JP2006015235A - スロットダイ、多孔質材料に液体を充填する方法、多孔質木製板の縁部を処理する方法、チップボード及びパーチクルボード - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 スロットダイ(1)に、パーチクルボード(7)を受ける受け部(2a)を有する第一ダイブロック(2)と、液体を押し出すための第一開口(5b)が設けられた第一シム板(5)と、第一シム開口から押し出された液体をパーチクルボードの縁部に押込むための第一押圧部(4a)が設けられた中間ダイブロック(4)と、液体を押し出すための第二開口(6b)が設けられた第二シム板(6)と、第二開口から押し出された液体をパーチクルボードの縁部に押込むための第二押圧部(3a)が設けられた第二ダイブロック(3)とを設けた。受け部(2a)、第一押圧部(4a)、及び第二押圧部(3a)は、パーチクルボードの縁部の形状と相補的な形状を有する。
【選択図】 図1
Description
シム板104の切り欠き部と、二つのダイブロック102,103の対向面とにより、紫外線硬化性樹脂107の押出通路120を形成している。
紫外線硬化性樹脂107は、ダイブロック102に設けられた通路111,112をとおり押出通路120へ入り、押出通路120の開口(スロット)121から押し出される。開口121から押し出される紫外線硬化性樹脂107は、縁部106の表面に塗布されて、多孔質木製板105の縁部106の内部に充填される。
図7に示したスロットダイ101とは、塗布すべき対象が異なるが、このようなスロットダイは、例えば、特許文献1又は特許文献2に開示されている。特許文献1のスロットダイは、粘着ラベルや粘着テープの製造において紫外線硬化型ホットメルト粘着剤を塗布するために使用される。特許文献2のスロットダイは、ホットメルト型接着剤を基材上に塗布するために使用される。
多孔質木製板105の搬送速度を上げるために、紫外線硬化性樹脂107の押出圧力を高くしてスロットダイ101から押し出される紫外線硬化性樹脂107の量を多くすることが考えられる。しかし、紫外線硬化性樹脂107の押出圧力を高くしても、縁部106の表面のみに多くの樹脂107aが塗布されるだけであって、縁部106の内部に十分に樹脂107bを充填することができなかった。
すなわち、被塗物(7)に液体(9)を塗布するためのスロットダイ(1)において、被塗物とスロットダイとの相対移動方向に対して交差する方向に延在し、液体を押し出すための複数の開口(31,32)を設けた。
複数の開口(31、32)は、長さが異なっていてもよい。
複数の開口から押し出された液体を被塗物へ押込むために、複数の開口のそれぞれに隣接して設けられた押圧部(4a、3a)を有しているとよい。
スロットダイ(1)は、三つ以上のダイブロックと二つ以上のシム板とを積層して構成されていてもよい。
第一開口(5b)により画成される第一液体押出開口(31)は、スロットダイ(1)と被塗物(7)との相対移動方向(X)に対して交差する方向に延在しており、第二開口(6b)により画成される第二液体押出開口(32)は、相対移動方向に対して交差する方向に延在しているとよい。
第一液体押出開口(31)と第二液体押出開口(32)とは、長さが異なっているとよい。
本発明によるスロットダイ(1)は、例えば、特許文献3の図1に開示されている塗布装置である塗布ヘッド2のスロットノズル16の代わりに取り付けて使用することができる。
多孔質木製板(7)は、チップボード又はパーチクルボードでもよい。
液体(9)は、紫外線硬化性樹脂でもよい。
上記多孔質木製板(7)の縁部(8)を処理する方法は、紫外線硬化性樹脂を硬化させるために紫外線を照射する工程と、硬化した紫外線硬化性樹脂が塗布されている縁部をサンディングする工程とをさらに含んでいるとよい。
また、本発明によるチップボードは、その縁部が上記多孔質木製板(7)の縁部(8)を処理する方法より処理されている。
また、本発明によるパーチクルボードは、その縁部が上記多孔質木製板(7)の縁部(8)を処理する方法より処理されている。
また、本発明によれば、被塗物が多孔質材料である場合に、多孔質材料の内部に液体を十分に充填することができる。
また、本発明によれば、被塗物が多孔質材料である場合に、多孔質材料の内部に液体を効率よく且つ高速で充填することができる。
また、本発明によれば、安価なチップボードあるいはパーチクルボードなどの多孔質木製板の端部を効率よく瞬時に目止め処理することができる。
スロットダイ1は、三層構造にされたリップ型スロットダイである。スロットダイ1は、第一ダイブロック2と、第二ダイブロック3と、第一ダイブロック2と第二ダイブロック3との間に配置された中間ダイブロック4とからなる。第一ダイブロック2と中間ダイブロック4との間に第一シム板5が挟まれており、第二ダイブロック3と中間ダイブロック4との間に第二シム板6が挟まれている。第一ダイブロック2、第一シム板5、中間ダイブロック4、第二シム板6、及び第二ダイブロック3は、チップボード7の搬送方向Xに沿って、この順に並べられてボルト23,25で締結されている。
第一ダイブロック2は、底部(リップ面)2aと傾斜部2bが形成されている。底部(リップ面)2aと傾斜部2bは、全体的にチップボードの縁部と相補的な形状をしており、本実施例においては、ほぼ円弧形状に形成されている。底部(リップ面)2aは、チップボードの縁部を受ける受け部として機能する。傾斜部2bは、底部2aに対して傾斜しており、本実施例においては、傾斜角度が約10°に設定されている。図1において、傾斜部2bの傾斜は、理解を容易にするために誇張して描かれている。
図3を参照して、第一ダイブロック2は、二本の位置決めピン21を通すための二つの位置決め穴2pと、三本の締結ボルト23を通す三つの穴2hと、四本の締結ボルト25と螺合する四つのねじ穴2kとが設けられている。さらに、液体を通す流通路27が設けられている。位置決め穴2p、穴2h、ねじ穴2k、及び流通路27の軸線は、搬送方向Xにほぼ平行である。
中間ダイブロック4は、二本の位置決めピン21を通すための二つの位置決め穴4pと、三本の締結ボルト23を通す三つの穴4hと、四本の締結ボルト25を通す四つの穴4kとが設けられている。また、中間ダイブロック4は、第一シム板5の貫通穴5aを介して、第一ダイブロック2の流通路27と連通する流通路28及び流通路28と連通する溝穴29が設けられている。溝穴29は、液溜め室として機能すると共に、第一ダイブロック2の流通路27からの液体を第一シム板5の貫通穴5aを介して開口5bへほぼ均一に分配するために、底部4aの形状に沿ってほぼ円弧形状に形成されている。
第二ダイブロック3は、二本の位置決めピン21を通すための二つの位置決め穴3pと、三本の締結ボルト23と螺合する三つのねじ穴3hと、四本の締結ボルト25を通す四つの穴3kとが設けられている。また、第二ダイブロック3は、第二シム板6の貫通穴6aを介して、中間ダイブロック4の流通路28と連通する溝穴30が設けられている。溝穴30は、液溜め室として機能すると共に、中間ダイブロック4の流通路28からの液体を第二シム板6の貫通穴6aを介して開口6bへほぼ均一に分配するために、底部3aの形状に沿ってほぼ円弧形状に形成されている。
二本の位置決めピン21を、第一ダイブロック2の位置決め穴2p、第一シム板5の位置決め穴5p、中間ダイブロック4の位置決め穴4p、第二シム板6の位置決め穴6p、及び第二ダイブロック3の位置決め穴3pに通して、第一ダイブロック2の底部(リップ面)2aと中間ダイブロック4の底部(リップ面)4aと第二ダイブロック3の底部(リップ面)3aが整列するように、第一ダイブロック2、第一シム板5、中間ダイブロック4、第二シム板6、及び第二ダイブロック3を重ね合わせる。これらをボルト23及び25により締め付け固定してスロットダイ1を組み立てる。
また、縁部8の表面と接触する第二ダイブロック3の底部(リップ面)3aの長さL2も、図7に示した従来のスロットダイ101のダイブロック103のリップ面の長さL3よりも長く設定されているとよい。本実施例においては、長さL2が長さL1の約2倍に設定されている。
すくなくとも、中間ダイブロック4の底部(リップ面)4aの長さL1と第二ダイブロック3の底部(リップ面)3aの長さL2を合わせた長さは、従来のスロットダイ101のリップ面の長さL3よりも長い。すなわち、本発明のスロットダイの押出開口の総面積に対するリップ面の総面積の割合が、従来のスロットダイよりも大きい。
このようにして、第一液体押出開口31及び6bから押し出された液体は、チップボード7の縁部8の表面に塗布され、そして、リップ面4a及び3aにより縁部8の内部に充填される。
チップボード7あるいはパーチクルボードは、木材片を圧縮接着した再生木材加工品である。再生木材加工品の中では、最も単価が安いものの一つであり、数多くの加工芯材として使用されている。これに対して、間伐材などを繊維状にして熱圧で成型した中質繊維板(MDF)は、材料が均質で反りなどの狂いの少ない硬質な木質素材である。MDFを使用した製品は見栄えがよく高級感があるが、高価であるという欠点もある。一般的に、チップボードあるいはパーチクルボードは、表層部の密度が高く、中間層は粗く、密度が低くなっている。表面層は、密度が高く生地が細かいので、表面層の表面(フラット面)に模様付等の化粧シート(フィルム状表面材)を貼ることにより製品の表面の見栄えを良くすることができる。しかし、加工品の端面(エッヂ)には中間層の生地の粗い部分が露出しているため、ガサガサの端面に化粧シートを貼ったり、塗装したり、ラッピングしたりしても、端部には穴があったり凹凸があったりするので、端面目地が現れてしまい製品の表面の見栄えはあまりよくない。また、安価な薄物シートで端面処理をすると鏡面性がなく、製品価値が下がってしまうという欠点が有った。したがって、ラッピング等の芯材にはあまり使用されていなかった。また、端面を塗装仕上げする場合には、パテ処理等の前処理が必要である。そこで、一般的に、再生木材加工品に高級感を出すために、端面目地が出ないような厚物エッヂなどにより端面を処理していた。
これに対して、本発明のスロットノズルを使用することにより、安価なパーチクルボードなどの多孔質ボードの端部を効率よく瞬時に目止め処理することができる。
2 第一ダイブロック
2a リップ面(受け部)
3 第二ダイブロック
3a リップ面(押圧部)
4 中間ダイブロック
4a リップ面(押圧部)
5 第一シム板
5b 開口
6 第二シム板
6b 開口
7 チップボード(被塗物)
8 縁部
9 紫外線硬化性樹脂
31 第一液体押出開口
32 第二液体押出開口
Claims (14)
- 被塗物に液体を塗布するためのスロットダイにおいて、被塗物とスロットダイとの相対移動方向に対して交差する方向に延在し、液体を押し出すための複数の開口が設けられていることを特徴とするスロットダイ。
- 前記複数の開口は、長さが異なることを特徴とする請求項1に記載のスロットダイ。
- 前記複数の開口から押し出された液体を被塗物へ押込むために、前記複数の開口のそれぞれに隣接して設けられた押圧部を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のスロットダイ。
- 前記スロットダイは、三つ以上のダイブロックと二つ以上のシム板とを積層して構成されていることを特徴とする請求項1乃至3に記載のスロットダイ。
- 被塗物に液体を塗布するためのスロットダイであって、
被塗物を受けるために被塗物の形状と相補的な形状を有する受け部を有する第一ダイブロックと、
液体を押し出すための第一開口が設けられた第一シム板と、
第一開口から押し出された液体を被塗物に押込むために、被塗物の形状と相補的な形状を有する第一押圧部が設けられた中間ダイブロックと、
液体を押し出すための第二開口が設けられた第二シム板と、
第二開口から押し出された液体を被塗物に押込むために、被塗物の形状と相補的な形状を有する第二押圧部が設けられた第二ダイブロックとを含むことを特徴とするスロットダイ。 - 前記第一開口により画成される第一液体押出開口は、前記スロットダイと被塗物との相対移動方向に対して交差する方向に延在しており、前記第二開口により画成される第二液体押出開口は、前記相対移動方向に対して交差する方向に延在していることを特徴とする請求項5に記載のスロットダイ。
- 前記第一液体押出開口と前記第二液体押出開口とは、長さが異なることを特徴とする請求項5又は6に記載のスロットダイ。
- 多孔質材料に液体を充填する方法であって、
単一のスロットダイと多孔質材料との相対移動方向における多孔質材料の上流側の第一位置において、前記単一のスロットダイの第一液体押出開口から多孔質材料へ液体を押し出す工程と、
第一液体押出開口から押し出された液体を前記単一のスロットダイの第一押圧部により押圧して液体を多孔質材料の内部へ充填する第一充填工程と、
前記相対移動方向における多孔質材料の下流側の第二位置において、前記単一のスロットダイの第二液体押出開口から多孔質材料へ液体を押し出す工程と、
第二液体押出開口から押し出された液体を前記単一のスロットダイの第二押圧部により押圧して液体を多孔質材料の内部へ充填する第二充填工程とを含み、
前記第二充填工程は、前記第一充填工程により液体が充填された多孔質材料の少なくとも一部分に重ねて液体を充填することを特徴とする方法。 - 多孔質木製板の縁部を処理する方法であって、
単一のスロットダイの受け部により多孔質木製板の縁部を案内して、前記単一のスロットダイと多孔質木製板とを相対移動させる工程と、
相対移動方向における多孔質木製板の上流側の第一位置において、前記単一のスロットダイの第一液体押出開口から多孔質木製板の縁部へ液体を押し出す工程と、
第一液体押出開口から押し出された液体を前記単一のスロットダイの第一押圧部により押圧して液体を縁部の内部へ充填する第一充填工程と、
前記相対移動方向における多孔質木製板の下流側の第二位置において、前記単一のスロットダイの第二液体押出開口から縁部へ液体を押し出す工程と、
第二液体押出開口から押し出された液体を前記単一のスロットダイの第二押圧部により押圧して液体を縁部の内部へ充填する第二充填工程とを含み、
前記第二充填工程は、前記第一充填工程により液体が充填された縁部の少なくとも一部分に重ねて液体を充填することを特徴とする方法。 - 前記多孔質木製板は、チップボード又はパーチクルボードであることを特徴とする請求項9に記載の方法。
- 前記液体は、紫外線硬化性樹脂であることを特徴とする請求項9又は10に記載の方法。
- 紫外線硬化性樹脂を硬化させるために紫外線を照射する工程と、
硬化した紫外線硬化性樹脂が塗布されている縁部をサンディングする工程とをさらに含む請求項9乃至10に記載の方法。 - チップボードであって、その縁部が請求項9乃至12の方法により処理されたチップボード。
- パーチクルボードであって、その縁部が請求項9乃至12の方法により処理されたパーチクルボード。
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