図1は、本発明の一実施形態に係るコンテンツ記録装置の一構成例を示す図で、図2は、図1のコンテンツ記録装置におけるコンテンツ記録処理例を説明するためのフロー図で、本発明の一実施形態に係るコンテンツ記録方法を説明するためのフロー図でもある。図1において、1はコンテンツ記録装置、10は記録媒体、11はコンテンツ入力手段、12は分析条件入力手段、13はコンテンツ分析手段、14は部分記録手段、Cはコンテンツ、Bは部分コンテンツである。
本発明の一実施形態に係るコンテンツ記録装置1は、コンテンツを記録媒体10に記録するコンテンツ記録装置において、1つのコンテンツCからユーザが望む部分(部分コンテンツB)のみを抽出して記録することが可能な装置であり、コンテンツ入力手段11,分析条件入力手段12,コンテンツ分析手段13,部分記録手段14を少なくとも備えるものとする。勿論、コンテンツ記録装置1には、記録媒体10への通常のコンテンツ記録を実行するコンテンツ記録手段を備えてもよく、このコンテンツ記録手段を流用して部分記録手段14を構成することが好ましい。
本発明に係るコンテンツ記録を実行するに際し、記録の対象となるコンテンツCとしては、テレビ放送番組,ラジオ放送番組,インターネット配信のデジタルコンテンツ(静止画コンテンツの集まりや動画コンテンツ)など、様々なコンテンツが挙げられる。ここでコンテンツとして放送番組を記録する場合には、放送を受信するアンテナや符号化手段,復号手段等、通常の放送受信機が具備する構成要素を、コンテンツ入力のために必要とする。また、デジタル放送に限らず、アナログ放送で受信したコンテンツに対しても、コンテンツ分析手段13(及び分析条件入力手段12)等がアナログコンテンツの分析を可能とする手段であれば、本発明は適用可能である。これらコンテンツの種類或いはコンテンツ取得の方法に応じて、例えば、テレビ放送受信機やテレビ放送受信機能を持つ番組録画装置,ラジオ放送受信機やラジオ放送受信機能を持つ番組録画装置,コンピュータなどと、本発明に係るコンテンツ記録装置の適用先が変わることとなる。
また、本発明に係るコンテンツ記録を実行するに際して記録先となる記録媒体10としては、ハードディスク(HDD)や各種DVD,CD,MD,ビデオテープ,カセットテープなどが挙げられ、さらに、記録媒体10はネットワークを介して離間した位置にあるものであってもよい。これら記録媒体10の種類に応じて、本発明に係るコンテンツ記録装置は、ハードディスクレコーダ,DVDレコーダ,CDレコーダ,MDレコーダ,ビデオレコーダ,カセットテープレコーダに適用されることとなる。
コンテンツ入力手段11は、コンテンツCを入力する手段であり、上述のごとく様々な手段が考えられるが、コンテンツCを入力でき、且つ他の手段(特に手段13,14)への伝送或いは他の手段からの読み出しが可能であればよい。
分析条件入力手段12は、ユーザが閲覧又は保存を所望する内容の条件を記したコンテンツ分析条件(コンテンツ記録条件とも謂える)を入力する手段である。分析条件入力手段12は、ユーザに分析条件の入力を促す手段と、そのユーザ入力を取り込む手段とから構成すればよい。また、本発明に係る分析及び抽出を実行する際のユーザからの命令を入力する手段(単なる選択/押下ボタンなどでもよい)も、分析条件入力手段12の前段等に設けておけばよい。
コンテンツ分析手段13は、コンテンツ入力手段11で入力されたコンテンツCの内容を時系列で分析し、コンテンツ分析条件に合致する部分を抽出する手段である。また、部分記録手段14は、コンテンツ入力手段11で入力されたコンテンツC中、コンテンツ分析手段13で抽出された部分(部分コンテンツB)のみを、記録媒体10に記録する手段である。
コンテンツ分析手段13及び部分記録手段14によって、入力コンテンツCを分割して保存することとなる。ここで保存される部分コンテンツBは、ユーザの所望する内容の条件に基づく部分コンテンツであり、従って、本実施形態によれば、コンテンツCをユーザ所望の部分のみを抽出して記録すること、すなわちコンテンツCをユーザ所望の部分に分割することや分割して記録することが可能となる。勿論、1つのコンテンツから最終的に生成される部分コンテンツは、1つとは限らない。
ここで、コンテンツ分析手段13及び部分記録手段14における処理について例示する。
本発明は、上述のごとき構成によりコンテンツ分割保存機能をもち、コンテンツが番組の場合には、番組分割保存機能をもつと謂え、ここでは番組に対する分割保存の例を挙げる。
例えば、1つの番組として歌番組を挙げた場合、その歌番組の中には歌の部分(演奏部分)に加え、演奏間でのアーティストと司会者との間で執り行なわれるトークの部分があり、コンテンツ記録装置1のユーザが、トークの部分にしか興味が無いと仮定する。このとき、ユーザはコンテンツ分析条件(この例では番組分析条件)として「トーク部分」を入力する。すると、コンテンツ分析手段13が番組を分析し、番組の中から「トーク」に該当する時間帯を抽出する。
分析方法としては、様々な方法が採用でき、勿論、ユーザが入力する分析条件として分析方法も指定可能とすることが好ましい。分析方法としては、例えば、音楽番組においては「演奏中は絶えず音声が流れていること」や「演奏の直前・直後は音声が途絶えることが多いこと」など、歌番組特有の特徴を利用して、音声分析してもよい。また、「演奏の直前・直後では画面が切り替わること」など、歌番組特有の特徴を利用して、画像分析(動画分析も含む)してもよい。また、画像分析においては、「演奏の開始時に演奏曲名や演奏者名等のテロップが入ること」や「演奏中には歌詞のテロップが入ること」など、テロップを頼りに分析し、トーク以外の部分(ここでは演奏部分)の抽出を実行してもよい。また、動画分析としては、サムネイル抽出技術を利用したものであってもよい。さらに、番組中、コマーシャル(CM)部分は、従来の例えば音声特性の切り替えによるCMカット機能を用いてもよいし、また、CM部分でなくともこのCMカット機能を利用して分析・抽出を実行してもよい。また、上述したような様々な方法を併用して抽出の精度を上げるようにしてもよい。
歌番組において、トーク部分と歌の部分に分割する例以外では、例えば、バラエティ番組で、コントの部分とクイズの部分と歌の部分などに分割してそれぞれ別々の部分番組として保存することもできる。コント部分は、例えば、スタジオの観衆による笑い声がそのまま或いは擬似的に挿入されているといった特徴を利用して、抽出するとよい。クイズの部分は、例えば、回答者のボタン押下音や正解/誤解音などが挿入されているといった特徴を利用して、抽出するとよい。このように、本発明では、例えば、トークのみを見たい場合や歌のみを聞きたい場合や、それぞれを別々のカテゴリ(小区画(コーナー))として保存したい場合に、好適に使用できる。
また、番組中の小区画(トーク,コント,演奏,クイズ等)別に部分番組を保存するだけでなく、本発明では、目的の歌手等の出演者が出演している部分を抜粋することも可能となっている。また、出演者に代わり、プロデューサ(但し、1番組中に異なるプロデューサが関与していないと意味を成さない)などが係わっている部分を抽出するようにしてもよい。例えば、分析条件としてユーザが「歌手A」を入力した場合には、テロップに「歌手A」が出てから、次のカテゴリ(例えばトーク部分)に移行するまで、或いは次の「歌手B」のテロップが出るまで、などを画像分析により抽出するとよい。「歌手A」等、様々な歌手の声の特徴を分析した音声分析結果を予め用意しておき、「歌手A」の音声を音声分析により抽出してもよい。
また、本発明は、「トーク部分以外」,「歌手A以外」といった排他的な分析条件の入力及びそれに基づく抽出も可能である。従って、バラエティ番組やトーク番組のある特定のコーナーだけを抜粋して録画することだけでなく、抜粋した部分を飛ばして録画することも可能である。
上述のごとく、図8及び図9で説明する他の実施形態と併せて後述するが、コンテンツ分析手段13における分析は、コンテンツの音声データに基づく音声分析、又はコンテンツの画像データに基づく画像分析、を少なくとも用いるようにすることが好ましい。音声による分析であれば、音声データを入力し、例えば歌手の声紋分析やステレオ/アナログの差異、CMであるか否かなどに基づき、分析する。決り文句「はい、次は〜〜です。」といった音声(発話内容)を拾ってもよい。トークと演奏が交互に繰り返されるような音楽番組などに有効である。画像による分析であれば、例えば出演タレント,キャラクタ,文字(字幕)(歌詞などでもよい)などに基づき、分析するとよい。
また、本発明は、「特定のコーナーが何時ごろから始まり、何分放映するかはだいたい決まっている場合が多い」という特徴を利用して、ユーザ所望の部分を抽出するようにしてもよい。既に、収録済の番組であれば何時ごろ放送するかの情報を入手することは可能である。但し、この場合、放映する側との交渉は必要となる。
このような時間的な情報(時間データ)に基づく時間分析を行うことも本発明では適用でき、特に、コンテンツCがデジタルコンテンツである場合には有効であり、抽出を容易且つ正確にする。特に有効なデジタルコンテンツは、時系列でその内容がコンテンツ情報として付加されたデジタルコンテンツであり、コンテンツ分析手段13は、このコンテンツ情報に基づきデジタルコンテンツを分析するようにすることが好ましい。時間による分析を行うのであれば、時間データを入力し、例えばコーナーの時間,所定のタレントが出演する時間などに基づき、分析を実行するとよい。この時間データに基づく時間分析は、勿論、単独で適用してもよいし、上述した音声分析や画像分析と併用して、抽出精度を上げるようにしてもよい。
上述のごとき構成をもつコンテンツ記録装置1におけるコンテンツ記録処理を、図2を参照して説明する。
まず、外部機器等からコンテンツCを入力する(ステップS1)。次に、ユーザが閲覧又は保存を所望する内容の条件を記した入力に基づき、コンテンツ分析条件を入力する(ステップS2)。ここで、ステップS1とステップS2との順序は問わない。
そして、ステップS1で入力されたコンテンツの内容を時系列で分析し、ステップS2で入力されたコンテンツ分析条件に合致する部分を抽出する(ステップS3)。最後に、ステップS1で入力されたコンテンツC中、ステップS3の分析により抽出された部分(部分コンテンツB)のみを、記録媒体10に記録する(ステップS4)。
図3は、本発明の他の実施形態に係るコンテンツ記録装置の一構成例を示す図で、図4は、図3のコンテンツ記録装置におけるコンテンツ記録処理例を説明するためのフロー図で、本発明の他の実施形態に係るコンテンツ記録方法を説明するためのフロー図でもある。図3において、2はコンテンツ記録装置であり、その他、図1と同様の構成要素には同じ符号を付し、その説明を省略する。
図3及び図4で例示する本発明の他の実施形態に係るコンテンツ記録処理は、図1及び図2で説明した実施形態において、コンテンツの入力を記録媒体10から行うことを特徴としたものである。従って、本実施形態に係るコンテンツ記録装置2におけるコンテンツ入力手段11は、コンテンツを記録媒体10に予め記録されている1又は複数のコンテンツCの中から、ユーザ選択に基づき入力し、結果として、この選択したコンテンツCから部分コンテンツBを生成することになる。例えば、番組の場合には、ユーザが録画した番組の中から編集したい番組を選択し、選択した番組の中の小区画等を分析条件によって指定して、その番組中から小区画等に該当する部分番組(1つとは限らない)を抽出し、記録媒体10に書き込む。この書き込みによって生じた部分番組は、結果的に、予め録画した番組を編集したコンテンツであると謂える。なお、ここでは、図1及び図2で説明した実施形態と共通の部分に対する説明を省略している。
コンテンツ入力手段11は、記録媒体10からコンテンツCを読み出す手段を有する。そして、コンテンツ分析手段13は、読み出されたコンテンツCに対する分析及び抽出を実行し、部分記録手段14は、コンテンツ入力手段11で読み出されたコンテンツC中、コンテンツ分析手段13で抽出された部分(部分コンテンツB)のみを、記録媒体10に、コンテンツCとは別に新規に記録、或いはコンテンツCに上書き記録する。
上述のごとき構成をもつコンテンツ記録装置2におけるコンテンツ記録処理を、図4を参照して説明する。
まず、記録媒体10に記録されているコンテンツを読み出す(ステップS11)。読み出す対象となるコンテンツCは基本的にユーザが指定するものとする。次に、ユーザ入力に基づきコンテンツ分析条件を入力する(ステップS12)。ここで、ステップS11とステップS12との順序は問わない。
そして、ステップS11で読み出されたコンテンツの内容を時系列で分析し、ステップS12で入力されたコンテンツ分析条件に合致する部分を抽出する(ステップS13)。ここで、ユーザに上書き保存を行うか、或いは新規保存を行うのかをユーザに確認する(ステップS14)。なお、ステップS14の処理は、保存の前の段階であれば何時でも実行してよい。ステップS14において上書き保存が選択された場合、ステップS11で読み出されたコンテンツC中、ステップS13の分析により抽出された部分のみを、コンテンツに上書きして記録媒体10に記録する(ステップS15)。逆に、ステップS14において新規保存が選択された場合、ステップS11で読み出されたコンテンツC中、ステップS13の分析により抽出された部分(部分コンテンツB)のみを、コンテンツCとは別に新規で記録媒体10に記録する(ステップS16)。
図5は、本発明の他の実施形態に係るコンテンツ記録装置におけるコンテンツ記録処理例を説明するためのフロー図で、本発明の他の実施形態に係るコンテンツ記録方法を説明するためのフロー図でもある。
図5を参照して説明する本発明の他の実施形態に係るコンテンツ記録処理は、図1及び図2で説明したコンテンツ記録処理及び/又は図3及び図4で説明したコンテンツ記録処理において、コンテンツ分析条件の入力補助を行う機能を付加したものであり、上述した実施形態と共通の部分の説明は省略する。また、本実施形態に係るコンテンツ記録装置では、図1,図3の双方の実施形態を併せた形態において入力補助機能を持たせたもののみを説明するが、いずれか一方の実施形態のみを採択してもよく、その場合の説明はここでの説明で充足する。
分析条件入力手段12は、コンテンツ分析条件の入力補助として、コンテンツCにおける小区画(コーナーやカテゴリ)の一覧をユーザに提示する手段と、提示した一覧の中からコンテンツ入力条件をユーザに選択させる手段と、を有するものとする。そして、コンテンツ分析手段13は、選択させた小区画に該当する部分を抽出する。また、上述の提示において、コンテンツCにおける出演者の一覧をユーザに提示するようにし、提示した一覧の中からコンテンツ入力条件をユーザに選択させるようにしてもよく、この場合、コンテンツ分析手段13は、選択させた出演者が登場している部分(部分コンテンツB)を抽出することとなる。勿論、小区画と出演者とを併記してユーザに選択させるようにしてもよく、さらに選択項目として好ましくは「その他」の項目を設けてユーザ入力を促すようにしてもよい。
上述のごとき構成をもつコンテンツ記録装置におけるコンテンツ記録処理を、図5を参照して説明する。
まず、コンテンツCを外部入力、或いは記録媒体10から読み出す(ステップS21)。次に、コンテンツCにおける小区画や出演者の一覧をユーザに提示し(ステップS22)、ここで提示した一覧の中からコンテンツ入力条件をユーザに選択させる(ステップS23)。ここで、ステップS21とステップS22,S23との順序は問わない。
次に、ステップS21で取得したコンテンツCの内容を時系列で分析し、ステップS23で選択されたコンテンツ分析条件に合致する部分を抽出する(ステップS24)。ステップS24において、小区画に対しては、選択させた小区画に該当する部分(部分コンテンツB)を抽出し、出演者に対しては、選択させた出演者が登場している部分(部分コンテンツB)を抽出する。出演者に代わり、プロデューサなどを提示し、抽出するようにしてもよい。そして、ステップS21で取得したコンテンツC中、ステップS24の分析により抽出された部分(部分コンテンツB)のみを、記録媒体10に上書き記録/新規記録する(ステップS25)。
図6は、本発明の他の実施形態に係るコンテンツ記録装置の一構成例を示す図で、図7は、図6のコンテンツ記録装置におけるコンテンツ記録処理例を説明するためのフロー図で、本発明の他の実施形態に係るコンテンツ記録方法を説明するためのフロー図でもある。図6において、3はコンテンツ記録装置、13aは分析結果記録手段、13bは参照分析手段、Rは参照用情報であり、その他、図1,図3と同様の構成要素には同じ符号を付し、その説明を省略する。
図6及び図7で例示する本発明の他の実施形態に係るコンテンツ記録処理は、上述した各実施形態に係るコンテンツ記録処理において、部分コンテンツBの分析・抽出処理に対する学習機能を付加したものであり、上述した各実施形態において説明したものと重複する部分の説明は省略する。
本実施形態に係るコンテンツ分析手段13は、分析結果記録手段13a,参照分析手段13bを備え、記録媒体10等の記録媒体に参照用情報Rを格納し、それを利用して分析・抽出を実行できるものとする。
分析結果記録手段13aは、分析対象のコンテンツCに関する情報と、コンテンツ分析条件に対するコンテンツCの分析結果と、を関連付けて、参照用情報Rとして記録する。ここで、分析対象のコンテンツCに関する情報とは、コンテンツCのタイトル,製作者,監督,出演者,総時間等のコンテンツC自身に関する情報などが挙げられ、デジタルコンテンツに対してはコンテンツ情報として一般的に付加されているものが挙げられる。
また、参照分析手段13bは、分析結果記録手段13aで記録された参照用情報R(コンテンツに関する情報及び分析結果)を参照して、新たなコンテンツCに対する分析を実行する。新たなコンテンツCの入力があって部分記録を実行する場合、或いは記録媒体10に格納されているコンテンツCを新たに編集する場合には、例えば、新たなコンテンツCの分析に際し、分析対象コンテンツCに関する情報やユーザ入力された分析条件をキーとして、参照用情報Rを参照して、事前に同様のコンテンツが存在したか、或いは事前に同様の分析条件があったか、などを分析し、その結果に基づいて、分析条件に合った部分コンテンツの抽出を実行する。
より具体的には、参照用情報Rとして、コンテンツC1の出演者は歌手Aであり、それに基づく分析結果は「歌手Aの声帯分析結果、在る特定の帯域に著しいピークが存在する」といった情報が格納されていたとする。この場合、コンテンツC2を分析対象としたときに、ユーザ入力された分析条件が「歌手Aの演奏部分」であったとすると、まず、参照用情報Rを参照し、「歌手Aが著しいピークを在る特定帯域でもつ」事実を得て、コンテンツC2の音声分析をこのピークを検索することで実行し、結果として、歌手Aが演奏している部分(歌っている部分)を部分コンテンツBとして抽出する。
上述のごとき構成をもつコンテンツ記録装置3におけるコンテンツ記録処理を、図7を参照して説明する。
まず、コンテンツCを外部入力、或いは記録媒体10から読み出す(ステップS31)。次に、コンテンツCにおける小区画や出演者の一覧をユーザに提示し(ステップS32)、ここで提示した一覧の中からコンテンツ入力条件をユーザに選択させる(ステップS33)。ここで、ステップS31とステップS32,S33との順序は問わない。
次に、ステップS21で取得したコンテンツCが、参照用情報Rに記録されたコンテンツに関連があるかを判定する(ステップS34)。なお、ステップS34の処理は、抽出処理の前の段階であれば何時でも実行してよい。
ステップS34でYESの場合、ステップS21で取得したコンテンツのC内容から、参照用情報Rを参照して、ステップS33で選択されたコンテンツ分析条件に合致する部分を抽出する(ステップS35)。一方、ステップS34でNOの場合、ステップS21で取得したコンテンツCの内容を時系列で分析し、ステップS33で選択されたコンテンツ分析条件に合致する部分を抽出する(ステップS36)。
ステップS35,S36に続き、新たなコンテンツの部分抽出のための情報(参照用情報R)として、分析結果及びコンテンツ情報を記録媒体10等に記録する(ステップS37)。なお、ステップS37の処理は、部分コンテンツBの抽出後の段階であれば何時でも実行してよい。そして、ステップS21で取得したコンテンツC中、分析により抽出された部分のみを、記録媒体10に上書き記録/新規記録する(ステップS38)。
図8は、本発明の他の実施形態に係るコンテンツ記録装置の一構成例として番組録画装置の構成例を示すブロック図で、図9は、図8の番組録画装置における番組録画処理例を説明するためのフロー図で、本発明の他の実施形態に係るコンテンツ記録方法を説明するためのフロー図でもある。
図8において、20は番組録画装置、21はアンテナ、22はチューナ、23はデコード部、24は番組録画処理部、25はエンコード部、26は出力制御部、27はネットワークインタフェイス(以下、I/Fと略す)部、28は入力部、29は外部記録媒体I/F部、30は記憶部、31はCPU、32はメモリ、33はシステムバス、41はネットワーク、42はリモートコントローラ(以下、リモコンと略す)、43はスピーカ、44は表示装置、45は外部記録媒体である。
図8及び図9を参照して説明する本発明の他の実施形態に係るコンテンツ記録装置及び方法は、図1乃至図7で説明したコンテンツ記録装置及び方法の組み合わせの例に関するものである。但し、ここでは、図1乃至図7で説明した実施形態の全て兼ね備えたコンテンツ記録装置及び方法に関するものの一例を説明し、また、上述した実施形態と共通の部分の説明は省略する。
番組録画装置20は、アンテナ21,チューナ22,デコード部23,番組録画処理部24,エンコード部25,出力制御部26,ネットワークI/F部27,入力部28,外部記録媒体I/F部29,記憶部30,CPU31,メモリ32,システムバス33を備えている。記憶部30は磁気ディスクなどで構成され、メモリ32はROMやRAMなどで構成され、チューナ22,デコード部23,番組録画処理部24,エンコード部25,出力制御部26,ネットワークI/F部27,入力部28,外部記録媒体I/F部29,記憶部30,CPU31,メモリ32の各部はシステムバス33を介して相互に接続されている。また、デコード部23,番組録画処理部24,エンコード部25,出力制御部26,CPU31,メモリ32,システムバス33やその他の部位を、システムLSI(System Large Scale Integration)として構成してもよい。
さらに、番組録画装置20は、番組録画装置20へ遠隔で各種操作入力するためのリモコン42、音声データの出力装置であるスピーカ43、映像データの出力装置であるCRTやLCD,プラズマディスプレイなどの表示装置44、音声や映像データを記録可能なDVD,ビデオテープ,半導体メモリ,HDなどの外部記録媒体45などで構成され、出力制御部26を介してスピーカ43と表示装置44を接続し、外部記録媒体I/F部29を介して外部記録媒体45を着脱可能に接続し、ネットワークI/F部27を介してインターネットなどのネットワーク41と接続可能とする。なお、入力部28は受光部を備え、リモコン42からの操作信号を入力する。
ここで、本発明の番組録画装置20は、上述したように、例えば、ハードディスクレコーダ,DVDレコーダ,ハードディスク内蔵DVDレコーダなどに好適に適用でき、さらには、チューナ機能を備えたパーソナルコンピュータなどに適用してもよい。なお、ここでの説明ではハードディスク内蔵DVDレコーダを代表例として説明するものとする。
図8において、チューナ22は、アンテナ21で受信された放送波から放送信号を復調し、映像信号成分、音声信号成分、(及びコンテンツに関する情報)に分離する。ここで、コンテンツに関する情報は、電子番組表データ(以下、EPGデータという)から取得するようにしてもよい。EPGデータは、例えば、番組名,ジャンル,放送時間帯(開始時刻/終了時刻),出演者,番組内容(あらすじ)などの各番組に関する情報が含まれ、上記放送波から取得する以外に、EPG配信サービスを提供するサービス提供業者等のサーバ装置からネットワーク41を介して取得するようにしてもよい。なお、上記放送波は、デジタル放送波(BS,CS,地上波)或いはアナログ放送波のいずれであってもよい。
アナログ放送波による番組を録画する場合、チューナ22は、アンテナ21を介して受信した高周波信号(アナログ変調信号)を復調し、分離した映像信号と音声信号をエンコード部25に入力する。エンコード部25は、入力された映像信号と音声信号を、例えば、MPEG(Moving Picture Experts Group)方式などでエンコードする。エンコードされた映像信号と音声信号は、記憶部30或いは外部記録媒体45に記憶される。
番組録画処理部24は、通常の番組録画も行うが、本発明に係る番組記録処理(部分番組記録処理)も実行する。ここでは、入力部28でのユーザによる分析条件入力を経て、チューナ22から伝送された番組或いはデコード部23でデコードされた番組から部分番組を生成し、エンコード部25でエンコードして、その部分番組と参照用情報を記憶部30に記憶する。また、記憶部30に事前に録画されている番組を番組録画処理部24で部分番組にする場合、記憶部30から読み出した番組をそのまま或いはデコード部23でデコードした後、部分番組の生成を実行して、必要に応じてエンコード部25でエンコードして、元の番組に上書きするか或いは元の番組とは別に新規保存する。
アナログ放送の録画データを再生する場合、記憶部30或いは外部記録媒体45に記憶された映像信号と音声信号はデコード部23に出力され、デコード部23は、入力された映像信号と音声信号をMPEG方式でデコードして出力制御部26に出力する。出力制御部26は、デコードされた映像信号に基づいて表示出力を制御して表示装置44に映像を出力させると共に、音声信号に基づいて音声出力を制御してスピーカ43に音声を出力させる。視聴者は上術の各信号に対応したアナログ放送番組を視聴することができる。
また、デジタル放送波による番組を録画する場合、チューナ22は、アンテナ21を介して受信した高周波信号(デジタル変調信号)を復調し、分離した映像信号と音声信号とコンテンツ情報とを記憶部30或いは外部記録媒体45に出力して記憶させ、番組録画処理部24に入力する。デジタル放送波の場合も番組録画処理部24における処理は同じであるが、放送波として受信したコンテンツ情報を利用できる点が異なる。
デジタル放送の録画データを再生する場合、記憶部30或いは外部記録媒体45に記憶された映像信号と音声信号はデコード部23に出力され、デコード部23は、入力された映像信号と音声信号をデコードして出力制御部26に出力する。出力制御部26は、デコードされた映像信号に基づいて表示出力を制御して表示装置44に映像を出力させると共に、音声信号に基づいて音声出力を制御してスピーカ43に音声を出力させる。視聴者は上述の各信号に対応したデジタル放送番組を視聴することができる。
上述のごとき構成をもつコンテンツ記録装置20におけるコンテンツ記録処理(番組部分記録処理)を、図7を参照して説明する。
まず、録画(編集)を実行するかの判断を行う(ステップS41)。ここで、録画や編集を行なうまで、録画処理は待機する。一方、ステップS41でYESの場合、番組を外部入力、或いは記録媒体(記録部30や外部記録媒体45)から読み出す(ステップS42)。そして、本発明に係る部分録画(編集)か否かを判定する(ステップS43)。ステップS41,S43ではユーザによるボタン押下等による命令によって判定を行い、直接、部分録画の命令を入力できるよう構成しておくことが好ましい。ステップS43でNOの場合には、通常録画処理を実行し(ステップS44)、処理を終了する。一方、ステップS43でYESの場合には、部分録画処理を実行するステップS45へと進む。
ステップS45では、番組における小区画や出演者の一覧(及び分析方法の一覧)をユーザに提示する。そして、提示した一覧の中から番組入力条件をユーザに選択させる(ステップS46)。ここで、「その他」の場合はユーザ入力を促すようにするとよい。次に、番組の初期分析を実行し、音声分析,画像分析,時間情報分析の中から分析方法を決定する(ステップS47)。ステップS47では、ステップS45において分析方法の一覧を複数選択可の状態で提示してユーザ選択させておき、その結果で分析方法の決定を行ってもよい。このように、番組録画が開始されると、まず、ユーザによる命令を入力させる。命令としては、分割するカテゴリ、例えば音楽とコントに分割、タレントを指定して分割などが挙げられる。
次に、その番組(或いは分析条件)が、参照用情報に記録された番組に関連があるかを判定する(ステップS48)。関連がある場合には、番組の内容から、参照用情報を参照して、番組分析条件に合致する部分を抽出する(ステップS49)。ステップS49では、選択された分析方法に基づき、音声分析(ステップS50),画像分析(ステップS51),時間情報分析(ステップS52)のいずれか1又は複数を利用する。ステップS48でNOの場合には、番組の内容を時系列で分析し、番組分析条件に合致する部分を抽出する(ステップS53)。ステップS53でも、選択された分析方法に基づき、音声分析(ステップS54),画像分析(ステップS55),時間情報分析(ステップS56)のいずれか1又は複数を利用する。
上述のごとく、録画データの分析を、ユーザ入力された或いは予めユーザ設定された命令情報に基づいて実行する。音声による分析であれば、音声データを入力し、例えば歌手の声紋分析やステレオ/アナログの差異、CMであるか否かなどに基づき、分析する。決り文句「はい、次は〜〜です。」といった音声(発話内容)を拾ってもよい。トークと演奏が交互に繰り返されるような音楽番組などに有効である。画像による分析であれば、例えば出演タレント,キャラクタ,文字(字幕,歌詞などでもよい)などに基づき、分析する。時間による分析であれば、時間データを入力し、例えばコーナーの時間,所定のタレントが出演する時間などに基づき、分析を実行する。
ステップS49,S53に続き、分析結果及び番組情報を参照用情報として記録媒体(記録部30や外部記録媒体45)に記録する(ステップS57)。このように、これら分析の結果は記録媒体に保存され、後の録画データの分析に利用される。このような分析能力を向上させる学習機能は非常に有効である。勿論、参照用情報Rとしては、デジタル/アナログやその他のコンテンツの種別を問わず統一の参照用情報として格納することが好ましいが、コンテンツの種別毎に参照用情報を別途格納するようにしてもよい。そして、番組中、分析により抽出された部分のみを、記録媒体(記録部30や外部記録媒体45)に上書き記録/新規記録する(ステップS58)。このように、分析結果に基づきカテゴリに分割し、記録(録画)されるが、手動でも分割を行えるようにし、手動で行った時間,出演者,音声などによる分割を記憶させておき、後に、例えば同じ番組の録画時に利用するとよい。
ここで、上述の各実施形態に関し、PC(パーソナルコンピュータ)等の汎用コンピュータやPDA(携帯情報端末)等のモバイルコンピュータ、或いは携帯電話等で適用する場合の、各種情報の処理について、図10に示す本発明に適用可能な一般的な情報処理装置の構成例を参照して簡単に説明する。図10において、50は情報処理装置、51はCPU(中央演算処理装置)、52はRAM(Random Access Memory)、53はハードディスクドライブ(HDD)、54は入力装置、55は表示装置、56は通信装置、57は出力装置、58はシステムバス、59は外部記録媒体である。
本システムで取り扱われる情報は、その処理時に一時的にRAM52に蓄積され、その後、HDD53などの記憶手段に格納され、必要に応じて、CPU51によって読み出し、修正・書き込みが行われる。また、コンピュータをコンテンツ記録装置として機能させるためのプログラム(コンテンツ記録プログラム)、或いはコンピュータにコンテンツ記録方法の各ステップを実行させるためのプログラムは、それぞれのROMやHDD53などに蓄積され、CPU51が読み出すことによって実行される。また、処理の途中経過や途中結果は、CRT(Cathode−ray Tube),LCD(Liquid Crystal Display),PDP(Plasma Display Panel)等の表示装置55を通してユーザに提示され、必要な場合には、キーボード,マウス(ポインティングデバイス)等の入力装置54からユーザが処理に必要な分析条件等のパラメータや応答を入力すればよい。このコンテンツ記録プログラムは、ユーザが使用する際に容易となるように、表示装置55用のグラフィカルユーザインターフェース(GUI)を備えるようにするとよい。通信装置56は、上述のネットワーク等に接続して通信を行うための機器であり、HDD53と共にコンテンツの入力経路となる。なお、CPU51,RAM52,HDD53,入力装置54,表示装置55,通信装置56やその他のプリンタや外部記録媒体59等の出力装置57などは、バス58などで接続されていればよい。
以上、図1乃至図10を参照しながら、本発明のコンテンツ記録装置及び方法を中心に各実施形態を説明してきたが、本発明は、図10で説明したように、上述した各実施形態におけるコンテンツ記録装置としての情報処理機器(例えばコンピュータ)を、各手段として機能させるためのコンテンツ記録プログラム、或いはコンピュータにそれら装置の処理手順或いはそれらコンテンツ記録方法の各ステップを実行させるためのコンテンツ記録プログラムとしても、或いは、そのコンテンツ記録プログラムを記録した情報処理機器で読み取り可能な記録媒体としての形態も可能である。
本発明によるコンテンツ記録の機能を実現するためのコンテンツ記録プログラムやデータを記憶した記録媒体の実施形態を説明する。なお、ここで説明する記録媒体は、上述の記録媒体10とその物理的構成は同じでよいが、部分コンテンツ(又はコンテンツ)を記録するための記録媒体10とはその用途が異なり、単にコンテンツ記録プログラムを記録して流通させるための媒体を指す。ここでの記録媒体としては、具体的には、各種のCD,MO(光磁気ディスク),DVD,FD,フラッシュメモリや、その他各種ROMやRAM等が想定でき、上述したコンテンツ記録プログラムを、これら記録媒体に記録して流通させることにより、当機能の実現を容易にする。そして、図10で例示したようなコンピュータ等の情報処理装置に、上述のごとくの記録媒体を装着して情報処理装置によりコンテンツ記録プログラムを読み出すか、若しくは情報処理装置が備えている記録媒体にコンテンツ記録プログラムを記憶させておき、必要に応じてこれを読み出すことにより、本発明に係わるコンテンツ記録の機能を実行することができる。
1,2,3…コンテンツ記録装置、10…記録媒体、11…コンテンツ入力手段、12…分析条件入力手段、13…コンテンツ分析手段、13a…分析結果記録手段、13b…参照分析手段、14…部分記録手段、20…番組録画装置、21…アンテナ、22…チューナ、23…デコード部、24…番組録画処理部、25…エンコード部、26…出力制御部、27…ネットワークI/F部、28…入力部、29…外部記録媒体I/F部、30…記憶部、31,51…CPU、32…メモリ、33,58…システムバス、41…ネットワーク、42…リモートコントローラ、43…スピーカ、44,55…表示装置、45,59…外部記録媒体、50…情報処理装置、52…RAM、53…HDD、54…入力装置、56…通信装置、57…出力装置、B…部分コンテンツ、C…コンテンツ、R…参照用情報。