JP2008151976A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】駆動ローラの回転軸を筐体構造側に固定して簡単な機構で当接/離間を可能にした際に、転写されるトナー像の乱れを回避して高品質の画像を出力できる画像形成装置を提供する。
【解決手段】フルカラーモードでは、感光ドラム1Y、1M、1C、1Kから中間転写体5へ、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナー像を順番に一次転写して重ねあわせる。黒単色モードでは、一次転写ローラ6Kよりも上流側の中間転写体5を角度θ傾けて、感光ドラム1Y、1M、1Cから中間転写体5を離間させる。同時に感光ドラム1Kの外周に沿って一次転写ローラ6Kを角度θだけ回動する。さらに、中間転写体5に対する一次転写ローラ6Kの付勢力を変化させて、中間転写体5と感光ドラム1Kとのニップ圧力をフルカラーモードでの値に近付ける。
【選択図】図2

Description

本発明は、循環する中間転写体や記録材搬送体に沿って複数の像担持体を配置したタンデム型画像形成装置、詳しくはモノクロモードで中間転写体等を曲げて像担持体から離間させた際の転写不良を防止する制御に関する。
中間転写体や記録材搬送体の直線区間に現像色を異ならせた複数の像担持体を配列して、フルカラー画像を高速出力するタンデム型画像形成装置が実用化されている。タンデム型画像形成装置では、通常、現像色が上流側からイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の像担持体が配置される。そして、フルカラーモードではすべての像担持体を用いて画像形成するが、モノクロモードでは、最も下流に位置するブラック(K)の像担持体だけを用いて画像形成する。モノクロモードでは、使用されないイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の像担持体は、中間転写体等から離間させて、摩擦従動回転に伴う無駄な表面磨耗や電力消費を回避することが望ましい。
特許文献1には、中間転写体の直線区間に複数の画像形成ステーションを配列したタンデム型画像形成装置が示される。ここでは、イエロー、マゼンタ、シアンの像担持体に昇降機構を設け、モノクロモードでは、昇降機構によって像担持体を移動して中間転写体から離間させる。
特許文献2には、中間転写体の上向き直線区間に上流側からイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの像担持体を配列したタンデム型画像形成装置が示される。モノクロモードでは、ブラックの像担持体の上流側で中間転写体を下方へ傾けて、イエロー、マゼンタ、シアンの像担持体から中間転写体を離間させている。また、ブラックの像担持体の上流側に中間転写体の曲げ起点となる支持ローラが固定されているので、中間転写体を傾けても、ブラックの像担持体と中間転写体との接触位置、角度、接触圧は一定に保たれる。
特許文献3には、記録材搬送体の上向き直線区間に複数の像担持体を配置し、記録材搬送体の内側面が像担持体の間隔に配置した支持ローラによって支持されるタンデム型画像形成装置が示される。ここでは、記録材搬送体を介して像担持体に圧接される転写部材と支持ローラとを一体に下降して、記録材搬送体を像担持体から離間させる。また、ブラックの像担持体の上流側で記録材搬送体が下降するのに伴ってブラックの像担持体の転写部材を下流側へ移動させて、下降の前後でブラックの像担持体と記録材との接触位置を一定に保っている。これにより、記録材が像担持体に密接していない状態で転写領域に入ってしまうことによる転写チリ等の発生を防止している。
特許文献4には、記録材搬送体の上向き直線区間に複数の像担持体を配列したタンデム型画像形成装置が示される。そして、モノクロモードでは、記録材搬送体をブラックの像担持体に当接した状態のまま、転写部材を含む記録材搬送体ユニット全体を傾けている。これにより、モノクロモードでは、転写部材は、記録材搬送体ユニット全体を傾けた角度と等しいだけ、カラーモードの場合よりも下流側へ、ブラックの像担持体を中心にして回動される。
特許文献5には、中間転写体の上向き直線区間に複数の像担持体を配列したタンデム型画像形成装置が示される。ここでは、中間転写体を内側から支持する支持ローラを接地電位に接続した場合に、支持ローラを通過する中間転写体上の細いトナー像が太って解像度を低下させることが報告されている。
特開2003−043770号公報 特開2001−242680号公報 特開2001−209234号公報 特開2000−181184号公報 特開2004−118114号公報
特許文献5に示される画像形成装置で、中間転写体の直線区間に配置されたイエロー、マゼンタ、シアンの像担持体を中間転写体から離間させる場合、特許文献1〜4の構成を採用すると、以下のような問題が発生する。
特許文献1に示される昇降機構を採用すると、感光ドラムを含むイエロー、マゼンタ、シアンの画像形成部全体を昇降させるので機構が大掛かりになる。
特許文献2、3に示される支持ローラを採用すると、後述するように、プロセススピードを高めて中間転写体の循環速度を増すと、接地電位の支持ローラに起因して、中間転写体上のトナー像が乱れて線太りする可能性がある。
特許文献4に示される機構を採用すると、記録材搬送体機構全体をブラックの像担持体の回転軸を中心にして一体に回動させるので、機構が大掛かりになる。また、駆動ローラの駆動系を画像形成装置の筐体に固定できないので、起動、停止、加速、減速に伴って、筐体側に回転軸が固定された像担持体と移動可能な記録材搬送体との間に大きな相対振動が発生する。また、離間に伴って二次転写部が移動することになり、二次転写部に対する記録材の搬送機構も追従して移動させる必要がある。しかし、離間の前後で二次転写部を一定に保つには、離間の前後でベルトの循環経路が大きく変形するので、実用的な画像形成装置を構成できない。
そこで、特許文献5に示される画像形成装置で、最下流のブラックの像担持体と、その下流の駆動ローラと、さらに下流の二次転写部とを筐体側に固定し、従動ローラ側だけを昇降させる機構が提案された。図2に示すように、テンションローラ(従動ローラ)22と一次転写ローラ6Y、6M、6Cとを一体に回動させる機構は、離間に伴ってブラックの感光ドラム1Kから二次転写部T2までの中間転写体5を移動も変形もさせない。
しかし、図2に示す機構では、離間に伴って一次転写ローラ6Kに対する中間転写体5の巻き付き状態が変化して、中間転写体5上に転写されるブラックのトナー像が乱れて線太りすることが確認された。
本発明は、駆動ローラの回転軸を筐体構造側に固定して簡単な機構で当接/離間を可能にする画像形成装置を提供することを目的としている。また、このような画像形成装置において、転写されるトナー像の乱れを回避して高品質の画像を出力させることを目的としている。
本発明の画像形成装置は、従動ローラ部材と駆動ローラ部材との間に直線区間を形成して循環し、前記直線区間の下流側に配置された前記駆動ローラ部材によって駆動されるベルト部材と、前記直線区間に配置されて、第1トナー像を担持する第1像担持体と、転写電圧を印加されて、前記第1像担持体から前記ベルト部材側へ前記第1トナー像を転写させる第1転写部材と、前記直線区間における前記第1像担持体の下流側に配置されて、第2トナー像を担持する第2像担持体と、転写電圧を印加されて、前記第1トナー像が転写された前記ベルト部材側へ前記第2像担持体から第2トナー像を転写させる第2転写部材とを備えたものである。そして、前記第1像担持体と前記第2像担持体と前記駆動ローラ部材とに対して、前記従動ローラ部材と前記第1転写部材とを移動させることにより、前記第2転写部材で前記直線区間を折り曲げて、前記第1像担持体から前記ベルト部材を離間させるベルト部材離間機構を備えている。
本発明の画像形成装置では、第1像担持体、第2像担持体、駆動ローラ等を移動させることなく第1像担持体からベルト部材を離間できる。第2像担持体の上流側で直線区間を第1像担持体から遠ざかる方向へ折り曲げるので、第2像担持体の上流側でベルト部材を支持する支持ローラを設ける必要が無い。ベルト部材離間機構が従動ローラ部材および第1転写部材を移動させることにより、第2像担持体の上流側で直線区間を第1像担持体から遠ざかる方向へ折り曲げて第1像担持体から離間させる。なお、後述するように、ベルト部材には、少なくとも中間転写ベルトと記録材搬送ベルトとが含まれる。
このとき、直線区間が、折れ曲りに伴って第2転写部材に巻き付いて接近するので、ベルト部材離間機構を設けることが望ましい。ベルト部材離間機構は、第2転写部材を下流側へ移動させて巻き付きに伴うベルト部材と第2転写部材との接近を解消するので、離間の前後でベルト部材と第2転写部材との位置関係が近いものとなる。これにより、位置関係の変化に伴う転写不良が防止される。そして、ベルト部材離間機構は、後述するように、直線区間の傾き角度θを越えた角度θにまで第2転写部材を移動させることにより、さらなる転写不良の抑制と転写の安定とを実現する。
以下、本発明の実施形態である画像形成装置について、図面を参照して詳細に説明する。本発明の画像形成装置は、以下に説明する実施形態の構成には限定されない。転写部材の一方側(上流側または下流側)の像担持体をベルト部材から離間させる限りにおいて、各実施形態の構成の一部または全部を、その代替的な構成で置き換えた別の実施形態でも実現可能である。
本実施形態では、中間転写体に沿ってイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナー像を形成する4つの感光ドラムを配置した画像形成装置を説明する。しかし、本発明は、記録材搬送体に沿って感光ドラムを配置した画像形成装置、4つ以上の感光ドラムを配置した画像形成装置等でも実施可能である。
また、本発明は、黒単色モードへの対応には限定されず、中間色トナー、淡色トナー、透明トナー、白色トナー、金色トナーと言った特殊なトナーを用いる感光ドラムを不必要な際に離間させても実施可能である。
本実施形態では、トナー像の形成/一次転写に係る主要部のみを説明するが、本発明は、必要な機器、装備、筐体構造を加えて、プリンタ、各種印刷機、複写機、FAX、複合機等、種々の用途に対応させて実施できる。
なお、特許文献1乃至5に示される画像形成装置の構成、搭載された各電源、装置機器の詳細構造、制御等については、繰り返しの煩雑を回避すべく、図示を省略して詳細な説明も省略する。
<第1実施形態>
<画像形成装置>
図1は第1実施形態の画像形成装置の構成の説明図である。画像形成装置100は、電子写真方式の4色フルカラー複写機であり、図1、図2には、主要部の概略構成が縦断面図で示される。
図1に示すように、画像形成装置100は、それぞれイエロー、マゼンダ、シアン、ブラックのトナー像を形成する4個の画像形成ステーションY、M、C、Kを備えている。画像形成ステーションY、M、C、Kは、それぞれイエロー、マゼンダ、シアン、ブラックのトナー像を表面に形成される感光ドラム1Y、1M、1C、1Kを備えている。画像形成ステーションY、M、C、Kは、現像装置4Y、4M、4C、4Kに充填されたトナーを異ならせてほぼ共通に構成されている。従って、以下では、ブラックの画像形成ステーションK(第2像担持体)について専ら説明を行い、残りの画像形成ステーションY、M、C(第1像担持体)については、符号末尾のKをY、M、Cに読み替えて説明されるものとする。
感光ドラム1Kは、アルミニウム製のシリンダの外周面に、感光層としてOPC(有機光半導体)を塗布して構成される。感光ドラム1Kには、通常使用される有機感光体等を用いることができる。好ましくは、抵抗値が10〜1014Ωcmの表面層を感光体上に持つものや、アモルファスシリコン感光体などを用いると、電荷注入帯電を実現でき、オゾン発生の防止、および消費電力の低減に効果がある。また、帯電性についても向上させることが可能となる。
感光ドラム1Kは、直径30mmのアルミニウム製のドラム基体上に、次の第1〜第5の5層を下から順に設けた負帯電性の有機感光体である。第1層は、下引き層であり、アルミニウム基体の欠陥等を均すために設けられた厚さ20μmの導電層からなる。第2層は、正電荷注入防止層であり、基体から注入された正電荷が感光体表面に帯電された負電荷を打ち消すのを防止する役割を果たす。具体的には、アラミン樹脂とメトキシメチル化ナイロンによって10×10Ωcm程度に抵抗調整した厚さ1μmの中抵抗層からなる。第3層は、露光を受けることによって正負の電荷対を発生する電荷発生層であり、ジアゾ系の顔料を樹脂に分散した厚さ約0.3μmの層からなる。
第4層は、ポリカーボネート樹脂にヒドラゾンを分散したP型半導体の電荷輸送層である。感光ドラム1Y、1M、1C、1Kの表面に帯電された負電荷は第4層を移動できず、第3層の電荷発生層で発生した正電荷は第4層によって表面に輸送される。第5層は、電荷注入層であり、絶縁性樹脂のバインダーにSnO超微粒子を分散した材料の塗工層である。具体的には、絶縁性樹脂に光透過性の絶縁フィラーであるアンチモンをドーピングして低抵抗化(導電化)し、この樹脂に対して粒径0.03μmのSnO粒子を70重量パーセント分散した材料の塗工層である。このように調合した塗工液をディッピング法、スプレー塗工法、ロール塗工法、ビーム塗工法等の適当な塗工法で厚さ約3μmに塗工して、電荷注入層を形成する。
感光ドラム1Kは、その表面が帯電ローラ3Kによって一様に帯電される。帯電ローラ3Kの回転軸である芯金には、不図示の帯電バイアス印加電源から、電気接触子を介して所定の帯電バイアス電圧が印加される。帯電ローラ3Kには、負極性の直流と交流との重畳電圧が印加され、回転する感光ドラム1Kの周面が負極性の所定電位に一様帯電される。
感光ドラム1Kの一様に帯電された表面は、露光装置2Kからレーザ光の照射を受けて、分解色(ブラック)の濃度分布画像に対応する静電潜像が形成される。感光ドラム1K上に形成された静電潜像は、分解色のトナーを収容した現像装置4Kによって、分解色のトナーを静電的に付着され、トナー像として現像される。トナー補給容器8Kは、分解色のトナーを収納して現像装置4Kに補給する。
画像形成ステーションY、M、C、Kの下方には、中間転写体(ベルト部材)5が配設されている。中間転写体5は、厚さ85μmのポリイミド樹脂フィルムを基材とし、カーボンブラックを分散させて、表面抵抗率で1×1012Ω/□、体積抵抗率で1×10Ω・cmとなるように抵抗調整してある。
中間転写体5は、駆動ローラ21と、テンションローラ(従動ローラ)22と、二次転写内ローラ23とに掛け渡して支持され、駆動ローラ21の図中時計回りの回転により、矢印R5方向に駆動されて循環する。中間転写体5の駆動速度(プロセススピード)は200mm/sec、感光ドラム1Y、1M、1C、1Kの駆動速度は200mm/secとした。駆動ローラ21は、接地された金属芯金上に1×10〜1×10Ωの導電ゴム層を有する。
中間転写体5の内側における、感光ドラム1Kに対応する位置には、一次転写ローラ6Kが配設されている。一次転写ローラ6Kは、導電性金属からなる直径8mm円柱型の金属部材の外側を、抵抗値〜5.0×10[Ω/cm]で1.0mmの厚さを有した導電性発泡体で覆って構成される。一次転写ローラ6Kの重量は300gであり、一次転写ローラ6Kの両端部の付勢力可変機構によって鉛直方向上方にで加圧され、中間転写体5の裏面を押圧して中間転写体5の表面を感光ドラム1Kに圧接させる。これにより、感光ドラム1Kと中間転写体5との間に、一次転写部(転写ニップ)T1が形成される。
感光ドラム1K上に形成されたトナー像は、一次転写ローラ6Kに直流電圧の転写バイアスを印加することにより、一次転写部T1にて中間転写体5上に一次転写される。トナー像転写後の感光ドラム1Kは、表面に残ったトナー(転写残トナー)がクリーニング装置7Kによって除去され、次のトナー像の形成に供される。
中間転写体5の外側における二次転写内ローラ23に対応する位置には、二次転写外ローラ24が配設されている。二次転写内ローラ23は、二次転写外ローラ24に中間転写体5を押圧して、二次転写外ローラ24と中間転写体5との間に二次転写部(転写ニップ)T2を形成する。
給紙カセット12(または16)には、紙、透明フィルム等の記録材Pが収納されている。記録材Pは、給紙ローラ13(14)によって1枚ずつ分離して給紙され、搬送ローラによってレジストローラ15に搬送される。記録材Pは、中間転写体5上のトナー像にタイミングを合わせて、レジストローラ15により二次転写部T2に送り込まれる。
制御部30にフルカラーモードの画像形成が指令されると、制御部30は、感光ドラム1Y、1M、1C、1Kでイエロー、マゼンダ、シアン、ブラックのトナー像をそれぞれ形成させる。そして、イエロー、マゼンダ、シアン、ブラックのトナー像を中間転写体5上に順次一次転写して重ね合わせる。4色のトナー像を重ね合わせたフルカラーのトナー像は、中間転写体5の矢印R5方向の循環に伴って二次転写部T2に搬送される。そして、フルカラーのトナー像は、二次転写部T2を通過する過程で一括して記録材Pに二次転写される。フルカラーのトナー像を二次転写された記録材Pは、定着装置9へ搬送され、加熱ローラ9aと加圧ローラ9bとの定着ニップを通過する過程で加熱加圧を受けて表面に4色のトナー像を定着され、4色フルカラー画像が得られる。
<当接離間機構>
図2は第1実施形態の画像形成装置で一次転写部を離間させた状態の説明図、図3は当接離間機構の説明図、図4はフルカラーモードにおける一次転写部の拡大図、図5は黒単色モードにおける一次転写部の拡大図である。
画像形成装置100は、上述したフルカラーモード(当接モード)の他に、感光ドラム1Y、1M、1Cを中間転写体5から離間させる黒単色モード(離間モード)を実行できる。フルカラーモードでは、表面移動する中間転写体5と感光ドラム1Y、1M、1C、1Kとを接触させているため、摩擦や接触圧によって両者が次第に磨耗したり、表面特性が変化したりする。これは、感光ドラム1Y、1M、1C、1K上に形成したトナー像を中間転写体5上に一次転写するためには仕方のないことである。
しかし、黒単色モードの場合、使用しない感光ドラム1Y、1M、1Cを中間転写体5に接触させていると、トナーの介在無しでの接触位置で両者が摩擦劣化して寿命が不必要に短くなる。直接摩擦を緩和するトナーが存在しないため、感光ドラム1Kよりも摩擦劣化が急速に進行する。
摩擦を伴う接触圧による表面特性の変質や磨耗の代表的な要因として、感光ドラム1Y、1M、1Cと中間転写体5との間の搬送速度差の発生が挙げられる。特に、中間転写体を用いたタンデム型画像形成装置の中には、トナー転写効率を高める目的で、感光ドラムと中間転写体との搬送速度を意図的に異なる設定とした例がある。感光ドラムと中間転写体との周速が異なる場合、感光ドラム表層の削れ量がさらに増えて、感光ドラム寿命が著しく短命となる。
そこで、制御部30は、黒単色モードでは画像形成ステーションKのみでトナー像を形成させ、トナー像を形成しないイエロー、マゼンタ、シアンの画像形成ステーションY、M、Cを中間転写体5から離間させる。図2に示すように、黒単色モードが設定されると、制御部30は、一次転写ローラ6Kよりも上流側の中間転写体5を下方へ回動させて、中間転写体5へトナー像を一次転写しない感光ドラム1Y、1M、1Cから離間させる。
図3に示すように、当接離間機構(ベルト部材離間機構))D1は、テンションローラ22、一次転写ローラ6Y、6M、6Cを一体に取り付けたフレームを、破線位置から実線位置まで回動させる機構である。当接離間機構D1は、図4に示す感光ドラム1Kと一次転写ローラ6Kとの圧接状態に影響を及ぼすことなく、図3に示すように、感光ドラム1Y、1M、1Cに対する一次転写ローラ6Y、6M、6Cの圧接を解除する。
このとき、感光ドラム1Kよりも上流側の中間転写体5が一次転写ローラ6Kで下方へ折れ曲がる。図5に示すように、感光ドラム1Kとテンションローラ22とに接する中間転写体5の直線区間と水平線とがなす角度θは、θ=10度となる。そして、図4に示すように、フルカラーモードでは、感光ドラム1Kの中心直下に位置していた一次転写部T1は、図5に示すように、角度θだけ自動的に下流側(一方側の反対側)へ移動される。
図3に示すように、一次転写ローラ6Kは、回動機構D2によって回転軸を感光ドラム1Kの回転軸を中心にして回転可能である。付勢機構B2は、一次転写ローラ6Kを感光ドラム1Kの回転軸に向かって付勢して、中間転写ベルト5と感光ドラム1Kとを圧接させる。
当接離間機構D1と回動機構D2とは機構的に連動しており、実際には、感光ドラム1Y、1M、1Cから中間転写体5が離間する過程で、感光ドラム1Kの表面に沿って一次転写ローラ6Kが下流側へ回動する。また、付勢機構B2は、後述するように、一次転写ローラ6Kが下流側へ回動すると、付勢力を変化させて、離間モードにおける中間転写ベルト5と感光ドラム1Kとの圧接力を当接モードにおける値に近付ける。
<比較例1>
図6は比較例1の一次転写部における黒単色モードの説明図、図7は比較例1の一次転写部における転写不良発生の説明図である。比較例1では、黒単色モードで図5に示すように一次転写部T1を下流側へ移動させない場合の問題を説明する。図6、図7中、各部材の符号は、図1〜図5で説明したものと一致させて重複する説明を省略する。
図5に示すように、中間転写体5を角度θだけ傾けた場合に、一次転写部T1を角度θだけ下流側へ移動させない場合、画像形成ステーションKの感光体ドラム1Kと中間転写体5と一次転写ローラ5Kとの関係は図6のようになる。
図6に示す一次転写部T1にて、感光ドラム1K上に幅300μmの縦ラインを現像し、一次転写ローラ6Kに直流電圧500Vを印加して中間転写体5へ一次転写した。中間転写体5上に一次転写したトナー像を観察すると、感光ドラム1K上で幅300μmのトナー像が、中間転写体5上ではラインの幅が335μmに太り、さらにライン状のトナー像の周辺にトナーが飛散していた。ここで発生していたトナー飛散について簡易的に考察する。
図4に示すように、中間転写体5上の任意の点Aから感光ドラム1K表面までの最短距離をd1、同じく一次転写ローラ6K表面までの最短距離をd2とする。中間転写体5と感光ドラム1Kとの間の静電容量をC1、電位差をV1とし、中間転写体5と一次転写ローラ6Kとの間の静電容量をC2、電位差をV2とする。
図7に示すように、転写バイアス印加電源HKから一次転写ローラ6Kに転写バイアスとして電圧VRが印加されたとき、中間転写体5の点Aに誘起される電位をVITB、真空中の誘電率をε0とする。このとき、以下の関係が成立する。
C1∝ε0/d1
C2∝ε0/d2
VITB=VR−V2
この関係から、距離d2を大きくすると静電容量C2が小さくなって、中間転写体5と一次転写ローラ6Kとの間の電位差V2が大きくなり、中間転写体5の電位VITBが小さくなる。すなわち、点Aにおける感光ドラム1Kと中間転写体5との電位差V1も小さくなり、トナーが転写されない。
一方、距離d2を小さくすると、静電容量C2が大きくなり、中間転写体5と一次転写ローラ6K間の電位差V2が小さくなり、中間転写体5の電位VITBが大きくなる。すなわち、点Aにおける感光ドラム1と中間転写体5との電位差V1が大きくなり、一次転写部T1の手前でトナー像が転写され易くなる。
さらに、図6に示すように、点Aが一次転写ローラ6K上にある場合(d2=0)は、VITB=VRであり、点Aにおける一次転写部T1前での感光ドラム1Kから中間転写体5へのトナーの飛散りがより顕著である。
図7に示すように、このとき、一次転写ローラ6Kより一次転写部T1上流へ転写電界が広がり、感光ドラム1Kへの付着力が小さいトナーがこの広がった電界に引き寄せられてトナー飛散りを引き起こす。特に、一次転写部T1手前でのトナー飛散りによる画像劣化は、文字画像のような細線では顕著である。
そこで、第1実施形態の画像形成装置100では、図5に示すように、感光ドラム1Kの外周面に沿って一次転写ローラ6Kを中間転写体5の循環方向下流側へシフトさせる。感光ドラム1Kの軸中心点をa、一次転写ローラ6Kの軸中心点をbとし、一次転写ローラ6Kの上流側で中間転写体5を傾ける角度をθとする。一次転写ローラ6Kの振り変位量(中心点a、bを結ぶ直線と軸中心点aを通る鉛直線とのなす角度)を角度θで示す。
表1に角度θを複数振って、幅300μmの縦ラインのトナー像を画像形成したときのラインの太さと、そのときのライン状トナー像周辺に飛散った飛散りトナーの程度を示す。
Figure 2008151976
表1中、「飛散りの程度」を表す判断基準として、××は明らかに目視でライン周辺でトナー飛散りが認識できるもの、×は目視でライン周辺の飛散りトナーが認識できるものとした。また、△は目視で辛うじてトナー飛散りが認識でき、光学顕微鏡での観察ではっきりトナー飛散りが認識できるもの、○は目視では全く見られず光学顕微鏡での観察でようやく認識できるレベルのもの、とした。
表1によれば、角度θを大きくして行くに従い縦ラインの太さが所望の値に近づいていった。一次転写部T1手前の中間転写体5と一次転写ローラ6Kとの接触面が縮小され、一次転写部T1手前の中間転写体5表面の電位が下がり、一次転写部T1手前でのトナーの飛散りが抑制されたと考えられる。
一方、角度θを30度以上にした場合、「飛散りの程度」は良好であったが、濃度ムラなどの画像不良が発生し易くなる。これは、図5に示すように、一次転写部T1の下流で感光ドラム1Kと中間転写体5との間で発生する剥離放電に由来すると考えられる。このため、角度θは30度以下である必要がある。
従って、一次転写部T1手前の中間転写体5の表面と水平線との角度が、ちょうど感光ドラム1K外周の接線となる角度をθとしたとき、
θ<θ<θ+20度
を満たす範囲で、濃度ムラを生じることなく、トナー飛散りが抑制された。この実験結果に基いて、第1実施形態ではθ=10度なので、θから5度のマージンを確保してθ=15度と設定した。これにより、飛散りと濃度ムラなどの画像不良を、θ=θとした場合よりも安定して抑制できた。
また、中間転写体5の表面抵抗率を1.0×10〜1.0×1015[Ω/□]のものについても確認すると、1.0×10〜7.5×10[Ω/□]では、ラインの線太りやトナーの飛散りのレベルが角度θの大きさによらず悪かった。これは、中間転写体5の表面抵抗率が低いと電界が広がりやすいため、一次転写部T1上下流でトナー飛散りや剥離放電が頻発するためと考えられる。
表面抵抗率が1.0×1010〜1.0×1014[Ω/□]のものは、
θ<θ<θ+20度
の関係を満たす角度θで、線太りとトナーの飛散りが抑制された。
これらに対し、表面抵抗率が1.0×1014[Ω/□]より大きいものは、表面抵抗率が高いため、一次転写部T1上流でのトナー飛散りによる線太りやトナー飛散りや、一次転写部T1下流で起こる剥離放電に由来すると考えられる濃度ムラ等はほとんど見られない。しかし、高抵抗が故に、中間転写体5がチャージアップしやすく、中間転写体5の帯電メモリーが発生しやすく、系として成り立ちがたい。よって、中間転写体5の表面抵抗率は、1.0×1010〜1.0×1014[Ω/□]であることが望ましい。
<回動機構>
図3に示すように、回動機構(第2転写部材回動機構)D2は、一次転写ローラ6Kを感光ドラム1Kの外周面に沿って中間転写体5の循環方向下流側へシフトさせる。回動機構D2は、感光ドラム1Kと中間転写体5とのニップ圧力を自動的に調整する付勢機構B2を含む。一次転写ローラ6Kで中間転写体5を角度θ曲げると、中間転写体5の張力の角度θに応じた力が一次転写ローラ6Kを押し下げて、感光ドラム1Kと中間転写体5とのニップ圧力を減らしてしまう。そこで、付勢機構B2は、一次転写ローラ6Kを中間転写体5に向かって付勢する押圧部材のバネ長を角度θに連動して圧縮することにより、中間転写体5の張力の角度θに応じた力を相殺する。
図3に示すように、一次転写ローラ6Kは、付勢機構B2によって常に感光ドラム1Kの回転中心に向かって加圧されている。従って、図4に示すように、感光ドラム1K直下に一次転写ローラ6Kが位置する場合、図3に示す付勢機構B2は、付勢力Pから質量mの一次転写ローラ6Kの重量(mg)を100%差し引いた付勢力(P−mg)で中間転写体5を押圧する。しかし、図5に示すように角度θだけ回動されると、一次転写ローラ6Kの重量(mg)の垂直方向の分力(mg×cosθ)だけ差し引いた付勢力(P−mg×cosθ)となる。
従って、上述した中間転写体5の折れ曲りに伴う中間転写体5の張力印加分を単純に加算すると、
(P−mg×cosθ)−(P−mg)=mg(1−cosθ
だけ、フルカラーモード時の一次転写部T1の転写圧力設定を越えてしまう。そして、これにより、一次転写部(T1:図1)に圧力がかかりすぎて、細線の中央部が抜ける現象が見られた。そこで、付勢機構(B2:図3)において、一次転写ローラ6Kの押圧部材として用いているバネのバネ長を制御することで、一次転写部(T1:図1)にかかる圧力を調整し、転写圧力をフルカラーモード時の一次転写部T1の転写圧力設定に引き戻している。
ここで、m=350gであるから、mg・cosθはほぼ2.97[N]となる。ニップ面積が1200[mm]であるので、転写ローラ自重分の軽減される圧力2.48[kPa]を加えて総圧が5.0[kPa]となるように、バネ圧を7.5[kPa]となるようにバネ長が変更される付勢機構(B2:図3)とした。これにより、前述のトナー像の線太りのみならず、単色画像形成モード時に一次転写部(T1:図1)への過剰な圧力による不良画像を防止できる。
<比較例2>
図8は比較例2の画像形成装置の構成の説明図である。比較例2の画像形成装置200は、第1実施形態の画像形成装置100と同様に、中間転写体5の直線区間に画像形成ステーションY、M、C、Kを配列して、黒単色モードとフルカラーモードとを実行する。従って、図8中、図1、図2と共通する構成には共通の符号を付して重複する説明を省略する。
第1実施形態の画像形成装置100は、一次転写ローラ6Kで中間転写体5を折り曲げて上流側の中間転写体5を感光ドラム1Y、1M、1Cから離間させた。しかし、比較例2の画像形成装置200は、図8に示すように、特許文献4の画像形成装置と同様に、中間転写体5の機構全体を傾けて、感光ドラム1Y、1M、1Cから中間転写体5を離間させる。従って、黒単色モードでも、中間転写体5は、一次転写ローラ6Kに対して直線状に接触するので、中間転写体5の張力が一次転写ローラ6Kを押し下げることがない。
しかし、この場合、黒単色モード/フルカラーモードの切り替えに伴って、駆動ローラ21を昇降させる必要がある。従って、駆動ローラ21の駆動モータ、減速機構等を含む図3の当接離間機構D1よりもかなり大きな機構を昇降させる必要がある。駆動ローラ21の回転軸を画像形成装置200の筐体に固定できないので、起動/停止等に伴って筐体側に固定された感光ドラム1Kとの間で相対振動が引き起される。
また、駆動ローラ21の昇降に伴って、中間転写体5の二次転写内ローラ23に対する巻き付き状態が変化するので、黒単色モード/フルカラーモードの両方で二次転写を最適化できない。
<第2実施形態>
図9は第2実施形態の画像形成装置の構成の説明図である。第2実施形態の画像形成装置300は、記録材搬送体25の上向き直線区間に第1実施形態の画像形成装置100と同様な画像形成ステーションY、M、C、Kを配列して、黒単色モードとフルカラーモードとを実行する。従って、図9中、図1、図2と共通する構成には、共通の符号を付して詳細な説明は省略する。
図9に示すように、記録材搬送体25は、駆動ローラ21とテンションローラ22と対向ローラ27とに掛け渡して支持され、駆動ローラ21の図中反時計回りの回転により、矢印R5方向に駆動されて循環する。
給紙カセット12(または16)に収納された記録材Pは、給紙ローラ13(14)によって1枚ずつ分離して給紙され、帯電器26によって帯電されて記録材搬送体25に受け渡される。
感光ドラム1K、1C、1M、1Yには、記録材搬送体25に吸着担持された記録材Pの通過タイミングに合わせて、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローのトナー像が形成される。ブラック、シアン、マゼンタ、イエローのトナー像は、一次転写ローラ6K、6C、6M、6Yを用いて、感光ドラム1K、1C、1M、1Yから記録材Pに順次転写されて重ね合わせられる。このようにしてフルカラーのトナー像を転写された記録材Pは、テンションローラ22で曲率分離して定着装置9へ受け渡され、表面にフルカラーのトナー像が定着される。
第2実施形態の画像形成装置300は、黒単色モードが指令されると、制御部30が、一次転写ローラ6Kで下流側(図9中左側)の記録材搬送体25を傾けて、感光ドラム1Y、1M、1Cから記録材搬送体25を離間させる。そして、記録材搬送体25を傾ける当接離間機構(D1:図3)の動作に連動して、回動機構(D2:図3)が、一次転写ローラ6Kを感光ドラム1Kの外周面に沿って角度θ回動させて記録材搬送体25の循環方向上流側(図9中右側)へシフトさせる。
図3に示すように、回動機構D2(第2転写部材回動機構)は、図9の記録材搬送体25を傾けた際に感光ドラム1Kと記録材搬送体25とのニップ圧力を自動的に調整する付勢機構B2を含む。記録材搬送体25を一次転写ローラ6Kで角度θ曲げるので、付勢機構B2は、第1実施形態と同様に、ベルトの張力に起因して減る分の感光ドラム1Kと中間転写体5とのニップ圧力を追加する。さらに、角度θの傾きによって質量mの一次転写ローラ6Kの自重による力(mg×cosθ)の分が軽減されることを相殺する。このように、押圧部材のバネ長を制御する付勢機構B2を採用したので、トナー像の線太りのみならず、単色画像形成モードにおける転写ニップへの過剰な圧力による不良画像を防止できる。
<比較例3>
今日、カラー複写機、カラープリンタ等の画像形成装置は、フルカラー画像形成が可能なものが主流となり、1ドラム方式のものとタンデム方式のものとが販売されている。タンデム方式の画像形成装置は、個別に現像装置を備えた複数の感光ドラムを有し、各感光ドラム上にそれぞれ単色トナー画像を形成し、それらの単色トナー画像を転写材上に順次転写することによってカラー画像を得る。タンデム方式は、装置が大型化しコスト高となる一方で、画像形成の生産性が高いというメリットがある。タンデム方式の画像形成装置には、直接転写方式と中間転写方式とがある。図9に示す第2実施形態が直接転写方式、図1に示す第1実施形態が中間転写方式である。
直接転写方式では、配列した複数の感光ドラムの記録材搬送上流側に給紙装置を配置し、同下流側に定着装置を配置する必要があるので、記録材搬送方向に大型化するという欠点がある。これに対し、中間転写方式は、給紙装置や定着装置を比較的自由に設定することができ、例えば、給紙装置および定着装置を感光ドラムの下方に配置して、記録材搬送方向での小型化が容易である。
また、直接転写方式では、記録材搬送方向に大型化させないために、定着装置を記録材搬送体に接近して配置する他なく、最も下流に位置する転写ニップから定着装置までの距離に充分な余裕を確保できない。このため、記録材に十分なループを形成して定着ニップへ受け渡すことができず、記録材が定着ニップに進入するときの衝撃が大きくなったり、転写ニップの記録剤が引っ張られて転写ズレを発生したりする可能性がある。この点、中間転写方式では、記録材に十分なループを形成して定着ニップへ受け渡し得るので、定着ニップ、一次転写、画像形成への予期せぬ影響が生じにくい。
図10は比較例3の画像形成装置の構成の説明図である。比較例3の画像形成装置400は、第1実施形態の画像形成装置100と同様に、中間転写体5の上向き直線区間に画像形成ステーションY、M、C、Kを備え、黒単色モードとフルカラーモードとを実行する。従って、図10中、図1、図2と共通する構成には、共通の符号を付して重複する説明を省略する。
図10に示すように、画像形成装置400は、一次転写ローラ6Kと一次転写ローラ6Cとの間に張架ローラ28を設置して中間転写体5を支持している。そして、黒単色モードでは、張架ローラ28よりも上流側の中間転写体5を支持する機構を下方へ回動して、感光ドラム1Y、1M、1Cから中間転写体5を離間させる。従って、黒単色モードでも張架ローラ28がフルカラーモードと同じ位置で中間転写体5を支持して、図4に示すように、一次転写ローラ6Kと中間転写体5との接触位置、接触圧力は一定である。すなわち、黒単色モードでも感光ドラム1Kの一次転写ニップを変えないように、フルカラーモード時の中間転写体5の面を保つように常時中間転写体5に接する張架ローラ28を設置する。張架ローラ28は、導電性の部材であり、接地するかあるいは抵抗部材を介して接地してある。張架ローラ28が接地されなければならないのは、張架ローラ28が絶縁材料の場合は、中間転写体5との間で電荷受け渡しが繰返し行われてチャージアップするためである。
画像形成装置400では、黒単色モードで感光ドラム1Y、1M、1Cから中間転写体5を離間させても、画像形成を行う感光ドラム1Kの一次転写ニップの形状が変わらない。このため、第1実施形態、第2実施形態のように一次転写ローラ6Kの位置を変更する必要が無い。
しかし、張架ローラ28で中間転写体5を支持しているため、特許文献5に示されるように、フルカラーモードで、中間転写体5のトナー像が張架ローラ28を通過する際にトナー像の周辺にトナーが飛散る弊害がある。張架ローラ28がフルカラーモード時も中間転写体5に常に接した状態だと、フルカラーモード時に張架ローラ28部分で急激な中間転写体5内の電界変化が起こり、張架ローラ28を通過するごとに線画の線太りやトナー像の飛散り(ブラー)が悪化する。特に二色以上の色が重ね合わさっているときには、線画の線幅太りやトナーの飛散り(ブラー)がより顕著になる。
従って、中間転写体5と張架ローラ28との静電的な関係を除くために、中間転写体5の循環速度を低下させるか、上流側の感光ドラム1Cの一次転写ニップから張架ローラ28までの距離を長くする必要がある。
感光ドラム1Cの一次転写ニップから張架ローラ28までの距離をL(mm)、一次転写ローラ6Cに印加される一次転写バイアスをVtr(kV)、中間転写体5の移動速度をs(mm/sec)、中間転写体の表面抵抗率をρ(Ω/□)とする。このとき、これらL、Vtr、s、ρの値が、
−2.0≦ln(Vtr)−L/(s×logρ)≦−1.0
であればトナーの飛散りが発生しない。ここで、Vtr=0.4[kV]、s=200(mm/sec)、ρ=1.0×1012[Ω/□]とすると、
200≦L(mm)
の位置に張架ローラ28を設置しなければならない。また、張架ローラ28と一次転写ローラ6Kとを近付け過ぎると、一次転写ローラ6Kに一次転写バイアスを印加した際に張架ローラ28へ電流が流れ込むので、張架ローラ28と一次転写ローラ6Kとの距離も十分に確保する必要がある。このため、画像形成装置400の断面構成が大型化してしまう。
<発明との対応>
画像形成装置100は、テンションローラ22と駆動ローラ21との間に直線区間を形成して循環し、前記直線区間の下流側に配置された駆動ローラ21によって駆動される中間転写体5と、前記直線区間に配置されて、原色トナー像を担持する感光ドラム1Y、1M、1Cと、転写電圧を印加されて、感光ドラム1Y、1M、1Cから中間転写体5側へ原色トナー像を転写させる一次転写ローラ6Y、6M、6Cと、前記直線区間における感光ドラム1Y、1M、1Cの下流側に配置されて、ブラックトナー像を担持する感光ドラム1Kと、転写電圧を印加されて、イエロー、マゼンタ、シアンの各トナー像が転写された中間転写体5側へ感光ドラム1Kからブラックトナー像を転写させる一次転写ローラ6Kとを備える。そして、感光ドラム1Y、1M、1Cと感光ドラム1Kと駆動ローラ21とに対して、テンションローラ22と一次転写ローラ6Y、6M、6Cとを移動させることにより、一次転写ローラ6Kで中間転写体5を折り曲げて、感光ドラム1Y、1M、1Cから、中間転写体5を離間させる当接離間機構D1を備える。
画像形成装置100は、感光ドラム1Kの上流側における前記直線区間の前記離間に伴う折れ曲り角度よりも大きな回動角度だけ、一次転写ローラ6Kを前記離間に伴って感光ドラム1Kに沿った下流側へ移動させる回動機構D2を備える。中間転写体5の表面抵抗率をρとするとき、1.0×1010<ρ<1.0×1014(Ω/□)であって、前記折れ曲り角度をθとし、前記離間に伴う前記一次転写ローラ6Kの回動角度をθとするとき、θ<θ<θ+20(deg)である。
中間転写体5は、テンションローラ22と駆動ローラ21と二次転写内ローラ23とに掛け渡して支持される。感光ドラム1Y、1M、1Cと感光ドラム1Kと駆動ローラ21と二次転写内ローラ部材とが、前記離間に際しても一定の位置関係を保ち続ける。
感光ドラム1Y、1M、1Cは、イエロー、マゼンタ、シアンのトナー像をそれぞれ担持し、感光ドラム1Kは、ブラックのトナー像を担持する。制御部30は、黒単色モードが設定されると、当接離間機構D1を制御して感光ドラム1Y、1M、1Cから中間転写体5を離間させる。
付勢機構B2は、感光ドラム1Kの回転軸に向かって一次転写ローラ6Kを付勢するとともに、前記離間に伴って付勢力を変化させることにより、中間転写体5と感光ドラム1Kとの圧接力を離間前の値に向かって調整する。
第1実施形態の画像形成装置の構成の説明図である。 第1実施形態の画像形成装置で一次転写部を離間させた状態の説明図である。 当接離間機構の説明図である。 フルカラーモードにおける一次転写部の拡大図である。 黒単色モードにおける一次転写部の拡大図である。 比較例1の一次転写部における黒単色モードの説明図である。 比較例1の一次転写部における転写不良発生の説明図である。 比較例2の画像形成装置の構成の説明図である。 第2実施形態の画像形成装置の構成の説明図である。 比較例3の画像形成装置の構成の説明図である。
符号の説明
Y、M、C、K 画像形成ステーション
1Y、1M、1C 第1像担持体(感光ドラム)
1K 第2像担持体(感光ドラム)
3Y、3M、3C、3K 帯電ローラ
4Y、4M、4C、4K 現像装置
6Y、6M、6C 第1転写部材(一次転写ローラ、転写ローラ)
6K 第2転写部材(一次転写ローラ、転写ローラ)
5、25 ベルト部材(中間転写体、記録材搬送体)
21 駆動ローラ
22 従動ローラ(テンションローラ)
23 二次転写内ローラ
24 二次転写外ローラ
P 記録材
28 張架ローラ
30 制御部
B2 付勢機構
D1 ベルト部材離間機構(当接離間機構)
D2 第2転写部材回動機構(回動機構)
T1 一次転写部
T2 二次転写部
100、300 画像形成装置

Claims (5)

  1. 従動ローラ部材と駆動ローラ部材との間に直線区間を形成して循環し、前記直線区間の下流側に配置された前記駆動ローラ部材によって駆動されるベルト部材と、
    前記直線区間に配置されて、第1トナー像を担持する第1像担持体と、
    転写電圧を印加されて、前記第1像担持体から前記ベルト部材側へ前記第1トナー像を転写させる第1転写部材と、
    前記直線区間における前記第1像担持体の下流側に配置されて、第2トナー像を担持する第2像担持体と、
    転写電圧を印加されて、前記第1トナー像が転写された前記ベルト部材側へ前記第2像担持体から第2トナー像を転写させる第2転写部材と、を備えた画像形成装置において、
    前記第1像担持体と前記第2像担持体と前記駆動ローラ部材とに対して、前記従動ローラ部材と前記第1転写部材とを移動させることにより、前記第2転写部材で前記直線区間を折り曲げて、前記第1像担持体から前記ベルト部材を離間させるベルト部材離間機構を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記第2像担持体の上流側における前記直線区間の前記離間に伴う折れ曲り角度よりも大きな回動角度だけ、前記第2転写部材を前記離間に伴って前記第2像担持体に沿った下流側へ移動させる第2転写部材回動機構を備えたことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. 前記ベルト部材は、前記従動ローラ部材と前記駆動ローラ部材と二次転写内ローラ部材とに掛け渡して支持される中間転写体であって、
    前記第1像担持体と前記第2像担持体と前記駆動ローラ部材と前記二次転写内ローラ部材とが、前記離間に際しても一定の位置関係を保ち続けることを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置。
  4. 前記第1像担持体は、イエロー、マゼンタ、シアンのトナー像をそれぞれ担持する3つの感光ドラムであって、
    前記第2像担持体は、ブラックのトナー像を担持する感光ドラムであって、
    黒単色モードが設定されると、前記ベルト部材離間機構を制御して、前記第1像担持体から前記ベルト部材を離間させる制御手段を備えたことを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
  5. 前記第2像担持体の回転軸に向かって前記第2転写部材を付勢するとともに、前記離間に伴って付勢力を変化させることにより、前記ベルト部材と前記第2像担持体との圧接力を離間前の値に向かって調整する付勢機構を備えたことを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項記載の画像形成装置。
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