JP2005089414A - 抗菌消臭処理用泡沫状エアゾール組成物、それを用いた抗菌消臭処理エアゾールスプレー、及び抗菌消臭処理方法 - Google Patents
抗菌消臭処理用泡沫状エアゾール組成物、それを用いた抗菌消臭処理エアゾールスプレー、及び抗菌消臭処理方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】 家庭や産業から排出される廃棄物の腐敗や発酵などにより時間とともに発生する悪臭を、泡沫状のエアゾールで抗菌消臭処理する際の消臭効果、及び、その持続効果を改善した抗菌消臭処理用泡沫状エアゾール組成物、それを用いた抗菌消臭処理エアゾールスプレー、及び抗菌消臭処理方法を提供する。
【解決手段】 本発明では、(A)泡基剤と無機系抗菌剤と水とを含有する噴射原液と、(B)液化ガスからなる噴射剤と、からなり、噴射装置と耐圧容器とからなるスプレー式容器に充填して用いる抗菌消臭処理用泡沫状エアゾール組成物を提供する。
【選択図】 なし
【解決手段】 本発明では、(A)泡基剤と無機系抗菌剤と水とを含有する噴射原液と、(B)液化ガスからなる噴射剤と、からなり、噴射装置と耐圧容器とからなるスプレー式容器に充填して用いる抗菌消臭処理用泡沫状エアゾール組成物を提供する。
【選択図】 なし
Description
本発明は抗菌消臭処理用泡沫状エアゾール組成物、それを用いた抗菌消臭処理エアゾールスプレー、及び抗菌消臭処理方法に関するものである。特に家庭や産業から排出される廃棄物の腐敗や発酵などにより時間とともに発生する悪臭を泡沫状のエアゾールで抗菌消臭処理する際の消臭効果、及び、その持続効果の改善に関するものである。
近年、国民の生活水準の向上に伴い、健康および衛生に関する意識も高まっており、家庭や産業から発生する廃棄物の臭気の処理は必要不可欠なものになりつつある。このような悪臭に対して効果的に消臭する薬剤や消臭方法については多くの研究がなされてきた。例えば、活性炭もしくは処理活性炭に悪臭物質を吸着させる活性炭処理方法があるが、この方法は吸着量が飽和状態に達すると、新しい活性炭に交換するか再生処理する必要があり、交換作業が煩雑である、再生費用が高いなどの問題があった。
他の方法として担体に保持した生物の充填相を通過させ消臭する方法がある。しかし、この方法は装置が大きくなる、生物の維持管理が難しいといった問題があった。悪臭を土壌中に通気して消臭するという安価で有効な方法もあるが、この方法は処理に広大なスペースが必要である、土壌の乾燥を防ぐために水分量を維持管理する必要があるといった問題があった。
また薬剤による方法としては、発生した臭気に薬剤を分散噴霧する方法があり悪臭の除去が短時間ででき効果的ではあるが、消臭効果を持続させるためには、継続的に薬剤を分散噴霧しなければならない、消臭成分の添加量が少量であると消臭を十分に行うことができない、薬剤を繰り返し使用すると効果が消失してしまう等の問題があった。
これらの方法は、悪臭の除去が不十分、維持管理が煩雑、コストが高いなどの問題がある。その欠点を補う方法として、泡沫状のエアゾールで抗菌消臭処理する組成物、及びその組成物を利用した抗菌消臭処理方法が、従来から多数提案されている。
例えば、界面活性剤からなる泡基材と、水及び噴射剤をベースとする泡沫エアゾール調合物に、殺菌作用と界面活性作用を有する薬剤を添加する構成とし、該泡沫に泡の持続性と殺菌性を合わせ持たせる組成物が提案されている(例えば、特許文献1参照)。このような場合、泡沫が全て水溶性の成分で構成されていることから、泡沫の持続時間は24時間程度であり、腐敗などにより悪臭を発生する廃棄物に対して防臭効果を示すには充分でなく、更に、殺菌作用を持つ界面活性剤が周囲の水分に溶解していくので、時間とともに殺菌作用が弱くなるという問題があった。
例えば、界面活性剤からなる泡基材と、水及び噴射剤をベースとする泡沫エアゾール調合物に、殺菌作用と界面活性作用を有する薬剤を添加する構成とし、該泡沫に泡の持続性と殺菌性を合わせ持たせる組成物が提案されている(例えば、特許文献1参照)。このような場合、泡沫が全て水溶性の成分で構成されていることから、泡沫の持続時間は24時間程度であり、腐敗などにより悪臭を発生する廃棄物に対して防臭効果を示すには充分でなく、更に、殺菌作用を持つ界面活性剤が周囲の水分に溶解していくので、時間とともに殺菌作用が弱くなるという問題があった。
また、高級脂肪酸、アルカノールアミンからなる泡基材、または、脂肪酸石鹸からなる泡基材と消臭成分、水及び噴射剤をベースとする泡沫エアゾール調合物に、水溶性高分子物質や泡安定剤を添加する構成とし、該泡沫の持続時間を長くする組成物が提案されている(例えば、特許文献2、3参照)。しかし、泡安定剤が水溶性のものであるため、やはり、泡沫の持続時間は数時間程度であり、腐敗などにより悪臭を発生する廃棄物に対して防臭効果を示すには充分でないという問題があった。
また、常温で固体である脂肪酸及び脂肪族高級アルコールからなる群より選択された1種又は2種以上、及び/又は増粘剤からなる群より選択された1種又は2種以上と、ノニオン系界面活性剤からなる群より選択された1種又は2種以上と、からなる泡基剤と、消臭成分と水と、を含有する噴射原液と、液化ガスからなる群より選択された1種又は2種以上からなる噴射剤と、からなる泡沫状エアゾール組成物とし、泡沫の硬度を上げ泡沫形状を維持するために、常温で固体をなす脂肪酸または脂肪族高級アルコールと増粘剤を配合している。(例えば、特許文献4参照)。しかし、抗菌作用を持つ成分を添加していないため、初期の消臭性能は得られるものの、時間とともに腐敗などにより悪臭が強くなる廃棄物に対しての防臭効果が充分でないという問題があった。
特開昭49−7438号公報
特開昭52−79028号公報
特開平10−15047号公報
特開2002−306586号公報
本発明は、上記問題を解決するためになされたもので、家庭や産業から排出される廃棄物の腐敗や発酵などにより時間とともに発生する悪臭を、泡沫状のエアゾールで抗菌消臭処理する際の消臭効果、及び、その持続効果を改善した抗菌消臭処理用泡沫状エアゾール組成物、それを用いた抗菌消臭処理エアゾールスプレー、及び抗菌消臭処理方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、泡沫形状を維持する製剤と無機系抗菌剤と水を組み合わせた組成物は、家庭や産業から排出される廃棄物などの悪臭源を物理的に泡沫で被覆するとともに、無機系抗菌剤の添加により泡沫形状の維持時間を更に長くし、加えて、該廃棄物の腐敗や発酵などを無機系抗菌剤により抑制することで、悪臭を効率的・持続的に除去できることを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明では、(A)泡基剤と無機系抗菌剤と水とを含有する噴射原液と、(B)液化ガスからなる噴射剤と、からなり、噴射装置と耐圧容器とからなるスプレー式容器に充填して用いる抗菌消臭処理用泡沫状エアゾール組成物を提供する。このような組成物とすることにより悪臭を効率的・持続的に除去できることを可能とした。
また、本発明の好ましい態様においては、泡基材が常温で固体である高級脂肪酸とアルカノールアミンを含有することにより、使用時の泡沫形状を長期的に維持することを可能とした。
また、本発明の好ましい態様においては、前記高級脂肪酸が、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸からなる群より選択される1種または2種以上であることが、使用時の泡沫形状を長期的に維持するために好適である。
また、本発明の好ましい態様においては、前記アルカノールアミンが、炭素数2−4のジアルカノールアミン及びトリアルカノールアミンからなる群より選択される1種または2種以上であることが、使用時の泡沫形状を長期的に維持するために好適である。
また、本発明の好ましい態様においては、前記泡基材が、常温で固体である脂肪族高級アルコールとノニオン系界面活性剤を含有することにより、使用時の泡沫形状を長期的に維持することを可能とした。
また、本発明の好ましい態様においては、前記脂肪族高級アルコールが、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、オクチルドデカノール、ベヘニルアルコールからなる群より選択される1種または2種以上であることが、使用時の泡沫形状を長期的に維持するために好適である。
また、本発明の好ましい態様においては、前記無機系抗菌剤が、抗菌性金属成分と前記抗菌性金属成分以外の無機酸化物粒子を含有することにより、無機酸化物粒子の働きで使用時の泡沫形状を更に長期的に維持し、更に、悪臭源となる廃棄物の腐敗や発酵による悪臭の発生を長期的に抑制することを可能とした。
また、本発明の好ましい態様においては、前記抗菌性金属成分が、銀、銅、亜鉛、コバルトからなる群より選択される1種または2種以上であることが、悪臭源となる廃棄物の腐敗や発酵による悪臭の発生を長期的に抑制するために好適である。
また、本発明の好ましい態様においては、前記抗菌性金属成分以外の無機酸化物粒子が、シリカ、アルミナ、酸化チタン、ジルコニア、酸化スズ、ゼオライト、アパタイトからなる群より選択される1種または2種以上であることが、悪臭源となる廃棄物の腐敗や発酵による悪臭の発生を長期的に抑制するために好適である。
また、必要に応じて、前記組成物において、更に、増粘剤、有機系抗菌剤を加えることが可能である。
本発明ではまた、前記組成物を、噴射装置と耐圧容器とからなるスプレー式容器に充填したことを特徴とする抗菌消臭処理用泡沫状エアゾールスプレーを提供する。このようなスプレー形態とすることにより、長期的に形状を維持するようなきめ細かい泡沫の生成を可能とし、使用者が簡単にかつ手軽に泡沫状の悪臭抑制製品を利用することを可能とした。
本発明ではさらに、前記組成物を臭気発生源に噴霧することで臭気を処理することを特徴とする抗菌消臭処理方法を提供する。前記消臭方法において、前記臭気発生源が、生ゴミ廃棄物、タバコの吸い殻、灰皿、ポータブルトイレ、オムツ、生理用品、ペットまたは家畜の糞尿、排水口、スラッジ、スカム、汚泥のいずれかであることが好適である。
本発明によれば、泡沫形状を維持する製剤に無機系抗菌剤を組み合わせた泡沫状エアゾール組成物とすることで、家庭や産業から排出される廃棄物などの悪臭源を物理的に泡沫で被覆するとともに、無機系抗菌剤の添加により泡沫形状の維持時間を更に長くし、加えて、前記廃棄物の腐敗や発酵など無機系抗菌剤により抑制することで、家庭や産業から排出される廃棄物の腐敗や発酵などにより時間とともに発生する悪臭を、従来より効率的・持続的に除去できる効果がある。
本発明の抗菌消臭処理用泡沫状エアゾール組成物、それを用いた抗菌消臭処理エアゾールスプレー、及び抗菌消臭処理方法を具体的に説明する。本発明において、「エアゾール」とは気体に液体または固体の微細粒子が分散している状態を意味し、噴射したときに大気中に噴霧された状態を表したものである。
本発明における噴射原液は、泡基剤と無機系抗菌剤と水を含有する。好適な一例として、本発明においては、泡沫の硬度を上げ崩壊しにくくするために、泡基材を、常温で固体である高級脂肪酸とアルカノールアミンを含有するものとすることが好ましい。
高級脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸が好適に用いられる。これらは、単独で若しくは組み合わせて用いることができる。中でも、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸の使用が好適である。脂肪酸の配合量は噴射原液全量中、0.01〜10重量%であることが好適である。0.01重量%より少ないと泡沫の硬度を上げる効果が不十分であり、10重量%を越えると組成物の粘度が高くなりエアゾール組成物としては好ましくない。
高級脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸が好適に用いられる。これらは、単独で若しくは組み合わせて用いることができる。中でも、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸の使用が好適である。脂肪酸の配合量は噴射原液全量中、0.01〜10重量%であることが好適である。0.01重量%より少ないと泡沫の硬度を上げる効果が不十分であり、10重量%を越えると組成物の粘度が高くなりエアゾール組成物としては好ましくない。
アルカノールアミンとしては、炭素数2−4のジアルカノールアミン及びトリアルカノールアミンが好適に用いられる。これらは、単独で若しくは組み合わせて用いることができる。中でも、トリエタノールアミンの使用が好適である。アルカノールアミンは、高級脂肪酸による発泡を助長して均一な泡沫を発生させるとともに、起泡を安定化させる作用を有する。アルカノールアミンの配合量は噴射原液全量中、0.01〜10重量%であることが好適である。0.01重量%より少ないと泡沫の硬度を上げる効果が不十分であり、10重量%を越えると組成物の粘度が高くなりエアゾール組成物としては好ましくない。
本発明における噴射原液において、泡沫の硬度を上げ崩壊しにくくするための別の好適な一例として、泡基材を、常温で固体である脂肪族高級アルコールとノニオン系界面活性剤を含有するものとすることが挙げられる。
脂肪族高級アルコールとしては、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、オクチルドデカノール、ベヘニルアルコールが好適に用いられる。これらは、単独で若しくは組み合わせて用いることができる。中でも、セチルアルコール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコールの使用が好適である。脂肪酸の配合量は噴射原液全量中、0.01〜10重量%であることが好適である。0.01重量%より少ないと泡沫の硬度を上げる効果が不十分であり、10重量%を越えると組成物の粘度が高くなりエアゾール組成物としては好ましくない。
脂肪族高級アルコールとしては、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、オクチルドデカノール、ベヘニルアルコールが好適に用いられる。これらは、単独で若しくは組み合わせて用いることができる。中でも、セチルアルコール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコールの使用が好適である。脂肪酸の配合量は噴射原液全量中、0.01〜10重量%であることが好適である。0.01重量%より少ないと泡沫の硬度を上げる効果が不十分であり、10重量%を越えると組成物の粘度が高くなりエアゾール組成物としては好ましくない。
ノニオン系界面活性剤はイオンに解離しない水酸基やエーテル結合等を分子中に持っている界面活性剤である。ノニオン系界面活性剤として、本発明では、高級脂肪族アルコール、高級脂肪酸、アルキルフェノール、アルキロールアミド、ソルビタン高級脂肪酸エステル等の疎水基にエチレンオキシドを付加重合させたポリオキシエチレン型、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビタン、ソルビトール、ショ糖等の多価アルコールの水酸基の一部をアルキルエステル又は/及びアルキルエステルにし、残余の水酸基を親水基とする多価アルコール型、疎水基をポリプロピレングリコール、親水基をポリエチレングリコールとしたエチレンオキシド・プロピレンオキシドブロック共重合体型等が好適に用いられる。これらは、単独で若しくは組み合わせて用いることができる。ノニオン系界面活性剤の配合量は噴射原液全量中、0.5〜15質量%であることが好適である。0.5質量%より少ないと起泡作用、乳化作用が不十分であり、15質量%を越えると製品構築上好ましくない。
本発明における無機系抗菌剤としては、抗菌性金属成分と該抗菌性金属成分以外の無機酸化物粒子を含有するものであることが好ましい。
抗菌性金属成分としては、銀、銅、亜鉛、コバルトが好適に用いられる。これらは、単独で若しくは組み合わせて用いることができる。中でも、銀、銅の使用が好適である。強い抗菌性を得たい場合には銀を、強い防カビ性を得たい場合には銅を、金属による着色を少なくしたい場合には亜鉛を使用するなど、用途に応じて適宜選択、または、混合して使用できる。
また、抗菌性金属成分以外の無機酸化物粒子としては、シリカ、アルミナ、酸化チタン、ジルコニア、酸化スズ、ゼオライト、アパタイトなどが好適に用いられる。これらは、単独で若しくは組み合わせて用いることができる。中でも、酸化チタン、ゼオライトの使用が好適である。
抗菌性金属成分としては、銀、銅、亜鉛、コバルトが好適に用いられる。これらは、単独で若しくは組み合わせて用いることができる。中でも、銀、銅の使用が好適である。強い抗菌性を得たい場合には銀を、強い防カビ性を得たい場合には銅を、金属による着色を少なくしたい場合には亜鉛を使用するなど、用途に応じて適宜選択、または、混合して使用できる。
また、抗菌性金属成分以外の無機酸化物粒子としては、シリカ、アルミナ、酸化チタン、ジルコニア、酸化スズ、ゼオライト、アパタイトなどが好適に用いられる。これらは、単独で若しくは組み合わせて用いることができる。中でも、酸化チタン、ゼオライトの使用が好適である。
無機系抗菌剤については、その粒子径が5nmから10μmのものを用いることが好適である。粒子径が5nmより小さいと、泡沫形状の維持時間を長くする効果が不十分になる。粒子径が10μmを越えると、組成液中での沈降が激しくなり、均一に分散した状態で噴霧することが困難になり、泡沫形状の維持時間を長くし、更に、廃棄物の腐敗や発酵などを抑制する効果が不十分になる場合が出てきてしまう。
添加した無機系抗菌剤はフィラーとしても働くので、泡基材だけを用いるよりも更に泡沫の硬度を向上させることが可能になり、泡沫の崩壊を防いで形状を長持ちさせることが可能になる。
また、無機系抗菌剤は、有機系抗菌剤のように大気中への揮散や廃棄物中への流失を起こさないので、廃棄物表面に付着したまま留まることで廃棄物の腐敗や発酵などによる悪臭の発生を抑制する効果が有機系抗菌剤よりも大きい。
また、無機系抗菌剤は、有機系抗菌剤のように大気中への揮散や廃棄物中への流失を起こさないので、廃棄物表面に付着したまま留まることで廃棄物の腐敗や発酵などによる悪臭の発生を抑制する効果が有機系抗菌剤よりも大きい。
無機系抗菌剤の配合量は噴射原液全量中、0.05〜5重量%であることが好適である。0.05重量%より少ないと泡沫形状の維持時間を長くし、更に、廃棄物の腐敗や発酵などを抑制する効果が不十分であり、5重量%を超えると組成物コストが高くなることから、製品への使用が実用的に困難になる。
また、無機系抗菌剤の抗菌性金属成分以外の無機酸化物粒子に多孔質のものを選択することにより、廃棄物などから発生する悪臭を吸着することが可能となり、周囲へ放出される悪臭を更に抑制する効果が得られる。多孔質にして悪臭の吸着性を持たせることが可能な成分としては、シリカ、アルミナ、酸化チタン、ゼオライト、アパタイトなどが好適に用いられる。これらは、単独で若しくは組み合わせて用いることができる。組み合わせて用いる場合、各粒子を混合する方法以外に、ある粒子をある粒子の組成物で被覆した複合粒子として用いることも可能である。例えば、アパタイトで被覆した酸化チタン粒子などが好適に用いられる。
本発明においては、泡沫形状の維持時間を長くさせるために、必要に応じて増粘剤を配合することができる。増粘剤としては、ポリビニルアルコール、ビニルピロリドン、メタクリル酸N,N-ジメチルアミノエチルメタクリン酸共重合体ジエチル硫酸体、カルボキシビニルポリマー、N-メタクリロイルオキシエチルN,N-ジメチルアンモニウム-α-N-メチルカルボキシベタイン・メタクリル酸アルキルエステル共重合体、エチルセルロース、ヒドロオキシエチルセルロース、ヒドロオキシエチルセルロース-2-ヒドロキシピロピルトリメチルアンモニウムクロライドエーテル、N-メタクリロイルエチルN,N-ジメチルアンモニウム-α-N-メチルカルボキシベタイン・メタクリル酸エステル共重合体、キサンタンガム、カラギーナン、カルボキシメチルセルロース、ポリメタクリル酸エステル、タマリンドガム、ジェランガム、塩化ジメチルアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体が好適に用いられる。これらは、単独で若しくは組み合わせて用いることができる。増粘剤を加える場合、その配合量は噴射原液全量中、0.01〜10質量%であることが好適である。0.01質量%より少ないと泡沫形状の維持時間を長くさせる効果が不十分であり、10質量%を越えると組成物の粘度が高くなりエアゾール組成物としては好ましくない。
本発明においては、無機系抗菌剤の遅効的な抗菌効果を補完し、即効的な抗菌性能を付与することを目的に、必要に応じて有機系抗菌剤を配合することができる。有機系抗菌剤としては、ベンズイミダゾール系、チアゾール系、イソチアゾール系、イソチアゾロン系、ベンズイソチアゾロン系、ジンクピリチオン系、有機ハロゲン系、有機窒素系、含窒素硫黄系、第四級アンモニウム塩系、キトサンおよびキトサンをキチナーゼ処理して得られた分解物などを好適に使用できる。これらの有機系抗菌剤の添加量は、濃度に換算して0.01〜5重量%が好ましく、より好ましくは0.02〜2重量%の範囲である。
本発明の抗菌消臭処理用泡沫状エアゾール組成物は必要に応じて、安定剤としてエチレンジアミン系、有機カルボン酸系等のキレート剤を添加してもよい。また脂肪酸を用いた場合、石鹸を形成させるためにアルカリ処理剤を使用しても良い。
本発明の抗菌消臭処理用泡沫状エアゾール組成物と噴射剤を、噴射装置と耐圧容器とからなるスプレー式容器に充填することにより、抗菌消臭処理用泡沫状エアゾールスプレーを構成することが可能になる。このようなスプレー形態とすることにより、長期的に形状を維持するようなきめ細かい泡沫の生成を可能とし、使用者が簡単にかつ手軽に泡沫状の悪臭抑制製品を利用することが可能となる。
噴射剤としては、液化ガスが用いられる。液化ガスは臨界温度が高く、常温付近で加圧することにより液化される。大気中に噴出されると容積が200〜300倍の気相ガスとなるため、噴射剤としては代表的なものである。3−クロロ−1−フルオロメタン、2−クロロ−2−フルオロメタン、2−クロロ−4−フルオロエタン等のフッ化炭化水素、プロパン、ブタン等の低級炭化水素、ジメチルエーテル等が好適に用いられる。これらは、単独で、あるいは組み合わせて用いることができる。
本発明で使用される噴射装置は、トップボタン、バルブ、スタンドパイプからなる装置であり高圧状態で作動するので、その堅牢性、精巧度は非常に高い精度が要求される。バルブの開閉により噴射を調節するようになっており、トップボタンを押す時間で噴射量がコントロールされる形式のものと、一度ボタンを押すと一定量を噴射する形式のものがあるが、本発明においては、どちらの形式のものも用いることができる。材質は、トップボタンがプラスチック、バルブが真鍮又はステンレス、スタンドパイプは塩化ビニルが好適に用いられる。
本発明で使用される耐圧容器としては、金属、ガラス、合成樹脂等の円筒容器が用いられる。一般的には金属缶が用いられ、特にアルミニウム缶、ブリキ缶が主流になっている。外見の美麗さの点からガラス容器も利用されるが、金属缶と比較して弾性がなく破壊する恐れがあるので、その外面あるいは内面を合成樹脂等で被覆して用いられる。合成樹脂容器としてはメラミン、ナイロン、ポリカーボネート及びジュラゴン等が好適に用いられる。
本発明の泡沫状エアゾール組成物をスプレー式容器に充填する方法には、加圧充填法及び冷却充填法があり、現在主に用いられているのは加圧充填法である。加圧充填法には、容器内に噴射原液を入れバルブを取り付けた後、バルブの間からエアー抜きし、噴射剤を充填しバルブを閉めるアンダーキャップ方式と、容器内に噴射原液を入れエアー抜きしバルブを閉めた後、噴射剤を加圧充填するスルーザステム方式がある。
本発明の泡沫状エアゾール組成物は、噴射装置のトップボタンを押し、噴射原液が噴出されるのと同時に、噴射剤が大気圧下で気化することで噴射原液を膨らませて泡沫状になる。また、噴射原液には泡基剤と無機系抗菌剤と水が配合されているので、硬度の高い泡沫が形成されることとなり、長期間、形状が維持される。これにより、家庭や産業から排出される廃棄物などの悪臭源を物理的に泡沫で被覆するとともに、無機系抗菌剤の添加により泡沫形状の維持時間を更に長くし、加えて、該廃棄物の腐敗や発酵などを無機系抗菌剤により抑制することで、悪臭を効率的・持続的に除去ですることができる。
本発明の消臭方法が対象とする臭気発生源は、生ゴミ廃棄物、タバコの吸い殻、灰皿、ポータブルトイレ、オムツ、生理用品、ペット又は家畜の糞尿、排水口、スラッジ、スカム、汚泥等やそれらの混合物が含まれる。
本発明の抗菌消臭処理用泡沫状エアゾール組成物、それを用いた抗菌消臭処理エアゾールスプレー、及び抗菌消臭処理方法の用途が、上に挙げた例示に限定されないことはいうまでもない。
本発明の抗菌消臭処理用泡沫状エアゾール組成物、それを用いた抗菌消臭処理エアゾールスプレー、及び抗菌消臭処理方法の用途が、上に挙げた例示に限定されないことはいうまでもない。
次に実施例を挙げ、本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら制約されるものではない。
(実施例1)
初めに、70℃に加温した容器中に2重量部のジプロピレングリコールを入れ、撹拌しながら3重量部のパルミチン酸と1重量部のステアリン酸、0.2重量部のアルキルアミノエチルグリシン、3重量部のトリエタノールアミンを加えて溶解を確認した。この溶液を、70℃に加温した90.3重量部のイオン交換水中に徐々に加えて乳化させることで泡基材を調製した。この泡基材溶液を30℃以下に冷却したところへ、0.5重量部の無機系抗菌剤(シナネンゼオミック製 HD10N、粒径約2μm)を添加し、十分に撹拌し、分散させることで抗菌消臭処理用泡沫状エアゾール組成物を調製した。この組成物190gと噴射剤(LPG 0.34MPa)18gを用いてブリキ缶のスプレー式容器に充填することにより、実施例1の抗菌消臭処理用泡沫状エアゾールスプレーを作製した。
初めに、70℃に加温した容器中に2重量部のジプロピレングリコールを入れ、撹拌しながら3重量部のパルミチン酸と1重量部のステアリン酸、0.2重量部のアルキルアミノエチルグリシン、3重量部のトリエタノールアミンを加えて溶解を確認した。この溶液を、70℃に加温した90.3重量部のイオン交換水中に徐々に加えて乳化させることで泡基材を調製した。この泡基材溶液を30℃以下に冷却したところへ、0.5重量部の無機系抗菌剤(シナネンゼオミック製 HD10N、粒径約2μm)を添加し、十分に撹拌し、分散させることで抗菌消臭処理用泡沫状エアゾール組成物を調製した。この組成物190gと噴射剤(LPG 0.34MPa)18gを用いてブリキ缶のスプレー式容器に充填することにより、実施例1の抗菌消臭処理用泡沫状エアゾールスプレーを作製した。
(実施例2)
実施例1において、無機系抗菌剤の添加量を0.1重量部とし、イオン交換水を90.7重量部としたものを実施例2とした。
(比較例1)
実施例1において、無機系抗菌剤を添加せずに、イオン交換水を90.8重量部として、泡基材のみで調製したものを比較例1とした。
実施例1において、無機系抗菌剤の添加量を0.1重量部とし、イオン交換水を90.7重量部としたものを実施例2とした。
(比較例1)
実施例1において、無機系抗菌剤を添加せずに、イオン交換水を90.8重量部として、泡基材のみで調製したものを比較例1とした。
実施例、比較例において得られた組成物について、以下の評価試験を行った。
(生ゴミの腐敗抑制による防臭性能と泡の安定性評価)
豚ひき肉、キャベツ、タマネギを重量比で3:4:3になるように量り取り、みじん切りにした後に良く混合し、疑似の生ゴミ廃棄物を得た。7Lの密閉容器中に140gの生ゴミ廃棄物を入れ、何の処理も行わないブランク、生ゴミ廃棄物を泡沫で覆うように実施例1のスプレーを噴霧したもの、実施例2のスプレーを噴霧したもの、比較例1のスプレーを噴霧したもの、の4種類のサンプルを作製した。スプレーの噴霧重量は、どれも約10gであった。
これらのサンプルを35℃の恒温槽中に投入し、投入前、2日後、4日後の防臭性能と泡の安定性を評価した。表1に評価結果を示す。防臭性能は、生ゴミの腐敗により発生するメチルメルカプタンの濃度をガス検知管で測定することにより評価した。
豚ひき肉、キャベツ、タマネギを重量比で3:4:3になるように量り取り、みじん切りにした後に良く混合し、疑似の生ゴミ廃棄物を得た。7Lの密閉容器中に140gの生ゴミ廃棄物を入れ、何の処理も行わないブランク、生ゴミ廃棄物を泡沫で覆うように実施例1のスプレーを噴霧したもの、実施例2のスプレーを噴霧したもの、比較例1のスプレーを噴霧したもの、の4種類のサンプルを作製した。スプレーの噴霧重量は、どれも約10gであった。
これらのサンプルを35℃の恒温槽中に投入し、投入前、2日後、4日後の防臭性能と泡の安定性を評価した。表1に評価結果を示す。防臭性能は、生ゴミの腐敗により発生するメチルメルカプタンの濃度をガス検知管で測定することにより評価した。
泡の安定性は、外観により以下のように評価した。
◎:きめの細かい泡が全体を覆っている。
○:やや粗い泡が全体を覆っている。
△:やや粗い泡が部分的に覆っている。
×:泡がほとんど無い。
◎:きめの細かい泡が全体を覆っている。
○:やや粗い泡が全体を覆っている。
△:やや粗い泡が部分的に覆っている。
×:泡がほとんど無い。
表1に示すように、本発明の実施例1および実施例2の抗菌消臭処理用泡沫状エアゾールスプレーにおいては、泡沫の噴霧により、生ゴミ廃棄物の腐敗によるメチルメルカプタンの発生が著しく抑えられる効果が見られた。これに対して、比較例1の無機系抗菌剤を含まないスプレーではメチルメルカプタンの発生を抑える効果が弱かった。
泡の安定性に関しては、実施例1、2の方が、比較例1よりも泡沫形状を長く維持することが観察された。以上より、本発明のスプレーは、無機系抗菌剤の添加により泡沫形状を長持ちさせ、更に、生ゴミ廃棄物の腐敗により発生する悪臭を抑制する効果が認められることが分かった。
泡の安定性に関しては、実施例1、2の方が、比較例1よりも泡沫形状を長く維持することが観察された。以上より、本発明のスプレーは、無機系抗菌剤の添加により泡沫形状を長持ちさせ、更に、生ゴミ廃棄物の腐敗により発生する悪臭を抑制する効果が認められることが分かった。
(生ゴミと泡の繰り返し投入時の防臭性能評価)
前評価試験と同様に、豚ひき肉、キャベツ、タマネギを重量比で3:4:3になるように量り取り、みじん切りにした後に良く混合し、疑似の生ゴミ廃棄物を得た。7Lの密閉容器中に140gの生ゴミ廃棄物を入れ、何の処理も行わないブランク、生ゴミ廃棄物を泡沫で覆うように実施例1のスプレーを噴霧したものの2種類のサンプルを作製した。これらのサンプルを35℃の恒温槽中に入れ、1日ごとに発生するメチルメルカプタン濃度を測定、新たに同量の生ゴミ廃棄物を投入、実施例1の方はスプレーにより泡沫を追加するというサイクルを4日経過まで繰り返し、そのまま35℃恒温槽中に7日経過まで放置した。スプレー噴霧量は、1回あたり約10gであった。図1に評価結果のグラフを示す。
図1に示すように、本発明の実施例1のスプレーにおいては、生ゴミと泡を繰り返し投入した際に泡沫の噴霧により生ゴミ廃棄物の腐敗によるメチルメルカプタンの発生が著しく抑えられる効果が見られた。
前評価試験と同様に、豚ひき肉、キャベツ、タマネギを重量比で3:4:3になるように量り取り、みじん切りにした後に良く混合し、疑似の生ゴミ廃棄物を得た。7Lの密閉容器中に140gの生ゴミ廃棄物を入れ、何の処理も行わないブランク、生ゴミ廃棄物を泡沫で覆うように実施例1のスプレーを噴霧したものの2種類のサンプルを作製した。これらのサンプルを35℃の恒温槽中に入れ、1日ごとに発生するメチルメルカプタン濃度を測定、新たに同量の生ゴミ廃棄物を投入、実施例1の方はスプレーにより泡沫を追加するというサイクルを4日経過まで繰り返し、そのまま35℃恒温槽中に7日経過まで放置した。スプレー噴霧量は、1回あたり約10gであった。図1に評価結果のグラフを示す。
図1に示すように、本発明の実施例1のスプレーにおいては、生ゴミと泡を繰り返し投入した際に泡沫の噴霧により生ゴミ廃棄物の腐敗によるメチルメルカプタンの発生が著しく抑えられる効果が見られた。
(実施例3)
初めに、70℃に加温した容器中に1.5重量部のセタノールを入れ、撹拌しながら、2種類のノニオン系界面活性剤、2.4重量部のポリオキシエチレン(20)セチルエーテルと0.5重量部のポリオキシエチレン(6)ステアリルエーテル、を加えて溶解を確認する。この溶液を、70℃に加温した94.9重量部のイオン交換水中に徐々に加えて乳化させることで泡基材を調製した。この泡基材溶液を30℃以下に冷却したところへ、0.2重量部の防錆剤(大和化成研究所製 Verzone Crystal #150)と0.5重量部の無機系抗菌剤(シナネンゼオミック製 HD10N)を添加し、十分に撹拌し、分散させることで抗菌消臭処理用泡沫状エアゾール組成物を調製した。この組成物200gと噴射剤(LPG 0.27MPa)12gを用いてブリキ缶のスプレー式容器に充填することにより、実施例3の抗菌消臭処理用泡沫状エアゾールスプレーを作製した。
初めに、70℃に加温した容器中に1.5重量部のセタノールを入れ、撹拌しながら、2種類のノニオン系界面活性剤、2.4重量部のポリオキシエチレン(20)セチルエーテルと0.5重量部のポリオキシエチレン(6)ステアリルエーテル、を加えて溶解を確認する。この溶液を、70℃に加温した94.9重量部のイオン交換水中に徐々に加えて乳化させることで泡基材を調製した。この泡基材溶液を30℃以下に冷却したところへ、0.2重量部の防錆剤(大和化成研究所製 Verzone Crystal #150)と0.5重量部の無機系抗菌剤(シナネンゼオミック製 HD10N)を添加し、十分に撹拌し、分散させることで抗菌消臭処理用泡沫状エアゾール組成物を調製した。この組成物200gと噴射剤(LPG 0.27MPa)12gを用いてブリキ缶のスプレー式容器に充填することにより、実施例3の抗菌消臭処理用泡沫状エアゾールスプレーを作製した。
(おむつのアンモニア臭に対する防臭効果)
小便だけを含む乳幼児の紙おむつを集め、3個で約400gになるような2組のサンプルを選択した。一方の組は丸めたままで何の処理も行わないブランクとし、もう一方は、それぞれの紙おむつを開いて、小便を吸収した部分全体を泡沫で覆うように実施例3のスプレーを噴霧し、また丸め直した。スプレーの噴霧重量は、紙おむつ1個当たり約5gであった。2組のサンプルを、それぞれ7Lの密閉容器中に入れ、35℃の恒温槽中に投入し、投入前、1日から4日後の防臭性能を評価した。表2に評価結果を示す。防臭性能は、尿の腐敗により発生するアンモニアの濃度をガス検知管で測定することにより評価した。
小便だけを含む乳幼児の紙おむつを集め、3個で約400gになるような2組のサンプルを選択した。一方の組は丸めたままで何の処理も行わないブランクとし、もう一方は、それぞれの紙おむつを開いて、小便を吸収した部分全体を泡沫で覆うように実施例3のスプレーを噴霧し、また丸め直した。スプレーの噴霧重量は、紙おむつ1個当たり約5gであった。2組のサンプルを、それぞれ7Lの密閉容器中に入れ、35℃の恒温槽中に投入し、投入前、1日から4日後の防臭性能を評価した。表2に評価結果を示す。防臭性能は、尿の腐敗により発生するアンモニアの濃度をガス検知管で測定することにより評価した。
表2に示すように、本発明の実施例3の抗菌消臭処理用泡沫状エアゾールスプレーにおいては、泡沫の噴霧により、小便の腐敗によるアンモニアの発生が著しく抑えられる効果が見られた。
本発明は抗菌消臭処理用泡沫状エアゾール組成物、それを用いた抗菌消臭処理エアゾールスプレー、及び抗菌消臭処理方法に関するものである。特に、家庭や産業から排出される廃棄物の腐敗や発酵などにより時間とともに発生する悪臭を泡沫状のエアゾールで抗菌消臭処理する際の消臭効果、及び、その持続効果の改善に関するものである。
対象とする悪臭源は、生ゴミ廃棄物、タバコの吸い殻、灰皿、ポータブルトイレ、オムツ、生理用品、ペット又は家畜の糞尿、排水口、スラッジ、スカム、汚泥等やそれらの混合物であり、これらは当初から悪臭を放つだけでなく、付着した菌による腐敗や発酵などにより更に悪臭が増えることから、このような悪臭源に利用する場合に非常に好適である。
対象とする悪臭源は、生ゴミ廃棄物、タバコの吸い殻、灰皿、ポータブルトイレ、オムツ、生理用品、ペット又は家畜の糞尿、排水口、スラッジ、スカム、汚泥等やそれらの混合物であり、これらは当初から悪臭を放つだけでなく、付着した菌による腐敗や発酵などにより更に悪臭が増えることから、このような悪臭源に利用する場合に非常に好適である。
Claims (14)
- (A)泡基剤と無機系抗菌剤と水とを含有する噴射原液と、(B)液化ガスからなる噴射剤と、からなり、噴射装置と耐圧容器とからなるスプレー式容器に充填して用いる抗菌消臭処理用泡沫状エアゾール組成物。
- 前記泡基材が、常温で固体である高級脂肪酸とアルカノールアミンを含有することを特徴とする請求項1に記載の抗菌消臭処理用泡沫状エアゾール組成物。
- 前記高級脂肪酸が、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸からなる群より選択される1種または2種以上であることを特徴とする請求項2に記載の抗菌消臭処理用泡沫状エアゾール組成物。
- 前記アルカノールアミンが、炭素数2−4のジアルカノールアミン及びトリアルカノールアミンからなる群より選択される1種または2種以上であることを特徴とする請求項2または3に記載の抗菌消臭処理用泡沫状エアゾール組成物。
- 前記泡基材が、常温で固体である脂肪族高級アルコールとノニオン系界面活性剤を含有することを特徴とする請求項1に記載の抗菌消臭処理用泡沫状エアゾール組成物。
- 前記脂肪族高級アルコールが、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、オクチルドデカノール、ベヘニルアルコールからなる群より選択される1種または2種以上であることを特徴とする請求項5に記載の抗菌消臭処理用泡沫状エアゾール組成物。
- 前記無機系抗菌剤が、抗菌性金属成分と前記抗菌性金属成分以外の無機酸化物粒子を含有することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の抗菌消臭処理用泡沫状エアゾール組成物。
- 前記抗菌性金属成分が、銀、銅、亜鉛、コバルトからなる群より選択される1種または2種以上であることを特徴とする請求項7に記載の抗菌消臭処理用泡沫状エアゾール組成物。
- 前記抗菌性金属成分以外の無機酸化物粒子が、シリカ、アルミナ、酸化チタン、ジルコニア、酸化スズ、ゼオライト、アパタイトからなる群より選択される1種または2種以上であることを特徴とする請求項7または8に記載の抗菌消臭処理用泡沫状エアゾール組成物。
- 更に増粘剤を加えたことを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の抗菌消臭処理用泡沫状エアゾール組成物。
- 更に有機系抗菌剤を加えたことを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の抗菌消臭処理用泡沫状エアゾール組成物。
- 請求項1から11のいずれか一項に記載の抗菌消臭処理用泡沫状エアゾール組成物を、噴射装置と耐圧容器とからなるスプレー式容器に充填したことを特徴とする抗菌消臭処理用泡沫状エアゾールスプレー。
- 請求項12に記載の抗菌消臭処理用泡沫状エアゾールスプレーを臭気発生源に噴霧することで臭気を処理することを特徴とする抗菌消臭処理方法。
- 前記臭気発生源が、生ゴミ廃棄物、タバコの吸い殻、灰皿、ポータブルトイレ、オムツ、生理用品、ペットまたは家畜の糞尿、排水口、スラッジ、スカム、汚泥のいずれかであることを特徴とする請求項13に記載の抗菌消臭処理方法。
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-
2003
- 2003-09-19 JP JP2003327887A patent/JP2005089414A/ja active Pending
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