JP2006022664A - エンジンの制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】圧縮自己着火運転が可能な運転領域を拡大する。
【解決手段】ピストン4の圧縮作用によって自己着火させることにより混合気を燃焼させる圧縮自己着火運転と、火花点火により混合気を燃焼させる火花点火運転と、を切換え可能なエンジンにおいて、圧縮自己着火運転時に、燃焼室20内のEGR量を増加させるEGR量増大手段11と、エンジンが所定回転数以上となった場合、もしくはエンジンの負荷が所定負荷以上となった場合に、燃焼室20に供給する吸入空気中の酸素濃度をEGR量に応じて上昇させる酸素濃度上昇手段2と、を備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、圧縮自己着火ガソリンエンジンに関し、特に、圧縮自己着火運転が可能な運転領域を拡大するための制御装置に関する。
リーン燃焼時の燃焼安定性と排気浄化作用の向上を目的として、予混合気をピストンの圧縮作用により自己着火燃焼させる圧縮自己着火ガソリンエンジンが知られている。
この圧縮自己着火エンジンでは、リーン燃焼を実現するために圧縮比を高圧縮比に設定しているので、エンジンが高回転になるとノッキングが発生して自己着火燃焼が成立せず、また、機関が十分に暖機してからでないと圧縮自己着火燃焼が行われないために冷間始動がでず、圧縮自己着火運転が可能な領域が狭いという問題があった。
特許文献1には、上記問題を解決するために、排気バルブ閉時期が排気行程途中で、吸気バルブの開時期が吸気行程途中となるマイナスオーバーラップのバルブタイミングに制御して、高温の排気ガスを内部EGRとして利用して筒内温度を上昇させる技術手段が開示されている。
特開2001−3771号
しかしながら、特許文献1に記載の技術手段では、筒内温度を高くするためにマイナスオーバーラップ量を大きくすると、EGR量が増大する分だけ燃焼室に供給される吸入空気量が減少するので、当然燃焼室に供給される酸素量が少なくなり、出力トルクが低下してしまうので、出力トルクを確保するためにマイナスオーバーラップ量は制限されてしまう。また、吸入空気量が少なくなることにより高回転で運転することができなくなる。これらの要因により圧縮自己着火運転可能な領域も制限されてしまうという問題があった。
そこで、本発明では大量の内部EGRを行った場合にも出力トルクを確保し、また、高回転化を可能にして、より広い領域で圧縮自己着火運転を可能にすることを目的とする。
本発明のエンジンの制御装置は、ピストンの圧縮作用によって自己着火させることにより混合気を燃焼させる圧縮自己着火運転と、火花点火により混合気を燃焼させる火花点火運転と、を切換え可能なエンジンにおいて、圧縮自己着火運転時に、燃焼室内のEGR量を増加させるEGR量増大手段と、エンジンが所定回転数以上となった場合、もしくはエンジンの負荷が所定負荷以上となった場合に、燃焼室に供給する吸入空気中の酸素濃度をEGR量に応じて上昇させる酸素濃度上昇手段と、を備える。
本発明によれば、酸素濃度上昇手段により吸入空気中の酸素濃度を制御できるので、内部EGR量を増大させても燃焼に必要な酸素量を確保して高回転運転を可能にすることができ、また、負荷が大きい場合であっても、圧縮自己着火運転に必要な内部EGR量を確保しつつ、酸素濃度をより高めることにより高トルクを得ることができる。つまり従来の圧縮自己着火ガソリンエンジンよりも高回転域、高負荷域での圧縮自己着火運転が可能となり、圧縮自己着火運転可能な領域を拡大することができる。
以下本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は本実施形態のシステム構成の概略図である。
21はシリンダヘッド、22はシリンダブロック、4はピストン、20はこれらシリンダヘッド21、シリンダブロック22、ピストン4により形成される燃焼室である。
シリンダヘッド21には、吸気ポート23を開閉する吸気バルブ15、排気ポート24を開閉する排気バルブ16、そして、吸気バルブ15を駆動する吸気カムシャフト17、排気バルブ16を駆動する排気カムシャフト18が配設されている。
吸気カムシャフト17および排気カムシャフト18は、吸気バルブ15および排気バルブ16の開閉時期、いわゆるバルブタイミングを可変に制御することが可能な可変動弁機構11を備える。可変動弁機構11としては、例えばバルブタイミングを可変に制御するもの、バルブの作動角とリフト量を可変制御することによってバルブタイミングを変更するもの、または、カムシャフトを用いずにバルブを電磁駆動し、バルブタイミングを可変制御可能としたもの等が使用可能である。
また、燃焼室20の圧力を検出する筒内圧力センサ9、温度を検出する筒内温度センサ10、運転状態に応じて燃焼室20内の混合気に火花点火を行う点火プラグ19が燃焼室20に望むように配設されている。
また、シリンダブロック22には、エンジン回転数検出手段としてクランク角センサ13が配設されている。
吸気ポート23上流の吸気通路25には、吸気通路25内の圧力を検出する吸気圧センサ6、酸素濃度を検出するO2濃度センサ7、温度を検出する吸気温度センサ8、そして吸気通路25内の吸入空気に燃料を噴射するインジェクタ26が配設されている。
また、上記のセンサ等の上流には吸入空気の圧力を調整する過給機3が、その上流にはエンジンに供給する酸素濃度を調整するための酸素濃度上昇手段としての酸素富化装置2が、さらに上流には吸入空気量を制御するスロットルバルブ12が設けられ、最上流部には外部から空気を吸入するエアダクト1が設けられる。
14は上述したセンサ類の検出信号を読込み、これに基づいてスロットルバルブ12の開度や燃料噴射量、バルブタイミング等を設定するエンジンコントロールユニット(以下、ECUという)である。
後述するように本実施形態では、運転状態に応じて、点火プラグ19によって火花点火を行い混合気を燃焼させる火花点火運転と、ピストン4の圧縮作用により自己着火燃焼させる圧縮自己着火運転とを切換えて行う。
ここで、酸素富化装置2について図2の概略図を参照して説明する。
酸素富化装置2は吸気通路25が主通路31、バイパス通路30に分岐し、主通路31には酸素富化膜29と、その下流に主通路31の流量を制御するバルブ28が設けられている。バイパス通路30は酸素富化膜29の上流とバルブ28の下流を連通しており、途中にバイパス通路30の流量を制御するバルブ27が設けられる。
バルブ27、28の開度はECU14によって運転状況に応じて設定される。
酸素富化膜29とは膜の上下流に圧力差を設けると空気を透過させる性質をもつシリコンの膜であり、空気透過時に酸素がより速く透過する性質をもつ。
したがって、過給機3によって空気を下流に圧送することによって酸素富化膜29の下流に負圧が生じ、酸素富化膜29の上流と圧力差が生じた状態で主通路31に空気を流すと、酸素富化膜29の下流では上流に比べて酸素濃度が高くなる。
そこで、上記の性質を利用し、バルブ27、28の開度を関連付けて制御し、酸素富化装置2より下流の吸気通路25を流れる空気中の、酸素富化膜29通過後の酸素濃度の高い空気とバイパス通路30を通過する通常の空気の割合を調整することによって、燃焼室20に供給する空気の酸素濃度を調節することができる。
次に、本実施形態の制御について図7のフローチャートを参照して説明する。
図7はECU14が実行する制御であり、エンジンの運転状態に基づいて火花点火運転もしくは圧縮自己着火運転を選択し、それぞれの運転に適したバルブタイミングを設定し、さらに圧縮自己着火運転の場合には燃焼室20に供給する酸素濃度も設定する。
以下、各ステップにしたがって説明する。
ステップS1では、クランク角センサ13により検出するエンジン回転数Neと、エンジン回転数Neおよび図示しないアクセル開度センサ等の検出信号から要求トルクTを読込む。
ステップS2では、ステップS1で読込んだ値に基づいて圧縮自己着火運転が可能な状態であるか否かを判定する。この判定は、例えば圧縮自己着火運転が可能なエンジン回転数Ne、トルクTのしきい値を予め設定しておき、読込んだ値と比較することによって行う。圧縮自己着火運転が不可能であると判定した場合にはステップS8に進み、通常のオーバーラップ量のバルブタイミングに制御して火花点火運転を行う。
圧縮自己着火運転可能であればステップS3に進み、最適バルブタイミングを決定する。
具体的には、まずステップS1で読込んだエンジン回転数Ne、要求トルクTを用いて図10に示すマイナスオーバーラップ量算出マップを検索することによってマイナスオーバーラップ量を設定し、設定したマイナスオーバーラップ量となるように、前述した可変動弁機構により吸気バルブ15および排気バルブ16の開閉時期を制御する。
マイナスオーバーラップのバルブタイミングに制御することにより、燃焼室20には高温の既燃ガスが滞留することになり(内部EGR)、燃焼室20内を高温にすることができる。これにより、着火遅れ時間を短くすることが可能となる。つまり、可変動弁機構11がEGR量増大手段に相当する。
図10のマイナスオーバーラップ量算出マップは、エンジン回転数Neが高回転になるほどマイナスオーバーラップ量が大きくなっている。つまり、高回転になるほど大量の既燃ガスを燃焼室20内に滞留させて筒内温度を高くし、これにより高回転領域での着火遅れ時間を短縮する。
ステップS4では、過給圧力および空燃比を決定する。まず、図11に示す過給圧マップを要求トルクTで検索して過給圧力を決定する。なお、図11の過給圧マップは要求トルクが大きくなるほど過給圧も大きくなっている。
過給圧を決定したら、その過給圧をかけた場合の吸入空気量を推定し、これに基づいて目標空燃比を決定する。
ステップS5では、ステップS3で決定したオーバーラップ量を用いて図13に示すEGR量マップを検索してEGR量を決定する。図13のマップは、オーバーラップ量が大きくなるほどEGR量も多くなっている。
ステップS6では、ステップS5で決定したEGR量が予め設定した所定値より多いか否かを判定する。所定値よりも少ない場合にはそのまま処理を終了する。
所定値よりも多い場合には、ステップS7に進み、酸素富化装置2のバルブ28の開度を増加させることによって吸入空気中の酸素濃度を高める。このとき、バルブ27の開度は減少させて、吸気通路25を通過する吸入空気量の総量が変わらないようにする。
なお、ここで用いる所定値とは、酸素富化装置2によって酸素濃度を上昇させなくても安定した運転が可能なEGR量の上限値であり、予め実験等により設定しておく。
上記のように本実施形態では、マイナスオーバーラップ量を大きくすることによってEGR量を増加させた場合に、酸素濃度が通常運転と変わらないように制御している。
図5は燃焼室20の混合気分布を表す図である。この図に示すように筒内温度を上昇させるためにEGR量を増加させると、燃焼室20に供給される吸入空気量は減少するが、酸素富化装置2により吸入空気中の酸素濃度を上昇させて燃焼に必要な酸素量を確保することができるので、高回転運転を行うことができる。
次に圧縮自己着火運転時に失火を検知した場合について図8のフローチャートを参照して説明する。図8は失火を検知した場合にECU14が実行するバルブタイミングや酸素富化装置2等の制御のフローチャートであり、失火を解消するために、酸素濃度、マイナスオーバーラップ量、過給圧を制御する(失火時酸素濃度制御手段)。
まず、ステップS21で失火判定を行う。判定方法としては、例えば、失火せずに燃焼した場合の筒内圧を予め設定しておき、筒内圧センサ9の検出値がこの筒内圧よりも低い場合に失火したと判定する方法や、失火せずに燃焼した場合のクランク角速度を予め設定して置き、クランク角センサ13の検出値から算出した角速度が設定値より低い場合に失火したと判定する方法等がある。
失火していない場合にはそのままリターンする。
失火したと判定した場合には、ステップS22に進み、クランク角センサ13で検出する現在のエンジン回転数や図示しないアクセル開度センサの検出値等に基づいて要求トルクTおよび要求エンジン回転数Ne2を読込む。
ステップS23では、現在のエンジン回転数NeがステップS22で読込んだ要求エンジン回転数Ne2を満足しているか否かを判定する。
現在のエンジン回転数Neが要求エンジン回転数Ne2より低い場合はステップS24に進む。
ステップS24では、現在のマイナスオーバーラップ量が要求エンジン回転数Ne2を満たすために最適なオーバーラップ量であるか否かを判定する。
最適である場合にはステップS25に進み、図14に示すマップを要求回転数Ne2で検索することによって要求エンジン回転数Ne2を満たすための酸素濃度を決定し、ステップS26で、この酸素濃度になるように酸素富化装置2のバルブ27、28の開度を調節する。図14は吸入空気中の酸素濃度を要求エンジン回転数に割り付けたマップであり、要求エンジン回転数が高くなるほど酸素濃度も高くなっている。
マイナスオーバーラップ量が最適でない場合には、ステップS27に進み、図10のマップから最適なマイナスオーバーラップ量を検索する。
そしてステップS28に進み、ステップS27で設定したマイナスオーバーラップ量でエンジンの運転が安定して行えるか否かを、予め設定した機関安定基準に基づいて判定する。
機関安定基準を満たす場合にはステップS29でバルブタイミングをステップS27で求めた値に調節して終了し、満たさない場合にはステップS25に進み、図14のマップから機関安定基準を満たすために必要な酸素濃度を検索し、ステップS26で酸素富化装置2のバルブ27、28の開度を調節する。
ステップS23で要求エンジン回転数を満足している場合には、ステップS30に進む。
ステップS30では、現在の過給圧が要求トルクTを満たすために最適な過給圧であるか否かを判定する。
最適である場合には、ステップS31に進み、図12に示すマップから要求トルクTを満たすために必要な酸素濃度を検索し、検索した酸素濃度となるようにステップS32で酸素富化装置2のバルブ27、28の開度を調節する。図12は吸入空気中の酸素濃度を要求トルクTに割り付けたものであり、要求トルクTが大きくなるほど酸素濃度も高くなる。
図6は燃焼室20の混合気分布を表す図である。この図に示すように、筒内温度を上昇させるために必要なEGR量を確保することにより燃焼室20に供給される吸入空気量は制限されるが、酸素富化装置2により吸入空気中の酸素濃度を上昇させることによって、限られた吸入空気量で要求トルクを満足することができる。
過給圧が最適でない場合にはステップS33に進み、図11に示すマップから要求トルクを満たすための過給圧を検索し、ステップS34でこの過給圧がエンジンの運転が安定して行えるか否かを予め設定した機関安定基準値に基づいて判定する。図11は最大過給圧を要求トルクTに割り付けたマップであり、要求トルクTが大きくなるほど過給圧も高くなっている。
機関安定基準値を満たす場合には、ステップS35で過給圧をステップS33で求めた値となるように調節する。過給圧の調節手段としては、例えばエンジン軸出力により駆動する機械式過給機(いわゆるスーパーチャージャ)において、変速比を可変に制御可能な手段を介してエンジン軸出力を機械式過給機に伝達するする構成とし、過給圧が最適でない場合には、最適な過給圧となるように機械式過給機の回転数を制御するよう変速比を制御する方法がある。また、いわゆるA/Rを可変に制御可能な排気タービン式過給機を用いる方法もある。
機関安定基準値を満たさない場合には、ステップS31に進み、前述同様に酸素濃度を求め、酸素富化装置2のバルブ27、28の開度を調節する。
上記のように、ECU14は、エンジン回転数Neが要求回転数Ne2を満足しない場合にはマイナスオーバーラップ量を調節し(ステップS27)、また、マイナスオーバーラップ量が最適にもかかわらず要求エンジン回転数Ne2を満足しない場合や、最適なマイナスオーバーラップ量にすることによってエンジン運転の安定性が悪くなる場合には酸素富化装置2によって酸素濃度を増加させて(ステップS25)、要求エンジン回転数Ne2を満足するよう制御する。
これにより、マイナスオーバーラップ量を増大させることによって吸入空気量が減少た場合にも燃焼に必要な酸素量を確保することができるので、高回転領域での圧縮自己着火運転が可能となる。
また、要求トルクTを満足しない場合には、過給圧を調節し(ステップS33)、また、過給圧が最適にもかかわらず要求トルクTを満足しない場合や、最適な過給圧にすることによってエンジン運転の安定性が悪くなる場合には酸素富化装置2によって酸素濃度を増加させて(ステップS31)、要求トルクTを満足するよう制御する。
これにより、筒内温度を高温に保つために必要な内部EGR量を確保しつつ、燃焼室20に供給される酸素濃度を高めてトルクの向上を図ることができる。
上記の効果を図4に示す。図4は横軸にエンジン回転数、縦軸にトルクをとったエンジン運転領域マップであり、領域Aは酸素富化装置2を備えずにマイナスオーバーラップ量の調節による内部EGRを行う従来の構成における圧縮自己着火運転領域であり、領域Bは本実施形態により圧縮自己着火運転が可能となった運転領域である。
前述したように、本実施形態では、マイナスオーバーラップ量を増大させることによって吸入空気量が減少しても燃焼に必要な酸素量を確保できるので、高回転領域まで圧縮自己着火運転が可能となり、また、筒内温度を高温に保つために必要な内部EGR量を確保しても、燃焼室20に供給される吸入空気中の酸素濃度を上昇させることによって限られた吸入空気量での出力トルクを向上させることが可能となるので、高負荷領域まで圧縮自己着火運転が可能となる。
したがって、領域Bのように、従来に比べて高回転側および高負荷側に圧縮自己着火運転可能領域を拡大することができる。
以上により、本実施形態では、圧縮自己着火運転時にバルブタイミングをマイナスオーバーラップに制御することにより内部EGRを行い、EGR量が増大したことにより吸入空気量が減少しても酸素富化装置2によって酸素濃度を確保するので、高回転領域ではEGR量を増やしつつ必要な酸素量を確保することができ、また、高負荷領域では酸素濃度を上昇させることにより出力トルクを増大させることができる。つまり、圧縮自己着火運転可能領域を高回転領域、高負荷領域まで拡大することができる。
EGRはバルブタイミングをマイナスオーバーラップに制御することによって行う、いわゆる内部EGRであるので、EGR用の配管、バルブ等を設ける必要がなく、装置の大型化を防ぐことができる。
圧縮自己着火運転中に失火を検知した場合に、酸素富化装置2によって酸素濃度を上昇させるので、エンジンの運転の安定性を確保できる。
酸素濃度の上昇代をエンジンに要求される回転数または出力に基づいて算出するので、エンジンの運転の安定性を確保しつつ、要求される回転数または出力を満たすことができる。
なお、本実施形態では、過給機3の上流に酸素富化装置2を設け、酸素富化装置2の下流側に負圧を生じさせて空気が酸素富化膜29を透過するようにしているが、図10に示すように、酸素富化装置2の上流に過給機3を設けて酸素富化膜29の上流側に過給圧をかけることによって空気を透過させることもできる。
なお、本発明は上記の実施の形態に限定されるわけではなく、特許請求の範囲に記載の技術的思想の範囲内で様々な変更を成し得ることは言うまでもない。
本発明は、圧縮自己着火運転と通常の火花点火運転とを切換えて行うエンジンに適用可能である。
本実施形態のシステムの構成を表す図である。 酸素富化装置の構成を表す図である。 マイナスオーバーラップを説明するためのバルブタイミングチャートである。 運転領域マップである。 酸素富化膜を使用したときの効果を説明するための燃焼室内のガス濃度を表す図である。 酸素富化膜を使用したときの効果を説明するための燃焼室内のガス濃度を表す図である。 本実施形態の制御フローチャートである。 失火検出時の制御フローチャートである。 過給機を酸素富化装置の上流に配置した場合のシステムの構成を表す図である。 マイナスオーバーラップ量算出マップである。 最適過給圧力選定マップである。 吸入空気中の酸素濃度を要求トルクに割り付けたマップである。 EGR量算出マップである。 吸入空気中の酸素濃度を要求エンジン回転数に割り付けたマップである。
符号の説明
1 エアダクト
2 酸素富化装置
3 過給機
4 ピストン
6 吸気圧センサ
7 O2濃度センサ
8 吸気温度センサ
9 筒内圧力センサ
10 筒内温度センサ
11 可変動弁機構
12 スロットルバルブ
13 クランク角センサ
14 エンジンコントロールユニット(ECU)
15 吸気バルブ
16 排気バルブ
17 吸気カムシャフト
18 排気カムシャフト
19 点火プラグ
20 燃焼室
21 シリンダヘッド
22 シリンダブロック
23 吸気ポート
24 排気ポート
25 吸気通路
26 インジェクタ
27 バルブ
28 バルブ
29 酸素富化膜
30 バイパス通路
31 主通路

Claims (5)

  1. ピストンの圧縮作用によって自己着火させることにより混合気を燃焼させる圧縮自己着火運転と、
    火花点火により混合気を燃焼させる火花点火運転と、を切換え可能なエンジンにおいて、
    圧縮自己着火運転時に燃焼室内のEGR量を増加させるEGR量増大手段と、
    エンジンが所定回転数以上もしくは所定負荷以上となった場合に、燃焼室に供給する吸入空気中の酸素濃度をEGR量の増加に応じて上昇させる酸素濃度上昇手段と、を備えることを特徴とするエンジンの制御装置。
  2. 前記EGR量増大手段は、排気バルブ閉時期が排気行程途中で吸気バルブの開時期が吸気行程途中となるようにバルブタイミングを制御し、前記排気バルブが閉じてから吸気バルブが開くまでの時間を変化させることによってEGR量を制御する請求項1に記載のエンジンの制御装置。
  3. エンジンの失火を検知する手段と、
    圧縮自己着火運転中に失火を検知した場合に、前記EGR量増大手段はEGR量を増大し、前記酸素濃度上昇手段によって酸素濃度を上昇させる失火時酸素濃度制御手段と、を備える請求項1または2に記載のエンジンの制御装置。
  4. 前記失火時酸素濃度制御手段は、酸素濃度の上昇代をエンジンに要求される回転数または出力に基づいて算出する請求項3に記載のエンジンの制御装置。
  5. 前記酸素濃度上昇手段は、吸気通路中に設けた酸素富化膜と、酸素富化膜の上流または下流に設けた過給機と、酸素富化膜をバイパスする通路と、酸素富化膜を通過する空気流量を制御する流量制御手段と、バイパス通路を通過する空気流量を制御する流量制御手段と、で構成される請求項1〜4に記載のエンジンの制御装置。
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