JP2006018998A - 磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 パーティクルの無い良好な小径の磁気記録媒体を生産性よく製造する。
【解決手段】 非磁性基板上に、少なくとも、下地層、磁性層、カーボン系保護層が順次設けられた磁気記録媒体の製造方法において、カーボン系保護層の形成工程以降に、少なくとも、水溶性樹脂を含むレーザ保護膜を形成する工程と、レーザビームにより磁気記録媒体を加工する工程を順次含む製造方法とする。水溶性樹脂として、アクリル系重合体、ビニル系重合体、セルロース系誘導体、アルキレングリコール系重合体、尿素系重合体、メラミン系重合体、エポキシ系重合体、アミド系重合体の中から選ばれる何れか1種類以上を用いる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ハードディスク装置などに用いられる磁気記録媒体、磁気記録媒体の製造方法および磁気記録再生装置に関するものである。特に生産性に優れたガラス又はシリコン基板を使用した小径の磁気記録媒体、および、磁気記録媒体の製造方法を提供することである。
磁気記録再生装置の1種であるハ−ドディスク装置(磁気記録再生装置またはHDD)は、近年、記録密度の向上が著しく、現在では量産されているものでも80Gbpsi(ギガビット/平方インチ)まで記録密度が達している。このために、小径のHDDでも高容量化が実現できるようになってきた。例えば、80Gbpsiでは、1インチHDDで6GBの容量を実現することができる。
1インチ程度の小径サイズで高記録容量が実現できるようになると、携帯電話、携帯型音楽プレーヤーあるいはPDAなどの携帯型のアプリケーションに広く応用できる期待される。既に携帯型音楽プレーヤーには1インチHDDが搭載された商品が販売されており一定のマーケットを開拓しつつある。
今後、さらに携帯型のアプリケーションに広く応用されるためには、HDDのさらなるコストダウンが必要である。そのためには、HDDの主要部品である磁気記録媒体の低コストが必要である。
ハ−ドディスク装置に用いられる磁気記録媒体としては、磁気記録媒体用の基板にスパッタリング法により金属膜を積層した構造が主流となっている。磁気記録媒体に用いられる基板としては、アルミニウム基板とガラス基板が広く用いられている。アルミニウム基板とは鏡面研磨したAl−Mg合金の基体上にNi−P系合金膜を無電解メッキで10μm程度の厚さに形成し、その表面を更に鏡面仕上げしたものである。ガラス基板にはアモルファスガラスと結晶化ガラスの2種類がある。どちらのガラス基板も鏡面仕上げしたものが用いられる。
現在一般的に用いられているハ−ドディスク装置用磁気記録媒体においては、非磁性基板上に非磁性下地層(Ni−Al系合金、Cr、Cr系合金等)、非磁性中間層(Co−Cr、Co−Cr−Ta系合金等)、磁性層(Co−Cr−Pt−Ta、Co−Cr−Pt−B系合金等)、保護層(カ−ボン等)が順次成膜されており、その上に液体潤滑剤からなる潤滑膜が形成されている。
一般に、HDDは、ケース内に配設された磁気記録媒体と、磁気記録媒体を支持および駆動するスピンドルモータと、磁気記録媒体に対して情報をリード/ライトを行う磁気ヘッドを含んだヘッドサスペンションアッセンブリーと、を備えている。
ヘッドサスペンションアッセンブリーは、磁気ヘッドが形成されたスライダーと、このスライダーを支持したサスペンションと、このサスペンションを支持したアームと、を有している。ヘッドサスペンションはアッセンブリーは軸受け組み立てによって回転自在に支持され、ボイスコイルモータによってヘッドサスペンションアッセンブリーを回転させることにより、磁気ヘッドは磁気記録媒体上の任意の位置を移動することができる。
このようなHDDにおいて磁気記録媒体は、内周に穴の開いた円盤状の形状をしている。内周において磁気記録媒体はスピンドルモータに固定されており、スピンドルモータにより磁気記録媒体は回転する。磁気記録媒体は回転することにより、磁気ヘッドを浮上させてリード/ライトをすることから、円盤状である必要性がある。
今までの磁気記録媒体では、基板の段階で既に内周に穴の開いた円盤状の形状に加工されており、それ以降の多くの工程をこの形状のまま処理される。一方、半導体は一枚のウェハーで数十から数千のチップを一括して処理をし、最終段階になってチップの切り出しを行っている。これは、半導体のチップは数mm角であること対して、磁気記録媒体の大きさが外径65〜95mmと大きいために、最終段階になって切り出すメリットがないからである。
しかしながら、磁気記録媒体においても基板サイズが小さくなってくると、大きいサイズでプロセス処理の大半を実施し最後になって小径基板サイズに切り出すことのメリットが出てくる。
例えば、磁気記録媒体で最も使用されている外形95mmの基板からは、1インチの磁気記録媒体は5〜6枚切り出すことが可能である。磁気記録媒体用の生産装置はほとんど外径95mmに対応しているので、外形95mmの基板のサイズでプロセス処理を実施すれば、装置を改造することなく生産することが可能になる。また、1枚の外形95mmの基板から5〜6枚切り出すことが可能であるので、1インチの磁気記録媒体の生産性は、5〜6倍に向上することになる。
一般的に、基板の段階で内周に穴の開いた円盤状の形状に加工する方法としては、アルミニウム基板の場合には打ち抜き加工、ガラス基板の場合には切削加工が用いられる。打ち抜き加工の場合、基板にひずみが発生しやすので、ひずみをとるためにラップ加工やBake処理が必要となる。切削加工の場合、切削紛が大量に発生するので切削紛を除去するために十分な洗浄が必要になる。
近年、レーザ発振機の発達はめざましく、波長の短波長化、出力向上、寿命向上など大きな進展をみせている。最近では、数Wの出力の紫外線(波長266nm)レーザ発振機も実用化されている。レーザは短波長になるほどビーム径を絞れるので、精密加工には適している。また、通常のガラスは可視領域には吸収を持たず紫外線にならないと吸収しないので、紫外線レーザにより加工性は大幅に向上する。
例えば、特許文献1には、集積回路の製造において、回路パターン形成後、ポリビニルアルコールを主成分とする水溶液をセラミック基板全面に塗布,乾燥して保護膜とする工程と、レーザービームを照射してレーザースクライブ加工溝加工後に水で保護膜を除去する工程とを含む方法が記載されている。
また特許文献2には、3族窒化物系化合物半導体素子の製造方法において、レーザによって素子を分離する方法が記載されている。
特開平05−211381公報 特開2004−31526公報
しかしながら、今ままで、磁気記録媒体おいて、カーボン系保護層の形成工程以降にパーティクルの無い良好な磁気記録媒体に加工する方法は提案せれてこなかった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものである。本発明は磁気記録媒体の製造工程において、カーボン系保護層の形成工程以降に、少なくとも水溶性樹脂を含むレーザ保護膜を形成する工程と、レーザビームにより磁気記録媒体を加工する工程、および、レーザ保護膜を除去する工程を含むことにより、パーティクルの無い良好な小径の磁気記録媒体を生産性よく製造する方法を提供することである。
本発明者等は上記問題を解決するために、鋭意努力検討した結果、
非磁性基板上に、少なくとも、下地層、磁性層、カーボン系保護層が順次設けられた磁気記録媒体において、カーボン系保護層の形成工程以降に、少なくとも水溶性樹脂を含むレーザ保護膜を形成する工程と、レーザビームにより磁気記録媒体を加工する工程をおよび、レーザ保護膜を除去する工程を順次実施することにり、パーティクルの無い良好な小径の磁気記録媒体を製造できるを見出し本発明を完成した。即ち本発明は以下に関する。
(1)非磁性基板上に、少なくとも、下地層、磁性層、カーボン系保護層が順次設けられた磁気記録媒体の製造方法において、カーボン系保護層の形成工程以降に、少なくとも、水溶性樹脂を含むレーザ保護膜を形成する工程と、レーザビームにより磁気記録媒体を加工する工程を順次含むことを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
(2)レーザ保護膜に含まれる水溶性樹脂が、アクリル系重合体、ビニル系重合体、セルロース系誘導体、アルキレングリコール系重合体、尿素系重合体、メラミン系重合体、エポキシ系重合体、アミド系重合体の中から選ばれる何れか1種類以上を含むことを特徴とする(1)に記載の磁気記録媒体の製造方法。
(3)レーザビームの波長が355nm以下であることを特徴とする(1)または(2)に記載の磁気記録媒体の製造方法。
(4)非磁性基板が、ガラスまたはシリコンであることを特徴とする(1)〜(3)の何れか1項に記載の磁気記録媒体の製造方法。
(5)レーザビームにより加工された、磁気記録媒体の形状が円盤状であり、かつ、その外径が30mm以下であることを特徴とする(1)〜(5)の何れか1項に記載の磁気記録媒体の製造方法。
(6)(1)〜(5)の何れか1項に記載の磁気記録媒体の製造方法を用いて製造した磁気記録媒体。
(7)(6)に記載の磁気記録媒体と、磁気記録媒体に情報を記録再生する磁気ヘッドとを備えた磁気記録再生装置。
本発明により、パーティクルの無い良好な小径の磁気記録媒体を効率よく製造でき、高性能で小型の磁気記録再生装置を提供することが可能となる。
図1は、本発明の磁気記録媒体の一実施形態を模式的に示したものであり、1はガラス基板、2は配向調整膜、3は非磁性下地層、4は磁性層、5はカーボン系保護層、6レーザ保護膜を示す。
ガラス基板1に用いられるガラスとしては、アモルファスガラス、結晶化ガラスがあり、アモルファスガラスとしては、汎用のソーダライムガラス、アルミノほう珪酸ガラス、アルミノシリケートガラスを使用できる。また結晶化ガラスとしては、リチウム系結晶化ガラスを用いることができる。ガラス基板の替わりにシリコン基板を用いることできる。
配向調整膜2は、直上に形成される非磁性下地膜3の結晶配向性を整え、さらにはその上に形成される磁性膜4の結晶配向性を調整し、磁性膜4の円周方向の磁気異方性を向上させるためのものである。また配向調整膜2は、結晶配向性を調整するだけでなく、非磁性下地膜3および磁性膜4中の結晶粒を微細化する結晶粒微細化膜としても機能する。配向調整膜2には、Co−W系合金、Co−Mo系合金、Fe−W系合金、Fe−Mo系合金などを用いることができる。
非磁性下地層3にはCr層、または、CrとTi、Mo、Al、Ta、W、Ni、B、SiおよびVから選ばれる1種もしくは2種類以上とからなるCr合金層を用いることが好ましい。
磁性層4は、Co合金であって、hcp構造である材料とするのが好ましい。例えば、Co−Cr−Ta系、Co−Cr−Pt系、Co−Cr−Pt−Ta系、Co−Cr−Pt−B−Ta系、Co−Cr−Pt−B−Cu系合金から選ばれた何れか1種を含むものとするのが好ましい。
カーボン系保護膜5は、従来の公知の材料、例えば、カ−ボンまたはそれらを主成分とした材料を使用することができる。保護膜の膜厚は1nm〜10nmの範囲内であるのが高記録密度状態で使用した場合の、磁気的スペ−シングの低減または耐久性の点から好ましい。磁気的スペーシングとは、ヘッドのリードライト素子と磁性層との距離を表す。磁気的スペーシングが狭くなるほど電磁変換特性は向上する。なお保護膜はヘッドのリードライト素子と磁性層の間に存在するので、磁気的スペーシングを広げる要因となる。
レーザ保護膜6には、水溶性樹脂であるアクリル系重合体、ビニル系重合体、セルロース系誘導体、アルキレングリコール系重合体、尿素系重合体、メラミン系重合体、エポキシ系重合体、アミド系重合体の中から選ばれる何れか1種類以上を用いることができる。
レーザ加工は熱加工であるので、加工熱により溶けた切削くずが基板上に付着してしまう。基板上に付いた切削くずは溶融固着であるので、その後の洗浄工程において除去することが極めて困難である。これを防ぐために、レーザ保護膜が用いられるが、レーザ保護膜の除去工程がカーボン系保護膜にダメージを与えることは避けなければらない。特にカーボン系保護膜は膜厚が1nm〜10nmと極めて薄いために、その取り扱いには注意を要する。したがって、レーザ保護膜を除去するために、酸系洗剤、アルカリ系洗剤を使用することは、カーボン系保護膜に対するダメージが大きい。
レーザ保護膜に水溶性樹脂を用いることは、レーザ保護膜の除去工程を水中で実施することができるので、カーボン系保護膜に対するダメージは無い。
レーザ保護膜に用いられる水溶性樹脂には、アクリル系重合体、ビニル系重合体、セルロース系誘導体、アルキレングリコール系重合体、尿素系重合体、メラミン系重合体、エポキシ系重合体、アミド系重合体などが好ましく用いられる。
アクリル系重合体としては、例えば、アクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、アクリロイルモルホリン等の単量体を構成成分とする重合体または共重合体が挙げられる。
ビニル系重合体としては、例えば、N−ビニルピロリドン、ビニルイミダゾリジノン、酢酸ビニル等の単量体を構成成分とする重合体または共重合体が挙げられる。
セルロース系誘導体としては、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースヘキサヒドロフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロール、セルロールアセテートヘキサヒドロフタレート、カルボキシメチルセルロース、エチルセルロース、メチルセルロース等が挙げられる。
アルキレングリコール系重合体としては、例えば、エチレングリコール、プロピレンググリコール等の付加重合体または付加共重合体などが挙げられる。
尿素系重合体としては、例えば、メチロール化尿素、ジメチロール化尿素、エチレン尿素等を構成成分とするものが挙げられる。
メラミン系重合体としては、例えば、メトキシメチル化メラミン、メトキシメチル化イソブトキシメチル化メラミン、メトキシエチル化メラミン等を構成成分とするものが挙げられる。
さらに、エポキシ系重合体、ナイロン系重合体などの中で水溶性のものも用いることができる。
これらの水溶性樹脂は単独で用いても、2種類以上混合して用いて良い。これらの水溶性樹脂の濃度は、3〜50質量%、好ましくは、5〜20質量%の濃度の水溶液として用いられる。3質量%以下では、十分な被覆が得られず、50質量%以上では効果の向上が見られない上に、取り扱いが難しくなる。
水溶性樹脂の塗布には、スピンコート、ディッピングなどの一般公知なさまざま手法が適用可能である。ただし、水溶性樹脂の粘性が高いために、スピンコートで実施することが、膜厚の管理から好ましい。
水溶性樹脂の塗布後は、高温にて乾燥しても良い。乾燥することにより、加工形状のばらつきを抑制することができるが、一方、レーザ加工後の、水溶性樹脂の除去が難しくなる。乾燥温度は用いる樹脂によっても異なるが、25〜100℃の範囲が好ましい。
水溶性樹脂には、界面活性剤などの添加剤を用いても良い。界面活性剤を用いることにより、より均一な水溶性樹脂の塗布が可能になる。界面活性剤としては、特に限定されるものでないが、N−アルキルピロリドン系界面活性剤、第4級アンモニウム塩系界面活性剤、およびポリオキシエチレンのリン酸エステル系界面活性剤の中から選ばれる少なくとも1種が好ましく用いられる。
レーザ加工に用いられるレーザ発振機の波長は355nm以下が用いられる。波長が短いほどレーザスポット径を絞れるので、加工幅を短くすることが可能なる。また、ガラスは可視光領域に吸収を持たないために、紫外領域の波長で加工する必要性がある。波長の下限は特に限定されないが、現状では、レーザ発振機の出力、安定性を考慮すると波長266nmを使用することが好ましい。ただし、今後のレーザ発振機の技術進歩に伴い、より短波長で高出力、高安定レーザが生産されれば、そちらを使用することが好ましい。レーザ発振機の波長の下限は150nm程度である。
レーザ出力は、特に限定されるものではないが、加工をするためには1W以上であることが好ましい。
レーザ加工により、円盤状の小径基板に加工される。HDDに用いられるので加工される形状は円盤状が好ましいが、形状については、これに限定されるものではなく、いづれの形状も可能である。HDDとして、円形以外の形状を要望されたとしても対応可能である。
レーザ加工は、基板を貫通するまで加工しても、途中で加工をやめてもどちらでも構わない。途中で加工をやめてた場合、加工断面で基板を割ることにより所定の形状を得ることができる。基板を貫通するまで加工すれば、1工程で加工が終了するが、レーザ加工の時間は掛かる。一方、途中で加工をやめてた場合、基板を割る工程が含まれるので2工程有するが、レーザ加工の時間は短くなる。どちらを用いるかは、基板厚さや加工面積によって決められる。
レーザ加工終了後、水溶性樹脂は水洗前に、面取り加工実施しても良い。面取り加工は砥石によって、基板の内外周に0.05〜0.5mm程度の幅で、20〜50度の角度で加工されることが好ましい。面取り加工によっても発塵が生じるので、面取り加工は水溶性樹脂の水洗前に実施することが好ましい。
レーザ加工終了後、水溶性樹脂は水洗によって除去される。水洗の方法は、浸漬、スピンコートなど一般公知ないづれも手法も加工である。特に水溶性樹脂の除去が困難な場合には、スクラブ洗浄をもちいると効果的である。
水溶性樹脂除去後には、必要に応じ例えばパ−フルオロポリエ−テルのフッ素系潤滑剤からなる潤滑層を設けることができる。
(実施例1)
ガラス基板(外径 95mm、内径 25mm、板厚 0.38mm)を十分に洗浄し乾燥した後、DCマグネトロンスパッタ装置(アネルバ社(日本)製C3010)内にセットした。真空到達度を2×10-7Torr(2.7×10-5Pa)まで排気した後、配向調整膜として、Co−W合金(Co:50at%、W:50at%)からなるタ−ゲットも用いて常温にて10nm積層した。
その後、基板を250℃に加熱した。加熱後、酸素暴露を0.05Paで5秒間実施した。非磁性下地層として、Cr−Ti―B合金(Cr:83at%、Ti:15at%、B:2at%)からなるタ−ゲットを用いて8nm積層した。非磁性中間層としてはCo―Cr合金(Co:65at%、Cr:35at%)からなるタ−ゲットを用いて2nm積層した。磁性層としてCo−Cr−Pt−B合金(Co:60at%、Cr:22at%、Pt:12at%、B:6at%)からなるタ−ゲットを用いて磁性層であるCoCrPtB合金層を20nmの膜厚で形成し、保護膜(カ−ボン)5nmを積層した。成膜時のAr圧は3mTorr(0.4Pa)とした。
成膜後、スパッタ装置から取りだし、ポリアクリル酸ナトリウムを10質量%含んだ水溶液をスピンコートにより塗布した。スピンコートの回転数は500rpmで5秒回転させた後、1500rpmで10秒回転させて均一に塗布した。
塗布後、レーザ加工を実施し、外径25mm、内径7mm、板厚0.38mmの磁気記録媒体を5枚を得た。
レーザ加工には、米国JPSA社製ChromaDice IX−300−266を用いた。本装置には、SpectraPhysics製Hippoレーザ(波長266nm、最大出力5W)をパルスレーザが搭載されている。
レーザ加工は、パルス周波数20kHz、出力4Wで実施した。加工線速度は30mm/secとし貫通加工を実施した。
加工終了後、スピンコート法により、水溶性樹脂を水洗除去した。
その後、パ−フルオロポリエ−テルのフッ素系潤滑剤からなる潤滑層2nmディッピングにより塗布した。
その後グライドテスタ−を用いて、テスト条件のグライド高さを0.4μインチとして、グライドテストを実施した。グライドテストは25枚実施し、その合格率を測定した。これを図2に記す。
合格した磁気記録媒体をリ−ドライトアナライザ−RWA1632(GUZIK社(米国)製)を用いて記録再生特性を調べた。記録再生特性は、再生信号出力(TAA)、孤立波再生出力の半値幅(PW50)、SNR、オ−バライト(OW)などの電磁変換特性を測定した。記録再生特性の評価には、再生部に巨大磁気抵抗(GMR)素子を有する複合型薄膜磁気記録ヘッドを用いた。ノイズの測定は500kFCIのパタ−ン信号を書き込んだ時の、1MHzから375kFCI相当周波数までの積分ノイズを測定した。再生出力を250kFCIで測定し、SNR=20×log(再生出力/1MHzから375kFCI相当周波数までの積分ノイズ)として算出した。保磁力(Hc)および角形比(S*)の測定にはカ−効果式磁気特性測定装置(RO1900、日立電子エンジニアリング社(日本)製)を用いた。なお表中の単位で1Oeは、79A/mである。
(実施例2)
ガラス基板をシリコン基板に替えた以外は、実施例1と同様に実施した。
(比較例1)
ガラス基板(外径 25mm、内径 7mm、板厚 0.38mm)を十分に洗浄し乾燥した後、 DCマグネトロンスパッタ装置(アネルバ社(日本)製C3010)内にセットした。真空到達度を2×10-7Torr(2.7×10-5Pa)まで排気した後、配向調整膜として、Co−W合金(Co:50at%、W:50at%)からなるタ−ゲットも用いて常温にて10nm積層した。
その後、基板を250℃に加熱した。加熱後、酸素暴露を0.05Paで5秒間実施した。非磁性下地層として、Cr−Ti―B合金(Cr:83at%、Ti:15at%、B:2at%)からなるタ−ゲットを用いて8nm積層した。非磁性中間層としてはCo―Cr合金(Co:65at%、Cr:35at%)からなるタ−ゲットを用いて2nm積層した。磁性層としてCo−Cr−Pt−B合金(Co:60at%、Cr:22at%、Pt:12at%、B:6at%)からなるタ−ゲットを用いて磁性層であるCoCrPtB合金層を20nmの膜厚で形成し、保護膜(カ−ボン)5nmを積層した。成膜時のAr圧は3mTorr(0.4Pa)とした。
その後、パ−フルオロポリエ−テルのフッ素系潤滑剤からなる潤滑層2nmディッピングにより塗布した。
試験に付いては、実施例1と同様に実施した。
(比較例2)
ポリアクリル酸ナトリウムを使用しない以外は、実施例1と同様に実施した。
比較例1は、レーザ加工を用いいない通常の磁気記録媒体の作成方法である。図2より、グライド収率は実施例1,2おいて良好であり、比較例1と比べても差が無い。一方、水溶性樹脂であるポリアクリル酸ナトリウムを使用してない比較例2は、レーザ加工によるくずが直接磁気記録媒体表面上に固着してしまい、グライド収率は0となってしまった。
図3に示すように磁気特性におても、実施例1,2は良好であり、比較例1と比べても差が無い。
図4に実施例1の加工面、図5に比較例2の加工面を示す。図から明らかなように、実施例1の加工面はきれいであり、比較例2の加工面は加工くずによって極めて汚染されてしまっている。
本発明の磁気記録媒体の一実施形態を模式的に示した図である。 実施例、比較例のグライド合格率を示す。 実施例、比較例の磁気特性を示す。 実施例1の加工面を示す写真である。 比較例2の加工面を示す写真である。
符号の説明
1 ガラス基板
2 配向調整膜
3 非磁性下地層
4 磁性層
5 カーボン系保護層
6 レーザ保護膜

Claims (7)

  1. 非磁性基板上に、少なくとも、下地層、磁性層、カーボン系保護層が順次設けられた磁気記録媒体の製造方法において、カーボン系保護層の形成工程以降に、少なくとも、水溶性樹脂を含むレーザ保護膜を形成する工程と、レーザビームにより磁気記録媒体を加工する工程を順次含むことを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
  2. レーザ保護膜に含まれる水溶性樹脂が、アクリル系重合体、ビニル系重合体、セルロース系誘導体、アルキレングリコール系重合体、尿素系重合体、メラミン系重合体、エポキシ系重合体、アミド系重合体の中から選ばれる何れか1種類以上を含むことを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  3. レーザビームの波長が355nm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  4. 非磁性基板が、ガラスまたはシリコンであることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  5. レーザビームにより加工された、磁気記録媒体の形状が円盤状であり、かつ、その外径が30mm以下であることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  6. 請求項1〜5の何れか1項に記載の磁気記録媒体の製造方法を用いて製造した磁気記録媒体。
  7. 請求項6に記載の磁気記録媒体と、磁気記録媒体に情報を記録再生する磁気ヘッドとを備えた磁気記録再生装置。
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