図1は本実施形態によるスロットマシン1の外観を示す正面図である。
スロットマシン1の本体中央部のキャビネット内部には3個のリール2,3,4が回転自在に設けられている。これらリール2,3,4は遊技に使用される種々の図柄を複数列に可変表示させる可変表示手段を構成している。各リール2,3,4の外周面には複数種類の図柄(以下、シンボルという)から成るシンボル列が描かれている。これら各リール2〜4の前部には液晶表示装置39が設けられており、この液晶表示装置39に形成された表示窓5,6,7を通して、各リール2,3,4の外周面に描かれたシンボルがそれぞれ3個ずつ観察される。液晶表示装置39には、1本の入賞ラインL1が設けられている。また、表示窓5〜7の下方右側には、遊技者が遊技媒体であるメダルを入れるためのメダル投入口8が設けられている。ゲーム開始に先立って、遊技者がメダル投入口8からメダルを投入すると、入賞ラインL1が有効化される。
また、表示窓5〜7の左方の機器前面パネル38には、上部から、4個の遊技動作表示器9〜12、3個のBETランプ13〜15、貯留枚数表示部16、およびスタートランプ17が設けられている。遊技動作表示器9〜12およびBETランプ13〜15は遊技状態に応じて点灯制御され、その時の遊技状態が遊技者に知らされる。貯留枚数表示部16は、3桁の7セグメントLED(発光ダイオード)からなり、機械内部に現在クレジットされているメダル数を表示する。スタートランプ17は各リール2〜4が作動可能な時に点滅する。
また、表示窓5〜7の右方の機器前面パネル38には、上部から、ボーナスカウント表示部18、WINランプ19、配当枚数表示部20、およびインサートランプ21が設けられている。ボーナスカウント表示部18は、3桁の7セグメントLEDからなり、ボーナスゲーム入賞時に、RBゲームおよびジャックゲームの残り入賞可能回数をデジタル表示する。WINランプ19は有効化入賞ラインに入賞組み合わせのシンボルが揃った時に点灯する。配当枚数表示部20は、3桁の7セグメントLEDからなり、入賞によるメダル払い出し枚数を表示する。インサートランプ21はメダル投入口8にメダルの投入が受付可能な時に点灯する。
また、液晶表示装置39は後述する液晶パネル39cが電気的表示パネルとして積層されて構成されており、この液晶パネル39cには種々の遊技情報や遊技演出画像が表示される。左方の機器前面パネル38の下方には十字キー23、「○」ボタン24、「×」ボタン25、1貯留メダル投入スイッチ26、2貯留メダル投入スイッチ27、および3貯留メダル投入スイッチ28が設けられている。十字キー23は上下左右の4方向にスイッチ操作され、「○」ボタン24および「×」ボタン25と共に操作されて液晶パネル39cに表示する情報を選択する際に使用される。また、貯留メダル投入スイッチ26〜28は、貯留枚数表示部16にメダル数が表示されてクレジットされている際に、メダル投入口8へのメダル投入に代えて1回のゲームに1〜3枚のメダルを賭ける際に使用される。
また、液晶表示装置39の下方には、左側から、貯留メダル精算スイッチ29、スタートレバー30、および停止ボタン31,32,33が設けられている。貯留メダル精算スイッチ29は機械内部にクレジットされているメダルを精算する際に使用される。また、スタートレバー30の操作により各リール2〜4の回転が一斉に開始する。停止ボタン31〜33は、各リール2〜4に対応して配置されており、これら各リール2〜4の回転が一定速度に達したとき操作が有効化され、遊技者の操作に応じて各リール2〜4の回転を停止する。
また、スロットマシン1の正面下部にはメダル受皿34が設けられている。このメダル受皿34はメダル払出口35から払い出されるメダルを貯めるものである。また、スロットマシン1の正面上部には、入賞に対してどれだけのメダルが払い出されるかを示す配当表示部36が設けられている。
図2は液晶表示装置39の縦断面図である。同図に示すように、液晶表示装置39は、各リール2,3,4の前部に設けられている。液晶表示装置39は、機器前面側から、透明アクリル板39a,光偏向シート39b,液晶パネル39c,拡散シート39d,導光板39e,反射シート39f,放熱板39g,リアフレーム39h,および帯電防止シート39iが配置されて構成されている。また、導光板39eの上端及び下端には、それぞれ冷陰極管40が設けられており、ランプリフレクタ39jによって覆われている。
透明アクリル板39aは、液晶パネル39c等を保護する。光偏向シート39bは、冷陰極管40から拡散シート39d、液晶パネル39cを介して透過した光の向きを直線光に変える。液晶パネル39cは、各リール2〜4の前面に配置されて各リール2〜4が透視されるITOなどからなる透明な電気的表示パネルである。拡散シート39dは、光透過性の樹脂シートからなり、遊技者方向の面に配光性を持たせ、導光板39eから出射された光を一様に均一にさせ、液晶パネル39c全体の光量を均一化する。なお、本実施形態では、光の輝度が増す効果が得られるため、拡散シート39dを2枚使用した構成としているが、必ずしも2枚必要ではない。拡散シート39dは、設計や用途によって使用方法を変えることができ、また、必ずしも備える必要はない。
導光板39eは、レンズカットが形成されており、上下端に設けられた冷陰極管40から発生した線状の光を、液晶パネル39cに入射するための面光源に変換する透明樹脂の板である。導光板39eの背面にはドット印刷部39e1が設けられている。ドット印刷部39e1には、ドットパターンが印刷されている。ドットパターンを構成するドットの密度は、ドット印刷部39e1の上下端側に比べて中央部側が濃くなっている。なお、同図においてはドット印刷部39e1の密度イメージを厚さをもって表している。また、ドット印刷でなく溝加工を施してもよい。反射シート39fは、冷陰極管40から導光板39eに出射された光を液晶パネル39c側へ入射させる反射板である。反射シート39fは、冷陰極管40や導光板39eを覆い、冷陰極管40や導光板39eから漏れた光を導光板39eへ戻し、光を再利用する。放熱板39gは、放熱のために使用される金属製の板である。発熱のために誤作動する可能性がある部品の冷却のために使用されている。
リアフレーム39hは、白色の樹脂板からなり、液晶表示装置39の最背面を構成し、液晶表示装置39の保護および反射シートの役割も有する。帯電防止シート39iは、透明で、リアフレーム39hの背面に両面テープで接着されており、静電気を防止する。ランプリフレクタ39jは、冷陰極管40付近の光を外部に逃がさないようにする。冷陰極管40は、導光板39eに紫外光を入射させる光源である。この光源としては他に蛍光管やLED等を用いることもできる。
透明アクリル板39a,光偏向シート39b,液晶パネル39c,拡散シート39d,導光板39e,反射シート39f,放熱板39g,リアフレーム39h,帯電防止シート39i,冷陰極管40およびランプリフレクタ39jは、液晶表示装置39を構成している。液晶表示装置39には透過表示領域39kが設けられている。透過表示領域39kは表示窓5〜7を構成しており、透過表示領域39kで画される液晶パネル39cを通してリール2〜4上に表されたシンボルが視認される。液晶パネル39cは、リール2〜4によって停止表示されたシンボルの投影部分のみを所定の色、具体的には透明に表示する。
各リール2〜4は図3に示す回転リールユニットとして構成されており、フレーム41にブラケット42を介して取り付けられている。各リール2〜4はリールドラム43の外周にリール帯44が貼られて構成されている。リール帯44の外周面にはシンボル列が描かれている。また、各ブラケット42にはステッピングモータ45が設けられており、各リール2〜4はこれらモータ45が駆動されて回転する。
各リール2〜4の構造は図4に示される。なお、同図において図3と同一部分には同一符号を付してその説明は省略する。同図(a)に示すように、リール帯44の背後のリールドラム43内部にはランプケース46が設けられており、このランプケース46の3個の各部屋にはそれぞれリールバックランプ47a,47b,47cが取り付けられている。これらバックランプ47a〜47cは、同図(b)に示すように、異なる複数の色を発光するLED47が基板48に取り付けられて構成されており、基板48はランプケース46の背面に取り付けられている。各バックランプ47a〜47cの点灯により、リール帯44に描かれたシンボルの内、各バックランプ47の前部に位置する3個のシンボルが背後から個別に照らし出され、各表示窓5〜7にそれぞれ3個ずつのシンボルが映し出される。また、ブラケット42にはホトセンサ49が取り付けられている。このホトセンサ49は、リールドラム43に設けられた遮蔽板50がリールドラム43の回転に伴ってホトセンサ49を通過するのを検出する。
図5は、左,中,右の各リール2,3,4の各リール帯44に表された複数種類のシンボルが、21個配列されたシンボル列を示している。各シンボルには“0”〜“20”のコードナンバーが付され、データテーブルとして後で説明するプログラムROM65(図11参照)にこのコードナンバーが格納されている。各リール2,3,4上には、“BAR”、“スイカ”、“リプレイ”、“ベル”および“チェリー”のシンボルで構成されるシンボル列が表されている。各リール2,3,4は、シンボル列が図5の矢印方向に移動するように回転駆動される。
図6は、各遊技状態における入賞シンボル組合せに対応する役、配当(払出枚数)、および1枚のメダルが遊技に賭けられた場合における各役に割り当てられた当選確率を示す。
本実施形態によるパチスロ機1の遊技状態には、「一般遊技状態」、「RB持越状態(内部当選状態)」、および「RB遊技状態」がある。これら4種類の各遊技状態は、基本的に、内部当選する可能性のある役の種類により区別される。
「RB持越状態」は、RBに内部当選した後、RB役のボーナス当選フラグが、RBの入賞が実際に成立するまでの間、次回以降のゲームに持ち越され、当選役として保持される「一般遊技状態」である。その他の役の当選フラグは、内部当選した単位遊技においてだけ有効であり、次回の遊技には持ち越されない。
図6に示すように、RBの入賞は、RB持越状態において“BAR−BAR−BAR”が有効化入賞ラインに沿って並ぶことにより成立する。RBの入賞が成立すると、その時点でのメダル払い出しはないが、遊技状態がRB状態となる。一般遊技状態におけるRBの当選確率は、1/256である。なお、ゲームに賭けられたメダル枚数が2枚、3枚と増えるに従い、この当選確率も高くなるように設定されている。
RB遊技状態において“リプレイ−リプレイ−リプレイ”が並ぶことにより、役物の入賞が成立する。役物の入賞成立回数が“8回”となったとき、遊技状態が変化する。ここで、役物の入賞が成立する可能性のあるRB遊技状態のゲームは、一般に「JAC(ジャック)ゲーム」と称される。
リプレイの入賞は、一般遊技状態およびRB持越状態において“リプレイ−リプレイ−リプレイ”が並ぶことにより成立する。リプレイの入賞が成立すると、投入したメダルの枚数と同数のメダルが自動投入されるので、遊技者はメダルを消費することなく次のゲームを行うことができる。リプレイの当選確率は、「一般遊技状態」および「RB持越状態」が2341/16384,「RB遊技状態」が1/256である。
また、一般遊技状態およびRB持越状態では、「チェリーの小役」、「ベルの小役」、および「スイカの小役」の入賞成立を実現することが可能であるが、その払出枚数、シンボル組合せ、および当選確率は図示の通りである。
後述する図11に示すメイン制御基板61のプログラムROM65には、各役の当選確率を規定する確率抽選テーブルが格納されている。確率抽選テーブルは、後述するメインフローチャートの確率抽選処理(図13,S5)において、内部当選役を抽選する際に用いられる。確率抽選テーブルは、乱数発生器69で発生し、乱数サンプリング回路70で抽出された乱数を各内部当選役に区分けするデータを記憶している。各内部当選役には、0〜16383の数値データの中から所定の数値範囲の乱数範囲が割り当てられており、抽出された乱数値が属する乱数範囲に割り当てられた内部当選役に対応するフラグが立つ。つまり、内部当選役は、サンプリングされた1つの乱数値がどの乱数範囲に属するかによって決定され、当たり要求フラグによって表される。
図7は、当選役と、遊技状態と、入賞を成立させることが可能な当選役(停止用当選役)の種類との関係を説明する図である。
後述する確率抽選処理(図13,S5)で当たり要求フラグが立てられた当選役は、後述する停止用当選役決定処理(図13,S6)で対応する停止当選役が決定された場合に限り、入賞成立させることが可能である。
具体的には、図7に示すように、「RB」の当選役は、一般遊技状態において、常に(128/128の確率で)「ハズレ」が停止用当選役である。また、「チェリーの小役」の当選役は、遊技状態にかかわらず、常に(128/128の確率で)「チェリーの小役」が停止用当選役である。また、同様に、遊技状態にかかわらず、「ベルの小役」の当選役は、常に(128/128の確率で)「ベルの小役」が停止用当選役であり、「スイカの小役」の当選役は、常に(128/128の確率で)「スイカの小役」が停止用当選役である。
「リプレイ」の当選役は、「一般遊技状態」および「RB持越状態」では、常に(128/128の確率で)「リプレイ」が停止用当選役である。一方、「RB遊技状態」では、「リプレイ」が停止用当選役となる確率が64/128,「リーチ目」が停止用当選役となる確率が32/128,「ハズレ」が停止用当選役となる確率が32/128である。「ハズレ」の当選役は、「一般遊技状態」であるときは、常に(128/128の確率で)「ハズレ」が停止用当選役である。一方、「RB持越状態」では、「ハズレ」が停止用当選役となる確率が4/128,「RB」が停止用当選役となる確率が120/128,「リーチ目」が停止用当選役となる確率が4/128である。また、「RB遊技状態」では、「ハズレ」が停止用当選役となる確率が64/128、「リーチ目」が停止用当選役となる確率も64/128である。
次に、図8および図9を参照して、各停止テーブル群のうちの停止テーブル群1〜3について説明する。
図8(a),(b),および図9は、メダル1枚掛け時に使用される停止テーブル1,停止テーブル2,および停止テーブル3をそれぞれ概念的に示す図である。各停止テーブル1〜3には、左,中,右の各リール2〜4毎に「停止操作位置」および「停止制御位置」が示されている。左側の「停止操作位置」の欄の各数値0〜20は、各停止ボタン31〜33が操作された際に、入賞ラインL1上に位置しているシンボルのコードナンバーを表す。右側の「停止制御位置」の欄の各数値は、対応する「停止操作位置」で各停止ボタン31〜33が操作されると、入賞ラインL1上に停止表示されるシンボルのコードナンバーを表す。例えば、図8(a)に示す停止テーブル1では、左リール2の「停止操作位置」がコードナンバー“0”のシンボル「BAR」の場合には、「停止制御位置」がコードナンバー“20”のシンボル「リプレイ」であるため、入賞ラインL1上にはシンボル「リプレイ」が停止表示する。また、本実施形態では、いわゆる「スベリコマ数」を最大4コマとしているので、例えば、左リール2の回転中においてコードナンバー“15”のシンボル「ベル」が入賞ラインL1上に位置したときに、停止ボタン31が操作されると、同テーブルに示されるように、4コマ離れたコードナンバー“11”のシンボル「リプレイ」が有効化入賞ラインL1上に停止表示するように左リール2が停止制御される。
図8(a)に示す停止テーブル1では、左リール2についての「停止制御位置」のコードナンバーは、“3”,“6”,“8”,“11”,“16”,“20”で、いずれもシンボル「リプレイ」に対応するコードナンバーである。また、中リール3についての「停止制御位置」のコードナンバーは、“1”,“6”,“10”,“15”,“18”で、いずれもシンボル「リプレイ」に対応するコードナンバーである。また、右リール4についての「停止制御位置」のコードナンバーは、“2”,“5”,“10”,“14”,“18”で、いずれもシンボル「リプレイ」に対応するコードナンバーである。従って、この停止テーブル1が用いられた場合には、必ず「リプレイ」が入賞ラインL1に揃って表示される。
図8(b)に示す停止テーブル2では、左リール2および中リール3についての「停止制御位置」のコードナンバーは、同図(a)に示す停止テーブル1と同じ値で、シンボル「リプレイ」に対応するものである。しかし、右リール4についての「停止制御位置」のコードナンバーは、“1”,“4”,“9”,“13”,“17”である。コードナンバー“1”,“4”,“9”,“13”はシンボル「ベル」、コードナンバー“17”はシンボル「チェリー」に対応する。つまり、この停止テーブルが用いられると、停止ボタン31〜33の操作タイミングに関わらず、入賞ラインL1上に停止表示するシンボル組合せは“リプレイ−リプレイ−ベル”または“リプレイ−リプレイ−チェリー”になっていずれの役にも対応せず、必ず「ハズレ」となる。
図9に示す停止テーブル3では、左リール2についての「停止制御位置」のコードナンバーは、“1”,“4”,“7”,“9”,“12”,“14”,“18”で、いずれもシンボル「ベル」に対応するコードナンバーである。また、中リール3についての「停止制御位置」のコードナンバーは、“2”,“7”,“9”,“12”,“16”,“19”で、いずれもシンボル「ベル」に対応するコードナンバーである。また、右リール4についての「停止制御位置」のコードナンバーは、“0”,“3”,“6”,“8”,“11”,“15”,“19”である。コードナンバー“0”はシンボル「BAR」、コードナンバー“3”,“11”はシンボル「チェリー」、コードナンバー“6”,“15”,“19”はシンボル「スイカ」に対応する。これら各シンボルの下段にはシンボル「ベル」が位置する。従って、この停止テーブル3が用いられた場合には、左リール2,中リール3についてはいずれの「停止制御位置」でもシンボル「ベル」が表示窓5,6の中段の入賞ラインL1上に停止表示し、右リール4についてはいずれの「停止制御位置」でもシンボル「ベル」が入賞ラインL1の1個下の表示窓7の下段に停止表示し、停止表示するシンボル組み合わせが必ず「リーチ目」となる。つまり、この停止テーブル3が用いられると、停止ボタン31〜33の操作タイミングに関わらず、「リーチ目」が成立する。
図10は、サブ制御基板62aの画像ROM87(図12参照)に格納された演出テーブルを概念的に示す図である。
この演出テーブルは、リール2〜4の回転時に液晶パネル39cに表される画像データの種別を決定する際に用いられる。演出テーブルには、停止用当選役毎に設定された画像データが記憶されている。停止用当選役が「RB」の場合には、「RBが揃えられること」を示唆する画像データが選択される。また、停止用当選役が「チェリーの小役」の場合には「チェリーの小役当選」を示唆する画像データ、停止用当選役が「ベルの小役」の場合には「ベルの小役当選」を示唆する画像データ、停止用当選役が「スイカの小役」の場合には「スイカの小役当選」を示唆する画像データ、停止用当選役が「リプレイ」の場合には「リプレイ当選」を示唆する画像データ、停止用当選役が「ハズレ」の場合には「ハズレ」を示唆する画像データがそれぞれ選択される。
図11および図12は、上述したパチスロ機1の遊技処理動作を制御するメイン制御基板61およびサブ制御基板62a,62bに構成された回路構成を示している。メイン制御基板61には主制御回路が構成されており、サブ制御基板62aには画像制御回路、サブ制御基板62bには音・ランプ制御回路が構成されている。
図11に示すメイン制御基板61における制御部はマイクロコンピュータ(以下、マイコンという)63を主な構成要素とし、これに乱数サンプリングのための回路を加えて構成されている。マイコン63は、予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うメインCPU(中央演算処理装置)64と、プログラム記憶手段であるプログラムROM(リード・オンリ・メモリ)65およびバックアップ機能付き制御RAM(ランダム・アクセス・メモリ)66とを含んで構成されている。CPU64には、基準クロックパルスを発生するクロックパルス発生回路67および分周器68と、一定範囲の乱数を発生する乱数発生器69および発生した乱数の1つを特定する乱数サンプリング回路70とが接続されている。さらに、後述する周辺装置(アクチュエータ)との間で信号を授受するI/Oポート71が接続されている。ROM65は、上述した図8および図9に示す各種テーブルや、確率抽選テーブル,シンボルテーブル,入賞シンボル組合せテーブル、およびシーケンスプログラム等を格納するように記憶部が区分されている。
マイコン63、乱数発生器69、および乱数サンプリング回路70は、単位遊技毎に当選役を決定する当選役決定手段を構成している。また、マイコン63は、リール2〜4の停止態様が特定の当選役(本実施形態ではRB)に対応する態様であると、遊技を特定の遊技状態(本実施形態ではRB遊技状態)に移行する遊技状態移行手段を構成している。また、マイコン63は、単位ゲーム中の第1のタイミングから単位ゲーム間の最短時間である4.1秒を計数し、この計数値が単位ゲーム中の第2のタイミングで最短時間である4.1秒になっていないときは、計数値が最短時間である4.1秒が経過するまで、遊技を進行させる遊技者の操作、つまり、メダル投入口8からのメダルの投入やスタートレバー30の操作を受け付けない操作受付待機手段を構成している。本実施形態では、停止ボタン31〜33の操作が有効になったときを第1のタイミングとし、メダル払出口35からのメダルの払出の完了による単位ゲームの終了を第2のタイミングとしている。
マイコン30からの制御信号により動作が制御される主要なアクチュエータとしては、各リール2,3,4を回転駆動するステッピングモータ45、およびメダルを収納するホッパー72がある。これらはそれぞれモータ駆動回路73、およびホッパー駆動回路76によって駆動される。これら駆動回路73、76は、マイコン63のI/Oポート71を介してCPU64に接続されている。
また、マイコン63が制御信号を生成するために必要な入力信号を発生する主な入力信号発生手段としては、メダル投入口8から投入されたメダルを検出する投入メダルセンサ8S、スタートレバー30の操作を検出するスタートスイッチ30S、前述した貯留メダル投入スイッチ25〜27、および貯留メダル精算スイッチ29がある。
また、上記の入力信号発生手段としては、ホトセンサ49からの出力パルス信号を受けて各リール2,3,4の回転位置を検出するリール位置検出回路77がある。ホトセンサ49は各リール2〜4の駆動機構に含まれており、同図では図示されていない。リール位置検出回路77は、リール2〜4の回転が開始された後、ステッピングモータ45の各々に供給される駆動パルスの数を計数し、この計数値をRAM66の所定エリアに書き込む。従って、RAM66内には、各リール2〜4について、一回転の範囲内における回転位置に対応した計数値が格納されている。また、ホトセンサ49は各リール2〜4が一回転する毎に遮蔽板50を検出してリセットパルスを発生する。このリセットパルスはリール位置検出回路77を介してCPU63に与えられ、RAM66で計数されている駆動パルスの計数値が“0”にクリアされる。このクリア処理により、各シンボルの移動表示と各ステッピングモータ45の回転との間に生じるずれが、一回転毎に解消されている。
さらに、上記の入力信号発生手段としては、停止ボタン31,32,33が押された時に対応するリールを停止させる信号を発生するリール停止信号回路78と、ホッパー72から払い出されるメダル数を計数するメダル検出部72Sと、払出完了信号発生回路73とがある。この払出完了信号発生回路73は、メダル検出部72Sから入力した実際に払い出しのあったメダル計数値が配当枚数データに達した時に、メダル払い出しの完了を検知する信号を発生する。これら入力信号発生手段を構成する各回路もI/Oポート71を介してCPU64に接続されている。
停止ボタン31〜33およびリール停止信号回路78は、リール2〜4による可変表示を遊技者の操作に応じて停止させる可変表示停止手段を構成している。また、マイコン63、ステッピングモータ45、リール停止信号回路78は、およびモータ駆動回路73は、遊技者による可変表示停止手段の操作および当選役決定手段により決定された当選役に基づいて、リール2〜4により行われるシンボルの可変表示を停止する停止制御手段を構成している。停止制御手段は、遊技状態移行手段による「RB遊技状態」への移行前の遊技状態(本実施形態ではRB持越状態を含む一般遊技状態)において、当選役決定手段により所定の当選役(本実施形態ではリプレイ)が決定されたときは、必ずこの所定の当選役に対応する停止態様でリール2〜4による可変表示を停止させ、遊技状態移行手段による「RB遊技状態」への移行後の遊技状態において、当選役決定手段により所定の当選役(リプレイ)が決定されたときは、図7に示す所定の割合でこの所定の当選役に対応する停止態様と異なる複数の停止態様(本実施形態ではハズレおよびリーチ目)で、リール2〜4による可変表示を停止させる。
また、I/Oポート71にはサブ制御部通信ポート79が接続されており、マイコン63はこのサブ制御部通信ポート79を介してサブ制御基板62aへ信号を送出する。図12に示すサブ制御基板62aには、この信号を受信するシリアルポート80aが設けられている。サブ制御部通信ポート79およびシリアルポート80a間の通信は、サブ制御部通信ポート79からシリアルポート80aへ向かう一方向についてだけ行われる。本実施形態では、サブ制御部通信ポート79からシリアルポート80aへ送出される信号は、7ビット長でその制御種別が表されるコマンド種別と、8ビットまたは24ビット長でそのコマンドの内容が表されるパラメータとのセットで構成されている。
サブ制御基板62aにおける画像制御CPU81は、プログラムROM82に予め記憶されたプログラムに従い、ワークRAM83を記憶作業領域として、液晶パネル39cに表示する画像の制御を行う。この画像制御は、カレンダIC(高集積化回路)84から入力した日時を用いて行われ、前述した十字キー23、「○」ボタン24および「×」ボタン25といった操作部85からの操作入力に応じて行われる。ワークRAM83およびカレンダIC84は、停電時におけるバックアップ対象になっている。
また、画像制御CPU81には、VDP(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサ)86およびキャラクタ・データ等が記憶された画像ROM(CROM)87が接続されている。VDP86は、制御RAM88を有しており、また、カラーディスプレイ表示用バッファメモリであるビデオRAM89が接続されている。このVDP86は、画像制御CPU81の制御の下、液晶パネル39cに画像表示を行う。画像制御CPU81は、その時の遊技状態および当選フラグの種類といった情報をシリアルポート80aを介してメイン制御基板61から取り込み、取り込んだ遊技状態および当選フラグに基づいて表示する演出画像を選択する。そして、VDP86を制御して選択した演出画像を液晶パネル39cに表示させる。
また、サブ制御基板62aのシリアルポート80aは、サブ制御基板62bのシリアルポート80bに接続されている。サブ制御基板62bの音・ランプ制御CPU90は、シリアルポート80aを介してシリアルポート80bで受信した信号に基づき、スピーカ96の出音、並びにランプ類98およびLED類99の点灯を制御する。このランプ類98は、BETランプ13〜15、スタートランプ17、WINランプ19等であり、LED類99は、各リール2〜4に内蔵されたリールバックランプ(白色LED)47a,47b,47c、各表示器9〜12、貯留枚数表示部16、ボーナスカウント表示部18、配当枚数表示部20等である。
音・ランプ制御CPU90には、そのプログラムが記憶されたプログラムROM91、および作業記憶領域となるワークRAM92が接続されている。音・ランプ制御CPU90は、プログラムROM91に記憶されたプログラムに従って音源IC93を制御する。音源IC93は、この制御に従い、サウンドROM94に記憶されたサウンド・データを読み出し、音量調節部97からの入力に応じた増幅度で読み出したデータをパワーアンプ95で増幅して、メダル投入音,スタートレバー操作音,停止ボタン操作音,ボーナスゲーム中の遊技音といった効果音をスピーカ96へ出力する。
次に、図13〜図14に示すメインフローチャートを参照して、メイン制御基板61のメインCPU64の制御動作について説明する。
初めに、メインCPU64は、電源投入時の初期化を行う(図13,S0参照)。具体的には、制御RAM66の記憶内容の初期化、通信データの初期化等を行う。続いて電源投入コマンドを制御RAM66の通信データ格納領域にセットする(S1)。このコマンドには、左,中,右の各リール2〜4外周面の停止シンボルに関する情報が含まれる。続いてゲーム終了時の制御RAM66の所定の記憶内容をクリアする(S2)。具体的には、前回のゲームに使用された制御RAM66の書き込み可能エリアのデータの消去、制御RAM66の書き込みエリアへの次のゲームに必要なパラメータの書き込み、次のゲームのシーケンスプログラムの開始アドレスの指定等を行う。
次に、メインCPU64は、メダル投入監視・スタートチェック処理を行う(S3)。具体的には、メダルの自動投入、または、投入メダルセンサ8SまたはBETスイッチ26,27,28からの入力を待って、「メダル投入コマンド」を制御RAM66の通信データ記憶領域にセットし、続いてスタートレバー30の操作に基づくスタートスイッチ30Sからの入力があるか否かを判別する。メダル投入コマンドは、メダル投入が行われたことを示すコマンドである。
次に、メインCPU64は、乱数発生器69で発生した抽選用の乱数をサンプリング回路70によって抽出し(S4)、続いて、確率抽選処理を行う(S5)。確率抽選処理では、遊技状態に応じて確率抽選テーブルを使用し、上記S4において抽出した乱数値が確率抽選テーブルのどの役の乱数範囲に属するかを判別し、さらにボーナス当たり要求フラグの値に基づいて当選役を決定する。この際、各役は遊技状態によって図6に示す当選確率で抽選される。次に、メインCPU64は、停止用当選役決定処理を行う(S6)。この処理では、図7に示すテーブルを参照し、S5の確率抽選処理で決定された内部当選役とそのときの遊技状態とに基づき、入賞を成立させることのできる役、つまり停止用当選役を決定する。
続いて、メインCPU64は、テーブルライン選択処理を行う(S7)。このテーブルライン選択処理では、まず、S6で決定された停止用当選役およびそのときの遊技状態に対応した停止テーブル群を決定する。続いて、決定した停止テーブル群(例えば図8,図9に示す停止テーブル1〜3)を参照し、その単位遊技に賭けられているメダル枚数に基づき、停止ボタン31〜33の停止操作位置から、各リール2〜4についての停止制御位置を決定する。
次に、メインCPU64は、ゲーム開始時の「スタートコマンド」を制御RAM66の通信データ格納領域にセットする(S8)。「スタートコマンド」は、遊技状態、S5の確率抽選処理で抽選した当選役、S6で決定した停止用当選役等の情報を含むコマンドである。
S8の処理が終了すると、メインCPU64は、全リール2〜4の回転開始要求を行い(S9)、全リール2〜4の回転を開始させ、続いて、「リール停止許可コマンド」をセットする(S10)。「リール停止許可コマンド」は、停止ボタン31〜33の操作を受け付けることを許容するコマンドである。
続いて、メインCPU64は、全てのリールの停止許可フラグがオンか否かを判別し(S11)、判別が“NO”のときは、判別が“YES”になるまでこの処理を繰り返す。一方、判別が“YES”のときは、メインCPU64は、ゲーム最短時間計時用カウンタを制御RAM66にセットする(S12)。このゲーム最短時間計時用カウンタは、各単位遊技間の時間間隔(例えば4.1sec)を監視するカウンタであり、遊技者の停止ボタン31,32,33の停止操作によらずに自動的にリール2,3,4を停止させるための自動停止用のカウンタも含んでいる。
次に、メインCPU64は、停止ボタン31〜33が“オン”操作されたか否かを判別し(図14,S13参照)、いずれの停止ボタン31〜33も操作されずにこの判別が“NO”のときは、判別が“YES”になるまでこの処理を繰り返す。一方、判別が“YES”のときは、オン操作された停止ボタン31〜33に対応するリール2〜4についての滑りコマ数決定処理を行い(S14)、S7の処理で決定したリール2〜4の停止制御位置に基づいて滑りコマ数を決定する。続いて、決定した滑りコマ数分、停止操作された停止ボタン31〜33に対応するリール2〜4が回転するのを待つ(S15)。ここで、「滑りコマ数」は、停止ボタン31〜33が操作された後、リール2〜4が停止するまでの間に移動させるシンボルの数を示し、「引き込み数」と称されることもある。
続いて、メインCPU64は、対象リール、つまり、停止操作された停止ボタン31〜33に対応するリール2〜4の停止要求を行い(S16)、次に、「リール停止コマンド」を制御RAM66の通信データ記憶領域にセットする(S17)。リール停止コマンドには、停止したリール2,3,4を識別可能な情報、有効化入賞ライン上でその停止したリールにより表示されたシンボルの種類を識別可能な情報などが含まれる。
続いて、メインCPU64は、全てのリールが停止したかどうかを判別し(S18)、この判別が“NO”のときは処理はS13に戻り、上述の処理を繰り返す。一方、全てのリール2〜4が停止し、S18の判別が“YES”になると、メインCPU64は「全リール停止コマンド」を制御RAM66の通信データ記憶領域にセットする(S19)。
次に、メインCPU64は入賞検索処理を行う(S20)。この入賞検索処理では、有効化入賞ライン上に実際に揃っているシンボルの組合せの種類と、確率抽選処理によって決定された当選役の種類との一致がとられる。そして、次に、誤入賞チェック処理が行われる(S21)。この誤入賞チェック処理では、入賞役が正常か否かが判別され、正常でない場合には配当枚数表示部20および液晶パネル39cにイリーガルエラーが表示される。
次に、メインCPU64は、「入賞コマンド」を制御RAM66の通信データ記憶領域にセットし(S22)、続いて、入賞役に応じたメダル払い出しを行う(S23)。つまり、クレジットで遊技が行われている状態であれば、入賞によって獲得したメダル数分、貯留枚数表示部16に表示する貯留枚数を増加し、また、メダル投入口8へのメダル投入で遊技が行われている状態であれば、入賞によって獲得した枚数のメダルをメダル受皿34へ払い出す。
続いて、メインCPU64は、入賞役がRBであるか否かを判別し(S24)、入賞役がRBである場合には持越役をクリアして(S25)、「RB遊技状態」を発生させる(S26)。
一方、入賞役がRBでない場合には、S5の確率抽選処理でRB当選しているか否かを判別する(S27)。この判別が“YES”のときは、持越役としてRBをセットする(S28)。S27での判別が“NO”の場合、または、S28の処理を行った後、ゲーム最短時間経過待ち処理を行う(S29)。その後、処理は図13のS2に戻って次の新たな単位遊技が開始される。ゲーム最短時間経過待ち処理では、図13のS12で行われたゲーム最短時間計時用カウンタがセットされてから、つまり、停止ボタン31〜33の操作が有効になったタイミングから、4.1秒経過するまで、ゲームの進行が停止され、次の単位遊技を開始するためのメダル投入口8へのメダル投入などが禁止される。
次に、図15を参照して、例えば、1.1173ms毎にメイン制御基板61で行われる定期割込処理について説明する。
図15は、この定期割込処理の概略を示すフローチャートである。この定期割込処理では、まず、メインCPU64は、各レジスタの内容を制御RAM66の所定領域に退避し(図15,S40参照)、続いて、入力ポートチェック処理を行う(S41)。次に、メインCPU64は、通信データ送信処理を行い(S42)、割り込みカウンタの値に1を加算する(S43)。通信データ送信処理は、メイン制御基板61における制御RAM66の通信データ記憶領域にセットされたコマンド情報をサブ制御基板62aへ送信する処理である。続いて、メインCPU64は、割り込みカウンタの値が偶数か否かを判別して(S44)、判別が“YES”のときには7SEG駆動制御処理を行い(S45)、判別が“NO”のときにはリール識別子に右リール4を示す情報をセットする(S46)。7SEG駆動制御処理では、貯留枚数表示部16および配当枚数表示部20を構成する各LEDを表示数値に応じて点灯または消灯する。
次に、メインCPU64は、右リール4についてリール制御処理を行う(S47)。リール制御処理では、リールの制御状態が停止制御中,加速制御中,定速制御中のいずれの状態であるかを監視し、制御状態に応じた制御を行う。いずれの状態でもないときは、リール回転の初期化処理を行う。また、停止制御では、停止制御の終了タイミングになるとモータの回転を停止して、処理を終了する。加速制御では、所定の加速時間が経過すると、処理を定速制御中に移す。定速制御では、停止ボタン31〜33の操作または自動停止時間の経過があると、処理を停止制御に移す。
次に、メインCPU64は、リール識別子に中リール3を示す情報をセットし(S48)、続いて、中リール3についてS47と同様のリール制御処理を行う(S49)。次に、メインCPU64は、リール識別子に左リール2を示す情報をセットし(S50)、続いて、左リール2についてS47と同様のリール制御処理を行う(S51)。
全てのリール2〜4についてリール制御処理を行い、または、S45の処理を行った後、メインCPU64は、各種カウンタ減算処理を行い(S52)、続いて、電磁カウンタ制御処理を行う(S53)。電磁カウンタ制御処理は、メダル投入口8から投入されたメダルの真贋によってメダルの通過経路を切り替える処理である。次に、メインCPU64は、制御RAM66の所定領域に退避された各レジスタの内容を復帰し(S54)、定期割込処理を終了する。
次に、図16〜図22を参照して、サブ制御基板62aの画像制御CPU81によって制御される遊技処理について説明する。
図16は、画像制御CPU81によって行われる、RESET割込処理の概略を示すフローチャートである。このRESET割込処理は、液晶パネル39cに対する画像表示制御処理である。また、図17(a),(b),(c)は画像制御CPU81のこの処理途中に割り込んで行われる割込処理である。
同図(a)は、コマンド信号受信割込処理の概略を示すフローチャートである。この処理は、メイン制御基板61から送信されるコマンド信号の受信に起因して発生する割込要求に応じて行われる処理である。サブ制御基板62aの画像制御CPU81は、この割込要求に基づいてメイン制御基板61から受信したコマンドを、未処理コマンドとしてワークRAM83の未処理コマンド格納領域に格納する(図17(a),S60)。
また、同図(b)は、定期信号受信割込処理の概略を示すフローチャートである。この処理は、VDP86から1/60[sec]毎に送信される信号の受信に起因して発生する割込要求に応じて行われる処理である。画像制御CPU81は、VDP86からの信号の受信に起因する割込があると、ワークRAM83にあるVDPカウンタに1を加算して、VDPカウンタをカウントアップする(図17(b),S70)。
また、同図(c)は、画像制御CPU81によって、例えば、2ms毎に行われる定期割込処理の概略を示すフローチャートである。この処理では、2[msec]毎に画像制御CPU81に割込が発生して、ワークRAM83に設けられた乱数カウンタが更新される(図17(c),S80)。この割込処理は、乱数カウンタの更新が主な目的であるため、割込時間間隔は2[msec]に限定されず、例えば、2〜10[msec]程度の割込時間間隔に設定される。次に、画像制御CPU81は、音・ランプを制御するサブ制御基板62bへ送信する演出データを更新することにより、音声制御処理を行い(S81)、続いてランプ点灯制御処理を行う(S82)。音声制御処理では、スピーカ96,96から放音される演出データが更新される。また、ランプ点灯処理では、リールバックランプ47の点灯による演出データが更新される。
図16に示すRESET割込処理では、パチスロ機1に電源が投入され、画像制御CPU81のリセット端子に信号が入力されると、画像制御CPU81は、ワークRAM83や、ビデオRAM89、制御RAM88の初期化や、割込を許可する初期化処理を実行する(図16,S90参照)。次に、画像制御CPU81は、遊技開始前に液晶パネル39cに表示させる画像データを選択する(S91)。引き続いて、画像制御CPU81は、十字キー23や、「○」ボタン24、「×」ボタン25といった操作部85からの入力を監視する処理を行い(S92)、その後、メイン制御基板61からのコマンドを処理する、後述するコマンド入力処理を行う(S93)。
次に、画像制御CPU81は、液晶パネル39cに画像を描画する画像描画処理を行う(S94)。続いて、画像制御CPU81は、上述したVDPカウンタが2以上であるか否かを判別し(S95)、2以上でない場合には2以上になるまで待つ。VDPカウンタが2以上になると、つまり、前回液晶パネル39cに画像の表示を切り替えてから(バッファ領域を切り替えてから)、(1/60)×2=1/30[sec]が経過すると、画像制御CPU81はVDPカウンタを0にリセットし(S96)、VDP86にバンク切替を行わせて、液晶パネル39cに表示する画像データのバンクを切り替える(S97)。つまり、ビデオRAM89に設けられた2つのバッファ領域のうち、データ書き込み用にされていたバッファ領域に記憶されている画像データに基づいた画像を、液晶パネル39cに表示させ、他方の現在液晶パネル39cに表示されている画像と一致した画像データを記憶しているバッファ領域を、次回の1/30[sec]のタイミングで液晶パネル39cに表示するべきデータの書き込み用とするように切り替える。
具体的には、ビデオRAM89には2つのバッファ領域1,2がバンクとして設けられており、各バッファ領域1,2には、画像ROM87から画像制御CPU81によって読み出されたポリゴンデータなど3Dオブジェクトや2次元データの、仮想的な3D空間内における位置関係を計算した結果得られる演出画像データが記憶されている。VDP86は、画像制御CPU81の制御に従い、バッファ領域1またはバッファ領域2の一方のバッファ領域に記憶された演出画像データを読み出してそのデータに基づいた画像を液晶パネル39cに表示させると共に、他方のバッファ領域に次回の1/30[sec]のタイミングで表示させる演出画像データを書き込んでいく。上記のS97におけるバンク切替処理は、VDP86が液晶パネル39cに表示する演出画像データを読み出すバッファ領域1,2を切り替える処理である。
図18は、図16に示すS93のコマンド入力処理の詳細なフローチャートである。このコマンド入力処理では、まず、画像制御CPU81は、ワークRAM83の未処理コマンド格納領域に未処理コマンドが格納されているか否かを判別する(図18,S100参照)。未処理コマンドがない場合には、コマンド入力処理は終了する。一方、未処理コマンドがある場合には、未処理コマンドに対応する処理を実行する(S101)。この処理では、画像制御CPU81は、復帰アドレスをワークRAM83にセットした後、図示しないジャンプテーブルを参照して、未処理コマンドの種類に応じたジャンプ先にジャンプする。ジャンプ先で、ジャンプ先の処理を終えると、画像制御CPU81は、セットした復帰アドレスに処理を復帰させ、ジャンプ先から戻る。その後、処理を終えた未処理コマンドを処理済みに設定、すなわちワークRAM83の未処理コマンド格納領域に格納された未処理コマンドをクリアして(S102)、コマンド入力処理を終える。
図19は、画像制御CPU81によって制御される電源投入処理の概略を示すフローチャートである。この処理は、上記のコマンド入力処理で、ジャンプした先が電源投入処理である場合に行われる。電源投入処理では、画像制御CPU81は、まず、図13,S1でメイン制御基板61側から送信された電源投入コマンドから、電源投入時に表示窓5〜7に停止表示する左,中,右の各リール2〜4の停止図柄識別子(コードナンバー)を抽出する(図19,S110参照)。続いて、リール配列テーブル(図5参照)、リール識別子、および左・中・右の各リール2〜4の停止図柄識別子に基づいて、液晶パネル39cに現在表示されている画像データに上書きする上書き画像データを選択し(S111)、電源投入処理を終了する。
図20は、画像制御CPU81によって制御される遊技開始処理の概略を示すフローチャートである。この処理は、上記のコマンド入力処理で、ジャンプした先が遊技開始処理である場合に行われる。遊技開始処理では、画像制御CPU81は、まず、図13,S8でメイン制御基板61側から送信されたスタートコマンドから、停止用当選役を抽出する(図20,S120参照)。続いて、リール2〜4回転中における液晶パネル39cの上書き画像データとして、表示窓5〜7に対応するリール窓画像データを選択する(S121)。そして、S120で抽出した停止用当選役に基づき、演出テーブル(図10参照)を参照して液晶パネル39cに表示する演出画像データを選択し(S122)、遊技開始処理を終了する。
図21は、画像制御CPU81によって制御されるリール停止処理の概略を示すフローチャートである。この処理は、上記のコマンド入力処理で、ジャンプした先がリール停止処理である場合に行われる。リール停止処理では、画像制御CPU81は、まず、図14,S17でメイン制御基板61側から送信されたリール停止コマンドから、操作された停止ボタン31〜33に対応する左,中,右のいずれかのリール2〜4のリール識別子を抽出し(S130)、続いて、同コマンドから、抽出したリール識別子によって識別されるリールにおいて入賞ラインL1上にあるシンボルを表わす停止図柄識別子を抽出する(S131)。次に、画像制御CPU81は、リール配列テーブル(図5参照)、S130で抽出されたリール識別子、およびS131で抽出した停止図柄識別子に基づいて、リール停止時における液晶パネル39cの上書き画像データを選択する(S132)。
図22は、画像制御CPU81によって制御される入賞処理の概略を示すフローチャートである。この処理は、上記のコマンド入力処理で、ジャンプした先が入賞処理である場合に行われる。入賞処理では、画像制御CPU81は、図14,S22でメイン制御基板61側から送信された入賞コマンドから、スタートレバー30の操作による単位遊技が開始される前に液晶パネル39cに表示する遊技開始前画像データを選択し(S140)、入賞処理を終了する。
このような本実施形態によるパチスロ機1では、電源投入後には、図23(a)に示すように、液晶パネル39cにおける例えば「花火玉」の画像39c1上に、図19に示す電源投入処理のS111で選択された上書き画像データに基づき、「花火玉」の画像39c1が表示されない透明の上書き画像39c2が表示される。上書き画像39c2は、メイン制御基板61側から送信された電源投入コマンドに含まれる停止図柄識別子に対応するシンボル“7”−“7”−“ベル”の外形に沿った形状を有している。このため、同図(b)に示すように、リールバックランプ47a〜47cの光によりリール2〜4のシンボル(“7”−“7”−“ベル”)が投影される液晶表示装置39の投影部分39c2には、リール2〜4の表面に描かれた“7”−“7”−“ベル”のシンボル組合せが液晶パネル39cを通して視認される。
また、リール2〜4の回転中には、例えば、メイン制御基板61側から送信されたスタートコマンドに基づく当選役が“チェリー”であるときは、図24(a)に示すように、「チェリー」の画像39c3上に、図20に示す遊技開始処理のS121で選択された上書き画像データに基づき、「チェリー」の画像39c3が表示されない透明の上書き画像39c4が表示される。上書き画像39c4は、表示窓5〜7の外形に沿った長方形状を有している。このため、同図(b)に示すように、液晶表示装置39の表示窓5〜7に対応する部分には、リール2〜4の外周面に表された回転中のシンボルが液晶パネル39cを通して視認される。
また、リール2〜4の回転停止時には、例えば、メイン制御基板61側から送信されたリール停止コマンドに含まれるリール識別子によって識別されるリールが表示窓5に対応し、停止図柄識別子がシンボル「ベル」に対応するときは、図25(a)に示すように、表示窓5の部分の「チェリー」の画像39c3上に、図21に示すリール停止処理のS132で選択された上書き画像データに基づき、「チェリー」の画像39c3が表示されない透明の上書き画像39c5が表示される。上書き画像39c5は、シンボル「ベル」の外形に沿った形状を有する。このため、同図(b)に示すように、リールバックランプ47a〜47cの光によりリール2のシンボル「ベル」が投影される液晶表示装置39の投影部分39c5には、リール2の表面に描かれたシンボル「ベル」が液晶パネル39cを通して視認される。
このように本実施形態によるパチスロ機1では、液晶パネル39cにおけるリール2〜4によって停止表示されたシンボルの投影部分39c2,39c5のみが透明で表示される。このため、遊技者は、シンボルの投影部分39c2,39c5とその周囲の画像とを区別しやすくなり、リール2〜4によって停止表示されたシンボルを、リール2〜4の前方に配置された液晶パネル39cを通して視認し易くなる。
しかも、「一般遊技状態」および「RB持越状態」においては、確率抽選処理(図13,S5)で当選役が“リプレイ”に決定されると、停止用当選役決定処理(図13,S6)において、図7に示すテーブルに従って停止用当選役として必ず“リプレイ”が選択され、確率抽選処理において決定された当選役“リプレイ”の入賞を必ず成立させることができる。このため、「一般遊技状態」および「RB持越状態」においては、メダルの消費量を増やすことなく多くのゲームを行うことができ、“RB”当選役が抽選され易くなる。一方、「RB遊技状態」においては、確率抽選処理で決定された当選役“リプレイ”に対応する停止態様と異なる“リーチ目”,または“ハズレ”が、停止用当選役決定処理において図7に示すテーブルに従って停止用当選役として選択され、表示窓5〜7に表されるリール2〜4の停止態様が、“リプレイ”とは異なる“リーチ目”または“ハズレ”となることがある。このため、「RB遊技状態」におけるリール2〜4の停止態様を多様にして、「RB遊技状態」中の遊技の面白みを向上させることができ、従来の単調さを解消して遊技性を持続することができる。
また、停止ボタン31〜33の操作が有効になったときにセットされたゲーム最短時間計時用カウンタ(図13,S12)の値が、その単位遊技におけるメダル払出完了時(その単位遊技の終了時)に4.1秒を経過していないときには、ゲーム最短時間待ち時間処理が行われる(図14,S29)。このため、遊技者は、第1のタイミングである停止ボタン31〜33の操作が有効になったときから、第2のタイミングであるメダル払出完了までにゲーム最短時間である4.1秒が経過していないときは、この4.1秒が経過するまで次の単位ゲームに賭けるメダルをメダル投入口8に投入できない。このため、遊技者が単位ゲームの終了後に急いで次の単位ゲームにメダルを賭けるのを防止して、射幸心を煽ることを抑制することができる。
なお、上記実施形態の説明では、電源投入後に「花火玉」の画像39c1に対して上書き画像39c2を表示した。しかし、電源投入後に表示する背景となる液晶パネル39cの画像および停止表示するリール2〜4のシンボル組合せの種類は任意であり、適宜変更して差し支えない。
また、上記実施形態の説明では、液晶パネル39cにおける、リール2〜4によって停止表示されたシンボルの投影部分39c2,39c5を透明で表示したが、他の所定の色で表示してもよい。しかし、投影部分を透明で表示した方が、遊技者は、リール2〜4によって停止表示されたシンボルを、リール2〜4の前方に配置された液晶パネル39cを通してより視認し易くなる。
また、上記実施形態の説明では、遊技状態移行手段が移行する遊技状態がRB遊技状態のみである場合について説明した。しかし、遊技状態移行手段が、BB遊技状態やSB遊技状態、リールの停止制御が所定のリールについて行われなくなるCT遊技といった特定の遊技状態に遊技を移行するパチスロ機にも、本発明は適用することができる。また、上記実施形態では、遊技状態が「RB遊技状態」であるときは、確率抽選処理(図13,S5)での当選役“リプレイ”に対応する停止用当選役が“リプレイ”,“リーチ目”,または“ハズレ”である場合について説明した。しかし、当選役“リプレイ”に対応する停止用当選役は、“リプレイ”を含むのであればこれらの組合せには限らず、適宜変更して差し支えない。
また、上記実施形態では、第1のタイミングを停止ボタン31〜33の全部の操作を許可したときとして説明したが、停止ボタン31〜33のいずれか1つまたは複数の操作を許可したとき、単位遊技毎に行う遊技の進行状況を記憶した制御RAM66の消去を行う直前または直後、遊技者によるスタートレバー30の操作を検出したとき、単位遊技を開始するためにメダル投入口8への最初のメダルが遊技者により投入されたことを検出したとき、単位遊技を開始するためにメダル投入口8への最後のメダルが遊技者により投入されたことを検出したとき(すなわち遊技者によるスタートレバー30の操作が検出される直前に遊技者により投入されたメダルを検出したとき)、リール2〜4のうちのいずれか1つ、複数または全部の回転を開始させたとき(回転の開始を検出したとき)、リール2〜4のうちのいずれか1つ、複数または全部が定速回転を開始したとき(定速回転の開始を検出したとき)、リール2〜4のうちのいずれか1つ、複数または全部の回転の停止操作を検出したとき、リール2〜4のうちのいずれか1つ、複数または全部の回転が停止したとき(回転の停止を検出したとき)等を第1のタイミングとしてもよい。また、上記実施形態では、第2のタイミングをメダルの払出が完了したとき(払出の完了を確認したとき)として説明したが、リール2〜4のうちのいずれか1つ、複数または全部の回転を停止したとき(回転の停止を確認したとき)、リール2〜4のうちのいずれか1つ、複数または全部が定速回転を開始したとき(定速回転の開始を検出したとき)、リール2〜4のうちのいずれか1つ、複数または全部の回転の停止操作を検出したとき、リール2〜4のうちのいずれか1つ、複数または全部の回転が停止したとき(回転の停止を検出したとき)、単位遊技毎に行う遊技の進行状況を記憶した制御RAM66の消去を行う直前または直後等を第2のタイミングとしてもよい。