JP2006007578A - 磁気カードの製造方法、転写シート、転写シートの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明の磁気カードの製造方法は、コアシート11,12と磁気テープ転写済みのオーバシート13と、絵柄24および磁気テープ隠蔽層26を有する絵付け転写用転写シート2の積層体を熱圧プレスして、カード基体を一体化すると共にカード表面に絵付けする磁気カードの製造方法において、当該絵付け転写用転写シート2として、電子写真プリンターのカラートナーによる絵柄を、剥離層を有するフィルム基材面に形成し、さらに当該絵柄面に磁気テープ隠蔽層を印刷したものを使用することを特徴とする。
転写シート2の絵柄の形成は、電子写真プリンターにカラー原稿を供給してもよく、カラーデジタルデータを送信してもよい。
【選択図】 図3
Description
したがって、本発明の属する技術分野は、磁気カードの製造や利用の分野に関する。
直刷り方式としては、カード基材の内側のシートとなるコアシート(表裏2枚)とその両面のオーバーシートを熱圧プレスして一体化した後、オーバーシートに転写してある磁気テープを隠蔽するための隠蔽印刷と絵柄印刷、艶出しオーバープリントを行った後、再度、熱圧プレスする方法が採用されている。
印刷にはオフセット印刷やシルクスクリーン印刷が用いられ、製版工程が必要なことと、2回プレスが必要なことから、主として数量の多いカードの製造に用いられている。
しかし、転写方式による場合であっても、転写シートに対する絵柄の印刷が必要であり、製版・刷版工程、本機印刷工程が必要となる問題がある。
まず、表面側コアシート11、裏面側コアシート12、表面側オーバーシート13、裏面側オーバーシート14の4層と、隠蔽層26、絵柄層24、アンカー層23、剥離層22が印刷された転写シート(PET基材)2を仮貼りし、その後、熱圧プレスして一体にする工程を行う。
熱圧プレス後は、隠蔽層26、絵柄層24、アンカー層23、剥離層22が表面側オーバーシート13に転写され、磁気テープ8を隠蔽すると共に美麗な絵柄を表現し、剥離層22は保護層の役割をも果たす。
転写方式の場合は、1回の熱圧プレス工程で済む利点があるが、転写シートの基材フィルム21は最後に剥離除去され、再使用できない問題がある。
特許文献1は、カード基材の面に、昇華性染料で画像形成することを記載しているが、染料画像の場合は、絵柄の耐光性が弱い問題がある。特許文献2は、小ロットの磁気カードに直刷りで絵柄を設けることを記載しているが、直刷りの場合は、印刷版の製造が不可欠であるという問題がある。特許文献3は、カードの表裏に転写方式で絵柄を設ける「磁気カード及びその製造方法」について記載している。特許文献4は、「カード及びその絵付け方法」に関するが、カード表面の受容層皮膜の特性について提案している。
そこで、本発明は、転写方式による磁気カード表面へ絵柄を転写する製造方法において、染料画像によらず顔料画像を転写すること、および製版、刷版、本機印刷工程を伴わない転写シートの製造と、磁気カード転写方法を研究して、本発明の磁気カードの製造方法、転写シート、転写シートの製造方法の完成に至ったものである。
(2)本発明の転写シートは、剥離層面に電子写真プリンターの顔料を含有するカラートナー絵柄層が形成され、さらに磁気テープ隠蔽層が形成されているので、カードの磁気テープを隠蔽し、かつ耐久性の高い絵柄を形成できる。
(3)本発明の転写シートの製造方法は、カラー原稿またはデジタルデータを用いて絵柄を形成でき、従来のように製版、刷版工程により印刷版を製造し印刷するような工程を経ずに、刷版レスで転写シートを製造できるので、製造時間の大幅な短縮が可能である。
図1は、本発明の転写シートの断面を示す図、図2は、転写シートの製造工程を示すフローチャート、図3は、磁気カードに絵柄を転写する状態を示す断面図、である。
アンカー層23には、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ゴム変成物等を使用することができる。この層は、オフセット印刷されるので、厚みは1〜2μm以下の僅かな厚みとなる。
電子写真現像方式には湿式現像方式と乾式現像方式がある。有機色素、添加剤、バインダー樹脂をイソパラフィン系石油溶剤に分散させたものを用いる方式が湿式現像方式であり、有機色素、添加剤をバインダー樹脂に分散させ粉砕して粉体として用いる方式が乾式現像方式でこの粉体をトナーという。今日では乾式現像方式が主流となっている。乾式現像方式に用いられるトナーは、有機色素、添加剤、バインダー樹脂の他にキャリアーとよばれるフェライトなどの磁性体を混合して用いる場合がある。このような2成分系ではキャリアーとの接触でトナーが帯電する。
そのほか、(1)多色重ねをするためにトナーの透明性が高いこと、(2)バインダー樹脂との親和性が高く、溶融混和性が良好であること、(3)熱、光に対して安定で耐ブリード性が優れること、(4)分光反射率特性が良好であること、(5)耐環境特性が良好であること、などの特性が要求される。これらの特性が考慮されていることから、昇華性染料画像等よりは耐久性の高い絵柄を形成できる。
隠蔽層26は、オーバーシートに予め転写されている磁気テープの茶褐色の色を隠蔽するもので、白色のチタン顔料(TiO2 )や隠蔽力の高いアルミニウム粉末を混練したインキが使用される。
基材フィル21としては、厚み、100μm〜200μm程度の耐熱性基材が用いられる。通常、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムが好ましく用いられる。
剥離層22は基材フィルム21の全面に設けるもので、ロール状に巻かれた連続した基材フィルム面にコーティングされる(S1)。当該剥離層22のコーティングは、前記のようにグラビア印刷やロールコートにより行われる。
剥離層22の塗工後、基材フィルム21は枚葉のシートに裁断される(S2)。その後、オフセット印刷によりアンカー層の印刷を行う(S3)。
近年の電子写真プリンターには、CCDイメージセンサを備えているので、電子写真プリンターに与えられた原稿は、当該CCDイメージセンサにより読み取られて、3色または4色(シアン、マゼンタ、イエロー、墨)に色分解される。解像度は、600dots/25.4mm程度まで可能である。色分解された各色の電気信号がレーザービーム光信号として感光板(またはドラム)を露光し静電画像を形成する。
画像データの送信は、TCP/IP(LPD)を使ってサーバを介し、または介さずに、Windowsマシンに接続する送信方法を採用できる。また、インターネットを介する接続も可能である。これらの方法の場合は、遠隔地からのデータの送信が可能であり、被写体を撮影したカラーデジタルデータによる場合は、写真をプリントする手間も不要となる。
感光ドラムが1本であっても交互に各色の露光をしてカラーコピーが可能であるが、高速の場合、4本の感光ドラムが用いられる。感光ドラムが水平に設置されている場合、垂直に設置されている場合、等各社各様の機種があるが、いずれの機種であっても構わない。感光ドラムへの露光はレーザーユニットと多面体ミラー等により行われる。
電子写真プリンターには、明度/彩度/コントラスト等の画質調整機能と、ブラック/シアン/マゼンタ/イエローのトナー濃度を微調整する機能、等を備えているので、原稿の忠実な再現や逆に演出した再現方法も可能となる。
近年、オンデマンド印刷用として高機能を備えた電子写真プリンターも開発されているが、そのような機種であっても構わない。
磁気カードに絵柄を転写する場合は、図3の断面図のように、まず、2層のコアシート11,12と、その両面に予め磁気テープ8,9を転写済みのオーバーシート13,14を、磁気テープ8,9が外面になるように仮積みした積層体10kを準備する。オーバーシート14には、裏面絵柄5がシルクスクリーンまたはオフセット印刷により印刷されているものである。この工程は、従来方式の転写絵付け方式の場合と同様であり、カード基材の材料としては、一般的には硬質塩化ビニルシートやポリエチレンテレフタレート(PET)シート、PET−Gシートが使用されている。カード基体10の全体厚みを、規定の0.76±0.08mmに仕上げるため、表裏コアシート11,12は、0.28mm厚程度の白色シート、表裏オーバーシート13,14は、0.10mm厚程度の透明シートを使用するのも同様である。
熱プレス条件は、例えば温度100〜200°C、圧力15〜30kg/cm2 、時間5〜25分、好ましい特定例は、温度150°C、圧力25kg/cm2 、時間15分である。その後、圧力を保持したまま、例えば20分以上の時間をかけて、できる限りゆっくり常温まで冷却する。
厚み150μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(A4判サイズ)に、剥離インキをグラビアコートして剥離層22を形成し、その上にアンカー層23をオフセット印刷し、転写シート基材20を作製した(図1参照)。
カードのコアシート11,12として、厚み0.28mmの白色硬質塩化ビニルシートを使用し、オーバーシート13,14として、磁気テープ8,9を転写済みであって、厚み0.10mmの透明塩化ビニルシートを使用した。コアシート12は裏面絵柄印刷済みのものであり、コアシート11にも位置合わせ用マーク等を印刷済みのものである。
この磁気カード基材の仮積み積層体10kに、先に準備した転写シート2を隠蔽層26が磁気テープ8面に接するように載置してから、金属プレス鏡面板P間に、材料一式を挿入して熱圧プレスした。プレス条件は、温度150°C、圧力25kg/cm2 、時間15分とした(図3参照)。これにより、美麗に絵柄が転写された磁気カード1が得られた。
厚み150μmのPETフィルム(A4判サイズ)に、剥離インキをグラビアコートして剥離層22を形成し、その上にアンカー層23をオフセット印刷し、転写シート基材20を作製した(図1参照)。
この転写シート基材20に電子写真プリンター[ドキュセンターカラー400(フジゼロックス株式会社製)]により、カラー絵柄をコピーして絵柄層24を形成したが、絵柄は、PC(WindowsXP)から、カード1面分のカラーデジタルデータを4件の個人情報と共に送信する方法により形成した。A4判サイズの転写シート基材20に、4面付けの同一カード絵柄とそれぞれの個人情報が出力された転写シート2が完成した。
磁気カードに対する絵柄転写は、実施例1と同一のカード基材を使用し、同一のプレス条件で行った。これにより、美麗に絵柄が転写された磁気カード1が得られた。
2 転写シート
5 裏面絵柄
8,9 磁気テープ
10 カード基体
11,12 コアシート
13,14 オーバーシート
20 基材
21 基材フィルム
22 剥離層
23 アンカー層
24 絵柄層
25 接着層
26 隠蔽層
P プレス鏡面板
Claims (7)
- コアシートと磁気テープ転写済みのオーバシートと、絵柄および磁気テープ隠蔽層を有する絵付け転写用転写シートの積層体を熱圧プレスして、カード基体を一体化すると共にカード表面に絵付けする磁気カードの製造方法において、当該絵付け転写用転写シートとして、電子写真プリンターのカラートナーによる絵柄を、剥離層を有するフィルム基材面に形成し、さらに当該絵柄面に磁気テープ隠蔽層を印刷したものを使用することを特徴とする磁気カードの製造方法。
- カラートナーが有機または無機顔料を含むものであることを特徴とする請求項1記載の磁気カードの製造方法。
- 磁気カードの製造に使用する絵付け転写用転写シートであって、基材フィルム面に剥離層を有し、当該剥離層面に電子写真プリンターの有機または無機顔料を含有するカラートナー絵柄層が形成されており、さらに当該絵柄面に、磁気テープ隠蔽層が形成されていることを特徴とする転写シート。
- 剥離層とカラートナー絵柄層との間にアンカー層を有することを特徴とする請求項3記載の転写シート。
- カラートナー絵柄層と磁気テープ隠蔽層との間に接着層を有することを特徴とする請求項3または請求項4記載の転写シート。
- 磁気カード製造時における絵付け転写用転写シートの製造方法であって、電子写真プリンターにカラー原稿を供給し、当該カラー原稿に基づく絵柄を剥離層を有する基材フィルム面に形成し、当該絵柄面上に磁気テープ隠蔽層をシルクスクリーン印刷により印刷することを特徴とする転写シートの製造方法。
- 磁気カード製造時における絵付け転写用転写シートの製造方法であって、電子写真プリンターにカラーデジタルデータを送信し、当該カラーデジタルデータに基づく絵柄を剥離層を有する基材フィルム面に形成し、当該絵柄面上に磁気テープ隠蔽層をシルクスクリーン印刷により印刷することを特徴とする転写シートの製造方法。
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