JP2006012853A - 透明導電性フィルム及びタッチパネル - Google Patents
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Abstract
【課題】ペン入力耐久性に優れた透明導電性フィルムおよびそれを用いたタッチパネルを提供する。
【解決手段】透明なプラスチックフィルム11の一方の表面において、シリコンおよびフッ素が原子比で0.3%以下であり、この表面上に透明導電性薄膜12を積層した透明導電性フィルム1であって、かつ透明なプラスチックフィルム11と透明導電性薄膜12との付着力が10g/15mm以上であることを特徴とする透明導電性フィルム。
【選択図】図1
【解決手段】透明なプラスチックフィルム11の一方の表面において、シリコンおよびフッ素が原子比で0.3%以下であり、この表面上に透明導電性薄膜12を積層した透明導電性フィルム1であって、かつ透明なプラスチックフィルム11と透明導電性薄膜12との付着力が10g/15mm以上であることを特徴とする透明導電性フィルム。
【選択図】図1
Description
本発明はプラスチックフィルムを用いた透明導電性フィルムおよびこれを用いたタッチパネルに関するものであり、殊にタッチパネルに用いた際の耐ペン入力性に優れたものである。
プラスチックフィルム上に透明かつ低抵抗な化合物薄膜を形成した透明導電性フィルムは、その導電性を利用した用途、例えば、液晶ディスプレイ、ELディスプレイといったフラットパネルディスプレイや、タッチパネルの透明電極など電気、電子分野の用途に広く使用される。
透明導電性薄膜としては、一般的には、酸化すず、酸化インジウム、酸化インジウム・すず、酸化亜鉛などが代表的なものであり、基板としては、ポリエチレンテレフタレートをはじめとする各種のプラスチックフィルムをもちいる。
近年、携帯情報端末の普及により、ペンによる文字入力の機能を有するタッチパネルが要求されるようになった。このため、ペン入力用タッチパネルに透明導電性フィルムを用いた場合に、ペン入力により導電性が劣化しないなどの耐久特性がもとめられている。
このような従来の透明導電性フィルムは次のような課題を有していた。
ペン入力用タッチパネルに透明導電性フィルムを用いた場合、スペーサーを介して対向させた一対の導電性薄膜同士が、ペン入力による押圧で強く接触するため、薄膜にクラックや剥離が生じてしまい、電気抵抗が増大したり、断線を生じたりするという問題点があった。
そこで、120μm以下の厚さの透明プラスチック上に透明導電性薄膜を形成し、粘着剤層で他の透明基体と貼りあわせた透明導電性フィルムが提案されているが、ペン入力に対する耐久性は十分ではない(例えば、特許文献1を参照)。また、粘着剤をもちいて貼りあわせるため、貼りあわせ時にゴミなどの異物が混入し、光学欠点の多い透明導電性フィルムとなってしまう。
また、透明なプラスチックフィルム上に有機ケイ素化合物の加水分解により生成された層を設け、さらに透明導電性薄膜を積層した透明導電性フィルムが提案されている(例えば、特許文献2を参照)。しかしながら、この透明導電性フィルムは透明導電性薄膜を製膜したのちに 150℃程度の熱処理が必要であるため、結晶質の透明導電性薄膜となる。このため、タッチパネル作製時の透明導電性薄膜のエッチング特性が極めて悪く、タッチパネルの製造コストが高いものになる。
特開平2−66809号公報
特開昭60−131711号公報
本発明は、上記の従来の問題点に鑑み、透明なプラスチックフィルム上に透明導電性薄膜を形成した透明導電性フィルムにおいて、タッチパネルに用いた際のペン入力耐久性を改良することを目的としている。
上記目的を達成するために鋭意検討した結果、透明なプラスチックフィルム(11)の一方の表面において、シリコンおよび/またはフッ素が原子比で0.3%以下であり、この表面上に透明導電性薄膜(12)を積層した透明導電性フィルム(1)であって、かつ透明なプラスチックフィルム(11)と透明導電性薄膜(12)との付着力が10g/15mm以上であることを特徴とする透明導電性フィルムの発明に至った。
また、透明なプラスチックフィルム(11)の一方の面にプライマー層として高分子樹脂層(14)を形成し、該高分子樹脂層(14)表面においてシリコンおよびフッ素が原子比で0.3%以下であり、該高分子樹脂層(14)表面上に透明導電性薄膜(12)を積層した透明導電性フィルム(1)であって、かつ高分子樹脂層(14)と透明導電性薄膜(12)との付着力が10g/15mm以上であることを特徴とする透明導電性フィルムに係るものである。また、透明なプラスチックフィルム(11)の透明導電性薄膜(12)を形成した面とは反対の面にハードコート層(13)を形成したことを特徴とする透明導電性フィルムに係るものである。さらに、ハードコート層(13)が防眩効果もしくは低反射処理を施したことを特徴とした透明導電性フィルムに係るものである。また、透明導電性フィルム(1)の透明導電性薄膜(12)が非晶質であることを特徴とした透明導電性フィルムに係るものである。
また、透明導電性薄膜を有する一対のパネル板を、透明導電性薄膜が対向するようにスペーサーを介して配置してなるタッチパネルにおいて、少なくとも一方のパネル板が上記に記載の透明導電性フィルムからなることを特徴とするタッチパネルに係るものである。
本発明によると、シリコンおよびフッ素が原子比で0.3%以下である透明なプラスチックフィルム(11)表面上もしくは高分子樹脂層(14)表面上に透明導電性薄膜(12)を積層したものの付着力は極めて強いため、ペン入力用タッチパネルに用いた際のペンの押圧で対向の透明導電性薄同士が接触しても、剥離、クラック等を生じることがなく、ペン入力耐久性に極めて優れた透明導電性フィルム(1)を提供することができる。
本発明における透明なプラスチックフィルム(11)とは、有機高分子を溶融押出し又は溶液押出しをして、必要に応じ、長手方向、および、または、幅方向に延伸、冷却、熱固定を施したフィルムであり、有機高分子としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2、6−ナフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ナイロン6、ナイロン4、ナイロン66、ナイロン12、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルサルファン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリアクリル、セルロースプロピオネート、ポリ塩化ビニール、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンオキサイド、ポリスチレン、シンジオタクチクポリスチレン、ノルボルネン系ポリマーなどがあげられる。また、これらの(有機重合体)有機高分子は他の有機重合体を少量共重合したり、ブレンドしたりしてもよい。これらのうち、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリエチレン−2、6−ナフタレート、シンジオタクチクポリスチレン、ノルボルネン系ポリマーなどが、最も好ましく用いられる。
本発明における透明なプラスチックフィルム(11)の厚みは、10μmを越え、300μmの範囲にあることが好ましく、とくに好適には70〜260μmの範囲にあるのがよい。10μm以下では機械的強度が不足し、特にタッチパネルに用いた際のペン入力に対する変形が大きくなり過ぎ、耐久性が十分でなくなる。一方、300μmを越えると、タッチパネルに用いた際のペン入力時の荷重を大きくする必要があり、好ましくない。
本発明におけるプラスチックフィルム(11)は、本発明の目的を損なわないかぎりにおいて、該フィルムをコロナ放電処理、グロー放電処理などの表面処理を施してもよい。
本発明における透明導電性薄膜(12)としては、透明性、及び、導電性をあわせもつ材料であれば特に制限はないが、代表的なものとしては、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、インジウム−スズ複合酸化物、スズ−アンチモン複合酸化物、亜鉛−アルミニウム複合酸化物、インジウム−亜鉛複合酸化物等の薄膜がある。これらの化合物薄膜は、適当な作成条件とすることで、透明性と導電性をあわせもつ透明導電性薄膜となることが知られている。
透明導電性薄膜(12)の膜厚としては、40〜8000Åの範囲が望ましく、さらに望ましくは50〜5000Åである。透明導電性薄膜(12)の膜厚が40Åよりも薄い場合、連続した薄膜になりにくく良好な導電性を示さない。また、8000Åよりも厚い場合、透明性の低下をきたす。
本発明における透明導電性薄膜(12)の作成方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法、イオンプレーティング法、スプレー法などが知られており、上記材料の種類および必要膜厚に応じて適宜の方法を用いることが出来る。
例えばスパッタリング法の場合、化合物を用いた通常のスパッタリング法、あるいは、金属ターゲットを用いた反応性スパッタリング法等が用いられる。この時、反応性ガスとして、酸素、窒素、水蒸気等を導入したり、オゾン添加、イオンアシスト等の手段を併用してもよい。また、本発明の目的を損なわないかぎりにおいて、基板に直流、交流、高周波などのバイアスを印加してもよい。
非晶質の透明導電性膜(12)を製膜するためには、基板であるプラスチックフィルムの製膜時の温度を100℃以下にする必要がある。蒸着法、CVD 法などの他の作成方法においても同様である。
本発明における透明導電性フィルム(1)において、ペン入力耐久性の向上には、透明なプラスチックフィルム(11)と透明導電性薄膜(12)との付着力を10g/15mm以上にする必要がある。このためには、透明なプラスチックフィルム(11)の表面が、シリコンおよびフッ素が原子比で0.3%以下であるような清浄面に透明導電性薄膜(12)を製膜する必要がある。透明なプラスチックフィルム(1)は前述のような有機高分子からなるので、表面にシリコンやフッ素を含む物質が存在しないはずである。しかしながら、プラスチックフィルムの製造工程におけるシリコンやフッ素を含む物質との接触(金属ロール表面の汚染物質との接触、ゴムロールとの接触など)や、後述するハードコート層形成時のロール接触などによる汚染、さらに、ハードコート層中に存在するシリコンやフッ素を含む物質の転写により、透明プラスチックフィルム(11)表面はシリコンやフッ素を含む物質で汚染される。この汚染された表面に透明導電性薄膜(12)を積層しても、十分な付着力が得られず、ペン入力時に透明導電性薄膜(12)にクラックや剥離が生じ、電気抵抗が増大したり、断線を生じ、ペン入力耐久性が十分でない透明導電性フィルム(1)となる。
そこで、透明なプラスチックフィルム(11)と透明導電性薄膜(12)の付着力を10g/15mm以上にするためには、透明なプラスチックフィルム(11)の表面を洗浄し、シリコンおよびフッ素が原子比で0.3%以下である表面にする必要がある。洗浄方法としては、洗剤や有機溶剤、酸・アルカリ性水溶液への浸漬によるウエット工程による方法と、紫外線照射、プラズマ処理、イオン照射等のドライ工程による方法がある。
洗剤を用いた洗浄方法に用いる洗剤としては陰イオン系、陽イオン系、中性のものを用い、必要に応じて、イオン系もしくは非イオン系の界面活性剤を添加してもよい。さらに透明なプラスチックフィルム(11)を単に洗剤中に浸漬するだけでなく、超音波を印加するなどの機械的手法を併用することでさらに洗浄度を高めることが可能となる。また、アセトン、トリクロロエチレン、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコールなどの有機溶剤を用いた洗浄方法においても、単に浸漬するだけでも良いし、超音波を印加するなどの機械的手法を併用する方法、有機溶剤の蒸気を用いる方法などでもよい。
酸性水溶液による洗浄に用いられる酸は、塩酸、硫酸、フッ酸、硝酸などの単独酸もしくは混酸である。また、アルカリ性水溶液による洗浄に用いられるアルカリは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カルシウムなどを単独もしくは混合したものを用いる。また、酸・アルカリ性水溶液を洗剤中に混合したものを用いることで、洗浄の効果をさらに向上することが可能である。
以上のようなウエット工程による洗浄を行った後に、汚れを落とすために用いた媒質を除去、乾燥する。たとえば、純水を用いたリンスを十分に行い、透明なプラスチックフィルムの引き上げに注意を払い、窒素ブローなどで素早く乾燥させ、表面に純水の斑紋が残らないようにする。
また、低圧もしくは高圧紫外線ランプをもちいて紫外線を照射し、透明なプラスチックフィルム(11)上の汚染物を分解、除去してもよい。さらに、真空中でイオンやプラズマを照射し、汚染物を分解、除去する方法を用いても良い。
本発明における透明導電性フィルム(1)のための好ましいプライマー層として用いる高分子樹脂層(14)は、透明なプラスチックフィルム(11)および透明導電性薄膜(12)の双方に卓越した接着性質を提供する。高分子樹脂層(14)としては、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ウレタンアクリル樹脂、メラミン樹脂などが好ましい。
本発明の高分子樹脂層(14)の厚さは、0.005〜2μmの範囲が好ましく、さらに好ましくは0.01〜1μmの範囲である。0.005μmより薄い場合は連続した膜になりにくいため透明導電性薄膜(12)の付着力が不足し、2μmよりも厚い場合は、高分子樹脂層(14)の凝集破壊が起りやすくなるため、やはり透明導電性薄膜(12)の付着力が不足する。
本発明の高分子樹脂層(14)を透明なプラスチックフィルム(11)上に積層するには、コーティング法を用いて積層する。コーティング法としては、エアドクタコート法、ナイフコート法、ロッドコート法、正回転ロールコート法、リバースロールコート法、グラビアコート法、キスコート法、ビードコート法、スリットオリフェスコート法、キャストコート法などが用いられる。架橋構造を付与する場合には、コーティング後に加熱もしくは紫外線、電子線照射によりエネルギー印加する。
また、透明なプラスチックフィルム(11)として長手方向および幅方向に延伸、冷却、熱固定を行ったフィルムを用いる場合には、高分子樹脂層(14)を二つの延伸段階の間、すなわち二軸延伸操作の長手方向および幅方向への延伸の間で、コーティングする方法を適用してもよい。このような延伸およびコーティングの順序は特に、高分子樹脂層(14)を積層したポリエステルフィルムの製造に好ましい。好ましくは、まず長手方向に、一連の回転ローラー上で延伸され、次に硬化性高分子をコーティングし、そして最後に、テンターオーブン中で横方向に延伸され冷却、熱固定をおこなう。さらに好ましくは、このあとにフィルムに加熱もしくは紫外線、電子線照射によりエネルギー印加し硬化させる。
高分子樹脂層(14)をコーティングするに先立ち、本発明の目的を損なわないかぎりにおいて、透明なプラスチックフィルム(11)をコロナ放電処理、グロー放電処理などの表面処理を施してもよい。
透明導電性薄膜(12)の付着力を高めるためには、先程と同様、高分子樹脂層(14)の表面を洗浄し、シリコンおよび/またはフッ素が原子比で0.3%以下である表面にする必要がある。洗浄方法としては、洗剤や有機溶剤、酸・アルカリ性水溶液への浸漬によるウエット工程による方法と、紫外線照射、プラズマ処理、イオン照射等のドライ工程による方法がある。
以上のように、シリコンおよびフッ素が原子比で0.3%以下である透明なプラスチックフィルム(11)上もしくは高分子樹脂層(14)上に透明導電性薄膜(12)を積層したものの付着力は極めて強くなり、本発明の透明導電性フィルム(1)は極めてペン入力耐久性に優れたものである。
また、透明導電性フィルム(1)の透明導電性薄膜(12)を設けた面の反対側の面に、タッチパネルの用いた際のペンなどからの傷つき防止のために、ハードコート処理層(13)を設けてもよい。このハードコート処理層(13)としては、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコン系樹脂、ポリイミド系樹脂などの硬化性樹脂を単体もしくは混合した架橋性樹脂硬化物層が好ましい。
このハードコート処理層(13)の厚さは、0.1〜50μmの範囲が好ましく、さらに好ましくは、0.5〜30μmの範囲である。0.1μmより薄い場合は、ハードコート処理の機能が十分発現せず、50μmをこえる厚さでは、樹脂コーティングの速度が著しく遅くなり、生産性の面で好結果を得にくい。
ハードコート処理層(13)を積層する方法としては、透明導電性フィルム(1)の透明導電性薄膜(15)を設けた面の反対側の面に、上記の樹脂をグラビア方式、リバース方式、ダイ方式などでコーティングした後、熱、紫外線、電子線等のエネルギーを印加することで、硬化させる。
また、タッチパネルの視認性向上のために、ハードコート層(13)に、防眩効果を付与しても良い。防眩効果を付与するには、硬化性樹脂をコーティング、乾燥後にエンボスロールで表面に凹凸を形成し、この後熱、紫外線、電子線等のエネルギーを印加することで、硬化させる。硬化性樹脂としては、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコン系樹脂、ポリイミド系樹脂などの単体もしくは混合したものが好ましい。
また、タッチパネルの用いた際に可視光線の透過率をさらに向上させるためにハードコート層(13)上に、反射防止処理を施してもよい。この反射防止処理は、ハードコート層(13)の屈折率とは異なる屈折率を有する材料を単層もしくは2層以上の積層するのが好ましい。単層構造の場合、ハードコート層(13)よりも小さな屈折率を有する材料を用いるのがよい。また、2層以上の多層構造とする場合は、ハードコート層(13)と隣接する層は、ハードコート層(13)よりも大きな屈折率を有する材料を用い、この上の層にはこれよりも小さな屈折率を有する材料を選ぶのがよい。このような反射防止処理を構成する材料としては、有機材料でも無機材料でも上記の屈折率の関係を満足すれば特に限定されないが、例えば、CaF2、MgF2、NaAiF4、SiO2、ThF4、ZrO2、Nd2O3、SnO2、TiO2、CeO2、ZnS、In2O3などの誘電体を用いるのが好ましい。
この反射防止処理は、真空蒸着法、スパッタリング法、CVD 法、イオンプレーティング法などのドライコーティングプロセスでも、グラビア方式、リバース方式、ダイ方式などのウェットコーティングプロセスでもよい。
さらに、このハードコート処理層(13)の積層に先立って、前処理として、コロナ放電処理、プラズマ処理、スパッタエッチング処理、電子線照射処理、紫外線照射処理、プライマ処理、易接着処理などの公知の処理を施してもよい。
図5に、本発明の透明導電性フィルム(1)を用いた、タッチパネルの例を示す。透明導電性薄膜を有する一対のパネル板を、透明導電性薄膜が対向するようにスペーサーを介して配置してなるタッチパネルにおいて、一方のパネル板に本発明の透明導電性フィルム(1)を用いたものである。このタッチパネルは、透明導電性フィルム(1)側より、ペンにより文字入力したときに、ペンからの押圧により、対向した透明導電性薄膜同士が接触し、電気的にONになり、ペンのタッチパネル上での位置を検出できる。このペン位置を連続的かつ正確に検出することで、ペンの軌跡から文字を入力できる。この際、ペン接触側のパネル板が本発明の透明導電性フィルム(1)であるため、ペン入力耐久性に優れるため、長期にわたって安定なタッチパネルである。
なお、図5において、もう一方のパネル板は、プラスチックフィルムやガラス板の透明基板の上に透明導電性薄膜を積層したものであるが、本発明の透明導電性フィルム(1)を使用してもよい。
以下に、本発明の実施例を記載してより具体的に説明する。なお、以下において、部とあるのは重量部である。
実施例1
厚さが188μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績(株)製:A4100)を透明なプラスチックフィルム(11)として用いた。この透明なプラスチックフィルム(11)を40℃の1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液中に1分間浸漬した。さらに、純水中に1分間浸漬し水酸化ナトリウムを除去した。このようにして洗浄した透明なプラスチックフィルム(11)を純水中から引き上げ、窒素ガスを吹きかけ、表面に斑紋が残らないように乾燥した。
厚さが188μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績(株)製:A4100)を透明なプラスチックフィルム(11)として用いた。この透明なプラスチックフィルム(11)を40℃の1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液中に1分間浸漬した。さらに、純水中に1分間浸漬し水酸化ナトリウムを除去した。このようにして洗浄した透明なプラスチックフィルム(11)を純水中から引き上げ、窒素ガスを吹きかけ、表面に斑紋が残らないように乾燥した。
この洗浄した透明なプラスチックフィルム(11)の易接着処理を施していない面(ポリエチレンテレフタレート面)上に、インジウムスズ複合酸化物をターゲットに用いて、直流マグネトロンスパッタリング法で、250Å厚、酸化すず含有率20重量%のインジウムスズ複合酸化物薄膜を透明導電性薄膜(14)として製膜した。この時、真空度は3×10-3Torrとし、ガスとしてAr60sccm、O22sccm流した。また、基板は製膜中、加熱もしくは冷却せず、室温のままとした。
この透明導電性フィルム(1)を一方のパネル板として用い、他方のパネル板として、ガラス基板上に上記と同等の方法で400Å厚の透明導電性薄膜を形成したものを用いた。この2枚のパネル板を透明導電性薄膜が対向するように、直径30μmのエポキシビーズを介して、配置しタッチパネルを作製した。
実施例2
厚さが125μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績(株)製:A4300)を透明なプラスチックフィルム(11)として用いた。この透明なプラスチックフィルム(11)の易接着処理層の表面をUV−オゾン洗浄装置(アイグラフィック株式会社製:OC−250315G)を用い、UVランプ25W 3灯、処理時間30秒の条件で洗浄した。
厚さが125μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績(株)製:A4300)を透明なプラスチックフィルム(11)として用いた。この透明なプラスチックフィルム(11)の易接着処理層の表面をUV−オゾン洗浄装置(アイグラフィック株式会社製:OC−250315G)を用い、UVランプ25W 3灯、処理時間30秒の条件で洗浄した。
この洗浄面に、インジウムスズ複合酸化物をターゲットに用いて、直流マグネトロンスパッタリング法で、300Å厚、酸化スズ含有率25重量%のインジウムスズ複合酸化物薄膜を透明導電性薄膜(14)として製膜した。この時、真空度は2×10-3Torrとし、ガスとしてAr50sccm、O21sccm流した。また、基板(1)は製膜中、加熱もしくは冷却せず、室温のままとした。さらに、基板電位はグランドとした。
この透明導電性フィルム(1)を一方のパネル板として用い、他方のパネル板として、ガラス基板上に上記と同等の方法で400Å厚の透明導電性薄膜を形成したものを用いた。この2枚のパネル板を透明導電性薄膜が対向するように、直径30μmのエポキシビーズを介して、配置しタッチパネルを作製した。
実施例3
厚さが188μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績(株)製:A4140)を透明なプラスチックフィルム(11)として用いた。透明なプラスチックフィルム(11)の易接着処理を施してある面上にハードコート処理層(13)を設けた。ハードコート剤としては、エポキシアクリル樹脂100部にベンゾフェノン4部を加えた紫外線硬化型樹脂組成物を用い、リバースコート法で成膜後、80℃5分の予備乾燥、500mJ/cm2 の紫外線照射により硬化させた。硬化後の厚さは5μmである。
厚さが188μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績(株)製:A4140)を透明なプラスチックフィルム(11)として用いた。透明なプラスチックフィルム(11)の易接着処理を施してある面上にハードコート処理層(13)を設けた。ハードコート剤としては、エポキシアクリル樹脂100部にベンゾフェノン4部を加えた紫外線硬化型樹脂組成物を用い、リバースコート法で成膜後、80℃5分の予備乾燥、500mJ/cm2 の紫外線照射により硬化させた。硬化後の厚さは5μmである。
このハードコート層(13)を積層した透明なプラスチックフィルム(11)を、アルカリ性洗剤(第一工業製薬株式会社製:スキャット20−X)10部、純水90部からなる洗浄液中に表1のように浸漬時間を変え、さらに純水中に1分間浸漬しリンスした。純水中から引き上げた後、斑紋が残らないように窒素ガスを吹きかけ水分を乾燥させた。
さらにハードコート層(13)を積層していない面にインジウムスズ複合酸化物をターゲットに用いて、直流マグネトロンスパッタリング法で、300Å厚、酸化スズ含有率35重量%のインジウムスズ複合酸化物薄膜を透明導電性薄膜(14)として製膜した。この時、真空度は2×10-3Torrとし、ガスとしてAr55sccm、O21sccm流した。
この透明導電性フィルム(1)を一方のパネル板として用い、他方のパネル板として、ガラス基板上に上記と同等の方法で400Å厚の透明導電性薄膜を形成したものを用いた。この2枚のパネル板を透明導電性薄膜が対向するように、直径30μmのエポキシビーズを介して、配置しタッチパネルを作製した。
実施例4
ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績(株)製:A4340)を透明なプラスチックフィルム(11)として用いた。透明なプラスチックフィルム(11)の一方の面上にハードコート処理層(13)を設けた。ハードコート剤としては、エポキシアクリル樹脂100部にベンゾフェノン5部を加えた紫外線硬化型樹脂組成物を用い、リバースコート法で成膜後、80℃5分の予備乾燥し、エンボスロールで表面に凹凸を形成し500mJ/cm2 の紫外線照射により硬化させ、防眩効果を有するハードコート層(13)を形成した。硬化後の厚さは3μmである。
ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績(株)製:A4340)を透明なプラスチックフィルム(11)として用いた。透明なプラスチックフィルム(11)の一方の面上にハードコート処理層(13)を設けた。ハードコート剤としては、エポキシアクリル樹脂100部にベンゾフェノン5部を加えた紫外線硬化型樹脂組成物を用い、リバースコート法で成膜後、80℃5分の予備乾燥し、エンボスロールで表面に凹凸を形成し500mJ/cm2 の紫外線照射により硬化させ、防眩効果を有するハードコート層(13)を形成した。硬化後の厚さは3μmである。
このハードコート層(13)を積層した透明なプラスチックフィルム(11)のもう一方の面上にプライマー層として高分子樹脂層(14)を次のようにして設けた。ポリエステル樹脂(東洋紡績株式会社製:バイロン280)3部をメチルエチルケトン50部、トルエン50部、架橋剤(日本ポリウレタン工業株式会社製:コロネートL)1部で溶解した塗液を、グラビア法でコートした。予備乾燥を120℃で1分、硬化のためにさらに130℃5分加熱した。
このハードコート層(13)/透明なプラスチックフィルム(11)/高分子樹脂層(12)からなる積層体をアルカリ性洗剤(第一工業製薬株式会社製:スキャット20−X)10部、純水90部からなる洗浄液中に表1に記載のように浸漬時間を変えて浸漬した後、さらに純水中に1分間浸漬しリンスした。純水中から引き上げた後、斑紋が残らないように窒素ガスを吹きかけ水分を乾燥させた。
さらに高分子樹脂層(14)上にインジウムスズ複合酸化物をターゲットに用いて、直流マグネトロンスパッタリング法で、300Å厚、酸化スズ含有率35重量%のインジウムスズ複合酸化物薄膜を透明導電性薄膜(14)として製膜した。この時、真空度は2×10-3Torrとし、ガスとしてAr55sccm、O21sccm流した。この透明導電性フィルム(1)を一方のパネル板として用い、他方のパネル板として、ガラス基板上に上記と同等の方法で400Å厚の透明導電性薄膜を形成したものを用いた。この2枚のパネル板を透明導電性薄膜が対向するように、直径30μmのエポキシビーズを介して、配置しタッチパネルを作製した。
実施例5
厚さが188μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績(株)製:A4140)を透明なプラスチックフィルム(11)として用いた。透明なプラスチックフィルム(11)の易接着処理を施してある面上にハードコート処理層(13)を設けた。ハードコート剤としては、エポキシアクリル樹脂100部にベンゾフェノン4部を加えた紫外線硬化型樹脂組成物を用い、リバースコート法で成膜後、80℃5分の予備乾燥、500mJ/cm2 の紫外線照射により硬化させた。硬化後の厚さは5μmである。
厚さが188μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績(株)製:A4140)を透明なプラスチックフィルム(11)として用いた。透明なプラスチックフィルム(11)の易接着処理を施してある面上にハードコート処理層(13)を設けた。ハードコート剤としては、エポキシアクリル樹脂100部にベンゾフェノン4部を加えた紫外線硬化型樹脂組成物を用い、リバースコート法で成膜後、80℃5分の予備乾燥、500mJ/cm2 の紫外線照射により硬化させた。硬化後の厚さは5μmである。
さらにこのハードコート層(13)上に厚さ730Åで屈折率1.89のY2O3を設け、さらに厚さ1200Åで屈折率2.3のTiO2を設け、さらに厚さ940Åで屈折率1.46のSiO2を、それぞれスパッタリング法で製膜し、反射防止処理を施した。このそれぞれの誘電体薄膜を製膜する時、いずれも真空度は1×10-3Torrとし、ガスとしてAr55sccm、O25sccm流した。また、製膜中、加熱もしくは冷却せず、室温のままとした。
この積層体を、アルカリ性洗剤(フルウチ化学株式会社製:セミコクリーン56)中に表1のように浸漬時間を変え、さらに純水中に1分間浸漬しリンスした。純水中から引き上げた後、斑紋が残らないように窒素ガスを吹きかけ水分を乾燥させた。
さらにハードコート層(13)を積層していない面にインジウムスズ複合酸化物をターゲットに用いて、直流マグネトロンスパッタリング法で、300Å厚、酸化スズ含有率30重量%のインジウムスズ複合酸化物薄膜を透明導電性薄膜(14)として製膜した。この時、真空度は2×10-3Torrとし、ガスとしてAr55sccm、O21sccm流した。
この透明導電性フィルム(1)を一方のパネル板として用い、他方のパネル板として、ガラス基板上に上記と同等の方法で400Å厚の透明導電性薄膜を形成したものを用いた。この2枚のパネル板を透明導電性薄膜が対向するように、直径30μmのエポキシビーズを介して、配置しタッチパネルを作製した。
比較例1
アルカリ性洗剤による洗浄を行わなかった以外は実施例3と同様にして透明導電性フィルム(1)を作製した。また、この透明導電性フィルム(1)を用いて、実施例3と同様にしてタッチパネルを作製した。
アルカリ性洗剤による洗浄を行わなかった以外は実施例3と同様にして透明導電性フィルム(1)を作製した。また、この透明導電性フィルム(1)を用いて、実施例3と同様にしてタッチパネルを作製した。
比較例2
アルカリ性洗剤による洗浄を行わなかった以外は実施例4と同様にして透明導電性フィルム(1)を作製した。また、この透明導電性フィルム(1)を用いて、実施例4と同様にしてタッチパネルを作製した。また、この透明導電性フィルム(1)を用いて、実施例1と同様にして、タッチパネルを作製した。
アルカリ性洗剤による洗浄を行わなかった以外は実施例4と同様にして透明導電性フィルム(1)を作製した。また、この透明導電性フィルム(1)を用いて、実施例4と同様にしてタッチパネルを作製した。また、この透明導電性フィルム(1)を用いて、実施例1と同様にして、タッチパネルを作製した。
以上の実施例1〜5および比較例1〜2について、透明導電性薄膜(12)を製膜する面のシリコンおよびフッ素原子量、表面抵抗率、透明導電性薄膜(12)の付着力を下記の方法で測定した。また、実施例1〜5および比較例1〜2の透明導電性フィルムをもちいて作製したタッチパネルについて、ペン入力耐久試験を実施した。
<シリコンおよびフッ素原子量>
透明導電性薄膜(12)を製膜する前の透明なプラスチックフィルム(11)もしくは高分子樹脂層(14)表面を、X線光電子分光器(島津製作所株式会社製:ESCA850M)を用いMg Kα線(1254eV)9kV×30mAの条件で、Cの1s、Oの1s、Nの1s、Siの2p、Fの1sを測定した。さらに、感度補正係数をCの1sを基準とし、Oの1sを2.85、Nの1sを1.77、Siの2pを0.87、Fの1sを4.26とし、実測値を感度補正係数で割った値を用いて、表面の組成分析を原子比で測定した。
透明導電性薄膜(12)を製膜する前の透明なプラスチックフィルム(11)もしくは高分子樹脂層(14)表面を、X線光電子分光器(島津製作所株式会社製:ESCA850M)を用いMg Kα線(1254eV)9kV×30mAの条件で、Cの1s、Oの1s、Nの1s、Siの2p、Fの1sを測定した。さらに、感度補正係数をCの1sを基準とし、Oの1sを2.85、Nの1sを1.77、Siの2pを0.87、Fの1sを4.26とし、実測値を感度補正係数で割った値を用いて、表面の組成分析を原子比で測定した。
<付着力測定>
40μm厚のアイオノマーフィルム(タマポリ株式会社製:HM−07)をポリエステル系接着剤(武田薬品株式会社製:タケネートA310/タケラックA−3)を用いて、75μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績株式会社製:E5100)にラミネートした付着力測定用積層体を作製した。この付着力測定用積層体のアイオノマー面と透明導電性フィルムの透明導電性薄膜面を対向させ、130℃、5kg/cm2、2秒で熱圧着した。この積層体を付着力測定用積層体と透明導電性フィルムとを180度剥離法で剥離し、この剥離力を付着力とした。この時の剥離速度は1000mm/分とした。
40μm厚のアイオノマーフィルム(タマポリ株式会社製:HM−07)をポリエステル系接着剤(武田薬品株式会社製:タケネートA310/タケラックA−3)を用いて、75μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績株式会社製:E5100)にラミネートした付着力測定用積層体を作製した。この付着力測定用積層体のアイオノマー面と透明導電性フィルムの透明導電性薄膜面を対向させ、130℃、5kg/cm2、2秒で熱圧着した。この積層体を付着力測定用積層体と透明導電性フィルムとを180度剥離法で剥離し、この剥離力を付着力とした。この時の剥離速度は1000mm/分とした。
<ペン入力耐久試験>
まず、ペン入力試験前のリニアリティ測定を以下のようにして実施した。本発明の透明導電性フィルムを100mm×100mmに切り出し、透明導電性薄膜形成面の両端辺に幅5mmの電極を銀ペーストを塗布して作成した。この電極間に定電圧電源により5Vを印加し、サンプルの中心部50mm×50mmの範囲を縦横1mm間隔で(x1、y1)〜(x50、y50)の2500点について電圧VIJ(ij=1〜50)を測定した。各電圧測定点での理論電圧UIJ=V1,1+(V50,50−V1,1)/50×(j−1)からのズレをΔIJ=(VIJ−UIJ)/UIJで定義し、このΔIJの絶対値の最大値をリニアリティと定義した。ペン入力試験前のリニアリティを測定した透明導電性フィルムを用い、実施例および比較例に記載されているようにしてタッチパネルを作製した。透明導電性フィルムで構成されたパネル板側から、ポリアセタール樹脂からなるペン先半径0.8mmのタッチペン(シャープ(株)製ハイパー電子手帳DB−Zタッチペン)を用いて、プロッタ(ローランド(株)製:DXY−1150)により、2cm角サイズのカタカナのア〜ンまでの文字を100000字の筆記を行った。この時、ペン荷重250g、文字筆記速度2000字/時間とした。ペン入力試験後の透明導電性フィルムのリニアリティを前述と同様の手法で測定した。
まず、ペン入力試験前のリニアリティ測定を以下のようにして実施した。本発明の透明導電性フィルムを100mm×100mmに切り出し、透明導電性薄膜形成面の両端辺に幅5mmの電極を銀ペーストを塗布して作成した。この電極間に定電圧電源により5Vを印加し、サンプルの中心部50mm×50mmの範囲を縦横1mm間隔で(x1、y1)〜(x50、y50)の2500点について電圧VIJ(ij=1〜50)を測定した。各電圧測定点での理論電圧UIJ=V1,1+(V50,50−V1,1)/50×(j−1)からのズレをΔIJ=(VIJ−UIJ)/UIJで定義し、このΔIJの絶対値の最大値をリニアリティと定義した。ペン入力試験前のリニアリティを測定した透明導電性フィルムを用い、実施例および比較例に記載されているようにしてタッチパネルを作製した。透明導電性フィルムで構成されたパネル板側から、ポリアセタール樹脂からなるペン先半径0.8mmのタッチペン(シャープ(株)製ハイパー電子手帳DB−Zタッチペン)を用いて、プロッタ(ローランド(株)製:DXY−1150)により、2cm角サイズのカタカナのア〜ンまでの文字を100000字の筆記を行った。この時、ペン荷重250g、文字筆記速度2000字/時間とした。ペン入力試験後の透明導電性フィルムのリニアリティを前述と同様の手法で測定した。
このペン入力試験前後に、タッチペンの位置検出精度をタッチパネルの電圧線形性のズレで測定した。パネル板の上下に配置した電極部に5Vの定電圧を印加し、上部電極から下部電極にかけて、印加電圧が線形変化から最も変化した割合を測定した。
表1の結果から、本発明の透明導電性フィルムは、導電性および透明性に極めて優れ、かつ本発明の透明導電性フィルムを用いたタッチパネルはペン入力耐久性に極めて優れている。
本発明の透明導電性フィルムは、シリコンおよびフッ素が原子比で0.3%以下である透明なプラスチックフィルム(11)表面上もしくは高分子樹脂層(14)表面上に透明導電性薄膜(12)を積層した際の付着力が極めて強いため、ペン入力用タッチパネルに用いた際のペンの押圧で対向の透明導電性薄同士が接触しても、剥離、クラック等を生じることがなく、ペン入力耐久性に極めて優れるという利点を有する。
1:透明導電性フィルム
11:プラスチックフィルム
12:透明導電性薄膜
13:ハードコート層
14:高分子樹脂層
2:ガラス板
3:ビーズ
11:プラスチックフィルム
12:透明導電性薄膜
13:ハードコート層
14:高分子樹脂層
2:ガラス板
3:ビーズ
Claims (7)
- 透明なプラスチックフィルム(11)の一方の表面において、シリコンおよびフッ素が原子比で0.3%以下であり、この表面上に透明導電性薄膜(12)を積層した透明導電性フィルム(1)であって、かつ透明なプラスチックフィルム(11)と透明導電性薄膜(12)との付着力が10g/15mm以上であることを特徴とする透明導電性フィルム。
- 透明なプラスチックフィルム(11)の一方の面にプライマー層として高分子樹脂層(14)を形成し、該高分子樹脂層(14)表面においてシリコンおよびフッ素が原子比で0.3%以下であり、該高分子樹脂層(14)表面上に透明導電性薄膜(12)を積層した透明導電性フィルム(1)であって、かつ透明なプラスチックフィルム(11)と透明導電性薄膜(12)との付着力が10g/15mm以上であることを特徴とする透明導電性フィルム。
- 請求項1乃至2記載の透明なプラスチックフィルム(11)の透明導電性薄膜(12)を積層した面の反対の面にハードコート層(13)を形成したことを特徴とする透明導電性フィルム。
- 請求項3記載のハードコート層(13)が防眩効果を有することを特徴とする透明導電性フィルム。
- 請求項3記載のハードコート層(13)に低反射処理を施したことを特徴とする透明導電性フィルム。
- 請求項1乃至5記載の透明導電性薄膜(12)が非晶質であることを特徴とする透明導電性フィルム。
- 透明導電性薄膜を有する一対のパネル板を、透明導電性薄膜が対向するようにスペーサーを介して配置してなるタッチパネルにおいて、少なくとも一方のパネル板が請求項1乃至6記載のいずれかの透明導電性フィルム(1)からなることを特徴とするタッチパネル。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005208903A JP2006012853A (ja) | 2005-07-19 | 2005-07-19 | 透明導電性フィルム及びタッチパネル |
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