JP2006016411A - 光学的立体造形用放射線硬化性液状樹脂組成物及びそれを光硬化させて得られる光造形物 - Google Patents

光学的立体造形用放射線硬化性液状樹脂組成物及びそれを光硬化させて得られる光造形物 Download PDF

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Abstract

【課題】 樹脂液の保存安定性が良好であり、側面段差が小さく、表面平滑性に優れ、高精度の光造形物を得ることができる光学的立体造形用放射線硬化性液状樹脂組成物を提供する。
【解決手段】 下記成分(A)から(F):
(A)下記式(1)で表される構造を有する化合物
【化1】
Figure 2006016411

(B)フェノール性水酸基、及び/又は亜リン酸エステル基を有する化合物、
(C)カチオン重合性化合物、
(D)ラジカル重合開始剤、
(E)ラジカル重合性化合物、
(F)ポリエーテルポリオール化合物、
を含有してなる光学的立体造形用放射線硬化性液状樹脂組成物であって、
下記式(2)で表される構造を有する化合物の含有量が、上記式(1)で表される構造を有する化合物の含有量の1/20(質量比)以下である光学的立体造形用放射線硬化性液状樹脂組成物。
【化2】
Figure 2006016411

【選択図】 なし

Description

本発明は、光学的立体造形用放射線硬化性液状樹脂組成物及びそれを光硬化させて得られる光造形物に関する。
放射線硬化性の液状物質(液状樹脂組成物)に選択的に光照射して硬化樹脂層を形成する工程を繰り返すことにより、当該硬化樹脂層が一体的に積層されてなる立体形状物を形成する光学的立体造形法が知られている(特許文献1〜4参照)。この光学的立体造形法の代表的な例を説明すると、容器内に収容された放射線硬化性液状樹脂組成物の液面に、紫外線レーザー等の光を選択的に照射することにより、所定のパターンを有する硬化樹脂層を形成する。次いで、この硬化樹脂層の上に、一層分の放射線硬化性液状樹脂組成物を供給し、その液面に選択的に光を照射することにより、先行して形成された硬化樹脂層上にこれと連続するよう新しい硬化樹脂層を一体的に積層形成する。そして、光が照射されるパターンを変化させながらあるいは変化させずに上記の工程を所定回数繰り返すことにより、複数の硬化樹脂層が一体的に積層されてなる立体形状物が形成される。この光学的立体造形法は、目的とする立体形状物の形状が複雑なものであっても、容易にしかも短時間で得ることができる。本技術は、自動車や家電産業の新製品開発における試作過程において極めて有用であり、開発期間の短縮とコスト削減に不可欠な手段になりつつある。
従来、光学的立体造形法に使用される放射線硬化性液状樹脂組成物としては、下記〔イ〕〜〔ハ〕のような樹脂組成物が紹介されている。
〔イ〕ウレタン(メタ)アクリレート、オリゴエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、チオール及びエン化合物、感光性ポリイミド等のラジカル重合性有機化合物を含有する樹脂組成物(特許文献5〜7参照)。
〔ロ〕エポキシ化合物、環状エーテル化合物、環状ラクトン化合物、環状アセタール化合物、環状チオエーテル化合物、スピロオルソエステル化合物、ビニルエーテル化合物等のカチオン重合性有機化合物を含有する樹脂組成物(特許文献8参照)。
〔ハ〕ラジカル重合性有機化合物とカチオン重合性有機化合物とを含有する樹脂組成物(特許文献9〜14参照)。
このような立体造形法により得られる立体形状物は、これまでデザインを検討するための形状確認モデルとして多用されてきた。しかしながら、近年の市場動向として、より高い立体造形精度、特に造形物の各積層間の側面段差に起因する表面の平滑性の改善を重視する傾向がある。
ところが、〔イ〕の組成では、硬化収縮が大きく、高い造形精度を得ることは非常に困難である。〔ロ〕の組成では、高い造形精度を得ることができるものの、靭性の低い脆い硬化物を与える傾向にある。また、光硬化後の初期強度(グリーン強度)や硬化速度において〔イ〕より劣り、速い造形速度を達成しにくい。〔ハ〕は、上記2つの手法の欠点を補う形で、高い造形精度と優れた機械的特性を達成している。しかしながら、汎用樹脂と比較して一部の機械的・熱的特性が劣っている。特に破壊靱性において汎用樹脂より低いことが、問題となっている。
一方、立体造形精度を改善するためには光硬化後の寸法歪みを低減させる必要があるため、光硬化後の初期強度(グリーン強度)を増加させるために放射線硬化性を高める必要があるところ、光硬化速度の大きい放射線硬化性液状樹脂組成物を用いた場合、光照射後の短時間に硬化反応がほぼ完了してしまい、又は遅延硬化反応の寄与が少ないため、各積層間に側面段差を生じる場合が多く、結果的に光造形物の表面、特にその側面において十分な平滑性を得ることが困難であった。
特許文献15及び16には、光学的立体造形法に使用される放射線硬化性液状樹脂組成物に添加することができる成分として酸化防止剤が記載されているが、光造形物の造形精度、特に側面段差との関係については記載されていない。
また、〔ロ〕及び〔ハ〕の組成では一般的にトリアリールスルホニウム塩タイプのカチオン性重合開始剤が用いられる。代表的な例として、下記式(1)で示される構造を有する化合物が挙げられる。
Figure 2006016411
具体的な市販品としては、UVI−6974、UVI−6976(ダウ・ケミカル株式会社製)、CPI−6976(アセトコーポレーション製)などが挙げられる。
特開昭60−247515号公報 特開昭62−35966号公報 特開昭62−101408号公報 特開平5−24119号公報 特開平1−204915号公報 特開平2−208305号公報 特開平3−160013号公報 特開平1−213304号公報 特開平2−28261号公報 特開平2−75618号公報 特開平6−228413号公報 特開平11−310626号公報 特開平11−228610号公報 特開平11−240939号公報 特開平8−256062号公報 特開2003−73457号公報
本発明の目的は、樹脂液の保存安定性が良好であり、側面段差が小さく、表面平滑性に優れ、高精度の光造形物を得ることができる光学的立体造形用放射線硬化性液状樹脂組成物を提供することである。
上記目的を達成するため、本発明者らは鋭意研究を行い、従来用いられていた前記式(1)の構造を有するカチオン性重合開始剤の標品の多くには下記式(2)に示される構造を有する化合物が一定量含まれており、その含有量が低い上記式(1)で表されるトリアリールスルホニウム塩タイプのカチオン性重合開始剤を用いることにより、上記目的を達成できる光学的立体造形用放射線硬化性液状樹脂組成物が得られることを見出し、本発明を完成させた。
Figure 2006016411
すなわち、本発明は、
[1]下記成分(A)から(F):
(A)下記式(1)で表される構造を有する化合物
Figure 2006016411
(B)フェノール性水酸基、及び/又は亜リン酸エステル基を有する化合物、
(C)カチオン重合性化合物、
(D)ラジカル重合開始剤、
(E)ラジカル重合性化合物、
(F)ポリエーテルポリオール化合物、
を含有してなる光学的立体造形用放射線硬化性液状樹脂組成物であって、
下記式(2)で表される構造を有する化合物の含有量が、上記式(1)で表される構造を有する化合物の含有量の1/20(質量比)以下である光学的立体造形用放射線硬化性液状樹脂組成物;
Figure 2006016411

[2]組成物全量に対する前記(A)〜(F)成分の含有量が下記の通りである上記[1]記載の光学的立体造形用放射線硬化性液状樹脂組成物
(A) 0.1〜10質量%
(B) 0.1〜10質量%
(C)カチオン重合性化合物 15〜85質量%、
(D)ラジカル重合開始剤 0.01〜10質量%、
(E)ラジカル重合性化合物 0.1〜25質量%、
(F)ポリエーテルポリオール化合物 1〜35質量%;
[3](G)電子顕微鏡法で測定した数平均粒径10〜1000nmのエラストマー粒子を組成物全量の1〜35質量%含有する上記[1]又は[2]に記載の光学的立体造形用放射線硬化性液状樹脂組成物;
[4](B)フェノール性水酸基、及び/又は亜リン酸エステル基を有する化合物が、下記式(3)〜(5)で示される化合物からなる群から選択される一以上の化合物である上記[1]〜[3]のいずれか一に記載の光学的立体造形用放射線硬化性液状樹脂組成物
Figure 2006016411
(式(3)中、R及びRは、各々独立に、炭素数1〜4の分岐していてもよいアルキル基であり、m及びnは、各々独立に、1又は2である。)
Figure 2006016411
(式(4)中、R及びRは、各々独立に、炭素数6〜10の分岐していてもよいアルキル基である。)
Figure 2006016411
(式(5)中、Rは、水素又はメチル基であり、R及びRは、各々独立に、有機基であり、RとRが結合して環状構造となっていてもよい。);及び
[5]上記[1]〜[4]のいずれか一つに記載の光学的立体造形用放射線硬化性液状樹脂組成物に光を照射することにより得られる光造形物
を提供する。
本発明の光学的立体造形用放射線硬化性液状樹脂組成物(以下、本発明の組成物という)は、樹脂液の熱保存安定性が良好であり、側面段差が小さく、表面平滑性に優れ、高精度の光造形物を得ることができるという利点がある。
以下、本発明を詳細に説明する。
I.光学的立体造形用放射線硬化性液状樹脂組成物
本発明の光学的立体造形用放射線硬化性液状樹脂組成物(以下、本発明の組成物という)は、上記(A)〜(F)成分を必須構成成分とする。以下、(A)〜(F)成分及び任意成分である(G)成分等についてそれぞれ説明する。
(A)成分
本発明の組成物に用いられる(A)成分は、下記式(1)で表される構造を有する化合物であり、光カチオン性重合開始剤として働く。通常、式(1)で表される構造を有する化合物は、下記式(1a)で表されるジフェニル(フェニルチオフェニル)スルホニウムヘキサフルオロアンチモネートとして塩の形で用いることができる。
Figure 2006016411
Figure 2006016411
本願発明の組成物中に含まれる下記式(2)で表される構造を有する化合物の含有量は、上記式(1)で表される構造を有する化合物の含有量の1/20(質量比)以下であることが必要である。これにより、本発明の組成物の保存安定性が改善されて経時的な粘度上昇が防止される他、光造形物の側面段差を低減してより平滑な表面を有する光造形物を得ることができる。
下記式(2)で表される構造を有する化合物は、下記式(2a)で表されるビス[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルファイドビスヘキサフルオロアンチモネートとして塩の形である場合が多い。
Figure 2006016411
Figure 2006016411
上記式(2)で表される構造を有する化合物の含有量が十分に低く、本願発明に(A)成分として好適に用いることができる市販品としては、CPI−100A、CPI−110A(サンアプロ株式会社製)等が挙げられる。
本発明における(A)成分の含有量は、組成物全量に対して、通常0.1〜10質量%であり、好ましくは0.2〜8質量%、さらに好ましくは1〜8質量%である。(A)成分の含有割合が0.1質量%未満である場合には、得られる樹脂組成物の放射線硬化性が低下し、十分な機械的強度を有する立体形状物を造形することができない。一方、10質量%を超える場合には、得られる樹脂組成物を光学的立体造形法に供する場合に、適当な光透過性を得ることができず硬化深さの制御が困難となり、得られる立体形状物の造形精度が低下する傾向がある。なお、(A)成分の上記含有量は、前記式(1)で表される化合物以外に、上記式(2)で表される化合物を含んでいる。
(B)成分
本発明の組成物に用いられる(B)成分は、フェノール性水酸基及び/又は亜リン酸エステル基を有する化合物である。(B)成分としては、公知の酸化防止剤等を挙げることができ、特にヒンダードフェノール系化合物又は、リン系化合物が好ましい。(B)成分を添加することにより、ラジカル重合性化合物の硬化が一定の阻害を受け、このため光照射後においてもカチオン重合性化合物等の重合が徐々に進行し(遅延硬化性)、造形物側面の積層段差が低減し、造形物の表面平滑性が向上する。
(B)成分の具体例としては、下記化合物等を挙げることができる。ヒンダードフェノール性化合物としては、例えば、ペンタエリスリチルチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](イルガノックス 1010)、チオジエチレン−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(イルガノックス 1035FF)、ベンゼンプロパン酸−3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシ、エチレンビス(オキシエチレン)ビス[3−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート](イルガノックス 245)、オクタデシル−3−(3,5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(イルガノックス 1076)、3,3’,3”,5,5’,5”−ヘキサ−t−ブチル−a,a‘,a“−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール(イルガノックス 1330)、1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン(イルガノックス 3114)、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール(イルガノックス1520L)、9−ビス[2−{3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニロキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン(スミライザー GA−80)、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(スミライザー BHT)等が挙げられる。(上記において、イルガノックスは、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)の登録商標、スミライザーは、住友化学工業(株)の登録商標である。)
リン系化合物としては、例えば、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト(イルガフォス 168)、ビス[2,4−ビス(1,1−ジメチルエチル)−6−メチルフェニル]エチルエステル亜リン酸(イルガフォス 38)、6−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−プロポキシ]−2,4,8,10−テトラ−t−ブチルベンズ[d、f][1,3,2]−ジオキサホスフェピン(スミライザー GP)等が挙げられる。(上記において、イルガフォスは、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)の登録商標、スミライザーは、住友化学工業(株)の登録商標である。)
ヒンダードフェノール系の(B)成分の市販品としては、例えばIrganox 1010、1035FF、245、1076、1330、3114、1520L、3125(以上、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ株式会社製)、Sumilizer BHT、GA−80(住友化学株式会社製)、Cyanox 1790(サイテック株式会社製)、等が挙げられる。
リン系の(B)成分の市販品としては、例えばIrgafos 168、12、38(以上、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ株式会社製)、ADK STAB 329K、PEP36、PEP−8(以上、旭電化工業株式会社製)、Sandstab P−EPQ(クラリアント社製)、Weston 618、619G、Ultranox 626(以上、ジェネラルエレクトリック社製)、Sumilizer GP(住友化学製)等が挙げられる。
以上挙げた(B)成分の中で、ペンタエリスリチルチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ベンゼンプロパン酸−3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシ、エチレンビス(オキシエチレン)ビス[3−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート]、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール、ビス[2,4−ビス(1,1−ジメチルエチル)−6−メチルフェニル]エチルエステル亜リン酸、6−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−プロポキシ]−2,4,8,10−テトラ−t−ブチルベンズ[d、f][1,3,2]−ジオキサホスフェピンが優れた遅延硬化性を示すため好ましい。
本発明の組成物における(B)成分としては、下記式(3)、式(4)及び式(5)で示される化合物からなる群から選択される一以上の化合物を用いることが特に好ましい。
Figure 2006016411
式(3)中、R及びRは、各々独立に、炭素数1〜4の分岐していてもよいアルキル基であり、m及びnは、各々独立に、1又は2である。
上記式(3)で示される構造を有する化合物の市販品としては、前記のIrganox1010, 1035, 245, Sumilizer GA−80が挙げられる。
Figure 2006016411
式(4)中、R及びRは、各々独立に、炭素数6〜10の分岐していてもよいアルキル基である。
上記式(4)で示される構造を有する化合物の市販品としては、Irganox1520Lが挙げられる。
Figure 2006016411
式(5)中、Rは、水素又はメチル基であり、R及びRは、各々独立に、有機基であり、RとRが結合して環状構造を形成していてもよい。
上記式(5)で示される構造を有する化合物の市販品としては、Irgafos38、SumilizerGPが挙げられる。
本発明の組成物中における(B)成分の含有量は、組成物全量に対して、通常0.1〜10質量%であり、好ましくは、0.1〜5質量%であり、特に好ましくは1.0〜5.0質量%である。(B)成分の含有量が0.1質量%未満である場合又は10質量%を超える場合には、造形物の積層側面段差の値が増加するため好ましくない。
(C)成分
本発明の組成物に用いられる(C)成分は、カチオン重合性化合物であり、カチオン性光重合開始剤の存在下で光照射することにより重合反応や架橋反応を起こす化合物である。
(C)カチオン重合性化合物としては、特に限定されるものではないが、1分子中に2個以上の脂環式エポキシ基を有する化合物が好ましい。1分子中に2個以上の脂環式エポキシ基を有する化合物を(C)成分の全量中に50質量%以上含有することにより、良好な硬化速度や機械的強度を保つことができる。
(C)カチオン重合性化合物の具体例としては、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールFジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールSジグリシジルエーテル、エポキシノボラック樹脂、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールFジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールSジグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−メタ−ジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシル−3’,4’−エポキシ−6’−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、ε−カプロラクトン変性3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、トリメチルカプロラクトン変性3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、β−メチル−δ−バレロラクトン変性3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、メチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサン)、エチレングリコールのジ(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル、エチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、エポキシシクロへキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシシクロヘキサヒドロフタル酸ジ−2−エチルヘキシル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル類;エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の脂肪族多価アルコールに1種又は2種以上のアルキレンオキサイドを付加することにより得られるポリエーテルポリオールのポリグリシジルエーテル類;脂肪族長鎖二塩基酸のジグリシジルエステル類;脂肪族高級アルコールのモノグリシジルエーテル類;フェノール、クレゾール、ブチルフェノール又はアルキレンオキサイドを付加して得られるポリエーテルアルコールのモノグリシジルエーテル類;高級脂肪酸のグリシジルエステル類;エポキシ化大豆油;エポキシステアリン酸ブチル;エポキシステアリン酸オクチル;エポキシ化アマニ油;エポキシ化ポリブタジエン等を挙げることができる。上記のカチオン重合性化合物は、1種単独で又は2種以上組み合わせて(B)成分を構成することができる。
これらのカチオン重合性化合物のうち、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ε−カプロラクトン変性3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、トリメチルカプロラクトン変性3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、β−メチル−δ−バレロラクトン変性3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールFジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル等が好ましい。
さらに好ましくは、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート等1分子中に2個以上の脂環式エポキシ基を有する化合物である。良好な硬化速度や機械的強度を保つためには、このエポキシ化合物が成分(C)中に50質量%以上の割合で含有していることが望ましい。
(C)カチオン重合性化合物の市販品としては、UVR−6100、UVR−6105、UVR−6110、UVR−6128、UVR−6200、UVR−6216(以上、ユニオンカーバイド社製)、セロキサイド2021、セロキサイド2021P、セロキサイド2081、セロキサイド2083、セロキサイド2085、エポリードGT−300、エポリードGT−301、エポリードGT−302、エポリードGT−400、エポリード401、エポリード403(以上、ダイセル化学工業(株)製)、KRM−2100、KRM−2110、KRM−2199、KRM−2400、KRM−2410、KRM−2408、KRM−2490、KRM−2200、KRM−2720、KRM−2750(以上、旭電化工業(株)製)、Rapi−cure DVE−3、CHVE、PEPC(以上、ISP社製)エピコート828、エピコート812、エピコート1031、エピコート872、エピコートCT508(以上、ジャパンエポキシレジン株式会社製)、XDO(以上、東亞合成株式会社製)、VECOMER 2010、2020、4010、4020(以上、アライドシグナル社製)等を挙げることができる。
本発明の組成物中における成分(C)の含有量は、組成物全量に対して、通常15〜85質量%であるが、30〜80質量%がより好ましく、40〜75質量%がさらに好ましい。成分(C)の含有量が85質量%を超えると光造形物の反り等の変形が大きくなる傾向にあり、一方、15質量%未満の場合は光造形物の十分な機械的、熱的特性が得られない傾向にある。
(D)成分
本発明の組成物に用いられる(D)成分は、ラジカル重合開始剤であり、光等の放射線を受けることにより分解し、発生するラジカルによって(E)成分のラジカル重合反応を開始させる化合物である。
(D)ラジカル重合開始剤の具体例としては、例えばアセトフェノン、アセトフェノンベンジルケタール、アントラキノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、カルバゾール、キサントン、4−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、1,1−ジメトキシデオキシベンゾイン、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、チオキサントン系化合物、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−2−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、トリフェニルアミン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリ−メチルペンチルフォスフィンオキサイド、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、フルオレノン、フルオレン、ベンズアルデヒド、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、3−メチルアセトフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン(BTTB)、及びBTTBとキサンテン、チオキサンテン、クマリン、ケトクマリンその他の色素増感剤との組み合わせ等を挙げることができる。これらのうち、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等が特に好ましい。上記のラジカル重合開始剤は、1種単独で又は2種以上組み合わせて(D)成分を構成することができる。
本発明の組成物中における(D)成分の含有量は、組成物全量に対して、通常0.01〜10質量%であり、好ましくは0.1〜5質量%である。(D)成分の含有割合が0.01質量%未満である場合には、得られる樹脂組成物のラジカル重合反応速度(硬化速度)が低くなって造形に時間を要したり、解像度が低下したりする傾向がある。一方、(D)成分の含有割合が10質量%を超える場合には、過剰量の重合開始剤が樹脂組成物の硬化特性を低下させたり、立体形状物の耐湿性や耐熱性に悪影響を及ぼすことがある。
(E)成分
本発明の組成物に用いられる(E)成分は、ラジカル重合性化合物である。具体的にはエチレン性不飽和結合(C=C)を有する化合物であり、1分子中に1個のエチレン性不飽和結合を有する単官能モノマー、及び1分子中に2個以上のエチレン性不飽和結合を有する多官能モノマーを挙げることができる。
単官能モノマー及び多官能モノマーは、各々1種単独で又は2種以上組み合わせるか、あるいは単官能モノマーの少なくとも1種と多官能モノマーの少なくとも1種とを組み合わせて成分(E)を構成することができる。
(D)成分中には3官能以上、即ち1分子中に3個以上のエチレン性不飽和結合を有する多官能モノマーが、(E)成分全量を100質量%として、60質量%以上の割合で含有されていることが好ましい。この3官能以上の多官能モノマーのさらに好ましい含有割合は70質量%以上であり、特に好ましくは80質量%以上、最も好ましくは100質量%である。3官能以上の多官能モノマーの含有割合が60質量%以上であると、得られる樹脂組成物の放射線硬化性がより向上すると共に、造形される立体形状物の経時的変形が生じにくくなる傾向がある。
(E)成分の単官能性モノマーの具体例としては、アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、7−アミノ−3,7−ジメチルオクチル(メタ)アクリレート、イソブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、イソボルニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、エチルジエチレングリコール(メタ)アクリレート、t−オクチル(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエン(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミドテトラクロロフェニル(メタ)アクリレート、2−テトラクロロフェノキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、テトラブロモフェニル(メタ)アクリレート、2−テトラブロモフェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−トリクロロフェノキシエチル(メタ)アクリレート、トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、2−トリブロモフェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ビニルカプロラクタム、N−ビニルピロリドン、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、ペンタクロロフェニル(メタ)アクリレート、ペンタブロモフェニル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、メチルトリエチレンジグリコール(メタ)アクリレートで表される化合物等を挙げることができる。
(E)成分の多官能性モノマーの具体例としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジイルジメチレンジ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド(以下「EO」という。)変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド(以下「PO」という。)変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルの両末端(メタ)アクリル酸付加物、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ポリエステルジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、EO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、PO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、EO変性水添ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、PO変性水添ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、EO変性ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、フェノールノボラックポリグリシジルエーテルの(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
これらの中で、3官能以上の多官能モノマーに該当する上記に例示されたトリ(メタ)アクリレート化合物、テトラ(メタ)アクリレート化合物、ペンタ(メタ)アクリレート化合物、ヘキサ(メタ)アクリレート化合物等が好ましく、中でもトリス(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレートが特に好ましい。
(E)成分の単官能性モノマーの市販品としては、例えばアロニックスM−101、M−102、M−111、M−113、M−117、M−152、TO−1210(以上、東亞合成(株)製)、KAYARAD TC−110S、R−564、R−128H(以上、日本化薬(株))、ビスコート192、ビスコート220、ビスコート2311HP、ビスコート2000、ビスコート2100、ビスコート2150、ビスコート8F、ビスコート17F(以上、大阪有機化学工業(株)製)等を挙げることができる。
(E)成分の多官能性モノマーの市販品としては、例えば、SA1002(以上、三菱化学(株)製)、ビスコート195、ビスコート230、ビスコート260、ビスコート215、ビスコート310、ビスコート214HP、ビスコート295、ビスコート300、ビスコート360、ビスコートGPT、ビスコート400、ビスコート700、ビスコート540、ビスコート3000、ビスコート3700(以上、大阪有機化学工業(株)製)、カヤラッドR−526、HDDA、NPGDA、TPGDA、MANDA、R−551、R−712、R−604、R−684、PET−30、GPO−303、TMPTA、THE−330、DPHA、DPHA−2H、DPHA−2C、DPHA−2I、D−310、D−330、DPCA−20、DPCA−30、DPCA−60、DPCA−120、DN−0075、DN−2475、T−1420、T−2020、T−2040、TPA−320、TPA−330、RP−1040、RP−2040、R−011、R−300、R−205(以上、日本化薬(株)製)、アロニックスM−210、M−220、M−233、M−240、M−215、M−305、M−309、M−310、M−315、M−325、M−400、M−6200、M−6400(以上、東亞合成(株)製)、ライトアクリレートBP−4EA、BP−4PA、BP−2EA、BP−2PA、DCP−A(以上、共栄社化学(株)製)、ニューフロンティアBPE−4、BR−42M、GX−8345(以上、第一工業製薬(株)製)、ASF−400(以上、新日鐵化学(株)製)、リポキシSP−1506、SP−1507、SP−1509、VR−77、SP−4010、SP−4060(以上、昭和高分子(株)製)、NKエステルA−BPE−4(以上、新中村化学工業(株)製)等を挙げることができる。
本発明の組成物中における(E)成分の含有量は、組成物全量に対して、通常0.1〜25質量%であり、好ましくは0.1〜15質量%である。(E)成分を添加することにより得られる樹脂組成物の放射線硬化性が向上するとともに、造形される立体形状物の経時的変形が生じにくくなる傾向にあるが、その含有量が25質量%を超えると立体形状物の耐衝撃性や破壊靭性が低下する点で不都合がある。
(F)成分
本発明の組成物に用いられる(F)成分は、ポリエーテルポリオール化合物である。成分(F)を添加することにより、樹脂組成物の放射線硬化性を改善し、本願組成物に光を照射して得られる硬化物の機械的特性、特に弾性率を向上させることにより光造形により得られる立体造形物の形状や機械的特性の経時的変化を抑制することができる。
(F)ポリエーテルポリオールは、1分子中に3個以上の水酸基を有するものが好ましく、1分子中に3〜6個の水酸基を有するものが特に好ましい。1分子中に有する水酸基の数が3個以上のポリエーテルポリオールを用いることにより、十分な放射線硬化性の向上効果が得られ、また、得られる立体形状物の機械的特性、特に弾性率が安定する傾向がある。
(F)ポリエーテルポリオールの具体例としては、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、スクロース、クオドロール等の3価以上の多価アルコールを、エチレンオキシド(EO)、プロピレンオキシド(PO)、ブチレンオキシド、テトラヒドロフラン等の環状エーテル化合物で変性することにより得られるポリエーテルポリオールを挙げることができ、具体的には、EO変性トリメチロールプロパン、PO変性トリメチロールプロパン、テトラヒドロフラン変性トリメチロールプロパン、EO変性グリセリン、PO変性グリセリン、テトラヒドロフラン変性グリセリン、EO変性ペンタエリスリトール、PO変性ペンタエリスリトール、テトラヒドロフラン変性ペンタエリスリトール、EO変性ソルビトール、PO変性ソルビトール、EO変性スクロース、PO変性スクロース、EO変性スクロース、EO変性クオドール等を挙げることができる。上記のポリエーテルポリオールは、1種単独で、又は2種以上組み合わせて成分(F)を構成することができる。
(F)ポリエーテルポリオールの市販品としては、サンニックスTP−400、サンニックスGP−600、サンニックスGP−1000、サンニックスSP−750、サンニックスGP−250、サンニックスGP−400、サンニックスGP−600(以上、三洋化成(株)製)、TMP−3Glycol、PNT−4 Glycol、EDA−P−4、EDA−P−8(以上、日本乳化剤(株)製)、G−300、G−400、G−700、T−400、EDP−450、SP−600、SC−800(以上、旭電化工業(株)製)、SCP−400,SCP−1000、SP−1600(以上、阪本薬品工業株式会社製)等を挙げることができる。
本発明の組成物中における(F)成分の含有量は、組成物全量に対して、通常1〜35質量%であり、好ましくは1〜25質量%、特に好ましくは3〜15質量%である。成分(F)の含有量が1質量%未満である場合には、樹脂組成物の遅延硬化性が低下するほか、放射線硬化性の向上効果を十分に図ることができず、また、形状安定性及び物性安定性の良好な立体形状物を得ることができない場合がある。一方、成分(F)の含有割合が35質量%を超える場合にも、得られる樹脂組成物の放射線硬化性が低下し、光造形により得られる立体形状物の弾性率が低下する傾向がある。
(G)成分
本発明の組成物に用いられる(G)成分は、電子顕微鏡法で測定した数平均粒子径10〜1000nmのエラストマー粒子である。(G)成分を添加することにより、本発明の組成物に光を照射して得られる硬化物の耐衝撃性や破壊靭性を向上させることができる。
(G)数平均粒子径10〜1000nmのエラストマー粒子の具体例としては、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ブタジエン/アクリロニトリル共重合体、スチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/イソプレン共重合体、エチレン/プロピレン共重合体、エチレン/α−オレフィン系共重合体、エチレン/α−オレフィン/ポリエン共重合体、アクリルゴム、ブタジエン/(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン/ブタジエンブロック共重合体、スチレン/イソプレンブロック共重合体等をベース成分とするエラストマー粒子等を挙げることができる。また、コア/シェル型の粒子であってもよく、前記エラストマー粒子の内、ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/イソプレン共重合体、ブタジエン/(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン/ブタジエンブロック共重合体、スチレン/イソプレンブロック共重合体等を部分架橋したコアに、メチルメタアクリレートポリマーで被覆したエラストマー粒子、メチルメタアクリレート/グリシジルメタアクリレート共重合体で被覆した粒子が特に好ましい。
(G)成分のうち、上記のようなコア/シェル型エラストマー粒子の市販品としては、例えば、レジナスボンドRKB(レジナス化成(株)製)、テクノMBS−61、MBS−69(以上、テクノポリマー(株)製)等を挙げることができる。
本発明の組成物中における(G)成分の含有割合は、組成物全量に対して、通常1〜35質量%であり、好ましくは2〜20質量%、特に好ましくは3〜15質量%である。(G)成分の含有割合が1質量%未満である場合には、耐衝撃性や破壊靭性が低下し、一方、35質量%を超える場合には、粘度が高くなり造形時に気泡が発生したり、得られる立体形状物の造形精度が低下する傾向がある。
本発明の組成物から製造される光造形物の物性等を向上させる目的で、上記(G)成分以外に本発明の組成物に任意に添加することができるものとして、例えば、光増感剤(重合促進剤)、反応性希釈剤等を含有させることができる。光増感剤としては、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリエチルアミン、ジエチルアミン等のアミン系化合物;チオキサントン、チオキサントンの誘導体、アントラキノン、アントラキノンの誘導体、アントラセン、アントラセンの誘導体、ペリレン、ペリレンの誘導体、ベンゾフェノン、ベンゾインイソプロピルエーテル等が挙げられる。
また本発明の光造形用放射線硬化性液状樹脂組成物には、本発明の目的、効果を損なわない範囲において、その他の任意成分として各種の添加剤が含有されていてもよい。かかる添加剤としては、エポキシ樹脂、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリウレタン、ポリブタジエン、ポリクロロプレン、ポリエーテル、ポリエステル、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、石油樹脂、キシレン樹脂、ケトン樹脂、セルロース樹脂、フッ素系オリゴマー、シリコーン系オリゴマー、ポリスルフィド系オリゴマー等のポリマーあるいはオリゴマー;フェノチアジン、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール等の重合禁止剤;重合開始助剤;レベリング剤;濡れ性改良剤;界面活性剤;可塑剤;紫外線吸収剤;シランカップリング剤;無機充填剤;顔料;染料等を挙げることができる。
本発明の組成物は、上記成分(A)〜(G)及びその他の添加剤等の適量を攪拌容器に仕込み、通常、30〜70℃、好ましくは50〜60℃の温度で、通常1〜6時間、好ましくは1〜2時間攪拌することによって製造することができる。
以上のようにして得られる本発明の放射線硬化性液状樹脂組成物は、光学的立体造形法における放射線硬化性液状樹脂組成物として好適に使用される。すなわち、本発明の放射線硬化性液状樹脂組成物に対して、可視光、紫外光、赤外光等の光を選択的に照射して硬化に必要なエネルギーを供給する光学的立体造形法により、所望の形状の立体形状物を製造することができる。
本発明の組成物を用いれば、樹脂液の保存安定性が良好であり、側面段差が少なく、表面平滑性に優れ、高精度の光造形物を製造することができる。
II.光造形物
本発明の光造形物は、前記本発明の組成物に光を照射することにより得られることを特徴とする。
本発明の組成物に光を選択的に照射する手段としては、特に制限されるものではなく、種々の手段を採用することができる。例えば、レーザー光、あるいはレンズ、ミラー等を用いて得られた収束光等を走査させながら組成物に照射する手段、所定のパターンの光透過部を有するマスクを用い、このマスクを介して非収束光を組成物に照射する手段、多数の光ファイバーを束ねてなる導光部材を用い、この導光部材における所定のパターンに対応する光ファイバーを介して光を組成物に照射する手段等を採用することができる。また、マスクを用いる手段においては、マスクとして、液晶表示装置と同様の原理により、所定のパターンに従って、光透過領域と光不透過領域とからなるマスク像を電気光学的に形成するものを用いることもできる。以上において、目的とする立体形状物が微細な部分を有するもの又は高い寸法精度が要求されるものである場合には、組成物に選択的に光を照射する手段として、スポット径の小さいレーザー光を走査する手段を採用することが好ましい。なお、容器内に収容されている樹脂組成物における光の照射面(例えば収束光の走査平面)は、当該樹脂組成物の液面、透光性容器の器壁との接触面の何れであってもよい。樹脂組成物の液面又は器壁との接触面を光の照射面とする場合には、容器の外部から直接又は器壁を介して光を照射することができる。
前記の光学的立体造形法においては、通常、樹脂組成物の特定部分を硬化させた後、光の照射位置(照射面)を、既硬化部分から未硬化部分に連続的に又は段階的に移動させることにより、硬化部分を積層させて所望の立体形状とする。ここで、照射位置の移動は種々の方法によって行うことができ、例えば光源、樹脂組成物の収容容器、樹脂組成物の既硬化部分の何れかを移動させたり当該容器に樹脂組成物を追加供給する等の方法を挙げることができる。前記の光学的立体造形法の代表的な一例を説明すると、収容容器内において昇降自在に設けられた支持ステージを樹脂組成物の液面から微小量降下(沈降)させることにより、当該支持ステージ上に樹脂組成物を供給してその薄層(1)を形成する。次いで、この薄層(1)に対して選択的に光を照射することにより、固体状の硬化樹脂層(1)を形成する。次いで、この硬化樹脂層(1)上に放射線硬化性液状樹脂組成物を供給してその薄層(2)を形成し、この薄層(2)に対して選択的に光照射することにより、前記硬化樹脂層(1)上にこれと連続して一体的に積層するよう新しい硬化樹脂層(2)を形成する。そして、光照射されるパターンを変化させながら或いは変化させずに、この工程を所定回数繰り返すことにより、複数の硬化樹脂層(n)が一体的に積層されてなる立体形状物が造形される。
このようにして得られる立体形状物を収容容器から取り出し、その表面に残存する未反応の樹脂組成物を除去した後、必要に応じて洗浄する。ここで、洗浄剤としては、イソプロピルアルコール、エチルアルコール等のアルコール類に代表されるアルコール系有機溶剤;アセトン、酢酸エチル、メチルエチルケトン等に代表されるケトン系有機溶剤;テルペン類に代表される脂肪族系有機溶剤;低粘度の熱硬化性樹脂及び放射線硬化性樹脂を挙げることができる。なお、洗浄剤で洗浄した後には必要に応じて、熱照射又は光照射によるポストキュアーを行っても良い。ポストキュアーは、立体形状物の表面及び内部に残存することのある未反応の樹脂組成物を硬化させることができ、造形物の表面のべたつきを抑えることができる他、造形物の初期強度を向上させることができる。
本発明の光造形物は、高精度で、側面段差が少なく、表面平滑性に優れている。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
[液状樹脂組成物の調製]
表1に示す配合処方に従って各成分を攪拌容器内に仕込み、60℃で3時間攪拌することにより、実施例1〜6及び比較例1〜6の液状樹脂組成物を調製した。表1の配合処方は、質量%で示す。
実施例1〜6及び比較例1〜6の各液状樹脂組成物を用いて、樹脂液保存安定性、遅延硬化性、造形側面段差の評価試験を行った。評価結果を表1に示す。
評価方法
[組成物中に含まれる、前記式(2)で表される構造を有する化合物の前記式(1)で表される構造を有する化合物との比]
樹脂液とメタノールとを容積比20:80の割合でよく混合し、1時間静置した後にその上澄み液を0.45μmフィルターで濾過し、試料液とした。この試料液を高速液体クロマトグラフィー(カラム:Inertsil Ph−3型、ジーエルサイエンス株式会社製、キャリヤー:メタノール/水=95/5(過塩素酸ナトリウム0.15%))により分析を行い、式(1)で表される構造体と式(2)で表される構造体にそれぞれ由来するピークの面積比(ダイオードアレイで検出、波長300nmで解析)から、これらの含有量比を算出した。
[遅延硬化性]
各樹脂液を用いて、光造形機SCS−300P(ディーメック株式会社)を用いてライン描画(照射面(液面)におけるレーザーパワー100mWで、走査速度870mm/秒で照射光量が硬化幅160μmとした場合約70mJ/cmとなるように長さ4cmを1回だけ描画することで、硬化ラインを1本製作した。光照射の直後及び20分経過後に、それぞれ樹脂液からライン状の硬化物を取り出して、硬化幅、硬化深度を光学顕微鏡で測定した。光照射直後の硬化深度をD、20分経過後の硬化深度をD20とした場合に、D20−Dで表される硬化深度の増加量を求めた。硬化深度の増加量が40μm以上である場合を○、20〜40μmである場合を△、20μm以下である場合を×と判定した。
[造形側面段差(μm)]
ソリッドクリエーターSCS−300P(ソニーマニュファクチュアリングシステムズ(株)製)を使用し、照射面(液面)におけるレーザーパワー100mW、各組成において硬化深さが0.2mmとなる走査速度の条件で、放射線硬化性樹脂組成物に対して選択的にレーザー光を照射して硬化樹脂層(厚さ0.10mm)を形成する工程を繰り返すことにより、評価用試料を造形した。次いで、この試験片をソリッドクリエーターから取り出し、外表面に付着している樹脂組成物を洗浄除去した。試験片は温度23℃、湿度50%の恒温恒湿室内に24時間静置したのち、測定を行った。造形物側面の凹凸部(段差)をレーザー顕微鏡(ニコン株式会社製OPTIPHOT−POL)により計測した。
なお、比較例5及び6では、十分な機械的強度を持った立体造形物が得られない、あるいは光透過性が不十分なために精度よく立体造形物を作成することができない等の理由により造形側面段差を測定することができなかった。
[樹脂液保存安定性]
各樹脂液を100gサンプルボトルに量り取り、80℃の恒温装置内に静置させた。10日間経過した後に、樹脂液粘度が初期値の1.5倍以上に増大した場合を×、1.5倍未満である場合を○と判定した。
Figure 2006016411
UVI−6974:(1)ジフェニル(フェニルチオフェニル)スルホニウムヘキサフルオロアンチモネートと、(2)ビス[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルファイドビスヘキサフルオロアンチモネートの混合物であり、(2)/(1)の質量比が1/20以上である。(ダウ・ケミカル株式会社製)
CPI−6976:(1)ジフェニル(フェニルチオフェニル)スルホニウムヘキサフルオロアンチモネートと、(2)ビス[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルファイドビスヘキサフルオロアンチモネートの混合物であり、(2)/(1)の質量比が1/20以上である。(アセトコーポレーション製)
CPI−100A:(1)ジフェニル(フェニルチオフェニル)スルホニウムヘキサフルオロアンチモネートと、(2)ビス[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルファイドビスヘキサフルオロアンチモネートの混合物であり、(2)/(1)の質量比が1/20以下である。(サンアプロ株式会社製)
CPI−100A高純度: CPI−100Aを、THFを用いた再結晶法により精製したもの。(2)/(1)の質量比が1/20以下であることをHPLCのピーク面積比から確認した。 Irganox1010:ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3、5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート] (チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製)
Irganox1520L:4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール (チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製)
Irganox245:トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート] チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製)
Irgafos38:ビス[2,4−ビス(1,1−ジメチルエチル)−6−メチルフェニル]エチルエステル亜りん酸 (チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製)
SumilizerGP:6−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロポキシ]−2,4,8,10−テトラ−t−ブチルジベンズ[d,f][1,3,2]ジオキサフォスペピン (住友化学工業株式会社製)
エラストマー粒子 (レジナス化成株式会社製レジナスボンドRKB)
表1の結果から、式(2)で表される構造を有する化合物の、式(1)で表される構造を有する化合物に対する含有量比が1/1.2と大きい比較例1〜3では、樹脂液保存安定性が悪いことがわかる。
(B)成分を含まない比較例1、2、4、7及び8では、遅延硬化性が悪く、また造形物積層側面段差が大きくなることがわかる。なお、比較例5及び6では、十分な機械的強度を持った立体造形物が得られない、あるいは光透過性が不十分なために精度よく立体造形物を作成することができない等の理由により、造形物積層側面段差が測定不可であった。
本発明の組成物は、光学的立体造形用途に好適に用いられる。
本発明の組成物は、より高い樹脂液保存安定性、立体造形精度、特に造形物の各積層間の側面段差に起因する表面の平滑性の改善が必要とされる用途に好適に用いられる。


Claims (5)

  1. 下記成分(A)から(F):
    (A)下記式(1)で表される構造を有する化合物
    Figure 2006016411

    (B)フェノール性水酸基、及び/又は亜リン酸エステル基を有する化合物、
    (C)カチオン重合性化合物、
    (D)ラジカル重合開始剤、
    (E)ラジカル重合性化合物、
    (F)ポリエーテルポリオール化合物、
    を含有してなる光学的立体造形用放射線硬化性液状樹脂組成物であって、
    下記式(2)で表される構造を有する化合物の含有量が、上記式(1)で表される構造を有する化合物の含有量の1/20(質量比)以下である光学的立体造形用放射線硬化性液状樹脂組成物。
    Figure 2006016411
  2. 組成物全量に対する前記(A)〜(F)成分の含有量が下記の通りである請求項1記載の光学的立体造形用放射線硬化性液状樹脂組成物。
    (A) 0.1〜10質量%
    (B) 0.1〜10質量%
    (C)カチオン重合性化合物 15〜85質量%、
    (D)ラジカル重合開始剤 0.01〜10質量%、
    (E)ラジカル重合性化合物 0.1〜25質量%、
    (F)ポリエーテルポリオール化合物 1〜35質量%
  3. (G)電子顕微鏡法で測定した数平均粒径10〜1000nmのエラストマー粒子を組成物全量の1〜35質量%含有する請求項1又は2に記載の光学的立体造形用放射線硬化性液状樹脂組成物。
  4. (B)フェノール性水酸基、及び/又は亜リン酸エステル基を有する化合物が、下記式(3)〜(5)で示される化合物からなる群から選択される一以上の化合物である請求項1〜3のいずれか一に記載の光学的立体造形用放射線硬化性液状樹脂組成物。
    Figure 2006016411
    (式(3)中、R及びRは、各々独立に、炭素数1〜4の分岐していてもよいアルキル基であり、m及びnは、各々独立に、1又は2である。)
    Figure 2006016411
    (式(4)中、R及びRは、各々独立に、炭素数6〜10の分岐していてもよいアルキル基である。)
    Figure 2006016411
    (式(5)中、Rは、水素又はメチル基であり、R及びRは、各々独立に、有機基であり、RとRが結合して環状構造となっていてもよい。)
  5. 請求項1〜4のいずれか一つに記載の光学的立体造形用放射線硬化性液状樹脂組成物に光を照射することにより得られる光造形物。
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