JP2022027325A - 低濃度エタノール含有酸性起泡組成物 - Google Patents

低濃度エタノール含有酸性起泡組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP2022027325A
JP2022027325A JP2020131254A JP2020131254A JP2022027325A JP 2022027325 A JP2022027325 A JP 2022027325A JP 2020131254 A JP2020131254 A JP 2020131254A JP 2020131254 A JP2020131254 A JP 2020131254A JP 2022027325 A JP2022027325 A JP 2022027325A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acid
composition
foam
composition according
present
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2020131254A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6923971B1 (ja
Inventor
真健 大樂
Masatake Oraku
久美子 辻谷
Kumiko Tsujitani
仁 松瀬
Hitoshi Matsuse
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Maruishi Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Maruishi Pharmaceutical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Maruishi Pharmaceutical Co Ltd filed Critical Maruishi Pharmaceutical Co Ltd
Priority to JP2020131254A priority Critical patent/JP6923971B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6923971B1 publication Critical patent/JP6923971B1/ja
Publication of JP2022027325A publication Critical patent/JP2022027325A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)
  • Medicinal Preparation (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)

Abstract

【課題】本発明は、泡立ち(例えば、泡の微細性、泡の均質性、泡量、及び泡持続時間から選択される少なくとも1種)が改善された低濃度エタノール含有酸性組成物を提供することを目的とする。本発明は、好ましくは、保存安定性が良く、どのような手動式又は自動式でも起泡させる容器又は機器による泡が安定して作られ、手や指に塗り広げても泡が消毒部位の隅々まで塗り広げることができ、泡による消毒部位の視認性や消毒剤の使用感が整えられた消毒剤組成物を提供することを課題とする。【解決手段】以下の成分a)~d):a)ポリオキシエチレンアルキルエーテル、b)組成物全体に対して20%(v/v)以上55%(v/v)未満のエタノール、c)第4級アンモニウム塩、d)水を含む酸性で起泡性の組成物。【選択図】図9

Description

本発明は、低濃度エタノール含有酸性起泡組成物に関する。本発明の組成物は、好ましくは消毒剤、より好ましくは、手指の消毒のために用いられ、使用時に泡が吐出する容器に入れられて、必要なときに必要量の組成物が手掌に泡として出される。本発明の組成物は、好ましくは液状組成物であり、より好ましくは、泡として出されると、微細で均質な泡が手指の消毒面にしっかり塗り広げられ、泡で消毒面が確認できる程度の、泡持続時間を有する。また、本発明は、除菌剤としても使用することができる。
手指消毒剤はエタノール消毒剤(日本薬局方 消毒用エタノールの場合は76.9~81.4%(v/v)エタノール)では、手指に取り数十秒間擦りながら塗り広げるとアルコールと水が揮発するため、乾燥と同時に消毒が終了するので、このような利便性から医療施設や一般施設等でも広く感染対策のために使用されている。
エタノール消毒剤には殺菌剤としてベンザルコニウム塩化物やクロルヘキシジングルコン酸塩等の殺菌剤を配合して、エタノールや水が揮散した後にも真菌や細菌に対する殺菌効果が持続する消毒剤も開発されている。
近年、真菌や細菌等の消毒に加えて、アルコールが効きにくいとされたノンエンベロープウイルスのアデノウイルス類やノロウイルス類に対し、有機酸と亜鉛を含むエタノール消毒剤も開発されている。
利便性を更に高めるためにフォーム消毒剤も開発されている。一般に高濃度エタノールは消泡効果が高いために、通常の界面活性剤では泡が立たないが、エタノールへの溶解度が高い特定のシロキサン類を用いることで、比較的高濃度のエタノールを泡立たせることが知られており、製品化もされている(特許文献1~4等)。フォーム消毒剤は容器に設置されたポンプで空気を巻き込む仕組みにより、泡が形成される。その泡は手指や腕に取ってもこぼれることなく、塗り広げた範囲は泡の広がりで確認しやすい点も利便性の一つである。
高濃度エタノール消毒剤では殺菌消毒性は十分であるが、使う人によりエタノール等での手荒れなどの問題も上げられるなど、高濃度エタノールであるが故に有効性と手荒れ等が相反する問題も生じている。
一方で、特許文献5及び6において、低濃度(20~45重量%)のエタノールと、所定の界面活性剤と、アルカリ剤とを少なくとも含むフォーマー用組成物が開示されているところ、当該組成物のpHは特に限定されておらず、望ましいpHはアルカリ領域とされている。
特表2008-524295号公報 特表2008-531740号公報 特開2018-002683号公報 特開2018-008934号公報 登録6599041号 登録6562587号
本発明者らは、低濃度(例えば20%(v/v)以上55%(v/v)未満)のエタノールを含有する組成物が、酸性下で泡立ちにくいという課題があることを発見した。
すなわち、本発明は、泡立ち(例えば、泡の微細性、泡の均質性、泡量、及び泡持続時間から選択される少なくとも1種)が改善された低濃度エタノール含有酸性組成物を提供することを目的とする。泡立ちの確認時点は、例えば、調製直後又は調製して任意の時間経過後であってよく、好ましくは50℃で4週間以上、さらに好ましくは8週間以上保存後である。
本発明は、好ましくは、保存安定性に優れ、どのような手動式又は自動式でも起泡させる容器又は機器による泡が安定して作られ、手や指に塗り広げても泡が消毒部位の隅々まで塗り広げることができ、泡による消毒部位の視認性や消毒剤の使用感が整えられた消毒剤組成物を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、低濃度エタノール含有酸性組成物にポリオキシエチレンアルキルエーテル、及び第4級アンモニウム塩を配合することにより、当該組成物の泡立ちが改善されることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の組成物に関する。
[1]以下の成分a)~d):
a)ポリオキシエチレンアルキルエーテル、
b)組成物全体に対して20%(v/v)以上55%(v/v)未満のエタノール、
c)第4級アンモニウム塩、
d)水
を含む酸性で起泡性の組成物。
[2]成分a)が、R-O-(CH-CH-O)m-H(Rは、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数12~22のアルキル基、又は直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数12~22のアルケニル基を示し、mは2~50の整数を示す。)で表されるポリオキシエチレンアルキルエーテルである、[1]に記載の組成物。
[3]成分a)が、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル及びポリオキシエチレンベヘニルエーテルから選択される少なくとも1種である、[1]又は[2]に記載の組成物。
[4]成分c)が、ベンザルコニウム塩化物である、[1]~[3]のいずれかに記載の組成物。
[5]有機酸及び/又は無機酸を含む、[1]~[4]のいずれかに記載の組成物。
[6]有機酸がクエン酸、リンゴ酸、乳酸、酒石酸、フィチン酸、アジピン酸、グルコン酸及びコハク酸から選択される少なくとも1種及び/又は無機酸が塩酸、硫酸、硝酸、ホウ酸、アミド硫酸、臭化水素酸又はリン酸から選択される少なくとも1種である、[5]に記載の酸性の泡消毒剤又は除菌剤用組成物。
[7]有機酸がクエン酸である、[5]又は[6]に記載の酸性の組成物。
[8]亜鉛化合物を含む、[1]~[7]のいずれかに記載の組成物。
[9]亜鉛化合物が硫酸亜鉛である、[8]に記載の組成物。
[10]0.1~5%(w/v)のポリオキシエチレンアルキルエーテル、0.1~5%(w/v)のベンザルコニウム塩化物、及び0.1~5%(w/v)の有機酸を含む、[1]~[9]のいずれかに記載の組成物。
[11]pHが2以上6以下である[1]~[10]のいずれかに記載の組成物。
[12]pHが2以上5以下である[1]~[11]のいずれかに記載の組成物。
[13]pHが2以上4以下である[1]~[12]のいずれかに記載の組成物。
[14]手動により泡を形成する容器、又は自動散布式により泡を形成する機器により使用することができる、[1]~[13]のいずれかに記載の組成物。
本発明は、泡立ち(例えば、泡の微細性、泡の均質性、泡量、及び泡持続時間から選択される少なくとも1種)が改善された低濃度エタノール含有酸性組成物を提供することができる。泡立ちの確認時点は、例えば、調製直後又は調製して任意の時間経過後であってよく、好ましくは50℃で4週間以上、さらに好ましくは8週間以上保存後である。
本発明は、好ましくは、低濃度エタノール組成で消毒効果(例えば、細菌、ノロウイルス等を殺滅する効果)を有する消毒剤組成物を提供することができる。本発明は、より好ましくは、保存安定性に優れ、どのような手動式又は自動式でも起泡させる容器又は機器による泡が安定して作られ、手や指に塗り広げても泡が消毒部位の隅々まで塗り広げることができ、塗り広げることによって泡は消失していくもので、泡による消毒部位の視認性や消毒剤の使用感が整えられた消毒剤組成物を提供することができる。なお、本発明は、除菌剤としても使用することができる。
泡の状態は、組成物をポンプフォーマー(株式会社吉野工業所製、約1.5mL/プッシュ)で吐出させて観察した。
図1は、泡質が極めて優れていると判断する外観の一例を示す図である。 図2は、泡質が優れていると判断する外観の一例を示す図である。 図3は、泡質がよくないと判断する外観の一例を示す図である。 図4は、泡質が極めてよくないと判断する外観の一例を示す図である。 図5は、本発明の組成物を5回プッシュすることにより、メートルグラス/メスシリンダー(メモリ付プラスチック製の器具)に押し出した状態を示す図である。 図6は、泡持続時間測定における液面が見え始めるときの外観の一例を示す図であり、液面が中心から見えはじめた頃の状態を示す。 図7は、泡持続時間測定における液面が見え始めるときの外観の一例を示す図であり、細かい泡の周りから液面が見えはじめた頃の状態を示す。 図8は、泡持続時間測定における液面が見え始めるときの外観の一例を示す図であり、大きな泡の周りから液面が見え始めた頃の状態を示す。 図9は、本発明の外観泡質の例で、実施例2を例に示す図である。
本発明は、以下の成分a)~d):
a)ポリオキシエチレンアルキルエーテル、
b)組成物全体に対して20%(v/v)以上55%(v/v)未満のエタノール、
c)第4級アンモニウム塩、
d)水
を含む酸性で起泡性の組成物を提供する。
成分a)ポリオキシエチレンアルキルエーテル
ポリオキシエチレンアルキルエーテルは、次の式
R-O-(CH-CH-O)m-H
(式中、Rは、直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、又は直鎖状若しくは分岐鎖状のアルケニル基を示し、mは2以上の整数を示す。)で表される。
Rの炭素数は、本発明の効果を奏する限り、特に限定されないが、例えば、12~22であることが好ましい。Rとしては、例えば、ラウリル基、セチル基、ステアリル基、オレイル基、ベヘニル基等が挙げられる。mは2~50の整数であることが好ましく、4~40の整数であることがより好ましく、6~30の整数であることがさらに好ましい。
成分a)として、具体的には、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル又はポリオキシエチレンベヘニルエーテル等が挙げられ、これらから選択される2種以上であってもよい。
本発明の組成物において、成分a)のHLB値は、例えば7~20程度であってもよい。
成分a)の含有量は、起泡性や泡の持続時間を加味して、本発明の組成物全体に対して、通常0.01~5%(w/v)である。
a)の含有量の上限値は、例えば、2%(w/v)、1.5%(w/v)、1.4%(w/v)、1.0%(w/v)、0.9%(w/v)、0.5%(w/v)又は0.4%(w/v)であってもよい。
a)の含有量の下限値は、例えば、0.01%(w/v)、0.05%(w/v)、0.06%(w/v)、0.1%(w/v)、0.2%(w/v)又は0.3%(w/v)であってもよい。
上記上限値と上記下限値のあらゆる組み合わせが、本発明に包含される。
具体的には、成分a)の含有量は、本発明の組成物全体に対して0.01~1%(w/v)であってもよい。
成分b)エタノール
成分b)の含有量は、本発明の組成物全体に対して通常20~55%(v/v)含有する。成分b)の含有量が、20%(v/v)を著しく下回ると、消毒効果が減弱する。成分b)の含有量が、55%(v/v)を著しく上回ると、泡立ち又は保存安定性が減弱する。
b)の含有量の上限値は、例えば、55%(v/v)、54%(v/v)、53%(v/v)、52%(v/v)、51%(v/v)、50%(v/v)、49%(v/v)、48%(v/v)、46%(v/v)、43%(v/v)、40%(v/v)、37%(v/v)、34%(v/v)、32%(v/v)、28%(v/v)、24%(v/v)であってもよい。
b)の含有量の下限値は、例えば、20%(v/v)、23%(v/v)、25%(v/v)、27%(v/v)、29%(v/v)、30%(v/v)、33%(v/v)、35%(v/v)、38%(v/v)、41%(v/v)、44%(v/v)、47%(v/v)、50%(v/v)又は53%(v/v)であってもよい。
上記上限値と上記下限値の大小関係にあるあらゆる組み合わせが、本発明に包含される。
具体的には、成分b)の含有量は、本発明の組成物全体に対して23~53%(v/v)であってもよく、25~52%(v/v)であってもよく、27~51%(v/v)であってもよく、30~50%(v/v)であってもよく、33~49%(v/v)であってもよく、35~48%(v/v)であってもよい。
成分b)は公知の方法で製造することができ、また市販品を入手することも可能である。
成分c)第4級アンモニウム塩
成分c)として、例えば、ベンザルコニウム塩化物、ベンゼトニウム塩化物、セチルピリジニウム塩化物、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド、ジデシルジメチルアンモニウムメトサルフェート、トリアルキル(3-トリアルコキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド、ジアルキルメチルポリオキシエチルアンモニウムプロピオネート、テトラアルキルアンモニウムカーボネート、ジメチルジオクチルアンモニウムクロライド、アルキルヒドロキシエチルアンモニウムクロライド又はテトラアルキルアンモニウムアジペート等が挙げられ、これらから選択される2種以上であってもよい。成分c)として、ベンザルコニウム塩化物が、泡立ち及び/又は消毒剤としての有効性の観点から、特に好ましい。
本発明の組成物は、成分c)を組成物全体に対して通常0.01~0.5%(w/v)含有する。
成分c)の含有量の上限値は、例えば、0.5%(w/v)、0.4%(w/v)、0.3%(w/v)又は0.2%(w/v)であってもよい。
成分c)の含有量の下限値は、例えば、0.01%(w/v)、0.02%(w/v)、0.03%(w/v)、0.04%(w/v)又は0.05%(w/v)であってもよい。
上記上限値と上記下限値のあらゆる組み合わせが本発明に包含される。
c)の含有量は、0.01~0.44%(w/v)であってもよく、0.01~0.4%(w/v)であってもよく、0.01~0.34%(w/v)であってもよい。
成分c)は公知の方法で製造することができ、また市販品を入手することも可能である。
成分d)
成分d)は、本発明の組成物中の成分a)~c)の濃度調整のため、適量が含まれ得る。成分d)の含有量は、本発明の効果を妨げない限り特に限定されないが、組成物全体に対して通常10~60%(w/v)未満であり、10~50%(w/v)であってもよく、10~40%(w/v)であってもよく、20~40%(w/v)であってもよく、25~35%(w/v)であってもよい。
成分d)は、水道水、精製水、イオン交換水等いずれであってもよく、特に限定されない。
酸性
本発明の組成物は酸性(pH7未満)である。
本発明の組成物のpHの上限は6であってもよく、6未満であってもよく、5以下であってもよく、4以下であってもよく、3.8以下であってもよく、3.6以下であってもよく、3.4以下であってもよく、3.2以下であってもよい。
本発明の組成物のpHの下限が2以上であってもよく、2.2以上であってもよく、2.4以上であってもよく、2.6以上であってもよい。
上記の上限値と下限値のあらゆる組み合わせが本発明に包含される。たとえば、pHの範囲は、消毒効果、刺激等の安全性又は組成物の保存安定性の観点からは、2以上4以下であることが好ましく、2以上3.5以下であることがより好ましく、2以上3以下であることがさらに好ましく、約3であることがさらに好ましい。ここで「約」とは、例えば±0.2の誤差を包含することをいう。
有機酸及び/又は無機酸
本発明の組成物には、有機酸及び/又は無機酸を配合することができる。有機酸を配合することで、pHを酸性に調整することができ、泡立ちが改善され、さらに消毒剤としての有効性が向上する。無機酸を配合することによっても、pHを酸性に調整することができ、泡立ちが改善される。
有機酸として、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、酒石酸、フィチン酸、アジピン酸、グルコン酸又はコハク酸等が挙げられ、クエン酸が特に好ましい。有機酸として、これらから選択される2種以上を使用してもよい。
無機酸として、塩酸、硫酸、硝酸、ホウ酸、アミド硫酸、臭化水素酸又はリン酸等が挙げられる。無機酸として、これらから選択される2種以上を使用してもよい。
有機酸及び/又は無機酸は、組成物全体に対して通常0.1~2%(w/v)である。
有機酸及び/又は無機酸の含有量の上限値は2%(w/v)であってもよく、1.8~2%(w/v)であってもよく、1.5~1.7%(w/v)であってもよく、1.2~1.4%(w/v)であってもよく、0.9~1.1%(w/v)であってもよく、0.7~0.8%(w/v)であってもよい。
有機酸及び/又は無機酸の含有量の下限値は、0.1%(w/v)であってもよく、0.1~0.2%(w/v)であってもよく、0.2~0.3%(w/v)であってもよく、0.3~0.4%(w/v)であってもよい。上記上限値と下限値のあらゆる組み合わせが本発明に包含される。
有機酸及び/又は無機酸の含有量は、0.1~2%(w/v)であってもよく、0.1~1.8%(w/v)であってもよく、0.1~1.5%(w/v)であってもよく、0.1~1.0%(w/v)であってもよい。
有機酸及び/又は無機酸は公知の方法で製造することができ、また市販品を入手することも可能である。
好ましい組成
本発明の組成物において、例えば、0.1~5%(w/v)のポリオキシエチレンアルキルエーテル、20%(v/v)以上55%(v/v)未満のエタノール、0.1~5%(w/v)のベンザルコニウム塩化物、及び0.1~5%(w/v)の有機酸を含み、残りが水である組成が好ましい。
緩衝剤
本発明は、使用感やその他保湿効果を付与するなどのあらゆる製品性を向上させるために添加剤を加えることができるが、その際、必要に応じて緩衝能を有する塩類を加えて、pHを安定化させることもできる。このような緩衝剤として、例えば、クエン酸塩、リンゴ酸塩、乳酸塩、リン酸塩、酒石酸塩、フィチン酸塩、アジピン酸塩、グルコン酸塩及びコハク酸塩などを適宜加えて、pHのブレを緩衝できる最適濃度を加えることができる。
本発明の組成物は、有機酸、無機酸、有機塩基、無機塩基及び/又は緩衝剤を種々選択して加えて所望のpHに設定することもできる。pH調整剤として、酸、塩基等を用いることができる。pH調整剤は、単独でもよく、又は2種以上の組み合わせでもよい。
塩基としては、特に限定されないが、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール、2-アミノ-2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオール、トリエタノールアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリイソプロパノールアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、イソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、ポリエタノールアミン等を配合することができる。塩基は、単独でもよく、又は2種以上の組み合わせでもよい。
その他の任意の成分
本発明の組成物には、さらに消毒剤(抗菌剤、除菌剤、殺菌剤等)を配合することができる。消毒剤(抗菌剤、除菌剤、殺菌剤等)として、特に限定されないが、オラネキシジン、トリクロサン、トリクロロカルバニリド、クロルヘキシジン塩酸塩、ベンゼトニウム塩化物、セチルピリジニウム塩化物、アルキルリン酸ベンザルコニウム、イソプロピルメチルフェノール、安息香酸、ヨウ素剤、次亜塩素酸ナトリウム、クロル石灰、クロルヘキシジングルコン酸塩、アクリノール、アルコール類、過酸化水素水、フェノール類等を配合することができる。このような消毒剤(抗菌剤、除菌剤、殺菌剤等)は、天然由来であってもよい。本発明の組成物は、成分a)~d)に加えて、このような消毒剤(抗菌剤、除菌剤、殺菌剤等)を含んでいてもよく、含んでいなくてもよい。
また、本発明の組成物には、さらに亜鉛を配合することができる。
また、本発明の組成物は、ジメチルエーテル(DME)、液化石油ガス(LPG)、窒素ガス、炭酸ガス、代替フロンガス等の通常のエアゾール剤に噴射剤として用いられる噴射剤を含まないことが好ましい。本発明の組成物は、噴射剤を含まなくても起泡する点で優れている。
本発明の組成物には、さらに必要に応じてキレート剤を配合することができる。キレート剤として、金属イオンを封鎖する作用を持つものであれば特に限定されないが、例えば、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、エチレングリコールビス(2-アミノエチルエーテル)四酢酸、1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸(HEDP)、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、及びそれらの塩等を配合することができる。
本発明の組成物には、さらに抗酸化剤を配合することができる。抗酸化剤として、特に限定されないが、例えば、トコフェロール(ビタミンE)、トコフェロール酢酸エステル等のトコフェロール誘導体、BHT、BHA、没食子酸プロピル等の没食子酸誘導体、ビタミンC(アスコルビン酸)、エリソルビン酸、亜硫酸水素ナトリウム等の亜硫酸水素塩、チオ硫酸ナトリウム等のチオ硫酸塩、メタ亜硫酸水素塩、チオタウリン、ヒポタウリン、チオグリセロール、チオ尿素、チオグリコール酸、システイン塩酸塩、システイン、システアミン、過酸化水素水、過硫酸アンモニウム、臭素酸ナトリウム、過炭酸、ノルジヒドログアヤレチン酸、グアヤク脂等を配合することができる。
本発明の組成物には、さらに保湿剤及び/又は感触向上剤及び/又はエモリエント剤を用いることができる。保湿剤及び/又は感触向上剤として、特に限定されないが、例えば、グリセリン(濃グリセリンを含む)、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ソルビトール、ポリグリセリン、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ヒアルロン酸、コドロイチン硫酸、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ヘキシレングリコール、ジグリセリン、ジエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、グルコン酸、グルクロン酸、トレハロース、ピロリドンカルボン酸ナトリウム塩、尿素、グリチルレチン酸又はグルチルリチン酸若しくはそれらの塩等、又はこれらの混合物を配合することができる。その他、例えば、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、結晶セルロース、微結晶セルロース、寒天、ペクチン、キサンタンガム、トラガントガム、アラビアゴム、カラギーナン、ローカストビーンガム、タマリンドシードガム、グアガム、でんぷん、ゼラチン若しくはジェランガム等又はこれらの混合物等の高分子類を配合することができる。また、エモリエント剤として、特に限定されないが、例えば、スクアレン等の動物性炭化水素系油、4~10個の炭素原子を含む脂肪酸の液体トリグリセリド、ヘプタン酸若しくはオクタン酸トリグリセリド等の植物性炭化水素系油、又は代替的に、植物性油、サフラワー油、アルモンド油、ヒマワリ油、トウモロコシ油、大豆油、マロー油、ブドウ種子油、ゴマ種子油、ヘーゼルナッツ油、アプリコット油、マカダミアナッツ油、アララ油、コリアンダー油、ヒマシ油、アボカド油、ホホバ油、シアバター油、カプリル/カプリン酸トリグリセリド等、又はこれらの混合物を配合することができる。
その他、脂肪酸では、例えば、合成エステル若しくはエーテル類(トリイソオクタン酸グリセリン、イソノナン酸イソノニル、2-エチルヘキサン酸セチル、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソブチル、セバシン酸ジイソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸セチル、エチルヘキサン酸セチル、セバシン酸ジエチル、リノール酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸2 - エチルヘキシル、ステアリン酸2 - オクチルドデシル、エルカ酸2-オクチルドデシル又はイソステアリン酸イソステアリル等)、ヒドロキシル化エステル( 乳酸イソステアリル、ヒドロキシステアリン酸オクチル、ヒドロキシステアリン酸オクチルドデシル、リンゴ酸ジイソステアリル又はクエン酸トリイソセチル等)、ヘプタン酸、オクタン酸若しくはデカン酸脂肪族アルコール又はポリオールエステル(ジオクタン酸プロピレングリコール、ジヘプタン酸ネオペンチルグリコール又はジイソノナン酸ジエチレングリコール等)、ペンタエリスリトールエステル(テトライソステアリン酸ペンタエリスリチル等)、アミノ酸の親油性誘導体(ラウロイルサルコシン酸イソプロピル等)、鉱物油(石油由来の炭化水素系油の混合物等)、揮発性若しくは不揮発性流動パラフィン又はこれらの誘導体、鉱物系若しくは合成系の直鎖若しくは分岐鎖炭化水素(ワセリン、ポリデセン、イソヘキサデカン、イソドデカン、水素化イソパラフィン又はポリイソブチレン等)又はジカプリリルエーテル等のエーテル類、又はこれらの混合物を配合することができる。
製造方法
本発明の組成物は、成分a)~d)、さらには必要に応じて他の成分を所望の割合で混合し、公知の方法で、好ましくは均一あるいは溶解するまで、攪拌することで製造され得る。例えば、成分a)からd)を所望の割合で混合し、通常の攪拌機を用いる等の公知の方法で、好ましくは均一あるいは完全に溶解するまで攪拌する。特に上記成分では、いずれも溶解性が良好である。
なお、水系や油系の成分を所望に応じて添加する場合は、油系はエタノールに溶解又は分散することで、均質に又は均一に溶解することができる。一方、水系であれば、上記成分を溶解した後に、溶解しても問題ない。
例えば、pH調製剤等を添加する場合であっても、上記成分を溶解した後であっても、エタノール濃度が55%(v/v)未満であれば、容易に溶解することができるので、特殊な撹拌装置なども必要なく、製造効率も良い。
起泡性
本発明の組成物は、起泡性を有する。本発明の組成物は、フォーム消毒剤用組成物として好適に使用できる。
本発明は、泡生成機能を有する容器又は機器(例えば、手動により泡を形成する容器、又は自動散布式により泡を形成する機器)に収容されている本発明の組成物を包含する。泡生成機能を有する容器又は機器は、組成物収容部と噴出器(トリガー、ポンプフォーマー、ディスペンサー等)とを有していてもよい。本発明において噴出器は、泡生成孔を有することが好ましい。例えば、自動散布式により泡を形成する機器に、本発明の組成物を充填し、当該機器に手を近づけることにより、当該機器のセンサー等が反応して、本発明の組成物は泡状になって手の上に出てくる。
本発明は、本発明の組成物を含有する起泡物を包含する。
本発明の組成物は、起泡性を有するので、対象に塗布した際に塗布した場所が目視で分かる。本発明の組成物は、ジェル、クリーム類等と剤型的特性も異なるので、使用感は極めて良い。
本発明の組成物は、調製直後又は調製して任意の時間経過後、好ましくは50℃で4週間以上、さらに好ましくは8週間以上保存後でも泡立ち(例えば、泡の微細性、泡の均質性、泡量、及び泡持続時間から選択される少なくとも1種)が優れている。例えば、50℃で4週間以上、さらに好ましくは8週間以上保存後でも泡立ちが優れている場合、保存安定性が優れているといえる。
泡質は、泡の微細性と均質性を「目視で判断」することができる。泡質は、例えば、泡の微細性と均質性から評価され得る。泡の微細性と均質性のいずれか一方について、本発明の組成物以外の低濃度(20%(v/v)以上55%(v/v)未満)のエタノール含有酸性組成物と比較して、優れていれば、本発明の組成物において泡質が改善されたと判断してよい。好ましくは、泡の微細性と均質性の両方について、本発明の組成物以外の低濃度(20%(v/v)以上55%(v/v)未満)のエタノール含有酸性組成物と比較して、優れていれば、本発明の組成物において泡質が改善されたと判断する。低濃度(20%(v/v)以上55%(v/v)未満)のエタノール含有酸性組成物をポンプフォーマー(例えば、株式会社吉野工業所製、約1.5mL/プッシュ)を受け皿(例えば、ガラス製で直径が約4~6cmで、深さが2~3cmの皿や、他の皿でも泡がこぼれなければ特に制限はない)に1回プッシュするときの泡が、図1のように非常にキメが細かく均質な泡が認められる場合泡質が極めて優れていると判断してよく、図2のようにややキメが細い均質な泡が認められる場合泡質が優れていると判断してよく、図3のようにキメ細い泡に大小の泡が少し混在する場合泡質がよくないと判断してよく、図4のように大小不揃いの泡が混在するようになる場合泡質が極めてよくないと判断してよい。
泡の微細性
例えば、泡の大きさ(微細性:キメ細かさ)を「目視で判断」し、図1のように非常に微細であれば、泡の微細性は極めて優れていると判断することができる。図2のように微細であれば、泡の微細性は優れていると判断することができる。
泡の均質性
例えば、泡の大きさのばらつきについて、図3又は図4のような大小様々な泡がなければ、泡の均質性は優れていると判断することができる。
泡量
例えば、組成物を、ポンプフォーマー(例えば、株式会社吉野工業所製、約1.5mL/プッシュ)を5回プッシュすることにより、メートルグラス/メスシリンダー(メモリ付プラスチック製の器具)に押し出したときの泡の体積(mL)を測定し(図5参照)、本発明の組成物以外の低濃度(20%(v/v)以上55%(v/v)未満)のエタノール含有酸性組成物と比較して、本発明の組成物の泡の体積(mL)が大きければ、泡量が改善していると判断することができる。
泡持続時間
例えば、組成物を、ポンプフォーマー(例えば、株式会社吉野工業所製、1.5mL/プッシュ)を受け皿に1回プッシュし、泡が徐々に消えて行き、液面が見え始めるまで(例えば、図6のように液面が中心から見えはじめた頃の状態、図7のように細かい泡の周りから液面が見えはじめた頃、図8のように大きな泡の周りから液面が見え始めた頃)のような状態までの時間を計測し、本発明の組成物以外の低濃度(20%(v/v)以上55%(v/v)未満)のエタノール含有酸性組成物と比較して、本発明の組成物の泡の持続時間が長ければ、泡の持続時間が改善していると判断することができる。
泡持続時間は、例えば、1分以上であることが好ましく、1分30秒以上であることがより好ましく、3分以上であることがより好ましく、5分以上であることがより好ましく、7分以上であればより好ましく、10分以上であることがより好ましく、15分以上であることがさらに好ましい。
用途
本発明の組成物は、消毒剤、抗菌剤、除菌剤、殺菌剤、殺ウイルス(ノンエンベロープウイルス等を含む)剤、起泡剤、医薬品、洗剤(台所用、衣料用、住居用等)等として使用され得る。本発明の組成物は、好ましくは洗剤(台所用、衣料用、住居用等)以外の用途で使用される。本発明の組成物は、泡として塗布部位の隅々まで塗り広げることができ、塗り広げることによって泡は消失していくもので、塗布部位の視認性又は使用感が整えられているという特性を有する。そのため、本発明の組成物は、より好ましくは、皮膚塗布用として、さらにより好ましくは、手指塗布用として使用される。本発明の組成物は、擦式手指消毒剤又は擦式手指除菌剤として好適に使用され得る。本発明の組成物の使用量は目的に応じて、適宜設定され、特に制限するものではないが、手指消毒の場合、ポンプ機構や吐出量にもよるが、例えば、1回当りの使用量が0.5mL~10mL、0.5mL~7mL、0,5~5mL、0.5~3mLの範囲であってもよい。
本発明は、本発明の効果を奏する限り、本発明の技術的範囲内において、上記の構成を種々組み合わせた態様を含む。
次に、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではなく、本発明の基本となる技術に多数の変形や製法技術が、当分野に精通した知識を有する者により実施可能であることを踏まえ、解説する。
(1)pHの測定方法
株式会社堀場製作所製(F-24)を用いて、校正標準液で校正後に製剤のpHを測定した。
(2)泡量の測定方法1:振盪法
界面活性剤について、広範囲(多数)の簡易な選別試験法として、15mLの試験管に界面活性剤2%(w/v)を試験液5mL(30%(v/v)エタノールと0.9%(w/v)クエン酸水和物を含む液)に溶解して、約3秒間激しく振盪した時の泡量(体積)をメモリから読み取り測定した。
(3)泡量の測定方法2:ポンプフォーマー起泡法
簡易法で選択した界面活性剤について、界面活性剤2%(w/v)を含む試験液(30%(v/v)エタノールと0.9%(w/v)クエン酸水和物を含む)をポンプフォーマー(株式会社吉野工業所製、約1.5mL/プッシュ)を用いて、メートルグラス/メスシリンダー(メモリ付プラスチック製の器具)に5プッシュ吐出させ、泡の体積をメモリから読み取り測定した。
泡量の評価に関し、下記表中の表記と、その意味の対応関係を以下に示す。
泡量評価:体積(mL)
>60:60mL以上
<60:40mL以上~60mL以下
<40:20mL以上~40mL以下
<20:20mL以下
(4)泡質の確認方法
組成物を、ポンプフォーマー(株式会社吉野工業所製、1.5mL/プッシュ)を1回プッシュすることにより、受け皿(例えば、ガラス製で直径が約4~6cmで、深さが2~3cmの皿や、他の皿でも泡がこぼれなければ特に制限はない)に押し出したときの泡の状態を観察して評価した。泡質の評価基準を以下に示す。
泡質の評価基準
◎:非常にキメが細かく均質な泡である(図1)
〇:ややキメが細い均質な泡である(図2)
△:キメ細い泡に大小の泡が少し混じる(図3)
×:大小の不均質な泡である(図4)
(5)泡持続時間の測定方法
ポンプフォーマー(株式会社吉野工業所製、1.5mL/プッシュ)を1回プッシュすることにより、組成物を受け皿(例えば、ガラス製で直径が約4~6cm、深さが2~3cmや、他の皿でも泡がこぼれなければ特に制限はない)に押し出してから、泡が消えて減少し、液面が見え始めるまで(図5参照)の時間を、組成物の泡の持続時間として、タイマーで計測した。
泡持続時間の評価に関し、下記表中の表記(表中では「泡時間」と略す)とその意味の対応関係を以下に示す。
>15:15分以上
>10:10分以上15分未満
>7:7分以上10分未満
>5:5分以上7分未満
>3:3分以上5分未満
>1:1分以上3分未満
<1:1分未満
(6)保存安定性の確認方法
短期間に安定性を予測するために、通常、医薬品で実施される加速試験条件40℃75%RHよりも、更に過酷な条件である50℃で1~2ヶ月間保存して、保存安定性の確認試験(以降、50℃保存試験ともいう)を実施した。
参考例、実施例及び比較例の組成又は試験結果を下記表1~6に示して説明する。
試験例1.予備試験(界面活性剤の安定性から)
以下の表1に示した各界面活性剤は、広範囲(多数)から選択した中で起泡性を認めたものである。各試験組成物の50℃保存試験を実施した。
具体的には、クエン酸水和物0.9%(w/v)を含むエタノール30%(v/v)溶液(pH2.7)に各界面活性剤を2%(w/v)濃度になるように溶解して各試験組成物を調製した。この組成物を50℃に保存して、上記(2)の振盪法で試験して、泡量を評価した。また、表1は品名:メーカー品名、HLB:界面活性剤の親水親油のバランス、含有界面活性剤名、メーカー名を一覧にした。なお、試薬は(クエン酸水和物:和光純薬株式会社製)、(エタノール:丸石製薬株式会社製)を用いた。
Figure 2022027325000002
(参考例1~5及び比較例1~10)
結果を表2に示す。なお、表2中のinitialは、調製直後を、1d、3d、6d、20dは、それぞれ調製後1日目、3日目、6日目、20日目を、1M、2Mは、それぞれ調製後1ヶ月目、2ヶ月目を意味する。また、表中の泡の体積量は数値単位(mL)で示す。
表2の結果から、30%(v/v)の低濃度アルコールを含有する酸性組成物のうち、数多くの界面活性剤の中でも、特に、ポリオキシエチレンラウリルエーテル又はポリオキシエチレンセチルエーテルを含有する組成物が、調製直後の泡立ちと保存安定性(泡量)の点で優れていた。上記保存期間中の泡質はいずれもキメ細い泡に大小の泡が少し混じるレベルであった。
Figure 2022027325000003
ポリオキシエチレンアルキルエーテル系を多数入手し、その系統の代表例を選択し、以降の試験に用いたものを表3に示す。なお、表中の界面活性剤は識別番号(No.)で区分し、メーカー型式、HLB及び一般名称を一覧にした。表3の界面活性剤はいずれも日光ケミカルズ株式会社製である。
Figure 2022027325000004
試験例2.組合せ試験
(実施例1、比較例11~14)
泡の微細性や泡持続時間について鋭意研究した結果を表4に示す。表4中、エタノール濃度はいずれも30%(v/v)であり、ポリオキシエチレンセチルエーテル、クエン酸及びBAC(ベンザルコニウム塩化物)の欄の数値は濃度(単位%(w/v))を示し、-は、無添加を意味する。30%(v/v)の低濃度アルコールを含有する酸性組成物にポリオキシエチレンアルキルエーテル、及び第4級アンモニウム塩の代表としてBAC(ベンザルコニウム塩化物)を配合することで、実施例1は泡持続時間が15分以上を優に超えて、泡質は図1のように非常に微細であった。一方、比較例11~14は、泡持続時間や泡質に優れたものはなかった。なお、表中のポリオキシエチレンセチルエーテルは表3の識別番号C3のBC-15を用い、泡はポンプフォーマー起泡法を採用し、BACは日本薬局方ベンザルコニウム塩化物液(丸石製薬株式会社製;表中にはBACの濃度を記載した)を用いた。
Figure 2022027325000005
(実施例2~17、比較例15~20)
実施例2~17、比較例15~20を表5に示す。表5中、エタノールの欄の数値は濃度(単位%(v/v))を示し、クエン酸、硫酸亜鉛、界面活性剤、濃グリセリン、トコフェロール酢酸エステル及びBACの欄の数値は濃度(単位%(w/v))を示し、-は、無添加を意味する。実施例2~17はエタノールを30%(v/v)から50%(v/v)まで含有し、泡の微細性、泡持続時間、及び泡量はいずれも良好であった。一方、エタノール含有量が55%(v/v)以上の比較例15~20では、泡質、泡持続時間、泡量及び保存安定性の点で劣っていた。これらより、エタノール含有量は、55%(v/v)未満であることが、泡立ち(泡持続時間、泡質及び泡量)又は保存安定性の点で、好ましいことが明らかになった。
なお、この試験では上述の試料に加え、硫酸亜鉛は和光純薬株式会社製、濃グリセリンは坂本薬品工業株式会社製、トコフェロール酢酸エステルはBASF社製を用いた。
Figure 2022027325000006
(実施例18~21)
有機酸と無機酸の種類や、pHの設定による試験を実施した結果を表6に示す。実施例18~25は有機酸で、表中の酸類はa:クエン酸水和物、b:乳酸、c:リンゴ酸、d:コハク酸である。実施例26~31は無機酸で、表中の酸類はe:塩酸、f:リン酸である。45%(v/v)エタノールに界面活性剤(C3)とBAC(表に示した分量の単位はいずれも%(w/v))を加えて溶解し、酸の種類を適宜加えてpHを表に示す値に調整した。試験結果より、酸やpHの違いでも、泡の持続時間は>7又は>15で、泡質(微細性、均質性)は良好であった。
Figure 2022027325000007
本発明の組成物は、泡立ちが改善されたエタノール含有酸性組成物(好ましくは消毒剤)として、医薬品もしくは医薬部外品、または除菌剤として、日用品や雑貨品等に使用されうる。

Claims (14)

  1. 以下の成分a)~d):
    a)ポリオキシエチレンアルキルエーテル、
    b)組成物全体に対して20%(v/v)以上55%(v/v)未満のエタノール、
    c)第4級アンモニウム塩、
    d)水
    を含む酸性で起泡性の組成物。
  2. 成分a)が、R-O-(CH-CH-O)m-H(Rは、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数12~22のアルキル基、又は直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数12~22のアルケニル基を示し、mは2~50の整数を示す。)で表されるポリオキシエチレンアルキルエーテルである、請求項1に記載の組成物。
  3. 成分a)が、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル及びポリオキシエチレンベヘニルエーテルから選択される少なくとも1種である、請求項1又は2に記載の組成物。
  4. 成分c)が、ベンザルコニウム塩化物である、請求項1~3のいずれかに記載の組成物。
  5. 有機酸又は無機酸を含む、請求項1~4のいずれかに記載の組成物。
  6. 有機酸がクエン酸、リンゴ酸、乳酸、酒石酸、フィチン酸、アジピン酸、グルコン酸及びコハク酸から選択される少なくとも1種及び/又は無機酸が塩酸、硫酸、硝酸、ホウ酸、アミド硫酸、臭化水素酸又はリン酸から選択される少なくとも1種である、請求項5に記載の酸性の泡消毒剤又は除菌剤用組成物。
  7. 有機酸がクエン酸である、請求項5又は6に記載の酸性の組成物。
  8. 亜鉛化合物を含む、請求項1~7のいずれかに記載の組成物。
  9. 亜鉛化合物が硫酸亜鉛である、請求項8に記載の組成物。
  10. 0.1~5%(w/v)のポリオキシエチレンアルキルエーテル、0.1~5%(w/v)のベンザルコニウム塩化物、及び0.1~5%(w/v)の有機酸を含む、請求項1~9のいずれかに記載の組成物。
  11. pHが2以上6以下である請求項1~10のいずれかに記載の組成物。
  12. pHが2以上5以下である請求項1~11のいずれかに記載の組成物。
  13. pHが2以上4以下である請求項1~12のいずれかに記載の組成物。
  14. 手動により泡を形成する容器、又は自動散布式により泡を形成する機器により使用することができる、請求項1~13のいずれかに記載の組成物。
JP2020131254A 2020-07-31 2020-07-31 低濃度エタノール含有酸性起泡組成物 Active JP6923971B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020131254A JP6923971B1 (ja) 2020-07-31 2020-07-31 低濃度エタノール含有酸性起泡組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020131254A JP6923971B1 (ja) 2020-07-31 2020-07-31 低濃度エタノール含有酸性起泡組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP6923971B1 JP6923971B1 (ja) 2021-08-25
JP2022027325A true JP2022027325A (ja) 2022-02-10

Family

ID=77364491

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020131254A Active JP6923971B1 (ja) 2020-07-31 2020-07-31 低濃度エタノール含有酸性起泡組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6923971B1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021187846A (ja) * 2020-05-25 2021-12-13 株式会社東洋新薬 アルコール含有組成物

Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06327750A (ja) * 1993-05-24 1994-11-29 Osaka Zosenjo:Kk 殺菌消毒用エアゾール組成物
JP2000178155A (ja) * 1998-12-16 2000-06-27 Lion Corp 歯ブラシ除菌フォーム用剤
JP2001187726A (ja) * 1999-12-28 2001-07-10 Lion Corp 皮膚清浄剤組成物
JP2008255101A (ja) * 2007-03-09 2008-10-23 Maruishi Pharmaceutical Co Ltd 消毒剤
JP2014009201A (ja) * 2012-06-29 2014-01-20 Lion Corp 洗い流さないタイプの殺菌清浄剤組成物
US20160158122A1 (en) * 2012-11-30 2016-06-09 Reckitt & Colman (Overseas) Limited Microbicidal Personal Care Compositions Comprising Metal Ions
JP2016121146A (ja) * 2014-12-24 2016-07-07 株式会社ポーラファルマ スクリーンフォーマー用の外用組成物
JP2018002683A (ja) * 2016-07-07 2018-01-11 丸石製薬株式会社 エタノール含有酸性起泡組成物
JP2018008934A (ja) * 2016-07-01 2018-01-18 サラヤ株式会社 抗ウイルス作用を有する発泡性組成物
JP2019026592A (ja) * 2017-07-28 2019-02-21 イーダ株式会社 アルコール系消毒剤

Patent Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06327750A (ja) * 1993-05-24 1994-11-29 Osaka Zosenjo:Kk 殺菌消毒用エアゾール組成物
JP2000178155A (ja) * 1998-12-16 2000-06-27 Lion Corp 歯ブラシ除菌フォーム用剤
JP2001187726A (ja) * 1999-12-28 2001-07-10 Lion Corp 皮膚清浄剤組成物
JP2008255101A (ja) * 2007-03-09 2008-10-23 Maruishi Pharmaceutical Co Ltd 消毒剤
JP2014009201A (ja) * 2012-06-29 2014-01-20 Lion Corp 洗い流さないタイプの殺菌清浄剤組成物
US20160158122A1 (en) * 2012-11-30 2016-06-09 Reckitt & Colman (Overseas) Limited Microbicidal Personal Care Compositions Comprising Metal Ions
JP2016121146A (ja) * 2014-12-24 2016-07-07 株式会社ポーラファルマ スクリーンフォーマー用の外用組成物
JP2018008934A (ja) * 2016-07-01 2018-01-18 サラヤ株式会社 抗ウイルス作用を有する発泡性組成物
JP2018002683A (ja) * 2016-07-07 2018-01-11 丸石製薬株式会社 エタノール含有酸性起泡組成物
JP2019026592A (ja) * 2017-07-28 2019-02-21 イーダ株式会社 アルコール系消毒剤

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021187846A (ja) * 2020-05-25 2021-12-13 株式会社東洋新薬 アルコール含有組成物
JP7345886B2 (ja) 2020-05-25 2023-09-19 株式会社東洋新薬 アルコール含有組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JP6923971B1 (ja) 2021-08-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN101107018B (zh) 消毒剂系统
KR102572389B1 (ko) 스크린 포머용의 외용 조성물
JPH09501427A (ja) 衛生化組成物
WO2006094387A1 (en) High alcohol content foaming compositions with silicone-based surfactants
CN101484564A (zh) 对皮肤友好的广谱消毒组合物
KR102448653B1 (ko) 액체 피부 세정제 조성물
JP6094854B2 (ja) 発泡性エアゾール組成物
CN110072509A (zh) 无铝止汗剂/除臭剂组合物
MX2014010381A (es) Composiciones antimicrobianas de espuma alcoholica y metodos de preparacion.
US20140079648A1 (en) Antimicrobial alcoholic foamable compositions
JP6721176B2 (ja) エタノール含有酸性起泡組成物
JP6923971B1 (ja) 低濃度エタノール含有酸性起泡組成物
JPH06507905A (ja) 衛生剤組成物
JPH06279268A (ja) 消毒殺菌剤およびこれを含有するエアゾール組成物
CZ298164B6 (cs) Konzervacní chemická kompozice a produkt osobní péce s jejím obsahem
JP2017149651A (ja) 殺菌剤組成物及び洗浄殺菌方法
JP6013454B2 (ja) 液体洗浄剤組成物
JP2018027907A (ja) 油性泡沫性エアゾール組成物
US8710066B2 (en) Aqueous composition with agents to inhibit water evaporation
JP2012219012A (ja) 芳香剤
JP4826791B2 (ja) 皮膚洗浄剤組成物
WO2020223275A1 (en) Sanitizing compositions
EP4260842A1 (en) Dental appliance cleanser
JPH11228317A (ja) 発泡性組成物
JP2005323572A (ja) 殺菌方法及び殺菌用組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20201127

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20201127

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20201215

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210216

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210408

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210525

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210720

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210721

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6923971

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150