JP2006024647A - 縦型ホール素子およびその製造方法 - Google Patents

縦型ホール素子およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】素子作製時のマスク合わせ誤差による位置ずれ(アライメントずれ)に起因するオフセット電圧の発生を抑制して、より高い精度での磁気検出を可能とする縦型ホール素子およびその製造方法を提供する。
【解決手段】当該ホール素子の形成される半導体基板の表面に、LOCOS膜LSを設けるようにした。これにより、同半導体基板の表面には、同表面の不純物濃度を選択的に高めるコンタクト領域13a〜13eと、同基板内に磁気検出部HPを区画形成するトレンチT2内の多結晶シリコン14および絶縁膜の酸化シリコン膜14aと、当該ホール素子を他の素子と素子分離するトレンチT1内の多結晶シリコン14および絶縁膜の酸化シリコン膜14aとが選択的に露出される。
【選択図】 図1

Description

この発明は、例えば磁気センサ等に適用して好適なホール素子に関し、詳しくは、半導体基板(ウェハ)の表面に垂直な成分を含む電流が、同半導体基板内の磁気検出部に供給されるとともに、その電流に対して発生するホール電圧を通じて半導体基板の表面に水平な磁界成分を検出する縦型ホール素子およびその製造方法に関する。
周知のように、ホール素子は、非接触での角度検出が可能であることから、例えば磁気センサとして車載内燃機関のスロットル弁開度センサ等の角度検出センサに用いられる。まず、図8を参照して、ホール素子の磁気検出原理について説明する。
物質中を流れる電流に対して垂直な磁界(磁気)が加わると、それら電流および磁界の双方に垂直な方向に電界が生じる。そしてこの電界により移動するキャリアは、ローレンツ力を受けて、該キャリアの運動(移動)方向と上記磁界の方向との双方に垂直な方向に曲げられる。こうして、この物質の片側にキャリアが溜まるようになり、同キャリアの曲げられた方向に電界(電圧)が生じることとなる。この現象をホール効果と呼び、ここで発生する電圧をホール電圧と呼ぶ。
例えば、図8に示すようなホール素子100(導体)を考えた場合、同素子の磁気検出部の幅(ホール素子の幅)をW、長さをL、厚さをd、同素子と磁界とのなす角度をθ、磁束密度をB、供給(駆動)電流(端子TI−TI’間に供給する電流)をIとすると、ホール電圧(端子TVH−TVH’間に生じる電圧)VHは、
H=(RHIB/d)cosθ、RH=1/(qn)
のように表せる。ここで、RHはホール係数であり、またqは電荷、nはキャリア濃度である。
上記計算式からも分かるように、ホール素子と磁界とのなす角度θに応じてホール電圧VHが変化するため、これを利用することで角度の検出が可能となる。このように、ホール素子を用いることで、上述の角度検出センサを実現することができる。
ところで、一般的なホール素子として、基板(ウェハ)表面に垂直な磁界成分を検出する横型ホール素子が知られているが、近年、これに加え、基板(ウェハ)表面に対して水平な磁界成分を検出する縦型ホール素子も研究されている。この縦型ホール素子は、位相差の異なる2つの素子を1チップに集積化できるという特長をもつため、2つの縦型ホール素子を90°の角度をなすように配置することで、0°〜360°の角度範囲でリニアな出力が得られる回転センサも実現可能になる。そして、こうした縦型ホール素子としては、例えば特許文献1に記載されるものがある。以下、図9を参照して、縦型ホール素子の一例について説明する。なお、図9において、図9(a)はこのホール素子の平面図、図9(b)は図9(a)のL1−L1線に沿った断面図、図9(c)は図9(a)のL2−L2線に沿った断面図である。
同図9(a)〜(c)に示されるように、このホール素子は、半導体基板(ウェハ)内に、例えばP型のシリコンからなる半導体層(P−sub)11を有し、この表面にはN型の不純物が導入されて埋込層BLが形成されるとともに、さらにこの上に、エピタキシャル成長にて例えばN型のシリコンからなる半導体領域12が形成されて構成されている。なお、上記埋込層BLは、いわば下部電極として機能するものであり、その不純物濃度は上記半導体領域12よりも高い濃度に設定されている。
また、上記半導体領域12の表面には、同表面の不純物濃度(N型)が選択的に高められるかたちでコンタクト領域13a〜13eが形成され、これらコンタクト領域13a〜13eとそこに配設される電極(配線)との間にオーミックコンタクトが形成されるようになっている。そして、そのオーミックコンタクトを形成する各電極(配線)を介して、それらコンタクト領域13a〜13eと端子SおよびG1およびG2およびV1およびV2とがそれぞれ電気的に接続されている。また、これらコンタクト領域13a〜13eの周囲には、上記半導体層11に接続されるようなトレンチT1が形成され、これが、当該ホール素子を他の素子と素子分離している。またここで、上記コンタクト領域13aについてはこれが、コンタクト領域13bおよび13cとこれらに直交するコンタクト領域13dおよび13eとの双方に挟まれるかたちとなる。さらにこのうち、コンタクト領域13aおよび13dおよび13eについてはその周囲が、上記トレンチT1と上記埋込層BLに接続されるようなトレンチT2とによって囲繞されるかたちとなる。そして、このホール素子においては、この囲繞された領域(電気的に区画された領域)にあって上記コンタクト領域13dおよび13eにて挟まれる領域が、いわゆる磁気検出部(ホールプレート)HPとなる。なお、上記トレンチT1およびT2の内壁には絶縁膜の酸化シリコン膜14aが形成されている。そして、この酸化シリコン膜14aを介して、それらトレンチT1およびT2の内部には例えば多結晶シリコン14が埋設されている。
このようなホール素子において、例えば、上記端子Sと端子G1との間、並びに端子Sと端子G2との間にそれぞれ一定の駆動電流を流すと、その電流は、図9(c)中に矢印で示すように、当該半導体基板の表面に形成されたコンタクト領域13aから上記埋込層BLを通じて、上記コンタクト領域13bおよび13cへとそれぞれ流れるようになる。すなわち、当該半導体基板内の磁気検出部HPに流れる駆動電流は、同基板の表面に垂直な成分を主に含む電流となる。そのため、この駆動電流を流した状態において、同基板の表面に水平な成分を含む磁界(図9中に矢印Bで示される磁界)が当該ホール素子の磁気検出部HPに入射されたとすると、上述のホール効果によって、上記端子V1と端子V2との間にその磁界に対応するホール電圧が発生することとなる。このホール素子においては、こうして発生したホール電圧をそれら端子V1およびV2を通じて検出し、図8に示した先の計算式「VH=(RHIB/d)cosθ」を用いて、検出対象の磁界成分、すなわち当該ホール素子の形成される基板の表面に水平な磁界成分を算出することとしている。ちなみに、このホール素子では、図9中に示す寸法Aが同素子の磁気検出部の幅に、寸法Bが磁気検出部の厚さ(上記計算式中の「d」)に、また寸法Cが磁気検出部の長さにそれぞれ相当する。
特開平1−251763号公報
このように、上記図9に例示した縦型ホール素子によれば、当該ホール素子の形成される基板の表面に水平な磁界成分を検出することは確かに可能になる。しかし、この従来の縦型ホール素子では、縦型ホール素子に特有の構造の複雑さから、その製造過程(リソグラフィ工程)において、マスク合わせ誤差による位置ずれ(アライメントずれ)が生じやすくなっている。そして、こうしたアライメントずれ、特に、上記コンタクト領域13a〜13eと磁気検出部(ホールプレート)HPとの間にアライメントずれが生じた場合には、上記半導体領域12内の電位分布にアンバランス(不平衡)が引き起こされ、ひいてはオフセット電圧(不平衡電圧)が発生するようにもなる。なお、ここでいうオフセット電圧とは、磁界が印加されていないときに当該ホール素子において発生する電圧のことである。図10(a)に、この縦型ホール素子の等価回路を示す。
同図10(a)に示されるように、この縦型ホール素子の等価回路は、抵抗R1〜R4により構成されるホイットストーンブリッジとなる。そして、キルヒホッフの法則により、「R1×R4−R2×R3=0」のとき、オフセット電圧は「0(V)」になる。一方、上述のアライメントずれが生じた場合には、図10(b)に示されるように、電流供給用の端子S、並びに端子G1およびG2の位置が、上記磁気検出部HPに対して相対的にずれるようになる。そしてこれにより、上記ホイットストーンブリッジにアンバランス(不平衡)が引き起こされ、ひいては上述のオフセット電圧Δが発生することとなる。
図11に、上記従来の縦型ホール素子を角度検出センサに適用したときの出力電圧の一例をグラフとして示す。なおここでは、オフセット電圧が「0(V)」であると仮定して、回転角度「0(°)」(磁界=0)で最低出力(0V)が、回転角度「90(°)」および「−90(°)」で最大出力(正・負)がそれぞれ得られるように、ホール素子を配置している。
同図11に示されるように、このホール素子において、実際に出力される電圧(実際の出力、特性線L1)とオフセット電圧が「0(V)」であると仮定したときの出力(理想出力、特性線L2)との間には、上記オフセット電圧の分だけ誤差(ずれ)が生じている。このため、こうしたホール素子では、高い精度での角度検出(磁気検出)が困難になる。
このように、上記従来の縦型ホール素子においては、素子作製時のマスク合わせ誤差による位置ずれ(アライメントずれ)の生じやすい構造であるが故に、磁気検出精度の低下が懸念されるようになっている。
この発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、素子作製時のマスク合わせ誤差による位置ずれ(アライメントずれ)に起因するオフセット電圧の発生を抑制して、より高い精度での磁気検出を可能とする縦型ホール素子およびその製造方法を提供することを目的とする。
こうした目的を達成すべく、請求項1に記載の発明では、半導体基板の表面に、同表面の不純物濃度を選択的に高めるコンタクト領域と、当該半導体基板の内部を電気的に区画して磁気検出部を形成する電位障壁部とを有し、前記コンタクト領域に配設される電極を通じて、当該半導体基板の表面に垂直な成分を含む電流が前記磁気検出部に供給されるとともに、その電流に対して発生するホール電圧を検出して、前記半導体基板の表面に水平な磁界成分を検出する縦型ホール素子として、前記半導体基板の表面が、少なくとも前記コンタクト領域および前記電位障壁部を選択的に露出するかたちで、LOCOS(Local Oxidation Of Silicon)構造をとるフィールド酸化膜(LOCOS膜)によって覆われる構造とした。
こうした構造を採用することで、半導体基板の表面を覆うLOCOS膜をマスクに用いることにより、当該半導体基板の内部に磁気検出部(ホールプレート)を区画形成する電位障壁部と当該半導体基板の表面の不純物濃度を選択的に高めるコンタクト領域とをセルフアライン(自己整合)にて形成することができるようになる。そして、それら電位障壁部とコンタクト領域とをセルフアラインで形成することとすれば、上記磁気検出部と電流供給用電極の配設される上記コンタクト領域との間で、前述した素子作製時のマスク合わせ誤差による位置ずれ(アライメントずれ)が抑制されるようになり、ひいてはこれに起因するオフセット電圧の発生も抑制されるようになる。すなわち、上記構造によれば、ホール素子としてより高い精度での磁気検出が可能になる。
また、請求項2に記載の発明では、当該ホール素子を他の素子と素子分離する素子分離部を、前記半導体基板の表面にさらに有するときに、同半導体基板の表面が、この素子分離部も選択的に露出する態様で前記LOCOS膜によって覆われる構造とした。
このような構造によれば、当該ホール素子を他の素子と素子分離する素子分離部についてもこれを、前記LOCOS膜をマスクとするセルフアライン(自己整合)にて形成することができるようになるため、該素子分離部についても容易に、その位置合わせ精度を向上させることができるようになる。
また、上記請求項1または2に記載の縦型ホール素子における前記電位障壁部としては、例えば請求項3に記載の発明によるように、
・前記半導体基板に導電型不純物が添加されるかたちで形成された拡散層。
あるいは、請求項4に記載の発明によるように、
・例えばトレンチに埋設される等して、前記半導体基板の内部に形成される絶縁膜。
などを用いることが特に有効である。なお、先の図9に例示した従来の縦型ホール素子においては、上記トレンチT2内に埋設された絶縁膜の酸化シリコン膜14aおよび多結晶シリコン14が、この電位障壁部に相当する。
また、上記請求項2に記載の縦型ホール素子における前記素子分離部としても、
例えば請求項5に記載の発明によるように、
・前記半導体基板に導電型不純物が添加されるかたちで形成された拡散層。
あるいは、請求項6に記載の発明によるように、
・例えばトレンチに埋設される等して、前記半導体基板の内部に形成される絶縁膜。
などを用いることが特に有効である。なお、先の図9に例示した従来の縦型ホール素子においては、上記トレンチT1内に埋設された絶縁膜の酸化シリコン膜14aおよび多結晶シリコン14が、この素子分離部に相当する。
また一方、請求項7に記載の発明では、こうした縦型ホール素子を製造する方法として、半導体基板の表面を選択的に覆うLOCOS膜を形成した後、同半導体基板の内部に少なくとも、当該半導体基板の表面の不純物濃度を選択的に高めるコンタクト領域と、当該半導体基板の内部を電気的に区画して磁気検出部を形成する電位障壁部とを、該LOCOS膜をマスクにして形成することとする。
このような製造方法によれば、当該半導体基板の内部に磁気検出部(ホールプレート)を区画形成する電位障壁部と、当該半導体基板の表面の不純物濃度を選択的に高めるコンタクト領域とがセルフアライン(自己整合)にて形成されるようになる。このため、当該ホール素子において、例えば電流供給用の電極やホール電圧検出用の電極を上記コンタクト領域に配設することとすれば、上記磁気検出部(ホールプレート)と電流供給用電極の配設される上記コンタクト領域との間で、前述した素子作製時のマスク合わせ誤差による位置ずれ(アライメントずれ)が抑制されるようになり、ひいてはこれに起因するオフセット電圧の発生も抑制されるようになる。このように、上記製造方法を採用することで、より高い精度での磁気検出を可能とする縦型ホール素子も容易に製造することができるようになる。
また、請求項8に記載の発明では、当該ホール素子を他の素子と素子分離する素子分離部も、前記LOCOS膜をマスクにして前記半導体基板の内部に形成することとする。こうすることで、該素子分離部の位置合わせ精度についてもこれを向上させることができるようになる。
またこの場合、請求項9に記載の発明によるように、前記電位障壁部と前記素子分離部とを同時に形成することにより、当該ホール素子の製造をより効率的に行うことができるようになる。
また、上記請求項7〜9のいずれか一項に記載の縦型ホール素子の製造方法における前記電位障壁部としては、例えば請求項10に記載の発明によるように、
・前記半導体基板に導電型不純物が添加されるかたちで形成された拡散層。
あるいは、請求項11に記載の発明によるように、
・例えばトレンチに埋設される等して、前記半導体基板の内部に形成される絶縁膜。
などを用いることが特に有効である。
また、上記請求項8または9に記載の縦型ホール素子の製造方法における前記素子分離部としても、
例えば請求項12に記載の発明によるように、
・前記半導体基板に導電型不純物が添加されるかたちで形成された拡散層。
あるいは、請求項13に記載の発明によるように、
・例えばトレンチに埋設される等して、前記半導体基板の内部に形成される絶縁膜。
などを用いることが特に有効である。
(第1の実施の形態)
図1に、この発明にかかる縦型ホール素子についてその第1の実施の形態を示す。
この実施の形態にかかる縦型ホール素子も、先の図9に例示した縦型ホール素子と同様、基板(ウェハ)表面に対して水平な磁界成分を検出するものであり、位相差の異なる2つのホール素子を1チップに集積化できるという特長をもつ。ただし、この実施の形態の縦型ホール素子では、図1に示すような構造とすることによって、素子作製時のマスク合わせ誤差による位置ずれ(アライメントずれ)に起因するオフセット電圧の発生を抑制して、磁気検出精度を高めるようにしている。
以下、同図1を参照して、この実施の形態にかかる縦型ホール素子の構造について詳述する。なお、図1において、図1(a)はこのホール素子の平面図、図1(b)は図1(a)のL1−L1線に沿った断面図、図1(c)は図1(a)のL2−L2線に沿った断面図である。また、この図1において、先の図9に示した要素と同一の要素には各々同一の符号を付して示している。
同図1(a)〜(c)に示されるように、このホール素子も、半導体基板(ウェハ)内に、例えばP型のシリコンからなる半導体層(P−sub)11を有し、この表面にはN型の不純物が導入されて埋込層BLが形成されるとともに、さらにこの上に、エピタキシャル成長にて例えばN型のシリコンからなる半導体領域12が形成されて構成されている。なお、上記埋込層BLは、いわば下部電極として機能するものであり、その不純物濃度は上記半導体領域12よりも高い濃度に設定されている。また一般に、シリコン等の半導体材料は、P型からなる半導体よりもN型からなる半導体のほうが大きなキャリア移動度をもっている。そこで、この実施の形態にかかる縦型ホール素子では、上記半導体領域12の材料としてN型の半導体材料(シリコン)を用いることで、ホール素子としての高感度化を図るようにしている。
ここで、上記半導体領域12の内部には、同領域の表面の不純物濃度を選択的に高めるコンタクト領域13a〜13eと、トレンチT1およびT2、絶縁膜の酸化シリコン膜14a、多結晶シリコン14とが形成されている。そして、この実施の形態においては、これら各要素を選択的に露出するようなLOCOS(Local Oxidation Of Silicon)構造をとるフィールド酸化膜(LOCOS膜)LSを、上記半導体基板の表面に設けるようにしている。なお、この実施の形態においては、上記トレンチT2内に埋設された絶縁膜の酸化シリコン膜14aおよび多結晶シリコン14が電位障壁部に相当する。また、上記トレンチT1内に埋設された絶縁膜の酸化シリコン膜14aおよび多結晶シリコン14が素子分離部に相当する。
そして具体的には、上記半導体領域12の表面には、同表面の不純物濃度(N型)が選択的に高められるかたちで上記コンタクト領域13a〜13eが形成され、これらコンタクト領域13a〜13eとそこに配設される電極(配線)との間にオーミックコンタクトが形成されるようになっている。そして、そのオーミックコンタクトを形成する各電極(配線)を介して、それらコンタクト領域13a〜13eと端子SおよびG1およびG2およびV1およびV2とがそれぞれ電気的に接続されている。また、これらコンタクト領域13a〜13eの周囲には、上記半導体層11に接続されるようなトレンチT1が形成され、これが、当該ホール素子を他の素子と素子分離している。またここで、上記コンタクト領域13aについてはこれが、コンタクト領域13bおよび13cとこれらに直交するコンタクト領域13dおよび13eとの双方に挟まれるかたちとなる。さらにこのうち、コンタクト領域13aおよび13dおよび13eについてはその周囲が、上記トレンチT1と上記埋込層BLに接続されるようなトレンチT2とによって囲繞されるかたちとなる。そして、このホール素子においては、この囲繞された領域(電気的に区画された領域)にあって上記コンタクト領域13dおよび13eにて挟まれる領域が、いわゆる磁気検出部(ホールプレート)HPとなる。なお、上記トレンチT1およびT2の内壁には上記絶縁膜の酸化シリコン膜14aが形成されている。そして、この酸化シリコン膜14aを介して、それらトレンチT1およびT2の内部には例えば多結晶シリコン14が埋設されている。
このようなホール素子においても、例えば、上記端子Sと端子G1との間、並びに端子Sと端子G2との間にそれぞれ一定の駆動電流を流すと、その電流は、図1(c)中に矢印で示すように、当該半導体基板の表面に形成されたコンタクト領域13aから上記埋込層BLを通じて、上記コンタクト領域13bおよび13cへとそれぞれ流れるようになる。すなわち、当該半導体基板内の磁気検出部HPに流れる駆動電流は、同基板の表面に垂直な成分を主に含む電流となる。そのため、この駆動電流を流した状態において、同基板の表面に水平な成分を含む磁界(図1中に矢印Bで示される磁界)が当該ホール素子の磁気検出部HPに入射されたとすると、上述のホール効果によって、上記端子V1と端子V2との間にその磁界に対応するホール電圧が発生することとなる。このホール素子においては、こうして発生するホール電圧をそれら端子V1およびV2を通じて検出し、図8に示した先の計算式「VH=(RHIB/d)cosθ」を用いて、検出対象の磁界成分、すなわち当該ホール素子の形成される基板の表面に水平な磁界成分を算出することとしている。ちなみに、このホール素子では、図1中に示す寸法Aが同素子の磁気検出部の幅に、寸法Bが磁気検出部の厚さ(上記計算式中の「d」)に、また寸法Cが磁気検出部の長さにそれぞれ相当する。
このように、この実施の形態にかかる縦型ホール素子においては、当該ホール素子の形成される半導体基板の表面が、上記コンタクト領域13a〜13eや、上記トレンチT1およびT2の内部に形成された絶縁膜の酸化シリコン膜14aおよび多結晶シリコン14を選択的に露出するかたちで、上記LOCOS膜LSによって覆われる構造としている。このため、上記半導体基板の表面を覆うLOCOS膜LSをマスクに用いることにより、それら各要素をセルフアライン(自己整合)で形成することができるようになる。そして、それら各要素をセルフアラインで形成することとすれば、それら各要素の間では、前述した素子作製時のマスク合わせ誤差による位置ずれ(アライメントずれ)が抑制されるようになり、ひいてはこれに起因するオフセット電圧の発生も抑制されるようになる。すなわち、上記構造によれば、ホール素子としてより高い精度での磁気検出が可能になる。
次に、図2〜図4を参照して、この実施の形態にかかる縦型ホール素子の製造方法について詳述する。なお、これら各図は、先の図1(c)に対応する断面図である。
この製造に際しては、まず、上記半導体層11と、上記埋込層BLと、例えば膜厚「10μm程度」の上記半導体領域12とを有して構成される基板を用意する。なお、この基板としては、例えば(100)もしくは(110)もしくは(111)といった面方位の基板を用いることができる。
そして、図2(a)に示すように、その基板の表面に、例えば膜厚「50nm程度」の酸化シリコン膜(パッド酸化膜)21と、窒化シリコン(SiN)膜22とを順に成膜する。次いで、例えばフォトリソグラフィにより、上記窒化シリコン膜22の所望の箇所に開口部を形成し、これに続けて、例えばウェット酸化により、その開口部に露出した上記酸化シリコン膜21を選択的に酸化する。こうして、図2(b)に示すように、例えば「800nm程度」といった比較的厚めの膜厚をもつ上記LOCOS膜LSが、当該半導体基板の表面を選択的に覆う態様で形成される。
次に、図2(c)に示すように、これら酸化シリコン膜21、窒化シリコン膜22、およびLOCOS膜LSで覆われた基板の上に、再び窒化シリコン(SiN)膜23を成膜する。そして、図3(a)に示すように、例えば適宜のレジスト材からなるマスク材RE1を塗布した後、フォトリソグラフィでこれをパターニングし、そのパターニングされたマスク材RE1をマスクにして、トレンチ形成箇所に開口部を形成すべく、上記酸化シリコン膜21および窒化シリコン膜22および23を選択的にエッチングする。なおこの際、それら開口部の端部には、それぞれ上記LOCOS膜LSの端部が露出されることとなる。
次に、この露出したLOCOS膜LSをマスクにして、例えばRIE(反応性イオンエッチング)等のドライエッチング技術を用いて上記半導体領域12に対して異方性のエッチングを行い、上記トレンチT1およびT2を同時に形成する。なおこの際、上記半導体領域12のエッチングは、上記LOCOS膜LSに対して高い選択性をもたせるような条件で行われる。さらにこれに続けて、それらトレンチT1およびT2の内壁に上記酸化シリコン膜14aを形成する。そして、その酸化シリコン膜14aを介して、同トレンチT1およびT2の内部に上記多結晶シリコン14を埋設するとともに、これに適宜の平坦化処理を施すことによって、図3(b)に示されるような構造とする。なお、上記窒化シリコン膜23は、上記LOCOS膜LSのエッチング耐性を高めることを主目的として形成されるが、平坦化処理の際にはエッチストッパとして用いられる。このように、この実施の形態においては、上記トレンチT1およびT2を同時に形成するとともに、それらトレンチの内部に、同時進行で上記多結晶シリコン14および酸化シリコン膜14aを形成するようにしている。こうすることで、当該ホール素子の製造をより効率的に行うことができるようになる。
次に、上記窒化シリコン膜22および23をエッチング除去した後、例えば適宜のレジスト材からなるマスク材RE2を塗布する。次いで、コンタクト領域の形成箇所に開口部を形成すべく、フォトリソグラフィにより、そのマスク材RE2をパターニングする。なおこの際も、それら開口部の端部には、それぞれ上記LOCOS膜LSの端部が露出されることとなる。
そして、図4(a)に示すように、この露出したLOCOS膜LSをマスクにして、上記半導体領域12に対して例えば「約100keV」の加速エネルギーでN型の導電型不純物をイオン注入する。これにより、図4(b)に示すような上記コンタクト領域13a〜13e(ここでは13a〜13cのみ図示)が形成されることとなる。なおこの際、それらコンタクト領域の形成箇所には、上記酸化シリコン膜(パッド酸化膜)21を介してN型の導電型不純物がイオン注入されることになる。すなわち、ここでは上記酸化シリコン膜21を、イオン注入用の酸化膜として用いるようにしている。また、上記LOCOS膜LSは、ここでマスクとして機能するように十分厚く形成されている。
そして上記コンタクト領域13a〜13eを形成した後、上記マスク材RE2を除去する。その後、基板表面に適宜の層間絶縁膜を成膜するとともに、これを適宜パターニングしてコンタクトホールを形成し、そのコンタクトホールを埋め込むかたちで例えばアルミニウム等からなる配線材料を成膜する。こうして、先の図1に示したような縦型ホール素子が完成する。
このように、上記製造方法では、トレンチT1およびT2、並びにコンタクト領域13a〜13eのいずれも、上記LOCOS膜LSをマスクにして当該半導体基板の内部に形成するようにしている。すなわち、それら各要素は、セルフアライン(自己整合)にて形成されることとなる。このため、上記製造方法を採用することで、上記磁気検出部(ホールプレート)HPと電流供給用電極の配設される上記コンタクト領域13a〜13cとの間で、前述した素子作製時のマスク合わせ誤差による位置ずれ(アライメントずれ)が抑制されるようになり、ひいてはこれに起因するオフセット電圧の発生も抑制されるようになる。すなわち、上記製造方法によれば、より高い精度での磁気検出を可能とする縦型ホール素子も容易に製造することができるようになる。
また、上記製造方法では、LOCOS膜LSを形成する過程で形成される上記酸化シリコン膜(パッド酸化膜)21および窒化シリコン膜22を、その後の工程においても用いるようにしている。
例えば、上記トレンチT1およびT2を形成する際に用いるマスク材として、上記窒化シリコン膜22と同じ材料からなる窒化シリコン膜23を採用し、上記トレンチT1およびT2を形成した後、それら窒化シリコン膜22および23の双方を同時にエッチング除去するようにしている。こうすることで、上記LOCOS膜LS形成後の上記窒化シリコン膜22の除去工程と、上記トレンチT1およびT2形成後のマスク材の除去工程とが1つの工程を共用するかたちで行われるようになり、当該製造における工程数の削減が図られるようになる。
また例えば、上記コンタクト領域13a〜13eを形成する際のイオン注入用の酸化膜として、上記酸化シリコン膜(パッド酸化膜)21を用いるようにしている。こうすることで、イオン注入前の酸化膜形成工程を割愛することができるようになり、これによっても、製造工程数の削減が図られることとなる。
また、上記LOCOS膜LSの形成工程については、当該ホール素子の周辺回路において素子分離等に用いられるLOCOS膜の形成工程とを共有化することも可能である。
以上説明したように、この実施の形態にかかる縦型ホール素子およびその製造方法によれば、以下のような優れた効果が得られるようになる。
(1)当該ホール素子の形成される半導体基板の表面が、同表面の不純物濃度を選択的に高めるコンタクト領域13a〜13eと、当該基板の内部を電気的に区画して磁気検出部HPを形成する上記トレンチT2内の多結晶シリコン14および絶縁膜の酸化シリコン膜14aとを選択的に露出するかたちで、LOCOS膜LSによって覆われる構造とした。これにより、ホール素子としてより高い精度での磁気検出が可能になる。
(2)同半導体基板の表面が、当該ホール素子を他の素子と素子分離する上記トレンチT1内の多結晶シリコン14および絶縁膜の酸化シリコン膜14aも選択的に露出する態様で、LOCOS膜LSによって覆われる構造とした。これにより、該素子分離部についてもこれを、上記LOCOS膜LSをマスクとするセルフアライン(自己整合)で形成することができるようになるため、この素子分離部についても容易に、その位置合わせ精度を向上させることができるようになる。
(3)また、磁気検出精度を高めることによって、ホール素子としての歩留りも向上するようになり、ひいては低コスト化や省エネルギー化が図られるようにもなる。
(4)こうした縦型ホール素子を製造する方法として、まず、半導体基板の表面を選択的に覆うLOCOS膜LSを形成する。その後、同半導体基板の内部に、同基板の表面の不純物濃度を選択的に高めるコンタクト領域13a〜13eと、同基板の内部を電気的に区画して磁気検出部HPを形成する電位障壁部、すなわち上記トレンチT2内に埋設される多結晶シリコン14および絶縁膜の酸化シリコン膜14aとを、該LOCOS膜LSをマスクにして形成することとした。これにより、より高い精度での磁気検出を可能とする縦型ホール素子も容易に製造することができるようになる。
(5)当該ホール素子を他の素子と素子分離する素子分離部、すなわち上記トレンチT1内に埋設される多結晶シリコン14および絶縁膜の酸化シリコン膜14aも、上記LOCOS膜LSをマスクにして当該半導体基板の内部に形成することとする。こうすることで、該素子分離部の位置合わせ精度も向上するとともに、当該ホール素子の製造をより容易に行うことができるようになる。
(6)上記トレンチT1およびT2を同時に形成するとともに、それらトレンチの内部に、同時進行で上記多結晶シリコン14および絶縁膜の酸化シリコン膜14aを形成するようにした。こうすることで、当該ホール素子の製造をより効率的に行うことができるようになる。
(7)LOCOS膜LSを形成する過程で形成される上記酸化シリコン膜(パッド酸化膜)21および窒化シリコン膜22を、その後の工程においても用いるようにした。これにより、当該製造における製造工程数の削減が図られるようになる。
(第2の実施の形態)
図5に、この発明にかかる縦型ホール素子およびその製造方法についてその第2の実施の形態を示す。
以下、同図5を参照して、先の第1の実施の形態の縦型ホール素子との相違点を主に、この実施の形態にかかる縦型ホール素子の構造について説明する。なお、この図5において、図5(a)はこのホール素子の平面図、図5(b)は図5(a)のL1−L1線に沿った断面図、図5(c)は図5(a)のL2−L2線に沿った断面図である。また、この図5において、先の図1に示した要素と同一の要素には各々同一の符号を付して示しており、それら各要素についての重複する説明は割愛する。
同図5(a)〜(c)に示されるように、このホール素子も、基本的には、図1に例示した先の第1の実施の形態の縦型ホール素子と略同様の構造を有しており、その動作態様も前述した通りである。ただし、ここでは、上記トレンチT1およびT2の内部に形成された多結晶シリコン14や絶縁膜の酸化シリコン膜14aに代えて、上記埋込層BLに接続されるようなP型の拡散層DF1およびDF2を、それぞれ素子分離部および電位障壁部として用いるようにしている。具体的には、上記N型の半導体領域12の内部にこのようなP型の拡散層DF1およびDF2を形成することで、両者の間にはpn接合(電位障壁)が形成されることとなる。そしてこれにより、当該半導体基板の内部に磁気検出部(ホールプレート)HPが区画形成されるとともに、当該ホール素子が他の素子と素子分離されるようになる。
次に、図6および図7を参照して、この実施の形態にかかる縦型ホール素子の製造方法について詳述する。なお、これら各図は、先の図5(c)に対応する断面図である。
この製造に際しても、まずは第1の実施の形態と同様、先の図2(a)〜(c)に示した製造工程を経る。すなわち、上記半導体層11および埋込層BLおよび半導体領域12を有して構成される基板の上に、酸化シリコン膜(パッド酸化膜)21と、窒化シリコン(SiN)膜22とを順に成膜した後、酸化シリコン膜21を選択酸化して上記LOCOS膜LSを形成し、さらにその上に、上記窒化シリコン(SiN)膜23を成膜する。
次に、図6(a)に示すように、例えば適宜のレジスト材からなるマスク材RE3を塗布した後、フォトリソグラフィでこれをパターニングし、そのパターニングされたマスク材RE3をマスクにして、拡散層の形成箇所に開口部を形成すべく、上記窒化シリコン膜22および23を選択的にエッチングする。なおこの際、それら開口部の端部には、それぞれ上記LOCOS膜LSの端部が露出されることとなる。また、この実施の形態においては、上記酸化シリコン膜21はエッチング除去せずに残存させるようにしている。
次に、この露出したLOCOS膜LSをマスクにして、上記半導体領域12に対して例えば「約100keV」の加速エネルギーでP型の導電型不純物をイオン注入する。これにより、図6(b)に示すような拡散層DF1およびDF2が同時に形成されることとなる。なおこの際、それら拡散層の形成箇所には、上記酸化シリコン膜(パッド酸化膜)21を介してP型の導電型不純物がイオン注入される。すなわち、ここでは上記酸化シリコン膜21を、イオン注入用の酸化膜として用いるようにしている。また、上記LOCOS膜LSは、ここでマスクとして機能するように十分厚く形成されている。このように、この実施の形態においては、上記拡散層DF1およびDF2を同時に形成するようにして、当該製造の効率化を図っている。
次に、上記窒化シリコン膜22および23をエッチング除去した後、例えば適宜のレジスト材からなるマスク材RE4を塗布する。次いで、コンタクト領域の形成箇所に開口部を形成すべく、フォトリソグラフィにより、そのマスク材RE4をパターニングする。なおこの際も、それら開口部の端部には、それぞれ上記LOCOS膜LSの端部が露出されることとなる。
そして、図7(a)に示すように、この露出したLOCOS膜LSをマスクにして、上記半導体領域12に対して例えば「約100keV」の加速エネルギーでN型の導電型不純物をイオン注入する。これにより、図7(b)に示すようなコンタクト領域13a〜13e(ここでは13a〜13cのみ図示)が形成されることとなる。なおこの際、それらコンタクト領域の形成箇所には、上記酸化シリコン膜(パッド酸化膜)21を介してN型の導電型不純物がイオン注入される。すなわちここでも、上記酸化シリコン膜21をイオン注入用の酸化膜として用いるようにしている。また、上記LOCOS膜LSは、ここでもマスクとして機能するように十分厚く形成されている。
そして上記コンタクト領域13a〜13eを形成した後、上記マスク材RE4を除去する。その後、基板表面に適宜の層間絶縁膜を成膜するとともに、これを適宜パターニングしてコンタクトホールを形成し、そのコンタクトホールを埋め込むかたちで例えばアルミニウム等からなる配線材料を成膜する。こうして、先の図5に示したような縦型ホール素子が完成する。
このように、上記製造方法においては、拡散層DF1およびDF2と、コンタクト領域13a〜13eとのいずれも、上記LOCOS膜LSをマスクにして当該半導体基板の内部に形成するようにしている。すなわち、それら各要素は、セルフアライン(自己整合)にて形成されることとなる。このため、上記製造方法を採用することで、上記磁気検出部(ホールプレート)HPと電流供給用電極の配設される上記コンタクト領域13a〜13cとの間で、前述した素子作製時のマスク合わせ誤差による位置ずれ(アライメントずれ)が抑制されるようになり、ひいてはこれに起因するオフセット電圧の発生も抑制されるようになる。すなわち、上記製造方法によれば、より高い精度での磁気検出を可能とする縦型ホール素子も容易に製造することができるようになる。
また、この実施の形態にかかる縦型ホール素子の製造方法においても、LOCOS膜LSを形成する過程で形成される上記酸化シリコン膜(パッド酸化膜)21および窒化シリコン膜22を、その後の工程で用いるようにしている。
例えば、上記拡散層DF1およびDF2を形成する際に用いるマスク材として、上記窒化シリコン膜22と同じ材料からなる窒化シリコン膜23を採用し、上記拡散層DF1およびDF2を形成した後、それら窒化シリコン膜22および23の双方を同時にエッチング除去するようにしている。こうすることで、上記LOCOS膜LS形成後の上記窒化シリコン膜22の除去工程と、上記拡散層DF1およびDF2形成後のマスク材の除去工程とが1つの工程を共用するかたちで行われるようになり、当該製造における工程数の削減が図られるようになる。
また例えば、上記拡散層DF1およびDF2や、上記コンタクト領域13a〜13eを形成する際のイオン注入用の酸化膜として、上記酸化シリコン膜(パッド酸化膜)21を用いるようにしている。こうすることで、イオン注入前の酸化膜形成工程を割愛することができるようになり、これによっても、製造工程数の削減が図られることとなる。
またここでも、上記LOCOS膜LSの形成工程については、当該ホール素子の周辺回路において素子分離等に用いられるLOCOS膜の形成工程と共有化することも可能である。
以上説明したように、この第2の実施の形態にかかる縦型ホール素子およびその製造方法によっても、先の第1の実施の形態による前記(1)〜(7)の効果と同様もしくはそれに準じた効果を得ることができる。
(他の実施の形態)
なお、上記各実施の形態は、以下の態様をもって実施することもできる。
・上記各実施の形態においては、当該ホール素子を他の素子と素子分離する素子分離部と、当該基板の内部を電気的に区画して磁気検出部HPを形成する電位障壁部とを略同様の構造を有するものとした。しかし、これら素子分離部および電位障壁部を同様の構造にする必要はなく、例えば、上記素子分離部として拡散層を用いる場合に、上記電位障壁部としてトレンチアイソレーションを用いるようにしてもよい。また逆に、上記素子分離部としてトレンチアイソレーションを用いる場合に、上記電位障壁部として拡散層を用いるようにしてもよい。
・上記各実施の形態においては、当該ホール素子の形成される半導体基板の表面が、上記コンタクト領域13a〜13eと、同基板の内部を電気的に区画して磁気検出部HPを形成する電位障壁部と、当該ホール素子を他の素子と素子分離する素子分離部とを選択的に露出するかたちで、上記LOCOS膜LSによって覆われる構造とした。しかし、これに限られることなく、例えば、当該半導体基板の表面が、少なくとも上記コンタクト領域13a〜13eと電位障壁部とを選択的に露出するかたちで上記LOCOS膜LSによって覆われる構造であれば、第1の実施の形態の前記(1)の効果と同様もしくはそれに準じた効果は得ることができるようになる。
・上記各実施の形態においては、製造工程数の削減を図るべく、LOCOS膜LSを形成する過程で形成される上記酸化シリコン膜(パッド酸化膜)21および窒化シリコン膜22を、その後の工程においても用いるようにした。しかし、必ずしもこれに限られることなく、例えば、上記LOCOS膜LSの形成後に、これら酸化シリコン膜21および窒化シリコン膜22を除去するようにしてもよい。
・上記各実施の形態においては、当該ホール素子の製造の効率化を図るべく、半導体基板の内部を電気的に区画して磁気検出部HPを形成する電位障壁部と、当該ホール素子を他の素子と素子分離する素子分離部とを同時に形成するようにした。しかし、必ずしもこれに限られることなく、例えば、これら電位障壁部および素子分離部を別々に形成するようにしてもよい。
・上記各実施の形態においては、同表面の不純物濃度を選択的に高めるコンタクト領域13a〜13eの形成に先立って、当該基板の内部を電気的に区画して磁気検出部HPを形成する電位障壁部や、当該ホール素子を他の素子と素子分離する素子分離部を形成するようにした。しかし、これらの形成順序は任意である。例えば、上記コンタクト領域13a〜13eを形成した後に、上記電位障壁部を形成するようにしてもよい。
・上記各実施の形態においては、半導体基板の表面を選択的に覆うLOCOS膜LSを形成した後、同半導体基板に、上記コンタクト領域13a〜13eと、同基板の内部を電気的に区画して磁気検出部HPを形成する電位障壁部と、当該ホール素子を他の素子と素子分離する素子分離部とを、上記LOCOS膜LSをマスクにして形成することとした。しかし、これに限られることなく、少なくとも上記コンタクト領域13a〜13eと上記電位障壁部とを、上記LOCOS膜LSをマスクにして形成することで、第1の実施の形態の前記(4)の効果と同様もしくはそれに準じた効果は得ることができるようになる。
・また、上記電位障壁部としては、半導体基板の内部を電気的に区画して磁気検出部を形成するものであれば足り、例えば上記トレンチT2にあって上記酸化シリコン膜14aが割愛されたものも適宜採用することができる。また例えば、同トレンチT2にあって上記多結晶シリコン14の代わりに、例えば金属材料やドーピングされた半導体材料等からなる導電性膜材が埋設されたものなども用いることができる。
・また、上記素子分離部としては、当該ホール素子を他の素子と素子分離するものであれば足り、例えば上記トレンチT1にあって上記酸化シリコン膜14aが割愛されたものも適宜採用することができる。また例えば、同トレンチT1にあって上記多結晶シリコン14の代わりに、例えば金属材料やドーピングされた半導体材料等からなる導電性膜材が埋設されたものなども用いることができる。
・上記各実施の形態においては、電流供給用の端子として3つの端子、すなわち端子SおよびG1およびG2を備える縦型ホール素子を例示したが、これに限られることなく、例えば電流供給用の端子が2つの端子によって構成される縦型ホール素子についても、この発明は同様に適用することができる。
・上記各実施の形態にかかる縦型ホール素子において、半導体基板を構成する各要素の導電型を入れ替えた構造、すなわちP型とN型とを入れ替えた構造であっても、この発明は同様に適用することができる。また、当該半導体基板としては、例えばSOI(Silicon On Insulator)基板や、P型−N型−P型もしくはN型−P型−N型といった多重拡散層基板等も適宜採用することができる。
この発明にかかる縦型ホール素子およびその製造方法の第1の実施の形態について、(a)はそのホール素子の平面構造を模式的に示す平面図、(b)は(a)のL1−L1線に沿った断面図、(c)は(a)のL2−L2線に沿った断面図。 同第1の実施の形態にかかる縦型ホール素子の製造方法について、(a)〜(c)はその製造プロセスを示す断面図。 同第1の実施の形態にかかる縦型ホール素子の製造方法について、(a)および(b)はその製造プロセスを示す断面図。 同第1の実施の形態にかかる縦型ホール素子の製造方法について、(a)および(b)はその製造プロセスを示す断面図。 この発明にかかる縦型ホール素子およびその製造方法の第2の実施の形態について、(a)はそのホール素子の平面構造を模式的に示す平面図、(b)は(a)のL1−L1線に沿った断面図、(c)は(a)のL2−L2線に沿った断面図。 同第2の実施の形態にかかる縦型ホール素子の製造方法について、(a)および(b)はその製造プロセスを示す断面図。 同第2の実施の形態にかかる縦型ホール素子の製造方法について、(a)および(b)はその製造プロセスを示す断面図。 ホール素子の磁気検出原理を示す斜視図。 従来の縦型ホール素子の一例について、(a)はそのホール素子の平面構造を模式的に示す平面図、(b)は(a)のL1−L1線に沿った断面図、(c)は(a)のL2−L2線に沿った断面図。 (a)および(b)は、同従来の縦型ホール素子の等価回路を示す回路図。 同従来の縦型ホール素子を角度検出センサに適用したときの出力電圧例を示すグラフ。
符号の説明
11…半導体層、12…半導体領域、13a〜13e…コンタクト領域、14…多結晶シリコン、14a…酸化シリコン膜、BL…埋込層、DF1、DF2…拡散層、HP…磁気検出部(ホールプレート)、LS…LOCOS膜、T1、T2…トレンチ。

Claims (13)

  1. 半導体基板の表面に、同表面の不純物濃度を選択的に高めるコンタクト領域と、当該半導体基板の内部を電気的に区画して磁気検出部を形成する電位障壁部とを有し、前記コンタクト領域に配設される電極を通じて、当該半導体基板の表面に垂直な成分を含む電流が前記磁気検出部に供給されるとともに、その電流に対して発生するホール電圧を検出して、前記半導体基板の表面に水平な磁界成分を検出する縦型ホール素子において、
    前記半導体基板の表面は、少なくとも前記コンタクト領域および前記電位障壁部を選択的に露出するかたちでLOCOS膜によって覆われてなる
    ことを特徴とする縦型ホール素子。
  2. 当該ホール素子を他の素子と素子分離する素子分離部を、前記半導体基板の表面にさらに有し、同半導体基板の表面は、この素子分離部も選択的に露出する態様で前記LOCOS膜によって覆われてなる
    請求項1に記載の縦型ホール素子。
  3. 前記電位障壁部は、前記半導体基板に導電型不純物が添加されるかたちで形成された拡散層からなる
    請求項1または2に記載の縦型ホール素子。
  4. 前記電位障壁部は、前記半導体基板の内部に形成される絶縁膜からなる
    請求項1または2に記載の縦型ホール素子。
  5. 前記素子分離部は、前記半導体基板に導電型不純物が添加されるかたちで形成された拡散層からなる
    請求項2に記載の縦型ホール素子。
  6. 前記素子分離部は、前記半導体基板の内部に形成される絶縁膜からなる
    請求項2に記載の縦型ホール素子。
  7. 半導体基板の表面を選択的に覆うLOCOS膜を形成した後、同半導体基板の内部に少なくとも、当該半導体基板の表面の不純物濃度を選択的に高めるコンタクト領域と、当該半導体基板の内部を電気的に区画して磁気検出部を形成する電位障壁部とを、該LOCOS膜をマスクにして形成する
    ことを特徴とする縦型ホール素子の製造方法。
  8. 当該ホール素子を他の素子と素子分離する素子分離部も、前記LOCOS膜をマスクにして前記半導体基板の内部に形成する
    請求項7に記載の縦型ホール素子の製造方法。
  9. 前記電位障壁部と前記素子分離部とを同時に形成する
    請求項8に記載の縦型ホール素子の製造方法。
  10. 前記電位障壁部は、前記半導体基板に導電型不純物が添加されるかたちで形成された拡散層からなる
    請求項7〜9のいずれか一項に記載の縦型ホール素子の製造方法。
  11. 前記電位障壁部は、前記半導体基板の内部に形成される絶縁膜からなる
    請求項7〜9のいずれか一項に記載の縦型ホール素子の製造方法。
  12. 前記素子分離部は、前記半導体基板に導電型不純物が添加されるかたちで形成された拡散層からなる
    請求項8または9に記載の縦型ホール素子の製造方法。
  13. 前記素子分離部は、前記半導体基板の内部に形成される絶縁膜からなる
    請求項8または9に記載の縦型ホール素子の製造方法。
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