JP2003220781A - スクラッチ隠蔽層付印刷物およびその製造方法 - Google Patents

スクラッチ隠蔽層付印刷物およびその製造方法

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JP2003220781A
JP2003220781A JP2002022973A JP2002022973A JP2003220781A JP 2003220781 A JP2003220781 A JP 2003220781A JP 2002022973 A JP2002022973 A JP 2002022973A JP 2002022973 A JP2002022973 A JP 2002022973A JP 2003220781 A JP2003220781 A JP 2003220781A
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Yoshiyuki Mizuguchi
義之 水口
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Abstract

(57)【要約】 【課題】機密情報データがスクラッチ隠蔽層の表面で視
認困難で、かつ強光下で反対面から視認できないスクラ
ッチ隠蔽層付印刷物とその製造方法の提供。 【解決手段】基材10上に機密情報データ12と、この
周囲の下地印刷層11が施され、該機密情報データ12
を易剥離層14を介してスクラッチ隠蔽層20で隠蔽し
ているスクラッチ隠蔽層付印刷物1において、前記機密
情報データ12と、この周囲の下地印刷層11が重なり
合うことなく密接してなり、かつほぼ面一を形成してな
り、上記機密情報データ12、下地印刷層11、固定情
報データ13や管理番号等可変情報データ15とを、デ
ジタル印刷機により電子写真方式のフルカラー型オンデ
マンド印刷で同時に形成せしめるスクラッチ隠蔽層付印
刷物1およびその製造方法とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、抽選券やゲームカ
ード等の如く機密情報データをスクラッチ隠蔽層で隠蔽
してあるスクラッチ隠蔽層付印刷物に関するものであ
り、さらに詳しくは、スクラッチ隠蔽層をコイン等でス
クラッチオフ(引っ掻き落とし)して機密情報データを
認識するスクラッチ隠蔽層付印刷物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えばインスタント抽選券やゲー
ム用のカードなどにおいて、「当たり」、「外れ」ある
いはそれに該当する絵柄などの機密情報データを隠蔽す
るために、隠蔽性とスクラッチオフ性(引っ掻き落とし
易さ性)を有するインキによりその機密情報データを隠
蔽し、購入した顧客がその使用に際し、コイン等でスク
ラッチオフして機密情報データを視認するスクラッチ印
刷物が知られ、上記抽選券やゲーム用等種々の分野で利
用されている。
【0003】上記のスクラッチ隠蔽層が施された印刷物
として、例えば図3の側断面図に示すように、用紙など
でなる基材(10)の上に下地印刷層(11)が施さ
れ、その上に絵柄、文字、数字などの機密情報データ
(12)と発行会社等固定情報データ(13)と、さら
に場合によってはバーコード等管理番号(記号等)が可
変情報データ(図示せず)として印刷されていて、その
機密情報データ(12)を覆うように透明な剥離ニスな
どによる易剥離層(14)が形成され、その易剥離層
(14)の上にスクラッチ隠蔽層(20)が施されてい
るものであり、このスクラッチ印刷物を購入した顧客が
コインや爪等でスクラッチ隠蔽層(20)をスクラッチ
オフ(引っ掻き落とすこと)して、「当たり」、「外
れ」など、あるいはそれに該当する絵柄などの機密情報
データ(12)を目視で認識できるようになっている。
【0004】しかし、例えば機密情報データ(12)
は、数字、記号、イラスト等可変情報でなる場合、サー
マルヘッドによる感熱転写方式、あるいはレーザーによ
るトナー転写方式、インキジェット方式等により印字さ
れ、1〜10μmの凸部で形成され、また、ドットイン
パクト方式や凸版方式(ナンバリング等)では2〜10
μmの凹部で形成され、この凹凸が大きい場合、その凹
凸が段差となって最表面のスクラッチ隠蔽層(20)面
で視認されることになる。例えば図5の模式図に示すよ
うに、機密情報データ(12)の画線が厚みのある凸部
を形成する場合、スクラッチ隠蔽層(20)の表面に機
密情報データ(12)の凸部と略同形状の凸部による段
差(12a)となって現れ、セキュリティ面での品質保
証が万全なものとは言えないという問題があった。
【0005】この凹凸部の発現を防止するため、例えば
オフセット印刷方式による印刷画像とすると、機密情報
データ(12)が固定情報、あるいは固定情報に近いも
のとなり、可変機密情報の印字に不適なものとなり、ま
たインキジェット方式による印字画像では、印字濃度の
調整が困難で、特に薄い印字ではOCR、バーコード等
の如き可変情報を機械読み取りが困難となるという問題
があった。さらにこの機密情報データ(12)をドット
(点)印字で形成して凹凸部の発現を防止すことも可能
であるが、固定情報や下地印刷層等オフセット絵柄等と
の見当不良による位置精度の不良や処理能力不足等の問
題があった。
【0006】一方で、例えば基材(10)が一般的な用
紙の場合などでは、印刷物に強い光を当てて、その反対
面から透かして見ると、機密情報データ(12)の陰影
が透けて見えて機密情報データとならない、即ちセキュ
リティ面で品質保証に欠けるという問題があった。
【0007】この問題を解決する方法として、例えば図
4の断面の模式図に示すように、基材(10)の裏面に
グレー系のインキによる印刷等で黒色系の透かし防止層
(24)を設けたり、あるいはこの黒色系の透かし防止
層(24)に代え、迷彩パターン(細紋様の)を施した
りしているが、この場合は、裏面のデザインの自由度に
欠け、かつ他の情報(例えば使用方法等)を挿入する余
裕がないなどの問題があった。
【0008】あるいは、上記透けて見える問題の解決方
法として、例えばオフセット印刷方式等で濃度を下げた
淡色とすること、あるいはドット(点)印字である程度
の濃度低下を図ることもできるが、デザインや印字仕様
に制約を受け、かつ可変情報(バーコード、OCR等)
の場合では機械読み取りが困難なものとなるという問題
があった。
【0009】さらには、基材(10)として厚い紙を用
いたり、隠蔽層が漉き込まれた特殊用紙を用いたりする
方法もあるが、材料が高価になったり、印刷やその加工
等がし難い(生産効率が悪くなる)等の問題があった。
【0010】さらにまた、上記可変情報データである機
密情報データ(12)とバーコード等管理番号、記号を
伴う印刷物の場合、この両者は個別に印字されている場
合が多く、この結果として両者の番号等に整合性が取れ
ないという問題もあった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
技術の問題点を解決するものであり、その課題とすると
ころは、機密情報データがスクラッチ隠蔽層の表面では
視認が困難で、かつ可変情報の印字が可能な機密情報デ
ータで、さらにデザインや印字方式に制約がなく、光学
的機械読み取りが可能な機密情報データとし、さらに強
い光を与えてもその反対面からは機密情報データの陰影
が視認できないスクラッチ隠蔽層付印刷物で、従来のよ
うに透かし防止層や迷彩パターンを裏面に施して、裏面
のデザインに制約を受けたり、あるいは高価な用紙を用
いたりして製造コストが嵩むという問題のなく、さらに
可変情報データである機密情報データとバーコード等管
理番号とが整合性の取れるスクラッチ隠蔽層付印刷物と
その製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明に於いて上記課題
を達成するために、まず請求項1の発明では、基材上に
機密情報データと、該機密情報データの周囲に下地印刷
層が施され、前記機密情報データをスクラッチ隠蔽層で
覆うように隠蔽しているスクラッチ隠蔽層付印刷物にお
いて、少なくともスクラッチ隠蔽層で覆われている前記
機密情報データと、該機密情報データの周囲の下地印刷
層が重なり合うことなく、ほぼ密接してなり、かつほぼ
面一を形成してなることを特徴とするスクラッチ隠蔽層
付印刷物としたものである。
【0013】上記請求項1の発明によれば、上記機密情
報データと、その周囲の下地印刷層が重なり合うことな
く、ほぼ密接してなり、かつほぼ面一を形成しているの
で、この機密情報データを覆うように設けられているス
クラッチ隠蔽層の表面に機密情報データの凸部が下地印
刷層との段差となって現れることがなく、かつ強い光を
かざして、その反対側から見ると、両者がほぼ同一の陰
影となって視認され、よって機密情報データとして視認
が不可能な、セキュリティ面での品質保証が万全なスク
ラッチ隠蔽層付印刷物とすることができる。さらに裏面
に黒色系の透かし防止層や迷彩パターンを施す必要がな
いので、工程の短縮に加え裏面のデザインに自由度を与
え、かつ他の情報をも挿入可能となる効果も付加され
る。さらにまた厚い用紙や隠蔽層を漉き込んだ用紙等を
使用しなくともよいので、材料コストの低減ともなる効
果がある。
【0014】また、請求項2の発明では、前記機密情報
データと該機密情報データの周囲に密接する下地印刷層
とは、少なくとも同一色を呈していないことを特徴とす
る請求項1記載のスクラッチ隠蔽層付印刷物としたもの
である。
【0015】上記請求項2の発明によれば、上記機密情
報データとこの機密情報データの周囲に密接する下地印
刷層とを、少なくとも同一色を呈していない層(画像)
とすることによって、スクラッチ隠蔽層をスクラッチオ
フ(引っ掻き落とし)した際に、機密情報データが容易
に視認されるスクラッチ隠蔽層付印刷物とすることがで
きる。
【0016】また、請求項3の発明では、基材上に可変
情報としての機密情報データと、該機密情報データの周
囲に密接する下地印刷層を含む固定情報データや管理番
号等可変情報データとを、コンピューターでデジタルデ
ータとし、該デジタルデータをレーザー等光線で出力す
る電子写真方式によるフルカラー型オンデマンド印刷で
同時に形成せしめることを特徴とするスクラッチ隠蔽層
付印刷物の製造方法としたものである。
【0017】上記請求項3の発明によれば、上記基材上
に機密情報データと、該機密情報データの周囲に密接す
る下地印刷層を含む固定情報データや管理番号等可変情
報データとを、レーザー等光線で出力する電子写真方式
によるフルカラー型オンデマンド印刷で同時に形成せし
めるスクラッチ隠蔽層付印刷物の製造方法とすることに
よって、少なくともスクラッチ隠蔽層で覆われている前
記機密情報データと、該機密情報データの周囲の下地印
刷層とが重なり合うことなく、ほぼ密接して、かつほぼ
面一となるように形成することが容易にでき、よってス
クラッチ隠蔽層の表面に機密情報データの凸部が下地印
刷層との段差となって現れることがなく、かつ強い光を
かざして、その反対側から見ると、両者がほぼ同一の陰
影となって視認されて機密情報データとして視認が不可
能な、セキュリティ面での品質保証が万全なスクラッチ
隠蔽層付印刷物の製造方法とすることができる。さらに
裏面に黒色系の透かし防止層や迷彩パターンを施す必要
がなく、工程の短縮に加え裏面のデザインに自由度を与
え、かつ他の情報をも挿入可能となる効果も付加され、
さらにまた厚い用紙や隠蔽層を漉き込んだ用紙等を使用
しなくともよいという材料コストの低減ともなるスクラ
ッチ隠蔽層付印刷物の製造方法とすることができる。
【0018】さらに、上記請求項3の発明によれば、上
記可変情報データである機密情報データとバーコード番
号等管理番号、記号を伴う印刷物の場合においては、こ
の両者の見当精度とともに整合性の取れるようになるス
クラッチ隠蔽層付印刷物の製造方法とすることができ
る。
【0019】さらにまた、上記請求項3の発明によれ
ば、機密情報データや管理番号等可変データ、固定デー
タおよびこれらの周囲の下地印刷層を電子写真方式によ
る溶融樹脂を主体としたトーナー画像として形成するこ
とによって、顔料等で着色されたこのトーナー画像は、
透かして見ると色が異なっていても同じ陰影となって見
え、インクジェット方式の印字画像のように印字濃度が
薄くないので機械読み取りが容易なスクラッチ隠蔽層付
印刷物の製造方法とすることができる。
【0020】上記請求項4でいうフルカラー型オンデマ
ンド印刷とは、必要な時に、必要な内容で、必要な部数
を概念とし、カラーコピーでは多く、一般多色印刷では
少なすぎる小ロットカラー印刷方式で、コンピューター
からレーザー光等で出力される一枚ずつ異なる情報を即
座に印刷する多色印刷法をいう。
【0021】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面を
用いながら詳細に説明する。本発明のスクラッチ隠蔽層
付印刷物は、図1(a)の側断面図に示すように、例え
ば基材(10)上に機密情報データ(12)と、該機密
情報データ(12)の周囲に下地印刷層(11)が施さ
れ、この機密情報データ(12)を易剥離層(14)を
介してスクラッチ隠蔽層(20)で覆うように隠蔽して
いるスクラッチ隠蔽層付印刷物(1)において、この機
密情報データ(12)や社名等固定情報データ(1
3)、管理番号等可変情報データ(15)と、それら周
囲の下地印刷層(11)とが重なり合うことなく、ほぼ
密接していて、それらの上面がほぼ面一を形成している
ものである。
【0022】また、図1(b)の側断面図に示すよう
に、本発明では、少なくともスクラッチ隠蔽層(20)
で覆われている機密情報データ(12)とその周囲の下
地印刷層(11)とが重なり合うことなく、ほぼ密接し
ていて、それらの上面がほぼ面一を形成していればよ
く、固定データ(13)および管理番号等可変情報デー
タ(15)はその周囲の下地印刷層(11)の上に形成
されているスクラッチ隠蔽層付印刷物(1)であっても
構わない。
【0023】このように、本発明では、少なくとも上記
機密情報データ(12)とその周囲の下地印刷層(1
1)とがほぼ面一を形成しているものであって、その段
差が「0」であることが望ましいが、1μm程度までな
らその段差はスクラッチ隠蔽層(20)の表面では視認
し難いものである。即ちこのような構成のスクラッチ隠
蔽層付印刷物(1)とすることによって、図1(a)に
示すように、機密情報データ(12)の凸部がスクラッ
チ隠蔽層(20)の表面に現れなくなり、よってセキュ
リティ面での品質保証が万全なスクラッチ隠蔽層付印刷
物(1)とすることができる。また、強い光をかざし
て、その反対面から見ると、機密情報データ(12)と
その周囲に密接している下地印刷層(11)とはほぼ同
一の陰影となって視認され、機密情報データ(12)と
して視認が不可能なものとなり、例えば図4に示すよう
な黒色系の透かし防止層(24)を裏面に施す必要がな
いので、図1(b)に示すように、裏面に各種情報等を
含む裏面印刷層(16)を施すこともでき、裏面のデザ
インに自由度を付与することができる。
【0024】また、本発明では、図1(a)に示す機密
情報データ(12)とその周囲に密接する下地印刷層
(11)とは、少なくとも異なる色を呈しているスクラ
ッチ隠蔽層付印刷物(1)とするものである。このスク
ラッチ隠蔽層付印刷物(1)のスクラッチ隠蔽層(2
0)をコイン等でスクラッチオフすると、図2の上面図
に示すように、機密情報データ(12)が、これと色を
異にする下地印刷層(11)とがコントラストを呈し、
その上の透明な易剥離層(14)を透して容易に視認さ
れるようになる。
【0025】さらにまた、本発明では、図1(a)に示
すように、例えば基材(10)上に、可変情報である機
密情報データ(12)と、この機密情報データ(12)
の周囲に密接する下地印刷層(11)を含む固定情報デ
ータ(13)や管理番号等可変情報データ(15)と
を、コンピューターでデジタルデータとし、該デジタル
データをレーザー等光線で出力する電子写真方式による
フルカラー型オンデマンド印刷で同時に形成せしめるス
クラッチ隠蔽層付印刷物(1)の製造方法とするもので
ある。
【0026】上記のような製造方法とすることによっ
て、図1(a)に示すように、少なくとも機密情報デー
タ(12)とその周囲の下地印刷層(11)を電子写真
方式による溶融樹脂を主体としたトーナー画像として形
成することができ、顔料等で着色されたこのトーナー画
像は、透かして見ると色が異なっていても同じ陰影とな
って見え、インクジェット方式の印字画像のように印字
濃度が薄くないので機械読み取りが容易であり、また上
記のようなオンデマンド印刷による製造方法では、上記
可変情報である機密情報データ(12)とバーコード等
管理番号、記号等の可変情報データ(15)を伴う印刷
物の場合では、この両者の整合性の取れ、かつ下地印刷
層(11)との見当精度(この事例では、機密情報デー
タ(12)と可変情報データ(15)に対し密接してい
るようにする所謂毛抜き合わせの見当精度をいう)の向
上に貢献する効果を有するようになるものである。
【0027】なお上記製造方法は、図1(b)に示すよ
うに、可変情報データ(15)と固定情報データ(1
3)とは、下地印刷層(11)の上に形成してもよい
が、機密情報データ(12)とその周囲の下地印刷層
(11)とは、重ね合わされず密接している上記のよう
な毛抜き合わせの見当精度が要求されるものに好適な方
法である。
【0028】上記機密情報データ(12)、下地印刷層
(11)、可変情報データ(15)あるいは固定情報デ
ータ(13)の形成に、電子写真方式によるフルカラー
型オンデマンド印刷方式としたが、この方式としては、
例えばインジゴ社の「E−Print 1000」、ア
グフア社の「Chromapress」、ゼロックス社
の「Docu Color 4040」、キャノン社の
「PIXEL MAX」等デジタル印刷機が挙げられ、
その内のインジゴ社の「E−Print 1000」
は、一般のオフセット印刷機と同様に版胴、ブランケッ
ト胴、圧胴の3本のシリンダーを有するもので、この版
胴(光半導体)上にコロナ放電により均一な電荷を帯電
させ、この表面に、コンピューターからのデジタルデー
タをレーザー光で照射して潜像とする。次いでこの上に
エレクトロインキ(熱溶融樹脂が溶剤に分散している液
体現像液)でなるトーナーをかけて可視化し、このトー
ナー像を静電気でブランケット胴に転写し、加熱してこ
のトーナー像をフィルム状とする。このフィルム状のト
ーナー像を圧胴による圧力でブランケット胴から紙等に
転写するデジタル印刷機である。また、例えばアグフア
社の「Chromapress」では、平均粒子径の小
さなトーナーが使用され、版胴となる光半導体への描画
は、LEDによって高解像力の潜像が得られるデジタル
印刷機としたものである。
【0029】以下に材料や積層法等についてその実施の
形態をさらに詳細に説明する。まず上記発明のスクラッ
チ隠蔽層付印刷物(1)を構成する基材(10)として
は、例えば、インスタント抽選券などには、アート紙、
コート紙、上質紙等一般紙のほか、証券用紙等も用いら
れ、さらにゲームカードなどには、白色ポリエチレンテ
レフタレート(PET)や白色塩化ビニル(PVC)の
シート等が挙げられ、用途等に応じて厚み等も含め適宜
選定される。
【0030】また、上記基材(10)上の機密情報デー
タ(12)上に、スクラッチ隠蔽層(20)のスクラッ
チオフ性の確保と機密情報データ(12)の保護を兼ね
た易剥離層(14)を設けるのが一般的で、3〜10μ
mの盛り量で塗布され、その易剥離層(14)として
は、例えばポリウレタン/アクリル樹脂、ポリアミド樹
脂、ニトロセルロース樹脂に添加剤としてシリコンやワ
ックス(ポリエチレンワックス等)を5%以下添加した
剥離ニスが挙げられ、この剥離ニス(インキ)を用いて
スクリーン印刷、グラビア印刷方式等で部分塗布により
得られるものである。
【0031】また、上記発明のスクラッチ隠蔽層付印刷
物(1)を構成するスクラッチ隠蔽層(20)として
は、例えば凝集破壊(団塊)性のあるSBR、NBR等
ゴム系樹脂を主体としたインキを用いて3〜10μmの
厚さにスクリーン印刷方式等で部分塗布して得られ、隠
蔽性を保持させるために前記の樹脂にアルミニウム粉末
等を添加した銀インキとするのが一般的である。
【0032】
【発明の効果】本発明は以上の構成であるから、下記に
示す如き効果がある。即ち、上記請求項1に係わる発明
においては、基材上に機密情報データと、該機密情報デ
ータの周囲に下地印刷層が施され、前記機密情報データ
をスクラッチ隠蔽層で覆うように隠蔽しているスクラッ
チ隠蔽層付印刷物において、少なくともスクラッチ隠蔽
層で覆われている上記機密情報データと、その周囲の下
地印刷層とが重なり合うことなく、ほぼ密接してなり、
かつほぼ面一を形成しているので、この機密情報データ
を覆うように設けられているスクラッチ隠蔽層の表面に
機密情報データの凸部が下地印刷層との段差となって現
れることがなく、かつ強い光をかざして、その反対側か
ら見ると、両者がほぼ同一の陰影となって視認され、よ
って機密情報データとして視認が不可能な、セキュリテ
ィ面での品質保証が万全なスクラッチ隠蔽層付印刷物と
することができる。さらに裏面に黒色系の透かし防止層
や迷彩パターンを施す必要がないので、工程の短縮に加
え裏面のデザインに自由度を与え、かつ他の情報をも挿
入可能となる効果も付加される。さらにまた厚い用紙や
隠蔽層を漉き込んだ用紙等を使用しなくともよいので、
材料コストの低減ともなる効果がある。
【0033】また、上記請求項2に係わる発明において
は、機密情報データとこの機密情報データの周囲に密接
する下地印刷層とを、少なくとも同一色を呈していない
層(画像)とすることによって、スクラッチ隠蔽層をス
クラッチオフ(引っ掻き落とし)した際に、機密情報デ
ータが容易に視認されるスクラッチ隠蔽層付印刷物とす
ることができる。
【0034】さらにまた、上記請求項3に係わる発明に
おいては、基材上にコンピューターでデジタル処理され
た機密情報データと、その周囲に密接する下地印刷層を
含む固定情報データや管理番号等可変情報データとを、
レーザー等光線で出力する電子写真方式によるフルカラ
ー型オンデマンド印刷で同時に形成せしめるスクラッチ
隠蔽層付印刷物の製造方法とすることによって、少なく
ともスクラッチ隠蔽層で覆われている前記機密情報デー
タと、該機密情報データの周囲の下地印刷層とが重なり
合うことなく、ほぼ密接して、かつほぼ面一となるよう
に形成することが容易にでき、よってスクラッチ隠蔽層
の表面に機密情報データの凸部が下地印刷層との段差と
なって現れることがなく、かつ強い光をかざして、その
反対側から見ると、両者がほぼ同一の陰影となって視認
されて機密情報データとして視認が不可能な、セキュリ
ティ面での品質保証が万全なスクラッチ隠蔽層付印刷物
の製造方法とすることができる。さらに裏面に黒色系の
透かし防止層や迷彩パターンを施す必要がなく、工程の
短縮に加え裏面のデザインに自由度を与え、かつ他の情
報をも挿入可能となる効果も付加され、さらにまた厚い
用紙や隠蔽層を漉き込んだ用紙等を使用しなくともよい
という材料コストの低減ともなるスクラッチ隠蔽層付印
刷物の製造方法とすることができる。
【0035】さらに上記請求項3に係わる発明において
は、上記可変情報データである機密情報データとバーコ
ード番号等管理番号、記号を伴う印刷物の場合において
は、この両者の見当精度とともに整合性の取れるように
なるスクラッチ隠蔽層付印刷物の製造方法とすることが
できる。
【0036】また、上記請求項3に係わる発明において
は、機密情報データや管理番号等可変データ、固定デー
タおよびこれらの周囲の下地印刷層を電子写真方式によ
る溶融樹脂を主体としたトーナー画像として形成するこ
とによって、顔料等で着色されたこのトーナー画像は、
透かして見ると色が異なっていても同じ陰影となって見
え、インクジェット方式の印字画像のように印字濃度が
薄くないので機械読み取りが容易なスクラッチ隠蔽層付
印刷物の製造方法とすることができる。
【0037】従って本発明は、抽選券やゲームカード等
の如く機密情報データをスクラッチ隠蔽層で隠蔽してあ
るスクラッチ隠蔽層付印刷物およびその製造方法とし
て、優れた実用上の効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスクラッチ隠蔽層付印刷物の一実施の
形態を示すもので、 (a)は、その側断面を示す一事例である。 (b)は、その側断面を示す他の一事例である。
【図2】本発明のスクラッチ隠蔽層付印刷物の一実施の
形態を平面で表した説明図である。
【図3】従来のスクラッチ隠蔽層付印刷物の一事例の形
態を側断面で表した説明図である。
【図4】従来のスクラッチ隠蔽層付印刷物の他の一事例
の形態を側断面で表した説明図である。
【図5】従来のスクラッチ隠蔽層付印刷物の一事例の形
態を拡大側断面で表した模式図である。
【符号の説明】
1‥‥スクラッチ隠蔽層付印刷物 10‥‥基材 11‥‥下地印刷層 12‥‥機密情報データ 12a‥‥機密情報データの凸部による段差 13‥‥固定情報データ 14‥‥易剥離層 15‥‥可変情報データ 16‥‥裏面印刷層 20‥‥スクラッチ隠蔽層 24‥‥透かし防止層 D‥‥機密情報データと下地印刷層の厚み

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材上に機密情報データと、該機密情報デ
    ータの周囲に下地印刷層が施され、前記機密情報データ
    をスクラッチ隠蔽層で覆うように隠蔽しているスクラッ
    チ隠蔽層付印刷物において、少なくともスクラッチ隠蔽
    層で覆われている前記機密情報データと、該機密情報デ
    ータの周囲の下地印刷層が重なり合うことなく、ほぼ密
    接してなり、かつほぼ面一を形成してなることを特徴と
    するスクラッチ隠蔽層付印刷物。
  2. 【請求項2】前記機密情報データと該機密情報データの
    周囲に密接する下地印刷層とは、少なくとも同一色を呈
    していないことを特徴とする請求項1記載のスクラッチ
    隠蔽層付印刷物。
  3. 【請求項3】基材上に可変情報としての機密情報データ
    と、該機密情報データの周囲に密接する下地印刷層を含
    む固定情報データや管理番号等可変情報データとを、コ
    ンピューターでデジタルデータとし、該デジタルデータ
    をレーザー等光線で出力する電子写真方式によるフルカ
    ラー型オンデマンド印刷で同時に形成せしめることを特
    徴とするスクラッチ隠蔽層付印刷物の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014016560A (ja) * 2012-07-11 2014-01-30 Konica Minolta Inc スクラッチ画像形成方法及びスクラッチ画像形成装置
JP2018086764A (ja) * 2016-11-28 2018-06-07 日本製紙株式会社 スクラッチ印刷物
CN115128709A (zh) * 2022-07-11 2022-09-30 中国科学院光电技术研究所 一种基于油墨打印制作光学元件掩蔽层的方法

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