JP2001273817A - 透明導電性フィルム、透明導電性シートおよびタッチパネル - Google Patents
透明導電性フィルム、透明導電性シートおよびタッチパネルInfo
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Abstract
優れ、特に後述の摺動耐久試験に記載のポリアセタール
製のペンを使用し、5.0Nの荷重で10万回の摺動試
験でも透明導電性薄膜が破壊されない、透明導電性フィ
ルムまたは透明導電性シート、及びこれらを用いたタッ
チパネルを提供する。 【解決手段】 透明プラスチックフィルム基材上に、硬
化型樹脂を主たる構成成分とする硬化物層、及び透明導
電性薄膜をこの順に積層した透明導電性フィルムであっ
て、前記透明導電性薄膜を形成した面に直径0.05〜
3.0μm、高さ0.005〜2.00μmの突起を1
00μm2当たり3〜200個有することを特徴とする
透明導電性フィルム。
Description
ィルム基材上に硬化物層及び透明導電性薄膜をこの順に
積層した透明導電性フィルムまたは透明導電性シート、
及びこれらを用いたタッチパネルに関するものであり、
特にペン入力用タッチパネルに用いた際にペン摺動耐久
性に優れる透明導電性フィルムまたは透明導電性シー
ト、及びこれらを用いたタッチパネルに関するものであ
る。
明でかつ抵抗が小さい薄膜を積層した透明導電性フィル
ムは、その導電性を利用した用途、例えば、液晶ディス
プレイやエレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレ
イなどのようなフラットパネルディスプレイや、タッチ
パネルの透明電極など、電気、電子分野の用途に広く使
用されている。
ートパソコンの普及により、従来以上に耐ペン摺動性に
優れたタッチパネルが要求されるようになってきた。
側の透明導電性薄膜と可動電極(フィルム電極)側の透
明導電性薄膜同士が接触するが、この際にペン荷重で透
明導電性薄膜にクラック、剥離などの破壊が生じない、
優れた耐ペン摺動性を有する透明導電性フィルムが必要
とされる。
透明導電性フィルムは次のような課題を有していた。
フィルム基材上に透明導電性薄膜を形成し、粘着剤層で
他の透明基体と貼りあわせた透明導電性フィルム(特開
平2−66809号公報)が提案されている。しかしな
がら、後述の摺動耐久試験に記載のポリアセタール製の
ペンを使用し、5.0Nの荷重で10万回の直線摺動試
験後には、透明導電性薄膜に剥離が生じ、ペン入力に対
する耐久性は不十分であった。そのため、この剥離部の
白化により、タッチパネル付きディスプレイ用に使用し
た際に表示品位が低下するという問題があった。
に、有機ケイ素化合物の加水分解により生成された層を
設け、さらに結晶質の透明導電性薄膜を積層した透明導
電性フィルムが、例えば特開昭60−131711号公
報、特開昭61−79647号公報、特開昭61−18
3809号公報、特開平2−194943号公報、特開
平2−276630号公報、特開平8−64034号公
報などに提案されている。
ムは、結晶性の透明導電性薄膜であるため非常に脆く、
後述の摺動耐久試験に記載のポリアセタール製のペンを
使用し、5.0Nの荷重で10万回の直線摺動試験後に
は、透明導電性薄膜にクラックが発生する。また、透明
導電性薄膜をスパッタリングした後に150℃程度の熱
処理を必要とするため、加工コストが高くなるという欠
点がある。
み、タッチパネルに用いた際のペン入力耐久性に優れ、
特に後述の摺動耐久試験に記載のポリアセタール製のペ
ンを使用し、5.0Nの荷重で10万回の摺動試験でも
透明導電性薄膜が破壊されない、透明導電性フィルムま
たは透明導電性シート、及びこれらを用いたタッチパネ
ルを提供することにある。
状況に鑑みなされたものであって、上記の課題を解決す
ることができた透明導電性フィルム、透明導電性シート
およびタッチパネルとは、以下の通りである。
チックフィルム基材上に、硬化型樹脂を主たる構成成分
とする硬化物層、及び透明導電性薄膜をこの順に積層し
た透明導電性フィルムであって、前記透明導電性薄膜を
形成した面に直径0.05〜3.0μm、高さ0.005
〜2.00μmの突起を100μm2当たり3〜200
個有することを特徴とする透明導電性フィルムである。
脂及び硬化型樹脂に非相溶な樹脂から主として構成され
ることを特徴とする第1の発明に記載の透明導電性フィ
ルムである。
化型樹脂であり、硬化型樹脂に非相溶な樹脂が重量平均
分子量が5,000〜50,000のポリエステル樹脂
であり、さらに前記ポリエステル樹脂が紫外線硬化型樹
脂100重量部当たり0.10〜20重量部含有されて
いることを特徴とする第2の発明に記載の透明導電性フ
ィルムである。
ジウム−スズ複合酸化物からなることを特徴とする第1
乃至3の発明に記載の透明導電性フィルムである。
−アンチモン複合酸化物からなることを特徴とする第1
乃至3の発明に記載の透明導電性フィルムである。
透明導電性薄膜面とは反対面に、ハードコート層を積層
することを特徴とする第1乃至5記載の透明導電性フィ
ルムである。
効果を有することを特徴とする請求項6記載の透明導電
性フィルムである。
射処理を施したことを特徴とする第6または7の発明に
記載の透明導電性フィルムである。
透明導電性フィルムの透明導電性薄膜面とは反対面に透
明樹脂シートを粘着剤を介して貼り合わせることを特徴
とする透明導電性シートである。
する一対のパネル板を、透明導電性薄膜が対向するよう
にスペーサーを介して配置してなるタッチパネルにおい
て、少なくとも一方のパネル板が請求項1乃至9のいず
れかに記載の透明導電性フィルムもしくは透明導電性シ
ートからなることを特徴とするタッチパネルである。
フィルム基材とは、有機高分子を溶融押出し又は溶液押
出しをして、必要に応じ、長手方向及び/又は幅方向に
延伸、冷却、熱固定を施したフィルムであり、有機高分
子としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレ
ート、ポリプロピレンテレフタレート、ナイロン6、ナ
イロン4、ナイロン66、ナイロン12、ポリイミド、
ポリアミドイミド、ポリエーテルサルファン、ポリエー
テルエーテルケトン、ポリカーボネート、ポリアリレー
ト、セルロースプロピオネート、ポリ塩化ビニール、ポ
リ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリエーテ
ルイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレン
オキサイド、ポリスチレン、シンジオタクチックポリス
チレン、ノルボルネン系ポリマーなどがあげられる。
ンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポ
リエチレン−2,6−ナフタレート、シンジオタクチッ
クポリスチレン、ノルボルネン系ポリマー、ポリカーボ
ネート、ポリアリレートなどが、最も好ましく用いられ
る。また、これらの有機高分子は他の有機重合体の単量
体を少量共重合したり、他の有機高分子をブレンドして
もよい。
基材の厚みは、10μmを越え、300μm以下の範囲
であることが好ましく、70〜260μmの範囲が特に
好ましい。プラスチックフィルムの厚みが10μm以下
では機械的強度が不足し、特にタッチパネルに用いた際
のペン入力に対する変形が大きくなり過ぎ、耐久性が不
十分となる。一方、厚みが300μmを越えると、タッ
チパネルに用いた際に、フィルムを変形させるためのペ
ン荷重が大きくなり、好ましくない。
基材は、本発明の目的を損なわない範囲で、前記フィル
ムをコロナ放電処理、グロー放電処理、火炎処理、紫外
線照射処理、電子線照射処理、オゾン処理などの表面活
性化処理を施してもよい。
フィルム基材と透明導電性薄膜との密着力及び耐熱性向
上を目的としたものであり、加熱、紫外線照射、電子線
照射などのエネルギー印加により硬化する樹脂であれば
特に制限はないが、生産性の観点から紫外線硬化型樹脂
が好ましい。このような紫外線硬化型樹脂としては、例
えば、多価アルコールのアクリル酸又はメタクリル酸エ
ステルのような多官能性のアクリレート樹脂、ジイソシ
アネート、多価アルコール及びアクリル酸又はメタクリ
ル酸のヒドロキシアルキルエステルなどから合成される
ような多官能性のウレタンアクリレート樹脂などを挙げ
ることができる。必要に応じてこれらの多官能性の樹脂
に単官能性の単量体、例えば、ビニルピロリドン、メチ
ルメタクリレート、スチレンなどを加えて共重合させる
ことができる。
を添加して使用される。光重合開始剤としては、紫外線
を吸収してラジカルを発生する公知の化合物を特に制限
なく使用することができ、このような光重合開始剤とし
ては、例えば、各種ベンゾイン類、フェニルケトン類、
ベンゾフェノン類などを挙げることができる。光重合開
始剤の添加量は、紫外線硬化型樹脂100重量部当たり
通常1.0〜5.0重量部である。
る構成成分である硬化型樹脂のほかに、硬化型樹脂に非
相溶な樹脂を併用することが好ましい。マトリックスの
硬化型樹脂に非相溶な樹脂を少量併用することで、硬化
型樹脂中で相分離が起こり非相溶樹脂を粒子状に分散さ
せることができる。この非相溶樹脂の分散粒子により、
硬化物表面に凹凸を形成させることができる。
合、非相溶樹脂としてはポリエステル樹脂、ポリオレフ
ィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂などが例
示される。
で5,000〜50,000と高分子量であることが好ま
しく、特に好ましくは8,000〜30,000である。
ポリエステル樹脂の重量平均分子量が5,000未満で
あると、ポリエステル樹脂が硬化物層中で適切な大きさ
の粒子となって分散することが困難となる傾向があり好
ましくない。一方、ポリエステル樹脂の重量平均分子量
が50,000を超えると、塗布液を調整する際、溶剤
に対する溶解性が低下するので好ましくない。
価アルコールと二価カルボン酸を重合することにより得
られる非結晶性の飽和ポリエステル樹脂であり、上記の
紫外線硬化型樹脂と共通の溶媒に溶解することができる
ものである。
エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−
ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘ
キサンジオール、ジエチレングリコール、ネオペンチル
グリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水
素化ビスフェノールAなどを挙げることができる。
えば、イソフタル酸、テレフタル酸、アジピン酸、無水
フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無
水フタル酸などを挙げることができる。
囲で、トリメチロールプロパンやペンタエリスリトール
のような三価以上のアルコール、及び、無水トリメリッ
ト酸や無水ピロメリット酸のような三価以上のカルボン
酸を共重合することができる。
である紫外線硬化型樹脂と高分子量のポリエステル樹脂
との配合割合は、紫外線硬化型樹脂100重量部当たり
ポリエステル樹脂0.10〜20重量部であることが好
ましく、さらに好ましくは0.20〜10重量部、特に
好ましくは0.50〜5.0重量部である。前記ポリエ
ステル樹脂の配合量が紫外線硬化型樹脂100重量部当
たり0.10重量部未満であると、硬化物層表面に形成
される突起数が少なくなり好ましくない。一方、前記ポ
リエステル樹脂の配合量が紫外線硬化型樹脂100重量
部当たり20重量部を超えると、この硬化物層の強度が
低下しやすくなる。さらに、ポリエステル樹脂は紫外線
硬化型樹脂と屈折率に差異があるため、硬化物層のヘー
ズ値が上昇し透明性を悪化させる傾向があるので好まし
くない。しかしながら、高分子量のポリエステル樹脂の
分散粒子による透明性の悪化を積極的に利用し、ヘーズ
値の高いフィルムを防眩フイルムとして使用することが
できる。
び高分子量のポリエステル樹脂は、それぞれに共通の溶
剤に溶解して塗布液を調製する。使用する溶剤には特に
制限はなく、例えば、エチルアルコール、イソプロピル
アルコールなどのようなアルコール系溶剤、酢酸エチ
ル、酢酸ブチルなどのようなエステル系溶剤、ジブチル
エーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルなど
のようなエーテル系溶剤、メチルイソブチルケトン、シ
クロヘキサノンなどのようなケトン系溶剤、トルエン、
キシレン、ソルベントナフサなどのような芳香族炭化水
素系溶剤などを単独に、あるいは混合して使用すること
ができる。塗布液中の樹脂成分の濃度は、コーティング
法に応じた粘度などを考慮して適切に選択することがで
きるが、通常は、塗布液中に紫外線硬化型樹脂、光重合
開始剤及び高分子量のポリエステル樹脂の合計量が占め
る割合は20〜80重量%である。また、この塗布液に
は、必要に応じてその他の公知の添加剤、例えば、シリ
コーン系レベリング剤などを添加することができる。
プラスチックフイルム基材上にコーティングされる。コ
ーティング法には特に制限はなく、バーコート法、グラ
ビアコート法、リバースコート法などの従来から知られ
ている方法を使用することができる。コーティングされ
た塗布液は、次の乾燥工程で溶剤が蒸発除去される。こ
の工程で、塗布液中で均一に溶解していた高分子量のポ
リエステル樹脂は微粒子となって紫外線硬化型樹脂中に
析出する。塗膜が乾燥した後、プラスチックフイルムに
は、さらに紫外線が照射され、紫外線硬化型樹脂が架橋
・硬化して硬化物層を形成する。この硬化の工程で、高
分子量のポリエステル樹脂の微粒子はハードコート層中
に固定され、また、硬化物層の表面に突起を形成する。
mの範囲であることが好ましく、より好ましくは0.5
0〜10μmの範囲であり、特に好ましくは1.0〜
8.0μmの範囲である。硬化物層の厚みが0.10μ
mよりも薄い場合には、後述する突起が十分に形成され
ない。一方、15μmよりも厚い場合には生産性の観点
から好ましくない。
透明性及び導電性をあわせもつ材料であれば特に制限は
ないが、酸化インジウム、酸化スズ、酸化亜鉛、インジ
ウム−スズ複合酸化物、スズ−アンチモン複合酸化物、
亜鉛−アルミニウム複合酸化物、インジウム−亜鉛複合
酸化物、銀および銀合金、銅および銅合金、金等が単層
もしくは2層以上の積層構造したものが挙げられる。こ
れらのうち、環境安定性や回路加工性の観点からインジ
ウム−スズ複合酸化物もしくはスズ−アンチモン複合酸
化物が好適である。
範囲が好ましく、特に好ましくは5〜500nmであ
る。透明導電性薄膜の膜厚が4nmよりも薄い場合、連
続した薄膜になりにくく良好な導電性を示しにくくな
る。また、800nmよりも厚い場合、透明性が低下し
やすくなる。
としては、真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法、
イオンプレーティング法、スプレー法などが知られてお
り、必要とする膜厚に応じて、前記の方法を適宜用いる
ことが出来る。
ターゲットを用いた通常のスパッタリング法、あるい
は、金属ターゲットを用いた反応性スパッタリング法等
が用いられる。この時、反応性ガスとして、酸素、窒
素、水蒸気等を導入したり、オゾン添加、プラズマ照
射、イオンアシスト等の手段を併用してもよい。また、
本発明の目的を損なわない範囲で、基板に直流、交流、
高周波などのバイアスを印加してもよい。
電性薄膜を成膜する際の温度は、150℃以下とするこ
とが好ましい。成膜時の温度を150℃を越える温度に
するためには、プラスチックフィルムの送り速度を極端
に遅くする必要があり、工業的に不適である。
は、0.013〜13.0Paの範囲で行うのが好まし
い。真空度が0.013Paよりも高真空では、安定な
放電が出来ないため、スパッタリングが安定しない。ま
た、13.0Paよりも低い真空度でも、やはり安定な
放電が出来ないため、スパッタリングが安定しない。ま
た、蒸着法、CVD法などの他の方法においても同様で
ある。
するために、硬化物層を表面処理することが有効であ
る。具体的な手法としては、カルボニル基、カルボキシ
ル基、水酸基を増加するためにグローまたはコロナ放電
を照射する放電処理法、アミノ基、水酸基、カルボニル
基などの極性基を増加させるために酸またはアルカリで
処理する化学薬品処理法などが挙げられる。
分離を利用して形成させた表面凹凸を有する硬化物層に
透明導電層を積層させているため、硬化物層の表面凹凸
が透明導電層にも付与される。具体的には、透明導電性
薄膜の表面に、直径0.05〜3.0μm、高さ0.01
〜2.0μmの突起が3〜200個/100μm2の頻
度で形成される。
あることが必要であり、好ましくは0.06〜2.0μ
mであり、特に好ましくは0.10〜1.0μmであ
る。また、突起の高さは0.005〜2.00μmであ
ることが必要であり、好ましくは0.050〜1.00
μmであり、特に好ましくは0.100〜0.800μ
mである。さらに、透明導電性薄膜形成面における10
0μm2当たりの突起数3〜200個であることが必要
であり、好ましくは10〜100個、特に好ましくは2
0〜80個である。
性フィルムをタッチパネルに用いると、固定電極の透明
導電性薄膜との滑り性に優れるため、ポリアセタール製
ペン(先端形状:0.8mmR)を用いて5.0Nの荷
重で10万回の直線摺動試験を行った後でも透明導電性
薄膜の劣化が見られない。
さが0.005μm未満、あるいは突起数が3個未満/
100μm2である場合には、良好な滑り性が得られ
ず、ポリアセタール製ペン(先端形状:0.8mmR)
を用いて5.0Nの荷重で10万回の直線摺動試験を行
った後に透明導電性薄膜の劣化が見られるため好ましく
ない。一方、直径が3μmを超えたり、突起の高さが2
μmを超えたり、あるいは突起数が200個/100μ
m2を超える場合には、滑り性の向上効果がサチュレー
トするうえ、ヘーズ値が増加するので好ましくない。
ン入力面)の耐擦傷性をさらに向上させるために、透明
プラスチックフィルムの透明導電性薄膜を形成させた表
面とは反対面(タッチパネルとした際の最外層のペン入
力面)に、ハードコート層を設けることが好ましい。前
記ハードコート層の硬度は、鉛筆硬度で2H以上である
ことが好ましい。2Hよりも低い硬度では、透明導電性
フィルムのハードコート層としては耐擦傷性の点で不十
分である。
μmであることが好ましい。厚みが0.5μm未満で
は、耐擦傷性が不十分となりやすく、10μmよりも厚
い場合には生産性の観点から好ましくない。
脂組成物の皮膜形成成分は、好ましくは、アクリレート
系の官能基を有するもの、例えば、比較的低分子量のポ
リエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、エ
ポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、スピロア
セタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリ
エン樹脂、多価アルコール等の多官能化合物の(メタ)
アクリート等のオリゴマーまたはプレポリマー、及び反
応性希釈剤として、エチル(メタ)アクリート、エチル
ヘキシル(メタ)アクリレート、スチレン、メチルスチ
レン、N−ビニルピロリドン等の単官能モノマー並びに
多官能モノマー、例えば、トリメチロールプロパントリ
(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アク
リレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、
ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、
1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネ
オペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等を比較
的多量に含有するものが使用できる。
レタンアクリレートの混合物が好適である。その理由
は、ポリエステルアクリレートは塗膜が非常に硬くてハ
ードコート層として適している。しかしながら、ポリエ
ステルアクリレート単独の塗膜では耐衝撃性が低く脆く
なりやすいので、塗膜に耐衝撃性及び柔軟性を与えるた
めに、ポリウレタンアクリレートを併用する。ポリエス
テルアクリレート100重量部に対するポリウレタンア
クリレートの配合割合は30重量部以下とするのが好ま
しい。この配合割合が30重量部を超えると、塗膜が柔
らかくなりすぎて耐衝撃性が不十分となる傾向がある。
常の硬化方法、即ち、加熱、電子線または紫外線の照射
によって硬化する方法を用いることができる。例えば、
電子線硬化の場合は、コックロフトワルトン型、ハンデ
グラフ型、共振変圧型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダ
イナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器から放
出される50〜1000keV、好ましくは100〜3
00keVのエネルギーを有する電子線等が使用され
る。また、紫外線硬化の場合には、超高圧水銀灯、高圧
水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンアー
ク、メタルハイライドランプ等の光線から発する紫外線
等が利用できる。
の硬化型樹脂組成物中に光重合開始剤として、アセトフ
ェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーベンゾイルベン
ゾエート、α−アミロキシムエステル、テトラメチルチ
ウラムモノサルファイド、チオキサントン類や、光増感
剤としてn−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−
n−ブチルホスフィン等を混合することが好ましい。本
発明では、オリゴマーとしてウレタンアクリレート、モ
ノマーとしてジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)ア
クリレート等を混合することが特に好ましい。
は、硬化型樹脂中にCaCO3やSiO2などの無機粒子
を分散させたり、ハードコート層の表面に凹凸形状を形
成させることが有効である。例えば、凹凸を形成するた
めには、硬化型樹脂組成物を含む塗液を塗工後、表面に
凸形状を有する賦形フィルムをラミネートし、この賦形
フィルム上から紫外線を照射し硬化型樹脂を硬化させた
後に、賦形フィルムのみを剥離することにより得られ
る。
ポリエチレンテレフタレート(以後、PETと略す)等
の基材フィルム上に所望の凸形状を設けたもの、或い
は、PET等の基材フィルム上に繊細な凸層を形成した
もの等を用いることができる。その凸層の形成は、例え
ば、無機粒子とバインダー樹脂からなる樹脂組成物を用
いて基材フィルム上に塗工することにより得ることがで
きる。前記バインダー樹脂は、例えば、ポリイソシアネ
ートで架橋されたアクリルポリオールを用い、無機粒子
としては、CaCO3やSiO2などを用いることができ
る。また、この他にPET製造時にSiO2等の無機粒
子を練込んだマットタイプのPETも用いることができ
る。
膜にラミネートした後紫外線を照射して塗膜を硬化する
場合、賦型フィルムがPETを基材としたフィルムの場
合、該フィルムに紫外線の短波長側が吸収され、紫外線
硬化型樹脂の硬化が不足するという欠点がある。したが
って、紫外線硬化型樹脂の塗膜にラミネートする賦型フ
ィルムの透過率が20%以上のものを使用することが必
要である。
の透過率をさらに向上させるためにハードコート層上
に、低反射処理を施してもよい。この低反射処理は、ハ
ードコート層の屈折率とは異なる屈折率を有する材料を
単層もしくは2層以上に積層することが好ましい。単層
構造の場合、ハードコート層よりも小さな屈折率を有す
る材料を用いるのが好ましい。また、2層以上の多層構
造とする場合は、ハードコート層と隣接する層は、ハー
ドコート層よりも大きな屈折率を有する材料を用い、こ
の上の層にはこれよりも小さな屈折率を有する材料を選
ぶのがよい。このような低反射処理を構成する材料とし
ては、有機材料でも無機材料でも上記の屈折率の関係を
満足すれば特に限定されない。例えば、CaF2、Mg
F2、NaAlF4、SiO2、ThF4、ZrO2、Nd2
O3、SnO2、TiO2、CeO2、ZnS、In2O3、
などの誘電体を用いるのが好ましい。
リング法、CVD法、イオンプレーティング法などのド
ライコーティングプロセスでも、グラビア方式、リバー
ス方式、ダイ方式などのウェットコーティングプロセス
でもよい。
て、前処理として、コロナ放電処理、プラズマ処理、ス
パッタエッチング処理、電子線照射処理、紫外線照射処
理、プライマ処理、易接着処理などの公知の表面処理を
ハードコート層に施してもよい。
導電性薄膜を形成していない面と粘着剤を介して透明樹
脂シートと積層することで、タッチパネルの固定電極に
用いる透明導電性積層シートが得られる。すなわち、固
定電極をガラスから樹脂製にすることで、軽量かつ割れ
にくいタッチパネルを作製することができる。
特に制限はないが、例えばアクリル系粘着剤、シリコー
ン系粘着剤、ゴム系粘着剤などが好適である。この粘着
剤の厚さは特に制限はないが、通常1〜100μmの範
囲に設定するのが望ましい。粘着剤の厚みが1μm未満
の厚さの場合、実用上問題のない接着性を得るのが難し
く、100μmを越える厚さでは生産性の観点から好ま
しくない。
ートは、ガラスと同等の機械的強度を付与するために使
用するものであり、厚さは0.05〜5.0mmの範囲
が好ましい。前記透明樹脂シートの厚みが0.05mm
未満では、機械的強度がガラスに比べ不足する。一方、
厚さが5.0mmを越える場合には、厚すぎてタッチパ
ネルに用いるには不適当である。また、この透明樹脂シ
ートの材質は、前記の透明プラスチックフィルムと同様
のものを使用することができる。
用いた、タッチパネルの例を示す。これは、透明導電性
薄膜を有する一対のパネル板を、透明導電性薄膜が対向
するようにスペーサーを介して配置してなるタッチパネ
ルにおいて、一方のパネル板に本発明の透明導電性フィ
ルムを用いたものである。このタッチパネルは、ペンに
より文字を入力した時に、ペンからの押圧により、対向
した透明導電性薄膜同士が接触し、電気的にONの状態
になり、タッチパネル上でのペンの位置を検出すること
ができる。このペン位置を連続的かつ正確に検出するこ
とで、ペンの軌跡から文字を認識することができる。こ
の際、ペン接触側の可動電極が本発明の透明導電性フィ
ルムを用いると、ペン入力耐久性に優れるため、長期に
わたって安定なタッチパネルとすることができる。
明導電性シートを使用して得た、ガラス基板を用いない
プラスチック製のタッチパネルの断面図を図14に示し
た。このプラスチック製のタッチパネルは、ガラスを用
いていないため、非常に軽量であり、かつ、衝撃により
割れたりすることがない。
明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定さ
れるものではない。なお、透明導電性フィルムの性能お
よびタッチパネルのペン入力耐久性試験は、下記の方法
により測定した。
05に準拠し、日本電色工業(株)製NDH−1001
DPを用いて、光線透過率及びヘイズを測定した。
し、4端子法にて測定した。測定機は、三菱油化(株)
製 Lotest AMCP−T400を用いた。
立製作所製、S−800)を用いてフィルムの透明導電
性薄膜形成面の表面観察を行い、フィルム表面100μ
m2当たりの突起数をフィルム表面10箇所について写
真撮影を行い、この平均値を突起の数とした。
導電性薄膜形成面における突起の直径および高さ測定
は、走査型プローブ顕微鏡(Seiko Instruments社製、
SPA300)を用いて行った。測定は50個の突起に
ついて行い、これらの平均値をとった。スキャナーは1
00ミクロンスキャナーを用い、以下の条件により原子
間力顕微鏡観察を行った。カンチレバー:SI−DF3
(シリコン製バネ定数:2N/m程度のもの) 走査モード:DFMモード スキャン速度:0.5〜2.0Hz 画素数:512ピクセル×256ピクセル 測定環境:大気中(温度20℃×湿度65%RH)
し、引張り速度200m/分、荷重43.1N(4.4
kgf)で、インジウム−スズ複合酸化物(ITO)薄
膜を積層したガラス(日本曹達(株)製:450Ω/□
品)のITO面と本発明の透明導電性フィルムの透明導
電性薄膜との動摩擦係数を測定した。
のペン(先端の形状:0.8mmR)に5.0Nの荷重
をかけ、10万回(往復5万回)の摺動試験をタッチパ
ネルに行った。この時の摺動距離は30mm、摺動速度
は60mm/秒とした。この摺動耐久試験後に、まず、
摺動部が白化しているかを目視によって観察した。さら
に、ペン荷重0.5Nで上記の摺動部にかかるように2
0mmφの記号○印を筆記し、タッチパネルがこれを正
確に読みとれるかを評価した。さらに、ペン荷重0.5
Nで摺動部を押さえた際の、ON抵抗(可動電極(フィ
ルム電極)と固定電極とが接触した時の抵抗値)を測定
した。
03gをテトラヒドロフラン10mlに溶かし、GPC
−LALLS装置 低角度光散乱光度計 LS−8000
(東ソー株式会社製、テトラヒドロフラン溶媒、リファ
レンス:ポリスチレン)で測定した。
製、セイカビームEXF−01J)100重量部に、共
重合ポリエステル樹脂(東洋紡績(株)製、バイロン2
00、重量平均分子量:18,000)を表1に示す添
加量で配合し、溶剤としてトルエン/MEK(8/2;
重量比)の混合溶媒を、固形分濃度が50重量%になる
ように加え、撹拌して均一に溶解し塗布液を調製した。
片面に易接着層を有する二軸配向ポリエチレンテレフタ
レートフイルム(東洋紡績(株)製、A4140、厚
み:188μm)の易接着処理面に、塗膜の厚みが5μ
mになるように、調製した塗布液をマイヤーバーを用い
て塗布し、80℃で1分間乾燥を行った後、紫外線照射
装置(アイグラフィックス(株)製、UB042−5A
M−W型)を用いて紫外線を照射(光量:300mJ/
cm2)し、塗膜を硬化させた。
複合酸化物からなる透明導電性薄膜を成膜した。このと
き、ターゲットには酸化スズ10重量%含有した酸化イ
ンジウムをターゲット(三井金属鉱業(株)製、密度:
7.1g/cm3)に用いて、2.0W/cm2のDC電
力を印加した。また、Arガスを130sccm、O2
ガスを10sccmの流速で流し、0.40Paの雰囲
気下でDCマグネトロンスパッタリング法で成膜した。
ただし、通常のDCではなく、アーク放電を防止するた
めに、+20Vの5μs幅のパルスを50kHz周期で
印加した。また、−10℃の冷却ロールでフィルムを冷
却しながら、スパッタリングを行った。また、雰囲気の
酸素分圧をスパッタプロセスモニター(伯東(株)製、
SPM200)にて常時観測しながら、インジウム−ス
ズ複合酸化物薄膜中の酸化度が一定になるように酸素ガ
スの流量計およびDC電源にフィートバックした。以上
のようにして、厚さ27nmのインジウム−スズ複合酸
化物からなる透明導電性薄膜を堆積した。
ネル板として用い、他方のパネル板として、ガラス基板
上にプラズマCVD法で厚みが20nmのインジウムー
スズ複合酸化物薄膜(酸化スズ含有量:10重量%)か
らなる透明導電性薄膜を用いた。この2枚のパネル板を
透明導電性薄膜が対向するように、直径30μmのエポ
キシビーズを介して、配置しタッチパネルを作製した。
に、スズ−アンチモン複合酸化物からなる透明導電性薄
膜を成膜した。このとき、ターゲットには酸化アンチモ
ン5重量%含有した酸化インジウムをターゲット(三井
金属鉱業(株)製、密度:5.7g/cm3)に用い
て、1.5W/cm2のDC電力を印加した。また、A
rガスを130sccm、O2ガスを20sccmの流
速で流し、0.40Paの雰囲気下でDCマグネトロン
スパッタリング法で成膜した。ただし、通常のDCでは
なく、アーク放電を防止するために、+20Vの5μs
幅のパルスを100kHz周期で印加した。また、−1
0℃の冷却ロールでフィルムを冷却しながら、スパッタ
リングをおこなった。また、雰囲気の酸素分圧をスパッ
タプロセスモニター(伯東(株)製、SPM200)に
て常時観測して、インジウムースズ複合酸化物薄膜中の
酸化度が一定になるように酸素ガスの流量計およびDC
電源にフィートバックした。以上のようにして、厚さ3
0nmのスズ−アンチモン複合酸化物からなる透明導電
性薄膜を堆積した。得られた透明導電性フィルムの性能
試験結果を表1に示す。また、実施例2と同様にして、
タッチパネルを作製した。
らなる積層体の、硬化物層面とは反対面にハードコート
層樹脂としてポリエステルアクリレートとポリウレタン
アクリレートとの混合物からなる紫外線硬化型樹脂(大
日精化工業(株)製、EXG)を膜厚5μm(乾燥時)
になるようにグラビアリバース法により塗布し、溶剤を
乾燥させた。この後、160Wの紫外線照射装置の下を
10m/分の速度で通過させ、紫外線硬化型樹脂を硬化
させ、ハードコート層を形成させた。
ィルム基材/硬化物層からなる積層体の硬化物層上に、
実施例4と同様にしてスズ−アンチモン複合酸化物薄膜
を成膜した。また、この透明導電性フィルムを用いて、
実施例2と同様にしてタッチパネルを作製した。
/硬化物層からなる積層体を作製した。この積層体の硬
化物層面とは反対面に、ハードコート層樹脂としてポリ
エステルアクリレートとポリウレタンアクリレートとの
混合物からなる紫外線硬化型樹脂(大日精化工業(株)
製、EXG)を膜厚5μm(乾燥時)になるようにグラ
ビアリバース法により塗布し、溶剤を乾燥した。その
後、表面に微細な凸形状が形成されたポリエチレンテレ
フタレートフィルムのマット賦形フィルム(東レ(株)
製、X)をマット面が紫外線硬化型樹脂と接するように
ラミネートした。このマット賦形フィルムの表面形状
は、平均表面粗さ0.40μm、山の平均間隔160μ
m、最大表面粗さ25μmである。このようにラミネー
トしたフィルムを160Wの紫外線照射装置の下を10
m/分の速度で通過させ、紫外線硬化型樹脂を硬化させ
た。次いで、マット賦形フィルムを剥離して、表面に凹
形状加工が施され防眩効果のあるハードコート層を形成
させた。
ックフィルム基材/硬化物層からなる積層体の硬化物層
上に、実施例4と同様にしてスズ−アンチモン複合酸化
物薄膜を透明導電性薄膜として成膜した。また、この透
明導電性フィルムを一方のパネル板として用い、実施例
2と同様にしてタッチパネルを作製した。
スチックフィルム基材/硬化物層/透明導電性薄膜層か
らなる積層体を作製した。次いで、この防眩性ハードコ
ート層上に順次TiO2(屈折率:2.30、膜厚:1
5nm)、SiO2(屈折率:1.46、膜厚:29n
m)、TiO2(屈折率:2.30、膜厚:109n
m)、SiO2(屈折率:1.46、膜厚:87nm)
を積層することで反射防止処理層を形成した。TiO2
薄膜を形成するには、チタンをターゲットに用いて、直
流マグネトロンスパッタリング法で、真空度を0.27
Paとし、ガスとしてArガスを500sccm、O2
ガスを80sccmの流速で流した。また、基板の背面
には表面温度が0℃の冷却ロールを設けて、透明プラス
チックフィルムを冷却した。このときのターゲットには
7.8W/cm2の電力を供給し、ダイナミックレート
は23nm・m/分であった。
ターゲットに用いて、直流マグネトロンスパッタリング
法で、真空度を0.27Pa、ガスとしてArガスを5
00sccm、O2ガスを80sccmの流速で流し
た。また、基板の背面には0℃の冷却ロールを設けて、
透明プラスチックフィルムを冷却した。このときのター
ゲットには7.8W/cm2の電力を供給し、ダイナミ
ックレートは23nm・m/分であった。また、この透
明導電性フィルムを一方のパネル板として用い、実施例
2と同様にしてタッチパネルを作製した。
クリル系粘着剤を介して、厚みが1.0mmのポリカー
ボネート製のシートに貼り付けて、透明導電性積層シー
トを作製した。この透明導電性積層シートを固定電極と
して用い、実施例6の透明導電性フィルムを可動電極に
用いて、実施例2と同様にしてタッチパネルを作製した
硬化物層を製造した。光重合開始剤含有アクリル系樹脂
(大日精化工業(株)製、セイカビームEXF−01
J)100重量部に、平均粒径が1.5μmの球状単分
散シリカ微粒子(日本触媒(株)製、シーホスター K
E−P150)を0.5重量部添加し、溶剤としてトル
エンを80重量部加え、撹拌してシリカ微粒子が均一に
分散した塗料を調製した。片面に易接着層を有する二軸
配向ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績
(株)製、A4140、厚み188μm)の易接着処理
面に、塗膜の厚みが5μmになるように、調製した塗布
液をマイヤーバーを用いて塗布し、80℃で1分間乾燥
を行ったのち、紫外線照射装置(アイグラフィックス
(株)製、UB042−5AM−W型)を用いて紫外線
(光量:300mJ/cm 2)を照射し塗膜を硬化し
た。得られた透明プラスチックフィルム基材の硬化物層
上に、実施例4と同様にしてスズ−アンチモン複合酸化
物薄膜を成膜した。さらにこの透明導電性フィルムを用
い、実施例2と同様にしてタッチパネルを作製した。
エチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績(株)製、
A4140、厚み:188μm)の易接着処理面に、有
機ケイ素化合物のブタノール、イソプロパノール混合ア
ルコール系溶液(濃度:1重量%)を塗布した後、 1
00℃で1分間乾燥させた。この後、有機ケイ素化合物
上に酸化スズ含有率5重量%のインジウム−スズ合金タ
ーゲットを用い、基板温度120℃で成膜した。また、
真空度は0.27Paとし、ガスとしてArガスを13
0sccm、O2ガスを40sccmの流速で流し、タ
ーゲットへは1.5W/cm2の電力を印加した。成膜
後、さらに150℃で10分間の加熱処理を行い、結晶
性のインジウム−スズ複合酸化物薄膜を作製した。ま
た、この透明導電性フィルムを用い、実施例2と同様に
してタッチパネルを作製した。
及び図1〜12に示す。また、実施例4の透明導電性フ
ィルムにおける透明導電性薄膜面の走査型電子顕微鏡に
よる表面形態像を図15に示す。
導電性薄膜面に特定の形態(直径及び高さ)を有する突
起を特定数有する本発明の透明導電性フィルムは、ヘイ
ズ値が低く透明性が良好であった。さらに、この透明導
電性フィルムを用いたタッチパネルは、表面の突起によ
り滑り性に優れるため、ポリアセタール製ペン(先端形
状:0.8mmR)に5.0Nの荷重をかけ10万回の
摺動試験を行った後でも白化もなく、ON抵抗にも異常
がなかった。また、入力した記号○印も正確に認識して
いた。
径、高さ、及び数がいずれも本発明の下限外である比較
例1の透明導電性フィルムは、透明性には優れているも
のの、突起による滑り性が不十分なため、タッチパネル
に用いた際に、ポリアセタール製ペン(先端形状:0.
8mmR)に5.0Nの荷重をかけ10万回の摺動試験
を行った後に摺動部が白化し、ON抵抗も上昇した。ま
た、入力した記号○印も摺動部で正確に認識していなか
った。
さ、及び数がいずれも本発明の上限外である比較例2の
透明導電性フィルムは、ヘイズ値が高く透明性に劣って
いた。
3の透明導電性フィルムは、ヘイズ値が高く、さらに突
起が非常に大きく、滑り性も十分でなかった。このた
め、タッチパネルに用いた際に、ポリアセタール製ペン
(先端形状:0.8mmR)に5.0Nの荷重をかけ1
0万回の摺動試験を行った後に摺動部が白化し、ON抵
抗も上昇した。また、入力した記号○印も摺動部で正確
に認識していなかった。
を用い、透明導電性薄膜面に突起を有しない比較例4の
透明導電性フィルムをタッチパネルに用いた場合、ポリ
アセタール製ペン(先端形状:0.8mmR)に5.0
Nの荷重をかけ10万回の摺動試験を行った後に摺動部
の白化は見られなかったが、ON抵抗が上昇した。ま
た、入力した記号○印も摺動部で正確に認識していなか
った。これは、透明導電性薄膜面に突起を有しないため
滑り性が悪化し、摺動試験により割れてしまったためで
ある。
チックフィルム基材上に、硬化型樹脂を主たる構成成分
とする硬化物層、及び透明導電性薄膜をこの順に積層
し、透明導電性薄膜形成面に特定の形態(直径0.05
〜3.0μm及び高さ0.005〜2.00μm)の突
起を特定数(3〜200個/100μm2)有している
ため、滑り性と透明性に優れている。このため、前記透
明導電性フィルムを用いたペン入力用タッチパネルは、
ペンの押圧で対向の透明導電性薄同士が接触しても、剥
離、クラック等を生じることがないなどペン入力耐久性
に優れており、かつ位置検出精度や表示品位にも優れて
いる。したがって、ペン入力タッチパネルとして好適で
ある。
た説明図である。
た説明図である。
た説明図である。
た説明図である。
た説明図である。
た説明図である。
た説明図である。
た説明図である。
た説明図である。
した説明図である。
した説明図である。
した説明図である。
タッチパネルの断面図である。
シートを使用して得た、ガラス基板を用いないプラスチ
ック製のタッチパネルの断面図である。
導電性薄膜面の走査型電子顕微鏡写真である。
Claims (10)
- 【請求項1】 透明プラスチックフィルム基材上に、硬
化型樹脂を主たる構成成分とする硬化物層、及び透明導
電性薄膜をこの順に積層した透明導電性フィルムであっ
て、前記透明導電性薄膜を形成した面に直径0.05〜
3.0μm、高さ0.005〜2.00μmの突起を1
00μm2当たり3〜200個有することを特徴とする
透明導電性フィルム。 - 【請求項2】 前記硬化物層が、硬化型樹脂及び硬化型
樹脂に非相溶な樹脂から主として構成されることを特徴
とする請求項1記載の透明導電性フィルム。 - 【請求項3】 前記硬化型樹脂が紫外線硬化型樹脂であ
り、硬化型樹脂に非相溶な樹脂が重量平均分子量が5,
000〜50,000のポリエステル樹脂であり、さら
に前記ポリエステル樹脂が紫外線硬化型樹脂100重量
部当たり0.10〜20重量部含有されていることを特
徴とする請求項2記載の透明導電性フィルム。 - 【請求項4】 前記透明導電性薄膜がインジウム−スズ
複合酸化物からなることを特徴とする請求項1乃至3記
載の透明導電性フィルム。 - 【請求項5】 前記透明導電性薄膜がスズ−アンチモン
複合酸化物からなることを特徴とする請求項1乃至3記
載の透明導電性フィルム。 - 【請求項6】 前記透明導電性フィルムの透明導電性薄
膜面とは反対面に、ハードコート層を積層することを特
徴とする請求項1乃至5記載の透明導電性フィルム。 - 【請求項7】 前記ハードコート層が防眩効果を有する
ことを特徴とする請求項6記載の透明導電性フィルム。 - 【請求項8】 前記ハードコート層に低反射処理を施し
たことを特徴とする請求項6または7記載の透明導電性
フィルム。 - 【請求項9】 請求項1乃至8記載の透明導電性フィル
ムの透明導電性薄膜面とは反対面に透明樹脂シートを粘
着剤を介して貼り合わせることを特徴とする透明導電性
シート。 - 【請求項10】 前記透明導電性薄膜を有する一対のパ
ネル板を、透明導電性薄膜が対向するようにスペーサー
を介して配置してなるタッチパネルにおいて、少なくと
も一方のパネル板が請求項1乃至9のいずれかに記載の
透明導電性フィルムもしくは透明導電性シートからなる
ことを特徴とするタッチパネル。
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