JP2008280306A - 抗菌・消臭組成物およびこれを用いた抗菌・消臭方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】不快臭を消臭する消臭効果と不快臭発生原因を抑える抗菌効果とを併せ持ち、不
快臭の発生を抑えることができ、なおかつ、不快臭を消臭できる抗菌・消臭組成物および
抗菌・消臭方法を提供する。
【解決手段】抗菌性無機金属含有成分(A)と、窒素含有高分子(B)と、ラベンダーエキス(C)とを含有する抗菌・消臭組成物とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、抗菌・消臭組成物およびこれを用いた抗菌・消臭方法に関する。
抗菌を訴求した商品は、世界的規模の感染症の流行等にも伴い、近年、高い関心が向け
られている。一方、住宅の高気密化と生活者の清潔意識の変化に伴って、空間の臭気に対
する消費者の意識が高まっている。
一般に家庭における不快臭としては、トイレ空間の糞尿由来臭、台所の生ゴミ臭、リビ
ングの煙草臭、玄関の靴臭、寝具など布製品の臭い、生活者の汗や体臭等、多種多様な臭
気が挙げられるが、これらはいずれも通常の生活の中で生じる生活臭である。
これら生活臭の多くには、微生物が関与している。例えば、台所の生ゴミ臭は、微生物
が食物を栄養源として繁殖し、食物を腐敗させた腐敗臭であり、トイレ空間のこもった臭いは、飛び散った尿を栄養源として微生物が繁殖する際に発生するアンモニア臭がその原因のひとつである。また、布製品の悪臭や玄関の靴臭は、皮脂や垢を微生物が分解して発生する中鎖アルデヒドや短鎖カルボン酸が原因の一つである。
従来から、このような不快な臭気成分を消すために、様々な消臭剤や住居用洗剤等が提案されている。その中で、既に発生してしまった臭いに対しては、物理的方法及び化学的手法が提案されている。
物理的方法としては、(方法1)窓の開閉による換気、空調設備による強制換気等が挙げられる。その他、(方法2)活性炭等の吸着力を利用して不快成分を吸着消臭する吸着剤や、シクロデキストリンに代表される、α−1,4−グルコシド結合を有する高分子水溶性グルカンの包接力を利用した消臭剤が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
一方、化学的手法としては、(方法3)各種、芳香・消臭剤等の薬剤処理法や、(方法4)マスキング法がある。
(方法3)としては、酸、アルカリ、酵素等により消臭(臭気成分を化学的中和あるいは分解)する方法が一般的である。例えば、特許文献2には特定の酵素を含有することにより便器などの悪臭を除去する技術が開示されている。また、特許文献3には、ケイ酸金属塩または含アルミニウムケイ酸金属塩を有効成分とし、酸化・還元反応と吸着作用の相乗効果により消臭すると考えられる消臭剤組成物が開示されている。
(方法4)は、一般家庭で最も実施されている方法であり、消臭剤自身の有する香気等によって不快臭をマスクすることにより消臭するものである。
また、近年、無機系抗菌剤も注目されている。銀の抗菌作用はよく知られており、銀含有成分については広く開発されている(例えば、特許文献4〜特許文献7参照)。
特表2002−504837号公報 特表平11−504977号公報 特開昭63−220874号公報 特開平11−279453号公報 特開平6−247817号公報 特開2003−24422号公報 特開2006−151907号公報
しかしながら、これまでの不快臭を消臭する提案(方法1〜方法4)は、臭いを消臭するのみの提案であった。また、従来の無機系抗菌剤では、不快臭の原因である臭いの発生に関与する微生物の増殖を十分に抑えることができず、不快臭の発生を十分に抑えることはできなかった。
そこで、本発明においては、主に玄関の靴臭に起因する不快臭を消臭する消臭効果と不快臭発生原因を抑える抗菌効果とを併せ持ち、不快臭の発生を抑えることができ、なおかつ、不快臭を消臭できる抗菌・消臭組成物を提供することを課題とする。
また、本発明においては、本発明の抗菌・消臭組成物を用いて、効果的に抗菌・消臭できる抗菌・消臭方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、微生物が悪臭を発生させることが悪臭の主な原因であることに着目し、抗菌性無機金属含有成分と特定の高分子とを含有する組成物とすることにより、悪臭を発生させる微生物の活動を抑制して不快臭の発生を抑えることができ、なおかつ、不快臭を消臭できる抗菌効果および消臭効果を有する組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。つまり、以下の手段を提案する。
本発明の抗菌・消臭組成物は、抗菌性無機金属含有成分(A)と、窒素含有高分子(B)とラベンダーエキス(C)とを含有することを特徴とする。
本発明の抗菌・消臭組成物においては、前記(B)が塩基性ポリアミノ酸を含有するものとすることができる。
また、本発明の抗菌・消臭組成物においては、前記(A)が、銀、銅、亜鉛から選択される少なくとも1種の抗菌性無機金属を含有するものとすることができる。
また、上記課題を解決するために、本発明の抗菌・消臭組成物は、上記のいずれかに記載の抗菌・消臭組成物を、噴霧直後の抗菌・消臭組成物の粒子の最大粒径が300μm以下となるように噴霧することを特徴とする。
本発明においては、主に玄関における靴臭に起因する不快臭を消臭する消臭効果と不快臭発生原因を抑える抗菌効果とを併せ持つ抗菌・消臭組成物を提供できる。
また、本発明の抗菌・消臭組成物を用いて、効果的に抗菌・消臭できる抗菌・消臭方法を提供できる。
≪抗菌・消臭組成物≫
本発明の抗菌・消臭組成物は、抗菌性無機金属含有成分(A)と、窒素含有高分子(B)
と、ラベンダーエキス(C)を含有する。
以下、詳細に説明する。
<抗菌性無機金属含有成分:(A)成分>
本発明の(A)成分としては、抗菌性を有する無機金属を含有する成分であれば特に限定されないが、好ましくは固体状であり、抗菌性無機金属の酸化物、塩化物、硝酸塩、硫酸塩あるいは金属そのものを担体に担持した粒子状のもの等が好ましく選ばれる。
ここで、担体の具体例としては、リン酸塩類(リン酸ジルコニウム、リン酸カルシウム等)、金属酸化物(酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化ジリコニウム等)、無機化合物(ゼオライト、粘土鉱物、シリカゲル等)等が挙げられる。これらの担体は、単独または2種以上を用いてもよい。中でも、金属酸化物の担体に抗菌性無機金属酸化物を担持させたものが、担持強度の点から、より好ましい。
(A)成分中の抗菌性無機金属としては、抗菌性を有する金属であれば特に限定されないが、抗菌性に優れる銀、亜鉛、銅等が好ましく選ばれる。さらに好ましいものとして、抗菌性の効果の点から、銀が選ばれる。これら抗菌性無機金属は、単独または2種以上を用いてもよい。
本発明の最も好ましい抗菌性無機金属酸化物と担体との組合せは、コロイド状アルミナシリカに酸化銀を担持させたものである。(A)成分の具体例としては、例えば、(触媒化成工業(株)製)、商品名「ATOMY BALL−S」、「ATOMY BALL−L」、「ATOMY BALL−UA」のナノ粒子銀系無機抗菌剤などを使用することができる。
なお、(A)成分は、一種または2種以上を混合して用いることができる。また、(A)成分の組成物中の含有量としては、例えば、抗菌性無機金属として銀を含む(A)成分の場合、銀元素濃度に換算して0.0001質量%以上含有することが好ましい。より好ましくは、0.0001〜0.005質量%である。組成物中に抗菌性無機金属として銀を0.0001質量%以上含有することで抗菌能力が得られる。また、組成物中の銀の含有量が0.005質量%以下であれば、充分な抗菌能力が得られ、しかも、経済的にも許容される。
また、(A)成分が粒子状である場合の組成物中における分散粒子の平均粒子径は、1〜500nmであることが好ましく、さらには、1〜100nmであることがより好ましい。
ここで、平均粒子径とは、数平均粒子径であり、光散乱法により測定されるものである
。分散粒子の平均粒子径が500nm以下であれば粒子の分散状態が安定なものになり、さらに100nm以下であれば粒子の分散状態がより安定なものとなる。また、分散粒子の粒子径が小さいほど、菌と分散粒子との接触が容易となる観点から抗菌性に有利に作用
する。
<窒素含有高分子:(B)成分>
本発明の(B)成分としては、窒素含有高分子であれば特に限定されないが、例えば、ビニルピロリドン、エチレンイミン、アクリルアミド、および塩化ジメチルジアリルアンモニウムからなる群から選ばれる1種以上を重合させてなるホモポリマーやコポリマー、
またはアクリル酸および/またはその塩とアクリルアミドとのコポリマー、またはポリ(
メタ)アクリルアミドの部分加水分解物(「ポリ(メタ)アクリルアミド」はポリアクリ
ルアミドおよび/またはメタクリルアミドを示す。)等が挙げられる。また、塩化ジメチ
ルジアリルアンモニウムとアクリルアミドのコポリマーの他、塩化O−〔2−ヒドロキシ
−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル〕ヒドロキシエチルセルロースなどのカチオン
化セルロース、ポリアミノ酸などの塩基性高分子も挙げられる。これらの(B)成分は、1種または2種以上を用いることができるが、2種以上混合して用いるのが、抗菌・消臭
の観点から好ましい。
これら(B)成分の中では、(A)成分を安定的に配合でき、着色や沈降を生じない塩
基性ポリアミノ酸がより好ましい。塩基性ポリアミノ酸を構成するモノマーとしては、リ
ジン、ヒスチジン、アルギニンなどが挙げられる。さらに好ましいものとして、抗菌効果
の点から、ポリリジンが選ばれる。
ここで塩基性高分子とは、側鎖あるいは構成モノマー単位中に、アミノ基等を有しており、水溶液にしたときに塩基性を示し、酸性下でカチオン性を示すものをいう。
ポリリジンは、必須アミノ酸であるL−リジンの重合体である。ポリリジンには、α-ポリリジンやε-ポリリジンがあるが、L−リジンが直鎖状に結合した下記一般式(1)に示されるε-ポリリジンを用いることが好ましい。
本発明において、ε―ポリリジンは何れの方法によって得られたものであってもよく、具体的には例えば、特許第1245361号に記載のストレプトマイセス・アルプラス・サブスピーシーズ・リジノポリメラスを、グリセリン5質量%、酵母エキス0.5質量%、硫酸アンモニウム1質量%、リン酸水素二カリウム0.08質量%、リン酸二水素カリ
ウム0.136質量%、硫酸マグネシウム・7水和物0.05質量%、硫酸亜鉛・7水和物
0.004質量%、硫酸鉄・7水和物0.03質量%、pH6.8に調整した培地にて培養
し、得られた培養物から分離・採取することによって得られたε-ポリリジンを用いるこ
とができる。
また、ε―ポリリジンは、ペプチド合成に常用される固相法などを用いて、容易に合成
することが可能であり、市販のペプチドシンセサイザーなどによっても合成できる。さら
に、ε―ポリリジンは、リジンのペプチドのアミノ酸配列をコードする遺伝子を利用する
遺伝子工学的手法を用いて、微生物細胞、植物細胞、動物細胞において大量に生産するこ
とが可能である。ここで得られた粗合成ペプチドは、ゲル濾過、順相、逆相HPLC、イ
オン交換カラム精製など、通常の蛋白質・ペプチドの精製に用いられる手段により、更に
高純度化することが可能である。
また、本発明で用いる(B)成分の数平均分子量は、通常500〜100,000であ
り、好ましくは1,000〜50,000、より好ましくは2,000〜20,000である
。具体例として、例えば、ε―ポリリジンであるチッソ社製ポリリジン(数平均分子量約
4000、25%水溶液)が挙げられる。
本発明で(B)成分として用いる塩基性高分子は、水溶液中で塩基性を示し、酸化下で
カチオン性を示すものであり、(A)成分に加えることで抗菌効果を向上する。特に、塩
基性ポリアミノ酸であるε―ポリリジンは、高い除菌性能を有し、食品添加物であると同
時に、食品の防腐剤として用いられており、(B)成分として非常に好ましく使用できる

(B)成分の組成物中の含有量は、0.001〜10質量%であり、好ましくは0.0
05〜1質量%、さらに好ましくは0.005〜0.5質量%である。(B)成分の組成
物中の含有量を0.001質量%以上にすることにより抗菌効果が充分に得られ、上限値
の10質量%以下とすることにより、抗菌・消臭組成物を使用した後のシンク、壁、床、靴等の表面上で、べたつき等の問題が生じることを防ぐことができる。
本発明で用いる(A)成分および(B)成分は、悪臭を発生させる微生物の活動を抑制
することができるものであり、特に、皮脂を分解して中鎖アルデヒドや短鎖カルボン酸を
発生させる微生物の活動を効果的に抑制することができる。皮脂を分解して中鎖アルデヒドや短鎖カルボン酸を発生させる微生物としては、例えば、表皮ブドウ球菌が挙げられる
<ラベンダーエキス:(C)成分>
本発明の(C)成分としては、ラベンダーから抽出した水溶性および油溶性エキスが挙げられる。抽出方法は特に限定されないが、水、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコールまたはこれらの混合液で抽出する方法または水蒸気蒸留で抽出する方法が挙げられる。
(C)成分の具体例としては、組成物への配合の容易性からラベンダーエキスまたはラベンダー油を可溶化した組成物がさらに好ましい。市販品として、シムライズ社製 商品名「Flowerpone Lavender」が挙げられる。
(C)成分の組成物中の含有量は、0.02〜0.3質量%であり、好ましくは0.04〜0.2質量%、である。(C)成分は、靴臭の悪臭であり、既に発生してしまっている短鎖カルボン酸に化学的に作用して消臭することができるものである。
(C)成分の組成物中の含有量を0.02質量%以上にすることにより、例えば、靴臭の悪臭成分であるイソ吉草酸臭を抑える効果が得られる。また(C)成分の組成物中の含有量を上限値である0.3質量%を超えると、(C)成分に起因する匂いが強くなり消臭組成物として好ましくない。
<その他の任意成分>
本発明の抗菌・消臭組成物には、通常添加される添加剤等を使用することができる。例
えば、前記(A)成分、(B)成分、(C)成分の他、以下に例示する界面活性剤、溶剤
、香料、pH調整剤や、その他公知の水溶性高分子、安定化剤、天然抽出物、色素などを
任意に配合することができる。
〔界面活性剤〕
洗浄あるいは起泡等の目的により、界面活性剤を適宜配合することができる。界面活性
剤としては、陰イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤等、通常使
用されるものを用いることができる。
具体例としては、陰イオン性界面活性剤では、アルキル硫酸エステル塩、アルキルエー
テル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、α
−スルホ脂肪酸メチルエステル、脂肪酸塩、エーテルカルボン酸塩、アルキルリン酸塩等
が挙げられ、対イオン(陽イオン)は、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、
アルカノールアミンイオン、アンモニウムイオン等が挙げられる。
両性界面活性剤では、アルキルカルボキシベタイン、アルキルスルホベタイン等が挙げ
られる。
非イオン性界面活性剤では、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレ
ンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、脂肪酸ポリオキシエチレンアルキルエーテル
、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、脂肪酸ポリグリセリンエステル、脂肪
酸ショ糖エステル、脂肪酸アルカノールアミド、アルキルアミンオキサイド、アルキルア
ミドアミンオキサイド等が挙げられる。
界面活性剤は、単独または2種以上を用いてもよい。
〔溶剤〕
本発明の抗菌・消臭組成物には、成分の溶解等の目的により、溶剤を適宜配合すること
ができる。溶剤の具体例としては、水の他、メタノール、エタノール、n−プロパノール
、イソプロパノール、n−ブタノール、s−ブタノール、t−ブタノール、エチレングリ
コール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプ
ロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエー
テル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエ
ーテル、グリセリン、アルキルグリセリルエーテル、フェノキシエタノール等が挙げられ
る。上述した溶剤の中でも特に、布製品、家具、靴などの抗菌・消臭の対象物に組成物を塗布したことによるシミ発生等の悪影響のなさの点から、水以外の溶剤としてはエタノールが好ましい。水以外の溶剤の含有量としては、5〜60質量%が好ましく、さらに、10〜30質量%が好ましい。溶剤は、単独または2種以上を用いてもよい。
〔pH調整剤〕
本発明の抗菌・消臭組成物には、pH調整等の目的により、pH調整剤を適宜添加する
ことができる。pH調整剤は、特に限定するものではないが、具体例としては、水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウム、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノー
ルアミン、クエン酸及びその塩、安息香酸及びその塩、リンゴ酸及びその塩、塩酸、硫酸
及びその塩、リン酸及びその塩などが挙げられる。中でも特に、布製品、皮製品、家具などの抗菌・消臭の対象物に組成物を塗布したことによる粉ふき等の悪影響のなさの点から、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、安息香酸が好ましい。
≪抗菌・消臭方法≫
本発明の抗菌・消臭組成物は、適切な容器に収容されて製品とされる。ここで用いられ
る容器としては、抗菌・消臭組成物を抗菌・消臭の対象物に噴霧可能な噴霧装置を備える
容器であることが望ましい。また、本発明の抗菌・消臭組成物の使用方法は、特に限定さ
れるものではなく、例えば、任意の方法により抗菌・消臭の対象物に噴霧する方法などに
よって用いることができる。ここで用いられる噴霧装置としては、トリガー式スプレーヤ
ーにより噴霧する方式のもの、泡状もしくは霧状のエアゾールより噴霧する方式のものな
どが挙げられる。さらに好ましくは霧状トリガー式スプレーヤー、霧状エアゾール、霧状
ディスペンサー等が挙げられ、特に霧状トリガー式スプレーヤーが好ましい。
また、本発明の抗菌・消臭組成物を噴霧する方法においては、噴霧直後の抗菌・消臭組
成物の粒子の最大粒径が、望ましくは300μm以下、さらに好ましくは150μm以下
、特には100μm以下とする。噴霧直後の抗菌・消臭組成物の粒子の最大粒径を300
μm以下にすることにより、抗菌・消臭組成物が素早く乾くため好ましい。また、300
μm以下にすることにより、噴霧後の抗菌・消臭組成物の凝集を防ぎ、均一に噴霧するこ
とができる。なお、抗菌・消臭組成物の粒径が小さい程、速乾性が良好であるので、その
観点では下限値を規定する技術的意義はないが、最小粒径は10μm以上、好ましくは1
5μm以上、特には30μm以上であることが好ましい。噴霧直後の抗菌・消臭組成物の
粒子の最大粒径が10μm以上であることにより、噴霧後の舞い上がりを効果的に防ぎ、
不要部分への余分な噴霧を防ぎ、効率よく噴霧することができる。
なお、噴霧直後の抗菌・消臭組成物の粒子の粒径は東日コンピュータアプリケーション
ズ株式会社製の粒度分布測定装置(LDSA−1300A:商品名)を用いて、以下の条
件で測定することができる。
使用レンズ:300mm
焦点距離:30cm
噴霧距離:10cm
解析モデル式:ロジン・ラムラー式
また、噴霧直後の抗菌・消臭組成物の粒子の粒径は、例えば、噴霧装置を変更すること
、スプレーであればノズル部分の口径をかえること、圧力弁により噴霧圧量を調整するこ
と等、エアゾールであれば、ガス圧を調整すること等の方法により調整できる。
なお、本発明の抗菌・消臭組成物は、上述したように、抗菌・消臭の対象物に霧状トリ
ガー式スプレーヤーにより噴霧する方法によって用いることができるが、ボトル口より洗
浄剤を吐出する方法や、抗菌・消臭組成物を含浸させた不織布等のシートにより抗菌・消
臭の対象物に塗布する方法等を用いてもよい。
また、本発明の抗菌・消臭組成物の使用場所は、特に限定されるものではなく、例えば
、トイレ、浴室、キッチン、洗面所等で使用することができる。また、本発明の抗菌・消臭組成物によって抗菌・消臭する対象物としては、例えば、靴臭に起因する不快な臭いのする空気や、不快な臭いのする場所を挙げることができ、特に、玄関、下駄箱、靴など短鎖カルボン酸に起因する悪臭の消臭、イソ吉草酸などの短鎖カルボン酸を発生させる微生物の抗菌に効果的に使用される。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定
されるものではない。なお、以下に示す「%」は、特に断りがない限り純分換算の「質量
%」である。製品pH(25℃)は安息香酸または水酸化ナトリウムで5に調整した。
(実施例1〜6)(比較例1〜4)
抗菌・消臭組成物の調製に使用した原料を以下に列挙する。
原料(メーカ、商品名):
(A)成分
銀ナノコロイド:「ATOMYBALL UA」、銀ナノコロイド含有量*1:1.5質量%、Ag含有量*2:0.0686質量%、(触媒化成社製)
なお、上記および以下に示す表1および表2において、符号*1で示す銀ナノコロイド
含有量とは、乾燥・強熱残分の固形分換算値(140℃、2時間)を意味する。また、上
記の符号*2で示すAg含有量の測定方法を以下に示す。
*2:Ag含有量の測定方法
ATOMYBALL UAの原液を硝酸(試薬特級、和光純薬工業)および蒸留水で0
.1M硝酸水溶液となるように希釈し、測定試料を作成した。一方、銀イオン標準溶液(
1000ppm溶液、和光純薬工業)を測定試料と同様の操作で0.1M硝酸水溶液となるように希釈し、1ppmおよび0.01ppmの標準溶液を作成した。そして、測定試
料と標準試料の銀濃度を誘導結合プラズマ原子発光分析装置(Perkin Elmer
社製(Optima 5300 DV)を用いて測定し、得られた測定試料の発光強度を
標準溶液を用いた検量線法によりAg濃度に換算して定量値を得た。
(B)成分、
ポリリジン:(チッソ社製)
(C)成分
ラベンダーエキス:「Flowerpone Lavender」(シムライズ社製)
エタノール:試薬(関東化学)99.5V/V%
安息香酸:(伏見製薬社製)
水酸化ナトリウム:(日本曹達社製)
ポリオキシエチレンアルキルエーテル:「レオコールSC−120」(ライオン社製)
<評価方法>
調製した抗菌・消臭組成物を用いて、抗菌試験、消臭試験、実使用における防臭試験を
以下に示す方法にて実施した。
〔抗菌試験〕
(1)試験菌
1ヶ月着用後の布製靴から単離した代表菌5種を用いた。尚、単離した菌は表皮ブドウ球菌が属するStaphylococcus属の生菌数が最も多かった。
(2)菌液の調製
SCDLP培地で37℃、18〜24時間培養した試験菌をSCDLP培地に再度接種し、37℃、18〜24時間培養した。次いで、培養した菌体を生理食塩水に均一に分散させ、1mL当たりの菌数が約10CFUとなるように液を調製した。
(3)試験方法
20ml試験管に菌液1mlと試験サンプル9mlを添加して混合し、所定時間(5分間)静置した後に、中和剤(SCDLP液体培地)9mlに混合液1mlを添加する。この混合液中の生菌数をSCDLP寒天培地を用いた混釈平板培養法(37℃、48時間)により測定した。同様の操作を対照(Tween80:0.05%水溶液)についても行い、その生菌数の対数値から試験サンプルの生菌数の対数値を減算し、除菌活性値を算出する。
判定基準:○が合格範囲
○:5菌種全てにおいて除菌活性値が2 以上
×:除菌活性値が2未満の菌種が1種以上ある
〔消臭試験〕
[イソ吉草酸臭抑制試験]
450mLのガラスビン内に、5cm×5cmの綿布(かなきん3号)を入れ、0.005%イソ吉草酸/エタノール溶液50μLを滴下し、抗菌・消臭組成物1mLを入れて、密閉して室温にて2時間放置後、フタを開放し、ビン内の臭気強度を6段階臭気強度によりパネラー5名で測定し、平均値により算出した。
0:無臭
1:やっと感知できるにおい(検知閾値濃度)
2:何のにおいであるかがわかる弱いにおいい(認知閾値濃度)
3:らくに感知できるにおい
4:強いにおい
5:強烈なにおい
総合判定:○〜◎が合格範囲
◎:効果がある(6段階臭気強度平均値:2未満)
○:やや効果がある(6段階臭気強度平均値:2以上3未満)
△:わずかに効果がある(6段階臭気強度平均値:3以上4未満)
×:ほとんど効果がない(6段階臭気強度平均値:4以上)
〔実使用における防臭試験〕
60名の主婦に霧スプレー容器(ライオン(株)製エフイン500ナチュラルセットウ
ォーター容器)に入れた抗菌・消臭組成物を2週間使用してもらい、玄関まわりの防臭効果について、「効果がある」、「どちらともいえない」、「効果がない」の3段階評価をしてもらった。
(評価基準):○が合格範囲
○:効果がある(3段階評価にて効果があると回答した割合が50%以上)
△:やや効果がある(3段階評価にて効果があると回答した割合が30%以下)
×:効果がほとんどない(3段階評価にて効果があると回答した割合が10%以下)
なお、上記霧スプレー容器で噴霧した場合の粒径の測定を以下の方法により行った。
(粒径測定)
東日コンピュータアプリケーションズ株式会社製の粒度分布測定装置LDSA−130
0A(商品名)を用いて、以下の条件で測定した。
使用レンズ:300mm
焦点距離:30cm
噴霧距離:10cm
解析モデル式:ロジン・ラムラー式
測定結果は下記の通りであった。
最小粒径:15μm
最大粒径:250μm
以上の方法により得られた各評価結果を表1および表2に示す。
表1より、実施例1〜実施例6では、抗菌試験、消臭試験、実使用における防臭試験の結果に△および×の評価がなく、消臭効果と抗菌効果とを併せ持つことが確認できた。
これに対し、表2に示すように、ラベンダーエキス(C)を含まない比較例1、及び含有量が少ない比較例4では、消臭効果の評価で○が得られなかった。

Claims (4)

  1. 抗菌性無機金属含有成分(A)と、窒素含有高分子(B)と、ラベンダーエキス(C)とを含有することを特徴とする抗菌・消臭組成物。
  2. 前記(B)が塩基性ポリアミノ酸を含有することを特徴とする請求項1に記載の抗菌・消臭組成物。
  3. 前記(A)が、銀、銅、亜鉛から選択される少なくとも1種の抗菌性無機金属を含有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の抗菌・消臭組成物。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の抗菌・消臭組成物を、噴霧直後の抗菌・消臭組
    成物の粒子の最大粒径が300μm以下となるように噴霧することを特徴とする抗菌・消
    臭方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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