JP2006018091A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 記録材又は中間転写体上のトナー保持力を高く保つことでブラーを防ぎ、潜像再現性に優れた画像形成装置を提供する。
【解決手段】 トナー像が形成担持される像担持体1と、この像担持体1に当接して循環搬送せしめられるベルト部材2と、このベルト部材2上若しくはベルト部材2に保持された記録材3上に像担持体1上のトナー像を転写する転写手段4とを備える画像形成装置において、転写手段4は、画像部G1と非画像部G2とで転写電流が可変となる転写電流可変部4aを備える。
【選択図】 図1
【解決手段】 トナー像が形成担持される像担持体1と、この像担持体1に当接して循環搬送せしめられるベルト部材2と、このベルト部材2上若しくはベルト部材2に保持された記録材3上に像担持体1上のトナー像を転写する転写手段4とを備える画像形成装置において、転写手段4は、画像部G1と非画像部G2とで転写電流が可変となる転写電流可変部4aを備える。
【選択図】 図1
Description
本発明は、複写機やプリンタ等の画像形成装置に係り、特に、ベルト状中間転写体若しくは記録材搬送ベルトを用いた画像形成装置の改良に関する。
従来、この種の画像形成装置として、例えば電子写真方式を採用した画像形成装置を例に挙げると、感光体ドラム等の像担持体上に各色成分(例えばY(イエロ)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック))トナー像を形成し、これを誘電体のベルト上に静電保持された記録材に各色順次転写する画像形成装置や、一時的に中間転写体上の同一箇所にて多重転写した後、この多重転写トナー像を記録材に一括転写する、所謂中間転写型の画像形成装置がある。
このような画像形成装置においては、像担持体から記録材又は中間転写体へのトナー像の転写にはクーロン力が用いられ、記録材又は中間転写体の裏面に配置したコロトロン若しくは転写ロール等の転写部材によってトナー電荷とは逆の電界が印加され、転写に必要なクーロン力を得ている。
そして、この転写時の電界によって、誘電体のベルトや中間転写体にはトナー保持力が得られる。仮に、このトナー保持力が不足した場合には、色重ねされたトナー同士の反発力(トナーの帯電電荷自体による相互の反発力)を抑えることができず、トナーの飛び散り(以降、ブラーと称す)が発生し画像乱れとなる。
そして、この転写時の電界によって、誘電体のベルトや中間転写体にはトナー保持力が得られる。仮に、このトナー保持力が不足した場合には、色重ねされたトナー同士の反発力(トナーの帯電電荷自体による相互の反発力)を抑えることができず、トナーの飛び散り(以降、ブラーと称す)が発生し画像乱れとなる。
ブラーが起きると、像がぼけ、特に小さいポイントの文字等は解像度が悪くなり判読できなくなる。
また、このような現象は、トナー同士のクーロン力による反発力によるものだけでなく、転写領域前に漏れる電界(転写電界の漏れ電界)により、記録材又は中間転写体と像担持体とが接触して転写が行われる前に、像担持体側のトナーが記録材又は中間転写体側に不要な飛翔を起こすことによっても発生することが知られている。
また、このような現象は、トナー同士のクーロン力による反発力によるものだけでなく、転写領域前に漏れる電界(転写電界の漏れ電界)により、記録材又は中間転写体と像担持体とが接触して転写が行われる前に、像担持体側のトナーが記録材又は中間転写体側に不要な飛翔を起こすことによっても発生することが知られている。
このような技術的課題を解決するために、トナーの帯電量を小さくしてトナー相互の反発力を小さくしたり、転写領域で記録材や中間転写体を像担持体側に巻き付ける形として転写電界の漏れを防ぐようにした提案がなされている(例えば特許文献1,2参照)。
しかしながら、近年の電子写真画像形成装置等の商業印刷分野への進出にとって、より小さい文字等の再現性を確立することが益々重要となってきている。そのため、上述の特許文献による方式では改善の傾向は見られるものの、その改善効果は十分とはいえない。
すなわち、却ってトナー帯電量を小さくしすぎるとかぶりが大きくなったり、転写時のトナー飛翔力が小さくなり潜像再現性が損なわれることになる。
本発明は、上述したような技術的課題を解決するためのものであり、記録材又は中間転写体上のトナー保持力を高く保つことでブラーを防ぎ、潜像再現性に優れた画像形成装置を提供するものである。
しかしながら、近年の電子写真画像形成装置等の商業印刷分野への進出にとって、より小さい文字等の再現性を確立することが益々重要となってきている。そのため、上述の特許文献による方式では改善の傾向は見られるものの、その改善効果は十分とはいえない。
すなわち、却ってトナー帯電量を小さくしすぎるとかぶりが大きくなったり、転写時のトナー飛翔力が小さくなり潜像再現性が損なわれることになる。
本発明は、上述したような技術的課題を解決するためのものであり、記録材又は中間転写体上のトナー保持力を高く保つことでブラーを防ぎ、潜像再現性に優れた画像形成装置を提供するものである。
すなわち、本発明は、図1に示すように、トナー像が形成担持される像担持体1と、この像担持体1に当接して循環搬送せしめられるベルト部材2と、このベルト部材2上若しくはベルト部材2に保持された記録材3上に像担持体1上のトナー像を転写する転写手段4とを備える画像形成装置において、転写手段4は、画像部G1と非画像部G2とで転写電流Iが可変となる転写電流可変部4aを備えることを特徴とするものである。
このような技術的手段において、本発明は、モノクロ、カラーのいずれをも問わず、中間転写方式及び用紙搬送ベルト方式を採用した画像形成装置を含むものである。また中間転写型画像形成装置においては、複数サイクル方式(4サイクル等)、タンデム方式、2連タンデム方式いずれでもよい。
更に、像担持体1としては、ドラム状、ベルト状いずれであってもよい。
更にまた、ベルト部材2は、中間転写体の態様及び記録材搬送ベルトの態様を含み、ベルト部材2としては、剛性状、弾性状いずれであっても差し支えないが、画像部G1と非画像部G2の転写電流Iを変える観点から層厚を薄くし易い剛性ベルトが好ましい。
更に、像担持体1としては、ドラム状、ベルト状いずれであってもよい。
更にまた、ベルト部材2は、中間転写体の態様及び記録材搬送ベルトの態様を含み、ベルト部材2としては、剛性状、弾性状いずれであっても差し支えないが、画像部G1と非画像部G2の転写電流Iを変える観点から層厚を薄くし易い剛性ベルトが好ましい。
本発明における転写手段4は、画像部G1と非画像部G2とで転写電流Iが可変となる転写電流可変部4aを備えるようにすればよく、また、転写電流可変部4aは少なくとも画像部G1への転写電流Iを非画像部G2への転写電流Iに比べて多く設定可能とする態様が好ましい。このように、画像部G1に非画像部G2より多くの転写電流Iを流すことで、画像部G1と非画像部G2との電位差(画像部非画像部電位差)を小さくでき、画像部G1のトナーが非画像部G2に飛び散ることを抑制し、小さい文字の明瞭度が向上する。
そして、本発明における転写手段4の代表的態様としては、ベルト部材2に接触し且つ転写電流Iを供給可能な接触転写部材を有し、この接触転写部材の表面には転写電流可変部4aとしての感圧導電層を設けた態様が挙げられる。接触転写部材の表面に感圧導電層を付与することで、転写時に圧力が高く変形量が大きい画像部G1に対応する部位の抵抗が、圧力が低く変形量が小さい非画像部G2に対応する部位の抵抗より低くなるように構成され、画像部G1に一層有効な転写電流Iを供給することができ、画像部G1のトナーの飛び散りが抑制される。そのため、小さい文字の明瞭度が向上する。
また、転写手段4の他の代表的態様としては、画素毎にベルト部材2へのイオン照射を制御可能なイオン流記録ヘッドを有し、画像部G1と非画像部G2との間でイオン照射量を可変調整することで転写電流可変部4aを構成するようにすればよい。このことで、イオン流記録ヘッドにより画素毎のイオン照射を可変調整することができ、画像部G1への転写電流Iを非画像部G2より多くすることができる。
また、転写手段4の他の代表的態様としては、画素毎にベルト部材2へのイオン照射を制御可能なイオン流記録ヘッドを有し、画像部G1と非画像部G2との間でイオン照射量を可変調整することで転写電流可変部4aを構成するようにすればよい。このことで、イオン流記録ヘッドにより画素毎のイオン照射を可変調整することができ、画像部G1への転写電流Iを非画像部G2より多くすることができる。
ここで、本発明におけるトナーとして負帯電トナーを使用したときのベルト部材2上への負帯電トナーの転写過程を考えると、次のようになる。
図2(a)(b)は、ベルト部材2へ転写手段4として通常の転写ロール又はコロトロン等の転写器を使用した場合の負帯電トナーTの挙動を示しており、(a)は負帯電トナーTがベルト部材2上に転写された様子、(b)は負帯電トナーTが載った画像部G1と負帯電トナーTが付着していない非画像部G2との表面電位の差(画像部非画像部電位差)を表している。
図2(a)(b)は、ベルト部材2へ転写手段4として通常の転写ロール又はコロトロン等の転写器を使用した場合の負帯電トナーTの挙動を示しており、(a)は負帯電トナーTがベルト部材2上に転写された様子、(b)は負帯電トナーTが載った画像部G1と負帯電トナーTが付着していない非画像部G2との表面電位の差(画像部非画像部電位差)を表している。
この場合、特に、負帯電トナーTの層厚が多重重ねにより厚くなると、転写手段4による転写時に、ベルト部材2中では画像部G1直下への有効的な転写電流Iが流れ難くなり、画像部G1に流れるべき転写電流Iは、勢い画像部G1と非画像部G2との境界に集中して流れるようになり、その結果、画像部非画像部電位差が大きくなる。
この画像部非画像部電位差が大きくなると、画像部G1にある負帯電トナーTは非画像部G2方向への静電引力(負帯電トナーTの場合プラス極側に働く静電引力)を強く受け、また、負帯電トナーT間の斥力も加わって、画像部G1の負帯電トナーTの一部が非画像部G2方向へ飛び散るようになる。
そのため、トナーの飛び散りを防ぐためには、上述の画像部非画像部電位差を小さく抑える必要がある。
本発明においては、画像部G1と非画像部G2とで転写電流Iが可変となる転写電流可変部4aを設けたので、画像部G1と非画像部G2との転写電流Iを可変にでき、画像部非画像部電位差を小さくすることができる。そのため、トナーの飛び散り(ブラー)を防ぐことが可能となる。
この画像部非画像部電位差が大きくなると、画像部G1にある負帯電トナーTは非画像部G2方向への静電引力(負帯電トナーTの場合プラス極側に働く静電引力)を強く受け、また、負帯電トナーT間の斥力も加わって、画像部G1の負帯電トナーTの一部が非画像部G2方向へ飛び散るようになる。
そのため、トナーの飛び散りを防ぐためには、上述の画像部非画像部電位差を小さく抑える必要がある。
本発明においては、画像部G1と非画像部G2とで転写電流Iが可変となる転写電流可変部4aを設けたので、画像部G1と非画像部G2との転写電流Iを可変にでき、画像部非画像部電位差を小さくすることができる。そのため、トナーの飛び散り(ブラー)を防ぐことが可能となる。
また、本発明における画像形成装置のうち、ベルト部材2が中間転写体である態様の画像形成装置においては、上述の転写手段4を次のように用いることも可能である。
すなわち、図1に示すように、中間転写体(ベルト部材2に相当)上に転写されたトナー像が記録材3上に転写される二次転写手段5を有し、この二次転写手段5に対し、更に、画像部G1と非画像部G2とで転写電流Iが可変となる転写電流可変部5aを備えるようにすればよい。二次転写にも画像部G1と非画像部G2とに供給される転写電流Iを可変にすることで、画像部G1のトナーが非画像部G2側に飛び散ることを一層抑制することができ、小さい文字の明瞭度が更に向上する。また、中間転写体上のトナーを有効に記録材3へ吸引できるため、二次転写率も向上する。
そして、このときの二次転写手段5の代表的態様としては、上述の転写手段4同様、接触転写部材の表面に感圧導電層を設ける態様、イオン流記録ヘッドを用いる態様が挙げられる。
尚、本件は、ベルト部材2が中間転写体である態様において、上述の二次転写手段5に転写電流可変部5aを備えない態様をも含むものであり、この場合、上述の転写手段4を備えることで、転写手段4でのブラーを防ぎ、小さい文字の明瞭度が向上することは明らかである。
この場合、二次転写手段5としては、ロール部材、コロトロン等いずれであっても差し支えない。
すなわち、図1に示すように、中間転写体(ベルト部材2に相当)上に転写されたトナー像が記録材3上に転写される二次転写手段5を有し、この二次転写手段5に対し、更に、画像部G1と非画像部G2とで転写電流Iが可変となる転写電流可変部5aを備えるようにすればよい。二次転写にも画像部G1と非画像部G2とに供給される転写電流Iを可変にすることで、画像部G1のトナーが非画像部G2側に飛び散ることを一層抑制することができ、小さい文字の明瞭度が更に向上する。また、中間転写体上のトナーを有効に記録材3へ吸引できるため、二次転写率も向上する。
そして、このときの二次転写手段5の代表的態様としては、上述の転写手段4同様、接触転写部材の表面に感圧導電層を設ける態様、イオン流記録ヘッドを用いる態様が挙げられる。
尚、本件は、ベルト部材2が中間転写体である態様において、上述の二次転写手段5に転写電流可変部5aを備えない態様をも含むものであり、この場合、上述の転写手段4を備えることで、転写手段4でのブラーを防ぎ、小さい文字の明瞭度が向上することは明らかである。
この場合、二次転写手段5としては、ロール部材、コロトロン等いずれであっても差し支えない。
また、本発明においては、ベルト部材2が中間転写体である態様において、上述の二次転写手段5にのみ、転写電流可変部5aを備えることも可能で、この場合、転写時の放電の影響を軽減でき、ブラーを防ぎ、小さい文字の明瞭度が向上する。また、中間転写体上のトナーを有効に記録材3へ吸引できるため、二次転写率も向上する。
そして、この態様としては、トナー像が形成担持される像担持体1と、この像担持体1に当接して循環搬送せしめられ且つ像担持体1上のトナー像を一時的に保持する中間転写ベルトと、この中間転写ベルト上のトナー像を記録材3上に一括転写する一括転写手段(図1の二次転写手段5に相当)とを備えた画像形成装置において、一括転写手段は、画像部G1と非画像部G2とで転写電流が可変となる転写電流可変部(5aに相当)を備えるようにすればよい。
そして、この態様としては、トナー像が形成担持される像担持体1と、この像担持体1に当接して循環搬送せしめられ且つ像担持体1上のトナー像を一時的に保持する中間転写ベルトと、この中間転写ベルト上のトナー像を記録材3上に一括転写する一括転写手段(図1の二次転写手段5に相当)とを備えた画像形成装置において、一括転写手段は、画像部G1と非画像部G2とで転写電流が可変となる転写電流可変部(5aに相当)を備えるようにすればよい。
本発明によれば、ベルト部材上若しくはベルト部材に保持された記録材上に像担持体上のトナー像を転写する転写手段として、トナー像の画像部と非画像部とで転写電流が可変となる転写電流可変部を備えるようにしたので、転写後の画像部と非画像部との電位差を小さくでき、トナーの飛び散り(ブラー)を防ぐことができる。そのため、小さい文字の再現性も向上する。
また、トナーの帯電量を必要以上に小さくする必要がなく、トナーを十分吸引することができ、かぶりを防ぎ、潜像再現性が向上する。
更に、中間転写型の画像形成装置で、記録材上への一括転写部位に転写電流が可変となる転写電流可変部を備えるようにすれば、ブラーを防ぎ、二次転写率も向上させることが可能になる。
また、トナーの帯電量を必要以上に小さくする必要がなく、トナーを十分吸引することができ、かぶりを防ぎ、潜像再現性が向上する。
更に、中間転写型の画像形成装置で、記録材上への一括転写部位に転写電流が可変となる転写電流可変部を備えるようにすれば、ブラーを防ぎ、二次転写率も向上させることが可能になる。
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいてこの発明を詳細に説明する。
◎実施の形態1
図3は、本発明が適用された画像形成装置の実施の形態1を示す。
同図において、画像形成装置は、トナー像を担持する感光体ドラム10と、この感光体ドラム10に対向配置され感光体ドラム10からトナー像が転写される中間転写ベルト20とを備え、4色のカラー画像を得るために中間転写ベルト20上に4回の多重転写を行う所謂4サイクル方式の中間転写型画像形成装置である。
◎実施の形態1
図3は、本発明が適用された画像形成装置の実施の形態1を示す。
同図において、画像形成装置は、トナー像を担持する感光体ドラム10と、この感光体ドラム10に対向配置され感光体ドラム10からトナー像が転写される中間転写ベルト20とを備え、4色のカラー画像を得るために中間転写ベルト20上に4回の多重転写を行う所謂4サイクル方式の中間転写型画像形成装置である。
本実施の形態において、感光体ドラム10は光の照射によって抵抗値が低下する感光層を備えたものであり、この感光体ドラム10の周囲には、感光体ドラム10を帯電する帯電装置11と、帯電された感光体ドラム10上に各色成分(本例ではブラック(K)、イエロ(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C))の静電潜像を書き込む露光装置12と、感光体ドラム10上に形成された各色成分潜像を各色成分トナーにて可視像化するロータリ型現像装置13と、感光体ドラム10上の残留トナーを清掃するクリーニング装置14とが配設されている。
ここで、帯電装置11としては、例えば帯電ロールが用いられるが、コロトロン等の帯電器を用いてもよい。
また、露光装置12は感光体ドラム10上に光によって像を書き込めるものであればよく、本例では、例えばLEDを用いたプリントヘッドが用いられるが、これに限られるものではなく、レーザ光をポリゴンミラーでスキャン露光するレーザスキャナ等適宜選定して差し支えない。
更に、ロータリ型現像装置13は各色成分トナーが収容された現像器13a〜13dを回転可能に搭載したものであり、例えば感光体ドラム10上で露光によって電位が低下した部分に各色成分トナーを付着させるものであれば適宜選定して差し支えなく、使用するトナーも形状、粒径等に特に制限はなく、感光体ドラム10上の静電潜像上に正確に載るものであればよい。尚、本例では、ロータリ型現像装置13が用いられているが、4台の現像器を並設して用いるようにしてもよい。
更にまた、クリーニング装置14については、感光体ドラム10上の残留トナーを清掃するものであれば、ブレードクリーニング方式を採用したもの等適宜選定して差し支えない。但し、転写率の高いトナーを使用する場合にはクリーニング装置14を使用しない態様もあり得る。
また、露光装置12は感光体ドラム10上に光によって像を書き込めるものであればよく、本例では、例えばLEDを用いたプリントヘッドが用いられるが、これに限られるものではなく、レーザ光をポリゴンミラーでスキャン露光するレーザスキャナ等適宜選定して差し支えない。
更に、ロータリ型現像装置13は各色成分トナーが収容された現像器13a〜13dを回転可能に搭載したものであり、例えば感光体ドラム10上で露光によって電位が低下した部分に各色成分トナーを付着させるものであれば適宜選定して差し支えなく、使用するトナーも形状、粒径等に特に制限はなく、感光体ドラム10上の静電潜像上に正確に載るものであればよい。尚、本例では、ロータリ型現像装置13が用いられているが、4台の現像器を並設して用いるようにしてもよい。
更にまた、クリーニング装置14については、感光体ドラム10上の残留トナーを清掃するものであれば、ブレードクリーニング方式を採用したもの等適宜選定して差し支えない。但し、転写率の高いトナーを使用する場合にはクリーニング装置14を使用しない態様もあり得る。
また、中間転写ベルト20は、6個の張架ロール21〜26に架け渡され、例えば張架ロール21を駆動ロールとして循環移動するようになっている。
ここで、中間転写ベルト20は、ポリイミド樹脂やポリカーボネート樹脂等の樹脂材を使用した剛性状ベルトや合成ゴム材を使用した弾性状ベルトを適宜選定して差し支えないが、色重ねのためのトナー像を中間転写ベルト20上に安定して保持し、画像部の凹凸を感知し易くする観点からは、比較的薄い層が形成可能な剛性状ベルトを使用することが好ましい。
ここで、中間転写ベルト20は、ポリイミド樹脂やポリカーボネート樹脂等の樹脂材を使用した剛性状ベルトや合成ゴム材を使用した弾性状ベルトを適宜選定して差し支えないが、色重ねのためのトナー像を中間転写ベルト20上に安定して保持し、画像部の凹凸を感知し易くする観点からは、比較的薄い層が形成可能な剛性状ベルトを使用することが好ましい。
更に、本実施の形態において、中間転写ベルト20の感光体ドラム10に対向する部位には、中間転写ベルト20の裏面側から一次転写手段としての一次転写ロール27が配設され、感光体ドラム10上のトナー像が中間転写ベルト20上に転写されるようになっている。
更にまた、張架ロール26をバックアップロールとする二次転写手段としての二次転写ロール28が、中間転写ベルト20に接離自在に配設され、二次転写時に記録材等のシート30上に中間転写ベルト20上のトナー像を転写するようになっている。
また、張架ロール21に対向する位置には、ベルトクリーナ29が中間転写ベルト20に対し接離自在に配設され、クリーニング時に中間転写ベルト20上の残留トナーを清掃するようになっている。
更にまた、張架ロール26をバックアップロールとする二次転写手段としての二次転写ロール28が、中間転写ベルト20に接離自在に配設され、二次転写時に記録材等のシート30上に中間転写ベルト20上のトナー像を転写するようになっている。
また、張架ロール21に対向する位置には、ベルトクリーナ29が中間転写ベルト20に対し接離自在に配設され、クリーニング時に中間転写ベルト20上の残留トナーを清掃するようになっている。
そして、特に、本実施の形態における一次転写ロール27は、図4に示すような構成となっている。尚、図4は、一次転写ロール27と感光体ドラム10とのニップ域の拡大断面図である。
本実施の形態における一次転写ロール27は、アルミ等の金属よりなる金属ロール27a表面を、シリコーンゴム等の合成ゴム中に導電性フィラーとして導電性カーボン、ニッケル粉等を所望の特性を得るべく均一分散させた感圧導電ゴム層27bで被覆したものが用いられる。
そして、一次転写ロール27と感光体ドラム10とのニップ域では、感光体ドラム10上に形成されたトナー像の画像部G1は、非画像部G2より、そのトナーの厚み分だけ中間転写ベルト20を介して感圧導電ゴム層27bを余分に圧縮変形するため、この画像部G1に対応する部位と非画像部G2に対応する部位とでは、感圧導電ゴム層27bの夫々に対応する部位の抵抗が異なり、画像部G1に対応する部位の抵抗が非画像部G2に対応する部位の抵抗より小さくなる。そのため、画像部G1への転写電流を多くすることができる。
本実施の形態における一次転写ロール27は、アルミ等の金属よりなる金属ロール27a表面を、シリコーンゴム等の合成ゴム中に導電性フィラーとして導電性カーボン、ニッケル粉等を所望の特性を得るべく均一分散させた感圧導電ゴム層27bで被覆したものが用いられる。
そして、一次転写ロール27と感光体ドラム10とのニップ域では、感光体ドラム10上に形成されたトナー像の画像部G1は、非画像部G2より、そのトナーの厚み分だけ中間転写ベルト20を介して感圧導電ゴム層27bを余分に圧縮変形するため、この画像部G1に対応する部位と非画像部G2に対応する部位とでは、感圧導電ゴム層27bの夫々に対応する部位の抵抗が異なり、画像部G1に対応する部位の抵抗が非画像部G2に対応する部位の抵抗より小さくなる。そのため、画像部G1への転写電流を多くすることができる。
本実施の形態における感圧導電ゴム層27bに用いた感圧導電ゴムは、その圧力と抵抗との関係として図5に示すような測定結果を有している。同図では、Φ6mmサイズの面積領域に力F(N)を印加したときの感圧導電ゴムの抵抗が示されている。図中○印は測定ポイントを示しており、実線は平均値、破線はそのバラツキ範囲を示している。尚、本実施の形態では、このように圧力(力)によって抵抗が急変するものが使用される。
したがって、画像部G1のトナー厚によっても感圧導電ゴムの抵抗が変化することを可能にしている。
更に、本実施の形態においては、二次転写ロール28も一次転写ロール27同様、感圧導電ゴム層を用いた構成を採っているため、二次転写時にもシート30を介して画像部G1と非画像部G2との感圧導電ゴム層の圧縮変形量が異なり、画像部G1への転写電流を多くすることができるようになっている。
したがって、画像部G1のトナー厚によっても感圧導電ゴムの抵抗が変化することを可能にしている。
更に、本実施の形態においては、二次転写ロール28も一次転写ロール27同様、感圧導電ゴム層を用いた構成を採っているため、二次転写時にもシート30を介して画像部G1と非画像部G2との感圧導電ゴム層の圧縮変形量が異なり、画像部G1への転写電流を多くすることができるようになっている。
次に、本実施の形態に係る画像形成装置の作動について、図3を中心に説明する。
本実施の形態において、感光体ドラム10上に各色成分トナー像が順次形成され、一次転写ロール27による4回の一次転写を繰り返して中間転写ベルト20上に多重トナー像が転写される。そして、この多重転写されたトナー像は二次転写部位に設置された二次転写ロール28によってシート30上に一括転写される。
本実施の形態において、感光体ドラム10上に各色成分トナー像が順次形成され、一次転写ロール27による4回の一次転写を繰り返して中間転写ベルト20上に多重トナー像が転写される。そして、この多重転写されたトナー像は二次転写部位に設置された二次転写ロール28によってシート30上に一括転写される。
このような一次転写、二次転写過程においては、図4に示すように、一次転写ロール27及び二次転写ロール28表面には感圧導電ゴム層27bが設けられているため、画像部G1と非画像部G2による感圧導電ゴム層27bの圧縮変形量がトナーの厚み分だけ異なる。そこで、この変形により、画像部G1での感圧導電ゴム層27bの抵抗は、非画像部G2での抵抗より小さくなる(当初非画像部G2と同様の抵抗値だったものが、急激に低下する)。その結果、一次転写過程では、転写電流が画像部G1に多く流れるようになり、画像部G1直下の中間転写ベルト20中にトナーと極性の異なる帯電電荷が生じるようになる。
したがって、画像部非画像部電位差を小さくすることが可能になり、転写された画像部G1のトナーが非画像部G2側に静電吸引されることを防ぐことができる。そのため、ブラーの発生を抑えることが可能になる。
尚、二次転写ロール28に感圧導電ゴム層を利用した場合も同様に、中間転写ベルト20上に多重転写されたトナー像が、シート30を介して二次転写ロール28の感圧導電ゴム層に影響し、画像部G1に対応する感圧導電ゴム層の抵抗が小さくなるため、二次転写時の転写電流を大きくすることができ、ブラーを防ぎ、二次転写率も向上する。
したがって、画像部非画像部電位差を小さくすることが可能になり、転写された画像部G1のトナーが非画像部G2側に静電吸引されることを防ぐことができる。そのため、ブラーの発生を抑えることが可能になる。
尚、二次転写ロール28に感圧導電ゴム層を利用した場合も同様に、中間転写ベルト20上に多重転写されたトナー像が、シート30を介して二次転写ロール28の感圧導電ゴム層に影響し、画像部G1に対応する感圧導電ゴム層の抵抗が小さくなるため、二次転写時の転写電流を大きくすることができ、ブラーを防ぎ、二次転写率も向上する。
本実施の形態では、4サイクル方式の画像形成装置に感圧導電ゴム層を適用した例を示したが、これに限らず、例えば、タンデム方式や2連タンデム方式においても転写装置として感圧導電ゴム層を使用することが可能であり、このとき、本実施の形態と同様の効果を奏することは明らかである。
更に、記録材搬送ベルト上に保持された用紙等のシート上に、感光体ドラム等の像担持体から直接トナー像を転写する方式においても、転写装置として感圧導電ゴム層を使用することが可能であり、このときもブラーの発生を抑えることが可能になる。
更にまた、本実施の形態では、一次転写部位及び二次転写部位に感圧導電ゴム層を使用する態様を示したが、少なくとも一次転写部位に感圧導電ゴム層を備えることで、ブラーが少なくなり、高画質な画像形成が可能となる。
更に、記録材搬送ベルト上に保持された用紙等のシート上に、感光体ドラム等の像担持体から直接トナー像を転写する方式においても、転写装置として感圧導電ゴム層を使用することが可能であり、このときもブラーの発生を抑えることが可能になる。
更にまた、本実施の形態では、一次転写部位及び二次転写部位に感圧導電ゴム層を使用する態様を示したが、少なくとも一次転写部位に感圧導電ゴム層を備えることで、ブラーが少なくなり、高画質な画像形成が可能となる。
◎実施の形態2
図6は、本発明が適用された画像形成装置の実施の形態2で用いられる転写装置(一次転写及び二次転写含む)のイオンヘッド40の要部を示すものである。
本実施の形態に係る画像形成装置の基本的構成は、実施の形態1と略同様であるが、図3に示す一次転写ロール27及び二次転写ロール28の代わりに、イオンヘッドを使用した構成を採っている点が実施の形態1と異なる。尚、実施の形態1と同様な構成要素については実施の形態1と同様の符号を付してここではその詳細な説明は省略する。
図6は、本発明が適用された画像形成装置の実施の形態2で用いられる転写装置(一次転写及び二次転写含む)のイオンヘッド40の要部を示すものである。
本実施の形態に係る画像形成装置の基本的構成は、実施の形態1と略同様であるが、図3に示す一次転写ロール27及び二次転写ロール28の代わりに、イオンヘッドを使用した構成を採っている点が実施の形態1と異なる。尚、実施の形態1と同様な構成要素については実施の形態1と同様の符号を付してここではその詳細な説明は省略する。
本実施の形態におけるイオンヘッド40は、図6に示すものが使用され、その基本的構成は、次のようになっている。
イオンを発生するイオン発生器としての放電ワイヤ41と、この放電ワイヤ41で発生したイオンを移送する移送通路を形成する二つの放電チャンバ42a,42bと、この移送通路の流出口43に配設され且つ画像情報に応じた電界を形成して流出口43から流出するイオン流を制御するイオン制御電極45を配列した電極アレイ44とで構成されている。尚、符号46は電極アレイ44が形成される絶縁基板であり、符号47はこの絶縁基板46と放電チャンバ42aとの間に挿入され、前記流出口43の大きさを決める絶縁シートである。
そして、放電ワイヤ41によるイオンが矢印A方向に流される加圧空気によって流出口43から流出されるようになっている。
また、この流出口43が中間転写ベルト20に近接配置され、イオン制御電極45によって制御されたイオン流が選択されたイオン制御電極45の部位のみを通して流出口43に流出するようになっている。
更に、流出口43の背面側には、イオンヘッド40を制御する記録ヘッド制御装置48が接続され、イオン制御電極45等の制御を行うようになっている。
イオンを発生するイオン発生器としての放電ワイヤ41と、この放電ワイヤ41で発生したイオンを移送する移送通路を形成する二つの放電チャンバ42a,42bと、この移送通路の流出口43に配設され且つ画像情報に応じた電界を形成して流出口43から流出するイオン流を制御するイオン制御電極45を配列した電極アレイ44とで構成されている。尚、符号46は電極アレイ44が形成される絶縁基板であり、符号47はこの絶縁基板46と放電チャンバ42aとの間に挿入され、前記流出口43の大きさを決める絶縁シートである。
そして、放電ワイヤ41によるイオンが矢印A方向に流される加圧空気によって流出口43から流出されるようになっている。
また、この流出口43が中間転写ベルト20に近接配置され、イオン制御電極45によって制御されたイオン流が選択されたイオン制御電極45の部位のみを通して流出口43に流出するようになっている。
更に、流出口43の背面側には、イオンヘッド40を制御する記録ヘッド制御装置48が接続され、イオン制御電極45等の制御を行うようになっている。
次に、本実施の形態に係る画像形成装置における一次転写、二次転写過程でのトナーの転写作用について説明する。
本実施の形態では、使用されるトナーは負帯電トナーであり、また、イオンヘッド40は安定したコロナであるプラスコロナを使用しているため、イオンヘッド40の流出口43には、プラスイオンが流出する構成となっている。
このとき、イオンヘッド40のイオン制御電極45のうち、非画像部に相当する電極をON(具体的にはイオン制御電極45の非画像部に相当する電極にマイナスバイアスを印加する)することで、非画像部に相当する電極からのイオン流が流出しないように制御される。それ故、画像部に相当する電極位置のみプラスのイオン流が放出されることとなる。
本実施の形態では、使用されるトナーは負帯電トナーであり、また、イオンヘッド40は安定したコロナであるプラスコロナを使用しているため、イオンヘッド40の流出口43には、プラスイオンが流出する構成となっている。
このとき、イオンヘッド40のイオン制御電極45のうち、非画像部に相当する電極をON(具体的にはイオン制御電極45の非画像部に相当する電極にマイナスバイアスを印加する)することで、非画像部に相当する電極からのイオン流が流出しないように制御される。それ故、画像部に相当する電極位置のみプラスのイオン流が放出されることとなる。
ここで、図7に示すように、例えば一次転写部位における中間転写ベルト20上の表面電位に着目すると、イオンヘッド40によって画像部G1に相当する部分にのみイオン流を流出するようにできるため、画像部G1の表面電位を制御することができ、画像部G1と非画像部G2との表面電位の差(画像部非画像部電位差)を小さくすることができる。そのため、転写されたトナーは画像部G1に留まる方向に静電引力(クーロン力)を受け、飛び散り(ブラー)を抑制される。また、トナー帯電量を小さくしすぎる必要もなく、かぶり等も軽減される。
また、二次転写部位にイオンヘッド40を使用した本実施の形態では、一層ブラーが少ない高画質な画像が形成でき、小さい文字の再現性を更に向上させることができる。
また、二次転写部位にイオンヘッド40を使用した本実施の形態では、一層ブラーが少ない高画質な画像が形成でき、小さい文字の再現性を更に向上させることができる。
また、本実施の形態では、4サイクル方式の画像形成装置にイオンヘッドを適用した例を示したが、これに限らず、例えば、タンデム方式や2連タンデム方式においても転写装置としてイオンヘッドを使用することが可能であり、このとき、本実施の形態と同様の効果を奏することは明らかである。
更に、記録材搬送ベルト上に保持された用紙等のシート上に、感光体ドラム等の像担持体から直接トナー像を転写する方式においても、転写装置としてイオンヘッドを使用することが可能であり、このときもブラーの発生を抑えることが可能になる。
更にまた、本実施の形態では、一次転写部位及び二次転写部位にイオンヘッドを使用する態様を示したが、少なくとも一次転写部位にイオンヘッドを備えることで、ブラーが少なくなり、高画質な画像形成が可能となる。
尚、本実施の形態では、イオンヘッドとして図5に示すものを用いたが、画素毎にイオン照射を可能にするものであれば、いずれの態様のものを用いても差し支えない。
更に、記録材搬送ベルト上に保持された用紙等のシート上に、感光体ドラム等の像担持体から直接トナー像を転写する方式においても、転写装置としてイオンヘッドを使用することが可能であり、このときもブラーの発生を抑えることが可能になる。
更にまた、本実施の形態では、一次転写部位及び二次転写部位にイオンヘッドを使用する態様を示したが、少なくとも一次転写部位にイオンヘッドを備えることで、ブラーが少なくなり、高画質な画像形成が可能となる。
尚、本実施の形態では、イオンヘッドとして図5に示すものを用いたが、画素毎にイオン照射を可能にするものであれば、いずれの態様のものを用いても差し支えない。
◎比較例
本比較例は、本件の有効性を確認するための比較として行ったものであり、図8に示すような構成において、一次転写部位に従来の転写ロールを用いたときのブラーの状況について評価確認したものである。
図8において、感光体ドラム10と転写ロール50とが中間転写ベルト20を挟んで対向配置されている。そして、中間転写ベルト20、感光体ドラム10及び転写ロール50が相互に対向する領域(ニップ域に相当)の転写ロール50軸方向長さをL1とし、中間転写ベルト20上の画像領域53の長さをL2とする。更に、中間転写ベルト20上の表面電位を測定するために、画像部用表面電位計51と非画像部用表面電位計52とが設置されている。
本比較例は、本件の有効性を確認するための比較として行ったものであり、図8に示すような構成において、一次転写部位に従来の転写ロールを用いたときのブラーの状況について評価確認したものである。
図8において、感光体ドラム10と転写ロール50とが中間転写ベルト20を挟んで対向配置されている。そして、中間転写ベルト20、感光体ドラム10及び転写ロール50が相互に対向する領域(ニップ域に相当)の転写ロール50軸方向長さをL1とし、中間転写ベルト20上の画像領域53の長さをL2とする。更に、中間転写ベルト20上の表面電位を測定するために、画像部用表面電位計51と非画像部用表面電位計52とが設置されている。
本比較例における使用トナーは、トナー帯電量が−40μC/gの負帯電トナーとし、4色の重ね合わせを行った後のブラー等について確認した。
図9は、画像部と非画像部との電位差(非画像部−画像部)とブラー(トナー飛散グレード)との関係を確認するために、転写バイアスを変化させて得られた結果を示すもので、画像部と非画像部との電位差が大きくなるとトナー飛散グレードが大きくなった。
このことは、図2(b)に示すように、非画像部の電位が画像部の電位より高くなると、画像部のトナーが非画像部側へ吸引され易くなり、更に電位差が大きくなるほど一層顕著になることによるものと推定される。
尚、このとき、トナー飛散グレードとしては、次のように表し(以降も同様)、グレード2以下であればブラーは実用上問題ない範囲と判断している。
グレード0:飛散なし
グレード1:飛散はあるが、目視確認できない
グレード2:飛散はあるが、実用上問題ない
グレード3:飛散が気になる
グレード4:飛散が非常に気になる
図9は、画像部と非画像部との電位差(非画像部−画像部)とブラー(トナー飛散グレード)との関係を確認するために、転写バイアスを変化させて得られた結果を示すもので、画像部と非画像部との電位差が大きくなるとトナー飛散グレードが大きくなった。
このことは、図2(b)に示すように、非画像部の電位が画像部の電位より高くなると、画像部のトナーが非画像部側へ吸引され易くなり、更に電位差が大きくなるほど一層顕著になることによるものと推定される。
尚、このとき、トナー飛散グレードとしては、次のように表し(以降も同様)、グレード2以下であればブラーは実用上問題ない範囲と判断している。
グレード0:飛散なし
グレード1:飛散はあるが、目視確認できない
グレード2:飛散はあるが、実用上問題ない
グレード3:飛散が気になる
グレード4:飛散が非常に気になる
次に、図8のL1及びL2の長さと、画像部と非画像部の電位差との関係について確認した。ここで、転写ロール軸方向(転写器軸方向)の画像面積率としては、L2/L1×100(%)とした。
図10は、画像面積率と画像部非画像部の電位差との関係で得られた結果を示すもので、画像面積率が大きくなると、電位差が減少することが判明した。
また、このとき、画像面積率とトナー飛散グレードとの関係は、図11に示すようになり、画像面積率80%以上であれば、トナーの飛散は問題にならないレベルであることが判明した。
以上のように、本比較例で得られた図9〜図11の結果から、従来の転写ロールを使用する態様においては、トナー飛散グレード2以下を得るためには、画像面積率80%以上が必要であり、このとき、画像部と非画像部の電位差はおよそ700V以下となる。
ところで、このような条件、すなわち、常に画像面積率を80%以上とする条件は、実際の画像形成では困難なことから、転写ロールを使用した態様においては、満足の得られる画像が形成され難いことが判明した。
図10は、画像面積率と画像部非画像部の電位差との関係で得られた結果を示すもので、画像面積率が大きくなると、電位差が減少することが判明した。
また、このとき、画像面積率とトナー飛散グレードとの関係は、図11に示すようになり、画像面積率80%以上であれば、トナーの飛散は問題にならないレベルであることが判明した。
以上のように、本比較例で得られた図9〜図11の結果から、従来の転写ロールを使用する態様においては、トナー飛散グレード2以下を得るためには、画像面積率80%以上が必要であり、このとき、画像部と非画像部の電位差はおよそ700V以下となる。
ところで、このような条件、すなわち、常に画像面積率を80%以上とする条件は、実際の画像形成では困難なことから、転写ロールを使用した態様においては、満足の得られる画像が形成され難いことが判明した。
◎実施例1
本実施例は、図8の構成において、100μm幅の斜線(線ピッチ1mm)を4色重ね合わせた再現線の評価確認を行ったものであり、転写ロールとして、従来の転写ロール(比較例)と本件に係る感圧導電ゴムを用いた例(実施例)の二態様を示す。
本実施例における各条件は、次のように行い、細線(斜線)再現時のトナー飛散グレードを目視判定した。
トナー粒径:6μm
トナー重量:1.6mg/cm2
トナー高さ:60μm
転写ロール幅:300mm
転写ロール印加荷重:19.6N(約2kgf)
中間転写ベルトの体積抵抗率:1.3×107Ω・cm(300V印加時)
中間転写ベルト厚さ:50μm
Φ6mm相当の初期抵抗:220kΩ
本実施例は、図8の構成において、100μm幅の斜線(線ピッチ1mm)を4色重ね合わせた再現線の評価確認を行ったものであり、転写ロールとして、従来の転写ロール(比較例)と本件に係る感圧導電ゴムを用いた例(実施例)の二態様を示す。
本実施例における各条件は、次のように行い、細線(斜線)再現時のトナー飛散グレードを目視判定した。
トナー粒径:6μm
トナー重量:1.6mg/cm2
トナー高さ:60μm
転写ロール幅:300mm
転写ロール印加荷重:19.6N(約2kgf)
中間転写ベルトの体積抵抗率:1.3×107Ω・cm(300V印加時)
中間転写ベルト厚さ:50μm
Φ6mm相当の初期抵抗:220kΩ
トナー飛散グレードの結果は、図12に示すように、比較例ではトナー飛散グレードが4となったのに対し、実施例ではトナー飛散グレードが0となり、本発明のトナー飛散に対する大幅な改善効果が確認された。
1…像担持体,2…ベルト部材,3…記録材,4…転写手段,4a…転写電流可変部,5…二次転写手段,5a…転写電流可変部,G1…画像部,G2…非画像部,I…転写電流
Claims (6)
- トナー像が形成担持される像担持体と、この像担持体に当接して循環搬送せしめられるベルト部材と、このベルト部材上若しくはベルト部材に保持された記録材上に像担持体上のトナー像を転写する転写手段とを備える画像形成装置において、
転写手段は、画像部と非画像部とで転写電流が可変となる転写電流可変部を備えることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1記載の画像形成装置において、
転写電流可変部は、少なくとも画像部への転写電流を非画像部への転写電流に比べて多く設定可能とすることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1記載の画像形成装置において、
転写手段は、ベルト部材に接触し且つ転写電流を供給可能な接触転写部材を有し、
この接触転写部材の表面には前記転写電流可変部としての感圧導電層を設けたことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1記載の画像形成装置において、
転写手段は、画素毎にベルト部材へのイオン照射を制御可能なイオン流記録ヘッドを有し、
画像部と非画像部との間でイオン照射量を可変調整することで転写電流可変部を構成したことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1記載の画像形成装置のうち、ベルト部材が中間転写体である態様において、
前記中間転写体上に転写されたトナー像が記録材上に転写される二次転写手段を有し、
この二次転写手段に対し、更に、画像部と非画像部とで転写電流が可変となる転写電流可変部を備えることを特徴とする画像形成装置。 - トナー像が形成担持される像担持体と、この像担持体に当接して循環搬送せしめられ且つ像担持体上のトナー像を一時的に保持する中間転写ベルトと、この中間転写ベルト上のトナー像を記録材上に一括転写する一括転写手段とを備えた画像形成装置において、
一括転写手段は、画像部と非画像部とで転写電流が可変となる転写電流可変部を備えることを特徴とする画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004196860A JP2006018091A (ja) | 2004-07-02 | 2004-07-02 | 画像形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2004196860A JP2006018091A (ja) | 2004-07-02 | 2004-07-02 | 画像形成装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2006018091A true JP2006018091A (ja) | 2006-01-19 |
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Family Applications (1)
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JP2004196860A Pending JP2006018091A (ja) | 2004-07-02 | 2004-07-02 | 画像形成装置 |
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-
2004
- 2004-07-02 JP JP2004196860A patent/JP2006018091A/ja active Pending
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