JP2004170453A - 電子写真用カラートナー - Google Patents

電子写真用カラートナー Download PDF

Info

Publication number
JP2004170453A
JP2004170453A JP2002332606A JP2002332606A JP2004170453A JP 2004170453 A JP2004170453 A JP 2004170453A JP 2002332606 A JP2002332606 A JP 2002332606A JP 2002332606 A JP2002332606 A JP 2002332606A JP 2004170453 A JP2004170453 A JP 2004170453A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
color
toner
printing
color toner
achromatic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2002332606A
Other languages
English (en)
Inventor
Yuzo Horikoshi
裕三 堀越
Katsuji Ko
勝治 胡
Takahiro Kashiwakawa
貴弘 柏川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujitsu Ltd filed Critical Fujitsu Ltd
Priority to JP2002332606A priority Critical patent/JP2004170453A/ja
Publication of JP2004170453A publication Critical patent/JP2004170453A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Developing Agents For Electrophotography (AREA)

Abstract

【課題】鮮やかな色調の画像を安定に現像でき、特に連続印刷における印刷画像の色調安定性に優れる、様々な色のカラートナーを提供すること。
【解決手段】有彩色用着色剤と結着樹脂を含む有彩色のカラートナーと、無彩色用着色剤と結着樹脂を含む無彩色のカラートナーの両方を含む電子写真用カラートナーとする。有彩色カラートナーの印字色はL色空間において((a+(b0.5≧10の範囲、無彩色カラートナーの印字色はL色空間において((a+(b0.5≦5の範囲にあるのが好ましい。有彩色カラートナーと無彩色カラートナーのうちの少なくとも一つがその電気抵抗率を制御する導電性微粒子を含有することにより、色調安定性を向上させることができる。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電子写真法で使用されるカラートナーに関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真法は複写機、電子写真ファクシミリ、電子写真プリンタ等の画像形成装置において広く使用されている技術である。電子写真法としては、例えば米国特許第2297691号明細書等に記載されるように、光導電性絶縁体を用いた方式が一般的に使用される。この方式では、コロナ放電や電荷供給ローラによって帯電させられた光導電性絶縁体上にレーザー、LEDなどの光を照射することによって静電潜像を形成する。次に、顔料や染料により着色したトナーと称される樹脂粉末を上記静電潜像に静電的に付着させて現像を行い、可視化されたトナー画像を得る。続いて、このトナー画像を紙やフィルム等の記録媒体上へ転写する。ただし、この時のトナー画像は記録媒体上に単に載っているだけの粉像であるため、これを記録媒体上に定着する必要がある。そこで、最後の工程として熱、圧力、光などによってトナーを記録媒体上で溶融した後に固化して、最終的に記録媒体上に定着したトナー画像を得ている。
【0003】
上記のように、トナーの定着とは、熱可塑性樹脂(以下、「結着樹脂」)と着色剤を主成分とする粉体であるトナーを加熱し、結着樹脂を溶融させることにより、トナーを記録媒体上に固着することである。そのための方式として、トナー画像が形成された記録媒体を直接ローラによって加熱・加圧するヒートロール方式と、キセノンフラッシュランプ等のフラッシュ光照射によりトナーを記録媒体上に定着させるフラッシュ定着方式がよく知られている。
【0004】
電子写真法によりカラー画像を得るためには、イエロトナー、マゼンタトナー、シアントナーの3色の基本カラートナー、あるいは、これら3色のカラートナーに加えブラックトナーの4色のカラートナーを現像、重ね合わせることによりカラー印刷を行う印刷方式と、特開昭61−132959号公報に記載されているように、2色あるいは2色以上の黒トナーあるいはカラートナーを重ね合わせることによりカラー印刷を行う印刷方式が知られている。
【0005】
前者の印刷方式では、イエロトナー、マゼンタトナー、シアントナー、ブラックトナーのカラートナーはそれぞれイエロ現像器、マゼンタ現像器、シアン現像器、ブラック現像器にセットされ、それぞれの現像により印刷画像が形成される。各色トナーの物理的な性質が異なっていても、現像条件を最適化することにより現像特性を同じにすることも可能である。その反面、装置構造は複雑となり、高コストの装置となる。一方、後者の印刷方式では、カラートナーを現像する現像器は少なくとも1個あれば、カラー印刷を行うことができ、装置構造が簡略であり、低コストの装置となる。また、後者の印刷方式において、特開平6−348101号公報に記載されているように、実質的に物理的性質が等しく、色の異なるトナーをそれぞれ設定された割合で均一混合するための流動床を有する印刷装置が知られている。
【0006】
特開2001−13710号公報には、写真画質のカラー印刷用に用いられる受像材料(記録媒体)が記載されている。これは、トナー受像層を少なくとも1つ有し、特定の白さを有する記録媒体であって、トナーそのものではない。
【0007】
電子写真法で用いられるトナーに関する先行技術文献としては、特開2002−296826号公報、特開2002−108023号公報などがある。
【0008】
【特許文献1】
米国特許第2297691号明細書
【特許文献2】
特開昭61−132959号公報
【特許文献3】
特開平6−348101号公報
【特許文献4】
特開2001−13710号公報
【特許文献5】
特開2002−296862号公報
【特許文献6】
特開2002−108023号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記した後者の印刷方式でカラー印刷を行うためには、様々な印字の色に合わせた様々な色のカラートナーが必要である。様々な色のカラートナーを得るためには、様々な材質の着色剤を用いる必要がある。しかし、着色剤の材質が異なると、それを用いたトナーの性質も異なるものになる。例えば、カラートナーの電気抵抗率は着色剤の電気抵抗率に応じて変化するため、同じ条件の現像装置に用いるためには、カラートナーごとに電気抵抗率を精密に制御する必要が生じる。電気抵抗率を精密に制御するためには、繰り返し、膨大な実験と評価を繰り返すことが必要となり、様々な色のカラートナーを提供することは現実的には不可能である。
【0010】
また、仮に上記の方法により着色剤を変えて様々な色のカラートナーを提供する場合、多数の品種のカラートナーを生産することとなり、色の異なるカラートナーの生産を行うたびに配管や製造設備の清掃が必要となって、生産コスト等の面で大きなデメリットが生じ、問題となっている。
【0011】
一方、イエロトナー、マゼンタトナー、シアントナーから選ばれた2種類以上の基本トナーを混合することにより、様々な色のカラートナーを提供することができる。しかし、イエロトナー、マゼンタトナー、シアントナーに着色剤としてそれぞれ用いられるイエロ顔料、マゼンタ顔料、シアン顔料の電気抵抗率は大きく異なるため、イエロトナー、マゼンタトナー、シアントナーの電気抵抗率も大きく異なる。この電気抵抗率の異なるカラートナーを組み合わせて混合することにより得られる混合カラートナーを印刷すると、組み合わせた個々の成分カラートナーが不均等に現像されるため、印刷画像の色調が不安定になるという問題が発生する。組み合わせた個々の成分カラートナーが不均等に現像されるのは、トナーの電気抵抗率に依存して成分カラートナーの消費量がまちまちになるからであり、それにより最初のトナー中に存在する成分カラートナーの混合比が、現像の進行とともに変化して、印刷画像の色調に違いが生じる(連続印刷時の印字色が変化する)ことになる。このため、電気抵抗率の異なるイエロ顔料、マゼンタ顔料、シアン顔料をそれぞれ含有するイエロトナー、マゼンタトナー、シアントナーの電気抵抗率を精密に調整するための方法が必要である。
【0012】
更に、イエロトナー、マゼンタトナー、シアントナーの混合により得られる混合カラートナーで再現できる色は、L色空間において、図2に示す範囲である。すなわち、これらの成分トナーの混合比を変化させることにより図2のY−L−A−B−M−D−E−F−C−G−H−J−Yの閉じた曲線上の色を再現することが可能である。しかしながら、曲線の内部の色、及びa−b平面に対して垂直な明度軸Lに沿った明度の異なる色を表現することはできない。必然的に、Y−L−A−B−M−D−E−F−C−G−H−J−Yの閉じた曲線上に示す色以外の色を再現するためには、更なる調色方法を開発することが必要である。
【0013】
本発明は上記のような実情に鑑みてなされたものである。従って、本発明の目的は、鮮やかな色調の画像を安定に現像できる様々な色のカラートナーを提供すること、更には、これらのカラートナーの電気抵抗率を精密に制御することにより連続印刷における印刷画像の色調安定性に優れる様々な色のカラートナーを提供することにある。このようなカラートナーを用いた画像形成装置等を提供することも、本発明の目的である。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、従来の技術における上記の欠点を改善すべく、電子写真用トナーについて研究し、検討した結果、有彩色のカラートナーと無彩色のカラートナーを混合することにより得られる電子写真用カラートナーが、上記課題を解決するのに有効であることを見いだし、本発明の完成に至った。更に、本発明者らは、有彩色のカラートナーと無彩色のカラートナーを単に混合するだけでなく、少なくとも1種のカラートナーに導電性微粒子を含有させることにより、連続印刷時における印字色変化の問題を改善できることを見いだし、本発明を完成するに至ったものである。
【0015】
すなわち、本発明の電子写真用カラートナーは、有彩色用着色剤と結着樹脂を含む有彩色のカラートナーと、無彩色用着色剤と結着樹脂を含む無彩色のカラートナーの両方を含むことを特徴とする、電子写真用カラートナーである。
【0016】
より好ましい態様において、本発明の電子写真用カラートナーは、含まれる有彩色カラートナーと無彩色カラートナーのうちの少なくとも1種が導電性微粒子を含有していることを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の電子写真用カラートナーは、複数種の成分カラートナーの混合物であり、成分カラートナーとして、有彩色のカラートナーと無彩色のカラートナーを少なくとも1種ずつ含んでいる。有彩色のカラートナーは、通常はイエロ、マゼンタ、シアン以外の任意の色を再現するために、2種類が併用されるが、1種類(あるいは場合によっては3種類)の有彩色カラートナーを用いることも可能である。同様に、無彩色のカラートナーについても、2種類以上のものを併用することが可能である。
【0018】
有彩色のカラートナーとしては、着色剤と結着樹脂と、必要に応じ帯電制御剤等の添加剤を含み、その印字色がL色空間において((a+(b0.5≧10の範囲であるトナーが使用可能である。印字色が上記の範囲にあることが好ましい理由は、無彩色のトナーと混合したときに彩度Cの高いものから彩度Cの低いカラートナーまで、様々な色の電子写真用カラートナーが得られるようになるためである。
【0019】
有彩色のカラートナーに用いる着色剤としては、従来から電子写真用トナーに使用されている公知のイエロ、マゼンタ、およびシアン有機顔料、染料を用いることができる。例えば、モノアゾ系赤色顔料、ジスアゾ系黄色顔料、キナクリドン系マゼンタ顔料、アントラキノン染料、ニグロシン系染料、第4級アンモニウム塩、モノアゾ系の金属錯塩染料等を使用することができる。これらを組合せて使用してもよい。
【0020】
より具体的な着色剤の例として、アニリンブルー(C.I. No.50405)、カルコオイルブルー(C.I. No. Azoic Blue 3)、クロムイエロ(C.I. No. 14090)、ウルトラマリンブルー(C.I. No. 77103)、デュポンオイルレッド(C.I. No. 26105)、キノリンイエロ(C.I. No. 47005)、メチレンブルークロライド(C.I. No. 52015)、フタロシアニンブルー(C.I. No. 74160)、マラカイトグリーンオクサレート(C.I. No.42000)、食用赤色2号(アマランス、C.I. No. 16185)、食用赤色3号(エリスロシン、C.I. No. 45430)、食用赤色40号(アルラレッドAC、C.I. No. 16035)、食用赤色102号(ニューコクシン、C.I. No. 16255)、食用赤色104号(フロキシン、C.I. No. 45410)、食用赤色105号(ローズベンガル、C.I. No.45440)、食用赤色106号(アシドレッド、C.I.No. 45100)、食用黄色4号(タートラジン、C.I. No.19140)、食用黄色5号(サンセットイエロFCF、C.I. No. 15985)、食用緑色3号(ファーストグリーンFCF、C.I. No. 42053)、食用青色1号(ブリリアントブルーFCF、C.I. No. 42090)、食用青色2号(インジゴカーミン、C.I. No. 73015)等を挙げることができる。
【0021】
無彩色のトナーとしては、やはり着色剤と結着樹脂と、必要に応じ帯電制御剤等の添加剤を含み、その印字色がL色空間において((a+(b0.5≦5の範囲であるホワイトトナー、あるいは((a+(b0.5≦5の範囲であるグレーもしくはブラックトナーを使用するのが好ましい。ホワイトトナーは、その印字色がL色空間においてL≧80の範囲にあることも好ましい。グレー及びブラックトナーは、その印字色がL色空間においてL≦30の範囲にあることも好ましい。印字色が上記の範囲内であることが好ましい理由は、有彩色のカラートナーと混合したときに明度Lの高いものから明度Lの低いトナーまで、様々な色の電子写真用カラートナーが得られるようになるためである。
【0022】
無彩色のホワイトトナーに使用する着色剤としては、シルバーホワイト、チタンホワイト、ジンクホワイト、チタンストロンチウムホワイト等のホワイト顔料が使用可能である。特にルチル型結晶の酸化チタン、アナターゼ型結晶の酸化チタンは白色度が高く、好ましい。10〜1000nmの範囲の粒径を持つ酸化チタンを使用することにより顔料分散性の高いホワイトトナーが得られ、好適である。トナーの静電的特性を安定化させるために、顔料の電気抵抗率は1×10〜1×1012Ω・cmとするのが好ましい。この範囲より高抵抗率の顔料では、後述する導電性微粒子による抵抗率制御を行っても、適正なトナー電気抵抗率が実現できないためである。またこの範囲よりも低抵抗率の顔料では、トナーの導電性が高まりトナーの静電的特性を安定化させることが困難になるため好ましくない。顔料表面を、例えば、シランカップリング剤、シリコーンオイル、ステアリン酸等の脂肪酸、アルコール、トリメタノールアミン等のアミンなどで表面処理することにより、極めて高い顔料分散性とトナーの帯電安定性の両立が容易に実現できる。
【0023】
また、無彩色のグレートナーに用いる着色剤としては、従来から一般的にブラックトナー用に使用されているカーボンブラックを使用することが可能である。カーボンブラックは、当然ながら無彩色のブラックトナー用にも使用することができる。有彩色カラートナーと無彩色トナーとを混合した本発明の電子写真用カラートナー中の着色剤全体の質量を基準としたカーボンブラックの添加量は3質量%以下とすることが好ましく、特に2質量%以下が好ましい。カーボンブラックの添加量をこの範囲にすることが好ましい理由は、明度の低いカラートナーを製造する際に、彩度の高い色を再現することが可能になるためである。
【0024】
本発明で使用する有彩色カラートナー及び無彩色カラートナーに含まれる結着樹脂は、通常のトナー製品で使用されているものでよい。その一例として、本発明のカラートナーに含有される結着樹脂として、従来の熱可塑性樹脂を用いることができる。例えば、ガラス転移温度40〜80℃、軟化点80〜140℃のエポキシ樹脂、スチレンアクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリブタジエン樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、シリコーン樹脂、フラン樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、石油系樹脂、ポリエーテルポリオール樹脂等を単独もしくは混合して使用することができる。必要により、この結着樹脂にワックス(例えば、カルナバ、モンタン、ポリエチレン、アマイド、エステル、ポリプロピレン等)を添加してもよい。
【0025】
本発明で使用する有彩色カラートナー及び無彩色カラートナーは、結着樹脂との合計100質量部に対して通常0.1〜20質量部の着色剤を含有することができる。各カラートナー(成分カラートナー)における着色剤含有量は、好ましくは0.5〜10質量部である。有彩色トナー及び無彩色トナーは、必要により帯電制御剤などの添加剤を更に含むこともできる。
【0026】
添加剤の一つとしてここに例示した帯電制御剤は、帯電性付与や異なる温湿度環境下での帯電量変化を小さくすることを目的として、成分カラートナーに添加することができる。帯電制御剤は無色ないし淡色のものが好ましい。帯電制御剤としては、例えば、4級アンモニウム塩化合物、サリチル酸化合物、ホウ素系錯体、カルボン酸系化合物など、公知の正帯電性、負帯電性の帯電制御剤を使用することができる。
【0027】
図1、2は、本発明の電子写真用カラートナーの色再現範囲を模式的に示したものである。有彩色カラートナーのみの混合により、図1、2のY−L−A−B−M−D−E−F−C−G−H−J−Yの閉じた曲線上の色を再現することが可能である。更に、有彩色のカラートナーと無彩色のトナーの混合により、Y−L−A−B−M−D−E−F−C−G−H−J−Yの閉じた曲線と点W、Kとをそれぞれ結ぶ2つの曲面にはさまれた空間の全ての色を再現することが可能である。
【0028】
有彩色のカラートナーに用いる着色剤は有機顔料、染料であり、無彩色のトナーのうち、ホワイトトナーに用いる着色剤は白色無機顔料、グレー又はブラックトナーに用いる着色剤は無機のカーボンブラックである。電気抵抗率は、これらのうちの有機顔料、染料が最も高く、次に白色無機顔料が高く、カーボンブラックは低抵抗率である。そのため、有彩色カラートナーと無彩色カラートナーを混合して得られた電子写真用のカラートナーには、電気抵抗率の様々な着色剤が混在することになり、特に連続印刷時において印字色変化の原因となりやすい。そこで、有機顔料、染料を用いる有彩色のカラートナー、白色無機顔料を用いる無彩色のホワイトトナー、及びカーボン含有量の少ないグレートナーには、添加剤として導電性微粒子を添加して、着色剤の電気抵抗率に応じてトナーとしての電気抵抗率を制御するが好ましい。
【0029】
本発明の電子写真用カラートナーにおいては、使用する有彩色カラートナーと無彩色トナーのうちの最も抵抗率の高いものの抵抗率RHと、最も抵抗率が低いものの抵抗率RLとの比RH/RLが、2.5未満となるようにするのが好ましく、RH/RL比は2.0以下となるようにするのが特に好ましい。
【0030】
トナーの電気抵抗率を制御するのに用いる導電性微粒子としては、トナーの色に影響を与えない無色または白色のものが好ましい。導電性微粒子の電気抵抗率は1〜100Ω・cmの範囲であることが好ましい。1Ω・cmを下回る導電性微粒子を使用するとトナーの表面抵抗が低下しすぎるため、十分な比電荷を有するトナーが得られない。また、100Ω・cmを超える導電性微粒子を使用すると、トナーの色に影響を及ぼしかねない高濃度で添加しなくてはならなくなり、特に白色導電性微粒子を使用する場合にはトナーの色が濁る原因にもなり、高彩度の印刷画像を得ることができなくなるため、好ましくない。導電性微粒子のトナーの帯電特性を良好にするのにより好ましい電気抵抗率は、1〜50Ω・cmである。
【0031】
トナーの色への影響や濁りを避けるため、導電性微粒子の添加量は成分カラートナーの全質量の20質量%以下とするのが好ましい。
【0032】
更に、導電性微粒子はアスペクト比10以上で、長軸径が4μm以下であることが好ましい。導電性微粒子がこのようにアスペクト比の高い針状であることにより、導電性微粒子の接触点が多くなるため、少量の添加によりトナーの電気抵抗率を低下させる効果が大きい。その結果、20質量%以下の導電性微粒子添加量でも、トナーを白濁させることなく、高彩度を実現できる。
【0033】
導電性微粒子として、ZnO、TiO、SnO、Al、In、SiO、MgO、BaO、MoO、WOから選ばれる金属酸化物を使用すると、本発明の電子写真用カラートナーは良好な現像性と鮮やかな画像を実現する。これは、これらの金属酸化物はカラートナーの色に与える影響が小さい色を有しているためである。
【0034】
二酸化チタン(TiO)を導電性微粒子として使用する場合、その長軸径が1μm以上であり、短軸径が0.1μm以下である粒子が二酸化チタン粒子全体の50質量%以上である時に、本発明の電子写真用カラートナーは特に良好な現像性と鮮やかな画像を実現する。これは、針状の二酸化チタンが特に少量で抵抗率制御に効果的であるのに加えて、長軸径が1μm以上、短軸径が0.1μm以下という高アスペクト比の形状も抵抗率制御に効果的であるためである。このように、導電性微粒子の形状は細長ければ細長いほどよく、アスペクト比が大きいほど、少量の添加量でトナーの電気抵抗率の低減に効果がある。トナーの電気抵抗率の低減に高アスペクト比の導電性微粒子が好適であること、また長軸径が1μm以上で、短軸径が0.1μm以下の粒子が導電性微粒子全体の50質量%以上存在するのが好適であることは、二酸化チタン以外の導電性微粒子についても共通して言えることである。
【0035】
例えば、酸化スズ(SnO)の導電性微粒子の場合、酸化スズの長軸径が1μm以上、短軸径が0.1μm以下である粒子が酸化スズ粒子全体の50質量%以上である時に、本発明の電子写真用カラートナーは特に良好な現像性と鮮やかな画像を実現する。これは、針状の酸化スズが特に少量で抵抗率制御に効果的であり、高アスペクト比の形状もやはり抵抗率制御に効果的であることによるものである。
【0036】
更に、導電性微粒子として二酸化チタンの表面に酸化錫(SnO)及び酸化アンチモン(Sb)からなる導電層を有するものを使用するときに、本発明の電子写真用カラートナーは特に良好な現像性と鮮やかな画像を実現する。これは、このような導電層が特に抵抗率制御に効果的であり、導電性微粒子の添加量の更なる抑制を可能にするためである。
【0037】
導電層においては、酸化アンチモンの量がSnOに対し、Sbとして、10〜25質量%であるときに特に良好な現像性と鮮やかな画像が実現される。これは、この条件を満たすとき二酸化チタン導電性微粒子の抵抗率を最も低くできるためである。
【0038】
また、酸化スズの表面に酸化アンチモン(Sb)からなる導電層を有する酸化スズ導電性微粒子を用いたときにも、本発明の電子写真用カラートナーは特に良好な現像性と鮮やかな画像を実現する。これも、前記導電層が特に抵抗率制御に効果的であり、導電性微粒子の添加量の抑制を可能にするためである。
【0039】
カラートナー(成分カラートナー)の流動性を向上させるために無機微粒子(以下、「外添剤」)をトナー表面に被覆してもよい。ここで使用できる外添剤としては、粒子径が5nm〜2μm、好ましくは5nm〜500nmの範囲にある粒子を挙げることができる。このような外添剤は、BET法による比表面積が20〜500m/gであることが好ましい。本発明のカラートナーに混合される外添剤の割合は、トナー100質量部に対して0.1〜5質量部であり、好ましくは0.1〜2.0質量部である。このような外添剤としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化硅素、窒化硅素等を微粒子化したものを使用することができる。これらの中ではシリカ微粒子を使用することが特に好ましい。なお、上記外添剤は表面を疎水化処理されているものを用いることが好ましい。
【0040】
本発明の電子写真用カラートナーは、従来公知の製造法により製造することができる。例えば、着色剤及び結着樹脂に、必要により帯電制御剤、ワックスを添加して原材料とする。この原材料を、例えば加圧ニーダ、ロールミル、押出機などにより混練して均一混合物にする。その後、例えば粉砕機、ジェットミルなどにより粉砕、微粉末化し、風力分級機などにより分級して、所望の粒度分布のカラートナー(成分カラートナー)を得る。続いて、有彩色のカラートナーと無彩色のカラートナーを均一に混合することにより、電子写真用カラートナーを得ることができる。
【0041】
本発明の電子写真用カラートナーは、電子写真方式が採用された通常の複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置で使用することができる。
本発明の電子写真用カラートナーを使用するこのとのできるプリンタ装置の模式図を図4に例示する。このプリンタ装置1は、例えばプロセス速度1100mm/sの高速現像タイプであり、アモルファスシリコンからなる感光体10の周辺に、帯電器20、露光手段30、現像手段40、転写器50、クリーナ60、除電器70、キセノンフラッシュランプ81を有するフラッシュ定着器80等が配設されている。現像手段40は現像剤容器41、現像ローラ43及び図示せぬ撹拌羽等を含み、現像剤容器41内のトナー粒子TOとキャリア粒子CAを接触させて所定の帯電量がトナーに付与されるようになっている。
【0042】
本発明の電子写真用カラートナーはトナーカートリッジ44に入れられ、このトナーカートリッジ44はトナーホッパー45に予めセットされる。印刷に伴って現像剤容器41内のトナー濃度が低下すると、トナーホッパー45から現像剤容器41に補給される。トナーホッパー45にセットするカラートナーを変更することにより、色々な色調の印字を行うことができる。
【0043】
【実施例】
以下、実施例に基づき本発明の電子写真用カラートナーについてより具体的に説明する。
【0044】
ここに示される導電性微粒子、トナーの電気抵抗率は、以下の方法により測定した。
【0045】
導電性微粒子の電気抵抗率は、導電性微粒子を9.8MPa(100kg/cm)の圧力で圧縮成形して円柱状圧粉体(直径20mm、厚さ1〜5mm)とし、その直流電気抵抗を測定して、下記式から電気抵抗率を算出した。電気抵抗は,HV−MEASURE UNIT(KEITHLEY社の237型測定装置)を用いて測定した。
電気抵抗率(Ω・cm)=測定値×(断面積/厚さ)
【0046】
トナーの電気抵抗率は、トナー粒子を490MPa(5000kg/cm)の圧力で圧縮成形して円柱状圧粉体(直径13mm、厚さ200〜500μm)とし、その電導度を誘電体損測定器(安藤電気社)を用いて測定し、以下の式から電気抵抗率を求めた。
電気抵抗率(Ω・cm)=S/(L・d)
ここで、Sは円柱状圧粉体の底面積(cm)、dは円柱状圧粉体の厚さ(cm)、Lは圧粉体の電導度(Ω−1)である。
【0047】
まず、有彩色及び無彩色の各カラートナーを製造した。
【0048】
(製造例1) 有彩色カラートナー(イエロトナーY−1)の製造
結着樹脂のポリエステル樹脂(花王社製)75質量部、着色剤のイエロ顔料(Toner Yellow HG、クラリアント社製)8質量部、負帯電制御剤E−89(オリエント化学社製)1質量部、及び導電性微粒子の酸化チタン(FT−1000、石原テクノ社製、電気抵抗率5Ω・cm、長軸径2.5μm(平均)、アスペクト比11)15質量部を、ヘンシェルミキサに投入し、予備混合を行った後、エクストルーダーにより混練し、次にハンマーミルにて粗粉砕し、更にジェットミルにて微粉砕し、気流分級機にて分級を行い、体積平均粒径が約8.5μmのイエロトナーを得た。更に、トナー100質量部に対して、疎水性シリカ(H2000/4、クラリアント社製)1質量部を添加し、ヘンシェルミキサを用いて撹拌し、トナー表面に疎水性シリカを付着させた。
【0049】
こうして表面改質されたイエロトナー(Y−1)5質量部とシリコーン樹脂コートマグネタイトキャリア(関東電化工業社製)95質量部をボールミルで混合することにより、二成分現像剤を得た。ブローオフ帯電量測定器(東芝ケミカル社)を用いて帯電量を測定したところ、−17.1μC/gであった。また、カラーレーザプリンタとして、F6708B(富士通社製、50枚/分)を用いてベタ画像を印刷し、その画像を測色した結果、L=78、a=−13、b=47であった。また、イエロトナーの電気抵抗率は12GΩ・cmであった。
【0050】
(製造例2〜3) 有彩色のカラートナーの製造
以下の着色剤と導電性微粒子を用いることを除いて、製造例1と同様に、マゼンタトナー(M−1)(製造例2)とシアントナー(C−1)(製造例3)を得た。
【0051】
製造例2のマゼンタトナー(M−1)の製造では、着色剤としてマゼンタ顔料(Toner Magenta EB、クラリアント社製)7質量部、導電性微粒子として酸化チタン(FT−1000、石原テクノ社製)10質量部を使用した。
【0052】
製造例3のシアントナー(C−1)の製造では、着色剤としてシアン顔料(Lionol Blue ES、東洋インキ社製)5質量部、導電性微粒子として酸化チタン(FT−1000、石原テクノ社製)5質量部を使用した。
【0053】
(製造例4〜12) 無彩色のトナーの製造
以下の着色剤と導電性微粒子を用いることを除いて、製造例1と同様に、ホワイトトナー(W−1〜W−4)(製造例4〜7)、グレートナー(G−1〜G−4)(製造例8〜11)、ブラックトナー(K−1)(製造例12)を得た。
【0054】
製造例4のホワイトトナー(W−1)の製造では、着色剤としてホワイト顔料(KA−30S、チタン工業社製)10質量部、導電性微粒子として酸化チタン(FT−1000、石原テクノ社製)6質量部を使用した。
【0055】
製造例5のホワイトトナー(W−2)の製造では、着色剤としてホワイト顔料(KA−30S、チタン工業社製)7質量部、導電性微粒子として酸化チタン(FT−1000、石原テクノ社製)8質量部を使用した。
【0056】
製造例6のホワイトトナー(W−3)の製造では、着色剤としてホワイト顔料(KA−30S、チタン工業社製)5質量部、導電性微粒子として酸化チタン(FT−1000、石原テクノ社製)9質量部を使用した。
【0057】
製造例7のホワイトトナー(W−4)の製造では、着色剤としてホワイト顔料(KA−30S、チタン工業社製)3質量部、導電性微粒子として酸化チタン(FT−1000、石原テクノ社製)10質量部を使用した。
【0058】
製造例8のグレートナー(K−1)の製造では、着色剤としてカーボンブラック(モガールL、キャボット社製)2質量部、導電性微粒子として酸化チタン(FT−1000、石原テクノ社製)7質量部を使用した。
【0059】
製造例9のグレートナー(K−2)の製造では、着色剤としてカーボンブラック(モガールL、キャボット社製)1質量部、導電性微粒子として酸化チタン(FT−1000、石原テクノ社製)8質量部を使用した。
【0060】
製造例10のグレートナー(K−3)の製造では、着色剤としてカーボンブラック(モガールL、キャボット社製)0.5質量部、導電性微粒子として酸化チタン(FT−1000、石原テクノ社製)9質量部を使用した。
【0061】
製造例11のグレートナー(K−4)の製造では、着色剤としてカーボンブラック(モガールL、キャボット社製)0.2質量部、導電性微粒子として酸化チタン(FT−1000、石原テクノ社製)10質量部を使用した。
【0062】
製造例12のブラックトナー(K−1)の製造では、着色剤としてカーボンブラック(モガールL、キャボット社製)10質量部を使用し、導電性微粒子は添加しなかった。
【0063】
(製造例13〜17) 導電性微粒子無添加のトナーの製造
導電性微粒子を添加せずに、以下の着色剤を用いることを除いて、製造例1と同様に、イエロトナー(Y−5)(製造例13)、マゼンタトナー(M−5)(製造例14)、シアントナー(C−5)(製造例15)、ホワイトトナー(W−5)(製造例16)、グレートナー(G−5)(製造例17)を得た。
【0064】
製造例13のイエロトナー(Y−5)の製造では、着色剤としてイエロ顔料(Toner Yellow HG、クラリアント社製)8質量部を使用した。
【0065】
製造例14のマゼンタトナー(M−5)の製造では、着色剤としてマゼンタ顔料(Toner Magenta EB、クラリアント社製)7質量部を使用した。
【0066】
製造例15のシアントナー(C−5)の製造では、着色剤としてシアン顔料(Lionol Blue ES、東洋インキ社製)5質量部を使用した。
【0067】
製造例16のホワイトトナー(W−5)の製造では、着色剤としてホワイト顔料(KA−30S、チタン工業社製)10質量部を使用した。
【0068】
製造例17のグレートナー(G−5)の製造では、着色剤としてカーボンブラック(モガールL、キャボット社製)2質量部を使用した。
【0069】
製造例2〜17により得られたトナーについて、製造例1と同様にしてトナーの表面改質を行い、シリコーン樹脂コートマグネタイトキャリア(関東電化工業社製)とボールミルで混合することにより、二成分現像剤を得た。得られた現像剤の帯電量と、その印字を測色した結果、及びカラートナーの電気抵抗率を測定した結果を表1に示す。
【0070】
〔実施例1〕
下記の各トナーをヘンシェルミキサを用いてよく混合することにより、電子写真用カラートナー(薄茶色)を得た。
無彩色ホワイトトナー(W−1) 50質量部
有彩色イエロトナー(Y−1) 25質量部
有彩色マゼンタトナー(M−1) 25質量部
【0071】
得られた薄茶色のカラートナー5質量部とシリコーン系樹脂コートマグネタイトキャリア(関東電化工業社製)95質量部をボールミルで混合することにより二成分現像剤を作り、カラーレーザプリンタを使用して10万枚の印刷試験を行い、印字色の安定性を評価した。カラーレーザプリンタとしては、F6708B(富士通社製、50枚/分)を用いた。初期の印字を測色すると、L=68、a=14、b=25であり、10万シート印刷後の印字を測色するとL=71、a=15、b=26であった。連続印刷前後の印字の色差ΔE=3.3であり、ほとんど印字色の変化は見られず、印字色安定性が高いことが分かった。
【0072】
〔実施例2〜5〕
無彩色トナーと有彩色トナーの混合比率を90:10〜10:90の間で変化させた明度の異なる茶色系カラートナーを用いて評価することを除いて、実施例1と同様に印字色安定性を評価した。初期の印字と10万シート印刷後の印字を比べると、印字の色差ΔE=2.8〜3.2であり、ほとんど印字色の変化は見られず、印字色安定性が高いことが分かった。
【0073】
〔実施例6〜10〕
無彩色のトナーとしてブラックトナー(K−1)を用いた、明度の異なるこげ茶色系カラートナーについて評価することを除いて、実施例1〜5と同様の評価を行った。初期の印字と10万シート印刷後の印字を比べると、印字の色差ΔE=2.2〜3.7であり、ほとんど印字色の変化は見られず、印字色安定性が高いことが分かった。
【0074】
〔実施例11〜15〕
無彩色のトナーとしてグレートナー(G−1)を用いた、明度の異なるこげ茶色系カラートナーについて評価することを除いて、実施例1〜5と同様の評価を行った。初期の印字と10万シート印刷後の印字を比べると、印字の色差ΔE=1.4〜2.4であり、ほとんど印字色の変化は見られず、印字色安定性が高いことが分かった。
【0075】
〔実施例16〜18〕
無彩色のトナーとしてホワイト顔料添加量の異なるホワイトトナー(W−2〜W−4)を用いた、薄茶系カラートナーを用いて評価することを除いて、実施例1と同様の評価を行った。初期の印字と10万シート印刷後の印字を比べると、印字の色差ΔE=1.0〜5.0であり、ほとんど印字色の変化は見られず、印字色安定性が高いことが分かった。
【0076】
〔実施例19〜21〕
無彩色のトナーとしてカーボンブラック添加量の異なるグレートナー(G−2〜G−4)を用いた、こげ茶色系カラートナーについて評価することを除いて、実施例1と同様の評価を行った。初期の印字と10万シート印刷後の印字を比べると、印字の色差ΔE=3.2〜4.6であり、ほとんど印字色の変化は見られず、印字色安定性が高いことが分かった。
【0077】
〔実施例22〜26〕
有彩色のカラートナーとしてイエロ(Y−1)、マゼンタ(M−1)、シアン(C−1)を用いた、様々な色調のカラートナーについて評価することを除いて、実施例1と同様の評価を行った。初期の印字と10万シート印刷後の印字を比べると、印字の色差ΔE=2.0〜4.9であり、ほとんど印字色の変化は見られず、印字色安定性が高いことが分かった。
【0078】
〔比較例1〕
導電性微粒子を添加せず、トナーの電気抵抗率を制御しない下記の各トナーを用いることを除き、実施例1と同様にして、電子写真用カラートナー(薄茶色)を得た。
無彩色ホワイトトナー(W−5) 50質量部
有彩色イエロトナー(Y−5) 25質量部
有彩色マゼンタトナー(M−5) 25質量部
【0079】
得られたトナーを実施例1と同様にして評価した。初期の印字を測色すると、L=72、a=13、b=23であり、10万シート印刷後に印字を測色すると、L=61、a=15、b=29であった。連続印刷前後の印字の色差ΔE=12.7であり、印字色の変化が目立ち、印字色安定性が低いことが分かった。
【0080】
〔比較例2〕
無彩色トナーとして電気抵抗率が制御されていないグレートナー(G−5)を用いることを除いて、比較例1と同様に、こげ茶色のカラートナーを評価した。初期の印字と10万シート印刷後の印字を比べると、印字の色差ΔE=8.8であり、印字色の変化が目立ち、印字色安定性が低いことが分かった。
【0081】
〔比較例3〕
ブラックトナー(K−1)を用いることを除いて、比較例1と同様に、こげ茶色トナーを評価した。初期の印字と10万シート印刷後の印字を比べると、印字の色差ΔE=23.0であり、印字色の変化が目立ち、印字色安定性が低いことが分かった。
【0082】
実施例1〜26と比較例1〜3の評価結果を表2及び表3に示す。
実施例1〜26のトナーは、10万シートの印刷試験後においても、初期の印字色からの変化は見られない。一方、比較例1〜3のトナーは印刷回数に伴った印字色の変化が大きく、安定性に欠けることが分かる。
【0083】
更に、混合した各成分トナーの電気抵抗率を測定し、最も高抵抗率のトナーの電気抵抗率RHと、最も低抵抗率のトナーの電気抵抗率RLとの比RH/RLを求めた。得られた結果を表3に示し、そしてRH/RL比と印字色の変化量(すなわち色差ΔE)の関係を図3に示す。電気抵抗率の比RH/RLが大きいものほど印字色の変化が大きいことが分かる。すなわち、電気抵抗率が大きく異なる成分トナーを混合することにより得られる電子写真用カラートナーは印字色安定性が低いと言える。電気抵抗率の比RH/RLを2.5未満、好ましくは2以下とすることにより、帯電特性の安定化を図ることが可能であり、それにより印字色の安定化が図れることが分かる。
【0084】
また、製造例1〜3の有彩色カラートナー(Y−1、M−1、C−1)、製造例4〜11の無彩色トナー(W−1〜W−4、G−1〜G−4)、及び製造例12のブラックトナー(K−1)を比べると、着色剤の電気抵抗率に応じて導電性微粒子が添加されているため、トナーの電気抵抗が8GΩ・cm〜15GΩ・cmであり、狭い範囲に制御されている。これに対し、製造例13〜15の有彩色カラートナー(Y−5、M−5、C−5)及び製造例16、17の無彩色トナー(W−5、G−5)は、導電性微粒子が添加されていないため、着色剤の影響により、トナーの電気抵抗率が10GΩ・cm〜150GΩ・cmと大きく変動している。そのため、製造例13〜17により製造した成分トナーを混合して得られたカラートナーは、連続印刷の前後で印字色の変化が大きく、安定性に欠けることが分かる。
【0085】
【表1】
Figure 2004170453
【0086】
【表2】
Figure 2004170453
【0087】
【表3】
Figure 2004170453
【0088】
本発明は、以上説明したとおりであるが、その特徴を種々の態様ととも付記すれば、次のとおりである。
(付記1)有彩色用着色剤と結着樹脂を含む有彩色のカラートナーと、無彩色用着色剤と結着樹脂を含む無彩色のカラートナーの両方を含むことを特徴とする電子写真用カラートナー。
(付記2)前記有彩色のカラートナーの印字色が、L色空間において((a+(b0.5≧10の範囲にある、付記1記載の電子写真用カラートナー。
(付記3)前記無彩色のカラートナーの印字色が、L色空間において((a+(b0.5≦5の範囲にある、付記1又は2記載の電子写真用カラートナー。
(付記4)前記無彩色のカラートナーの印字色が、L色空間においてL≧80の範囲にある、付記1又は3記載の電子写真用カラートナー。
(付記5)前記無彩色のカラートナーの印字色が、L色空間においてL≦30の範囲にある、付記1又は3記載の電子写真用カラートナー。
(付記6)前記有彩色カラートナーと前記無彩色カラートナーのうちの少なくとも一つが、その電気抵抗率を制御する導電性微粒子を含有している、付記1から5までのいずれか一つに記載の電子写真用カラートナー。
(付記7)前記導電性微粒子の電気抵抗率が1〜100Ω・cmの範囲である、付記6記載の電子写真用カラートナー。
(付記8)前記有彩色カラートナーと前記無彩色カラートナーのうちの最も抵抗率の高いトナーの抵抗率RHと、最も抵抗率が低いトナーの抵抗率RLとの比RH/RLが2.5未満である、付記6又は7記載の電子写真用カラートナー。
(付記9)前記RH/RL比が2.0以下である、付記8記載の電子写真用カラートナー。
(付記10)記録媒体上へ電子写真法によりカラートナーで定着画像を形成する画像形成装置であって、付記1から9までのいずれか一つに記載の電子写真用カラートナーを用いることを特徴とする画像形成装置。
(付記11)電子写真法により記録媒体上へのトナー画像の定着が行われる画像形成装置にセットして使用されるトナーカートリッジであって、付記1から9までのいずれか一つに記載の電子写真用カラートナーを収納していることを特徴とするトナーカートリッジ。
【0089】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は印字色安定性の高い電子写真用カラートナーを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真用カラートナーの色再現範囲を模式的に示す図である。
【図2】本発明の電子写真用カラートナーの色再現範囲を模式的に示す図である。
【図3】電子写真用カラートナーにおけるRH/RL比と色差ΔEで表した印字色の変化量との関係を示すグラフである。
【図4】本発明の電子写真用カラートナーを使用するプリンタ装置の模式図である。
【符号の説明】
1…プリンタ装置
10…感光体
20…帯電器
30…露光手段
40…現像手段
44…トナーカートリッジ
50…転写器
60…クリーナ
70…除電器
80…フラッシュ定着器

Claims (5)

  1. 有彩色用着色剤と結着樹脂を含む有彩色のカラートナーと、無彩色用着色剤と結着樹脂を含む無彩色のカラートナーの両方を含むことを特徴とする電子写真用カラートナー。
  2. 前記有彩色のカラートナーの印字色が、L色空間において((a+(b0.5≧10の範囲にある、請求項1記載の電子写真用カラートナー。
  3. 前記無彩色のカラートナーの印字色が、L色空間において((a+(b0.5≦5の範囲にある、請求項1又は2記載の電子写真用カラートナー。
  4. 前記無彩色のカラートナーの印字色が、L色空間においてL≧80の範囲にある、請求項1又は3記載の電子写真用カラートナー。
  5. 前記無彩色のカラートナーの印字色が、L色空間においてL≦30の範囲にある、請求項1又は3記載の電子写真用カラートナー。
JP2002332606A 2002-11-15 2002-11-15 電子写真用カラートナー Withdrawn JP2004170453A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002332606A JP2004170453A (ja) 2002-11-15 2002-11-15 電子写真用カラートナー

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002332606A JP2004170453A (ja) 2002-11-15 2002-11-15 電子写真用カラートナー

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004170453A true JP2004170453A (ja) 2004-06-17

Family

ID=32697584

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002332606A Withdrawn JP2004170453A (ja) 2002-11-15 2002-11-15 電子写真用カラートナー

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004170453A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006007578A (ja) * 2004-06-25 2006-01-12 Dainippon Printing Co Ltd 磁気カードの製造方法、転写シート、転写シートの製造方法
JP2009157203A (ja) * 2007-12-27 2009-07-16 Kao Corp 静電荷像現像用混合トナー
JP2011112989A (ja) * 2009-11-30 2011-06-09 Konica Minolta Business Technologies Inc 電子写真用トナーと画像形成方法
JP2017146497A (ja) * 2016-02-18 2017-08-24 富士ゼロックス株式会社 静電荷像現像用白色トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法
JP2018045225A (ja) * 2016-09-09 2018-03-22 コニカミノルタ株式会社 静電荷像現像用トナー
JP2020085999A (ja) * 2018-11-19 2020-06-04 コニカミノルタ株式会社 画像形成方法および画像形成装置
JP2020190603A (ja) * 2019-05-20 2020-11-26 キヤノン株式会社 白色トナー

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006007578A (ja) * 2004-06-25 2006-01-12 Dainippon Printing Co Ltd 磁気カードの製造方法、転写シート、転写シートの製造方法
JP4641156B2 (ja) * 2004-06-25 2011-03-02 大日本印刷株式会社 磁気カードの製造方法、転写シートの製造方法
JP2009157203A (ja) * 2007-12-27 2009-07-16 Kao Corp 静電荷像現像用混合トナー
JP2011112989A (ja) * 2009-11-30 2011-06-09 Konica Minolta Business Technologies Inc 電子写真用トナーと画像形成方法
JP2017146497A (ja) * 2016-02-18 2017-08-24 富士ゼロックス株式会社 静電荷像現像用白色トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法
CN107092169A (zh) * 2016-02-18 2017-08-25 富士施乐株式会社 静电荷图像显影用白色色调剂、静电荷图像显影剂和色调剂盒
JP2018045225A (ja) * 2016-09-09 2018-03-22 コニカミノルタ株式会社 静電荷像現像用トナー
JP2020085999A (ja) * 2018-11-19 2020-06-04 コニカミノルタ株式会社 画像形成方法および画像形成装置
JP7263742B2 (ja) 2018-11-19 2023-04-25 コニカミノルタ株式会社 画像形成方法および画像形成装置
JP2020190603A (ja) * 2019-05-20 2020-11-26 キヤノン株式会社 白色トナー
JP7222808B2 (ja) 2019-05-20 2023-02-15 キヤノン株式会社 白色トナー

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5233243B2 (ja) 静電荷像現像用キャリア、静電荷像現像用現像剤、静電荷像現像用現像剤カートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成方法及び画像形成装置
JP2004133246A (ja) 電子写真用カラートナー
JPH05150539A (ja) 画像形成方法
JP3652161B2 (ja) トナー
JP3029180B2 (ja) 電子写真用キャリア、二成分系現像剤及び画像形成方法
JP4113304B2 (ja) 画像形成方法、トナー、及び、画像形成装置
US6982139B2 (en) Electrophotographic color toner, and electrophotographic color developer, toner cartridge, image forming device and image forming method using the same
JP2004170453A (ja) 電子写真用カラートナー
US6703175B2 (en) Color toner containing less conductive particles that have appropriate electrical resistance and can produce clear color images
JP2001092174A (ja) カラートナー並びにこのトナーを使用する画像形成装置及びトナーカートリッジ
JP4132444B2 (ja) カラー画像形成装置
JP4026467B2 (ja) 電子写真用カラートナー
JP2003149870A (ja) 電子写真用カラートナー、トナーカートリッジ、及び、画像形成装置
JP2003223013A (ja) 電子写真用カラートナー
JPH10186723A (ja) カラー二成分系現像剤及び多色画像形成方法
JP3198367B2 (ja) トナー
JP4107431B2 (ja) トナー、並びに、現像剤、トナー入り容器、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法
JP2859637B2 (ja) カラー画像形成用黒色トナー
JP3079407B2 (ja) 画像形成方法
JP3281985B2 (ja) トナー
JP2003345056A (ja) 電子写真用カラートナー
JP2001194822A (ja) 画像形成方法
JPH0611886A (ja) トナー
JP3950572B2 (ja) 電子写真用トナー
JP4112438B2 (ja) 画像形成用トナー、およびそれを用いた画像形成方法、画像形成装置、プロセスカートリッジ

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20060207