JP2006024773A - 固体レーザー励起用光学部品及び固体レーザー装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】小型化が容易で励起光の利用効率が高く、実装の容易な固体レーザー励起用光学部品を提供する。
【解決手段】本発明は、半導体レーザー11を励起光源として用い固体レーザー媒質を励起し、レーザー発振を行う固体レーザー装置に用いられる固体レーザー励起用光学部品10において、少なくとも2枚の隙間を持たせて重ねられた反射板12,13からなる導光路14を有し、該導光路内には少なくとも1つの反射板の面と平行な面内でレーザー光を集光する光学素子15,16を有することを特徴とする。すなわち、本発明の固体レーザー励起用光学部品10では、導光路14と導光路内に形成した光学素子(屈折光学素子)15,16を利用することにより、小形で光の利用効率が高く、また、導光路内の光学素子15,16は一括でアライメントされているため、実装が容易である。
【選択図】図1
【解決手段】本発明は、半導体レーザー11を励起光源として用い固体レーザー媒質を励起し、レーザー発振を行う固体レーザー装置に用いられる固体レーザー励起用光学部品10において、少なくとも2枚の隙間を持たせて重ねられた反射板12,13からなる導光路14を有し、該導光路内には少なくとも1つの反射板の面と平行な面内でレーザー光を集光する光学素子15,16を有することを特徴とする。すなわち、本発明の固体レーザー励起用光学部品10では、導光路14と導光路内に形成した光学素子(屈折光学素子)15,16を利用することにより、小形で光の利用効率が高く、また、導光路内の光学素子15,16は一括でアライメントされているため、実装が容易である。
【選択図】図1
Description
本発明は、レーザー加工装置、レーザープリンター、レーザースキャンディスプレー、レーザー計測装置、医療装置、分析装置等のレーザーを利用した様々な装置に用いられる固体レーザー励起用光学部品及び固体レーザー装置に関する。
従来、固体レーザー装置に関する技術としては、例えば以下のようなものが提案されている。
特許文献1(特開平09−199774号公報)には、リニアアレーLD(レーザーダイオード)またはスタック化された2次元リニアアレーLDを励起光源とするレーザーダイオード励起固体レーザー装置において、励起光を端面励起方式で1mmφ以下に集光可能にし、TEM00モードでのレーザー発振効率改善と、Qスイッチパルス発振時のパルス幅短縮化と、レーザー装置の小型化を課題として、図7(A),(B)に示すように、2次元リニアアレーLD101から出射されたLD励起光をシリンドリカルレンズ102,103や球面レンズ104,105から成る結合光学系1201を用いて一旦φ2ミリ程度まで効率良く集光させ、その後、入射部が2〜3ミリφ、出射部を0.5〜1ミリφ程度であるテーパー付きの全反射ロッド1061に結合する2段階の集光光学系で構成された結合光学系から成り、テーパー付きの全反射ロッド1061の出射部はレーザー媒質107の全反射コート側の瑞面と光学的結合をさせるか、あるいは隙間なく突き合わせ接触させた構成を有するレーザーダイオード励起固体レーザー装置が開示されている。
特許文献1(特開平09−199774号公報)には、リニアアレーLD(レーザーダイオード)またはスタック化された2次元リニアアレーLDを励起光源とするレーザーダイオード励起固体レーザー装置において、励起光を端面励起方式で1mmφ以下に集光可能にし、TEM00モードでのレーザー発振効率改善と、Qスイッチパルス発振時のパルス幅短縮化と、レーザー装置の小型化を課題として、図7(A),(B)に示すように、2次元リニアアレーLD101から出射されたLD励起光をシリンドリカルレンズ102,103や球面レンズ104,105から成る結合光学系1201を用いて一旦φ2ミリ程度まで効率良く集光させ、その後、入射部が2〜3ミリφ、出射部を0.5〜1ミリφ程度であるテーパー付きの全反射ロッド1061に結合する2段階の集光光学系で構成された結合光学系から成り、テーパー付きの全反射ロッド1061の出射部はレーザー媒質107の全反射コート側の瑞面と光学的結合をさせるか、あるいは隙間なく突き合わせ接触させた構成を有するレーザーダイオード励起固体レーザー装置が開示されている。
特許文献2(特開平11−017252号公報)には、半導体レーザー(LD)から出力される励起光を効率よくレーザー媒質に伝搬できる半導体励起固体レーザーを提供することを課題として、図8に示すように、半導体レーザー素子203から発せられる励起光を固体レーザー媒質201に導く光学的ガイド板205の形状を、半導体レーザー素子203側の断面積を大きくし、固定レーザー媒質201側の断面積を小さくする構成の半導体励起固体レーザー装置が開示されている。
特許文献3(特開平11−214776号公報)には、励起用半導体レーザー(LD)の出力を増加させることなく、LD励起固体レーザーの出力を増加させることができるLD励起固体レーザーを提供することを課題として、図9に示すように、半導体レーザー302を励起光源としてレーザー媒質である固体結晶301を光励起し、レーザ発振を行うLD励起固体レーザーにおいて、前記半導体レーザー302の固体結晶301への照射光を集光する集光手段305を設けたことを特徴とするLD励起固体レーザーが開示されている。
高いエネルギー効率で高出力が得られるレーザー光源として、半導体レーザー励起固体レーザー(Diode Pumped Solid State Laser:DPSSL)が注目されている。これは半導体レーザー(LD)を用いることにより、レーザー結晶の特定のエネルギー順位を効率的に励起できるため励起効率が高く、装置の高出力化、小型化に有利であり、レーザー加工装置、レーザープリンター、レーザースキャンディスプレー、レーザー計測装置、医療装置、分析装置等のレーザーを利用した様々な装置に利用されている。
これらの装置では、LDによる励起の効率を高めるため、様々な検討が行われている。このレーザー光源の励起に用いられるLDは通常ブロードエリア構造のものが用いられている。このLDは発光点がストライプ状であり、しかも方向によって広がり角が大きく異なっている。例えば1W程度の出力が得られるタイプでは、ストライプ形状は縦1μm、横200μm、発散角は速軸側(ストライプと直交方向)40°、遅軸側(ストライプと平行方向)10°程度である。このため、レーザー結晶を効率的に励起するためには、LDから発散する光を効率的にレーザー結晶へ伝達するための光学系が重要である。
そこで前述の特許文献2では、テーパー状のライトガイド板205を用いて、LD203からの励起光をレーザー結晶201に伝播している。また、特許文献3ではLD302からの励起光をシリンドリカルレンズ等の集光手段305を用いて集光し、レーザー媒質である固体結晶301を照射している。この場合、集光手段305には棒状のシリンドリカルレンズも利用されるが、縦方向に広がる光を集光する場合、非常に大きいNAを持つシリンドリカルレンズを利用する必要があるため、アライメントが困難になる。
一方、LD励起固体レーザーで効率的な発振を行うためには、レーザー結晶中のレーザー発振を行う領域と励起光が照射される領域をできるだけ一致させておく必要がある。励起用LDの発光点はストライプ状であるため、単にレンズで集光しただけでは集光スポット形状もストライプ状になってしまうので、ビーム形状を変換するための光学系が必要になる。例えば、TEM00モードをねらった端面励起固体レーザーでは、LD励起光と共振器内で発振しているレーザービームの重なり(モードマッチング)をよくするため、励起光の形状を円形に整形し、発振するレーザー光と同程度の直径まで絞り込む必要がある。そこで前述の特許文献1では、複数のレンズ102〜105とテーパー状のライトガイド1061を組み合わせてLD101からの励起光をレーザー結晶1071に照射している。
しかしながら、これらの方法では励起光学系が大きくなってしまいレーザー装置の小型化が困難である。励起光学系を小さくするためには、例えばライトガイドのテーパー角を大きくすれば良いが、その場合にはビームの反射が多くなるため励起光の利用効率が低下する。また、特許文献1のように複数のレンズを利用する場合には、光学系自体が大きくなる。また、複数のレンズを組み合わせて利用する場合は、高い実装精度が必要になるため、実装が難しくなる。
以上の従来技術の問題点に対して、本発明では、小型化が容易で励起光の利用効率が高く、実装の容易な固体レーザー励起用光学系及びそれを用いた固体レーザー装置を提供することを目的とする。
より具体的には、本発明では、小型化が容易で励起光の利用効率が高く、実装の容易な固体レーザー励起用光学部品を提供することを目的とする。
また、本発明では、上記目的に加えて、効率的に作製できる固体レーザー励起用光学部品を提供することを目的とする。
さらに本発明では、上記目的に加えて、光学系作製に適した材料を提供することを目的とする。
さらに本発明では、上記目的に加えて、光学素子表面の荒れを防ぐことを目的とする。
さらに本発明では、上記目的に加えて、より効率よくレーザー媒質の励起が行える固体レーザー励起用光学部品を提供することを目的とする。
さらに本発明では、上記の固体レーザー励起用光学部品を用いて、小形、高効率で高出力化が可能な固体レーザー装置を提供することを目的とする。
より具体的には、本発明では、小型化が容易で励起光の利用効率が高く、実装の容易な固体レーザー励起用光学部品を提供することを目的とする。
また、本発明では、上記目的に加えて、効率的に作製できる固体レーザー励起用光学部品を提供することを目的とする。
さらに本発明では、上記目的に加えて、光学系作製に適した材料を提供することを目的とする。
さらに本発明では、上記目的に加えて、光学素子表面の荒れを防ぐことを目的とする。
さらに本発明では、上記目的に加えて、より効率よくレーザー媒質の励起が行える固体レーザー励起用光学部品を提供することを目的とする。
さらに本発明では、上記の固体レーザー励起用光学部品を用いて、小形、高効率で高出力化が可能な固体レーザー装置を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するため、本発明では以下のような手段を採っている。
本発明の第1の手段は、半導体レーザーを励起光源として用い固体レーザー媒質を励起し、レーザー発振を行う固体レーザー装置に用いられる固体レーザー励起用光学部品において、少なくとも2枚の隙間を持たせて重ねられた反射板からなる導光路を有し、該導光路内には少なくとも1つの反射板の面と平行な面内でレーザー光を集光する光学素子を有することを特徴とする(請求項1)。
本発明の第1の手段は、半導体レーザーを励起光源として用い固体レーザー媒質を励起し、レーザー発振を行う固体レーザー装置に用いられる固体レーザー励起用光学部品において、少なくとも2枚の隙間を持たせて重ねられた反射板からなる導光路を有し、該導光路内には少なくとも1つの反射板の面と平行な面内でレーザー光を集光する光学素子を有することを特徴とする(請求項1)。
本発明の第2の手段は、半導体レーザーを励起光源として用い固体レーザー媒質を励起し、レーザー発振を行う固体レーザー装置に用いられる固体レーザー励起用光学部品において、少なくとも2枚の隙間を持たせて重ねられた反射板からなる導光路を有し、該導光路内には少なくとも1つの反射板の面と平行な面内でレーザー光を集光する屈折光学素子を有することを特徴とする(請求項2)。
本発明の第3の手段は、第2の手段の固体レーザー励起用光学部品において、第1の反射板となる反射面を持つ基板上に導光路の間隔と同じ厚さで励起用半導体レーザーの波長に対して透明な薄膜を積層した基板を用い、フォトリソグラフィーとドライエッチングにより前記薄膜を部分的に除去することにより前記屈折光学素子となる少なくとも1つのレンズパターンを形成し、該レンズパターンを介して別の反射面を持つ基板を第2の反射板として貼り合わせた構造を有することを特徴とする(請求項3)。
本発明の第4の手段は、第3の手段の固体レーザー励起用光学部品において、前記レンズパターンが形成される基板は、平坦な表面を持つ下地基板上に反射膜とレンズ形成用薄膜を積層した構造を持ち、前記反射膜には、レンズ形成用薄膜のエッチングに対してエッチング耐性を持つものを利用することを特徴とする(請求項4)。
また、本発明の第5の手段は、第3または第4の手段の固体レーザー励起用光学部品において、前記フォトリソグラフィーを行う際に、フォトマスクの像をぼかした状態でフォトレジストに露光していることを特徴とする(請求項5)。
また、本発明の第5の手段は、第3または第4の手段の固体レーザー励起用光学部品において、前記フォトリソグラフィーを行う際に、フォトマスクの像をぼかした状態でフォトレジストに露光していることを特徴とする(請求項5)。
本発明の第6の手段は、半導体レーザーを励起光源として用い固体レーザー媒質を励起し、レーザー発振を行う固体レーザー装置に用いられる固体レーザー励起用光学部品において、少なくとも2枚の隙間を持たせて重ねられた反射板からなる導光路を有し、該導光路内には少なくとも1つの反射板の面と平行な面内でレーザー光を集光する反射型光学素子を有することを特徴とする(請求項6)。
本発明の第7の手段は、第6の手段の固体レーザー励起用光学部品において、第1の反射板となる基板の表面をフォトリソグラフィーと異方性エッチングにより部分的に除去することにより前記導光路となる部分と前記反射型光学素子となる反射部とを形成し、前記導光路部分と前記反射部に反射膜を形成し、前記反射部を介して別の反射面を持つ基板を第2の反射板として貼り合わせた構造を有することを特徴とする(請求項7)。
また、本発明の第8の手段は、第7の手段の固体レーザー励起用光学部品において、前記反射部を形成する基板にシリコン基板を用いることを特徴とする(請求項8)。
また、本発明の第8の手段は、第7の手段の固体レーザー励起用光学部品において、前記反射部を形成する基板にシリコン基板を用いることを特徴とする(請求項8)。
本発明の第9の手段は、第1〜第8のいずれか一つの手段の固体レーザー励起用光学部品において、光の入射部または出射部に、シリンドリカルレンズまたはコーンミラーを配置したことを特徴とする(請求項9)。
本発明の第10の手段は、半導体レーザーを励起光源として用い固体レーザー媒質を励起し、レーザー発振を行う固体レーザー装置において、第1〜第9のいずれか一つの手段の固体レーザー励起用光学部品を用いたことを特徴とする(請求項10)。
第1、第2の手段の固体レーザー励起用光学部品では、導光路と導光路内に形成した光学素子(屈折光学素子)を利用することにより、小形で光の利用効率が高く、また、導光路内の光学素子は一括でアライメントされているため、実装が容易になる。
また、第3の手段の固体レーザー励起用光学部品では、半導体プロセスを利用して屈折光学素子となるレンズパターンを作製できるので、複数の微小な光学素子を利用する場合も高い精度で光学素子の配置をアライメントすることができる。
また、第3の手段の固体レーザー励起用光学部品では、半導体プロセスを利用して屈折光学素子となるレンズパターンを作製できるので、複数の微小な光学素子を利用する場合も高い精度で光学素子の配置をアライメントすることができる。
第4の手段の固体レーザー励起用光学部品では、反射膜には、レンズ形成用薄膜のエッチングに対してエッチング耐性を持つものを利用することにより、レンズ形成時のエッチングの制御が容易になる。
また、第5の手段の固体レーザー励起用光学部品では、フォトリソグラフィーを行う際に、フォトマスクの像をぼかした状態でフォトレジストに露光していることにより、レジスト端面の荒れを減らせるので、滑らかな表面の光学素子(レンズ)を作製することが可能になる。
また、第5の手段の固体レーザー励起用光学部品では、フォトリソグラフィーを行う際に、フォトマスクの像をぼかした状態でフォトレジストに露光していることにより、レジスト端面の荒れを減らせるので、滑らかな表面の光学素子(レンズ)を作製することが可能になる。
第1、第6の手段の固体レーザー励起用光学部品では、導光路と導光路内に形成した光学素子(反射型光学素子)を利用することにより、小形で光の利用効率が高く、また、導光路内の光学素子は一括でアライメントされているため、実装が容易になる。
また、第7の手段の固体レーザー励起用光学部品では、半導体プロセスを利用して導光路部分と反射型光学素子となる反射部を作製できるので、高い精度で反射型光学素子の配置をアライメントすることができる。
さらに第8の手段の固体レーザー励起用光学部品では、反射部を形成する基板にシリコン基板を用いることにより、シリコン基板は入手が容易でありウエットエッチングにより導光路や反射部の形成ができるため、容易に固体レーザー励起用光学部品を作製することが可能となる。
また、第7の手段の固体レーザー励起用光学部品では、半導体プロセスを利用して導光路部分と反射型光学素子となる反射部を作製できるので、高い精度で反射型光学素子の配置をアライメントすることができる。
さらに第8の手段の固体レーザー励起用光学部品では、反射部を形成する基板にシリコン基板を用いることにより、シリコン基板は入手が容易でありウエットエッチングにより導光路や反射部の形成ができるため、容易に固体レーザー励起用光学部品を作製することが可能となる。
第9の手段の固体レーザー励起用光学部品では、光の入射部または出射部に、シリンドリカルレンズまたはコーンミラーを配置したことにより、速軸方向の発散角を制御できるので、より効率よくレーザー媒質の励起が行えるようになる。
第9の手段の固体レーザー装置では、第1〜第9のいずれか一つの手段の固体レーザー励起用光学部品を用いたことにより、小形で高効率な半導体レーザー励起固体レーザー装置を実現することができる。
本発明の固体レーザー励起用光学部品は、図1(または図3)に示すように、励起光学系にレーザーダイオード(LD)11(31)のエミッターと平行な隙間を持たせて重ね合わせた2枚の反射板12,13(32,33)を使った導光路14(34)を利用し、導光路内に少なくとも1つの反射板と平行な面内でレーザー光を集光する光学素子15,16(36)が形成されていることを特徴とする。
この固体レーザー励起用光学部品10(30)では、LD光源11(31)のストライプに対して垂直な方向に対しては導光路14(34)の隙間の幅を保ったままレーザー結晶(図示せず)まで伝達される。LD光源11(31)のストライプに対して垂直な方向では出射角は大きいが、出射部分の高さは2μm程度なので、導光路14(34)の高さを数10μm程度にしておけば全ての出射光を導光路内に取り込み、レーザー結晶まで伝播することができる。導光路14(34)の高さはレーザー結晶に照射する際の照射範囲に応じて調整すればよい。一方、LD光源11(31)のストライプと平行な方向については、導光路内に形成された光学素子15,16(36)により必要な幅に整形されレーザー結晶まで伝播される。
この固体レーザー励起用光学部品10(30)では、LD光源11(31)のストライプに対して垂直な方向に対しては導光路14(34)の隙間の幅を保ったままレーザー結晶(図示せず)まで伝達される。LD光源11(31)のストライプに対して垂直な方向では出射角は大きいが、出射部分の高さは2μm程度なので、導光路14(34)の高さを数10μm程度にしておけば全ての出射光を導光路内に取り込み、レーザー結晶まで伝播することができる。導光路14(34)の高さはレーザー結晶に照射する際の照射範囲に応じて調整すればよい。一方、LD光源11(31)のストライプと平行な方向については、導光路内に形成された光学素子15,16(36)により必要な幅に整形されレーザー結晶まで伝播される。
ここで利用する光学素子15,16(36)は、後述するように半導体プロセスのフォトリソグラフィーとエッチングを用いて作製することができる。したがって小型化が可能であり、しかも複数の光学素子をアライメントされた状態で一括形成できるので、レーザー装置を組み立てる際のアライメントも容易になる。
したがって、本発明の固体レーザー励起用光学部品10(30)を用いることにより、LD11(31)からの出射光を効率的にレーザー結晶へ伝播可能であり、小型化が可能で組み立て時のアライメントも容易な固体レーザー装置を実現することが可能となる。
したがって、本発明の固体レーザー励起用光学部品10(30)を用いることにより、LD11(31)からの出射光を効率的にレーザー結晶へ伝播可能であり、小型化が可能で組み立て時のアライメントも容易な固体レーザー装置を実現することが可能となる。
以下、本発明の具体的な実施例を図面を参照して詳細に説明する。
[実施例1]
まず、第1、第2の手段の実施例を説明する。図1は本発明による固体レーザー励起用光学部品の一実施例を示す図であり、同図(A)は固体レーザー励起用光学部品の断面図、(B)は上面図である。
図1において、固体レーザー励起用光学部品10の導光路14を構成する2枚の反射板12,13の間隔は例えば50μmであり、反射板12,13の間に屈折光学素子(例えばレンズ)15,16が2枚配置されている。反射板12,13には、反射膜となるアルミニウム(Al)を蒸着した石英基板(またはシリコン(Si)基板)を用い、レンズ15,16の材質は石英(SiO2)を使用した。半導体レーザ(LD)11のエミッタは幅200μm、発散角は速軸側40°、遅軸側10°である。ここでは反射板12,13の反射膜の材料としてアルミニウム(Al)を用いたが、LD11の波長に合わせてより高い反射率が得られるように設計した誘電体多層膜を利用すれば、より効率的にLD光をレーザー媒質に伝達できる。
まず、第1、第2の手段の実施例を説明する。図1は本発明による固体レーザー励起用光学部品の一実施例を示す図であり、同図(A)は固体レーザー励起用光学部品の断面図、(B)は上面図である。
図1において、固体レーザー励起用光学部品10の導光路14を構成する2枚の反射板12,13の間隔は例えば50μmであり、反射板12,13の間に屈折光学素子(例えばレンズ)15,16が2枚配置されている。反射板12,13には、反射膜となるアルミニウム(Al)を蒸着した石英基板(またはシリコン(Si)基板)を用い、レンズ15,16の材質は石英(SiO2)を使用した。半導体レーザ(LD)11のエミッタは幅200μm、発散角は速軸側40°、遅軸側10°である。ここでは反射板12,13の反射膜の材料としてアルミニウム(Al)を用いたが、LD11の波長に合わせてより高い反射率が得られるように設計した誘電体多層膜を利用すれば、より効率的にLD光をレーザー媒質に伝達できる。
次に、図1に示す構成の固体レーザー励起用光学部品10の動作について説明する。
まず、速軸側について、固体レーザー励起用光学部品10は、LD11からの出射光を導光路14に十分取り込めるようにするため、速軸側の広がりが反射板12,13の間隔以下になる位置に配置される。図1の構成の場合は、速軸側の発散角が40°、反射板12,13の間隔が50μmなので、LD11と固体レーザー励起用光学部品10の入射部の間隔が29.8μm以下になるようにすれば、ほぼすべてのLD出射光を固体レーザー励起用光学部品10に取り込むことができる。
また、LD11と光学系の間隔を狭くすれば、速軸を含む面内で取り付け位置の余裕もたせることが可能であり、LD11と固体レーザー励起用光学部品10の間隔を18μm以下にすれば、取り付け位置の誤差余裕は±10μmになる。固体レーザー励起用光学部品10に入射したLD光は導光路14内で反射を繰り返しながら出射部まで伝送され、入射時と同じ発散角で光学系から出射される。
まず、速軸側について、固体レーザー励起用光学部品10は、LD11からの出射光を導光路14に十分取り込めるようにするため、速軸側の広がりが反射板12,13の間隔以下になる位置に配置される。図1の構成の場合は、速軸側の発散角が40°、反射板12,13の間隔が50μmなので、LD11と固体レーザー励起用光学部品10の入射部の間隔が29.8μm以下になるようにすれば、ほぼすべてのLD出射光を固体レーザー励起用光学部品10に取り込むことができる。
また、LD11と光学系の間隔を狭くすれば、速軸を含む面内で取り付け位置の余裕もたせることが可能であり、LD11と固体レーザー励起用光学部品10の間隔を18μm以下にすれば、取り付け位置の誤差余裕は±10μmになる。固体レーザー励起用光学部品10に入射したLD光は導光路14内で反射を繰り返しながら出射部まで伝送され、入射時と同じ発散角で光学系から出射される。
遅軸側については、導光路14内に配置されたレンズ15,16によってビーム幅を補正された後、出射部から出射される。ここでは出射部でのビーム形状がほぼ円形になるようにするため、レンズ15,16を用いて200μm幅のエミッタから出射された光を50μm幅に集光している。遅軸側では、LD11と導光路内のレンズ15,16のアライメントが問題になるが、本発明の構成では半導体プロセスなどを利用してあらかじめ複数のレンズ15,16が高い精度でアライメントされた状態で作製できるので、固体レーザー励起用光学部品全体とLD11のアライメントだけを考えればよい。遅軸側は発散角も10°程度しかないため、アライメントはそれほど困難ではない。また、半導体プロセスを利用して作製できるので、小型化にも有利である。図1の構成の場合では、入射部から出射部までの長さは約1mmである。
以上のように、本実施例の固体レーザー励起用光学部品10を利用することでLD11の実装を容易にし。なおかつLD11からの出射光の利用効率も高めることができるようになる。
[実施例2]
次に第3〜第5の手段の実施例を説明する。
本実施例では、実施例1で示した構成の固体レーザー励起用光学部品10に用いる材料の構成及び作製方法の一例を示す。図2に固体レーザー励起用光学部品の作製工程の一例を示す。
図2において、(1)は第1の反射板とレンズを形成するための基板を示している。この基板は、平坦な下地基板20となる石英基板の上にLD光を反射するための反射膜21としてAl膜を形成し、その上にさらに石英基板を貼り付けて積層した後、上側の石英基板を導光路の間隔に合わせた厚さに研磨してレンズ形成用薄膜層22としている。ここでは下地基板20として石英基板を用いたが、表面が十分に平坦で反射膜21との密着性がよく、プロセス中や固体レーザー励起用光学部品として使用中の温度変化による熱膨張で、反射膜や密着層と剥離しないものであればよく、シリコン(Si)基板等、様々なものが利用できる。
次に第3〜第5の手段の実施例を説明する。
本実施例では、実施例1で示した構成の固体レーザー励起用光学部品10に用いる材料の構成及び作製方法の一例を示す。図2に固体レーザー励起用光学部品の作製工程の一例を示す。
図2において、(1)は第1の反射板とレンズを形成するための基板を示している。この基板は、平坦な下地基板20となる石英基板の上にLD光を反射するための反射膜21としてAl膜を形成し、その上にさらに石英基板を貼り付けて積層した後、上側の石英基板を導光路の間隔に合わせた厚さに研磨してレンズ形成用薄膜層22としている。ここでは下地基板20として石英基板を用いたが、表面が十分に平坦で反射膜21との密着性がよく、プロセス中や固体レーザー励起用光学部品として使用中の温度変化による熱膨張で、反射膜や密着層と剥離しないものであればよく、シリコン(Si)基板等、様々なものが利用できる。
反射膜21はレンズ部分をエッチングする際に除去されないようにする必要がある。このため反射膜には、レンズ形成用薄膜22のエッチングに対してエッチング耐性を持つものを利用する。なお、エッチング時間を調整してレンズ形成用薄膜層22のみをエッチングすることも可能だが、レンズ部分のエッチングに対して選択性の高い材料を用いれば、オーバーエッチングを行った場合でも反射膜21がエッチングされにくくなり、エッチングプロセスの制御が容易になる。レンズ形成用薄膜層(石英基板)22はあらかじめ導光路の高さに合わせた厚さの基板を貼り付けてもよいし、導光路が比較的薄い場合は、化学的気相体積法(CVD法)などの成膜法も利用できる。
図2の(2)〜(5)に作製プロセスの流れを示した。まず、図2の(2)に示すように、レンズ形成用薄膜層22の上にフォトレジスト23とフォトリソグラフィーを用いてレンズ部分のレジストパターンを作製する。ここで、フォトレジスト23の厚さはレンズ形成用薄膜層22の厚さとエッチング時の選択比に応じて決めるが、極端にフォトレジスト23が厚くなるような場合は、フォトレジスト23の下に金属などのレンズ形成用薄膜層22に対して大きい選択比を取れる材料の薄膜を形成しておき、レジストパターンを使って金属膜をエッチングした後、その金属膜をマスクにしてレンズ形成用薄膜層22をエッチングするなどの方法が使える。また、レジストパターンの側面部分が荒れていると、そのままレンズ形成用薄膜層22に転写されてしまう。そこで、これを避けるためには、フォトリソグラフィーを行う際に、露光時のフォーカス位置をずらすなどの方法で、マスクパターンを若干ぼかした状態でフォトレジスト23に露光すれば、レジスト側壁部分でのレジスト分子量の変化をなだらかにすることができるので、側壁の荒れを減らすことができる。この場合、ボケ分による形状のずれをあらかじめ補正してマスクを作製しておけばよい。
次に、図2の(3)に示すように、異方性ドライエッチングを用いてレンズ形成用薄膜層22をエッチングする。エッチング装置としてはMEMS作製に利用されるICPなどの高密度プラズマを利用した高速で異方性の高いエッチング装置が利用できる。
エッチング後、図2の(4),(5)に示すように、フォトレジスト23を除去し、別の反射膜24付きの基板(例えば石英基板)25を第2の反射板として貼り合わせる。
エッチング後、図2の(4),(5)に示すように、フォトレジスト23を除去し、別の反射膜24付きの基板(例えば石英基板)25を第2の反射板として貼り合わせる。
なお、図2の(2)〜(5)では1つの固体レーザー励起用光学部品について示したが、実際には図2の(6)に示すように、多数の光学部品10が一括して1つのウエハ状の基板20上に作製される。したがって、図2の(6)のように、多数の光学部品10を形成した基板20を作製した後、ダイシング法などで1つ1つの光学部品10を切り分けることにより、複数の図1に示すような構成の固体レーザー励起用光学部品10を完成することができる。
以上のように、本発明の固体レーザー励起用光学部品においては、フォトリソグラフィーによってレンズパターンを作製しているので、複数のレンズを利用する場合でも全てのレンズを所定の位置に一括して作製することが可能で、レンズ間の光軸のアライメントが不要であり、複雑な組み合わせのレンズも容易に作製することができる。また、複数の固体レーザー励起用光学部品10を一括して作製できるので、量産性も高い。また、ここで示したような材料及び構成を用いることで、容易に作製することができる。
[実施例3]
次に第1、第6の手段の実施例を説明する。図3は本発明による固体レーザー励起用光学部品の別の実施例を示す図であり、同図(A)は固体レーザー励起用光学部品の断面図、(B)は上面図である。
図3において、固体レーザー励起用光学部品30の導光路34を構成する2枚の反射板32,33の間隔は例えば50μmであり、反射板32,33の間に反射型光学素子(例えばミラー)36とスペーサー35が配置されている。反射板32,33には、反射膜としてアルミニウム(Al)を蒸着したシリコン(Si)基板を使用しており、例えば、一方の基板をエッチングすることによって、導光路34となる部分とスペーサー35及び反射型光学素子36となる反射部を形成し、導光路の部分と反射部の表面に反射膜(例えばアルミニウム(Al))を形成している。なお、図3の例では、反射型集光素子36は凹面ミラーである。
次に第1、第6の手段の実施例を説明する。図3は本発明による固体レーザー励起用光学部品の別の実施例を示す図であり、同図(A)は固体レーザー励起用光学部品の断面図、(B)は上面図である。
図3において、固体レーザー励起用光学部品30の導光路34を構成する2枚の反射板32,33の間隔は例えば50μmであり、反射板32,33の間に反射型光学素子(例えばミラー)36とスペーサー35が配置されている。反射板32,33には、反射膜としてアルミニウム(Al)を蒸着したシリコン(Si)基板を使用しており、例えば、一方の基板をエッチングすることによって、導光路34となる部分とスペーサー35及び反射型光学素子36となる反射部を形成し、導光路の部分と反射部の表面に反射膜(例えばアルミニウム(Al))を形成している。なお、図3の例では、反射型集光素子36は凹面ミラーである。
LD31のエミッタは幅200μm、発散角は速軸側40°、遅軸側10°である。ここでは反射板32,33の反射膜の材料としてアルミニウム(Al)を用いたが、LD31の波長に合わせてより高い反射率が得られるように設計した誘電体多層膜を利用すれば、より効率的にLD光をレーザー媒質に伝達できる。
また、ここでは凹面ミラー36を用いて遅軸側のビーム整形を行っている。このような構成にすることで、光軸を大きくずらすことができるため、よりコンパクトな固体レーザー励起用光学部品30が作製できる。
また、ここでは凹面ミラー36を用いて遅軸側のビーム整形を行っている。このような構成にすることで、光軸を大きくずらすことができるため、よりコンパクトな固体レーザー励起用光学部品30が作製できる。
[実施例4]
次に第7、第8の手段の実施例を説明する。
本実施例では、実施例3で示した構成の固体レーザー励起用光学部品30に用いる材料の構成及び作製方法の一例を示す。図4に固体レーザー励起用光学部品の作製工程の一例を示す。
図4に示す作製プロセスでは、反射部を形成する基板にSi基板41を利用している。より具体的には、図4の(1)に示すように、第1の反射板となるSi基板41上にフォトレジストとフォトリソグラフィーを用いて、スペーサー35及び反射型光学素子36となる反射部のレジストパターン42を形成する。次に図4の(2)に示すように、レジストパターン42をエッチングマスクとして、異方性エッチングにより基板表面を部分的に除去することにより導光路34となる部分とスペーサー35となる部分及び反射型光学素子となる反射部44とを形成する。次に図4の(3)に示すように、レジストを除去して、導光路34の部分と反射部44とにアルミニウム(Al)を蒸着して反射膜43を形成する。次に図4の(4)に示すように、反射部44とスペーサー35を介して別の反射面を持つ基板(例えばAlを蒸着したSi基板)45を第2の反射板として貼り合わせる。
次に第7、第8の手段の実施例を説明する。
本実施例では、実施例3で示した構成の固体レーザー励起用光学部品30に用いる材料の構成及び作製方法の一例を示す。図4に固体レーザー励起用光学部品の作製工程の一例を示す。
図4に示す作製プロセスでは、反射部を形成する基板にSi基板41を利用している。より具体的には、図4の(1)に示すように、第1の反射板となるSi基板41上にフォトレジストとフォトリソグラフィーを用いて、スペーサー35及び反射型光学素子36となる反射部のレジストパターン42を形成する。次に図4の(2)に示すように、レジストパターン42をエッチングマスクとして、異方性エッチングにより基板表面を部分的に除去することにより導光路34となる部分とスペーサー35となる部分及び反射型光学素子となる反射部44とを形成する。次に図4の(3)に示すように、レジストを除去して、導光路34の部分と反射部44とにアルミニウム(Al)を蒸着して反射膜43を形成する。次に図4の(4)に示すように、反射部44とスペーサー35を介して別の反射面を持つ基板(例えばAlを蒸着したSi基板)45を第2の反射板として貼り合わせる。
以上のように、本実施例では、第1の反射板となる基板にSi基板41を利用し、エッチングによって導光路34及び反射型光学素子(凹面ミラー)となる反射部44を形成した後、その表面に反射膜43を形成して第2の反射板となる基板45を貼り合わせている。なお、エッチングには実施例2と同じ異方性ドライエッチング装置を使えるが、シリコン基板の場合はKOHなどを利用した異方性ウエットエッチングも利用できる。
[実施例5]
次に第9、第10の手段の実施例を説明する。
図5は、実施例1の固体レーザー励起用光学部品10を利用した端面励起型の固体レーザー装置の一例を示す図である。図5において、LD11からの出射光は本発明の固体レーザー励起用光学部品10を透過後、レーザー媒質(レーザー結晶)18に入射する。レーザー媒質18の端面に取り付けられた全反射ミラー17は、固体レーザー励起用光学部品10からの励起光は透過し、レーザー媒質18から放出されるレーザー光は反射する。この全反射ミラー17と、レーザー媒質18を挟んで反対側に配置した出力ミラー19とで構成されるキャビティー内でレーザー光が発振し、発振したレーザー光の一部が、出力ミラー19から出射される。
次に第9、第10の手段の実施例を説明する。
図5は、実施例1の固体レーザー励起用光学部品10を利用した端面励起型の固体レーザー装置の一例を示す図である。図5において、LD11からの出射光は本発明の固体レーザー励起用光学部品10を透過後、レーザー媒質(レーザー結晶)18に入射する。レーザー媒質18の端面に取り付けられた全反射ミラー17は、固体レーザー励起用光学部品10からの励起光は透過し、レーザー媒質18から放出されるレーザー光は反射する。この全反射ミラー17と、レーザー媒質18を挟んで反対側に配置した出力ミラー19とで構成されるキャビティー内でレーザー光が発振し、発振したレーザー光の一部が、出力ミラー19から出射される。
本実施例の固体レーザー装置では、固体レーザー励起用光学部品10によりLD11の出射光を円形に変換してからレーザー媒質(レーザー結晶)18に入射させているため、励起効率がよく、単一横モードでの発振が可能であり、なおかつ、本発明の固体レーザー励起用光学部品10を用いることで全体が小型化されている。また、本実施例の固体レーザー励起用光学部品10では、LD11の速軸側の発散角は補正していないため、必要に応じて固体レーザー励起用光学部品10の出射部または入射部にシリンドリカルレンズまたはコーンミラーを配置して、発散角を小さくすれば、より高い効率で励起を行うことができる。
次に図6は、実施例3の固体レーザー励起用光学部品30を2つ使ったサイドポンプ型の固体レーザー装置の一例を示す図である。LD31からの出射光は固体レーザー励起用光学部品30に入射し、反射型光学素子(凹面ミラー36)で反射、集光された後、レーザー媒質(レーザー結晶)37に入射する。レーザー媒質37の一端には放熱装置を兼ねた全反射ミラー38が取り付けられており、レーザー媒質37から放出されるレーザー光を反射する。この全反射ミラー38と、レーザー媒質37を挟んで反対側に配置した出力ミラー40とで構成されるキャビティー内でレーザー光が発振するが、キャビティー内にはSHG素子(第2高調波発生素子)39が配置されているので、このSHG素子39により第2高調波が発生し、出力ミラー40から出力されるようになっている。
従来のサイドポンプ型のLD励起固体レーザー装置は、多数のLDを利用して高出力化しやすい構成だが、レーザー媒質の周辺に放射状にLDを配置したり、LDを離れた場所において光ファイバー等のガイド部材を使ってレーザー媒質を照射したりする構成になるため、装置が大型であった。
これに対して図6に示す構成の固体レーザー装置では、実施例3の反射型光学素子を用いた固体レーザー励起用光学部品30を2つ用いることにより、固体レーザー励起用光学部品30からの励起光を直接レーザー媒質37に照射することができ、非常に小型で高出力の固体レーザー装置を実現することができる。
これに対して図6に示す構成の固体レーザー装置では、実施例3の反射型光学素子を用いた固体レーザー励起用光学部品30を2つ用いることにより、固体レーザー励起用光学部品30からの励起光を直接レーザー媒質37に照射することができ、非常に小型で高出力の固体レーザー装置を実現することができる。
以上説明したように、本発明の固体レーザー励起用光学部品は、LDからの出射光を効率的にレーザー媒質(レーザー結晶)へ伝播可能であり、小型化が可能で組み立て時のアライメントも容易になる。従って、本発明の固体レーザー励起用光学部品を用いることにより、小形で高効率な半導体レーザー励起固体レーザー装置を実現することができ、レーザー加工装置、レーザープリンター、レーザースキャンディスプレー、レーザー計測装置、医療装置、分析装置等のレーザーを利用した様々な装置に利用することができる。
10:固体レーザー励起用光学部品
11:半導体レーザー(LD)
12,13:反射板
14:導光路
15,16:レンズ(屈折光学素子)
17:全反射ミラー
18:レーザー媒質(レーザー結晶)
19:出力ミラー
20:下地基板(石英基板)
21:反射膜
22:レンズ形成用薄膜層(石英基板)
23:フォトレジスト
24:反射膜
25:基板
30:固体レーザー励起用光学部品
31:半導体レーザー(LD)
32,33:反射板
34:導光路
35:スペーサー
36:凹面ミラー(反射型光学素子)
37:レーザー媒質(レーザー結晶)
38:放熱装置を兼ねた全反射ミラー
39:SHG素子(第2高調波発生素子)
40:出力ミラー
41:Si基板
42:レジストパターン
43:反射膜
44:反射部
45:反射面を持つ基板
11:半導体レーザー(LD)
12,13:反射板
14:導光路
15,16:レンズ(屈折光学素子)
17:全反射ミラー
18:レーザー媒質(レーザー結晶)
19:出力ミラー
20:下地基板(石英基板)
21:反射膜
22:レンズ形成用薄膜層(石英基板)
23:フォトレジスト
24:反射膜
25:基板
30:固体レーザー励起用光学部品
31:半導体レーザー(LD)
32,33:反射板
34:導光路
35:スペーサー
36:凹面ミラー(反射型光学素子)
37:レーザー媒質(レーザー結晶)
38:放熱装置を兼ねた全反射ミラー
39:SHG素子(第2高調波発生素子)
40:出力ミラー
41:Si基板
42:レジストパターン
43:反射膜
44:反射部
45:反射面を持つ基板
Claims (10)
- 半導体レーザーを励起光源として用い固体レーザー媒質を励起し、レーザー発振を行う固体レーザー装置に用いられる固体レーザー励起用光学部品において、
少なくとも2枚の隙間を持たせて重ねられた反射板からなる導光路を有し、該導光路内には少なくとも1つの反射板の面と平行な面内でレーザー光を集光する光学素子を有することを特徴とする固体レーザー励起用光学部品。 - 半導体レーザーを励起光源として用い固体レーザー媒質を励起し、レーザー発振を行う固体レーザー装置に用いられる固体レーザー励起用光学部品において、
少なくとも2枚の隙間を持たせて重ねられた反射板からなる導光路を有し、該導光路内には少なくとも1つの反射板の面と平行な面内でレーザー光を集光する屈折光学素子を有することを特徴とする固体レーザー励起用光学部品。 - 請求項2記載の固体レーザー励起用光学部品において、
第1の反射板となる反射面を持つ基板上に導光路の間隔と同じ厚さで励起用半導体レーザーの波長に対して透明な薄膜を積層した基板を用い、フォトリソグラフィーとドライエッチングにより前記薄膜を部分的に除去することにより前記屈折光学素子となる少なくとも1つのレンズパターンを形成し、該レンズパターンを介して別の反射面を持つ基板を第2の反射板として貼り合わせた構造を有することを特徴とする固体レーザー励起用光学部品。 - 請求項3記載の固体レーザー励起用光学部品において、
前記レンズパターンが形成される基板は、平坦な表面を持つ下地基板上に反射膜とレンズ形成用薄膜を積層した構造を持ち、前記反射膜には、レンズ形成用薄膜のエッチングに対してエッチング耐性を持つものを利用することを特徴とする固体レーザー励起用光学部品。 - 請求項3または4記載の固体レーザー励起用光学部品において、
前記フォトリソグラフィーを行う際に、フォトマスクの像をぼかした状態でフォトレジストに露光していることを特徴とする固体レーザー励起用光学部品。 - 半導体レーザーを励起光源として用い固体レーザー媒質を励起し、レーザー発振を行う固体レーザー装置に用いられる固体レーザー励起用光学部品において、
少なくとも2枚の隙間を持たせて重ねられた反射板からなる導光路を有し、該導光路内には少なくとも1つの反射板の面と平行な面内でレーザー光を集光する反射型光学素子を有することを特徴とする固体レーザー励起用光学部品。 - 請求項6記載の固体レーザー励起用光学部品において、
第1の反射板となる基板の表面をフォトリソグラフィーと異方性エッチングにより部分的に除去することにより前記導光路となる部分と前記反射型光学素子となる反射部とを形成し、前記導光路部分と前記反射部に反射膜を形成し、前記反射部を介して別の反射面を持つ基板を第2の反射板として貼り合わせた構造を有することを特徴とする固体レーザー励起用光学部品。 - 請求項7記載の固体レーザー励起用光学部品において、
前記反射部を形成する基板にシリコン基板を用いることを特徴とする固体レーザー励起用光学部品。 - 請求項1〜8のいずれか一つに記載の固体レーザー励起用光学部品において、
光の入射部または出射部に、シリンドリカルレンズまたはコーンミラーを配置したことを特徴とする固体レーザー励起用光学部品。 - 半導体レーザーを励起光源として用い固体レーザー媒質を励起し、レーザー発振を行う固体レーザー装置において、
請求項1〜9のいずれか一つに記載の固体レーザー励起用光学部品を用いたことを特徴とする固体レーザー装置。
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