JPH0985149A - 塗布装置 - Google Patents

塗布装置

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JPH0985149A
JPH0985149A JP24641295A JP24641295A JPH0985149A JP H0985149 A JPH0985149 A JP H0985149A JP 24641295 A JP24641295 A JP 24641295A JP 24641295 A JP24641295 A JP 24641295A JP H0985149 A JPH0985149 A JP H0985149A
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JP
Japan
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die
slit
die member
slit gap
coating
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JP24641295A
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English (en)
Inventor
Kazuo Sasaki
和男 佐々木
Toshio Hikichi
敏夫 引地
Osamu Maniwa
修 間庭
Shogo Sato
章吾 佐藤
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スリットギャップの調整を容易とし、生産性
の向上を可能とする。 【解決手段】 塗料が供給される塗料溜まりを内部に有
し、この塗料溜まりに接続されるスリットが一主面に臨
んで開口するように形成されてなるダイを有し、上記ス
リットより塗料を押し出して塗布を行う場合に、ダイの
少なくともスリット形成部分を、相対向する対向面が互
いに略平行となるように配され、この対向面間の間隙を
スリットとする一対のダイ部材により構成し、これら一
対のダイ部材のうち少なくともいずれか一方を可動と
し、これらの対向面間距離を可変としてスリットギャッ
プの調整を可能とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、いわゆるエクスト
ルージョン型の塗布装置に関する。詳しくは、塗料の押
し出されるスリットのスリットギャップの調整が容易な
塗布装置に係わるものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、オーディオテープやビデオテー
プとしては、ポリエステルフィルム等の非磁性支持体上
に磁性粉末や結合剤、分散剤、潤滑剤等を有機溶剤に分
散混練してなる磁性塗料を塗布することにより磁性層が
形成されてなる、いわゆる塗布型の磁気記録媒体が使用
されている。
【0003】この塗布型の磁気記録媒体を製造するに際
し、磁性塗料を非磁性支持体上に塗布するための装置と
しては、従来より、グラビアロールやリバースロール等
のロールを用いた塗布装置が用いられており、特に幅広
い構造粘性(チキソ性)のものを塗布することができる
ダイレクトグラビア方式を適用した装置が一般的となっ
ている。
【0004】上記グラビアロールには、耐摩耗性を考慮
してハードクローム処理等の表面処理が施される。磁性
塗料の構造粘性によっては、ロールから非磁性支持体で
あるベースフィルム上への塗料転写性が損なわれて塗布
厚ムラのための出力変動や塗料飛散によるドロップアウ
ト等が起こりやすい状態となる。そして、高速塗布にな
るにしたがってこれらの問題が顕著になる傾向にある。
【0005】近年においては、このような高速塗布化が
要求されるとともに、磁気記録媒体の磁性層の薄膜化が
要求され塗膜の薄膜化が要求されている。
【0006】そして、このような高速塗布化及び塗膜の
薄膜化を達成し得る新しい塗布装置として、エクストル
ージョン(ダイ)型の塗布装置が注目され、既に一部実
用化されている。
【0007】このエクストルージョン型の塗布装置は、
先端面に臨んで幅広のスリットを有するとともに、前記
先端部近傍がドクターエッジ化されてなるダイを備えて
なり、走行している非磁性支持体の表面に向けて連続的
に押し出された磁性塗料が前記ドクターエッジによって
均一な厚さをもって上記非磁性支持体上に塗布されるよ
うな構成とされている。なお、上記スリットの背面側に
は塗料溜まりが設けられ、塗料溜まりに供給された塗料
は、上記スリット内へ送り出される。
【0008】このようなエクストルージョン型の塗布装
置は、均一な膜厚を有する塗膜を容易に形成することが
できるとともに、大径を有するロールを用いないために
装置の低価格化や小型化の点で有利であり、またダイ内
に供給された塗料が全て塗布されるので該ダイ廻りでの
塗料の循環を行う必要がないことから、これまで写真フ
ィルムや印画紙等の分野において使用されている。
【0009】また、最近では、非磁性支持体の表面に複
数層の塗膜を形成することが要求されており、複数のス
リットを並べて配列することにより複数層を一度に塗布
するようにしている。
【0010】すなわち、例えば、図5に示すように、内
部に塗料溜まり101を有し、これに接続されるスリッ
ト102を一主面103aに臨んで有する第1のダイ1
03と、内部に塗料溜まり104を有し、これに接続さ
れるスリット105を一主面106aに臨んで有する第
1のダイ106とを、スリット102とスリット105
が並列されるように配する。そして、非磁性支持体10
7を図中矢印m1 で示すような方向に走行させ、先ず第
1のダイ103のスリット102から第1の塗料108
を押し出して非磁性支持体107上に第1の塗料108
を塗布し、続いて第2のダイ106のスリット105か
ら第2の塗料109を押し出して非磁性支持体107上
の第1の塗料108上に第2の塗料109を重ねて塗布
し、2層の塗膜を形成するようにしている。
【0011】また、図6に示すように、第1の塗料溜ま
り110及びこれに接続される第1のスリット111
と、第2の塗料溜まり112及びこれに接続される第2
のスリット113とを、第1及び第2のスリット11
1,113が一主面114aに臨むように並列して形成
したダイ114を配する例も挙げられる。そして、図5
に示した場合と同様に、非磁性支持体115を図中矢印
2 で示すような方向に走行させ、先ずダイ114の第
1のスリット111から第1の塗料116を押し出して
非磁性支持体115上に第1の塗料116を塗布し、続
いて第2のスリット113から第2の塗料117を押し
出して非磁性支持体115上の第1の塗料116上に第
2の塗料117を重ねて塗布し、2層の塗膜を形成する
ようにしている。なお、この場合においては、第1のス
リット111及び第2のスリット113のドクターエッ
ジとして機能する上下のリップはそれぞれ独立して設け
られており、都合4つのリップが形成されることとな
る。
【0012】さらに、図7に示すように、第1の塗料溜
まり118及びこれに接続される第1のスリット119
と、第2の塗料溜まり120及びこれに接続される第2
のスリット121とを、第1及び第2のスリット11
9,121が一主面122aに臨むように並列して形成
したダイ122を配する例も挙げられる。そして、これ
までの例と同様にして、非磁性支持体123上に第1の
塗料124と第2の塗料125を順次積層塗布して、2
層の塗膜を形成するようにしている。なお、この場合に
おいては、第1のスリット119と第2のスリット12
1間にはさまれるリップが兼用されており、都合3つの
リップが形成されることとなる。
【0013】さらにまた、図8に示すように、第1の塗
料溜まり126及びこれに接続される第1のスリット1
27と、第2の塗料溜まり128及びこれに接続される
第2のスリット129とを、第1及び第2のスリット1
27,129が一主面130aに臨むように並列して形
成したダイ130を配する例も挙げられる。なお、この
とき、第1及び第2のスリット127,129にはさま
れる部分は一主面130a上に出ておらず、第1の塗料
131と第2の塗料132は押し出される直前に液同士
の界面を形成した状態で積層され、この積層された状態
で押し出されることとなり、一主面130a側から見た
場合、1箇所のスリットしか形成されていないように見
える。そして、これまでの例と同様にして、非磁性支持
体133上に第1の塗料131と第2の塗料132を順
次積層塗布して、2層の塗膜を形成するようにしてい
る。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したよ
うな複数層の塗布を行うダイは、1個のブロックに塗料
溜まり及びスリットを機械加工することにより形成され
ている。これは、このように1個のブロックに機械加工
を行えば、好ましい精度が得られる、加工に要する時間
が比較的短時間となるためである。
【0015】上記のようなエクストルージョン型の塗布
装置においては、塗料の粘度及び塗布厚に応じてスリッ
トの厚さ、すなわちスリットギャップを変更する必要が
ある。
【0016】しかしながら、このように1個のブロック
により形成されているダイにおいては、スリットギャッ
プは機械加工時に殆ど決定されるため、塗料の粘度及び
塗布厚に応じたスリットギャップを有するダイをそれぞ
れ用意する必要があり、ランニングコストが高価とな
り、生産性を低下させる要因となる。
【0017】また、上記のような1個のブロックにより
形成されるダイにおいては、ダイ構成材料の弾性を利用
し、スリットギャップ方向に加圧することでスリットギ
ャップを多少変化させることが可能であるが、この調整
幅は非常に小さい。
【0018】さらには、上述のようにダイへの加圧によ
りスリットギャップを多少変化させることが可能である
ものの、スリットは機械加工時に対向するスリット形成
面が平行となるように形成されているため、スリットギ
ャップ方向への加圧によりスリットのテーパーに変化が
生じてしまい、その吐出方向のズレ等が生じ、好ましく
ない。多層の塗膜を形成する場合、通常、最下層となる
塗膜の膜厚は最も厚いものとされるが、この最下層の塗
膜を形成するためのスリットギャップを種々の塗料によ
り変化させた場合には、元々のスリットギャップが比較
的大きいことから、テーパーの変化も大きくなってしま
い好ましくない。
【0019】また、このようなスリットギャップの調整
は、幅方向の塗布厚分布を制御するために、スリットの
幅方向においても均一に行われる必要があるが、上記の
ような方法で行うと、スリットの幅方向に均一に加圧を
行うことが難しいために、スリットギャップの幅方向の
分布にばらつきが生じ易く、幅方向の塗布厚分布の制御
を十分に行うことは難しく、製造歩留まりの低下を招
き、生産性低下の要因となってしまう。
【0020】そこで本発明は、従来の実状に鑑みて提案
されたものであり、スリットギャップの調整が容易で、
生産性の向上を可能とする塗布装置を提供することを目
的とするものである。
【0021】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
めに本発明は、塗料が供給される塗料溜まりを内部に有
し、この塗料溜まりに接続されるスリットが一主面に臨
んで開口するように形成されてなるダイを有し、上記ス
リットより塗料を押し出して塗布を行う塗布装置の少な
くともスリット形成部分を、相対向する対向面が互いに
略平行となるように配され、この対向面間の間隙をスリ
ットとする一対のダイ部材により構成し、これら一対の
ダイ部材のうち少なくともいずれか一方を可動とし、こ
れら対向面間距離を可変としてスリットギャップの調整
を可能とするものである。
【0022】この本発明の塗布装置においては、スリッ
ト形成部分を構成する一対のダイ部材のうちの一方であ
る第1のダイ部材が屈曲し、内側の屈曲面に開口する溝
部を有しており、第2のダイ部材のスリット形成面と隣
合う面が第1のダイ部材の溝部と対向するようになされ
ており、第2のダイ部材と溝部の間に塗料溜まりが形成
されていても良い。
【0023】なお、上記塗布装置においては、第1のダ
イ部材に第2のダイ部材のスリット形成面に相対向する
面に近接するスリットギャップ調整板が設けられ、この
スリットギャップ調整板を貫通して第2のダイ部材の内
部にわたるスリットギャップ拡大用ネジと、スリットギ
ャップ調整板を貫通して第2のダイ部材に当接するスリ
ットギャップ縮小用ネジとが設けられられていても良
い。そして、これらネジによりスリットギャップ調整板
と第2のダイ部材間の距離を変化させる、すなわちスリ
ットギャップ拡大用ネジを締めることにより第2のダイ
部材を引き上げてスリットギャップを拡大し、スリット
ギャップ縮小用ネジを締めることにより第2のダイ部材
を押してスリットギャップを縮小するようにして、スリ
ットギャップを調整しても良い。
【0024】また、本発明の塗布装置においては、スリ
ット形成部分を構成する一対のダイ部材のうちの一方で
ある第1のダイ部材のスリット形成部分の後方側に、他
方のダイ部材である第2のダイ部材とも隣合うようにし
て第3のダイ部材を配し、この第3のダイ部材には第1
及び第2のダイ部材への対向面により形成される角部を
切り欠くような溝部を形成しておき、第1及び第2のダ
イ部材と溝部の間に塗料溜まりを形成するようにしても
良い。
【0025】さらに、上記塗布装置において、第3のダ
イ部材に第2のダイ部材のスリット形成面に相対向する
面に近接するスリットギャップ調整板を設け、このスリ
ットギャップ調整板を貫通して第2のダイ部材の内部に
わたるスリットギャップ拡大用ネジと、スリットギャッ
プ調整板を貫通して第2のダイ部材に当接するスリット
ギャップ縮小用ネジとが設けられるようにしても良い。
そして、これらネジによりスリットギャップ調整板と第
2のダイ部材間の距離を変化させる、すなわちスリット
ギャップ拡大用ネジを締めることにより第2のダイ部材
を引き上げてスリットギャップを拡大し、スリットギャ
ップ縮小用ネジを締めることにより第2のダイ部材を押
してスリットギャップを縮小するようにして、スリット
ギャッップを調整しても良い。
【0026】さらにまた、本発明の塗布装置は、複数の
塗料溜まりとこれに接続される複数のスリットを互いに
隣合うようにして有し、両端の塗料溜まり及びスリット
が前述の少なくともスリット形成部分が一対のダイ部材
により構成され、これらダイ部材の対向面間距離を可変
としてスリットギャップの調整が可能となされているダ
イにより構成されていることを特徴とするものである。
【0027】なお、この塗布装置においては、隣合うス
リットのリップがそれぞれ独立している、或いは隣合う
スリットに挟まれるリップが両スリットのリップとして
兼用されていても良い。
【0028】すなわち、本発明の塗布装置においては、
塗料溜まりとスリットを有するダイの少なくともスリッ
ト形成部分を、相対向する対向面が略平行とされ、これ
ら対向面間にスリットの形成される一対のダイ部材によ
り構成し、これら一対のダイ部材のうち少なくともいず
れか一方を可動とし、これらの対向面間距離を可変とし
てスリットギャップの調整を可能としていることから、
スリットギャップの調整幅が広く、調整も容易である。
また、一対のダイ部材の対向面を略平行な状態に保った
まま少なくともいずれか一方のダイ部材が移動すること
から、スリットギャップを変化させてもスリットのテー
パーが変化してしまうことがない上、スリットギャップ
の調整が幅方向に均一に行われる。
【0029】さらに、この塗布装置においては、スリッ
トギャップの精度がダイ部材の精度とその位置合わせ精
度により決定されることとなり、スリットギャップの精
度の確保が容易で、その加工も容易である。
【0030】さらにまた、本発明の塗布装置において、
スリット形成部分を構成する一方のダイ部材のスリット
形成面に相対向する面に近接するスリットギャップ調整
板を設け、このスリットギャップ調整板を貫通してダイ
部材の内部にわたるスリットギャップ拡大用ネジと、ス
リットギャップ調整板を貫通してダイ部材に当接するス
リットギャップ縮小用ネジとを設ければ、スリットギャ
ップ拡大用ネジを締めることによりダイ部材が引き上げ
られてスリットギャップが拡大され、スリットギャップ
縮小用ネジを締めることによりダイ部材が押されてスリ
ットギャップが縮小されるため、スリットギャップの調
整がさらに容易となる。
【0031】また、本発明の塗布装置においては、複数
の塗料溜まりとこれに接続される複数のスリットを互い
に隣合うようにして有する場合に、両端の塗料溜まり及
びスリットを前述の少なくともスリット形成部分が一対
のダイ部材により構成され、これらダイ部材の対向面間
距離を可変としてスリットギャップの調整が可能となさ
れているダイにより構成しているため、最上層及び最下
層となる塗膜の厚さ調整が容易であり、これら塗膜の厚
さ分布の規制が容易とされるとともに、積層された塗膜
の厚さ分布の規制も容易となる。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明を適用した具体的な
実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明す
る。
【0033】先ず、本発明の塗布装置の組み込まれる塗
布システムについて説明する。なお、ここでは、磁性塗
膜と非磁性塗膜の2層の塗膜を形成し、磁気テープを製
造する塗布システムの例について述べる。
【0034】この塗布システムは、図1に示すように被
塗布物である非磁性支持体1が巻装され、図中矢印M2
で示すように時計回りに回転する巻き出し側ロール2と
この非磁性支持体1を巻き取り、図中矢印M4 で示すよ
うに時計回りで回転する巻き取り側ロール3を有し、非
磁性支持体1が巻き出しロール2側から巻き取りロール
3側に走行する走行系5中途部に磁性塗料及び非磁性塗
料(色剤)を塗布するダイ6を有する本発明を適用した
塗布装置7が配されてなるものである。
【0035】なお、上記巻き出し側ロール2と巻き取り
側ロール3の間には、複数(ここでは6個)の図中矢印
3 で示すように時計回りに回転するガイドロール4
a,4b,4c,4d,4e,4fが配されており、非
磁性支持体1はこの上を所定のテンションを有して図中
矢印M1 で示すように順次走行することとなる。これら
ガイドロール4a,4b,4c,4d,4e,4fにお
いては、ガイドロール4aが巻き出しロール2から送り
出された非磁性支持体1の走行方向を変更し、ガイドロ
ール4cによって再び非磁性支持体1の走行方向を変更
し、ガイドロール4dによってさらに非磁性支持体1の
走行方向を変更し、ガイドロール4fによりさらに非磁
性支持体1の走行方向を変更して巻き取りロール3に巻
き取るようにしており、全体として略四角形をなす走行
系が形成されることとなる。
【0036】そして、走行系5のガイドロール4a,4
b間には磁性塗料及び非磁性塗料の塗布が可能なように
塗布装置7のダイ6が配されている。
【0037】さらに、走行系5のガイドロール4c,4
d間には非磁性支持体1上に塗布された磁性塗料を配向
するとともに乾燥する配向・乾燥部8と乾燥部9よりな
るドライヤー10が配されている。
【0038】上記塗布装置7は、内部に2つの塗料溜ま
りとこれに接続され一主面6aに開口する2つのスリッ
トを有するダイ6と、上記塗料溜まりの一方に例えば磁
性塗料を供給するための塗料供給タンク11aと供給ポ
ンプ12aよりなる供給系13a、上記塗料溜まりの他
方に例えば非磁性塗料を供給するための塗料供給タンク
11bと供給ポンプ12bよりなる供給系13b、磁性
塗料及び非磁性塗料の供給量を制御する制御部14によ
り構成される。なお、この例においては、2層の塗膜を
形成する例について述べていることから、2個の供給系
13a,13bを有することとなる。
【0039】従って、この塗布システムにより磁気テー
プを製造するには、非磁性支持体1を巻き出し側ロール
2から送り出し、ガイドロール4a上を走行させ、ダイ
6により磁性塗料及び非磁性塗料よりなる2層の塗膜を
形成し、ガイドロール4b,4c上を順次走行させた
後、ドライヤー10内において磁性塗料の配向及び乾燥
を行い、ガイドロール4d,4e,4f上を順次走行さ
せて巻き取り側ロール3に巻き取れば良い。
【0040】なお、上記非磁性支持体1としては、この
種の磁気テープにおいて一般的に使用されるものを使用
すれば良く、例えばポリエチレンテレフタレート(PE
T)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、アラミド
等のプラスチックフィルムやアルミ箔等の金属フィルム
等が挙げられる。
【0041】また、磁性塗料としても、この種の磁気テ
ープにおいて一般的に使用されるものを使用すれば良
い。
【0042】非磁性塗料としても、この種の磁気テープ
において一般的に使用されるものを使用すれば良い。
【0043】そして、本発明を適用した塗布装置7にお
いては、図2に示すように、ダイ6が、屈曲して断面略
L字状をなす第1のダイ部材21と断面略I字状の第2
のダイ部材22よりなる第1のダイ26と、上記第1の
ダイ26の第1のダイ部材21を第1のダイ部材として
兼用し、断面略L字状をなす第3のダイ部材27と断面
略I字状の第2のダイ部材28よりなる第2のダイ29
により構成されている。
【0044】なお、これら第1のダイ部材21及び第2
のダイ部材22,28、第3のダイ部材27は、従来の
ダイを構成する材料等を機械加工することにより形成さ
れる。
【0045】第1のダイ26を構成する第1のダイ部材
21においては、内側の屈曲面となる一主面21aに開
口するように断面略コ字状の溝部23が形成されてい
る。この溝部23の一方の側面23aは傾斜面とされて
おり、相対向する側面23bよりも突出した面となされ
ている。
【0046】一方の第2のダイ部材22は、第1のダイ
部材21の一主面21a及び溝部23の側面23aの突
出部分に、当該第2のダイ部材22の隣合う2つの主面
22a,22bがそれぞれ相対向するようになされてお
り、側面23aに相対向する主面22bは該側面23a
と平行となるような傾斜面とされている。なお、上記第
1のダイ部材21と第2のダイ部材22間は、第2のダ
イ部材22を貫通する貫通孔30を介して第1のダイ部
材21の一主面21a側に止まり孔として形成されるネ
ジ孔31にネジ32を配してネジ止めすることにより固
定される。このとき、第2のダイ部材22に形成される
貫通孔30はネジ32の軸部の直径よりも大きな径を有
する孔として形成されている。
【0047】従って、溝部23と第2のダイ部材22間
に塗料溜まり24が形成され、第2のダイ部材22の一
主面22bと溝部23の側面23aの突出部分の対向部
分の間隙により第1のダイ26の非磁性支持体への対向
面となる一主面6aに臨むスリット25が形成されるこ
ととなる。なお、上記塗料溜まり24及びスリット25
は溝部23を第2のダイ部材22により区分することに
より形成されるため、当然のことながら接続されてい
る。
【0048】そして、この第1のダイ26においては、
第1のダイ部材21の溝部23の側面23bに相対向
し、外側の面となる一主面21bに板状のスリットギャ
ップ調整板33が設けられている。このスリットギャッ
プ調整板33は第1のダイ部材21の一主面21aより
も突出するように配されており、その突出部分が第2の
ダイ部材22のスリット形成面となる一主面22bと対
向する主面22cに近接して平行に相対向するようにな
されている。なお、このスリットギャップ調整板33と
第1のダイ部材21間は、スリットギャップ調整板33
に貫通して形成される貫通孔34を介して第1のダイ部
材21に止まり孔として形成されるネジ孔35にネジ3
6をネジ止めすることにより固定される。
【0049】また、このスリットギャップ調整板33と
第2のダイ部材22の対向部分においては、図3に拡大
して示すように、スリットギャップ調整板33を貫通す
る貫通孔37を介して第2のダイ部材22の一主面22
cに臨んで止まり孔として形成されるネジ孔38内に達
するようにスリットギャップ拡大用ネジ39が配される
とともに、スリットギャップ調整板33を貫通するネジ
孔40を介して第2のダイ部材22の一主面22cに当
接するようにスリットギャップ縮小用ネジ41が配され
ている。なお、スリットギャップ拡大用ネジ39はその
一端がスリットギャップ調整板33に固定されている。
【0050】すなわち、スリットギャップ拡大用ネジ3
9を締めると、その一端がスリットギャップ調整板33
に固定されていることから、他端が第2のダイ部材22
に設けられたネジ孔38内を進むこととなる。そしてこ
のとき、第2のダイ部材22を第1のダイ部材21に固
定するための貫通孔30をネジ32の軸部よりも大径と
していることから、第2のダイ部材22は貫通孔30の
あそびの範囲内であれば図中上下方向に可動とされてお
り、第2のダイ部材22が図中矢印M4 で示すように図
中上方に移動することとなる。
【0051】一方のスリットギャップ縮小用ネジ41を
締めると、スリットギャップ縮小用ネジ41がネジ孔4
0内を進むことから、当接している第2のダイ部材22
を押すこととなり、上述のように第2のダイ部材22は
貫通孔30のあそびの範囲内であれば図中上下方向に可
動とされていることから、第2のダイ部材22は図中矢
印M5 で示すように図中下方に移動することとなる。
【0052】このとき、スリットギャップ調整板33の
突出部分は第2のダイ部材22に対して平行に相対向し
ていることから、スリットギャップ拡大用ネジ39及び
スリットギャップ縮小用ネジ41により第2のダイ部材
22を図中上下方向に移動させると、平行に移動するこ
ととなる。従って、第2のダイ部材22のスリット形成
面となる一主面22bは第1のダイ部材21のスリット
形成面となる溝部23の一側面23aに対して平行に移
動することとなり、スリットギャップが可変であり、ス
リットギャップを変化させてもスリット25のテーパー
が変化することはない。
【0053】第2のダイ29は、上述のように第1のダ
イ26の第1のダイ部材21を第1のダイ部材として兼
用し、その他断面略L字状をなす第3のダイ部材27と
第2のダイ部材28により構成されるものである。
【0054】すなわち、隣合う主面27a,27cによ
り形成される角部を切り欠くような溝部42が形成さ
れ、断面略L字状となされる第3のダイ部材27が、第
1のダイ部材21のスリットギャップ調整板33の設け
られる一主面21bと対向する外側の面である一主面2
1cに対して一主面27cが対向するように配され、ま
た断面略I字状の第2のダイ部材28が隣合う主面28
a,28bがそれぞれ第3のダイ部材27の主面27a
及び第1のダイ部材21の一主面21cに対向するよう
に配されてなるものである。なお、上記第1のダイ部材
21の一主面21cと第2のダイ部材28の一主面28
bは平行に相対向するようになされている。
【0055】上記第1のダイ部材21と第3のダイ部材
27においては、対向面となる一主面21cが一主面2
7cよりも突出しており、この一主面21cの突出部分
に第2のダイ部材28の一主面28bが対向することと
なる。
【0056】なお、上記第2のダイ部材28と第3のダ
イ部材27間は、第2のダイ部材28を貫通する貫通孔
45を介して第3のダイ部材27の一主面27a側に止
まり孔として形成されるネジ孔46にネジ47を配して
ネジ止めすることにより固定される。このとき、第2の
ダイ部材28に形成される貫通孔45はネジ47の軸部
の直径よりも大きな径を有する孔として形成されてい
る。
【0057】従って、第3のダイ部材27の溝部42と
第1及び第2のダイ部材21,28間に塗料溜まり43
が形成され、第1のダイ部材21の対向面となる一主面
21cと第2のダイ部材28の対向面となる一主面28
b間に一主面6aに臨むスリット44が形成されること
となる。上記塗料溜まり43とスリット44は第1のダ
イ部材21の一主面21cに沿って形成されることから
接続されていることは言うまでもない。さらに、第1の
ダイ部材21を兼用していることから、第1のダイ26
のスリット25と第2のダイ29のスリット44が隣合
うことは言うまでもない。なお、この場合、第1のダイ
部材21の溝部23の側面23aと一主面21cの交差
部分により形成される角部よりなり、ドクターエッジと
して機能するリップは第1のダイ26のスリット25及
び第2のダイ29のスリット44の片側のリップとして
兼用されることとなる。
【0058】そして、この第2のダイ29においては、
第3のダイ部材27の第1のダイ部材21への対向面と
なる一主面27cに相対向し、外側の面となる一主面2
7bに板状のスリットギャップ調整板48が設けられて
いる。このスリットギャップ調整板48は第3のダイ部
材27の一主面27aよりも突出するように配されてお
り、その突出部分が第2のダイ部材28のスリット形成
面となる一主面28bと対向する主面28cに近接して
平行に相対向するようになされている。なお、このスリ
ットギャップ調整板48と第3のダイ部材27間は、ス
リットギャップ調整板48に貫通して形成される貫通孔
49を介して第3のダイ部材27に止まり孔として形成
されるネジ孔50にネジ51をネジ止めすることにより
固定される。
【0059】また、このスリットギャップ調整板48と
第2のダイ部材28の対向部分においては、第1のダイ
26と同様に、スリットギャップ調整板48を貫通する
貫通孔を介して第2のダイ部材28に止まり孔として形
成されるネジ孔内に達する図示しないスリットギャップ
拡大用ネジと、スリットギャップ調整板48を貫通する
ネジ孔を介して第2のダイ部材28に当接する図示しな
いスリットギャップ縮小用ネジが配されている。
【0060】すなわち、この第2のダイにおいてもスリ
ットギャップ拡大用ネジを締めると、第1のダイ部材2
1と第2のダイ部材28の対向面21c,28b間の距
離が大きくなり、一方のスリットギャップ縮小用ネジを
締めると、上記対向面21c,28b間の距離が小さく
なってスリットギャップが可変となされる。また、この
とき、スリットギャップ調整板48の突出部分は第2の
ダイ部材28に対して平行に対向していることから、ス
リットギャップ拡大用ネジ及びスリットギャップ縮小用
ネジによりスリットギャップを変化させても、スリット
44のテーパーが変化することはない。
【0061】なお、この例においては、ダイ6の第1及
び第2のダイ26,29の塗料溜まり24,43内に塗
料供給管52,53がそれぞれ配されている例を示し、
例えば第1のダイ26により非磁性塗料を塗布し、第2
のダイ29により磁性塗料を塗布するようにすれば良
い。
【0062】すなわち、本例の塗布装置においては、塗
料溜まり24,43とスリット25,44を有する第1
及び第2のダイ26,29のスリット形成部分を、相対
向する対向面が略平行とされ、これら対向面間にスリッ
トの形成される第1のダイ部材21と第2のダイ部材2
2或いは第1のダイ部材21と第2のダイ部材28によ
り構成し、第2のダイ部材22,28を可動とし、これ
らの対向面間距離を可変としてスリットギャップの調整
を可能としていることから、スリットギャップの調整幅
が広く、調整も容易である。従って、従来のように、種
々のスリットギャップに応じたダイをそれぞれ用意する
必要がなく、ランニングコストを低下させることが可能
であり、生産性を向上することが可能である。また、塗
布中にスリットギャップを変更することも可能である。
【0063】さらに、一対のダイ部材の対向面を略平行
な状態に保ったまま少なくともいずれか一方のダイ部材
が移動することから、スリットギャップを変化させても
スリットのテーパーが変化してしまうことがない上、ス
リットギャップの調整が幅方向に均一に行われ、吐出方
向のズレや幅方向の塗布厚分布のばらつきが抑えられ、
生産性が向上される。
【0064】さらにまた、この塗布装置においては、ス
リットギャップの精度が各ダイ部材の精度とその位置合
わせ精度により決定されることとなり、スリットギャッ
プの精度の確保が容易で、その加工も容易である。特に
隣合うスリットに挟まれるリップを兼用させることで部
材の数を比較的少なくすることが可能であり、製造コス
トの低下にもつながる。
【0065】また、この塗布装置においては、スリット
ギャップの調整をスリットギャップ調整板と、スリット
ギャップ拡大用ネジ,スリットギャップ縮小用ネジによ
り行っており、スリットギャップの調整が非常に容易で
ある。
【0066】本発明を適用した塗布装置としては、ダイ
6が以下に示すような構造を有するものも挙げられる。
すなわち、図4に示すように、ダイ6が、第1のダイ部
材61と第2のダイ部材62と第3のダイ部材63によ
り構成される第1のダイ64と、第1のダイ部材61を
兼用し第2のダイ部材65と第3のダイ部材66により
構成される第2のダイ67により構成されるものが挙げ
られる。
【0067】上記第1のダイ64を構成する第3のダイ
部材63は、隣合う主面63a,63cにより形成され
る角部を切り欠くような溝部68が形成され、断面略L
字状となされており、一主面63cが板状の第1のダイ
部材61の一方の主面61aに対向するように配されて
いる。
【0068】また、第1のダイ64を構成する第2のダ
イ部材62は、断面略I字状であり、隣合う主面62
a,62bがそれぞれ第3のダイ部材63の主面63a
及び第1のダイ部材61の一主面61aにそれぞれ対向
するように配されている。なお、上記第1のダイ部材6
1の一主面61aと第2のダイ部材62の一主面62b
は平行に相対向するようになされている。
【0069】上記第1のダイ部材61と第3のダイ部材
63においては、対向面となる一主面61aが一主面6
3cよりも突出しており、この一主面61aの突出部分
に第2のダイ部材62の一主面62bが対向することと
なる。そして、第1のダイ部材61と第2のダイ部材6
2の対向面先端側にはそれぞれドクターエッジとして機
能するリップ69,70が形成されている。
【0070】なお、上記第2のダイ部材62と第3のダ
イ部材63間は、第2のダイ部材62を貫通する貫通孔
71を介して第3のダイ部材63の一主面63a側に止
まり孔として形成されるネジ孔72にネジ73を配して
ネジ止めすることにより固定される。このとき、第2の
ダイ部材62に形成される貫通孔71はネジ73の軸部
の直径よりも大きな径を有する孔として形成されてい
る。
【0071】従って、第3のダイ部材63の溝部68と
第1及び第2のダイ部材61,62間に塗料溜まり74
が形成され、第1のダイ部材61の対向面となる一主面
61aと第2のダイ部材62の対向面となる一主面62
b間の間隙にスリット75が形成されることとなる。上
記塗料溜まり74とスリット75は第1のダイ部材61
の一主面61aに沿って形成されることから接続されて
いることは言うまでもない。
【0072】そして、この第1のダイ64においては、
第3のダイ部材63の第1のダイ部材61への対向面と
なる一主面63cに相対向し、外側の面となる一主面6
3bに板状のスリットギャップ調整板76が設けられて
いる。このスリットギャップ調整板76は第3のダイ部
材63の一主面63aよりも突出するように配されてお
り、その突出部分が第2のダイ部材62のスリット形成
面となる一主面62bと対向する主面62cに近接して
平行に相対向するようになされている。なお、このスリ
ットギャップ調整板76と第3のダイ部材63間は、ス
リットギャップ調整板76に貫通して形成される貫通孔
77を介して第3のダイ部材63に止まり孔として形成
されるネジ孔78にネジ79をネジ止めすることにより
固定される。
【0073】また、このスリットギャップ調整板76と
第2のダイ部材62の対向部分においては、前述の例と
同様に、スリットギャップ調整板76を貫通する貫通孔
を介して第2のダイ部材62に止まり孔として形成され
るネジ孔内に達する図示しないスリットギャップ拡大用
ネジと、スリットギャップ調整板76を貫通するネジ孔
を介して第2のダイ部材62に当接する図示しないスリ
ットギャップ縮小用ネジが配されている。
【0074】すなわち、この第1のダイ64においても
スリットギャップ拡大用ネジを締めると、第1のダイ部
材61と第2のダイ部材62の対向面61a,62b間
の距離が大きくなり、一方のスリットギャップ縮小用ネ
ジを締めると、上記対向面61a,62b間の距離が小
さくなってスリットギャップが可変となされる。また、
このとき、スリットギャップ調整板76の突出部分は第
2のダイ部材62に対して平行に相対向していることか
ら、スリットギャップ拡大用ネジ及びスリットギャップ
縮小用ネジによりスリットギャップを変化させても、ス
リット75のテーパーが変化することはない。
【0075】一方の第2のダイ67においても同様であ
り、第1のダイ64の第2及び第3のダイ部材62,6
3と同様の第2及び第3のダイ部材65,66を第1の
ダイ部材61の一主面61aに相対向する一主面61b
に対向するように配し、固定している。
【0076】従って、第3のダイ部材66の溝部80と
第1及び第2のダイ部材61,65間に塗料溜まり81
が形成され、第1及び第2のダイ部材61,66の対向
面61b,65b間に塗料溜まり81に接続されるスリ
ット82が形成される。なお、第1のダイ部材61と第
2のダイ部材65の対向部分先端にはそれぞれドクター
エッジとして機能するリップ83,84が形成されてい
る。さらに、第1のダイ部材61を兼用していることか
ら、第1のダイ64のスリット75と第2のダイ67の
スリット82が隣合うことは言うまでもない。
【0077】また、この第2のダイ67においても、第
1のダイ64と同様に、スリットギャップ調整板85と
図示しないスリットギャップ拡大用ネジ及びスリットギ
ャップ縮小用ネジが設けられており、スリット82のス
リットギャップを変化させることが可能であり、このよ
うに変化させる際にスリットのテーパーが変化すること
もない。
【0078】なお、この例においても、ダイ6の第1及
び第2のダイ64,67の塗料溜まり74,81内に塗
料供給管86,87がそれぞれ配されている例を示す。
【0079】すなわち、本例の塗布装置においても、前
述の塗布装置と同様に、塗料溜まり74,81とスリッ
ト75,82を有する第1及び第2のダイ64,67の
スリット形成部分を、相対向する対向面が略平行とさ
れ、これら対向面間にスリットの形成される第1のダイ
部材61と第2のダイ部材62或いは第1のダイ部材6
1と第2のダイ部材65により構成し、第2のダイ部材
62,65を可動とし、これらの対向面間距離を可変と
してスリットギャップの調整を可能としていることか
ら、前述の塗布装置と同様の効果を有し、生産性を向上
させることが可能である。
【0080】さらに、この塗布装置においては、スリッ
トギャップの精度が各ダイ部材の精度とその位置合わせ
精度により決定されることとなり、スリットギャップの
精度の確保が容易で、その加工も容易である。特に隣合
うスリットのリップをそれぞれ独立しているものとする
と、部材の数は多くなるが、部材の加工が容易となる。
【0081】また、この塗布装置においては、スリット
ギャップの調整をスリットギャップ調整板と、スリット
ギャップ拡大用ネジ,スリットギャップ縮小用ネジによ
り行っており、スリットギャップの調整が非常に容易で
ある。
【0082】なお、先に述べた構造の塗布装置及び上述
の塗布装置に使用されるダイ6においてはスリットの調
整幅が10〜500μmとなり、従来のダイが5μ程
度、40μm程度であったのに比較してかなり広くなっ
たことも確認された。
【0083】これまでの例においては、2層の塗膜を形
成する塗布装置の例について述べてきたが、本発明は多
層の塗膜を形成する塗布装置にも適用可能であり、この
場合最上層及び最下層となる塗膜を形成する塗料溜まり
及びスリットを上述の塗布装置に使用したスリットギャ
ップ可変のダイにより構成するのが好ましい。
【0084】このようにすれば、最上層及び最下層とな
る塗膜の厚さ調整が容易であり、これら塗膜の厚さ分布
の規制が容易とされるとともに、積層された塗膜の厚さ
分布の規制も容易となり、生産性が向上する。
【0085】さらに、本発明の塗布装置は、単層の塗膜
を形成する塗布装置にも適用可能である。
【0086】さらにまた、上述の例においては、2層の
塗膜を形成するスリットがそれぞれ独立して形成されて
いる例について述べたが、本発明は2層の塗膜を被塗布
物上に押し出す前に液同士の界面を有して積層する塗布
装置にも適用可能である。
【0087】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明の塗布装置においては、塗料溜まりとスリットを有す
るダイの少なくともスリット形成部分を、相対向する対
向面が略平行とされ、これら対向面間にスリットの形成
される一対のダイ部材により構成し、これら一対のダイ
部材のうち少なくともいずれか一方を可動とし、これら
の対向面間距離を可変としてスリットギャップの調整を
可能としていることから、スリットギャップの調整幅が
広く、調整も容易であり、従来のように種々のスリット
ギャップに応じたダイをそれぞれ用意する必要がなく、
生産性の向上につながる。また、塗布中にスリットギャ
ップを変更することも可能である。
【0088】さらに、一対のダイ部材の対向面を略平行
な状態に保ったまま少なくともいずれか一方のダイ部材
が移動することから、スリットギャップを変化させても
スリットのテーパーが変化してしまうことがなく、スリ
ットギャップの調整が幅方向に均一に行われ、吐出方向
のズレや幅方向の塗布厚分布のばらつきが抑えられ、生
産性が向上される。
【0089】さらにまた、この塗布装置においては、ス
リットギャップの精度がダイ部材の精度とその位置合わ
せ精度により決定されることとなり、スリットギャップ
の精度の確保が容易で、その加工も容易である。
【0090】さらに、本発明の塗布装置において、スリ
ット形成部分を構成する一方のダイ部材のスリット形成
面に相対向する面に近接するスリットギャップ調整板を
設け、このスリットギャップ調整板を貫通してダイ部材
の内部にわたるスリットギャップ拡大用ネジと、スリッ
トギャップ調整板を貫通してダイ部材に当接するスリッ
トギャップ縮小用ネジとを設ければ、スリットギャップ
拡大用ネジを締めることによりダイ部材が引き上げられ
てスリットギャップが拡大され、スリットギャップ縮小
用ネジを締めることによりダイ部材が押されてスリット
ギャップが縮小されるため、スリットギャップの調整が
さらに容易となる。
【0091】また、本発明の塗布装置においては、複数
の塗料溜まりとこれに接続される複数のスリットを互い
に隣合うようにして有する場合に、両端の塗料溜まり及
びスリットを前述の少なくともスリット形成部分が一対
のダイ部材により構成され、これらダイ部材の対向面間
距離を可変としてスリットギャップの調整が可能となさ
れているダイにより構成しているため、最上層及び最下
層となる塗膜の厚さ調整が容易であり、これら塗膜の厚
さ分布の規制が容易とされるとともに、積層された塗膜
の厚さ分布の規制も容易となり、生産性が向上される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した塗布装置の組み込まれる塗布
システムを示す模式図である。
【図2】本発明を適用した塗布装置のダイの一例を拡大
して示す断面図である。
【図3】本発明を適用した塗布装置のダイのスリットギ
ャップ調節部分を拡大して示す断面図である。
【図4】本発明を適用した塗布装置のダイの他の例を拡
大して示す断面図である。
【図5】従来の塗布装置のダイの一例を拡大して示す断
面図である。
【図6】従来の塗布装置のダイの他の例を拡大して示す
断面図である。
【図7】従来の塗布装置のダイの他の例を拡大して示す
断面図である。
【図8】従来の塗布装置のダイの他の例を拡大して示す
断面図である。
【符号の説明】 6 ダイ 21,61 第1のダイ部材 22,28,62,65 第2のダイ部材 23,42,68,80 溝部 24,43,74,81 塗料溜まり 25,44,75,82 スリット 26,64 第1のダイ 29,67 第2のダイ 33,48,76,85 スリットギャップ調整板 39 スリットギャップ拡大用ネジ 41 スリットギャップ縮小用ネジ 27,63,66 第3のダイ部材
フロントページの続き (72)発明者 佐藤 章吾 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塗料の供給される塗料溜まりを内部に有
    し、この塗料溜まりに接続されるスリットが一主面に臨
    んで開口するように形成されてなるダイを有し、上記ス
    リットより塗料を押し出して塗布を行う塗布装置におい
    て、 少なくともスリット形成部分が、相対向する対向面が互
    いに略平行となるように配される一対のダイ部材により
    構成され、この対向面間の間隙によりスリットが形成さ
    れており、これら一対のダイ部材のうち少なくともいず
    れか一方がこれらの対向面間距離を可変とするために可
    動とされており、この対向面間距離を変化させることに
    よりスリットギャップの調整が可能となされていること
    を特徴とする塗布装置。
  2. 【請求項2】 スリット形成部分を構成する一対のダイ
    部材のうちの一方である第1のダイ部材が屈曲し、内側
    の屈曲面に開口する溝部を有しており、第2のダイ部材
    のスリット形成面と隣合う面が第1のダイ部材の溝部と
    対向するようになされており、第2のダイ部材と溝部の
    間に塗料溜まりが形成されていることを特徴とする請求
    項1記載の塗布装置。
  3. 【請求項3】 第1のダイ部材に第2のダイ部材のスリ
    ット形成面に相対向する面に近接するスリットギャップ
    調整板が設けられ、このスリットギャップ調整板を貫通
    して第2のダイ部材の内部にわたるスリットギャップ拡
    大用ネジと、スリットギャップ調整板を貫通して第2の
    ダイ部材に当接するスリットギャップ縮小用ネジとが設
    けられ、これらネジによりスリットギャップ調整板と第
    2のダイ部材間の距離を変化させ、第1及び第2のダイ
    部材のスリット形成面間距離を変化させることを特徴と
    する請求項2記載の塗布装置。
  4. 【請求項4】 スリット形成部分を構成する一対のダイ
    部材のうちの一方である第1のダイ部材のスリット形成
    部分の後方側に、他方のダイ部材である第2のダイ部材
    とも隣合うようにして第3のダイ部材が配され、この第
    3のダイ部材には第1及び第2のダイ部材への対向面に
    より形成される角部を切り欠くような溝部が形成されて
    おり、第1及び第2のダイ部材と溝部の間に塗料溜まり
    が形成されていることを特徴とする請求項1記載の塗布
    装置。
  5. 【請求項5】 第3のダイ部材に第2のダイ部材のスリ
    ット形成面に相対向する面に近接するスリットギャップ
    調整板が設けられ、このスリットギャップ調整板を貫通
    して第2のダイ部材の内部にわたるスリットギャップ拡
    大用ネジと、スリットギャップ調整板を貫通して第2の
    ダイ部材に当接するスリットギャップ縮小用ネジとが設
    けられ、これらネジによりスリットギャップ調整板と第
    2のダイ部材間の距離を変化させ、第1及び第2のダイ
    部材のスリット形成面間距離を変化させることを特徴と
    する請求項4記載の塗布装置。
  6. 【請求項6】 複数の塗料溜まりとこれに接続される複
    数のスリットを互いに隣合うようにして有し、両端の塗
    料溜まり及びスリットが請求項1記載の塗布装置のダイ
    により構成されていることを特徴とする塗布装置。
  7. 【請求項7】 隣合うスリットのリップがそれぞれ独立
    していることを特徴とする請求項6記載の塗布装置。
  8. 【請求項8】 隣合うスリットに挟まれるリップが両ス
    リットのリップとして兼用されていることを特徴とする
    請求項6記載の塗布装置。
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