JP2006008893A - 自動食器洗い乾燥機用洗浄剤組成物 - Google Patents

自動食器洗い乾燥機用洗浄剤組成物 Download PDF

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達夫 杉本
Hiroaki Hara
大陽 原
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Abstract

【課題】 自動食器洗い乾燥機用洗浄剤組成物の溶け残り(凝集)がなく、分散性、溶解性に優れた自動食器洗い乾燥機用洗浄剤組成物を提供する。
【解決手段】 (a)水溶性無機化合物核粒子の表面に、水難溶性化合物又は水難溶性化合物と水溶性化合物が存在する水溶性無機化合物含有粒子、(b)該水溶性無機化合物含有粒子に含まれる界面活性剤以外に、界面活性剤を含有することを特徴とする自動食器洗い乾燥機用洗浄剤組成物。
更に、(c)水に溶解して過酸化水素を発生する化合物と、(d)過酸化水素と反応し、有機過酸を発生する化合物とを含有せしめることが好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、自動食器洗い乾燥機用洗浄剤組成物に関し、更に詳しくは、自動食器洗い乾燥機用洗浄剤組成物の溶け残り(凝集)がなく、分散性、溶解性に優れた自動食器洗い乾燥機用洗浄剤組成物に関する。
一般に、洗浄剤組成物において、汚れに対する浸透、乳化、分散などの洗浄力が優れた界面活性剤が洗浄剤の主体であるが、アルカリ剤は洗浄力を高めるための助剤としての役割を果たしている。
このアルカリ剤には、炭酸塩とケイ酸塩等が挙げられるが、洗浄におけるアルカリの作用は次のような(イ)〜(ニ)の効果がある。
(イ)水中の、あるいは汚れに由来するカルシウムイオンやマグネシウムイオンを封鎖したり、沈殿させて洗浄液を軟化する。
(ロ)洗浄液をアルカリ性とし、汚れの油脂、脂肪酸を鹸化する。
(ハ)アルカリ緩衝作用を示し、洗浄時に好適のpHを維持する。
(ニ)汚れの除去、解膠、乳化、分散を助けてその再沈着を防止する。
これらのアルカリ剤の中でも、炭酸ナトリウムは安価であることから、洗浄剤には広く活用されている。特に、自動食器洗い乾燥機用洗浄剤組成物では、炭酸ナトリウムによるアルカリ洗浄において、酵素やキレート剤、漂白剤の効果を発現させて、洗浄力向上を図っている。
例えば、炭酸ナトリウム35〜80質量%、炭酸水素ナトリウム1〜10質量%、界面活性剤0.5〜10質量%からなり、上記炭酸ナトリウムと炭酸水素ナトリウムの含有比率を8:1〜20:1の範囲内であることを特徴とする自動食器洗浄機用洗浄剤が知られている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、上記特許文献1を含む炭酸ナトリウムを多く含有する自動食器洗い乾燥機用洗浄剤組成物等では、(1)水で濡れている投入口に自動食器洗い乾燥機用洗浄剤組成物を投入し、一時的に放置した場合や、(2)食器などで遮蔽されて、投入した自動食器洗い乾燥機用洗浄剤組成物に噴射水が少量しか当たらない場合、(3)冬時期の低温給水で洗浄する場合に、自動食器洗い乾燥機用洗浄剤組成物が溶け残ったり、溶解性が低下する課題がある。
更に、自動食器洗い乾燥機は、近年、省エネルギーに向けて益々進化を続けており、自動食器洗い乾燥機用洗浄剤には、低温、短時間洗浄での高い洗浄力が求められているのが現状である。
特開2001−107092号公報(特許請求の範囲、実施例等)
本発明は、上記従来技術の課題及び現状等に鑑み、これを解消しようとするものであり、上記(1)〜(3)の場合における、自動食器洗い乾燥機用洗浄剤組成物の溶け残り(凝集)がなく、分散性、溶解性に優れた自動食器洗い乾燥機用洗浄剤組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記従来の課題等を解決するために、組成検討を行った結果、以下の条件(I)及び(II)を満たすことにより、凝集がなく、溶解性が向上することを見い出した。
具体的には、自動食器洗い乾燥機用洗浄剤組成物に、(I)水難溶性化合物又は水難溶性化合物と水溶性化合物が表面に存在する水溶性無機化合物核粒子が配合されていること、(II)該核粒子表面の水難溶性化合物又は水難溶性化合物と水溶性化合物水溶性無機化合物の溶解性向上のため、界面活性剤が配合されていることにより、上述の課題等が解消されることが判明した。
そこで、本発明では、水溶性無機化合物核粒子の表面に、水難溶性化合物又は水難溶性化合物と水溶性化合物を存在させることにより、低温給水時においても自動食器洗い乾燥機用洗浄剤組成物の凝集抑制を実現でき、更に、界面活性剤と共存させることで短時間で溶解できることを見い出し、本発明を完成するに至ったのである。
すなわち、本発明は、次の(1)及び(2)に存する。
(1) (a)水溶性無機化合物核粒子の表面に、水難溶性化合物又は水難溶性化合物と水溶性化合物が存在する水溶性無機化合物含有粒子、(b)該水溶性無機化合物含有粒子に含まれる界面活性剤以外に、界面活性剤を含有することを特徴とする自動食器洗い乾燥機用洗浄剤組成物。
(2) 更に、(c)水に溶解して過酸化水素を発生する化合物と、(d)過酸化水素と反応し、有機過酸を発生する化合物とを含有する上記(1)記載の自動食器洗い乾燥機用洗浄剤組成物。
本発明によれば、自動食器洗い乾燥機用洗浄剤組成物の溶け残り(凝集)がなく、分散性、溶解性に優れた自動食器洗い乾燥機用洗浄剤組成物を提供される。
以下に、本発明の実施形態を詳しく説明する。
本発明の自動食器洗い乾燥機用洗浄剤組成物は、(a)水溶性無機化合物核粒子の表面に、水難溶性化合物又は水難溶性化合物と水溶性化合物が存在する水溶性無機化合物含有粒子、(b)該水溶性無機化合物含有粒子に含まれる界面活性剤以外に、界面活性剤を含有することを特徴とするものである。
本発明に用いる(a)成分の水溶性無機化合物含有粒子は、水溶性無機化合物核粒子の表面に、水難溶性化合物又は水難溶性化合物と水溶性化合物が存在するものであり、例えば、1)水溶性無機化合物核粒子が水難溶性化合物で表面処理されてなるもの、または、2)水溶性無機化合物核粒子が有機又は無機水溶性高分子化合物で表面処理され、更にその処理された表面が水難溶性化合物で処理されてなるものが挙げられる。
本発明に用いる水溶性無機化合物核粒子は、5℃における水への溶解度が1g/100g以上、好ましくは、2g/100g以上、より好ましくは、3g/100g以上の水溶性無機化合物をいう。このような水溶性無機化合物核粒子であれば、特に限定されず、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
好ましい水溶性無機化合物核粒子としては、一般に洗浄ビルダーとして用いられるものが挙げられる。このような化合物として、炭酸塩、重炭酸塩及びセスキ炭酸塩類、硫酸塩及び亜硫酸塩類、リン酸塩及び重縮合リン酸塩類、珪酸塩類、硝酸塩及び亜硝酸塩類、塩化物等が挙げられる。この中でも、炭酸塩類、硫酸塩類、重縮合リン酸塩類等がさらに好ましく、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、トリポリリン酸ナトリウム等が特に好ましい。
水溶性無機化合物核粒子として、洗浄性能への寄与という点から、5℃の飽和水溶液のpHが8以上である水溶性アルカリ無機塩をより好適に用いることができる。
さらに、水溶性アルカリ無機塩は、これらを含有してなる他の塩類との複合塩も好適に用いることができ、例えば、炭酸ナトリウムと硫酸ナトリウムの複合塩であるバーケアイト等はその代表的な例である。水溶性アルカリ無機塩は1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
また、水溶性無機化合物核粒子が低撹拌状態で湿潤して凝集塊を形成する場合には、水溶性無機化合物の水和物結晶の凝結が深く関与する。20℃未満の温度で水和物結晶となりやすい物質に対して本発明を適用するのが好ましい。このようなものとして炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ性無機塩や硫酸ナトリウム等の中性無機塩が最も好ましい。
水溶性無機化合物核粒子は、常法により得ることができ、その平均粒子径は、100〜1500μmが好ましく、より好ましくは、200〜1000μmである。
この平均粒子径が100μm未満では、水難溶性化合物又は水難溶性化合物と水溶性化合物による表面処理が困難となる場合があり、1500μmを超えると、水溶性無機化合物の溶解性が低下する場合がある。このような水溶性無機化合物核粒子は、市販のものを適宜用いることができる。なお、平均粒子径は後述する実施例に記載の測定法による。
市販で入手可能な水溶性無機化合物核粒子には、様々なグレードのものがあるが、本発明の利用を限定するものではない。例えば、製造工程で混入する不純物や品質安定化の為の保存安定剤や酸化防止剤を含む水溶性アルカリ無機塩も本発明の範囲に含まれる。
上記水溶性無機化合物核粒子の表面処理に用いる水溶性化合物としては、有機水溶性高分子化合物、または、無機水溶性高分子化合物が使用される。有機水溶性高分子化合物は、40℃において水100gに対しては0.1g以上、好ましくは0.2g以上、より好ましくは2g以上の濃度で水と均一に混和する高分子化合物である。このような有機水溶性高分子化合物であれば、特に限定されず、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
有機水溶性高分子化合物としては、天然高分子化合物、半合成高分子化合物及び合成高分子化合物等が挙げられる。具体的にはビニル系高分子化合物、多糖類、ポリエーテル系高分子化合物、ポリエステル系高分子化合物、ペプチド系高分子化合物、ポリウレタン、及びそれらの誘導体等を用いることができる。この中でも、ビニル系高分子化合物、多糖類、その誘導体及びポリエステル系高分子化合物から選ばれる1種又は2種以上を用いることが好ましい。
ビニル系高分子化合物としては、例えば、ビニル系ポリカルボン酸塩類(アクリル酸系高分子化合物)、ビニル系ポリスルホン酸塩、ポリビニルピリジン塩、ポリビニルイミダゾリウム塩等が挙げられる。多糖類としては、各種天然又は合成多糖類を用いることができる。
ポリエステル系高分子化合物としては、例えば、テレフタル酸とエチレングリコール及び/又はプロピレングリコール単位とのコポリマー又はターポリマー等が挙げられる。これらの例としては、市販品のTexcare4291(クラリアント製)、TexcareSRN−300(クラリアント製)等が挙げられる。
ペプチド系高分子化合物又はその誘導体の具体例としては、ゼラチン、カゼイン、アルブミン、コラーゲン、ポリグルタミン酸塩、ポリアスパラギン酸塩、ポリリジン、ポリアルギニン及びこれらの誘導体等が挙げられる。
ポリウレタンとしては、例えば、水溶性ポリウレタン等が挙げられる。また、ポリエチレングリコール等のその他の水溶性高分子化合物も用いることができる。
特に、水溶性無機化合物核粒子が水和しやすくなるという点から、水溶性無機化合物核粒子を水溶性有機高分子化合物で表面処理した状態下、水と接する初期段階において浸水作用を発揮するものが好適である。このような特性を有する水溶性有機高分子化合物としては、アニオン性、両性、ノニオン性等の親水性官能基を有するものが挙げられる。
アニオン性基を有する水溶性有機高分子化合物としては、例えば、カルボキシル基、スルホ基を有する高分子化合物、アニオン性基を有する水溶性多糖類が挙げられる。
カルボキシル基を有する水溶性有機高分子化合物としては、例えば、アクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、アコニット酸、メタクリル酸、フマル酸、2−ヒドロキシアクリル酸、シトラコン酸等のモノマーを重合させてなるポリマー及びその塩、並びにこれらのポリマーとその他のビニル系モノマーとの共重合体及びその塩等のビニル系ポリカルボン酸(塩)が挙げられる。
スルホ基を有する水溶性高分子化合物としては、例えば、アクリルアミドプロパンスルホン酸、メタクリルアミドプロパンスルホン酸、スチレンスルホン酸等のモノマーを重合してなるポリマー及びその塩、並びにこれらのポリマーとその他のビニル系ポリマーとの共重合体及びその塩等のビニル系ポリスルホン酸(塩)等が挙げられる。
アニオン性基を有する水溶性多糖類としては、例えば、ポリウロン酸塩、アルギン酸塩、ポリアスパラギン酸塩、カラゲーナン、ヒアルロン酸塩、コンドロイチン硫酸塩、カルボキシメチルセルロース等が挙げられる。
両性水溶性高分子化合物としては、例えば、アニオン性基を有するビニル系単量体とカチオン性基を有するビニル系単量体との共重合体、カルボキシベタイン基又はスルホベタイン基を有するビニル系の両性高分子が挙げられ、具体的には、アクリル酸/ジメチルアミノエチルメタクリル酸共重合体、アクリル/ジエチルアミノエチルメタクリル酸共重合体等が挙げられる。
ノニオン性水溶性高分子化合物としては、例えば、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルエチルエーテル、ポリエチレングリコール等の合成高分子化合物、ヒドロキシエチルセルロース、グアーガム、デキストラン、プルラン等の多糖類が挙げられる。
これらの中でも、水と接する初期段階における浸水作用に優れ、水に溶解又は分散する際に発熱する化合物が好ましい。この点を考慮すると、カルボキシル基又はスルホ基を有するビニル系ポリマーを用いることが好ましく、特に、単位質量当たりのアニオン性基含量の高いビニル系ポリカルボン酸類が好適である。
具体的には、ポリアクリル酸塩、アクリル酸/マレイン酸共重合体塩、アクリル酸/イタコン酸共重合体塩、アクリル酸アルキル共重合体塩、及びこれらの誘導体等が最適である。
本発明の有機水溶性高分子化合物の重量平均分子量は500以上であり、好ましくは1,000〜1,000,000、より好ましくは1,000〜200,000である。なお、本発明におけるポリエチレングリコールの平均分子量は、化粧品原料基準(第2版注解)記載の平均分子量を示す。また、本発明における有機水溶性高分子化合物重量平均分子量は、ポリエチレングリコールを標準物質とするゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる測定値である。
有機水溶性高分子化合物で水溶性無機化合物核粒子を表面処理する方法としては、特に限定されるものではない。例えば、水溶性無機化合物核粒子に有機水溶性高分子化合物を添加、混合又は被覆する方法等が挙げられる。有機水溶性高分子化合物を、水溶液として表面処理に用いることが好適である。この水溶液を、撹拌・流動化状態の水溶性無機化合物に滴下又はスプレー添加することが好ましい。
本発明に用いる無機水溶性高分子化合物は、40℃において水100gに対して0.1g以上、好ましくは0.2g以上、より好ましくは2g以上の濃度で水と均一に混和する化合物である。このような無機水溶性高分子化合物であれば特に限定されず、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
無機水溶性高分子化合物としては、金属アルコキシドの前駆体化合物を含む溶液を加水分解・縮重合反応することによって得られるものが好ましく、特に珪酸塩が好ましい。
珪酸塩は、古くから石鹸に配合され、水ガラスとして知られており、その構造に基づき、陰イオンの形による分類に従って分類することができる(Friedrich Liebau,"Structural Chemistry of Silicates"p72,Springer−Verlag,1985年発行)。
詳細には、Siに結合する酸素の架橋酸素数(Si−O−Si)で分類でき、その架橋酸素数が4、3、2、1、0に対応して、それぞれQ4、Q3、Q2、Q1、Q0ユニットに分類される(Y.Tsunawaki,N.Iwamoto,T.Hattori and A.Mitsuishi,J.Non−Cryst.Solids,vol44,p369(1981))。
珪酸塩としては、処理効果を充分に発揮する点から、Q2ユニット及び/又はQ3ユニットを含み、SiO2/M2Oモル比(ここで、Mはアルカリ金属を示す)が1.6〜4、好ましくは2〜3.5を有するアルカリ金属珪酸塩が好ましく、特に珪酸ナトリウムが好ましい。
無機水溶性高分子化合物で水溶性無機化合物核粒子を表面処理する方法としては、特に限定されるものではない。例えば、水溶性無機化合物に無機水溶性高分子化合物を添加、混合又は被覆する方法等が挙げられる。無機水溶性高分子化合物を、水溶液として表面処理に用いることが好適である。この水溶液を、撹拌・流動化状態の水溶性無機化合物に滴下又はスプレー添加することが好ましい。
本発明で用いる水難溶性化合物は、20℃における水への溶解度が2g/100g未満、好ましくは、1g/100g未満、より好ましくは、0.1g/100g未満の化合物で、水と接する初期段階で撥水作用のあるものが好ましい。また、200℃以下、好ましくは、0〜160℃、より好ましくは、20〜80℃、さらに好ましくは、40〜60℃の融点を有する有機化合物が好適である。水難溶性化合物は1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
水難溶性化合物としては、例えば、高級脂肪酸ジカルボン酸、高級アルコール、HLB5以下、好ましくは3以下の高級アルコール又は高級脂肪酸のアルキレンオキサイド付加物、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸のグリセライド等が挙げられる。
高級アルコールとしては、炭素数12〜22、より好ましくは炭素数14〜18の炭素鎖長を有するものが好適であり、具体的には、ドデカノール、テトラデカノール、ヘキサデカノール、オクタデカノール等が挙げられる。
HLB5以下、好ましくは3以下の高級アルコール又は高級脂肪酸のアルキレンオキサイド付加物としては、炭素数16〜22のアルコール又は脂肪酸の1〜3モルエチレンオキサイド付加体が好適であり、具体的にはヘキサデカノールの1モルエチレンオキシド付加体、オクタデカノールの3モルエチレンオキシド付加体、パルミチン酸の1モルエチレンオキシド付加体が挙げられる。
高級脂肪酸エステルとしては、パルミチン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸等のメチルエステル又はエチルエステル等が好適である。
高級脂肪酸のグリセライドとしては、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸等のモノ、ジ又はトリグリセライドが好適である。
また、初期の湿潤時には吸熱して水溶性無機化合物の発熱を制御し、洗浄すると徐々に水溶性無機化合物との中和反応等により水溶性となるという点から、水難溶性化合物として、アニオン界面活性剤酸前駆体を用いることが好ましい。
アニオン界面活性剤酸前駆体としては、任意のアニオン界面活性剤の酸前駆体を好適に用いることができる。アニオン界面活性剤の酸前駆体としては、飽和又は不飽和脂肪酸(平均炭素鎖長8〜22)、直鎖又は分岐鎖アルキル(平均炭素鎖長8〜18)ベンゼンスルホン酸、長鎖アルキル(平均炭素鎖長10〜20)スルホン酸、長鎖オレフィン(平均炭素鎖長10〜20)スルホン酸、長鎖モノアルキル(平均炭素鎖長10〜20)硫酸エステル、ポリオキシエチレン(平均重合度1〜10)長鎖アルキル(平均炭素鎖長10〜20)エーテル硫酸エステル、ポリオキシエチレン(平均重合度3〜30)アルキル(平均炭素鎖長6〜12)フェニルエーテル硫酸エステル、α−スルホ脂肪酸(平均炭素鎖長8〜22)、長鎖モノアルキル、ジアルキル又はセスキアルキルリン酸、ポリオキシエチレンモノアルキル、ジアルキル又はセスキアルキルリン酸等が挙げられる。
アニオン界面活性剤酸前駆体としては、飽和又は不飽和脂肪酸(平均炭素鎖長8〜22)が好ましく、炭素数8〜18の炭素鎖長を有するものがより好ましい。具体的には、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸等の飽和脂肪酸、オレイン酸等の不飽和脂肪酸等が挙げられる。この中でも、保存安定性の点から、炭素数12〜18の飽和脂肪酸が好ましく、製造性を考慮すると、ラウリン酸がより好ましい。
表面処理された水溶性無機化合物核粒子を、さらに水難溶性化合物で表面処理する方法としては、特に限定されるものではない。例えば、表面処理された水溶性無機化合物核粒子に水難溶性化合物を添加、混合又は被覆する方法等が挙げられる。水難溶性化合物を溶融させて液体状とし、この液体を、撹拌・流動状態の表面処理された水溶性無機化合物に滴下する又はスプレー添加する方法が好ましい。
本発明の表面処理水溶性無機化合物粒子中の各成分配合量を下記に示す。
水溶性無機化合物は、表面処理水溶性無機化合物粒子全量に対して60〜99.8質量%用いることが好ましく、70〜97質量%が特に好ましい。水溶性無機化合物が60質量%未満ではアルカリ剤として不充分となる場合があり、一方、99.8質量%を超えると処理剤の量が少なくなりすぎ、十分な表面処理ができない場合がある。
有機水溶性高分子化合物は、水溶性無機化合物に対して0.1〜10質量%、特に0.5〜8質量%で用いることが好ましい。0.1質量%未満では、表面処理の効果が得られない場合があり、10質量%を超えると、無機化合物の配合量が少なくなりすぎる場合がある。
無機水溶性高分子化合物は、水溶性無機化合物に対して1〜30質量%、特に10〜28質量%で用いることが好ましい。1質量%未満では、表面処理の効果が得られない場合があり、30質量%を超えると、無機化合物の配合量が少なくなりすぎる場合がある。
水難溶性化合物は、表面処理された水溶性無機化合物に対して、0.1〜10質量%、特に2〜8質量%で用いることが好ましい。0.1質量%未満では、表面処理の効果が得られない場合があり、10質量%を超えると、無機化合物の配合量が少なくなりすぎる場合がある。
本発明の表面処理水溶性無機化合物粒子は、水溶性無機化合物核粒子が水難溶性化合物で表面処理されてなるもの、または、水溶性無機化合物核粒子が有機又は無機水溶性高分子化合物で表面処理され、さらにその処理された表面が水難溶性化合物で処理されてなるものである。本発明の表面とは、水溶性無機化合物核粒子の一次粒子表面又は造粒して1次粒子が2〜30個程度固まってひとつになっている水溶性無機化合物核粒子群の全表面のどちらも含むものである。なお、水溶性無機化合物核粒子群となっている場合、表面の微小凹部の深さは0.01〜50μmである。
水溶性無機化合物核粒子の表面上における、水溶性高分子化合物と水難溶性化合物は、水溶性無機化合物粒子の表面に水溶性高分子化合物が存在して層を形成し、その外層部に水難溶性化合物が存在しても、ランダムに混在した状態になっていてもよい。溶解性と保存安定性の点から、表面処理水溶性無機化合物粒子の最外層に水溶性高分子化合物よりも水難溶性化合物が多く存在していることが好ましい。また、製造性の点から、水溶性無機化合物粒子の表面近傍に、水難溶性化合物よりも水溶性高分子化合物が多く存在することが好ましい。
表面処理水溶性無機化合物粒子の特に好ましい構造は、水溶性無機化合物粒子と、この粒子表面上の一部又は全面に形成された水溶性高分子化合物を含む第1表面処理部と、第1表面処理部表面上の一部又は全面に形成された水難溶性化合物を含む第2表面処理部とを有する構造である。水難溶性化合物が高級脂肪酸等のアニオン界面活性剤の酸前駆体である場合は、通常は第1表面処理部の水溶性高分子水溶液によって水溶性アルカリ無機塩が溶出し、粒子表面がアルカリ性となっているため、添加されたアニオン界面活性剤の酸前駆体は中和される。添加するアニオン界面活性剤の酸前駆体の量が比較的多い場合は、部分的に中和反応が起こらず、酸前駆体の形で残存することもあり得る。アニオン界面活性剤の酸前駆体の中和状態は示差走査熱量測定法(Differential Scanning Calorimetry)等によって調べることも可能である。このように、アニオン界面活性剤の酸前駆体は粒子表面で完全中和される場合も部分中和される場合もあり得るため、アニオン界面活性剤の酸前駆体及び/又はその塩による第2表面処理部が形成されるが、いずれの場合も本発明における表面処理水溶性無機化合物粒子として好適に利用可能である。
なお、第1表面処理部及び第2表面処理部には他の成分として、本発明の効果を損なわない範囲で、バインダー、分散剤、可溶化剤、pH調整剤、界面活性剤等の各種添加剤が適宜含まれていてもよい。界面活性剤が含まれる場合は、表面処理水溶性無機化合物粒子中、10質量%未満が好ましく、より好ましくは5質量%以下、さらに好ましくは1質量%以下である。なお、水難溶性化合物として配合される脂肪酸等は、表面処理水溶性無機化合物粒子中の界面活性剤の配合量には含まれない。
本発明において、さらに、第1表面処理部が水への溶解又は分散過程で発熱性を示し、前記第2表面処理部が水への溶解又は分散過程で吸熱性を示し、第1表面処理部と第2表面処理部からなる表面処理部が水への溶解又は分散過程で吸熱性を示すことが好ましい。
このような特性を有することで、水溶性無機化合物粒子及び洗剤粒子間で形成される凝集物を抑制し、低温水に接触した初期には水溶性無機化合物の溶解発熱を制御し、且つ撹拌力が加わる洗濯中には、低撹拌下であってもすばやく溶解する特性を顕著に示すことができる。
水溶性無機化合物粒子及び洗剤粒子間で形成される凝集物については以下のように考えられる。粒状洗剤組成物に粉体ブレンドされるような水溶性無機化合物は、水との接触で激しく発熱するものが多い。例えば、炭酸ナトリウムの溶解熱は、−24.57kJ/mol(General Chemical Industrial Products社、 SODA Ash Technical&Handling Guide記載)、硫酸ナトリウムの水和熱は−79.58kJ/mol(化学便覧記載)であるが、これは、水溶性無機化合物の水に対する溶解過程において、水和による発熱量が極めて大きく、無機化合物の結晶格子の崩壊に要する吸熱よりも、無機イオンとなるための水和による発熱が大きく上回ることに起因する特性である。
このような特性を有する水溶性無機化合物が、自動食器洗い乾燥器用の洗剤成分と共に自動食器洗い乾燥機に供給され、低温水により湿潤状態とされると、激しく発熱して粒子付近の温度が上昇する。この温度上昇は、近傍の洗剤粒子を固体から液晶状へと変化させてゲル化を引き起こす一方で、無機化合物自体の溶解も促進されて局所的に過飽和な溶解状態を形成する。この過飽和状態下の無機化合物が、大量の水で撹拌される前に低温水で冷却されると、水和物結晶となって凝結する。このため、ゲル化した洗剤粒子を巻き込んだ凝集塊が形成される。
この凝集塊の形成を抑制するには、洗剤粒子のゲル化や水和凝結の原因となる水溶性無機化合物が、水に溶解する際の発熱を抑えることが有効である。すなわち、溶解過程で発熱する水溶性無機化合物の水和を断つか、又は水和によって生じた発熱を奪うことができるような特性をもつ処理が必要となる。その一方で、発熱は、溶解過程を進行させるのに有効であるため、洗濯中に迅速に溶解するという特性を確保するためには、水との接触を完全に封じたり、水和熱を全て奪ったりするような処理は適当でない。
これらを両立させるためには、第1表面処理部が水への溶解又は分散過程で発熱性を示し、前記第2表面処理部が水への溶解又は分散過程で吸熱性を示し、第1表面処理部と第2表面処理部からなる表面処理部が水への溶解又は分散過程で吸熱性とすることで、水溶性無機化合物粒子の溶解発熱を制御し、かつ、撹拌力が加わる洗濯中には、低撹拌下であっても迅速に溶解する特性を付与できる。
第1表面処理部が水への溶解又は分散過程で発熱性を示し、前記第2表面処理部は吸熱性を示すが、具体的な熱量は、使用する処理剤の種類、処理量、第1表面処理部と第2表面処理部のバランス、処理条件によって異なる。第1表面処理部と第2表面処理部とからなる表面処理部の熱量は吸熱であり、30〜80J/g粒子が好ましく、40〜70J/g粒子がより好ましい。なお、J/g粒子は、無機化合物粒子1gあたり熱量(J)を意味するものである(以下の説明においても同様)。
また、第1表面処理部は浸水作用を示し、第2表面処理部は撥水作用を示すものであることが好適である。この場合、表面処理水溶性無機化合物粒子の水と接触した初期段階の濡れ速度を制御することが好ましい。
すなわち、濡れ速度は、溶解時間に影響を与える要因であるので、処理部全体の水への溶解又は分散時の熱が吸熱であっても、濡れ速度が速すぎれば、核となる水溶性無機化合物の溶解は進行する。その結果、過剰に溶け出した水溶性無機化合物が低温水に晒されることで水和物結晶の再凝結が起こり、凝集塊を形成する場合がある。一方、撥水作用が過剰となり濡れ速度が遅すぎる場合は、溶解自体が阻害されるので、水溶性無機化合物粒子は、そのまま溶け残る場合がある。
以上の理由から、さらに、一定範囲の濡れ速度を有するものであることがより好ましい。
一般的に、濡れ速度は、測定方法や試料量によってその値が変わるものであるが、本発明では、後に詳述するバッシュバン法により測定した場合に、水溶性無機化合物粒子0.5gあたりの、浸透及び毛管現象による濡れ速度が、100〜400分間の範囲にあることが好ましく、200〜400分間の範囲にあることがより好ましい。
本発明の表面処理水溶性無機化合物粒子の物性値は、特に制限されるものではないが、嵩密度は、通常、0.3g/cm3以上、好ましくは0.5〜1.4g/cm3、より好ましくは0.6〜1.2/cm3である。嵩密度が小さ過ぎても大き過ぎても他の粒子と混合して使用する際に分級しやすくなる場合がある。また、平均粒子径は、好ましくは200〜2000μm、より好ましくは300〜1500μmである。平均粒子径が200μm未満になると、比表面積が大き過ぎ、水和抑制効果が得られにくくなる可能性があり、一方、2000μmを超えると表面処理水溶性無機化合物粒子そのものの溶解性が劣化する場合がある。さらに、安息角は70°以下が好ましく、より好ましくは50°以下である。安息角が70°を超えると粒子の取扱性が悪化する場合がある。なお、嵩密度及び
平均粒子径の測定は、後述の実施例記載の方法による。
表面処理水溶性無機化合物粒子中の水分は、貯蔵中の固化(ケーキング)を防止する観点から、8質量%以下が好ましく、さらに7質量%以下、特に6質量%以下が好ましい。なお、本発明における水分量はJIS K 3362−1998に規定された加熱減量法により測定する。
以下、本発明に用いる(a)成分の水溶性無機化合物含有粒子の製造方法について詳述する。本発明に用いる水溶性無機化合物含有粒子の製造方法は、下記〔1〕又は〔2〕の方法が挙げられる。
〔1〕 水溶性無機化合物核粒子に水難溶性化合物を添加し、前記粒子を表面処理することにより製造する方法である。
〔2〕下記第1工程及び第2工程を含む製造方法である。
第1工程:水溶性無機化合物核粒子に水溶性高分子化合物水溶液を添加し、水溶性高分子化合物で水溶性無機化合物粒子を表面処理する工程。
第2工程:第1工程で処理された水溶性無機化合物粒子に水難溶性化合物を添加し、前記粒子を表面処理する工程。
上記〔1〕の製造方法は、水溶性無機化合物核粒子に水難溶性化合物を添加し、該核粒子を表面処理することにより製造するものである。
水溶性無機化合物核粒子を、後述する造粒・被覆装置内に充填し、これに水難溶性化合物を添加して表面処理を行う。水難溶性化合物は、溶融させて液体状とし、この液体を、撹拌・流動状態の表面処理された水溶性無機化合物に滴下する又はスプレー添加する方法が好ましい。
上記〔2〕の製造方法において、第1工程は、水溶性無機化合物粒子に水溶性高分子化合物水溶液を添加し、水溶性高分子化合物で水溶性無機化合物粒子を表面処理する工程である。
水溶性無機化合物粒子を、後述する造粒・被覆(コーティング)装置内に充填し、これに水溶性高分子化合物水溶液を添加し、表面処理を行う。
水溶性高分子化合物水溶液は、有機水溶性高分子化合物の場合、通常0.1〜90質量%、好ましくは0.5〜80質量%、さらに好ましくは1〜60質量%であって、粘度(ブルックフィールド型粘度計を用いた25℃における測定値)が、0.001〜100Pa・s、好ましくは0.0005〜50Pa・sである有機水溶性高分子化合物水溶液とすることが好ましい。無機水溶性高分子化合物の場合、通常1〜60質量%、好ましくは5〜55質量%、さらに好ましくは10〜50質量%無機水溶性高分子化合物とすることが好ましい。水溶性高分子化合物水溶液を、撹拌・流動化状態の水溶性無機化合物に滴下又はスプレー添加することが好ましい。
第2工程は、第1工程で処理された水溶性無機化合物粒子に水難溶性化合物を添加し、前記粒子を表面処理する工程である。
第1工程で処理された水溶性無機化合物粒子を、後述する造粒・被覆装置内に充填し、これに水難溶性化合物を添加して表面処理を行う。水難溶性化合物は、溶融させて液体状とし、この液体を、撹拌・流動状態の表面処理された水溶性無機化合物に滴下する又はスプレー添加する方法が好ましい。
上記〔1〕の製造方法、並びに、上記〔2〕の製造方法における第1及び第2工程において、水溶性無機化合物核粒子を具体的に造粒・被覆する方法としては、以下の方法が挙げられる。1.水溶性無機化合物核粒子に処理剤等(水溶性高分子化合物、水難溶性化合物)を添加し撹拌羽根で撹拌して造粒・被覆する撹拌造粒法、2.水溶性無機化合物核粒子を転動させつつ処理剤等を噴霧して造粒・被覆する転動造粒法、3.水溶性無機化合物核粒子を流動化させつつ、処理剤等を噴霧し造粒・被覆する流動層造粒法等が挙げられる。
上記第1工程、及び第2工程等はそれぞれ同一の造粒・被覆方法及び装置によってなされてもよいし、複数の造粒・被覆方法及び装置を組み合わせてもよい。以下、それぞれの方法、製造装置、条件等について説明する。
1.撹拌造粒法
撹拌造粒法では任意の型式の撹拌造粒装置を使用することができる。その中でも、撹拌羽根を備えた撹拌軸を内部の中心に有し、撹拌羽根が回転する際に撹拌羽根と器壁との間にクリアランスを形成する構造の装置であることが好ましい。クリアランスは1〜30mmであるのが好ましく、3〜10mmがより好ましい。クリアランスが1mm未満では付着層により混合機が過動力となりやすい場合がある。30mmを超えると圧密化の効率が低下するため粒度分布がブロードに、また、造粒時間が長くなり生産性が低下する場合がある。この様な構造を有する撹拌造粒機としては、例えばヘンシェルミキサー(三井三池化工機(株)製)、ハイスピードミキサー(深江工業(株)製)、バーチカルグラニュレーター((株)パウレック製)等の装置が挙げられる。特に好ましくは横型の混合槽で円筒の中心に撹拌軸を有し、この軸に撹拌羽根を取付けて粉末の混合を行う形式のミキサーである。このようなミキサーとしては、例えばレーディゲミキサー((株)マツボー製)、プローシェアーミキサー(大平洋機工(株)製)である。
撹拌造粒法における好適な造粒条件を以下に示す。
(1)フルード数(Fr数)
撹拌造粒法においては、下記式で定義されるフルード数は1〜16であるのが好ましく、2〜9がより好ましい。フルード数が1未満であると、流動化が不充分であるため表面処理が不充分となる場合がある。一方、16を超えると粒子に対するせん断力が強くなり過ぎ表面処理部に壊れが発生する場合がある。
Fr=V2/(R×g)
V:撹拌羽根の先端の周速(m/s)
R:撹拌羽根の回転半径(m)
g:重力加速度(m/s2
(2)チョッパー回転数
撹拌造粒法において、使用される撹拌造粒機には、造粒物の圧密化促進及び粗粉解砕促進のために、高速で回転するチョッパーが装備されている。チョッパーの回転速度としては表面処理部の壊れが発生しない程度の回転数が好ましい。チョッパー先端速度(周速)で0〜30m/sが好ましく、0〜20m/sがより好ましい。
(3)造粒時間
撹拌造粒法において、回分式の造粒における造粒時間及び連続式の造粒における平均滞留時間は、0.5〜20分が好ましく、3〜10分がより好ましい。造粒時間(平均滞留時間)が0.5分未満であると、時間が短過ぎて好適な平均粒子径及び嵩密度を得るための造粒制御が困難となり、粒度分布がブロードになる場合がある。20分を超えると時間が長過ぎて生産性が低下する場合がある。
(4)水溶性無機化合物粒子の充填率
撹拌造粒法において、水溶性無機化合物粒子の造粒機への充填率(仕込み量)としては、混合機の全内容積の70容積%以下が好ましく、15〜40容積%がより好ましい。充填率(仕込み量)が、70容積%を超えると混合機内での混合効率が低下し、好適に造粒を行うことができない場合がある。
(5)処理剤の添加方法
撹拌造粒法において、水溶性高分子化合物水溶液、水難溶性化合物等の処理剤は、好ましくは撹拌・流動状態の粒子に対して、滴下もしくは噴霧して添加される。静置状態にある粒子に処理剤等を滴下もしくは添加した後、撹拌を開始して造粒・被覆操作も可能である。しかしながら、被覆性を高めるためにも、撹拌・流動状態の粒子に対して滴下もしくは噴霧して添加することが好ましい。
2.転動造粒法
転動造粒法では任意の型式の転動造粒装置を使用することができる。その中でもドラム状の円筒が回転して処理するものが好ましく、特に任意の形状の邪魔板を具備しているものが好ましい。ドラム型造粒機としては、水平円筒型造粒機、日本粉体技術協会編、造粒ハンドブック第一版第1刷記載の円錐ドラム型造粒機、多段円錐ドラム型造粒機、撹拌羽根付ドラム型造粒機等が挙げられる。
転動造粒法における好適な造粒条件を以下に示す。
(1)処理時間
回分式における処理時間、連続式における以下の式で定義される平均滞留時間は、5〜120分が好ましく、より好ましくは10〜90分、さらに好ましくは10〜40分である。前記時間が5分未満であると、高嵩密度にならない場合がある一方、120分を超えると生産性の低下又は粒子が崩壊する場合がある。
Tm=(m/Q)×60
Tm:平均滞留時間(min)
m :容器回転型混合機内の粒子滞留量(kg)
Q :連続運転における能力(kg/hr)
(2)フルード数(Fr)
下記式で定義されるフルード数は、0.01〜0.8となる条件を選択するのが好ましい。フルード数は、0.05〜0.7がより好ましく、0.1〜0.65がさらに好ましい。フルード数が0.01未満であると、均一でかつ高嵩密度の粒子が得られない場合がある一方、0.8を超えると、ドラム型混合機の場合には、粒子が飛散し、正常な剪断混合が起こらない場合がある。
Fr=V2/(R×g)
V:容器回転型混合機最外周の周速(m/s)
R:容器回転型混合機最外周の回転中心からの半径(m)
g:重力加速度(m/s2
(3)容積充填率(X)
下記式で定義される容積充填率が、15〜50容積%となる条件を選択するのが好ましい。容積充填率は、より好ましくは20〜45容積%、さらに好ましくは25〜40容積%である。容積充填率が15容積%未満であると、生産性が悪い場合がある一方、50容積%を超えると良好な剪断混合が生じない場合がある。
容積充填率(X)=(M/ρ)/V×100
M:容器回転型混合機への水溶性無機化合物粒子の仕込量(g)
ρ:水溶性無機化合物粒子の嵩密度(g/L)
V:容器回転型混合機の容積(L)
(4)処理剤の添加方法
転動造粒法において、水溶性高分子水溶液、水難溶性化合物等の処理剤は、転動・流動状態の粒子に対して噴霧して添加される。静置状態にある粒子に処理剤等を滴下もしくは添加した後、撹拌を開始して造粒・被覆操作も可能である。しかしながら、被覆性を高めるためにも、撹拌・流動状態の粒子に対して滴下もしくは噴霧して添加することが好ましい。
3.流動層造粒法
流動層造粒法では流動層本体、整流板、送風機、吸気フィルター、エアヒーター及びクーラー、スプレー装置、集塵装置等で構成された任意の型式の流動層造粒装置を使用することができる。例えば、日本粉体技術協会編、造粒ハンドブック第一版第1刷記載の回分式流動層造粒装置(トップスプレー式、サイドスプレー式、ボトムスプレー式等)、噴流流動層造粒装置、噴流動層造粒装置、半連続式流動層造粒装置(分散板反転排出式、下部排出式、側壁排出式等)連続式流動層造粒装置(横型多室型、円筒型等)等が好適に利用できる。具体的装置の利用例としては回分式流動層造粒装置のGlatt−POWREXシリーズ〔(株)パウレックス製〕、フローコーターシリーズ〔(株)大川原製作所製〕、連続式流動層造粒装置のMIXGRADシリーズ〔(株)大川原製作所製〕等が挙げられる。
流動層造粒法における造粒条件として、静置時の原料粉体層の平均厚さは50〜500mm程度が好ましい。その後、流動層に風を送り、粉体を流動化させた後に水溶性高分子化合物水溶液、水難溶性化合物等の処理剤の噴霧を開始する。噴霧ノズルとしては、通常の加圧ノズルのほか、噴霧状体を良好にするため、2流体ノズルを用いることも好ましい。この時の平均液滴径は5〜500μm程度が好ましい。噴霧が進むにつれて造粒も進み粒子径が大きくなるため、流動化状態を維持するため風速を調整しながら造粒を行う。風速は0.2〜4.0m/sの範囲で調整を行い、風温度は5〜70℃、好ましくは7〜65℃で行う。バグフィルターに付着した微粒子は定期的にパルスエアーで落としながら製造を行うことが好ましい。
上述の造粒・被覆方法で表面処理水溶性無機化合物粒子を製造する際、特に、第2工程で水難溶性化合物を添加する際には、第1工程で処理された水溶性無機化合物粒子の温度に留意するとよい。具体的にはこの粒子の温度を水難溶性化合物の融点以上にすることが好ましい。また、水難溶性化合物を添加する時、第1工程で処理された水溶性無機化合物粒子の温度が該水難溶性化合物の融点未満である場合は、水難溶性化合物による表面処理終了後の表面処理水溶性無機化合物粒子の温度が、水難溶性化合物の融点以上であることが好ましい。これらの温度が融点未満であると、造粒・被覆装置系内において水難溶性化合物の分散性・均一性が悪くなり、水難溶性化合物による表面処理が不充分となることがある。
上述の方法で得られた表面処理水溶性無機化合物粒子を、さらに有機又は無機の微粉体で表面処理してもよい。表面処理水溶性無機化合物粒子をさらに表面処理する微粉体としては、常温固体の界面活性剤、長鎖脂肪酸塩、アルミノ珪酸塩、吸油性担体、粘土鉱物等が挙げられる。
界面活性剤としては、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤が挙げられる。長鎖脂肪酸塩としてはアルカリ、非アルカリ金属の長鎖脂肪酸塩、アルミノケイ酸塩としてはA型、P型、X型等、吸油性担体としてはシリカ、珪酸塩化合物、球状多孔質含水非晶質珪酸等、粘土鉱物としてはモンモリロナイト、ノントロナイト、バイデライト、パイロフィライト、サポナイト、ヘクトライト、スチーブンサイト、タルク等が挙げられる。これらは1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。この中でも、非アルカリ金属の長鎖脂肪酸塩、タルク、アルミノケイ酸塩が好ましい。非アルカリ金属の長鎖脂肪酸塩及びタルクは撥水性であるため、水溶性無機化合物の凝集を防ぎ、アルミノケイ酸塩はCa捕捉ビルダーとして汎用され、単独で表面処理に用いた場合、混合される洗剤粒子の表面の処理剤としての役割を果たす。
これら微粉体の粒子径は、表面処理水溶性無機化合物粒子の平均粒子径に対して1/5以下の1次粒子径をもつことが好ましく、好ましくは1/10以下である。また、微粉体の配合量は表面処理水溶性無機化合物粒子に対して、0.1〜10質量%が好ましく、より好ましくは1〜8質量%である。
上述の方法により得られた表面処理水溶性無機化合物粒子は、必要に応じて分級して所望の粒度の表面処理水溶性無機化合物粒子のみ利用することもできる。分級装置としては、一般に知られたいかなる分級装置も用いることができ、特に篩が好適に利用できる。中でもジャイロ式篩、平面篩及び振動篩が好適である。ジャイロ式篩は僅かに傾斜した平面篩に対し、水平な円運動を与える篩である。平面篩は僅かに傾斜した平面篩に、面にほぼ平行に往復運動を与える篩である。振動篩は、篩面にほぼ直角方向に急速な振動を与える篩である。篩に供する時間は5秒以上とすることが好ましく、また、ふるい効率を向上させる為にはタッピングボールを用いることも好ましい。このような篩の具体例としては、ジャイロシフター((株)徳寿工作所製)、ローテックススクリーナー((株)セイシン企業製)、ダルトン振動ふるい((株)ダルトン製)等が挙げられる。篩による振動は、好適には60〜3000回/分、好ましくは100〜2500回/分、さらに好ましくは150〜2000回/分の振動で与えられる。篩の振動数が60回/分未満であると、分級効果が悪化する場合がある一方、3000回/分を超えると発塵が増大する場合がある。
分級工程で分離した表面処理水溶性無機化合物粒子のうち、微粉については再度水溶性無機化合物粒子と共に造粒機に投入し、造粒・被覆操作に供することが好ましい。また、粗粉については粉砕し、造粒・被覆操作前の水溶性無機化合物と同等の粒子径にした後、再度水溶性無機化合物粒子と共に造粒機に投入し、造粒・被覆操作に供することが好適である。この際粗粉を粉砕する粉砕機としては、分級スクリーンと回転ブレードを持った機種が好ましい。このような粉砕機としてはフィッツミル(ホソカワミクロン(株)製)、ニュースピードミル(岡田精工(株)製)、フェザーミル(ホソカワミクロン(株)製)等が挙げられる。また、粉砕機内に冷風を流し冷却しながら粉砕することもできる。冷風と粉砕品をサイクロンで分級し、その時微粉を分級することも可能である。さらに、多段粉砕することで、より粒度分布がシャープになる。粉砕機のブレードの先端周速としては15〜90m/sが好ましく、20〜80m/sがより好ましく、25〜70m/sがさらに好ましい。先端周速が15m/s未満であると粉砕能力が不充分となる場合があり、90m/sを超えると粉砕されやすくなる場合がある。
表面処理水溶性無機化合物粒子を、高嵩密度にし、安息角を小さくするためには、上記第1工程及び第2工程の表面処理後、第3工程:水溶性無機化合物粒子の表面上の水和結晶成長を抑制する工程を含むことが好ましい。これにより水溶性無機化合物粒子の表面形状の円滑性を保つとよい。水和結晶が成長すると、水溶性無機化合物粒子の表面に多数の凹凸が生じて、嵩密度が低下し、安息角も大きくなる。場合によっては水和結晶が表面処理を突き破り、近傍の表面処理水溶性無機化合物粒子から突き出た水和結晶同士で凝結し、強固な水和固結となることもある。
水和結晶を抑制する方法としては、〔1〕第2工程後の表面処理された粒子を冷却する方法、〔2〕第2工程後の表面処理された粒子を乾燥する方法等が挙げられる。これらのうちで、溶解性を良好に保つ点から、〔1〕冷却する方法が好ましい。
〔1〕第2工程後の表面処理された粒子を冷却する方法は、表面処理水溶性無機化合物粒子を30℃以下、好ましくは25℃以下まで冷却可能であれば特に限定されない。冷却速度は5℃/hr以上とすることが好ましく、10℃/hr以上とすることがより好ましい。冷却方法及び装置は特に限定されないが、冷却装置としては冷却された伝熱面により冷却を行うものと、気流を用いるものに分けられる。例えば、冷却された伝面を用いるものとしては、トーラスディスク(ホソカワミクロン(株)製)、フリゴミックス(日清エンジニアリング(株)製)等が挙げられる。気流を用いることで冷却を行うものとしては、流動層が挙げられる。具体的装置の利用例としては回分式流動層造粒装置のGlatt−POWREXシリーズ((株)パウレックス製)、フローコーターシリーズ((株)大川原製作所製)、連続式流動層造粒装置のMIXGRADシリーズ((株)大川原製作所製)等が挙げられる。表面処理水溶性無機化合物粒子の表面処理部の剥がれ、壊れの可能性を鑑みると、流動層の利用が好ましい。
〔2〕第2工程後の表面処理された粒子を乾燥する方法は、表面処理水溶性無機化合物粒子を乾燥できれば特に限定されない。具体的には、上記〔1〕方法に用いられる同様の装置を、伝面や気流といった熱媒体の温度を50〜300℃、好ましくは60〜250℃とすることで、乾燥装置として利用し乾燥する方法が挙げられる。
このようにして上記各製造方法により得られる(a)成分の水溶性無機化合物含有粒子の平均粒径は、好ましくは、100〜1500μm、更に好ましくは、200〜1000μmとすることが望ましい。
この(a)成分の水溶性無機化合物含有粒子の平均粒径が100μm未満であると、水難溶性化合物のコーティングが困難となり、一方、1500μmを越えると、無機化合物自体の溶解性が低下することがあり、好ましくない。
これらの(a)成分の含有量は、洗浄剤組成物全量に対して、好ましくは、5〜30質量%、更に好ましくは、10〜20質量%の範囲で用いられる。
この(a)成分の含有量が5質量%未満であると、洗浄力が低下することがあり、一方、30質量%を越えると、固化性の増加(促進)や、食器の仕上がり性が低下することがあり、好ましくない。
本発明に用いる(b)成分の界面活性剤としては、特に限定されず、例えば、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルなどのノニオン界面活性剤、α−スルホ脂肪酸エステル、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、石ケンなどのアニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤などを用いることができ、特に、ノニオン性界面活性剤が好ましい。これは、ノニオン性界面活性剤はイオン性界面活性剤とは異なり、温度が高温曇点以上に上昇すると発泡性が低下するからである。自動食器洗い乾燥機で使用する場合には、発泡性の高い界面活性剤は使用不可能であり、低発泡性若しくは無泡性の界面活性剤に限定されることとなる。
これらの(b)成分の含有量は、洗浄剤組成物全量に対して、好ましくは、1〜20質量%、更に好ましくは、3〜10質量%の範囲で用いられる。
この(b)成分の含有量が1質量%未満であると、洗浄力が低下することがあり、一方、20質量%を越えると、粉体流動性が低下することがあり、好ましくない。
本発明の自動食器洗い乾燥機用洗浄剤組成物は、上記(a)成分の水溶性無機化合物核粒子の表面に、水難溶性化合物又は水難溶性化合物と水溶性化合物が存在する水溶性無機化合物含有粒子と、(b)成分の界面活性剤とを含有することにより、自動食器洗い乾燥機用洗浄剤組成物の溶け残り(凝集)が防止され、優れた分散性、溶解性を発揮するものであるが、茶渋汚れや着色汚れ等に対する洗浄力の更なる向上の点から、更に、(c)成分として、水に溶解して過酸化水素を発生する化合物と、(d)成分として、過酸化水素と反応し、有機過酸を発生する化合物とを含有せしめることが望ましい。
用いることができる(c)成分の水に溶解して過酸化水素を発生する化合物は、特に限定されるものではないが、アルカリ金属の過ホウ酸塩、過炭酸塩、過ケイ酸塩、過硫酸塩等などの水溶液中で過酸化水素を発生する無機過酸化物を使用することができ、これらは、単独(1種)で又は2種以上を混合して用いることができる。
好ましくは、更なる漂白効果の点から、過硫酸水素カリウム、過ホウ酸ナトリウム、過炭酸ナトリウムが望ましく、更に好ましくは、過炭酸ナトリウム、過ホウ酸ナトリウムが望ましい。
これらの(c)成分の含有量は、特に限定するものではないが、本発明の洗浄剤組成物全量に対して、好ましくは、1〜50質量%、更に好ましくは、10〜30質量%の範囲で用いられる。
また、用いることができる(d)成分の過酸化水素と反応して有機過酸を生じる化合物としては、例えば、テトラアセチルエチレンジアミン(TAED)、C3〜C12アルカノイルオキシベンゼンカルボン酸塩(OBC)、C3〜C12アルカノイルオキシベンゼンスルホン酸塩(OBS)、テトラアセチルグリコリルウリル、グルコースペンタアセテートなどが挙げられ、これらは、単独(1種)で又は2種以上を混合して用いることができる。好ましくは、更なる漂白効果の点から、テトラアセチルエチレンジアミン(TAED)、C3〜C12アルカノイルオキシベンゼンカルボン酸塩(OBC)、C3〜C12アルカノイルオキシベンゼンスルホン酸塩(OBS)が望ましい。
これらの(d)成分の含有量は、特に限定するものではないが、本発明の洗浄剤組成物全量に対して、好ましくは、0.5〜10質量%、更に好ましくは、1〜5質量%の範囲で用いられる。
更に、本発明では、これらの有効成分の他に、本発明の効果を損なわない範囲内で、その他任意成分としては、アミラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼなどの酵素、クエン酸3ナトリウム、メチルグリシンニ酢酸、ポリマレイン酸アクリル酸共重合体などの分子内にカルボキシル基を3つ以上有する化合物、バランス成分としての硫酸ナトリウム、無機金属塩、有機性及び/又は無機性の固形化剤、pH調整剤、抗菌・殺菌剤、消臭剤、安定剤、イオン性界面活性剤、高分子、無機塩類等、自動食器洗い乾燥機用洗浄剤中に一般的に含有されている物質を適宜含有することもできる。
本発明の食器食器洗い乾燥機用洗浄剤組成物は、上述の各成分を常法により配合することにより、調製されるものである。
このように構成される本発明の自動食器洗い乾燥機用洗浄剤組成物では、上記(a)成分の水溶性無機化合物核粒子の表面に、水難溶性化合物又は水難溶性化合物と水溶性化合物が存在する水溶性無機化合物含有粒子、(b)成分の水溶性無機化合物含有粒子に含まれる界面活性剤以外に、界面活性剤を含有することにより、自動食器洗い乾燥機用洗浄剤組成物の溶け残り(凝集)が防止され、優れた分散性、溶解性を発揮するものとなる。
すなわち、本発明では、水で濡れている投入口に自動食器洗い乾燥機用洗浄剤組成物を投入し、一時的に放置した場合、または、食器などで遮蔽されて、投入した自動食器洗い乾燥機用洗浄剤組成物に噴射水が少量しか当たらない場合、更に、冬時期の低温給水で洗浄する場合であっても、(a)成分の水難溶性化合物又は水難溶性化合物と水溶性化合物が表面に存在する炭酸ナトリウム等の水溶性無機化合物核粒子を用いることにより、低温給水時等においても自動食器洗い乾燥機用洗浄剤組成物の凝集抑制が実現でき、更に、(b)成分の界面活性剤と共存させることで短時間で溶解できる自動食器洗い乾燥機用洗浄剤組成物が得られるものとなる。
次に、実施例及び比較例により本発明を更に詳細に説明するが、下記実施例等に限定されるものではない。
〔実施例1〜6及び比較例1〜3〕
(水溶性無機化合物含有粒子の製造方法)
下記表1に示す組成のうち、水溶性無機化合物を鋤刃状ショベルを装備し、レーディゲミキサー〔(株)マツボー製、M20型〕に投入し(充填率33質量%)、主軸200rpmで撹拌を開始した(チョッパーは停止)。撹拌開始後10秒後に水溶性高分子化合物水溶液(濃度は後記の原料欄に記載)を30秒で添加し、造粒・被覆操作を行った。添加終了後、必要に応じて多価金属塩を液体の場合は30秒間で滴下添加し、粉体の場合は一括添加し30秒撹拌した。
引き続き、レ−ディゲミキサーの撹拌を継続しつつ、下記表1に示した水難溶性化合物を同表1に示す温度で溶融させて液体状とし、この液体を30秒で添加し被覆した。
(平均粒径の測定)
本発明中及び上記で得た水溶性無機化合物含有粒子の平均粒径は、以下の方法で測定した。
各サンプル及びその混合物について、目開き1680μm、1410μm、1190μm、1000μm、710μm、500μm、350μm、250μm、149μm、の9段の篩と受け皿を用いて分級操作を行った。分級操作は、受け皿に目開きの小さな篩から目開きの大きな篩の順に積み重ね、最上部の1680μmの篩の上から100g/回のベースサンプルを入れ、蓋をしてロータップ型篩い振盪機〔(株)飯田製作所製、タッピング:156回/分、ローリング:290回/分〕に取り付け、10分間振動させた後、それぞれの篩及び受け皿上に残留したサンプルを篩目ごとに回収して、サンプルの質量を測定した。
受け皿と各篩との質量頻度を積算していくと、積算の質量頻度が、50%以上となる最初の篩の目開きをaμmとし、aμmよりも一段大きい篩の目開きをbμmとし、受け皿からaμmの篩までの質量頻度の積算をc%、またaμmの篩上の質量頻度をd%として、次式により平均粒径(質量50%)を求めた。
Figure 2006008893
(自動食器洗い乾燥機用洗浄剤組成物の調整方法)
下記表2に示すような自動食器洗い乾燥機用洗浄剤組成物を10kgスケールのリボンミキサーを用いて調製した。初めに、(A)成分、(C)成分、(D)成分、硫酸ナトリウム、その他の成分を添加後、10分間攪拌した。その後、(B)成分を添加、10分間攪拌し、さらに無水珪酸添加後、10分間攪拌して自動食器洗い乾燥機用洗浄剤組成物を調製した。
得られた各洗浄剤組成物を用いて、下記評価方法で凝集性、溶解性の各評価を行った。
(凝集性の測定法)
洗剤5gに冷水(7℃)2gをスポイトで垂らし、室温で1時間放置し、洗剤表面の状態を観察し、下記評価基準で評価した。
評価基準:
◎:全く固まらない
○:ほとんど固まらない
△:やや固まる
×:強固に固まる
(溶解性の測定法)
冷水(7℃)1Lに、洗剤2gを溶解した時の溶解時間を目視により測定し、下記評価基準で評価した。
評価基準:
◎:4分未満に溶解
○:4分以上〜5分未満に溶解
×:5分以上に溶解
Figure 2006008893
Figure 2006008893
上記表1及び表2の結果から明らかなように、本発明の範囲となる実施例1〜6は、本発明の範囲外となる比較例1〜3に較べて、自動食器洗い乾燥機用洗浄剤組成物の凝集抑制が実現できると共に、短時間で溶解できることが判明した。

Claims (2)

  1. (a)水溶性無機化合物核粒子の表面に、水難溶性化合物又は水難溶性化合物と水溶性化合物が存在する水溶性無機化合物含有粒子、(b)該水溶性無機化合物含有粒子に含まれる界面活性剤以外に、界面活性剤を含有することを特徴とする自動食器洗い乾燥機用洗浄剤組成物。
  2. 更に、(c)水に溶解して過酸化水素を発生する化合物と、(d)過酸化水素と反応し、有機過酸を発生する化合物とを含有する請求項1記載の自動食器洗い乾燥機用洗浄剤組成物。
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JP2014114410A (ja) * 2012-12-12 2014-06-26 Kao Corp 自動食器洗浄機用洗浄剤組成物

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