JP2006007062A - 排水設備の消臭方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】臭気源を有する排水設備の蓋裏面および内部側面の少なくとも一部のうち、臭気源に触れない部分を(A)ベタイン化合物ベタイン化合物を含有する消臭成分、(B)水溶性高分子、高級脂肪酸、界面活性剤の少なくとも1種を含有する泡構成成分、(C)脂肪族アルコール、脂肪族多価アルコール、アルカノールアミン、増粘剤の少なくとも1種を含有する泡安定成分(D)噴射剤からなる泡状消臭剤組成物で覆うことを特徴とする消臭方法。
【選択図】選択図なし
Description
また、トイレや生ゴミ等の悪臭の発生源に泡状防臭剤を噴霧し、泡で悪臭の発生源を覆って悪臭の発生を抑制する方法が提案されている(特許文献1、特許文献2)が、上述の通り悪臭の発生源である排水は流れており、泡で覆っても泡が流れてしまい防臭効果は直ぐに失われてしまう。
グリーストラップは、厨房や食品加工場等からの排水中に含まれる油脂(グリース)分を自然浮上の原理で分離させて除去し、油脂分が排水中に流入して管を詰まらせるのを防ぐ設備で、厨房内の床面の下又は屋外の地面の下に設置されている。この設備には設備内の点検及び清掃をする為の開口部が設けられていて、その上には通常蓋がしてあり、その上を人が歩いたり、物が置かれたりする。
グリーストラップでは、流し台や食器洗浄器等から流れてくる廃水に含まれる悪臭成分と、設備の底に溜まった汚泥等から発生する悪臭成分とが、蓋をしている開口部の隙間から漏れてくる。
すなわち本発明は、
1.臭気源を有する排水設備の蓋裏面および内部側面の少なくとも一部のうち、臭気源に触れない部分を泡状消臭剤で覆うことを特徴とする排水設備の消臭方法。
2.泡状消臭剤として下記の構成からなる消臭剤組成物を用いることを特徴とする上記1の排水設備の消臭方法。
(A)ベタイン化合物を含有する消臭成分
(B)水溶性高分子、高級脂肪酸、界面活性剤の少なくとも1種を含有する泡構成成分、
(C)脂肪族アルコール、脂肪族多価アルコール、アルカノールアミン、増粘剤の少なくとも1種を含有する泡安定成分
(D)噴射剤
3.消臭成分として、ベタイン化合物と、有機酸および/または有機酸塩化合物を含有する消臭剤組成物を用いることを特徴とする上記1または2の排水設備の消臭方法。
4.下記の構成からなる排水設備用泡状消臭剤組成物。
(A)ベタイン化合物を含有する消臭成分
(B)水溶性高分子、高級脂肪酸、界面活性剤の少なくとも1種を含有する泡構成成分、
(C)脂肪族アルコール、脂肪族多価アルコール、アルカノールアミン、増粘剤の少なくとも1種を含有する泡安定成分
(D)噴射剤
泡状の消臭剤、好ましくは以下に説明する特定の泡状消臭剤組成物で排水設備の蓋および側面の少なくとも一部のうち、臭気源に接触しない部分を覆う。ここで排水設備には、枡、排水ピット、グリーストラップ、トイレなどが挙げられる。設備には、蓋が付いていることが好ましい。
覆う部分は、蓋裏面および内部側面の少なくとも一方の一部でよい。好ましくは、蓋裏面や内部側面のなるべく多くの面積を覆うことが好ましい。より好ましくは、排水設備の蓋裏全面に被覆するのがよい。さらに効果を高めるために、臭気源にも消臭剤を散布もしくは被覆してもよい。
なお、蓋裏の縁部や排水設備の開口縁を上述の泡状消臭剤で覆って、蓋が閉じられたときに設備との隙間を埋めることにより、悪臭が設備から漏れるのを防ぐことにより消臭できる。
先ず、消臭成分(A)としては、ベタイン化合物、すなわちベタイン構造を有する両イオン性化合物を用いる。例えば、ポリエチレンイミンやエチレンイミン−アルキレンオキシド共重合体とモノクロル酢酸とを反応させて得られる生成物などが挙げられる。ベタイン化合物は泡構成成分(B)や泡安定成分(C)との相溶性もよく、粘稠性があるため、泡の保持性を著しく高めることができる。またベタイン化合物は、一分子内に酸性及びアルカリ性物質と反応する官能基があることから、酸性臭、アルカリ性臭など幅広い悪臭を効果的に消臭することができ、消臭性能が優れる。
これらの消臭成分に加え、さらに下記の消臭成分を加えてもよい。
窒素系臭気に対して有効な成分として、過マンガン酸カリウム、二酸化マンガン、鉄系化合物(二価鉄+L−アスコルビン酸等)、酸化金属化合物、金属触媒(Pt,Pd,Ag等)、過酸化ナトリウム、サラシ粉、塩素化イソシアヌル酸、エポキシド化合物(エチレンオキシド、プロピオンオキシド等)、フタロシアニン誘導体等の酸化型脱臭剤が挙げられる。また酸性臭気に対して有効な成分として、水酸化ホウ素化合物、水酸化アルミニウム化合物、亜硫酸ナトリウム、亜硝酸ナトリウム、ヨウ化水素等の還元型脱臭剤、キリ、ライラック、ヒイラギモクセイ等の植物抽出成分が挙げられる。
次に、泡を維持させる為に、泡構成成分(B)と泡安定性成分(C)を配合する。
泡構成成分(B)としては、水溶性高分子、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸等の高級脂肪酸、界面活性剤の少なくとも1種を用いる。泡の持続性の点では水溶性高分子やポリオキシエチレンアルキルエーテルを利用するのが好ましい。ポリオキシエチレンアルキルエーテルとしては、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル等がより好ましい。
上記成分(A)〜(C)は水と混合して消臭剤原液とする。この時に水中での成分(A)〜(C)の分散状態を安定化させる為にアルカノールアミン等の分散安定化剤をさらに配合すると良い。
上記消臭剤原液で泡を形成させる方法としては、エアゾール缶にする方法とポンプ式容器から泡状に吐出させる方法とがある。泡の均一性や作業性等から噴射剤を利用したエアゾール缶方式が好ましい。
なお、本発明の泡状消臭剤を使用する設備が鉄製であるなど、腐食しやすい材質である場合、液性を中性又は弱アルカリ性にするか、防錆剤(E)を配合するか、或いは両者を行うことが良い。
液性を中性又は弱アルカリ性にするには、アルカリ性の化合物を配合して調整するか、緩衝剤を配合する方法が考えられる。
以上の(A)〜(E)の配合割合は、消臭効果、泡の持続性、エアゾール製品としての保存安定性等から、好ましくは消臭成分(A)が0.1〜10重量%、好ましくは1〜7重量%、泡を構成する成分(B)が0.5〜10重量%、好ましくは1〜8重量%、泡に安定性を付与する成分(C)が0.1〜10重量%、好ましくは1〜8重量%、噴射剤(D)が0.1〜15重量%、好ましくは2〜10重量%、防錆剤(E)が0〜10重量%、水が45〜98.3重量%である。
したがって、外食産業、給食施設等の厨房や食品加工工場等では排水枡、排水ピット、グリーストラップ等の排水設備であっても、開口部に設けた蓋の隙間等から悪臭が漏れることを長時間にわたり抑制する効果を有する。
[実施例1]
成分(A)としてグリシンベタイン化合物を1.0重量%、成分(B)としてポリビニルアルコールを2.0重量%、ラウリル硫酸ナトリウムを1.0重量%、成分(C)としてジエタノールアミンを2.0重量%、成分(E)として亜硝酸ナトリウム3.0重量%、分散安定剤としてジエタノールアミンを1.0重量%精製水を84.0重量%、噴射剤(D)としてLPGを6.0重量%からなる組成物をアルミ缶に充填して泡状消臭剤1を作成した。
この泡状消臭剤1を、次に述べる社員食堂のグリーストラップで評価した。
このグリーストラップは容量が150Lで、開口部の大きさが0.5m×1.2m(面積が0.6m2)で3枚の蓋に分かれていた。食堂の喫食数は平均200名/日で、排水の温度は平均37℃であった。またグリーストラップ内に溜まっている排水のpHは5.0であった。水温及びpHは1日中殆ど変化しなかった。
グリーストラップは蓋が閉まった状態でも悪臭が漏れていた。
そこで蓋を開け泡状消臭剤1を蓋の裏面に噴霧し0.4g/m2の泡の層を蓋の裏面全面に均一に形成して、再び蓋を元に戻した。
周辺に残っている悪臭を霧状の消臭剤で除去すると、グリーストラップ周辺では全く悪臭が感じられなかった。
この状態で2週間放置した後でも悪臭は感じられなかった。
蓋を開けたところ、蓋の裏面の泡の層は泡のサイズが大きくなってはいたが均一に蓋の裏面を覆っていた。
また臭は若干感じられるだけで、グリーストラップ内の悪臭成分が除去されていることが分かった。
成分(A)としてグリシンベタイン化合物を1.0重量%、成分(B)としてポリオキシエチレン(20)セチルエーテルとポリオキシエチレン(60)ステアリルエーテルの混合物を3.0重量%成分(C)としてセタノールを2.0重量%、成分(E)として亜硝酸ナトリウムを0.3重量%、分散安定剤としてトリエタノールアミンを1.0重量%、pH安定剤としてクエン酸を1.0重量%とクエン酸ナトリウムを1.0重量%、精製水85.7重量%、噴射剤(D)としてLPGを6.0重量%からなる組成物をアルミ缶に充填して泡状消臭剤2を作成した。
泡状消臭剤2を実施例1と同じ設備で評価した。
泡状消臭剤2を3枚の蓋(0.5m×0.4m)の縁部に噴霧した後、蓋を元に戻した。蓋同士及び蓋と蓋を固定する枠体との間から泡が見えていた。尚、使用した泡状消臭剤2の量は平均17.3g/枚であった。
この状態で1週間放置した後でも悪臭は感じられなかった。
蓋を開けたところ、臭は若干感じられるだけで、グリーストラップ内の悪臭成分が除去されていることが分かった。
Claims (4)
- 臭気源を有する排水設備の蓋裏面および内部側面の少なくとも一部のうち、臭気源に触れない部分を泡状消臭剤で覆うことを特徴とする排水設備の消臭方法。
- 泡状消臭剤として下記の構成からなる消臭剤組成物を用いることを特徴とする請求項1の排水設備の消臭方法。
(A)ベタイン化合物を含有する消臭成分
(B)水溶性高分子、高級脂肪酸、界面活性剤の少なくとも1種を含有する泡構成成分
(C)脂肪族アルコール、脂肪族多価アルコール、アルカノールアミン、増粘剤の少なくとも1種を含有する泡安定成分
(D)噴射剤 - 消臭成分として、ベタイン化合物と、有機酸および/または有機酸塩化合物を含有する消臭剤組成物を用いることを特徴とする請求項1または2の排水設備の消臭方法。
- 下記の構成からなる排水設備用泡状消臭剤組成物。
(A)ベタイン化合物を含有する消臭成分
(B)水溶性高分子、高級脂肪酸、界面活性剤の少なくとも1種を含有する泡構成成分
(C)脂肪族アルコール、脂肪族多価アルコール、アルカノールアミン、増粘剤の少なくとも1種を含有する泡安定成分
(D)噴射剤
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JP2004186374A JP2006007062A (ja) | 2004-06-24 | 2004-06-24 | 排水設備の消臭方法 |
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