JP2006021948A - 高純度シリカ粒子の製造方法、これにより得られた高純度シリカ粒子及びこれを用いた高純度石英ガラス粒子の製造方法 - Google Patents

高純度シリカ粒子の製造方法、これにより得られた高純度シリカ粒子及びこれを用いた高純度石英ガラス粒子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 安価なアルカリ金属珪酸塩を原料として、高純度なシリカ粒子を得ることができる製造方法およびこれにより得られる高純度シリカ粒子を提供する。また、このような高純度シリカ粒子を用いた高純度石英ガラス粒子の製造方法を提供する。
【解決手段】 アルカリ金属珪酸塩由来のシリカ粒子をハロゲンガス、好適には塩素ガス含有雰囲気下で焼成する工程を有する高純度シリカ粒子の製造方法である。また、アルカリ金属珪酸塩由来のシリカ粒子としては、乾燥シリカゲルおよび/または含水シリカゲルを好適に用いることができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、高純度シリカ粒子の製造方法、これにより得られた高純度シリカ粒子及びこれを用いた高純度石英ガラス粒子の製造方法に関し、特には、半導体用熱処理部材、半導体用シリコン単結晶引き上げ用坩堝、光学用部材、石英ランプ、炉心材、治工具、洗浄槽材などの原料として使用される高純度石英ガラス粒子を得ることのできる高純度シリカ粒子、その製造方法及び高純度石英ガラス粒子の製造方法に関するものである。
石英原料は長く天然石英を使用していたが、純度のバラつき、資源の枯渇、開発による環境汚染問題などから合成石英を使用するようになってきている。従来、合成石英粉はテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、四塩化珪素等を原料としていたため、高純度ではあるが高価であり、これを使用して合成石英ガラス粒子を製造すると高コストとなり、工業的に適性の高いものではなかった。
一方、半導体製品の高集積化は進んでおり、特に半導体用シリコン単結晶引き上げ用坩堝部材では金属不純物の極めて少ない高純度合成石英ガラスが求められている。
こうした要求から、低コストで高純度の合成石英ガラス粉を得る試みがなされてきており、原料として安価な水ガラス(アルカリ金属珪酸塩水溶液)を使用してシリカ粒子を得、これを用いて石英ガラス粉を得る方法が提案されている(特許文献1〜3)。また、シリカ粒子あるいは合成石英粉の製造工程あるいは精製工程において、その純度を上げるために、塩素ガス、塩化水素ガス等のハロゲンガスで処理することが提案されている(特許文献4〜6)。
特開平4−349126号公報 特開平11−11929号公報 特開2003−12321号公報 特許第3123696号公報 特開2000−169135号公報 特開平7−17706号公報
しかしながら、原料として安価なアルカリ金属珪酸塩水溶液を使用してシリカ粒子を得、これを用いて石英ガラス粉を得る上記方法で得られるシリカ粒子あるいは合成石英粉は微量な重金属を含むものであり、用途によっては十分に満足のいくものではなかった。更に、その純度を上げるために、塩素ガス、塩化水素ガス等のハロゲンガスで処理する上記方法でも微量な重金属元素を十分に取り除くことができなかった。
従って、本発明の目的は、安価なアルカリ金属珪酸塩を原料として、高純度なシリカ粒子を得ることができる製造方法を提供することにあり、また、本発明の他の目的は、このような高純度シリカ粒子を提供することにあり、さらに本発明の他の目的は、このような高純度シリカ粒子を用いた高純度石英ガラス粒子の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、ハロゲンガス含有雰囲気下で焼成を行なうことを特徴とする高純度シリカ粒子の製造方法(以下「本第一発明」ともいう)、該方法で得られた高純度シリカ粒子(以下「本第二発明」ともいう)、該高純度シリカ粒子を、焼成することを特徴とする高純度石英ガラス粒子の製造方法(以下「本第三発明」ともいう)を見出し、上記課題を解決した。
本第一発明である高純度シリカ粒子の製造方法は、アルカリ金属珪酸塩由来のシリカ粒子をハロゲンガス含有雰囲気下で焼成する工程を有することを特徴とするものである。本第一発明においては、ハロゲンガスは、好ましくは塩素ガスである。また、アルカリ金属珪酸塩由来のシリカ粒子として乾燥シリカゲルおよび/または含水シリカゲルを好適に用いることができる。さらに、好ましくは、アルカリ金属珪酸塩由来のシリカ粒子のBET法で測定した比表面積が10〜1000m2/gであり、また、粒子径が1μm〜3000μmであることが好ましい。さらに、シリカ粒子に酸洗浄処理が施されていることが好ましい。
また、焼成を行う際、好ましくは、焼成温度が700〜1250℃である。
本第二発明である高純度シリカ粒子は、前記方法により得られたものであることを特徴とするものであり、また本第三発明である高純度石英ガラス粒子の製造方法は、前記高純度シリカ粒子を、さらに焼成工程を有する処理に供することを特徴とするものである。
本発明によれば、安価なアルカリ金属珪酸塩水溶液を原料としても高純度なシリカ粒子を得ることができる。さらに、このような高純度シリカ粒子を用いて高純度石英ガラス粒子を得ることができる。
まず、本第一発明について詳述する。本発明で使用されるアルカリ金属珪酸塩由来のシリカ粒子とは、アルカリ金属珪酸塩由来のものであればいずれでもよく、含水シリカゲル、含水シリカゲルを乾燥させるなどして得られる遊離水を含まない乾燥シリカゲル(ドライゲル)、含水シリカゲルを部分乾燥させるなどして得られる減少した遊離水を含む部分乾燥シリカゲル、あるいはアルカリ金属珪酸塩の水溶液を酸処理、陽イオン交換処理等の処理をして得られたもの、あるいはこれらの多孔質体、あるいはこれらを酸処理、加熱処理、凍結処理、解凍処理、離水分離処理、陽イオン交換処理、洗浄等の各種処理の一種以上を施したものなどが挙げられる。
さらに、本発明で使用されるアルカリ金属珪酸塩由来のシリカ粒子について詳しく説明する。まず、上記、アルカリ金属珪酸塩由来の含水シリカゲルとは、アルカリ金属珪酸塩を由来とする含水シリカゲルであれば特に限定されないが、好ましくは、アルカリ金属珪酸塩水溶液からゾル−ゲル法にて得られた含水シリカゲルや、このような含水シリカゲルに種々の処理、例えば、後述の部分乾燥と洗浄を施した含水シリカゲル等を包含するものである。
以下にアルカリ金属珪酸塩水溶液からゾル−ゲル法にて得られた含水シリカゲルを用いる場合について説明する。アルカリ金属珪酸塩水溶液は特に限定されず、どのようなアルカリ金属珪酸塩水溶液でも使用することができるが、好ましくはSiO2/M2O(MはNa、K又はLiであり、工業的には入手の容易なNaが好ましい)のモル比が0.4〜10.0、好ましくは0.5〜8.0であるアルカリ金属珪酸塩水溶液を好適に使用することができる。モル比が上記範囲未満であるとゾル−ゲル法にて含水シリカゲルを得るために過大な設備が必要であり、一方、上記範囲を超えると工業的に安定なアルカリ金属珪酸塩水溶液になり得ず、入手が困難となり、いずれも工業的な適性を欠くこととなりやすい。
また、アルカリ金属珪酸塩水溶液におけるSiO2の濃度は、好ましくは2〜30重量%、より好ましくは3〜20重量%である。この濃度が上記範囲未満であるとゾル−ゲル法にて含水シリカゲルを得ることが困難であり、一方、上記範囲を超えると不安定となりやすく、いずれも工業的な適性を欠くこととなりやすい。
上記濃度のアルカリ金属珪酸塩水溶液を得るには、いくつか方法があるが、最も簡便な方法は上記濃度のアルカリ金属珪酸塩水溶液をそのまま使用する方法である。これはアルカリ金属珪酸塩水溶液の製造にあたって濃度を調整しておけばよい。次に簡便な方法は、上記濃度よりも高濃度のアルカリ金属珪酸塩水溶液を水、好ましくは純水で希釈する方法である。また、粉末の水溶性珪酸アルカリも市販されており、これを水、好ましくは純水に溶解して上記濃度とすることもできる。
含水シリカゲルは、このようなアルカリ金属珪酸塩水溶液からゾル−ゲル法にて得られたものを用いることができるが、ゾル−ゲル法としては特に限定されるものではなく、例えば、アルカリ金属珪酸塩水溶液をそのまま、あるいは、脱アルカリ処理した後、あるいはさらに金属不純物を除去した後、これらの水溶液を、pH調節、加熱、脱水など任意の方法でゲル化させればよく、その他公知の方法であればどのような方法でも使用することができるが、好ましい一例としては以下のような(1)〜(4)の方法を挙げることができる。
(1)の方法は、アルカリ金属珪酸塩水溶液を脱アルカリ処理した後、陽イオン交換処理をして得られたシリカ水溶液をゲル化させ、含水シリカゲルを得る方法である。この方法においては、一旦、脱アルカリ処理、例えば、陽イオン交換法、電気泳動法、電気透析法(電解透析法)などによる処理を施した後、陽イオン交換処理するものである。ここで、脱アルカリ処理によって、ほとんどのアルカリ分を除去することが好ましく、概ねNa2O濃度2%以下程度まで、より好ましくはpH10.0以下まで処理することが好ましい。
このような陽イオン交換処理(脱アルカリ処理の場合を含む)に使用する陽イオン交換樹脂は、特に限定されるものではなく、市販の強酸性型のビーズ状、繊維状、クロス状等の水素型陽イオン交換樹脂等を使用することができる。
これら陽イオン交換樹脂に対する上記アルカリ金属珪酸塩水溶液の通液方法(脱アルカリ処理の場合を含む)はなんら限定されるものではなく、例えば、カラムに上記陽イオン交換樹脂を充填して通液する方法や、アルカリ金属珪酸塩水溶液と陽イオン交換樹脂をバッチ方式で処理するなどの周知の方法を用いることができる。尚、使用済みの陽イオン交換樹脂は通常の方法、即ち、塩酸、硫酸、硝酸等の酸を使用して再生することができる。
脱アルカリ処理を施した後、陽イオン交換処理を施すにあたり、脱アルカリ処理の後、pHを0.2〜3.5、好ましくは0.2〜2.0とすることが多価金属のイオン化を促し、次の陽イオン交換処理における除去性を向上するので好ましい。pHの調整には酸を用いればよく、塩酸、硫酸、硝酸の単独若しくはこれらを組み合わせて使用することができる。好ましくは、少なくとも硝酸を含む組合せ、より好ましくは硝酸のみが、イオン交換能向上の点で望ましい。尚、pHが0.1未満であると、長時間、例えば、半日程度のうちにはゲル化するので迅速な操作が好ましい。
このように処理したアルカリ金属珪酸塩水溶液は、酸性シリカゾルとなっており、この酸性シリカゾルをゲル化させることにより含水シリカゲルを得ることができる。ゲル化させる方法は特に限定されるものではなく、通常の方法を使用すればよい。即ち、シリカ水溶液を脱水させる方法、シリカ水溶液を加熱する方法(例えば、pH0.1〜2.0の通常使用の範囲では安定であるシリカ水溶液も加熱することによりゲル化させることができる)、シリカ水溶液のpHを2.0〜8.0、好ましくはpH4.0〜8.0に調整することによりゲル化させる方法(pH4.0未満、特にpH3.0以下であると通常使用の範囲では安定であるが、長時間放置することにより、この範囲のpHでもゲル化させることができる)等を使用すればよい。より短時間にゲル化できるという点からいえば、pHを4.0〜8.0に調整することによりゲル化させる方法が好ましい。
pHの調整は、pHの低下には上記の酸を、pHの上昇にはアルカリ剤を使用すればよいが、高純度品を得るとの観点からアルカリ剤としてはアンモニア若しくはアンモニア水を用いることが好ましい。
尚、得られる含水シリカゲルが酸性であることが、その後、含水シリカゲルの乾燥と洗浄による金属不純物除去が効果的に行えるので、好ましい。従って、ゲル化時のシリカ水溶液のpHは2.0未満であることが好ましい。また、ゲル化時のpHが2.0以上である場合には、ゲル化後に酸処理を施すことが好ましい。この酸処理は含水シリカゲルの内部を酸性、好ましくはpH2.0未満とするものであり、含水シリカゲルを塩酸、硝酸、硫酸などの酸で処理(酸に含水シリカゲルを浸漬)すればよい。尚、酸処理の効率の点で、好ましくは含水シリカゲルが粒径5mm以下、より好ましくは1mm(1000μm)未満としておくことが良い。酸処理の程度は、含水シリカゲルの内部が酸性、好ましくはpH2.0未満になればよいので、酸の濃度、pH、量には特に依存せず、含水シリカゲルを十分に酸に浸漬したときの酸のpHが2.0未満、好ましくは1.0未満となるように行えばよい。含水シリカゲルを十分酸に浸漬するとは、例えば、常温であれば1日以上、40℃であれば5時間以上、60℃であれば3時間以上、80℃であれば1時間以上浸漬することである。
(2)の方法は、アルカリ金属珪酸塩水溶液を脱アルカリ処理した後、陽イオン交換処理をして得られたシリカ水溶液をゲル化させ、得られたゲルを凍結し、解凍して離水させて水分を減少させた含水シリカゲルを得る方法である。
この方法は、アルカリ金属珪酸塩水溶液を脱アルカリ処理した後、陽イオン交換処理をして得られたシリカ水溶液をゲル化させるまでは、上記(1)の方法と同様であるので説明を省略する。
次に、得られたゲルを凍結する。凍結は、このゲル(含水シリカゲル)が凍結し始める温度以下の温度で行えばよい。この含水シリカゲル中のシリカ濃度によって該含水シリカゲルが凍結し始める温度は異なるが、おおよそ−2℃〜−15℃の温度で凍結し始めるので、このような、該含水シリカゲルが凍結し始める温度以下の温度で凍結を行えばよい。ここで、凍結方法、凍結スピードは特に限定されるものではない。
次に、凍結した含水シリカゲルを解凍する。解凍の方法は何ら限定されるものではなく、単に室温に放置すれば足りるが、より短時間で解凍させるために、例えば、温水や温風等により加温することもできる。
凍結した含水シリカゲルを解凍すると、凍結水分が離水し、もとの含水シリカゲルの状態に戻ることはない。
解凍による離水によって、含水シリカゲルからの遊離水とシリカ粒子に分離するので、濾過等の従来公知の方法で遊離水を分離すれば水分を減少させた含水シリカゲルを得ることができる。
尚、凍結・解凍・離水水分除去により、含水シリカゲル中の微量不純物が遊離水側に移行して除去されるものである。
また、(1)の方法同様に、ゲル化時のシリカ水溶液のpHは2.0未満であることが好ましい。また、同様にゲル化時のpHが2.0以上である場合には、ゲル化後(凍結の前でもよく、解凍の後でもよい)に酸処理を施すことが好ましい。酸及び酸処理の程度も(1)の方法と同様である。但し、解凍の後は含水シリカゲルは水分が低下して粒子状になっており、通常、粒径約5mm以下となっているので、特に粒径について操作する必要はないが、好ましくは1mm(1000μm)未満である。
(3)の方法は、アルカリ金属珪酸塩水溶液を鉱酸で酸性としたシリカ水溶液をゲル化させ、含水シリカゲルを得る方法である。
この方法はまず、アルカリ金属珪酸塩水溶液に鉱酸、例えば、塩酸、硫酸、硝酸など、好ましくはSiO2高濃度化の点で硫酸を添加して酸性水溶液、好ましくはpH2.0未満の酸性水溶液とする。
次に、この酸性シリカゾルをゲル化させることにより含水シリカゲルを得ることができる。ゲル化させる方法は上記(1)の方法と同様であるので、ここでは説明を省略する。
(4)の方法は、アルカリ金属珪酸塩水溶液を鉱酸で酸性としたシリカ水溶液に1回以上の陽イオン交換処理をして得られたシリカ水溶液をゲル化させ、含水シリカゲルを得る方法である。
この方法はまず、アルカリ金属珪酸塩水溶液に鉱酸、例えば、塩酸、硫酸、硝酸などの単独又はこれらの組み合わせ、好ましくは後述の陽イオン交換能向上の点から少なくとも硝酸を含む組合せ、より好ましくは硝酸のみを添加して酸性水溶液、好ましくはpH4.0未満の酸性水溶液とする。酸性、好ましくはpH4.0未満であると水溶液が安定であって後述の陽イオン交換処理を行う上で好ましいものである。
次に、この酸性水溶液を陽イオン交換処理する。陽イオン交換処理に使用する陽イオン交換樹脂、及び陽イオン交換処理方法については上記(1)と同様であるので、ここでは説明を省略する。
このように処理した酸性水溶液は、陽イオン交換処理前よりpHの低下した酸性シリカゾルとなっており、この酸性シリカゾルをゲル化させることにより含水シリカゲルを得ることができる。ゲル化させる方法は上記(1)と同様であるので、ここでは説明を省略する。
次に、乾燥シリカゲル(ドライゲル)について説明する。
乾燥シリカゲルは上記含水シリカゲルを乾燥することによって得られる。含水シリカゲルを乾燥させることにより含水シリカゲル中に含まれている金属不純物は、水分の移動に伴って含水シリカゲルの表層部に移動すると考えられる。乾燥は、乾燥工程(以下第1工程ともいう)と、後で詳述する洗浄工程(以下第2工程ともいう)を繰り返し行ってもよい。それにより乾燥工程で表層部に移動した金属不純物が除去され高純度化された乾燥シリカゲルを得ることができる。
乾燥の程度は特に限定されず、含水シリカゲル中の遊離水が減少しさえすればよいが、含水シリカゲル表層部への金属不純物の移動は、乾燥による含水シリカゲル中の遊離水の減少量に依存するので、軽微な乾燥では僅かにしか金属不純物の移動は起こらず、従って後述の第2工程を経ても僅かしか金属不純物量が減少しないこととなる。しかし、このような場合でも第1工程及び第2工程を経たシリカゲルが、第1工程が軽微な乾燥であった故に、まだ遊離水を含有している含水シリカゲルである場合は、この含水シリカゲルに更に第1工程及び第2工程を含む処理を施すことができ、これは任意に繰り返すことができる。
従って、軽微な乾燥による第1工程とその後の第2工程による洗浄によって、金属不純物量減少が僅かであっても、これらの処理を繰り返し行うことによって十分な高純度化を行った乾燥ゲルを得ることは可能である。
しかしながら、軽微な乾燥(即ち、僅かな金属不純物量減少)を繰り返すことは工業的に不利であるので、好ましくは含水シリカゲル中の遊離水減少率(〔乾燥前の遊離水分重量−乾燥後の遊離水分重量〕/乾燥前の遊離水分重量)×100)として30%以上となるように乾燥を行うことが好ましい。
一方、極力乾燥を行うこと、即ち、遊離水減少率100%又はそれに近い遊離水減少率(例えば、95%以上)とすることは特に問題ないが、含水シリカゲル中の金属不純物量が多い場合は注意が必要である。
即ち、含水シリカゲル中の金属不純物、特に多価金属不純物は、乾燥に伴う水分移動によって含水シリカゲル表層部に移動するが、表層部の含水シリカゲル中に存在できる量には限界があり、それを超える量の金属不純物が移動してくると、含水シリカゲル外表面に析出する。しかし、含水シリカゲル外表面に析出する量にも限界があり、従って、ある一定量以上の金属不純物は、乾燥に伴う水分移動によって含水シリカゲル表層部(外表面を含む)には移動せず、含水シリカゲル内部に残存する。このような場合に遊離水減少率を上記のように遊離水減少率100%若しくはそれに近い遊離水減少率としてしまうと、含水シリカゲル内部に金属不純物が残存しているにもかかわらず、金属不純物移動に利用できる遊離水が不足してしまうので、結果的に高純度化が不十分となる場合がある。
このように金属不純物量が多い場合は、第1工程における含水シリカゲルの乾燥を部分乾燥として含水シリカゲル中に遊離水を残存させておき、第2工程を経た含水シリカゲルに再度第1工程及び第2工程の処理を施すことが好ましい。
このように第1工程及び第2工程を包含する処理を2回以上行うことが好ましい金属不純物量は、一概に金属不純物量のみで決定することはできない。即ち、含水シリカゲル表層部(外表面を含む)に移動できる金属不純物量は含水シリカゲルの表面積に依存するので、〔含水シリカゲル中の金属不純物重量/含水シリカゲルの表面積〕(以下、金属不純物含有率という)として1.0g/mm2以上である場合には第1工程及び第2工程を包含する処理を2回以上行うことが好ましいので、最初の第1工程では含水シリカゲルの乾燥を部分乾燥とすることが好ましい。
この場合の部分乾燥は、含水シリカゲル表層部(外表面を含む)に移動する金属不純物が含水シリカゲルの単位表面積当たり1.0g/mm2未満となる範囲であればどのような程度であっても差し支えないが、あまり軽微な乾燥であると、何度も第1工程及び第2工程を包含する処理を行う必要があるので、好ましくは、〔含水シリカゲル中に含まれる全金属不純物重量−含水シリカゲル表層部(外表面を含む)に移動できる金属不純物量〕以上の金属不純物量を含水シリカゲル表層部(外表面を含む)に移動できる程度の部分乾燥であることが好ましい。
また、第1工程に使用する含水シリカゲルが、含水シリカゲル中に含まれる金属不純物量に比して、含水シリカゲル中に含まれる遊離水が極端に少ないと、含水シリカゲル中に含まれる全金属不純物を含水シリカゲル表層部(外表面を含む)に移動させることができないので、第1工程に使用する含水シリカゲルとして、好ましくは〔含水シリカゲル中に含まれる遊離水の重量/含水シリカゲル中に含まれる全金属不純物重量〕として10000以上の遊離水を含有するものであることが良い。
尚、1回のみ用いられる第1工程、若しくは、複数回用いられる第1工程のうちの最後の第1工程においては、第1工程の目的が含水シリカゲルの乾燥により金属不純物の含水シリカゲルの表層への移動であるので、この目的が達成されるかぎり、必ずしも完全な乾燥とする必要はなく、遊離水を残存している部分乾燥シリカゲルであっても何ら差し支えない。
また、乾燥工程に使用する含水シリカゲルは、乾燥工程にかける以前に、或いは含水シリカゲルとして得るまでの何れかの工程にて、過酸化水素を含有する処理液にて処理したものであることが、乾燥による金属不純物、特に多価金属のイオン化を促し、乾燥工程による含水シリカゲル表層部への移動を容易にし、第2工程における洗浄によって金属不純物、特に多価金属を効果的に除去する点で好ましいものである。
この過酸化水素の好ましい使用量の下限値は含水シリカゲル中の多価金属の量に依存するが、通常微量な多価金属(重金属である場合が多い)量の測定を頻繁に行うことは工業的に不利なものである。しかし、これらは原料となるアルカリ金属珪酸塩に由来するものであるので、SiO2の量を基準にして過酸化水素の使用量を決めることができる。即ち、上記過酸化水素の好ましい使用量は、アルカリ金属珪酸塩中の、あるいは含水シリカゲル中のSiO2重量に対して0.5ppm以上、より好ましくは1.0ppm以上であれば良い。上記過酸化水素の使用量の上限は特にないがSiO2重量に対して3000ppmを超えて使用しても効果に差はないので、工業的合理性の点からSiO2重量に対して3000ppm以下とするのが良いといえる。
尚、第1工程を行う前に、適宜含水シリカゲルを洗浄することもできる。洗浄は、後述の第2工程における洗浄を採用することができる。上記のように不純物を多く含有する場合、洗浄によって含水シリカゲル表層部の不純物を除去しておくと、より多くの不純物を移動させることができるので、このような場合は乾燥工程前に洗浄することが好ましい。
第2工程は、上記第1工程で得られたシリカゲル、即ち、遊離水を含まない乾燥シリカゲル又は減少した遊離水を含む部分乾燥含水シリカゲルを、粉砕し、若しくは粉砕せずに洗浄する工程である。
上記したように、乾燥シリカゲルを得るためには、第1工程及び第2工程を包含する処理を1回以上行うのが好ましいので、本第2工程で使用するシリカゲルは、十分に遊離水の除かれた乾燥シリカゲル、又は、減少しているが未だ遊離水を有している部分乾燥含水シリカゲルであり、何れであっても差し支えなく第2工程に使用することができる。
本第2工程においては、このようなシリカゲルを洗浄するものである。シリカゲルを洗浄することにより、第1工程によってシリカゲルの表層部(外表面を含む)に存在する金属不純物を除去することができる。洗浄液の温度は特に限定されないが、加温下であるとより効果的であるので、例えば、40〜70℃であると効果の点、工業化適性の点で好ましい。
第2工程における洗浄は水洗でもよく、高純度品を得るためには、好ましくは超純水による洗浄とするが、より高純度のシリカゲルとするためには、過酸化水素及び酸を含有する洗浄液による洗浄であることが、より好ましい。
酸としては、塩酸、硝酸、硫酸等の単独及びこれらの組み合わせの何れでもよい。酸の濃度は特に限定されないが、好ましくは2〜20重量%である。2重量%未満では酸を使用する効果が顕著でなく、一方、20重量%を超えてもそれ以上効果は向上せず、工業的に不利である。
過酸化水素の濃度は特に限定されないが、2重量%以上使用してもそれ以上効果は向上せず、工業的に不利である。尚、過酸化水素の使用効果は極微量でも生ずるが、100ppm以上であるとその効果が顕著であり好ましい。
勿論、これら過酸化水素および酸を含有する洗浄液が、極力高純度の洗浄液であることが好ましいのは言うまでもないことである。
第2工程において、シリカゲルは必要に応じて洗浄前に粉砕することができる。粉砕することにより、シリカゲルにおいては、粉砕前のシリカゲル表面以外に新たなシリカゲル表面が生ずる。即ち、シリカゲル粉砕前にはシリカゲル内部であった部分が新たなシリカゲル表面として生ずる。第1工程を経てシリカゲルの表層部(外表面を含む)に移動した金属不純物を除去するだけであれば、特に粉砕の必要は無いが、含水シリカゲルに含有されている金属不純物量が多い場合、即ち、上記のように第1工程及び第2工程を包含する処理を2回以上行うことが好ましい含水シリカゲルを用いる場合は、第1回目の第1工程を経た部分乾燥シリカゲルの内部には、未だ金属不純物が残存しているので、部分乾燥シリカゲルを粉砕し、シリカゲル内部を露出させることにより、第2工程における洗浄で、第1工程の結果シリカゲルの表層部(外表面を含む)に移動した金属不純物だけでなく、シリカゲル内部に残存した金属不純物の一部も洗浄により除去することができるので、このように金属不純物を多く含む含水シリカゲルを使用する場合、第2工程における洗浄に先立ってシリカゲルを粉砕することが好ましい。
この場合、粉砕の程度は特に限定されず、より粒子径を小さくするほど洗浄効果は増加する傾向はあるが、得られるシリカゲルの用途によって任意に粒子径を選択すればよい。
本発明で使用されるシリカ粒子は、その粒子径が1μm〜3000μmであることが好ましく、50μm〜1000μmがより好ましい。1μm未満だと大気中の金属不純物粒子を巻き込む可能性が高いので好ましくない場合があり、3000μmを超えると以後の焼成工程においてシラノール基が残留し易くなる為、好ましくない場合がある。
また、本発明で使用されるシリカ粒子は、BET法で測定した比表面積が、10m2/g〜1000m2/gであることが好ましく、10m2/g未満だと比表面積の低下により金属不純物のハロゲン化除去効率が低下する為、好ましくない場合があり、1000m2/gより大きいと嵩比重の低下に伴い粉体のハンドリング性が劣る為、好ましくない。
本発明の高純度シリカ粒子の製造方法は、前記アルカリ金属珪酸塩由来のシリカ粒子を、ハロゲンガス含有雰囲気下で焼成する工程を有する。本発明におけるハロゲンガスの例としては、塩素ガス、塩化水素ガス、塩素元素を含有する化合物のガス、塩素が残留する工程上の回収ガス等が挙げられ、塩素ガスが特に好ましい。以下にハロゲンガス含有雰囲気下での焼成について説明する。
本発明でいうハロゲンガス含有雰囲気とは、塩素ガス(Cl2)等のハロゲンガスが存在している状態をいうが、ハロゲンガスを約1体積%以上含むことが好ましく、10〜100体積%がより好ましい。1体積%未満では、純化の効果が充分に得られない。ハロゲンガス以外のガス成分としては、窒素、空気、及び不活性ガスが残留する工程上の回収ガス等を適宜含んでいてもよい。
ハロゲンガス含有雰囲気下での焼成温度は、700℃〜1250℃が好ましく、900℃〜1100℃がより好ましい。700℃未満では純化の効果が得られず、1250℃を超えると、装置の耐久性に問題が生じたり、焼成中にシリカ粒子の比表面積が小さくなり、充分な純化効果が得られない。
ハロゲンガス含有雰囲気下での焼成時間は、純化が効率よく行なわれれば特に限定されないが、例えば900℃〜1100℃の温度で焼成を行なう場合、5分から6時間、好ましくは5分から3時間行えばよい。
ハロゲンガスは、焼成を行なう反応室中に、導入すればよく、あらかじめ焼成温度付近に加熱してから導入してもよい。
次に、本第一発明によって得られた高純度シリカ粒子である本第二発明について説明する。本第一発明のハロゲンガス含有雰囲気下で焼成する工程を有する製造方法では、不純金属元素の含有量を低減させることができ、特に不純物であるクロム、銅、マグネシウム、ナトリウム、カリウム、リチウム、ニッケルの含有量を、元の含有量の10重量%以下に低減させたシリカ粒子を得ることができる。さらに鉄の含有量を、元の含有量の1重量%以下に低減させたシリカ粒子を得ることができる。
具体的には、本第二発明の高純度シリカ粒子として、不純物であるクロム、銅、マグネシウム、ナトリウム、カリウム、リチウム、ニッケル、鉄の含有量が、50ppb以下のものを得ることができる。特に、ドライゲルを塩素ガスで焼成することにより好ましく得ることができる。
また、アルカリ金属珪酸塩由来のシリカ粒子をハロゲンガス含有雰囲気下で焼成する本第一発明では、天然水晶粉を塩素ガス雰囲気下で焼成するのに比べて、不純金属元素である、マグネシウムと銅の含有量を特に好ましく低下させることができ、マグネシウム含量が0.01ppm以下の高純度シリカ粒子や、銅含量が1.0ppb以下の高純度シリカ粒子を得ることができる。
次に、本第三発明である高純度石英ガラスの製造方法について説明する。
本第三発明は、本第二発明の高純度シリカ粒子を、焼成工程を有する処理に供することを特徴とする高純度石英ガラス粒子の製造方法である。
本第三発明においては、実質的に遊離水を含まない状態か、又は焼成工程に影響しない程度の微量の遊離水しか含有しない状態の場合は、本第二発明の高純度シリカ粒子をそのまま焼成工程にかけてもよいが、本第二発明の高純度シリカ粒子が遊離水を含有する場合は、焼成工程にかける前に遊離水を除去すべく乾燥させることが好ましい。これは、遊離水を含有するシリカゲルを焼成すると石英ガラス粒子に気泡が生じることがあるためである。気泡を含有する石英ガラスは、その用途が限定されてしまうので、好ましくは気泡を有さない石英ガラス粒子とする。
本第三発明における焼成工程は、シリカ粒子を石英ガラス粒子にできればよいので特に限定されず、従来高純度の石英を得る場合に行われる焼成と同程度の温度及び時間で行えばよく、従来公知の方法を使用することができる。
高純度の石英ガラス粒子は極力OH含量の少ないことが好ましく、より高温でより長時間の焼成を行えばそれだけOH含量の少ない石英を得ることができるので、所望とするOH含量となるよう適宜条件を設定すればよい。
以下、本発明を実施例に基づき説明する。
実施例1
SiO2/Na2O=3.0のモル比の珪酸ソーダ水溶液(SiO2濃度29重量%)を純水で希釈してSiO2濃度6.0重量%の珪酸ソーダ水溶液とした。この珪酸ソーダ水溶液を、水素型陽イオン交換樹脂(オルガノ(株)製アンバーライトIR−120B)を充填したカラムに通液して脱アルカリし、SiO2濃度5.0重量%、pH2.5のシリカ水溶液を得た。
得られたシリカ水溶液と塩酸を混合してpHを0.9に調整し、過酸化水素をシリカ水溶液中のSiO2重量に対して2%添加した。その後、このシリカ水溶液を水素型陽イオン交換樹脂(オルガノ(株)製アンバーライトIR−120B)を充填(シリカ水溶液1L当たり20mL充填)したカラムに通液して、微量の金属イオンの除去された高純度のシリカ水溶液(1)を得た。
得られた高純度シリカ水溶液(1)にアンモニア水を添加してシリカ水溶液のpHを6.0として室温放置し、シリカ水溶液(1)全体をゲル化させ含水シリカゲル(1)を得た。
得られた含水シリカゲル(1)を−30℃下で10時間かけて凍結させた。その後室温で解凍した。解凍によって離水した水分を濾過して除去し、SiO2含量40重量%、遊離水分含量55重量%、OH含量5重量%、平均粒径4mm、金属不純物含有率2.0×10-5g/mm2の含水シリカゲル(2)を得た。
得られた含水シリカゲル(2)を、硫酸と塩酸の混酸で6回洗浄(内4回加熱洗浄)し、さらに5%EL塩酸で加熱洗浄を2回行い、酸性含水シリカゲル(3)を得た。
得られた酸性含水シリカゲル(3)を、200℃で4時間乾燥させ、SiO2含量95重量%、遊離水分含量0重量%、OH含量5重量%、平均粒径2mmの乾燥シリカゲルを得、これを平均粒径300μmに粉砕し、乾燥シリカゲル(1)を得た。乾燥シリカゲル(1)のBET法による比表面積は700m2/gであった。
得られた乾燥シリカゲル(1)を、900〜1000℃で3時間、容積10Lの反応容器中で、0.3L/hの割合で、100体積%の塩素ガスを供給しながら焼成し、高純度シリカ粒子(1)を得た。得られた高純度シリカ粒子(1)中の金属不純物の量を下記の表1に示す。また、塩素処理前の乾燥シリカゲル(1)中の金属不純物の量も表1に示す。表1中の単位は重量ppmまたは重量ppbである。また、高純度化されていることを対比するために、純化率を表2に示す。純化率は下記の計算式で求められ、数値が小さいほど塩素ガス中での焼成による高純度化の効果があったことになる。
純化率(%)=100×塩素焼成後の各不純物の純度/塩素焼成前の各不純物の純度
得られた高純度シリカ粒子を1250℃にて、24時間焼成して、高純度石英ガラス粒子を得た。
実施例2
実施例1で得られた乾燥シリカゲル(1)を1250℃で5時間焼成し、シリカ焼成粉(1)を得た。該シリカ焼成粉(1)のBET法による比表面積は<0.1m2/gであった。該焼成粉(1)を実施例1と同様の条件で塩素ガス中で焼成し、高純度シリカ焼成粉(1)を得た。得られた高純度シリカ焼成粉(1)中の金属不純物の量を表1に示す。純化率を表2に示した。
実施例3
実施例1と同様にして得られた含水シリカゲル(2)を、水道水でリンス洗浄し、含水シリカゲル(4)を得た。得られた含水シリカゲル(4)を、200℃で4時間乾燥させ、SiO2含量95重量%、遊離水分含量1重量%、OH含量4重量%、平均粒径0.7mmの乾燥シリカゲルを得、これを平均粒径300μmに粉砕し、乾燥シリカゲル(2)を得た。乾燥シリカゲル(2)のBET法による比表面積は705m2/gであった。
得られた乾燥シリカゲル(2)を、900〜1000℃で3時間、容積10Lの反応容器中で、0.3L/hの割合で、100体積%の塩素ガスを供給しながら焼成し、高純度シリカ粒子(2)を得た。得られた高純度シリカ粒子(2)中の金属不純物の量を表1に示す。また、塩素処理前の乾燥シリカゲル中の金属不純物の量も表1に示す。更に、純化率を表2に示す。
比較例1
BET法による比表面積が<0.1m2/gである天然水晶粉について、900〜1000℃で3時間、容積10Lの反応容器中で、0.3L/hの割合で、100体積%の塩素ガスを供給しながら焼成し、塩素処理水晶粉を得た。得られた塩素処理水晶粉中の金属不純物の量を表1に示す。また、塩素処理前の天然水晶粉の金属不純物の量も表1に示す。更に、純化率を表2に示す。
Figure 2006021948
Figure 2006021948
本発明によれば、半導体用熱処理部材、半導体用シリコン単結晶引き上げ用坩堝、光学用部材、石英ランプ、炉心材、治工具、洗浄槽材などの原料として使用される高純度石英ガラス粒子およびその原料となる高純度シリカ粒子を従来と比較して、安価に提供することが可能となる。

Claims (10)

  1. アルカリ金属珪酸塩由来のシリカ粒子をハロゲンガス含有雰囲気下で焼成する工程を有することを特徴とする高純度シリカ粒子の製造方法。
  2. 前記ハロゲンガスが塩素ガスである請求項1記載の高純度シリカ粒子の製造方法。
  3. アルカリ金属珪酸塩由来の前記シリカ粒子が乾燥シリカゲルである請求項1または2記載の高純度シリカ粒子の製造方法。
  4. アルカリ金属珪酸塩由来の前記シリカ粒子が含水シリカゲルである請求項1または2記載の高純度シリカ粒子の製造方法。
  5. アルカリ金属珪酸塩由来の前記シリカ粒子のBET法で測定した比表面積が10〜1000m2/gである請求項1〜4のうちいずれか一項記載の高純度シリカ粒子の製造方法。
  6. アルカリ金属珪酸塩由来の前記シリカ粒子の粒子径が1μm〜3000μmである請求項1〜5のうちいずれか一項記載の高純度シリカ粒子の製造方法。
  7. 焼成温度が700〜1250℃である請求項1〜6のうちいずれか一項記載の高純度シリカ粒子の製造方法。
  8. 前記シリカ粒子に酸洗浄処理が施されている請求項1〜7のうちいずれか一項記載の高純度シリカ粒子の製造方法。
  9. 請求項1〜8のうちいずれか一項記載の方法により得られたものであることを特徴とする高純度シリカ粒子。
  10. 請求項9に記載の高純度シリカ粒子を、さらに焼成工程を有する処理に供することを特徴とする高純度石英ガラス粒子の製造方法。
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