューブ分散膜が所定の基板上に成膜されていることを特徴としている。
請求項9に記載の発明は、
請求項1〜4,6,7のいずれか一項に記載のカーボンナノチューブ分散膜において、
発光することを特徴としている。
請求項1〜4に記載の発明では、各カーボンナノチューブが配向した状態で互いに独立に分散しているため、特定波長の励起光を吸収して高強度の特定波長の光を発光することができる。
請求項5に記載の発明では、請求項1〜4のいずれか一項に記載のカーボンナノチューブ分散膜が基板上に担持されているため、剛性も高く、様々な分野への適用が容易となる。
請求項6,7に記載の発明では、カーボンナノチューブがACCVD法によって生成された単層カーボンナノチューブであるため、特定の構造(カイラリティ)を有するカーボンナノチューブが択一的に多数存在し、その結果、可視光を吸収して、特定波長で、かつ、高強度の近赤外線を発光することができる。
請求項8に記載の発明では、請求項6又は7に記載のカーボンナノチューブ分散膜が基板上に担持されているため、剛性も高く、様々な分野への適用が容易となる。
以下、図面を参照しながら本発明を実施するための最良の形態について説明する。ただし、発明の範囲は図示例に限定されない。
[第1の実施の形態]
図1は第1の実施形態に係る発光体1の概略構成を示す斜視図である。
図1に示す通り、発光体1は、矩形状を呈した基板2を備えており、基板2上に、多数のカーボンナノチューブ3,3,…を分散させたカーボンナノチューブ分散膜4が成膜されている。
基板2としては、絶縁性、導電性及び半導体性のいずれの性質を具備したものでも適用可能であり、例えば石英、ガラス、石英ガラス、セラミックス、金属、シリコン等の材質のものが使用できる。ガラスで基板2を構成する場合は、ソーダライムガラス、低ソーダガラス、鉛アルカリケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス等の透明ガラスを用いることが望ましく、特に高歪点低ソーダガラス、低ソーダガラスで基板2を構成するのが好適である。セラミックで基板2を構成する場合は、アルミナ、ジルコニア、チタニア、窒化珪素、炭化珪素等を用いることができる。
基板2はプラスチックフィルムで構成されてもよい。プラスチックフィルムの材質としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン等のビニル重合体、6,6−ナイロン、6−ナイロン等のポリアミド、ポリエチレンテレフタレート(以下「PET」という。)、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート(以下「PEN」という。)等のポリエステル、ポリカーボネート、セルローストリアセテート(以下「TAC」という。)、セルロースジアセテート等のセルロースエステル等が挙げられる。
上記プラスチックフィルムの材質の中でも、写真用ポリエステルとして使用されるPET、PEN、TACを適用するのが好ましい。
なお、基板2には特開平9−108613号に記載されているような各種表面処理が施されていてもよい。
本発明に係るカーボンナノチューブ分散膜4は、各カーボンナノチューブ3が分散した膜である。各カーボンナノチューブ3はカーボンナノチューブ分散膜4中で互いに独立に分散しており、更にはカーボンナノチューブ分散膜4中で一定方向に配向した状態で分散している。
「カーボンナノチューブ3,3,…」とは、繊維直径(D)が1〜1,000nm程度で長さ(L)が0.1〜1,000μm程度のものであって、L/Dが100〜10,000程度の大きなアスペクト比を有しかつチューブ状を呈した炭素の集合体である。当該カーボンナノチューブ3,3,…は、アーク放電法、レーザー蒸着法、触媒化学気相成長法等の製法で製造可能であり、斎藤弥八、板東俊治著「カーボンナノチューブの基礎」(コロナ社)等にその製造方法が開示されている。
通常のカーボンナノチューブには、「単層カーボンナノチューブ」と「多層カーボンナノチューブ」の2種類がある。単層カーボンナノチューブは1枚のグラフェン(単原子層の炭素六角網面)が円筒状に閉じた単原子層厚さのチューブである。カーボンナノチューブ3,3,…としては、このような所謂カーボンナノチューブと称されるものであれば、単層及び多層いずれのタイプのものでも適用可能であるが、カーボンナノチューブ3,3,…として単層カーボンナノチューブを適用するのがよい。
実用に供されるカーボンナノチューブ3,3,…として、HiPco(High Pressure CO)法によって生成される単層カーボンナノチューブ(Carbon Nanotechnologies社から入手可能である。)をはじめとして、ACCVD(Alcohol Catalytic Chemical Vapor Deposition)法によって生成される単層カーボンナノチューブ等を好適に用いることができ、更にはHyperion社Graphite fibril(登録商標)、昭和電工品、ASISH社Pyrograf III(登録商標)等を用いることもできる。カーボンナノチューブ3は、勿論、これらに限定されない。
カーボンナノチューブ3,3,…は炭素生成物に限らず、例えばその炭素の一部又は全部をホウ素と窒素で置換したBN(窒化ホウ素)ナノチューブ等の他のものであってもよい。
カーボンナノチューブ分散膜4は、上記した多数のカーボンナノチューブ3,3,…、界面活性剤、溶媒等の溶液と透明バインダとを攪拌・混合してその混合液が塗布液として基板2上に塗布されたものであり、当該塗布液には硬膜剤といった添加剤が添加されてもよい。
以下、適用可能な界面活性剤、溶媒、透明バインダ及び硬膜剤についてそれぞれ詳細に説明する。
(界面活性剤)
界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤及び両性界面活性剤のいずれも使用できるが、好ましくは、例えば、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル類、スルホ琥珀酸エステル類、スルホアルキルポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、N−アシル−N−アルキルタウリン類等のアニオン性界面活性剤や、サポニン、アルキレンオキサイド誘導体、糖のアルキルエステル類等のノニオン界面活性剤を用いるのがよい。
界面活性剤として、フッ素含有界面活性剤も好ましく使用できる。その一例として、含フッ素アルキル系アニオン系界面活性剤、含フッ素アルキル系カチオン系界面活性剤、フッ素置換のアルキレンオキサイド系界面活性剤、パーフルオロシクロアルカン系界面活性剤等が挙げられる。
(溶媒)
溶媒としては、重水等の水をはじめとして、ヘプタン、石油ベンジン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素、ベンゼン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素、塩化メチレン、四塩化炭素、トリクロルエタン等のハロゲン系炭化水素、メタノール、エタノール、n−プロパノール等のアルコール、エチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン、蟻酸メチル、酢酸−n−プロピル等のエステル、エチレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコール誘導体、酢酸等の脂肪酸やフェノール、その他窒素や硫黄を含む化合物が当該溶媒として使用可能である。これら溶媒は単独で使用されてもよいし、2種類以上が混合されて使用されてもよい。
(透明バインダ)
透明バインダとしてはゼラチンを好適に用いることができる。そのようなゼラチンとしては、一般に牛骨、牛皮、豚皮等を原料として製造され、コラーゲンからの製造工程において、石灰等による処理を伴うアルカリ処理ゼラチンや塩酸等による処理を伴う酸処理ゼラチンがあり、塗布液の一成分として適用されるゼラチンはいずれでもよい。
これらのゼラチンの製法、性質等の詳細については、例えば、ArthurVeis著,「The Macromolecular Chemistry of Gelatin」,187〜217頁,(1964),(Academic Press)、T.H.James著,「The Theory of the photographic Process」,4th.ed.,55頁,(1977),(Macmillan)、「にかわとゼラチン」,日本にかわゼラチン工業組合発行,(1987)、「写真工学の基礎 銀塩写真編」,119〜124頁,(コロナ社)等に記載されている。
ゼラチンは、ゼリー強度(PAGI法による)が250g以上であることが好ましい。ゼラチンは、カルシウム含量(PAGI法による)が4000ppm以下であることが好ましく、3000ppm以下であることが特に好ましい。
ゼラチンとしては、通常分子量10万程度のアルカリ処理ゼラチン、酸処理ゼラチン、酸化処理したゼラチン、Bull.Soc.Sci.Photo.Japan.No.16.P30(1966)に記載されたような酵素処理ゼラチンを好ましく用いることができ、化学修飾ゼラチンを用いることも好ましい。当該化学修飾ゼラチンとしては、例えば、特開平5−72658号、特開平9−197595号、特開平9−251193号等の各公報に記載のアミノ基を置換したゼラチンを挙げることができる。
ゼラチンは、メチオニン含有量が30μmol/g未満であることが好ましく、20μmol/g未満であることがより好ましく、0.1〜10μmol/gであることが更に好ましい。ゼラチン中のメチオニン含有量を30μmol/g未満に低減するには、アルカリ処理ゼラチンの酸化剤による酸化処理が有効である。ゼラチンの酸化処理に用いることのできる酸化剤としては、例えば、過酸化水素、オゾン、ペルオキシ酸、ハロゲン、チオスルホン酸化合物、キノン類、有機過酸を挙げることができるが、過酸化水素を用いるのが最も好ましい。ゼラチンのメチオニン含有量測定法については多くの文献がある。例えば、ジャーナル・オブ・フォトグラフィック・サイエンス第28巻111頁、同40巻149頁、同41巻172頁、同42巻117頁、ジャーナル・オブ・イメージング・サイエンス第33巻10頁、ジャーナル・オブ・イメージング・サイエンス・アンド・テクノロジー第39巻367頁等が参考になる。これら文献を参考することで、アミノ酸分析法、HPLC(High Performance Liquid Chromatograpy)法、ガスクロマトグラフィー法、銀イオン滴定法等でゼラチンのメチオニン含有量を測定することができる。
また、透明バインダとして、上記ゼラチン以外にも、例えばゼラチン誘導体、ゼラチンと他の高分子とのグラフトポリマー、アルブミン、カゼイン等の蛋白質;ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、セルロース硫酸エステル等のセルロース誘導体;アルギン酸ナトリウム、澱粉誘導体等の糖誘導体;ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール部分アセタール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリメタアクリル酸、ポリビニルイミダゾール、ポリビニルピラゾール等の単一又は共重合体のような多種の合成又は半合成親水性高分子物質を適用することができる。
(硬膜剤)
硬膜剤は、上記ゼラチンを中心として透明バインダを硬膜させ、塗布膜の膨潤率、膜強度等をその量によって調整可能なものである。各カーボンナノチューブ3を、独立に、かつ、配向した状態で、安定に保持することができ、好ましい。硬膜剤としては、例えば、アルデヒド類(ホルムアルデヒド、グリオキザール、グルタールアルデヒド等)、ムコハロゲノ酸(ムコクロル酸、ムコフェノキシクロル酸等)、エポキシ化合物、活性ハロゲン化合物(2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジン等)、活性ビニル誘導体(1,3,5−トリアクリロイルヘキサヒドロ−s−トリアジン、ビス(ビニルスルホニル)メチルエーテル、N,N’−メチレンビス(β−(ビニルスルホニル(プロピオンアミド)等)エチレンイミン類、カルボジイミド類、メタンスルホン酸エステル類、イソオキサゾール類等の有機硬膜剤、クロム明ばん等の無機硬膜剤、米国特許第3,057,723号、同3,396,029号、同4,161,407号等に記載されている高分子硬膜剤等を用いることができる。これら硬膜剤は単独で用いられてもよいし、2以上組み合わせられて用いられてもよい。
なお、図1には図示していないが、カーボンナノチューブ分散膜4上には、当該カーボンナノチューブ分散膜4の表面を平滑化する目的でオーバーコート膜が成膜されてもよい。当該オーバーコート膜は周知の塗布法で成膜されるのがよく、その塗布液は、カーボンナノチューブ分散膜4を構成する塗布液からカーボンナノチューブ3,3,…を除いたもので構成するのがよい。
続いて、発光体1及びカーボンナノチューブ分散膜4の製造方法について説明する。
始めに、上記したカーボンナノチューブ3,3,…、界面活性剤等の添加剤を溶媒中に加えてカーボンナノチューブ分散液を調製する(調製工程)。例えば、カーボンナノチューブ3,3,…としてHiPco法によって生成した単層カーボンナノチューブを、界面活性剤としてSDS(Sodium Dodecyl Sulfate)を、溶媒として重水を適用する場合には、多数のカーボンナノチューブ3,3,…と界面活性剤とを溶媒中に加えてカーボンナノチューブ含有液を作製する。
カーボンナノチューブ含有液を作製したら、そのカーボンナノチューブ含有液に対し分散処理及び超遠心分離処理を順次おこない(分散工程、分離工程)、超遠心分離後のカーボンナノチューブ含有液から上澄みを回収し(抽出工程)、各カーボンナノチューブ3が溶媒中で分散したカーボンナノチューブ分散液を得る。
分散工程における分散処理には周知の攪拌処理や超音波処理等があり、その分散工程の処理の用に供する分散機としては、大きな剪断力を有する高速攪拌型分散機、高強度の超音波エネルギーを与える分散機等がある。当該分散機は具体的にはコロイドミル、ホモジナイザー、毛細管式乳化装置、液体サイレン、電磁歪式超音波発生機、ポールマン笛を有する乳化装置等である。分散工程で使用するのに好ましい高速攪拌型分散機は、ディゾルバー、ポリトロン、ホモミキサー、ホモブレンダー、ケディミル、ジェットアジター等、分散作用する要部が液中で高速回転(500〜15,000rpm、好ましくは2,000〜4,000rpm)するタイプの分散機である。当該高速攪拌型分散機は、ディゾルバー又は高速インペラー分散機とも呼ばれ、特開昭55−129136号にも記載されているような、高速で回転する軸に鋸歯状のブレードを交互に上下方向に折り曲げたインペラーを装着したものも高速攪拌型分散機として好ましい一例である。
分散、分離、抽出工程を終えたら、カーボンナノチューブ分散液と透明バインダとを混合して各カーボンナノチューブ3を透明バインダ中で攪拌する(攪拌工程)。
攪拌工程において、例えば、透明バインダとしてゼラチンを適用した場合には、カーボンナノチューブ分散液にゼラチン(又はゼラチン溶液)を添加する。ゼラチン溶解は、常温で一定時間放置し膨潤させ、その後加温するか、もしくは添加直後に加温溶解させる。また必要に応じて再度前記分散工程の分散処理を行ってもよい。
以上のようにして、透明バインダをカーボンナノチューブ分散液中に溶解させ、後述の塗布工程の処理の用に供するカーボンナノチューブ分散塗布液を得る。
なお、当該カーボンナノチューブ分散塗布液はその後の処理でカーボンナノチューブ分散膜4を構成するものであるが、当該カーボンナノチューブ分散塗布液には、カーボンナノチューブ分散膜4を硬化させるという目的で塗布前に上記硬膜剤が添加されてもよい。
攪拌工程を終えたら、カーボンナノチューブ分散塗布液を基板2上に垂らし、そのカーボンナノチューブ分散塗布液に対し周知のワイヤーバー方式の塗布操作をおこなう(塗布工程)。すなわち、径が数〜数百μmオーダーの細目のピアノ線、ステンレス線等のワイヤーをロッドに巻き付けたワイヤーバーに対して略平行にカーボンナノチューブ分散塗布液を基板2上に垂らし、そのカーボンナノチューブ分散塗布液に対しワイヤーバーを所定速度で移動させて(走査して)当該カーボンナノチューブ分散塗布液を移動方向に大きく引き延ばし、基板2上にカーボンナノチューブ分散膜4を成膜する。
その結果、カーボンナノチューブ分散塗布液中の各カーボンナノチューブ3は当該カーボンナノチューブ分散塗布液中で互いに独立に分散された(アイソレート状態の)ままで、ワイヤーバーの移動方向に沿う一定の方向に配列して配向した状態となる。
塗布工程では、基板2を固定した状態でワイヤーバーを移動させてもよいし、ワイヤーバーを固定した状態で基板2を移動させてもよいし、基板2とワイヤーバーとの両方を互いに逆方向に移動させてもよい。基板2とワイヤーバーとで一方が他方に対する相対的な移動速度(引き延ばし速度)は大きければ大きいほど好ましく、好ましくは5倍以上、より好ましくは10倍、更に好ましくは50倍以上とするのがよい。
なお、塗布工程では、基板2又はワイヤーバーの移動方向のみならず、該移動方向と直交する方向にも剪断応力をかけることになるため、各カーボンナノチューブ3は、該移動方向及び膜面内へ配向することになる。
塗布工程を終えたら、カーボンナノチューブ分散膜4を固化させる(固化工程)。固化工程では、基板2上のカーボンナノチューブ分散膜4を速やかに固化させることが好ましい。カーボンナノチューブ分散膜4が液体の状態で保持される時間が長い場合、液だれ、レベリング等の流動現象により、各カーボンナノチューブ3の配向が乱れるばかりか、塗布膜としての均一性を維持できなくなる。そのため、カーボンナノチューブ分散塗布液を塗布した直後は、カーボンナノチューブ分散膜4の流動性を速やかに小さくするか、又はなくすことが必要である。
カーボンナノチューブ分散膜4を固化させる方法としては、使用した透明バインダにより手法が異なるが、透明バインダとしてゼラチンを使用した場合には、塗布直後のカーボンナノチューブ分散塗布液を冷却してその塗布液温度を下げることで容易にゲル化させることができる。すなわち、塗布工程で説明した上記方法により基板2上にカーボンナノチューブ分散塗布液を塗布した後に、カーボンナノチューブ分散膜4の膜面(膜の表面)をいったん20℃以下、好ましくは15℃以下、より好ましくは10℃以下に冷却することが好ましい。
当該膜面の冷却は、カーボンナノチューブ分散塗布液が塗布された基板2を、上記温度環境に保持された雰囲気を通過させることで達成することができる。この温度に保持する時間は、カーボンナノチューブ分散塗布液の温度や固化工程前のカーボンナノチューブ分散膜4の湿潤状態の膜厚、基板2の厚み等により変化するが、基板2上に塗布された直後のカーボンナノチューブ分散塗布液の温度が通常の塗布液温度(35〜50℃)であれば、その冷却時間は通常1〜100秒、好ましくは5〜50秒の範囲で設定するのがよい。これにより、カーボンナノチューブ分散膜4の塗布膜の流動性を速やかに小さくすることでき、各カーボンナノチューブ3の配向が乱れず、カーボンナノチューブ分散膜4を塗布膜として均一にすることができる。
なお、固化工程によるカーボンナノチューブ分散膜4の硬化は、カーボンナノチューブ分散塗布液の塗布直後にカーボンナノチューブ分散膜4を速やかに硬化させられる方法であれば何でも適用することができる。例えば、周知のUV(Ultra Violet)硬化性樹脂、熱硬化性樹脂等の様々な硬化性樹脂を用いて硬化させる方法も適用できる。また、固化工程による処理は、カーボンナノチューブ分散膜4を固化させないまでも、その粘性を向上させて当該カーボンナノチューブ分散膜4の流動を必要最低限に抑えるためのものとしてもよい。
固化工程を終えたら、カーボンナノチューブ分散膜4を乾燥させる(乾燥工程)。乾燥工程は、カーボンナノチューブ分散膜4から溶媒を除去する工程であり、配向した各カーボンナノチューブ3の配列を乱さないようカーボンナノチューブ分散膜4を乾燥させる必要がある。そのため、透明バインダとしてゼラチンを使用した場合は、当該ゼラチンが低温でゲル化した状態を保つように、カーボンナノチューブ分散膜4を低温下で乾燥させることが好ましい。また、固化工程でカーボンナノチューブ分散膜4の流動性を小さくしただけの場合は、その流動性が向上しないように、カーボンナノチューブ分散膜4を低温下で乾燥させることが好ましい。
乾燥工程では、カーボンナノチューブ分散膜4に対し20〜70℃の風を吹き付けて当該カーボンナノチューブ分散膜4を乾燥するのが好ましい。この場合、カーボンナノチューブ分散膜4の冷却した領域を直ぐに高温で乾燥させると、いったん形成されたカーボンナノチューブ分散膜4の3次元構造が破壊されて当該カーボンナノチューブ分散膜4の流動性が上がり、各カーボンナノチューブ3の配向が乱れるばかりか、カーボンナノチューブ分散膜4も塗布膜として均一なもので無くなるため、冷却直後の乾燥温度は通常50℃以下に設定するのが好ましい。
乾燥工程における風の湿度は通常10〜50%の範囲で設定するのがよく、カーボンナノチューブ分散膜4が完全に乾燥した後は、30〜70%の相対湿度で一定時間(例えば20〜180秒間)調湿するのが好ましい。
上記の各工程を経ることで、カーボンナノチューブ分散膜4が基板2上に成膜された、本発明に係る発光体1を製造することができる。
以上の本第1の実施形態によれば、カーボンナノチューブ分散膜4中で(すなわち透明バインダ中で)各カーボンナノチューブ3が配向した状態で互いに独立(アイソレート状態)に分散しているため、特定波長の励起光を吸収して高強度の特定波長の光を発光することができる。
例えば、カーボンナノチューブ3,3,…としてHiPco法又はACCVD法によって生成された単層カーボンナノチューブを適用した場合には、可視光を吸収して特定の波長域において高強度の近赤外線を発光することができる(下記実施例1,2参照)。そのため、この場合の発光体1をレーザー媒質としてその両端に反射鏡を設置すれば、それを光共振器(キャビティ)として機能させることができる。当該光共振器は、簡単な構成で位相のそろった誘導放射を繰り返しおこなうことができ、ひいては指向性に優れたレーザー光を発振することができる。更にこの場合、可視光を吸収して高強度の近赤外線を発光するという特性から、本発明に係る発光体1(又はカーボンナノチューブ分散膜4)を、超高速光通信デバイス等の光通信分野やレーザー治療等の医学分野にも幅広く適用することができる。
[第2の実施の形態]
図2は第2の実施形態に係る発光体1の概略構成を示す斜視図である。
図2に示す通り、第2の実施形態に係る発光体1は、カーボンナノチューブ分散膜4中における各カーボンナノチューブ3の状態が第1の実施形態に係る発光体1と異なり、それ以外の構成は第1の実施形態のそれと同様となっている。すなわち、図2に示す発光体1では、各カーボンナノチューブ3がカーボンナノチューブ分散膜4中で互いに独立(アイソレート状態)に分散しているだけで、各カーボンナノチューブ3は一定の方向に配向してはいない。
第2の実施形態に係る発光体1及びカーボンナノチューブ分散膜4の製造方法も、第1の実施形態に係る発光体1及びカーボンナノチューブ分散膜4の製造方法とは一部の工程が異なるだけで、それ以外の工程は第1の実施形態のそれと同様となっている。すなわち、塗布工程においては、上記と同様に周知のワイヤーバー方式の塗布操作をおこなうが、各カーボンナノチューブ3をワイヤーバーの移動方向に沿う一定の方向に配列して配向させる必要がないため、ロッドに巻き付けるワイヤーとして径がmmオーダーの太目のものを適用し、更には基板2とワイヤーバーとで一方が他方に対する相対的な移動速度(引き延ばし速度)を上記と同様か又はそれより遅くする。
また、ここでの塗布工程では、上記ワイヤーバー方式の塗布に加えて、ディップ方式、アプリケーター方式、押出し方式、スライドビード方式、カーテン方式、スプレー方式、ブレード方式、ストライプ方式、バーコーティング方式、スロット方式、スライド方式、グラビア方式、ウェブテンション方式、エアドクター方式等の塗布技術でその処理をおこなってもよい。
以上の本第2の実施形態によれば、カーボンナノチューブ分散膜4中で(すなわち透明バインダ中で)各カーボンナノチューブ3が互いに独立(アイソレート状態)に分散しているため、特定波長の励起光を吸収して特定波長の光を発光することができる。
なお、本第2の実施の形態においては、カーボンナノチューブ3,3,…としてACCVD法によって生成された単層カーボンナノチューブを適用する。ACCVD法によって生成された単層カーボンナノチューブは、特定の構造(カイラリティ)を有するカーボンナノチューブが択一的に多数存在し、その結果、可視光を吸収して特定の波長域に高強度の近赤外線を発光することができる(下記実施例3参照)。そのため、上記第1の実施形態と同様に、周知の光共振器に代わる新規の光共振器を提供することができ、更には光通信分野や医学分野にも幅広く適用することができる。
(1)試料Aの作製
2O10gにSDS100mgを加えたD2O溶液に対し、HiPco法によって生成した周知の単層カーボンナノチューブ15mgを添加してHiPco含有液を得た。HiPco含有液を得たら、そのHiPco含有液に対し、ホーン型ソニケータによる超音波処理を10〜15℃で水冷しながら400Wの出力で1時間おこなった。
超音波分散処理を終えたら、超音波分散処理後のHiPco含有液に対し、330,000g(±50,000g)の荷重をかけた超遠心分離処理を22℃で1時間おこなった。超遠心分離処理を終えたら、超遠心分離処理後のHiPco含有溶液の上澄みから上部30%と下部(沈殿部を含む。)30%に相当する部分を除去し、残りの上澄みの中央部40%に相当する部分を回収してHiPco分散液を得た。
HiPco分散液を得たら、そのHiPco分散液3gに和光社製ウシ骨由来のゼラチン0.33gを添加して常温で10分程度放置し、当該ゼラチンを充分に膨潤させた。ゼラチンが膨潤したら、混合液を52℃で5〜10分程度加温してよく攪拌・混合した。その後、その混合液に対しバス型ソニケータによる超音波処理を3分間おこない、HiPco分散塗布液を得た。
HiPco分散塗布液を得たら、大きさ25mm×25mm,厚さ25mmでかつ表面が光学研磨された石英ガラス基板を準備し、室温環境下において、その石英ガラス基板の表面上にHiPco分散塗布液をワイヤーバーに平行にスポイトで垂らし、その状態で1分間放置して石英ガラス基板上のHiPco分散塗布液の粘性を高めた。
1分間経過したら、室温環境下において、石英ガラス基板上に垂らしたHiPco分散塗布液に対し、径6mmのステンレス製ロッドに径100μmのワイヤーを巻き付けたワイヤーバーを2m/秒程度の速度で移動させ、HiPco分散液中の各カーボンナノチューブをワイヤーバーの移動方向に沿う方向に配向させた。HiPco分散塗布液を塗布したら、石英ガラス基板を金属板上に載置して塗布済みのHiPco分散塗布液に冷風をあて、塗布済みのHiPco分散塗布液を上下両面から冷却しながら乾燥させ、カーボンナノチューブ含有の分散膜を形成した。
このようなワイヤーバーによる塗布・乾燥操作を1回として、当該塗布操作を総計5回繰り返し、石英ガラス基板上にカーボンナノチューブ分散膜を形成した。この状態において、カーボンナノチューブ分散膜の表面はワイヤーバー筋上の凹凸を呈していた。
カーボンナノチューブ分散膜を形成したら、カーボンナノチューブ分散膜の表面を平滑化して当該カーボンナノチューブ分散膜を透明化する目的で、そのカーボンナノチューブ分散膜上に2層のオーバーコート膜を形成した。
すなわち、始めにD2O3gにSDS30mgを加えたD2O溶液に対し、全体の重量百分率で11%となるように和光社製ウシ骨由来のゼラチンを添加してゼラチン溶液を得た。そのゼラチン溶液を塗布液としてカーボンナノチューブ分散膜上にワイヤーバーに平行にスポイトで垂らし、そのゼラチン溶液に対し、ステンレス製ロッドに径がmmオーダーのワイヤーを巻き付けたワイヤーバーを2m/秒より遅い速度で移動させ、ゼラチン溶液をカーボンナノチューブ分散膜上に塗布した。
ゼラチン溶液を塗布したら、石英ガラス基板を金属板上に載置して塗布済みのゼラチン溶液に冷風をあて、塗布済みのゼラチン溶液及びカーボンナノチューブ分散膜を上下両面から冷却しながら乾燥させ、ゼラチン溶液によるオーバーコート膜を形成した。このような塗布・乾燥操作を再度繰り返してカーボンナノチューブ分散膜上に2層のオーバーコート膜を形成し、これを測定用の「試料A」とした。
(2)試料Aの偏光吸収スペクトルの測定
シマズ社製UV−3150の分光器を用い、光源と試料Aとの間に偏光子を介在させた状態で試料Aの偏光吸収スペクトルを測定した。ただし、当該偏光吸収スペクトルの測定は、試料Aの各カーボンナノチューブの配向方向(ワイヤーバーの移動方向に相当する方向)に沿う方向に直線偏光させた場合と、その配向方向に直交する方向に直線偏光させた場合との2つの場合でおこなった。
試料Aの偏光吸収スペクトルの測定結果を図3に示す。図3中、上部の実線は、試料Aの各カーボンナノチューブの配向方向に沿う方向に直線偏光させた場合の偏光吸収スペクトルを示し、下部の実線は、試料Aの各カーボンナノチューブの配向方向に直交する方向に直線偏光させた場合の偏光吸収スペクトルを示す。
図3に示す2つの偏光吸収スペクトルにおいて、波長500〜900nm,1000〜1500nm周辺の各ピークは、カーボンナノチューブ分散膜中の各カーボンナノチューブに対応するものであり、上部の偏光吸収スペクトルの各ピークと下部の偏光吸収スペクトルの各ピークとで、同一波長において顕著な吸収の差が認められることから、各カーボンナノチューブは確かにワイヤーバーの移動方向に沿う一方向に配向しているのがわかる。
(3)試料Aの蛍光スペクトルの測定
ホリバ製作所製ジョバイイボンの分光器を用い、入光側と出光側とにそれぞれスリット幅13nmのスリット板を配置した状態で試料Aの蛍光スペクトルを測定した。ただし、当該蛍光スペクトルの測定では、励起光として波長650nmの光を試料Aに照射した場合と、励起光として波長720nmの光を試料Aに照射した場合との2つの場合でおこなった。
試料Aの蛍光スペクトルの測定結果を図4に示す。図4中、上部の実線は、650nmの励起光を試料Aに照射した場合の蛍光スペクトルを示し、下部の実線は、720nmの励起光を試料Aに照射した場合の蛍光スペクトルを示す。
図4中上部に示す蛍光スペクトルにおいて、発光波長1050nm近傍のピークはカイラルベクトルが(7,5)のカーボンナノチューブに、発光波長1150nm近傍のピークはカイラルベクトルが(7,6)のカーボンナノチューブに対応するものであり、それら発光波長1050nm,1150nm近傍における各ピークの存在から、試料Aで想定した本発明に係るカーボンナノチューブ分散膜に対し、励起光として波長650nmの可視光を照射すると、波長1050nm,1150nmの近赤外線を発光することがわかる。
図4中下部に示す蛍光スペクトルにおいては、発光波長1120nm近傍のピークはカイラルベクトルが(9,4)のカーボンナノチューブに、発光波長1200nm近傍のピークはカイラルベクトルが(8,6)のカーボンナノチューブに対応するものであり、それら発光波長1120nm,1200nm近傍における各ピークの存在から、試料Aで想定した本発明に係るカーボンナノチューブ分散膜に対し、励起光として波長720nmの可視光を照射すると、波長1120nm,1200nmの近赤外線を発光することがわかる。これより、分散膜中の各カーボンナノチューブが互いに独立に(アイソレート状態で)分散していることが分かる。
(1)試料Bの作製
HiPco法によって生成した上記単層カーボンナノチューブを、ACCVD法によって生成した周知の単層カーボンナノチューブに代えて、それ以外は上記実施例1(1)の項目に記載の通りに試料を作製し、その作製した試料を「試料B」とした。
(2)試料Bの偏光吸収スペクトルの測定
試料Bに対しても、上記実施例1(2)の項目に記載の通りに偏光吸収スペクトルを測定した。試料Bの偏光吸収スペクトルの測定結果は図示しないが、試料Bの偏光吸収スペクトルでは、波長500〜900nm,1000〜1500nm周辺の各ピークに顕著な吸収の差があり、試料Aと同様に、試料Bでもカーボンナノチューブ分散膜中の各カーボンナノチューブが配向していた。ただし、試料Bの偏光吸収スペクトルでは、ピーク数が試料Aのピーク数より少なく、各ピークの吸収が試料Aのピークの吸収より大きかった。このことから、試料Bのカーボンナノチューブ分散膜中には、特定のカイラリティを有するカーボンナノチューブが試料Aのそれより多く存しているのがわかった。
(3)試料Bの蛍光スペクトルの測定
試料Bに対しても、上記実施例1(3)の項目に記載の通りに蛍光スペクトルを測定した。試料Bの蛍光スペクトルの測定結果は図示しないが、試料Bの蛍光スペクトルでは、ピーク数が試料Aのピーク数より少なく、各ピークの強度が試料Aのピークの強度より大きかった。このことから、HiPco法による単層カーボンナノチューブを膜中に分散させるより、ACCVD法による単層カーボンナノチューブを膜中に分散させるほうが、特定波長の近赤外線を高強度で発光可能であることがわかった。
(1)試料Cの作製
HiPco法によって生成した上記単層カーボンナノチューブを、ACCVD法によって生成した周知の単層カーボンナノチューブに代えるとともに、塗布工程においてワイヤーの径がmmオーダーのものに代え、かつ、ワイヤーバーの移動速度を2m/秒より遅い速度でワイヤーバーを移動させ、それ以外は上記実施例1(1)の項目に記載の通りに試料を作製し、その作製した試料を「試料C」とした。
(2)試料Cの偏光吸収スペクトルの測定
試料Cに対しても、上記実施例1(2)の項目に記載の通りに偏光吸収スペクトルを測定した。試料Cの偏光吸収スペクトルの測定結果は図示しないが、試料Cの偏光吸収スペクトルでは、波長500〜900nm,1000〜1500nm周辺の各ピークに吸収の偏光入射角による差はほとんど認められず、試料Cでは各カーボンナノチューブがカーボンナノチューブ分散膜中で配向していなかった。
(3)試料Cの蛍光スペクトルの測定
試料Cに対しても、上記実施例1(3)の項目に記載の通りに蛍光スペクトルを測定した。試料Cの蛍光スペクトルの測定結果を図5に示す。試料Cの蛍光スペクトルでは、試料Aの蛍光スペクトルと同様に、カイラルベクトル(7,5),(7,6),(9,4),(8,6)に対応するピークがそれぞれ存在し、その各ピークの存在から、各カーボンナノチューブがカーボンナノチューブ分散膜中で配向していなくても互いに独立(アイソレート状態)に分散していれば、励起光として波長650nm,720nmの可視光を吸収して近赤外線を発光することがわかる。
第1の実施形態に係る発光体の概略構成を示す斜視図である。 第2の実施形態に係る発光体の概略構成を示す斜視図である。 試料Aの偏光吸収スペクトルを示す図面である。 試料Aの蛍光スペクトルを示す図面である。 試料Cの蛍光スペクトルを示す図面である。
符号の説明
1 発光体
2 基板
3 カーボンナノチューブ
4 カーボンナノチューブ分散膜

Claims (9)

  1. 複数のカーボンナノチューブが透明バインダ中で分散されたカーボンナノチューブ分散膜であって、
    前記各カーボンナノチューブが配向した状態で互いに独立に分散していることを特徴とするカーボンナノチューブ分散膜。
  2. 請求項1に記載のカーボンナノチューブ分散膜において、
    前記カーボンナノチューブが単層カーボンナノチューブであることを特徴とするカーボンナノチューブ分散膜。
  3. 請求項1又は2に記載のカーボンナノチューブ分散膜において、
    前記カーボンナノチューブがACCVD法によって生成された単層カーボンナノチューブであることを特徴とするカーボンナノチューブ分散膜。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のカーボンナノチューブ分散膜において、
    前記透明バインダがゼラチンであることを特徴とするカーボンナノチューブ分散膜。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の前記カーボンナノチューブ分散膜が所定の基板上に成膜されていることを特徴とする発光体。
  6. 複数のカーボンナノチューブがそれぞれ透明バインダ中で互いに独立に分散されたカーボンナノチューブ分散膜であって、
    前記カーボンナノチューブがACCVD法によって生成された単層カーボンナノチューブであることを特徴とするカーボンナノチューブ分散膜。
  7. 請求項6に記載のカーボンナノチューブ分散膜において、
    前記透明バインダがゼラチンであることを特徴とするカーボンナノチューブ分散膜。
  8. 請求項6又は7に記載の前記カーボンナノチューブ分散膜が所定の基板上に成膜されていることを特徴とする発光体。
  9. 請求項1〜4,6,7のいずれか一項に記載のカーボンナノチューブ分散膜において、
    発光することを特徴とするカーボンナノチューブ分散膜。
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