JP2006025616A - 茸の栽培方法 - Google Patents

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Abstract

【目的】
培養瓶を使用して行う茸の人工栽培は収穫する茸の姿形に変形が目立ったり、また、収穫量が低下することがある。このことから、発芽した子実体の全てが伸び伸びと成長することができる茸の栽培方法を提供することを目的とする。
【解決手段】
培養瓶1を使用して茸の栽培を行う際、菌糸培養が終了しあるいはその途中にある培養瓶1の瓶口1aに、その瓶口1aに嵌る開口4aを有したトレー4を被せると共にこのトレー4内に培基2aを搬入して、培養瓶1内の培基2内で成長した任意の茸の菌糸3をトレー4内の培基2a内に伸張させ、そのトレー4内の菌床3bから芽出しを行い子実体6を育成させる。

【選択図】 図1


Description

本発明は、茸の人工栽培に関するものである。
従来、ブナシメジをはじめとしてエリンギやマイタケそしてエノキ等のキノコが人工的に栽培されている。
その栽培方法は、主にポリプロピレン等の培養瓶を用いて行われており、オガ/米糠/フスマ/水を適当に加えてそれをミキサーで攪拌して培養基を作り、その培養基を培養瓶に詰め、その培養基に種菌の植付け用の穴を開け、その培養瓶を蒸気殺菌釜に入れて瓶内の培養基を殺菌し、培養基に種菌を植付けそれを培養室で培養して菌糸を培養基に蔓延させ、瓶口内の死滅菌層を除去(菌掻)し、子実体を発芽させると共に育成室で成長させて栽培している。
この培養瓶による栽培方法の子実体は、培基内で菌糸伸長完了後、瓶口内の培基表面(菌正面)から、子実体の芽出しが行われるのであるが、育成につれて、茸の根部分の直径が大きくなり、成長余力があっても、培養瓶の瓶口径に制約があるために茸が瓶口部でひしめき合って、それ以上に生育できず、収量が制約される欠点がある。そして、瓶口部でのひしめき合いによって姿形が変形した茸が多く、また、発芽や成長の早い子実体があると後に発芽した子実体の成長を妨害し収穫量が低下することも多々ある。
従って、本発明は上述した問題点に鑑みてなされたもので、発芽した子実体の全てが伸び伸びと成長することができ、収量の多い茸の栽培方法を提供することを目的とするものである。
本発明の要旨とするところは、培養瓶を用いて行う茸の栽培方法において、種菌を培養瓶内の培基に摂取した後、培養瓶の口にこれに嵌る開口を有するトレーを被せた状態で、培養瓶内の培基内で菌糸を成長させ、更に菌糸を培養瓶の口から、培基が搬入されたトレー内に伸張させ、そのトレー内の菌床から芽出しを行い子実体を育成させることを特徴とした茸の栽培方法である。
また、培養瓶を用いて行う茸の栽培方法において、菌糸培養が終了しあるいはその途中にある培養瓶の口に、これに嵌る開口を有するトレーを被せると共にこのトレー内に培基を搬入して、培養瓶内の培基内で成長した任意の茸の菌糸をトレー内の培基内に伸張させ、そのトレー内の菌床から芽出しを行い子実体を育成させることを特徴とした茸の栽培方法である。
更に、複数の培養瓶をコンテナに収容して行う茸の栽培方法において、菌糸培養が終了しあるいはその途中にある各培養瓶の口に、その口に対応する部位に位置し、且つその口に嵌る開口を有したトレーを被せると共にこのトレー内に培基を搬入して、各培養瓶内の培基内で成長した菌糸をトレー内の培基内に伸張させ、そのトレー内の菌床から芽出しを行い子実体を育成させることを特徴とした茸の栽培方法である。
本発明の茸の栽培方法を詳しく説明すると、培養瓶とは、培基すなわちオガや米糠やフスマ等に水を適当に加えてそれを適宜に攪拌した茸の栽培を行う時に用いられる土壌を収納するための容器体である。また、土壌には菌糸活性剤等も混合する場合もある。また、本願において、培養瓶は茸の栽培に使用可能な容器の全てを含むものである。例えば、上方に口を有する袋状の容器体も培養瓶と呼ぶものである。その培養瓶の特に適するものは、上方に口を有する瓶形の形状をした容器体がよい。勿論、使用可能なものであればどのようなものでもよく、その形状や素材等を問うものではない。
コンテナとは、前述の培養瓶を収容するための容器体であり、培養瓶を収容可能なものであればどのようなものでもよく、形状や大きさそして素材等を問うものではない。例えば、上方に開口された角形の箱体等でもよい。本発明に適するコンテナは培養瓶を16本収容できるものがよい。
そのコンテナに収容する培養瓶のトレー内での状態においても特に限定するものではなく、収容瓶が互いにほぼ接触する状態で収容しても、適当な間隔が開くように収容してもよい。収容瓶に被せるトレーの大きさ等によって適宜に設定すればよい。
そして、培養瓶の口に嵌まる開口を有したトレーを、菌糸培養が終了しあるいはその途中にある培養瓶の口に被せる。
トレーとは、上方に開口され、また、底部には培養瓶の口に嵌まる開口が形成されている容器体で、少なくとも内部に発芽した子実体を成長させ得る容量の培基を収容できるものであればよく、形状や大きさそして素材等を問うものではない。例えば、上方が開口され、且つ底部に培養瓶の口に嵌る開口(通孔)を有する角形の箱体や皿体等でもよい。
また、コンテナに収容された培養瓶の口に被せるトレーは、トレーの培養瓶の口に嵌める開口を培養瓶の口に対応させた位置に形成すればよい。
また、培養瓶の口に嵌めるトレーの開口は、トレーの開口と培養瓶の口を直接嵌合させる直接的なものでも、また、トレーの開口と培養瓶の口の間に任意の部材等が介在されて、トレーの開口と培養瓶の口が間接的に接続される間接的なものでもよい。
そして、このトレー内に培基を搬入するが、培基搬入時期は、トレーの嵌合時でも、菌糸のトレー内の培基への伸長直前のいずれでもよい。その培基も培養瓶に入れたものと同じものであってよいが、また、トレー用として新たに調整したものでもよい。
菌糸培養までの工程としては、前述のようにオガや米糠やフスマ等に水を適当に加えてそれを適宜に攪拌して調整した培基をポリプロピレン等によって形成された培養瓶に詰め、その培養瓶のほぼ中央に種菌植付け用の穴を開けてその培養瓶を蒸気殺菌釜に入れて瓶内の培基を殺菌し、培基に種菌を植付けそれを培養室で培養して菌糸を培基に蔓延させる。この菌糸を培基に蔓延させるのが菌糸培養であり、この菌糸培養が終了しあるいはその途中にある培養瓶の口に、その口に嵌る開口を有したトレーを被せるのである。
そして、培養瓶内の培基内で成長した任意の茸の菌糸をトレー内の培基内に伸張させ、そのトレー内の菌床から芽出しを行い子実体を育成させるのである。また、トレー内の死滅菌層の除去(菌掻)も適宜に行ってもよい。
従って、培養瓶内の培基で成長した茸の菌糸は、培養瓶内の培基からトレー内の培基に伸び、そのトレー内の菌床から発芽してその発芽した子実体は成長し茸となる。その成長の際、上方が広く開口するトレー内で成長するので、成長過程にある子実体どうしが干渉することなく成長する。
本発明の茸の栽培方法は以上のように、菌糸からの発芽を培養瓶に被せたトレーの菌床(培基)から行い、その発芽した子実体を広々としたトレーの培基で成長させているので、従来のように、子実体が培養瓶の瓶口部でひしめき合うこともない。従って、子実体が干渉し合うことなく伸び伸びと成長するので、姿形の変形もなく、また発芽した子実体の全てが広い環境で成長することができ茸として収量を大きくすることができる。
本発明の茸の栽培方法を以下図面に従って説明すると、図1は、本発明の栽培方法によって栽培された子実体を示す図であり、1は培養瓶、1aは培養瓶1の瓶口、2は培基、3は培基2内で蔓延した菌糸である。
そして、菌糸3はさらに培養瓶1の瓶口1aに被せたトレー4内に伸張して菌糸3aが蔓延し、そのトレー4内の菌床3bから子実体6が発芽して成長する。
図2は、栽培工程の前半を示す図であり、(a)図は、培養瓶1内の培基2内で菌糸3を蔓延させ、(b)図は、菌糸3が蔓延した頃に、培養瓶1の瓶口1aに嵌る開口4aを底部に形成したトレー4を被せ、(c)図は、培養瓶1の瓶口1aに被せたトレー4内に培基2aを搬入する図である。
図3は、栽培工程の後半を示す図であり、(a)図は、培養瓶1の瓶口1aに被せたトレー4内の培基2aに菌糸3を伸張させ、(b)図は、トレー4内の培基2aに菌糸3aを蔓延させ、(c)図は、トレー4内の菌床3bから発芽した子実体6が成長したところの図である。
図4は、他の形態の栽培方法を示す図であり、本方法は、培養瓶1をコンテナ5に収納して行うようにしたものである。栽培工程は、図2および図3と同様な工程で行われる。
図5は、コンテナ内の栽培瓶にトレーを嵌合させる図であり、コンテナ5に収納された各培養瓶1の瓶口1aに、トレー4の底部に形成された各開口4aが嵌まる。
図6は、栽培された子実体を示す図であり、1は培養瓶、1aは培養瓶1の瓶口、2は培基、3は培基2内で蔓延した菌糸である。
そして、菌糸3はさらに培養瓶1の瓶口1aに被せたトレー4内に伸張して菌糸3aが蔓延し、そのトレー4内の菌床3bから子実体6が発芽して成長する。
本発明の栽培方法によって栽培された子実体を示す図 栽培工程の前半を示す図 栽培工程の後半を示す図 他の形態の栽培方法を示す図 コンテナ内の栽培瓶にトレーを嵌合させる図 栽培された子実体を示す図
符号の説明
1−培養瓶,1a−瓶口,2−培基,2a−培基,3−菌糸,3a−菌糸,3b−菌床,4−トレー,4a−開口,5−コンテナ,6−子実体

Claims (3)

  1. 培養瓶を用いて行う茸の栽培方法において、種菌を培養瓶内の培基に摂取した後、培養瓶の口にこれに嵌る開口を有するトレーを被せた状態で、培養瓶内の培基内で菌糸を成長させ、更に菌糸を培養瓶の口から、培基が搬入されたトレー内に伸張させ、そのトレー内の菌床から芽出しを行い子実体を育成させることを特徴とした茸の栽培方法
  2. 培養瓶を用いて行う茸の栽培方法において、菌糸培養が終了しあるいはその途中にある培養瓶の口に、これに嵌る開口を有するトレーを被せると共にこのトレー内に培基を搬入して、培養瓶内の培基内で成長した任意の茸の菌糸をトレー内の培基内に伸張させ、そのトレー内の菌床から芽出しを行い子実体を育成させることを特徴とした茸の栽培方法
  3. 複数の培養瓶をコンテナに収容して行う茸の栽培方法において、菌糸培養が終了しあるいはその途中にある各培養瓶の口に、その口に対応する部位に位置し、且つその口に嵌る開口を有したトレーを被せると共にこのトレー内に培基を搬入して、各培養瓶内の培基内で成長した菌糸をトレー内の培基内に伸張させ、そのトレー内の菌床から芽出しを行い子実体を育成させることを特徴とした茸の栽培方法
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105123262A (zh) * 2015-07-30 2015-12-09 合肥元政农林生态科技有限公司 一种真姬菇优质高产栽培方法
CN111066578A (zh) * 2020-03-09 2020-04-28 韶关市星河生物科技有限公司 一种灰树花的工厂化栽培方法
US11406070B2 (en) * 2017-04-27 2022-08-09 Hokuto Corporation Cap assembly for mushroom cultivation bottle

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