JP2006016440A - 粒状洗剤組成物 - Google Patents
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Abstract
(B)界面活性剤含有粒子、
(C)酵素含有粒子
を必須成分とする粒状洗剤組成物。
【効果】 本発明によれば、酵素安定性に優れた粒状洗剤組成物を得ることができる。
【選択図】 なし
Description
(A)重炭酸塩を含む水溶性無機化合物核粒子が第1表面処理剤である有機又は無機水溶性高分子化合物で表面処理され、さらにその処理された表面が第2表面処理剤である水難溶性化合物で処理されてなる表面処理水溶性無機化合物粒子、
(B)界面活性剤含有粒子、
(C)酵素含有粒子
を必須成分とする粒状洗剤組成物を提供する。
重炭酸塩
(A)粒子の水溶性無機化合物核粒子は重炭酸塩を必須とする。核粒子に重炭酸塩を用いることにより、酵素の劣化を抑制することができる。好ましい重炭酸塩としては、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム等が挙げられ、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。この中でも、重炭酸ナトリウムが好ましい。なお、市販で入手可能な重炭酸塩には様々なグレードのものがあるが、本発明の利用を限定するものではなく、例えば、製造工程で混入する不純物や品質安定化のための保存安定剤や酸化防止剤を含む水溶性重炭酸塩も本発明の範囲に含まれる。
上記水溶性無機化合物の表面処理に用いる第2表面処理剤である有機水溶性高分子化合物は、40℃において水100gに対しては0.1g以上、好ましくは0.2g以上、より好ましくは2g以上の濃度で水と均一に混和する高分子化合物である。このような有機水溶性高分子化合物であれば特に限定されず、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
一方、無機水溶性高分子化合物は、40℃において水100gに対して0.1g以上、好ましくは0.2g以上、より好ましくは2g以上の濃度で水と均一に混和する化合物である。このような無機水溶性高分子化合物であれば特に限定されず、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。無機水溶性高分子化合物としては、金属アルコキシドの前駆体化合物を含む溶液を加水分解・縮重合反応することによって得られるものが好ましく、特に珪酸塩が好ましい。
詳細には、Siに結合する酸素の架橋酸素数(Si−O−Si)で分類でき、その架橋酸素数が4、3、2、1、0に対応して、それぞれQ4、Q3、Q2、Q1、Q0ユニットに分類される(Y.Tsunawaki,N.Iwamoto,T.Hattori and A.Mitsubishi,J.Non−Cryst.Solids,vol44,p369(1981))。
本発明で用いる水難溶性化合物は、20℃における水への溶解度が2g/100g未満、好ましくは1g/100g未満、より好ましくは0.1g/100g未満の化合物で、水と接する初期段階で撥水作用のあるものが好ましい。また、200℃以下、好ましくは0〜160℃、より好ましくは20〜80℃、さらに好ましくは40〜60℃の融点を有する有機化合物が好適である。水難溶性化合物は1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
アニオン界面活性剤酸前駆体としては、飽和又は不飽和脂肪酸(平均炭素鎖長8〜22)が好ましく、炭素数8〜18の炭素鎖長を有するものがより好ましい。具体的には、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸等の飽和脂肪酸、オレイン酸等の不飽和脂肪酸等が挙げられる。この中でも、保存安定性の点から、炭素数12〜18の飽和脂肪酸が好ましく、製造性を考慮すると、ラウリン酸がより好ましい。
重炭酸塩は、表面処理水溶性無機化合物粒子中0.1〜30質量%用いることが好ましく、より好ましくは、0.1〜20質量%である。重炭酸塩の配合量が0.1質量%未満の場合は、酵素の安定性を向上させることができない場合があり、配合量が30質量%を超えると、洗浄液中のpHを低下させ、洗浄力が低下する場合がある。
本発明の表面処理水溶性無機化合物粒子は、水溶性無機化合物核粒子が有機又は無機水溶性高分子化合物で表面処理され、さらにその処理された表面が水難溶性化合物で処理されてなる。本発明の表面とは、水溶性無機化合物粒子の一次粒子表面又は造粒して1次粒子が2〜30個程度固まってひとつになっている水溶性無機化合物粒子群(2次粒子又は凝集粒子を含む)の全表面のどちらも含むものである。なお、水溶性無機化合物粒子群となっている場合、表面の微小凹部の深さは0.01〜50μmである。
以下、本発明の表面処理水溶性無機化合物粒子の製造方法について詳述する。本発明の表面処理水溶性無機化合物粒子の製造方法は、下記第1工程及び第2工程を含むものである。
第1工程:重炭酸塩を含む水溶性無機化合物核粒子に水溶性高分子化合物水溶液を添加し、水溶性高分子化合物で水溶性無機化合物核粒子を表面処理する工程。
第2工程:第1工程で処理された重炭酸塩を含む水溶性無機化合物核粒子に水難溶性化合物を添加し、前記粒子を表面処理する工程。
第1工程は、重炭酸塩を含む水溶性無機化合物核粒子に水溶性高分子化合物水溶液を添加し、水溶性高分子化合物で水溶性無機化合物核粒子を表面処理する工程である。
重炭酸塩を含む水溶性無機化合物核粒子を、後述する造粒・被覆(コーティング)装置内に充填し、これに水溶性高分子化合物水溶液を添加し、表面処理を行う。
第1工程で処理された重炭酸塩を含む水溶性無機化合物核粒子を、後述する造粒・被覆装置内に充填し、これに水難溶性化合物を添加して表面処理を行う。水難溶性化合物は、溶融させて液体状とし、この液体を、撹拌・流動状態の第1工程で表面処理された重炭酸塩を含む水溶性無機化合物核粒子に滴下する又はスプレー添加する方法が好ましい。
撹拌造粒法では任意の型式の撹拌造粒装置を使用することができる。その中でも、撹拌羽根を備えた撹拌軸を内部の中心に有し、撹拌羽根が回転する際に撹拌羽根と器壁との間にクリアランスを形成する構造の装置であることが好ましい。クリアランスは1〜30mmであるのが好ましく、3〜10mmがより好ましい。クリアランスが1mm未満では付着層により混合機が過動力となりやすい場合がある。30mmを超えると圧密化の効率が低下するため粒度分布がブロードに、また、造粒時間が長くなり生産性が低下する場合がある。この様な構造を有する撹拌造粒機としては、例えばヘンシェルミキサー(三井三池化工機(株)製)、ハイスピードミキサー(深江工業(株)製)、バーチカルグラニュレーター((株)パウレック製)等の装置が挙げられる。特に好ましくは横型の混合槽で円筒の中心に撹拌軸を有し、この軸に撹拌羽根を取付けて粉末の混合を行う形式のミキサーである。このようなミキサーとしては、例えばレーディゲミキサー((株)マツボー製)、プローシェアーミキサー(大平洋機工(株)製)である。
撹拌造粒法における好適な造粒条件を以下に示す。
撹拌造粒法においては、下記式で定義されるフルード数は1〜16であるのが好ましく、2〜9がより好ましい。フルード数が1未満であると、流動化が不充分であるため表面処理が不充分となる場合がある。一方、16を超えると粒子に対するせん断力が強くなり過ぎ表面処理部に壊れが発生する場合がある。
Fr=V2/(R×g)
V:撹拌羽根の先端の周速(m/s)
R:撹拌羽根の回転半径(m)
g:重力加速度(m/s2)
(ii)チョッパー回転数
撹拌造粒法において、使用される撹拌造粒機には、造粒物の圧密化促進及び粗粉解砕促進のために、高速で回転するチョッパーが装備されている。チョッパーの回転速度としては表面処理部の壊れが発生しない程度の回転数が好ましい。チョッパー先端速度(周速)で30m/s以下が好ましく、0〜20m/s以下がより好ましい。
(iii)造粒時間
撹拌造粒法において、回分式の造粒における造粒時間及び連続式の造粒における平均滞留時間は、0.5〜20分が好ましく、3〜10分がより好ましい。造粒時間(平均滞留時間)が0.5分未満であると、時間が短過ぎて好適な平均粒子径及び嵩密度を得るための造粒制御が困難となり、粒度分布がブロードになる場合がある。20分を超えると時間が長過ぎて生産性が低下する場合がある。
(iv)水溶性無機化合物核粒子の充填率
撹拌造粒法において、水溶性無機化合物核粒子の造粒機への充填率(仕込み量)としては、混合機の全内容積の70容積%以下が好ましく、15〜40容積%がより好ましい。充填率(仕込み量)が、70容積%を超えると混合機内での混合効率が低下し、好適に造粒を行うことができない場合がある。
(v)処理剤の添加方法
撹拌造粒法において、水溶性高分子化合物水溶液、水難溶性化合物等の処理剤は、好ましくは撹拌・流動状態の粒子に対して、滴下もしくは噴霧して添加される。静置状態にある粒子に処理剤等を滴下もしくは添加した後、撹拌を開始して造粒・被覆操作も可能である。しかしながら、被覆性を高めるためにも、撹拌・流動状態の粒子に対して滴下もしくは噴霧して添加することが好ましい。
転動造粒法では任意の型式の転動造粒装置を使用することができる。その中でもドラム状の円筒が回転して処理するものが好ましく、特に任意の形状の邪魔板を具備しているものが好ましい。ドラム型造粒機としては、水平円筒型造粒機、日本粉体工業技術協会編、造粒ハンドブック第一版第1刷記載の円錐ドラム型造粒機、多段円錐ドラム型造粒機、撹拌羽根付ドラム型造粒機等が挙げられる。
(i)処理時間
回分式における処理時間、連続式における以下の式で定義される平均滞留時間は、5〜120分が好ましく、より好ましくは10〜90分、さらに好ましくは10〜40分である。前記時間が5分未満であると、高嵩密度にならない場合がある一方、120分を超えると生産性の低下又は粒子が崩壊する場合がある。
Tm=(m/Q)×60
Tm:平均滞留時間(min)
m :容器回転型混合機内の粒子滞留量(kg)
Q :連続運転における能力(kg/hr)
(ii)フルード数(Fr)
下記式で定義されるフルード数は、0.01〜0.8となる条件を選択するのが好ましい。フルード数は、0.05〜0.7がより好ましく、0.1〜0.65がさらに好ましい。フルード数が0.01未満であると、均一でかつ高嵩密度の粒子が得られない場合がある一方、0.8を超えると、ドラム型混合機の場合には、粒子が飛散し、正常な剪断混合が起こらない場合がある。
Fr=V2/(R×g)
V:容器回転型混合機最外周の周速(m/s)
R:容器回転型混合機最外周の回転中心からの半径(m)
g:重力加速度(m/s2)
(iii)容積充填率(X)
下記式で定義される容積充填率が、15〜50容積%となる条件を選択するのが好ましい。容積充填率は、より好ましくは20〜45容積%、さらに好ましくは25〜40容積%である。容積充填率が15容積%未満であると、生産性が悪い場合がある一方、50容積%を超えると良好な剪断混合が生じない場合がある。
容積充填率(X)=(M/ρ)/V×100
M:容器回転型混合機への水溶性無機化合物核粒子の仕込量(g)
ρ:水溶性無機化合物核粒子の嵩密度(g/L)
V:容器回転型混合機の容積(L)
(iv)処理剤の添加方法
転動造粒法において、水溶性高分子水溶液、水難溶性化合物等の処理剤は、転動・流動状態の粒子に対して噴霧して添加される。静置状態にある粒子に処理剤等を滴下もしくは添加した後、撹拌を開始して造粒・被覆操作も可能である。しかしながら、被覆性を高めるためにも、撹拌・流動状態の粒子に対して滴下もしくは噴霧して添加することが好ましい。
流動層造粒法では流動層本体、整流板、送風機、吸気フィルター、エアヒーター及びクーラー、スプレー装置、集塵装置等で構成された任意の型式の流動層造粒装置を使用することができる。例えば、日本粉体技術協会編、造粒ハンドブック第一版第1刷記載の回分式流動層造粒装置(トップスプレー式、サイドスプレー式、ボトムスプレー式等)、噴流流動層造粒装置、噴流動層造粒装置、半連続式流動層造粒装置(分散板反転排出式、下部排出式、側壁排出式等)連続式流動層造粒装置(横型多室型、円筒型等)等が好適に利用できる。具体的装置の利用例としては回分式流動層造粒装置のGlatt−POWREXシリーズ[(株)パウレックス製]、フローコーターシリーズ[(株)大川原製作所製]、連続式流動層造粒装置のMIXGRADシリーズ[(株)大川原製作所製]等が挙げられる。
これら微粉体の粒子径は、表面処理水溶性無機化合物粒子の平均粒子径に対して1/5以下の1次粒子径をもつことが好ましく、より好ましくは1/10以下である。また、微粉体の配合量は表面処理水溶性無機化合物粒子に対して、0.1〜10質量%が好ましく、より好ましくは1〜8質量%である。
界面活性剤含有粒子に用いられる界面活性剤としては、アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤及び両性界面活性剤が挙げられ、これらを1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
(1)炭素数8〜18のアルキル基を有する直鎖又は分岐鎖のアルキルベンゼンスルホン酸塩(LAS)
(2)炭素数10〜20のアルキル硫酸塩(AS)又はアルケニル硫酸塩
(3)炭素数10〜20のα−オレフィンスルホン酸塩(AOS)
(4)炭素数10〜20のアルカンスルホン酸塩
(5)炭素数10〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル基もしくはアルケニル基を有し、平均付加モル数が10モル以下のエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド又はそれらの混合物を付加したアルキルエーテル硫酸塩(AES)又はアルケニルエーテル硫酸塩
(6)炭素数10〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル基もしくはアルケニル基を有し、平均付加モル数が10モル以下のエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド又はそれらの混合物を付加したアルキルエーテルカルボン酸塩又はアルケニルエーテルカルボン酸塩
(7)炭素数10〜20のアルキルグリセリルエーテルスルホン酸等のアルキル多価アルコールエーテル硫酸塩
(8)炭素数10〜20の高級脂肪酸塩
(9)炭素数8〜20の飽和又は不飽和α−スルホ脂肪酸(α−SF)塩又はそのメチル、エチルもしくはプロピルエステル等
(1)炭素数6〜22、好ましくは8〜18の脂肪族アルコールに炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを平均3〜30モル、好ましくは5〜20モル付加したポリオキシアルキレンアルキル(又はアルケニル)エーテル
この中でも、ポリオキシエチレンアルキル(又はアルケニル)エーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキル(又はアルケニル)エーテルが好適である。ここで使用される脂肪族アルコールとしては、第1級アルコール、第2級アルコールが挙げられる。また、そのアルキル基は、分岐鎖を有していてもよい。脂肪族アルコールとしては、第1級アルコールが好ましい。
(2)ポリオキシエチレンアルキル(又はアルケニル)フェニルエーテル
(3)長鎖脂肪酸アルキルエステルのエステル結合間にアルキレンオキサイドが付加した、例えば下記一般式(I)で表される脂肪酸アルキルエステルアルコキシレート
R1CO(OA)nOR2 (I)
(式中、R1COは、炭素数6〜22、好ましくは8〜18の脂肪酸残基を示し、OAは、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等の炭素数2〜4、好ましくは2〜3のアルキレンオキサイドの付加単位を示し、nはアルキレンオキサイドの平均付加モル数を示し、一般に3〜30、好ましくは5〜20の数である。R2は炭素数1〜3の置換基を有してもよい低級(炭素数1〜4)アルキル基を示す。)
(4)ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル
(5)ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル
(6)ポリオキシエチレン脂肪酸エステル
(7)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油
(8)グリセリン脂肪酸エステル
(1)ジ長鎖アルキルジ短鎖アルキル型4級アンモニウム塩
(2)モノ長鎖アルキルトリ短鎖アルキル型4級アンモニウム塩
(3)トリ長鎖アルキルモノ短鎖アルキル型4級アンモニウム塩
(上記長鎖アルキルは炭素数12〜26、好ましくは14〜18のアルキル基、短鎖アルキルは炭素数1〜4、好ましくは1〜2のアルキル基、ベンジル基、炭素数2〜4、好ましくは2〜3のヒドロキシアルキル基、又はポリオキシアルキレン基を示す。)
(B)界面活性剤含有粒子中に配合される洗浄ビルダーとしては、無機及び有機ビルダーが挙げられる。
(1−1)無機ビルダー
無機ビルダーとしては、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、セスキ炭酸ナトリウム、珪酸ナトリウム、結晶性層状珪酸ナトリウム、非結晶性層状珪酸ナトリウム等のアルカリ性塩、硫酸ナトリウム等の中性塩、オルソリン酸塩、ピロリン酸塩、トリポリリン酸塩、メタリン酸塩、ヘキサメタリン酸塩、フィチン酸塩等のリン酸塩、下記一般式(II)
x1(M2O)・Al2O3・y1(SiO2)・w1(H2O) (II)
(式中、Mはナトリウム、カリウム等のアルカリ金属原子、x1、y1及びw1は各成分のモル数を示し、一般的には、x1は0.7〜1.5、y1は0.8〜6の数、w1は任意の正数を示す。)
で表される結晶性アルミノ珪酸塩、下記一般式(III)、(IV)
x2(M2O)・Al2O3・y2(SiO2)・w2(H2O) (III)
(式中、Mはナトリウム、カリウム等のアルカリ金属原子、x2、y2及びw2は各成分のモル数を示し、一般的には、x2は0.7〜1.2、y2は1.6〜2.8、w2は0又は任意の正数を示す。)
x3(M2O)・Al2O3・y3(SiO2)・z3(P2O5)・w3(H2O)
(IV)
(式中、Mはナトリウム、カリウム等のアルカリ金属原子、x3、y3、z3及びw3は各成分のモル数を示し、一般的には、x3は0.2〜1.1、y3は0.2〜4.0、z3は0.001〜0.8、w3は0又は任意の正数を示す。)
で表される無定形アルミノ珪酸塩等が挙げられる。無機ビルダーの中では、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、珪酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、アルミノ珪酸ナトリウムが好ましい。
有機ビルダーとしては、例えばニトリロトリ酢酸塩、エチレンジアミンテトラ酢酸塩、β−アラニンジ酢酸塩、アスパラギン酸ジ酢酸塩、メチルグリシンジ酢酸塩、イミノジコハク酸塩等のアミノカルボン酸塩;セリンジ酢酸塩、ヒドロキシイミノジコハク酸塩、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸塩、ジヒドロキシエチルグリシン塩等のヒドロキシアミノカルボン酸塩;ヒドロキシ酢酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、グルコン酸塩等のヒドロキシカルボン酸塩;ピロメリット酸塩、ベンゾポリカルボン酸塩、シクロペンタンテトラカルボン酸塩等のシクロカルボン酸塩;カルボキシメチルタルトロネート、カルボキシメチルオキシサクシネート、オキシジサクシネート、酒石酸モノ又はジサクシネート等のエーテルカルボン酸塩;イタコン酸、フマル酸、テトラメチレン−1,2−ジカルボン酸、コハク酸、アスパラギン酸等の重合体又は共重合体;デンプン、セルロース、アミロース、ペクチン等の多糖類酸化物やカルボキシメチルセルロース等の多糖類が挙げられる。
(B)界面活性剤含有粒子中に配合される溶解促進剤としては、例えば、炭酸カリウムや、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム等の無機アンモニウム塩、p−トルエンスルホン酸ナトリウム、キシレンスルホン酸ナトリウム、キュメンスルホン酸ナトリウム等の炭素数1〜5の短鎖アルキルを有するベンゼンスルホン酸塩、安息香酸ナトリウム、ベンゼンスルホン酸ナトリウム、塩化ナトリウム、クエン酸、D−グルコース、尿素、蔗糖等の水溶性物質が挙げられる。このうち、炭酸カリウム、塩化ナトリウムが好ましく、溶解性向上効果とコストのバランスから、特に炭酸カリウムが好ましい。
(B)界面活性剤含有粒子中に配合される膨潤性水不溶性物質としては、粉末セルロース、結晶性セルロース、ベントナイト等が挙げられる。
(4)蛍光剤:ビス(トリアジニルアミノスチルベン)ジスルホン酸誘導体(チノパールAMS−GX)、ビス(スルホスチリル)ビフェニル塩[チノパールCBS−X]等
(5)帯電防止剤:ジアルキル型4級アンモニウム塩等のカチオン界面活性剤等
(6)再汚染防止剤:カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体等
(7)増量剤:硫酸ナトリウム、硫酸カリウム等
(8)還元剤:亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム等
(9)香料
(10)色素
漂白活性化触媒は、銅、鉄、マンガン、ニッケル、コバルト、クロム、バナジウム、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、レニウム、タングステン、モリブデン等の遷移金属原子と配位子とが、窒素原子や酸素原子等を介して錯体を形成するものであって、含まれる遷移金属としては、コバルト、マンガン等が好ましく、特にマンガンが好ましい。
(A)粒子の水溶性無機化合物が、重炭酸塩と炭酸ナトリウム又は炭酸カリウムであり、水溶性高分子化合物がビニル系高分子化合物、多糖類又はその誘導体及びポリエステル系高分子化合物から選ばれる1種又は2種以上であり、(A)粒子中の水難溶性化合物の配合量が10質量%未満であり、かつ(B)界面活性剤含有粒子中の界面活性剤配合量が10〜50質量%である。
酵素含有粒子中の酵素は、現在、粒状の衣料用洗剤に用いられている市販の酵素粒子をそのまま使用することができる。酵素(本来的に酵素作用を洗浄工程中になす酵素である)としては、酵素の反応性から分類すると、ハイドロラーゼ類、オキシドレダクターゼ類、リアーゼ類、トランスフェラーゼ類及びイソメラーゼ類等を挙げることができるが、本発明にはいずれも適用できる。特に好ましいのは、プロテアーゼ、エステラーゼ、リパーゼ、ヌクレアーゼ、セルラーゼ、アミラーゼ及びペクチナーゼ等である。プロテアーゼの具体例としては、ペプシン、トリプシン、キモトリプシン、コラーゲナーゼ、ケラチナーゼ、エラスターゼ、スプチリシン、BPN、パパイン、プロメリン、カルボキシペプチターゼA及びB、アミノペプチターゼ、アスパーギロペプチターゼA及びB等である。市販品として、サビナーゼ、アルカラーゼ、エバラーゼ、カンナーゼ(ノボザイムズ社製)、API21(昭和電工(株)製)、マクサカル、マクサぺム(ジェネンコア社製)、KAP(花王(株)製)、特開平5−25492号公報記載のプロテアーゼK−14、K−16等を挙げることができる。エステラーゼの具体例としては、ガストリックリパーゼ、バンクレアチックリパーゼ、植物リパーゼ類、ホスホリパーゼ類、コリンエステラーゼ類及びホスホターゼ類等を挙げることができる。リパーゼの具体例としては、リポラーゼ、リポラーゼウルトラ、ライペックス(ノボザイムズ社製)、リポサム(昭和電工(株)製)等の市販のリパーゼを挙げることができる。また、セルラーゼとしては市販品のセルザイム(ノボザイムズ社製)、KAC500(花王(株)製)、特開昭63−264699号公報の請求項4記載のセルラーゼ等を挙げることができ、アミラーゼとしては市販のターマミル、デュラミル、ステインザイム(ノボザイムズ社製)等を挙げることができる。酵素としては、これらを1種又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。なお、酵素は別途安定な粒子として造粒したものを、洗剤生地(粒子)にドライブレンドした状態で使用すると好適であり、酵素含有粒子の造粒方法としては、特開昭53−6484号公報、特開昭60−262900号公報、特開昭62−257990号公報、特開平1−112983号公報、特表平3−503775号公報、特表平4−503369号公報、特開2000−178593号公報記載の方法等が挙げられる。
表面処理水溶性無機化合物粒子の製造方法(撹拌造粒法)
第1工程
下記表1に示す組成成分のうち、重炭酸塩及び水溶性無機化合物を鋤刃状ショベルを具備し、ショベル−壁面間クリアランスが5mmのプローシェアーミキサー(大平洋機工(株)に投入し(充填率30容積%)、主軸150rpmで撹拌を開始した(チョッパー回転数:1015rpm、ブレード先端速度(周速):6.9m/s)。撹拌開始後10秒後に水溶性高分子化合物水溶液(濃度は後記の原料欄に記載、以下同じ)を噴霧角115度の加圧ノズル(フラットノズル)で180秒噴霧添加し、造粒・被覆操作を行った。また、第1工程で調製された粒子全量に対する水分量が10質量%を超えていた場合には、上記装置に熱風を導入して乾燥し、水分量を10質量%以下に調整した。
引き続きプローシェアーミキサーの撹拌を継続しつつ、表1に示した水難溶性化合物を噴霧角60度の加圧ノズル(フルコーンノズル)で180秒噴霧添加し、被覆操作を行った。30秒間撹拌を続け粒子を得た。
次いで、得られた粒子を、流動層(Glatt−POWREX、型番FD−WRT−20、(株)パウレックス製)に充填し、充填後15℃の風(空気)を流動層内に送り、粒子の冷却操作を行い、20℃まで冷却された粒子を得た。流動層内風速は流動化状態を確認しながら0.2〜10.0m/sの範囲で調整した。得られた粒子を目開き2,000μmの篩を用いて分級し、目開き2,000μmの篩を通過する表面処理水溶性無機化合物粒子を得た。
下記製造方法により、粒状洗剤粒子b1,b2を得た。
下記表2に示す組成に従って、以下の手順で界面活性剤含有粒子b1を調製した。まず、撹拌装置を具備したジャケット付き混合槽に水を入れ、温度を60℃に調整した。これにα−SF−Naとノニオン界面活性剤を除く界面活性剤、及びPEG#6000を添加し、10分間撹拌した。続いてMA1(アクリル酸/マレイン酸コポリマーナトリウム塩)と蛍光剤とを添加した。さらに10分間撹拌した後、粉末A型ゼオライトの一部(2.0%相当量(対各粒子、以下同じ)の捏和時添加用、3.2%相当量の粉砕助剤用、1.5%相当量の表面被覆用の各A型ゼオライトを除く)、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム及び亜硫酸ナトリウムを添加した。さらに20分間撹拌して水分38%の噴霧乾燥用スラリーを調製した後、向流式噴霧乾燥塔を用いて熱風温度280℃の条件で噴霧乾燥し、平均粒子径320μm、嵩密度0.30g/cm3、水分5%の噴霧乾燥粒子を得た。
水平円筒型転動混合機(円筒直径585mm、円筒長さ490mm、容器131.7Lのドラム内部壁面に内部壁面とのクリアランス20mm、高さ45mmの邪魔板を2枚有するもの)で、充填率30容積%、回転数22rpm、25℃の条件で、表1に記載の(A)表面処理水溶性無機化合物粒子、表2に記載の(B)界面活性剤含有粒子、(C)酵素含有粒子及びその他の成分を5分間混合し、表3記載の組成の粒状洗剤組成物を得た。得られた粒状洗剤組成物について、下記方法で酵素安定性を評価した。結果を表3に併記する。
酵素含有粒子B:プロテアーゼ/リパーゼ/アミラーゼの混合物(エバラーゼ8T(ノボザイムズ製)/LIPEX50T(ノボザイムズ製)/ターマミル60T(ノボザイムズ製)=5/3/2(質量比)の混合物)
(1)平均粒子径の測定
各サンプル及びその混合物について、目開き1,680μm、1,410μm、1,190μm、1,000μm、710μm、500μm、350μm、250μm、149μm、の9段の篩と受け皿を用いて分級操作を行った。分級操作は、受け皿に目開きの小さな篩から目開きの大きな篩の順に積み重ね、最上部の1,680μmの篩の上から100g/回のベースサンプルを入れ、蓋をしてロータップ型篩い振盪機((株)飯田製作所製、タッピング:156回/分、ローリング:290回/分)に取り付け、10分間振動させた後、それぞれの篩及び受け皿上に残留したサンプルを篩目ごとに回収して、サンプルの質量を測定した。受け皿と各篩との質量頻度を積算していくと、積算の質量頻度が、50%以上となる最初の篩の目開きをaμmとし、aμmよりも一段大きい篩の目開きをbμmとし、受け皿からaμmの篩までの質量頻度の積算をc%、またaμmの篩上の質量頻度をd%として、次式により平均粒子径(重量50%)を求めた。
嵩密度はJIS K3362−1998に準じて測定した。
外側からコートボール紙(坪量:350g/m2)、ワックスサンド紙(坪量:30g/m2)、クラフトパルプ紙(坪量:70g/m2)の3層からなる紙容器(透湿度25g/m2・24時間(40℃、90%RH))を用いて、長さ15cm×巾9.3cm×高さ18.5cmの箱を作製した。この箱に粒状洗剤組成物1.2kgを入れ、25℃(65%RH、8時間)、45℃(85%RH、16時間)のリサイクル恒温恒湿室中に30日間保存して、酵素安定性評価用サンプルを得たのち、以下の方法でプロテアーゼ、リパーゼ及びアミラーゼの残存活性を洗浄力から測定し酵素安定性を評価した。
(i)プロテアーゼ洗浄力評価布の調製
血液汚れ汚染布EMPA社(スイス)の洗浄力評価用試験布No.117(血液/ミルク/カーボンブラツク、綿布)を5×5cmに裁断して評価布を得た。
(ii)リパーゼ洗浄力評価布の調製
a.口紅汚れ汚染布
市販の口紅(資生堂、フフクリアルージュR42)を10cm×10cmの綿布(綿100%、100番)に、直径約3cmの円内に指を使って均一に付着させ口紅汚れ汚染布を得た。このとき布に付着させた口紅量は0.01gとした。
b.ファンデーション汚れ汚染布
市販のファンデーション(資生堂、UVホワイトクリスタライジングパクトオークル10)をコンパクトパフに付着させ、15cm×15cmの綿布(綿100%、100番)に直径6cmの円になるように均一に擦り付け、その後ブラッシングして過剰に付着した汚れを脱落させ、ファンデーション汚れ汚染布を得た。
(iii)アミラーゼ洗浄力評価布の調製
食品汚れ汚染布バンホーテンココア(片岡物産発売)を牛乳に分散・溶解させた液に、綿布を浸漬し乾燥した後、ブラッシングして過剰に付着した汚れを脱落させる。この布を5×5cmに裁断して評価布を得た。
洗浄方法:U.S.Testing社のTerg−O−Tometerを使用した。これに評価布10枚とメリヤス布を入れて浴比を30倍に合わせ、120rpm、25℃で12分間洗浄した。なお、酵素を複数種配合した際は、それぞれの酵素に対応した評価布をそれぞれ10枚づつ使用した。洗浄液は洗浄剤濃度0.05%のもの900mLを用い、すすぎは900mLの水で3分間行った。使用水は3°DHのものを用いた。汚染布(洗浄前の評価布)、洗浄布(洗浄後の評価布)、標準白布(綿布20番を表2に記載の界面活性剤含有粒子b1で洗浄したもの)について、日本電色製の色彩計Σ−9000を用いて測定される反射率を測定し、下記数式1で表されるクベルカムンク式により洗浄率を求めた。
酵素安定率(%)=保存後の洗浄率/保存前の洗浄率×100
<評価基準>
◎:75%以上
〇:68%以上75%未満
△:60%以上68%未満
×:60%未満
[重炭酸ナトリウム]
・重炭酸ナトリウム:重炭酸ナトリウム 工重(旭硝子(株)製)
[水溶性無機化合物]
・炭酸ナトリウム:粒灰(旭硝子(株)製、平均粒子径320μm、嵩密度1.07g/cm3)
・炭酸カリウム:炭酸カリウム(粉末)(旭硝子(株)製、平均粒子径490μm、嵩密度1.30g/cm3)
・亜硫酸ナトリウム:無水亜硫酸曹達(神州化学(株)製)
[水溶性高分子化合物]
・MA1:アクリル酸/マレイン酸コポリマーナトリウム塩、アクアリックTL−400(日本触媒(株)製)(純分40%水溶液)
・PEG#6000:ライオン(株)製ポリエチレングリコール、商品名PEG#6000M
[水難溶性化合物]
・ラウリン酸:日本油脂(株)製、NAA−122、融点43℃
[微粉体]
・A型ゼオライト:シルトンB(水澤化学(株)製、純分80%)
[界面活性剤]
・α−SF−Na:炭素数14:炭素数16=18:82のα−スルホ脂肪酸メチルエステルのナトリウム塩(ライオン(株)製、AI=70%、残部は未反応脂肪酸メチルエステル、硫酸ナトリウム、メチルサルフェート、過酸化水素、水等)
・LAS−K:直鎖アルキル(炭素数10〜14)ベンゼンスルホン酸(ライポンLH−200(ライオン(株)製)LAS−H純分96%)を界面活性剤組成物調製時に48%水酸化カリウム水溶液で中和する)。表5中の配合量は、LAS−Kとしての質量%を示す。
・AOS−K:炭素数14〜18のアルキル基をもつα−オレフィンスルホン酸カリウム(ライオン(株)製)
・石鹸:炭素数12〜18の脂肪酸ナトリウム(ライオン(株)製、純分:67%、タイター:40〜45℃、脂肪酸組成:C12:11.7%、C14:0.4%、C16:29.2%、C18F0(ステアリン酸):0.7%、C18F1(オレイン酸):56.8%、C18F2(リノール酸):1.2%、分子量:289)
・ノニオン界面活性剤A:ECOROL26(ECOGREEN社製炭素数12〜16のアルキル基をもつアルコール)の酸化エチレン平均15モル付加体(純分90%)
[色素]
・色素A:群青(大日精化工業(株)製、Ultramarine Blue)
[香料]
・香料A:特開2002−146399号公報[表11]〜[表18]に示す香料組成物A
・香料B:特開2002−146399号公報[表11]〜[表18]に示す香料組成物B
[酵素]
・酵素含有粒子A:サビナーゼ12T(ノボザイムズ製)/LIPEX50T(ノボザイムズ製)/ステインザイム12T(ノボザイムズ製)=5/3/2(質量比)の混合物。平均粒子経350μm。
・酵素含有粒子B:エバラーゼ8T(ノボザイムズ製)/LIPEX50T(ノボザイムズ製)/ターマミル60T(ノボザイムズ製)=5/3/2(質量比)の混合物。平均粒子経320μm。
[その他]
・蛍光剤:チノパールCBS−X(チバスペシャルティケミカルズ)/チノパールAMS−GX(チバスペシャルティケミカルズ)=3/1(質量比)の混合物
Claims (1)
- (A)重炭酸塩を含む水溶性無機化合物核粒子が第1表面処理剤である有機又は無機水溶性高分子化合物で表面処理され、さらにその処理された表面が第2表面処理剤である水難溶性化合物で処理されてなる表面処理水溶性無機化合物粒子、
(B)界面活性剤含有粒子、
(C)酵素含有粒子
を必須成分とする粒状洗剤組成物。
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