JPWO2015159816A1 - 自噴式空間処理剤 - Google Patents
自噴式空間処理剤 Download PDFInfo
- Publication number
- JPWO2015159816A1 JPWO2015159816A1 JP2016513758A JP2016513758A JPWO2015159816A1 JP WO2015159816 A1 JPWO2015159816 A1 JP WO2015159816A1 JP 2016513758 A JP2016513758 A JP 2016513758A JP 2016513758 A JP2016513758 A JP 2016513758A JP WO2015159816 A1 JPWO2015159816 A1 JP WO2015159816A1
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- component
- agent
- silver
- space
- self
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Classifications
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A01—AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
- A01N—PRESERVATION OF BODIES OF HUMANS OR ANIMALS OR PLANTS OR PARTS THEREOF; BIOCIDES, e.g. AS DISINFECTANTS, AS PESTICIDES OR AS HERBICIDES; PEST REPELLANTS OR ATTRACTANTS; PLANT GROWTH REGULATORS
- A01N25/00—Biocides, pest repellants or attractants, or plant growth regulators, characterised by their forms, or by their non-active ingredients or by their methods of application, e.g. seed treatment or sequential application; Substances for reducing the noxious effect of the active ingredients to organisms other than pests
- A01N25/02—Biocides, pest repellants or attractants, or plant growth regulators, characterised by their forms, or by their non-active ingredients or by their methods of application, e.g. seed treatment or sequential application; Substances for reducing the noxious effect of the active ingredients to organisms other than pests containing liquids as carriers, diluents or solvents
- A01N25/04—Dispersions, emulsions, suspoemulsions, suspension concentrates or gels
- A01N25/06—Aerosols
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A01—AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
- A01N—PRESERVATION OF BODIES OF HUMANS OR ANIMALS OR PLANTS OR PARTS THEREOF; BIOCIDES, e.g. AS DISINFECTANTS, AS PESTICIDES OR AS HERBICIDES; PEST REPELLANTS OR ATTRACTANTS; PLANT GROWTH REGULATORS
- A01N25/00—Biocides, pest repellants or attractants, or plant growth regulators, characterised by their forms, or by their non-active ingredients or by their methods of application, e.g. seed treatment or sequential application; Substances for reducing the noxious effect of the active ingredients to organisms other than pests
- A01N25/18—Vapour or smoke emitting compositions with delayed or sustained release
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A01—AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
- A01N—PRESERVATION OF BODIES OF HUMANS OR ANIMALS OR PLANTS OR PARTS THEREOF; BIOCIDES, e.g. AS DISINFECTANTS, AS PESTICIDES OR AS HERBICIDES; PEST REPELLANTS OR ATTRACTANTS; PLANT GROWTH REGULATORS
- A01N25/00—Biocides, pest repellants or attractants, or plant growth regulators, characterised by their forms, or by their non-active ingredients or by their methods of application, e.g. seed treatment or sequential application; Substances for reducing the noxious effect of the active ingredients to organisms other than pests
- A01N25/24—Biocides, pest repellants or attractants, or plant growth regulators, characterised by their forms, or by their non-active ingredients or by their methods of application, e.g. seed treatment or sequential application; Substances for reducing the noxious effect of the active ingredients to organisms other than pests containing ingredients to enhance the sticking of the active ingredients
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A01—AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
- A01N—PRESERVATION OF BODIES OF HUMANS OR ANIMALS OR PLANTS OR PARTS THEREOF; BIOCIDES, e.g. AS DISINFECTANTS, AS PESTICIDES OR AS HERBICIDES; PEST REPELLANTS OR ATTRACTANTS; PLANT GROWTH REGULATORS
- A01N59/00—Biocides, pest repellants or attractants, or plant growth regulators containing elements or inorganic compounds
- A01N59/16—Heavy metals; Compounds thereof
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61L—METHODS OR APPARATUS FOR STERILISING MATERIALS OR OBJECTS IN GENERAL; DISINFECTION, STERILISATION OR DEODORISATION OF AIR; CHEMICAL ASPECTS OF BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES; MATERIALS FOR BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES
- A61L9/00—Disinfection, sterilisation or deodorisation of air
- A61L9/01—Deodorant compositions
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61L—METHODS OR APPARATUS FOR STERILISING MATERIALS OR OBJECTS IN GENERAL; DISINFECTION, STERILISATION OR DEODORISATION OF AIR; CHEMICAL ASPECTS OF BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES; MATERIALS FOR BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES
- A61L9/00—Disinfection, sterilisation or deodorisation of air
- A61L9/14—Disinfection, sterilisation or deodorisation of air using sprayed or atomised substances including air-liquid contact processes
Abstract
Description
本願は、2014年4月16日に、日本に出願された特願2014−084755号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
空間処理剤を用いることにより、掃除の手間を軽減でき、清潔な空間を手軽に維持できる。
また、特許文献2には、防黴成分としてジンクピリチオン等の有機系薬剤と、展着成分としてヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール等の水溶性高分子との混合液を自噴により噴霧又は燻煙・燻蒸する方法が開示されている。
[1] (A)成分:銀、銀化合物、又は銀若しくは銀化合物の担持体と、(B)成分:下記一般式(I)で表される化合物と、を含有する、自噴式空間処理剤。
R1−O−(AO)x−R2 ・・・(I)
(式(I)中、R1及びR2はそれぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜6の炭化水素基を表し、AOはオキシアルキレン基を表す。 (AO)xは、オキシエチレン基と、オキシプロピレン基及びオキシブチレン基の少なくとも一方とを含み、xは20〜500の数である。)
[2] 前記(AO)xは、オキシエチレン基とオキシプロピレン基とを含む、[1]に記載の自噴式空間処理剤。
[3] 前記(AO)xは、オキシエチレン基がオキシプロピレン基で挟まれたトリブロック型である、[1]又は[2]に記載の自噴式空間処理剤。
[4] 前記一般式(I)で表される化合物が
R1−O−(PO)f−(EO)g−(PO)h−R2 ・・・(iii)
である[3]に記載の自噴式空間処理剤。
(式(iii)中、fは5〜150、gは5〜250、hは5〜150であり、f、g、及びhの和は前記xの値と同一である。)
[5] 前記一般式(I)で表される化合物のR1及びR2が水素原子である[1]〜[4]のいずれか1つに記載の自噴式区間処理剤。
[6] (C1)成分:有機発泡剤をさらに含有する、[1]〜[5]のいずれか1つに記載の自噴式空間処理剤。
[7] (B)成分/(C1)成分で表される質量比が0.01〜0.5である、[6]に記載の自噴式空間処理剤。
[8] (C2)成分:噴射剤をさらに含有する、[1]〜[5]のいずれか1つに記載の自噴式空間処理剤。
[9] (B)成分/(C2)成分で表される質量比が0.01〜0.25である、[8]に記載の自噴式空間処理剤。
また、本発明の一つの側面は、浴室用の自噴式防カビ剤である。
本発明の別の側面は、浴室の内壁に展着される自噴式防カビ剤である。
本発明の対象とする空間の広さは、例えばシャワールームの広さ〜公共浴場の広さである。本発明の対象とする空間の広さは、例えば0.5m3〜150m3である。
本発明の別の側面は、頻繁に水が用いられる空間において用いる、その空間の内壁に展着される自噴式防カビ剤である.
本発明の別の側面は、浴室用の自噴式であるカビの繁殖防止剤である。
本発明の別の側面は、浴室用の自噴式である細菌の繁殖防止剤である。
本発明の別の側面は、浴室用の自噴式殺菌剤である。
本発明の別の側面は、浴室用の自噴式殺カビ剤である。
本発明の別の側面は、(A)成分:銀、銀化合物、又は銀若しくは銀化合物の担持体と、(B)成分:下記一般式(I)で表される化合物と、(C1)成分:有機発泡剤と、を含有する燻煙剤が充填された燻煙剤収容部と、前記燻煙剤を加熱する加熱部とを有する燻煙装置である。
R1−O−(AO)x−R2 ・・・(I)
(式(I)中、R1及びR2はそれぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜6の炭化水素基を表し、AOはオキシアルキレン基を表す。 (AO)xは、オキシエチレン基と、オキシプロピレン基及びオキシブチレン基の少なくとも一方とを含み、xは20〜500の数である。)
本発明の別の側面は、前記加熱部で生じた熱を前記燻煙剤に伝える伝熱部を有する燻煙装置である。
本発明の別の側面は、前記燻煙装置に収容された燻煙剤である。
本発明の別の側面は、前記燻煙装置を製造するための前記燻煙剤の使用である。
本発明の別の側面は、(A)成分:銀、銀化合物、又は銀若しくは銀化合物の担持体と、(B)成分:下記一般式(I)で表される化合物と、(C2)成分:噴射剤と、を含有する全量噴射エアゾール剤がスプレー缶に充填された全量噴射エアゾール装置であって、全量噴射エアゾール装置は、スプレー缶の上部にノズルキャップを備え、ノズルキャップは押されて噴射位置に固定される押しボタンと、押しボタンが噴射位置に固定されるとスプレー缶の内容物が全量噴射されるノズルとを備える全量噴射エアゾール装置。
R1−O−(AO)x−R2 ・・・(I)
(式(I)中、R1及びR2はそれぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜6の炭化水素基を表し、AOはオキシアルキレン基を表す。 (AO)xは、オキシエチレン基と、オキシプロピレン基及びオキシブチレン基の少なくとも一方とを含み、xは20〜500の数である。)
本発明の別の側面は、前記全量噴射エアゾール剤が全量噴射エアゾール容器に収容された全量噴射エアゾール装置であって、前記全量噴射エアゾール容器は、容器に被さるキャップ本体と、前記全量噴射エアゾール剤を全量噴射させる押しボタンとを備えるものである全量噴射エアゾール装置。
本発明の別の側面は、前記全量噴射エアゾール装置に収容された全量噴射エアゾール剤である。
本発明の別の側面は、前記全量噴射エアゾール装置を製造するための前記全量噴射エアゾール剤の使用である。
以下、本発明を詳細に説明する。
なお、本発明において「防カビ」には、細菌、カビ等の微生物の繁殖を防ぐこと、及びこれら微生物を死滅させること(殺菌、殺カビ)を含む。以下、細菌、カビ等の微生物を死滅させることを特に「殺カビ」ともいう。
また、本発明において「自噴式」とは、作業者がその場にいなくても、固体や液体の防カビ剤等の空間処理剤の有効成分の噴霧を継続できる方式のことである。
自噴式の形態としては、例えば全量噴射型の燻煙剤(燻蒸剤)や、全量噴射型のエアゾール製剤(全量噴射エアゾール剤)などがある。
全量噴射型の燻煙剤(燻蒸剤)は、有効成分及び有機発泡剤を含む空間処理剤を、酸化カルシウムと水との反応熱を利用して間接加熱方式により加熱して、有機発泡剤を自己分解させて空間処理剤の噴射を引き起こすことにより有効成分を噴霧する方式を用いている。なお、マッチ頭薬などを用いて有機発泡剤に点火し、有機発泡剤の熱分解により空間処理剤を噴射する方式を用いるものも、全量噴射型の燻煙剤(燻蒸剤)に含まれる。
一方、全量噴射型のエアゾール製剤は、有効成分及び噴射剤を含む空間処理剤を耐圧容器に充填し、任意の噴射手段により容器内容物のほぼ全量を一度の操作(バルブの開放等)で容器外に噴射させる方式を用いている。
(A)成分は、銀、銀化合物、又は銀若しくは銀化合物の担持体である。空間処理剤は(A)成分を含有することにより、防カビ効果を奏する。すなわち、本発明における有効成分は、(A)成分である。防カビ効果を奏することで、微生物の増殖による臭気を抑制でき、防臭効果も奏する。
銀とは、銀単体のことである。
銀化合物としては、例えば酸化銀;塩化銀、硝酸銀、硫酸銀、炭酸銀、スルホン酸銀等の無機銀塩;蟻酸銀、酢酸銀等の有機銀塩などが挙げられる。
銀又は銀化合物の担持体を用いる場合、担持体中の銀の割合としては、担持体中の銀の質量が、担持体の全質量に対して、例えば0.01〜10質量%、0.05〜1.5質量%が用いられる。
(A)成分は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
例えば、(A)成分の体積平均粒子径は、0.01〜1000μmが好ましく、0.5〜100μmがより好ましく、1〜5μmがさらに好ましい。本発明の空間処理剤においては、このような比較的大きな粒子径の(A)成分であっても、煙化して拡散することができる。ここで、空間処理剤を「煙化する」とは、(A)成分を対象空間に拡散させた状態にすることを意味する。
なお、体積平均粒子径は、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置により求められる値をいい、(A)成分の体積平均粒子径は次のようにして測定できる。(A)成分を固形分1質量%となるように蒸留水に分散して試料とする。この試料をレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置に投入し、装置内で超音波によって分散後、レーザーを照射して粒度分布を測定する。体積頻度の累積が50%(体積)となる径を平均粒子径とする。
(B)成分は下記一般式(I)で表される化合物である。
R1−O−(AO)x−R2 ・・・(I)
(式(I)中、R1及びR2はそれぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜6の炭化水素基を表し、AOはオキシアルキレン基を表す。(AO)xは、オキシエチレン基と、オキシプロピレン基及びオキシブチレン基の少なくとも一方とを含み、xは20〜500の数である。)
(B)成分は有効成分である(A)成分を処理面、すなわち空間処理剤による処理の対象となる面に付着させ、その場に留めておく効果(すなわち展着効果)を有する。よって、空間処理剤は(B)成分を含有することにより、浴室の壁などの頻繁に水が流れるような場所においても、処理面に付着した(A)成分が水で洗い流されにくいため、防カビ効果を持続できる。しかも、(B)成分と(A)成分との併用により防カビ効果(特に殺カビ効果)がより向上する。
R1又はR2の炭化水素基としては、直鎖状又は分岐状の炭化水素基が挙げられる。R1及びR2としては、炭素数1〜3の炭化水素基及び水素が好ましく、水素がより好ましい。
xは、一般式(I)で表される化合物中のAOの繰り返し数の総数の平均(平均総付加モル数)を意味し、20〜500の数であり、30〜180の数が好ましい。xが上記範囲内であれば、優れた殺カビ効果、防カビ効果の持続性を発揮することができる。xの値は、当該分野で通常の合成技術でコントロールが可能である。
R1−O−(EO)a−(PO)b−R2 ・・・(i)
R1−O−(EO)c−(PO)d−(EO)e−R2 ・・・(ii)
R1−O−(PO)f−(EO)g−(PO)h−R2 ・・・(iii)
式(i)中、aはEOの平均繰返し数(平均付加モル数)を表し、10〜300の数が好ましく、10〜200の数がより好ましい。bはPOの平均繰返し数(平均付加モル数)を表し、5〜250の数が好ましく、10〜60の数がより好ましい。ただし、a、及びbの和は前記xの値と同一である。
式(ii)中、cはEOの平均繰返し数(平均付加モル数)を表し、5〜150の数が好ましく、10〜100の数がより好ましい。dはPOの平均繰返し数(平均付加モル数)を表し、5〜250の数が好ましく、10〜60の数がより好ましい。eはEOの平均繰返し数(平均付加モル数)を表し、5〜150の数が好ましく、10〜100の数がより好ましい。ただし、c、d、及びeの和は前記xの値と同一である。
式(iii)中、fはPOの平均繰返し数(平均付加モル数)を表し、5〜150の数が好ましく、10〜30の数がより好ましい。gはEOの平均繰返し数(平均付加モル数)を表し、5〜250の数が好ましく、5〜30の数がより好ましい。hはPOの平均繰返し数(平均付加モル数)を表し、5〜150の数が好ましく、10〜30の数がより好ましい。ただし、f、g、及びhの和は前記xの値と同一である。
(B)成分の質量平均分子量は、溶媒としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いてGPC(ゲルパーミネーションクロマトグラフィー)により測定した値を、PEG(ポリエチレングリコール)を較正曲線に用いて換算した値である。
また、(B)成分としては、各種の刊行物等に記載された方法により合成したものを用いてもよい。
(B)成分は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明の空間処理剤の剤形としては、燻煙剤(燻蒸剤)、及び全量噴射エアゾール剤が挙げられる。また、本発明において、燻煙剤と燻蒸剤は同義である。本発明において、「燻煙剤(燻蒸剤)」とは、燻煙剤又は燻蒸剤のことをいう。
燻煙剤とは、種々の燃焼剤、発泡剤等を混合した発熱性基剤と、防カビ剤としての有効成分とを主成分とする薬剤である。使用時において燻煙剤を加熱すると、発熱性基剤が燃焼又は分解することで煙(ガス及び微粒子)が発生し、この煙の作用により有効成分が空気中に揮散する。
以下、本発明の空間処理剤を燻煙剤(燻蒸剤)として用いる場合と、全量噴射エアゾール剤として用いる場合とに分けて、さらに本発明を説明する。
本発明の空間処理剤を燻煙剤として用いる場合、空間処理剤は有機発泡剤(以下、「(C1)成分」という。)をさらに含有することが好ましい。本発明の一つの側面として、空間処理剤を燻煙剤として用いる場合、空間処理剤すなわち燻煙剤は、下記に説明する燻煙容器の燻煙剤収容部に収容される組成物のことをいう。
(C1)成分は、加熱により(A)成分及び(B)成分と発泡溶融し、有機発泡剤の熱分解、あるいは燃焼ガスの作用によって(A)成分及び(B)成分を煙化させる成分である。
これらの中でも、分解温度が低く、発泡ガスの発生量が多い点で、アゾジカルボンアミド、ニトロセルロースが好ましい。
燃焼助剤としては、例えば酸化亜鉛、酸化マグネシウム、尿素、メラミン、メラミン誘導体(工業用メラミン、硝酸メラミン、メラミンホルマリン樹脂等)などが挙げられる。空間処理剤の全質量(すなわち燻煙容器の燻煙剤収容部に充填される内容物の総質量)に対する空間処理剤中の燃焼助剤の質量の割合は、0.5〜5質量%が好ましく、1〜3質量%がより好ましい。
安定化剤としては、例えばソルビタン脂肪酸エステル、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸プロピル、エポキシ化合物(エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油等)などが挙げられる。空間処理剤の全質量(燻煙容器の燻煙剤収容部に充填される内容物の総質量)に対する空間処理剤中の安定化剤の質量の割合は、0.01〜15質量%が好ましく、1〜10質量%がより好ましい。
結合剤としては、セルロース系化合物(メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースとそのCa塩及びNa塩、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等)、デンプン系化合物(デンプン、α化デンプン、デキストリン、ヒドロキシプロピルスターチ、カルボキシメチルスターチNa塩等)、天然物系化合物(アラビアゴム、アルギン酸Na、トラガント、ゼラチン等)、合成高分子系化合物(ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸ナトリウム等)等が挙げられる。空間処理剤の全質量(燻煙容器の燻煙剤収容部に充填される内容物の総質量)に対する空間処理剤中の結合剤の質量の割合は、0.1〜10質量%が好ましく、2〜6質量%がより好ましい。
賦形剤としては、例えばクレー、タルク、珪藻土、カオリン、ベントナイト、ホワイトカーボン、炭酸カルシウムなどが挙げられる。本願においてクレーとは、ケイ酸アルミニウムや石英を含む、ろう石(パイロフィライト Pyrophylliteを含む)等の粘土鉱物から工業的に精製した白色粉状の製品を言い、微細な粒子を含むものである。クレーの体積平均粒子径は、0.1〜100μmが好ましく、1〜30μmがさらに好ましい。体積平均粒子径はレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置により求められる値をいう。クレーとしては、例えば酸化ケイ素、ケイ酸アルミニウムを含むものが挙げられる。
空間処理剤の全質量に対する空間処理剤中の賦形剤の質量の割合は、2〜50質量%が好ましく、10〜30質量%がより好ましい。これら添加剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
図1は、本発明の燻煙装置10の断面図である。燻煙装置10は、筐体11と、筐体11の内部に設けられた加熱部12と、筐体11の内部に設けられた燻煙剤13とで概略構成されている。筐体11は略円筒状の本体14と、底部15と、蓋部16とで構成されている。筐体11内には、燻煙剤収容部17が設けられ、燻煙剤収容部17には燻煙剤が充填されている。
本発明の空間処理剤を燻煙剤として用いる場合の空間処理剤の製造方法について説明する。本発明の燻煙剤は、目的とする形状に応じて公知の製造方法を採用でき、例えば、押出し造粒法、圧縮造粒法、撹拌造粒法、転動造粒法、流動層造粒法等が挙げられる。押出し造粒法が好ましい。
押出し造粒法の具体例としては、(A)成分、(B)成分、(C−1)成分、及び各種添加剤をニーダーで攪拌混合した後、組成全量を100質量部とし、0.1〜15質量部、より好ましくは8〜12質量部の水を加えて、混合し混合物を得る。得られた混合物を一定面積の開孔を有する金型(ダイスともいう)を用いた前押出しあるいは横押出し造粒機により造粒し、造粒物を得る。得られた造粒物をカッターやフラッシュミル等により切断して乾燥させ、直径1〜5mm、好ましくは直径1.5〜3mm、長さが2〜20mm、好ましくは5〜10mmの顆粒状の燻煙剤を得る。
空間処理剤を燻煙剤として用いる場合の一態様としては、燻煙容器の燻煙剤収容部に燻煙剤1〜50gを収容し、さらに燻煙容内の加熱部に酸化カルシウム10〜80gを収容し、燻煙装置を作製する。
全量噴射エアゾール剤は、液剤(薬液)及び噴射剤(以下、「(C2)成分」ともいう。)をいい、耐圧容器(以下、「全量噴射エアゾール容器」ともいう。)に充填して用いる。全量噴射エアゾール剤を全量噴射エアゾール容器に充填したものを全量噴射型エアゾール装置という。全量噴射型エアゾール装置は、任意の噴射手段により、全量噴射エアゾール容器の内容物のほぼ全量を、一度の操作(バルブの開放等)で容器外に噴射させることができるものである。
本発明の空間処理剤を全量噴射エアゾール剤として用いる場合、空間処理剤は有効成分を溶解又は分散させる溶剤をさらに含有することが好ましい。
(C2)成分は、(A)成分及び(B)成分が溶剤中に溶解又は分散した液剤のほぼ全量を、一度の操作(バルブの開放等)で全量噴射エアゾール容器外に噴射させる成分である。
噴射剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、(C2)成分として他の噴射剤を、噴射性能の調整等のために若干配合しても問題ないが、他の噴射剤が多くなると問題が生じるおそれがある。例えば(C2)成分が、液化石油ガス(LPG)のみの場合、他の成分との相溶性に問題を生じるおそれがある。
また、圧縮ガスのみの場合、噴射の勢いが不足し、浴室の天井まで(A)成分及び(B)成分が十分に到達しないおそれがある。
(C2)成分は、ジメチルエーテルのみからなることが特に好ましい。
空間処理剤における溶剤の含有量、すなわち全量噴射エアゾール容器に充填される内容物の総質量に対する溶剤の質量の割合は、1〜30質量%が好ましく、10〜20質量%がより好ましい。
溶剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、空間処理剤には、本発明の効果を損なわない範囲で、香料、色素など他の添加剤が必要に応じて配合されてもよい。
以下、本発明を適用した全量噴射エアゾール装置に用いる全量噴射エアゾール容器の一つの態様について、図2、3を参照して詳細に説明する。なお、本発明の全量噴射エアゾール容器は、任意の噴射手段により、容器内容物のほぼ全量を一度の操作(バルブの開放等)で全量噴射エアゾール容器外に噴射させることができるものであればよく、以下に説明される容器に限定されない。
本発明の空間処理剤を全量噴射エアゾール剤として用いる場合の全量噴射型エアゾール装置の製造方法について説明する。(A)成分、(B)成分、溶剤、及び各種添加剤を混合して薬液を調製する。得られた薬液を、全量噴射エアゾール容器に入れ、さらに(C2)成分を充填して空間処理剤を得る。例えば、噴射剤としてジメチルエーテルを用いた場合、全量噴射エアゾール剤は容器の内圧が、25℃において0.3〜0.6MPaとなるように充填するのが好ましく、0.4〜0.5MPaとなるように充填するのがより好ましい。
空間処理方法としては、特に限定されず、空間処理剤の剤形に応じて、燻煙装置による燻煙処理、全量噴霧エアゾール装置による噴霧処理など、従来公知の方法を利用できる。
例えば、空間処理剤を燻煙剤として用いる場合の使用方法としては、一般的な燻煙剤の使用方法と同様の方法を用いることができる。具体的には、金属製容器、セラミック製容器等の任意の容器に空間処理剤を収容し、空間処理剤を間接的又は直接的に加熱して使用する。
間接的に加熱する方法としては、例えば、金属製の容器に空間処理剤を収容し、この金属製の容器を介して燻煙剤を加熱する方法が挙げられる。
加熱方法としては、従来公知の方法を用いることができ、例えば、水と接触して発熱する物質を水と接触させ、その反応熱を利用する方法;鉄粉と酸化剤(塩素酸アンモニウム等)とを混合し、又は金属と前記金属よりイオン化傾向の小さい金属酸化物もしくは酸化剤とを混合し、その酸化反応熱を利用する方法等が挙げられる。中でも、実用性の観点から、水と接触して発熱する物質を水と接触させ、その反応熱を利用する方法が好ましい。水と接触して発熱する物質としては、酸化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化アルミニウム、塩化カルシウム、塩化鉄等が挙げられる。中でも、酸化カルシウムが好ましい。
直接的に加熱する方法としては、マッチ頭薬などを用い、発熱体(点火具)に点火することにより空間処理剤の一部を直接加熱し、その後空間処理剤中の有機発泡剤が加熱により熱分解されることにより発生する熱を利用する方法などが挙げられる。
本発明においては、特に、本発明の空間処理剤を、空間1m3当たり、銀濃度に換算して0.03mg以上となる量で用いることが好ましく、0.25〜3mgとなる量がより好ましい。
以上説明した本発明の空間処理剤は自噴式であるため、例えば浴室の天井や、壁面の高い部分等の、手が届きにくいところにある処理面にまで(A)成分が到達し、優れた防カビ効果が発揮される。
加えて、本発明の空間処理剤は、上述した(A)成分と(B)成分とを含有するので、(A)成分が処理面に付着しやすい。よって、浴室の壁などの頻繁に水が流れるような場所においても、処理面に付着した(A)成分が水で流れにくく、防カビ効果を持続できる。
上記効果が得られる理由としては以下のことが考えられる。すなわち、(A)成分及び(B)成分を含む液滴が適度に増粘し、処理面に良好に付着し、付着した後も処理面から流れ落ちにくく、また水がかかっても洗い流されにくくその場に留まりやすいため、防カビ効果を持続できると考えられる。
本発明の空間処理剤の処理対象としては、密閉可能であれば特に限定されず、例えば浴室、洗面所、キッチン、トイレ、リビング、押入れ等が挙げられる。
本発明の有用性の観点から、本発明の空間処理剤は、浴室の防カビ用として特に好適である。
(A)成分として、以下に示す化合物を用いた。
・A−1:銀担持ゼオライト系無機抗菌剤(株式会社シナネンゼオミック製、「ゼオミックAJ10N」、体積平均粒子径2.5μm、真比重2g/cm3(20℃)、嵩比重0.4g/cm3(20℃)、銀含量2.5質量%)
・A−2:銀担持シリカ・アルミナ系無機抗菌剤(日揮触媒化成株式会社製、「ATOMY BALL−(UA)」、体積平均粒子径15nm、銀含量0.07質量%)
・A−3:銀担持ケイ酸塩系無機抗菌剤(日揮触媒化成株式会社製、「AIS−NAZ320」、体積平均粒子径2μm、銀含量1.2質量%、)
・A−4:水溶性銀系抗菌剤(株式会社J−ケミカル製、「CF−01」、水溶性銀として酸化銀、銀含量2.5質量%)
・B−1:H−O−(PO)14−(EO)24−(PO)14−H
・B−2:H−O−(PO)20−(EO)18−(PO)20−H
・B−3:H−O−(EO)15−(PO)30−(EO)15−H
・B−4:H−O−(EO)80−(PO)50−(EO)80−H
プロピレングリコール(1モル)と触媒量の水酸化カリウムとをオートクレーブに仕込み、オートクレーブ内を窒素で置換した後、減圧下で脱水を行った。
ついで、オートクレーブ内の温度を120℃、圧力を0.3MPa以下に維持しつつ、プロピレンオキシド(14モル)を導入し、攪拌しながら反応させ、PO付加体を得た(一段階目)。
引き続き、オートクレーブ内の温度を150℃、圧力を0.3MPa以下に維持しつつ、エチレンオキシド(24モル)を導入し、攪拌しながら反応させ、PO−EO付加体を得た(二段階目)。
引き続き、オートクレーブ内の温度を120℃、圧力を0.3MPa以下に維持しつつ、プロピレンオキシド(14モル)を導入し、攪拌しながら反応させた後(三段階目)、冷却し、酢酸にてpH=6〜8に調整し、B−1を得た。
得られたB−1の質量平均分子量をGPCにより測定したところ、2800であった。
一段階目で用いるプロピレンオキシドのモル量を20モル、二段階目で用いるエチレンオキシドのモル量を18モル、三段階目で用いるプロピレンオキシドのモル量を20モルに変更した以外は、B−1と同様にしてB−2を得た。
得られたB−2の質量平均分子量をGPCにより測定したところ、3350であった。
一段階目においてプロピレンオキシド(14モル)の代わりに、エチレンオキシド(15モル)を用い、二段階目においてエチレンオキシド(24モル)の代わりに、プロピレンオキシド(30モル)を用い、かつ三段階目においてプロピレンオキシド(14モル)の代わりに、エチレンオキシド(15モル)を用いた以外は、B−1と同様にしてB−3を得た。
得られたB−3の質量平均分子量をGPCにより測定したところ、2900であった。
一段階目においてプロピレンオキシド(14モル)の代わりに、エチレンオキシド(80モル)を用い、二段階目においてエチレンオキシド(24モル)の代わりに、プロピレンオキシド(50モル)を用い、かつ三段階目においてプロピレンオキシド(14モル)の代わりに、エチレンオキシド(80モル)を用いた以外は、B−1と同様にしてB−4を得た。
得られたB−4の質量平均分子量をGPCにより測定したところ、10000であった。
・B’−1:ポリエチレングリコール(ライオン株式会社製、「PEG#6000」、質量平均分子量:6000)
・B’−2:ポリビニルアルコール(関東化学株式会社製、質量平均分子量:22000)
・B’−3:ポリアクリル酸ナトリウム塩(株式会社日本触媒製、「アクアクリックYS100」、質量平均分子量:2800)
・B’−4:C18H37−O−(PO)6−(EO)28−(PO)2−H(ライオン株式会社製、「FP−7800E」、質量平均分子量:2200)
・C1−1:アゾジカルボンアミド(大日精化工業株式会社製、「ダイブローAC.2040(C)」)
・C1−2:ニトロセルロース(T.N.C.INDUSTRIAL CO.,LTD.製、「TV綿」)
・C2−1:ジメチルエーテル(三菱ガス化学株式会社製)
・EtOH:エタノール(試薬特級、純正化学株式会社製)
・ZnO:酸化亜鉛(日本薬局方 酸化亜鉛、堺化学工業株式会社製、平均粒子径0.6μm、真比重5.6g/cm3(20℃))
・HPMC:ヒドロキシプロピルメチルセルロース(信越化学工業株式会社製、「メトローズ60SH−50」)
・クレー:昭和KDE株式会社製、「NK−300」SiO2 75質量%、Al2O3・2SiO2・2H2O 25%、平均粒子径 10μm。
<防カビ効果の持続性の評価>
まず、図4に示すように、1818タイプ(メーターモジュール用)の浴室とほぼ同体積の密閉可能な評価室(床面から天井面までの高さ:約2m)40の天井面の中央に、2枚のスライドガラス(松浪硝子工業株式会社製、白縁磨No.2、76×26mm)41、42を並べて取り付けた。
つぎに、各実施例で作製した装置(燻煙装置又は全量エアゾール噴射型装置)43を評価室40の中央床面に置き、内容物を噴射した(噴射処理)。
内容物の噴射の開始から90分後に評価室40内の空気を排気し、2枚のスライドガラス41、42を回収した。
回収したスライドガラス41、42の一方を、水道水約1L(スライドガラス全体が浸かる量)及び撹拌子を入れた1Lビーカーに入れ、攪拌子を500rpmで攪拌しながら1分間、水処理した後に取り出して室温乾燥させた。これは、実家庭の浴室において、噴射処理後、床や壁の処理面に水がかかることを想定したものである。
なお、回収したスライドガラスのうち、水処理したスライドガラスを「スライドガラス(SG1)」とし、水処理していないスライドガラスを「スライドガラス(SG2)」とする。また、噴射処理していない未処理のスライドガラスを「スライドガラス(SG3)」とする。
0.1mLの胞子液をスライドガラス(SG1)、スライドガラス(SG2)、スライドガラス(SG3)にそれぞれ接種した。
胞子液を接種したスライドガラス(SG1)、スライドガラス(SG2)、スライドガラス(SG3)の各々に、20mm×20mmに切断したフィルム(JIS Z 2801(抗菌加工製品の抗菌性試験方法・抗菌効果)に記載のフィルム)を、胞子液を覆うようにかぶせて、25℃、相対湿度98%以上の条件にて7日間培養した。
培養後、スライドガラス(SG1)、スライドガラス(SG2)、スライドガラス(SG3)からスライドガラス上の全ての菌を回収し、計測可能な濃度となるように生理食塩水で適宜希釈したものを、ポテトデキストロース寒天培地に塗抹接種して、25℃にて5日間培養した後、目視により、形成されたコロニー数を計測した。本条件では培養後のスライドガラス(SG3)から回収される生菌数は1×104〜9×104CFUになる。
計測したコロニー数と菌液の希釈倍率からスライドガラス(SG1)、スライドガラス(SG2)、スライドガラス(SG3)の生菌数(CFU/スライドガラス(SG))を求めた。スライドガラス(SG1)、スライドガラス(SG2)の生菌数の変化から、水がかかった場合の防カビ効果の持続性を評価した。
スライドガラス(SG1)の生菌数(SG1生菌数)、スライドガラス(SG2)の生菌数(SG2生菌数)、未処理のスライドガラス(SG3)の生菌数(SG3生菌数)から、下記式(1)〜(3)を用いて防カビ効果の持続率を算出し、その値から以下の基準で防カビ効果の持続性を判定した。防カビ効果の持続率が高いほど、水道水にて処理しても防カビ効果が低下せず優れていることを示す。
水処理後の防カビ率(%)={1−(SG1生菌数/SG3生菌数)}×100 ・・・(1)
水処理無しの防カビ率(%)={1−(SG2生菌数/SG3生菌数)}×100 ・・・(2)
防カビ効果の持続率(%)={(水処理後の防カビ率/水処理無しの防カビ率)}×100 ・・・(3)
◎◎:防カビ効果の持続率が80%以上。
◎:防カビ効果の持続率が65%以上80%未満。
○:防カビ効果の持続率が50%以上65%未満。
△:防カビ効果の持続率が35%以上50%未満。
×:防カビ効果の持続率が35%未満。
まず、図5に示すように、1818タイプ(メーターモジュール用)の浴室とほぼ同体積の密閉可能な評価室(床面から天井面までの高さ:約2m)50の天井面の中央に、下記の方法*1で作製した供試用スライドガラス(菌を接種したスライドガラス)51を、菌を接種した面を床側に向けて取り付けた。
つぎに、各実施例で作製した装置(燻煙装置又は全量エアゾール噴射型装置)53を評価室50の中央床面に置き、内容物を噴射した(噴射処理)。
内容物の噴射開始から90分後に評価室20内の空気を排気し、供試用スライドガラス51を回収した。
供試用スライドガラス51上の全ての菌を回収し、回収した菌を計測可能な濃度となるように生理食塩水で適宜希釈したものを、ポテトデキストロース寒天培地に塗抹接種して、25℃にて5日間培養した後、目視により、形成されたコロニー数を計測した。計測したコロニー数と菌液の希釈倍率から生菌数を求め、その値を「処理後の菌数」とした。
別途、噴射処理していない未処理の供試用スライドガラス上の全ての菌を回収し、回収した菌を計測可能な濃度となるように生理食塩水で適宜希釈したものを、ポテトデキストロース寒天培地に塗抹接種して、25℃にて5日間培養した後、目視により、形成されたコロニー数を計測した。計測したコロニー数と菌液の希釈倍率から生菌数を求め、その値を「未処理菌数」とした。
上記の結果から、下記の評価基準に従い、殺カビ効果を評価した。
ポテトデキストロース寒天培地(Difco社製)の斜面培地にて25℃、1週間培養したPhoma sp.(浴室分離菌)、及び滅菌した0.05%Tween80(関東化学株式会社製)水溶液を用いて約106CFU/mLの胞子液を調製した。ついで、0.1mLの胞子液をスライドガラス(松浪硝子工業株式会社製、白縁磨No.2、76×26mm)に接種し、室温にて一晩静置した後に乾燥し固定した。
天井面の中央に設置したスライドガラスについて、求めた菌数を常用対数(log)に変換し、未処理の菌数から処理後の菌数を差し引いた値(log(未処理菌数)−log(処理後の菌数))を求め、その値を殺カビ効力とした。その値から、下記の基準で殺カビ効果を判定した。
〈判定基準〉
◎:殺カビ効力が4以上。
○:殺カビ効力が2以上4未満。
△:殺カビ効力が1以上2未満。
×:殺カビ効力が1未満。
<空間処理剤の製造>
表1〜3に示す組成の空間処理剤を以下の手順で製造した。表1〜3中の各成分の配合量の単位は質量%である。(A)成分の量は、空間処理剤の全質量に対する空間処理剤中の銀の質量の割合(質量%)である。クレーの「バランス」は、空間処理剤の全質量が100質量%となる量である。
室温(20℃)条件下において、表1〜3に示す組成に従い、各成分をニーダー(株式会社モリヤマ製、「S5−2G型」)で攪拌混合した後、組成全量を100質量部として10質量部の水を加えて混合し混合物を得た。得られた混合物を直径2mmの開孔を有するダイスの前押し出し造粒機(株式会社不二パウダル製、「EXK−1」)を用いて造粒し、造粒物を得た。得られた造粒物をフラッシュミル(株式会社不二パウダル製、「FL300」)により長さ2〜5mmに切断し、70℃に設定した乾燥機(アルプ株式会社製、「RT−120HL」)により2時間乾燥させ、顆粒状の空間処理剤を得た。
得られた空間処理剤を燻煙剤として用い、以下のようにして燻煙装置を作製した。
「ルックお風呂の防カビくん煙剤」(ライオン株式会社製)の容器を用意し、容器内の燻煙剤容器内に空間処理剤5gを収容し、さらに同容器内の加熱剤収容部に酸化カルシウム37gを収容し、燻煙装置を作製した。
得られた燻煙装置を用いて、防カビ効果の持続性及び殺カビ効果を評価した。結果を表1〜3に示す。なお、評価を行う際には、23mLの水を入れた給水用プラスチック容器を設置し、プラスチック容器内に燻煙装置を入れ、燻煙を開始した。
<全量エアゾール噴射型装置の作製>
表2に示す組成の空間処理剤を充填した全量エアゾール噴射型装置を以下の手順で作製した。表2中の各成分の配合量の単位は質量%である。(A)成分の量は、空間処理剤の全質量に対する空間処理剤中の銀の質量の割合(質量%)である。エタノールの「バランス」は、空間処理剤の全質量が100質量%となる量である。
(A)成分、(B)成分、及びエタノールを表2に示す組成になるように混合して薬液を調製した。得られた薬液を、バルブ機構を備えたスプレー缶(「バルサンプロEX ノンスモーク霧タイプ(6〜10畳用)」(ライオン株式会社製)の容器)に入れ、さらに(C2)成分を充填して密閉した後、ノズルキャップを取り付けて全量エアゾール噴射型装置を作製した。なお、スプレー缶に充填に使用した内容物の総量を15gとして調整した。
得られた全量エアゾール噴射型装置を用いて、防カビ効果の持続性及び殺カビ効果を評価した。結果を表2に示す。
(B)成分の代わりに、B’−1〜B’−4のいずれかを含む比較例3〜6の空間処理剤は、防カビ効果の持続率が30%であり、防カビ効果の持続率が不十分であった。また、各実施例に比べて殺カビ効果も低かった。
11:筐体
12:加熱部
13:燻煙剤
14:本体
15:底部
16:蓋部
17:燻煙剤収容部
20:全量噴射エアゾール容器
21:スプレー缶
22:ノズルキャップ
23:ステム
24:キャップ本体
25:押しボタン
26:噴射ノズル
26a:噴射鋼
27:操作部
28:嵌合部
29:流路
30:ロック機構
31:係止部
32:被係止部
33:肩カバー
40:評価室
41:スライドガラス
42:スライドガラス
43:装置
50:評価室
51:供試用スライドガラス
53:装置
Claims (9)
- (A)成分:銀、銀化合物、若しくは銀又は銀化合物の担持体と、
(B)成分:下記一般式(I)で表される化合物と、を含有する、自噴式空間処理剤。
R1−O−(AO)x−R2 ・・・(I)
(式(I)中、R1及びR2はそれぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜6の炭化水素基を表し、AOはオキシアルキレン基を表す。前記AOは、オキシエチレン基と、オキシプロピレン基及びオキシブチレン基の少なくとも一方とを含み、xは20〜500の数である。) - 前記AOは、オキシエチレン基とオキシプロピレン基とを含む、請求項1に記載の自噴式空間処理剤。
- 前記AOは、オキシエチレン基がオキシプロピレン基で挟まれたトリブロック型である、請求項1又は2に記載の自噴式空間処理剤。
- 前記一般式(I)で表される化合物が
R1−O−(PO)f−(EO)g−(PO)h−R2 ・・・(iii)
である請求項3に記載の自噴式空間処理剤。
(式(iii)中、fは5〜150、gは5〜250、hは5〜150であり、f+g+h=xである。) - 前記一般式(I)で表される化合物のR1及びR2が水素原子である請求項1〜4のいずれか一項に記載の自噴式区間処理剤。
- (C1)成分:有機発泡剤をさらに含有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の自噴式空間処理剤。
- (B)成分/(C1)成分で表される質量比が0.01〜0.5である、請求項6に記載の自噴式空間処理剤。
- (C2)成分:噴射剤をさらに含有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の自噴式空間処理剤。
- (B)成分/(C2)成分で表される質量比が0.01〜0.25である、請求項8に記載の自噴式空間処理剤。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014084755 | 2014-04-16 | ||
JP2014084755 | 2014-04-16 | ||
PCT/JP2015/061223 WO2015159816A1 (ja) | 2014-04-16 | 2015-04-10 | 自噴式空間処理剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPWO2015159816A1 true JPWO2015159816A1 (ja) | 2017-04-13 |
JP6615088B2 JP6615088B2 (ja) | 2019-12-04 |
Family
ID=54324025
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016513758A Active JP6615088B2 (ja) | 2014-04-16 | 2015-04-10 | 自噴式空間処理剤 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6615088B2 (ja) |
WO (1) | WO2015159816A1 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6585966B2 (ja) * | 2015-04-17 | 2019-10-02 | 大日本除蟲菊株式会社 | 燻煙防カビ方法 |
Citations (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005535428A (ja) * | 2002-08-09 | 2005-11-24 | ヘンケル・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチエン | 芳香放出システム |
JP2006290868A (ja) * | 2005-04-05 | 2006-10-26 | Sumitomo Chemical Co Ltd | 除草剤組成物 |
JP2006328170A (ja) * | 2005-05-25 | 2006-12-07 | Kao Corp | 衣料用液体洗浄剤組成物 |
JP2008280306A (ja) * | 2007-05-11 | 2008-11-20 | Lion Corp | 抗菌・消臭組成物およびこれを用いた抗菌・消臭方法 |
WO2008144013A1 (en) * | 2007-05-18 | 2008-11-27 | Agion Technologies, Inc. | Food preservation compositions and methods |
JP2012529428A (ja) * | 2009-06-08 | 2012-11-22 | 住友化学株式会社 | 殺菌組成物 |
JP5318272B1 (ja) * | 2012-11-15 | 2013-10-16 | イーダ株式会社 | 抗菌性液体組成物 |
JP2013249264A (ja) * | 2012-05-30 | 2013-12-12 | Lion Corp | 燻煙剤及び燻煙装置 |
WO2014012171A1 (en) * | 2012-07-19 | 2014-01-23 | Innovotech, Inc. | Anti-microbial gel formulations containing a silver (i) periodate |
Family Cites Families (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS4911072B1 (ja) * | 1970-11-11 | 1974-03-14 | ||
JP4248186B2 (ja) * | 2002-03-26 | 2009-04-02 | 日本曹達株式会社 | 浴室の防黴方法 |
JP2006282629A (ja) * | 2005-04-04 | 2006-10-19 | Taiko:Kk | スプレー用組成物 |
JP5647815B2 (ja) * | 2009-06-02 | 2015-01-07 | ライオン株式会社 | 間接加熱方式用燻煙剤組成物、間接加熱方式燻煙装置及び燻煙方法 |
TWI547238B (zh) * | 2009-09-04 | 2016-09-01 | 杜邦股份有限公司 | 用於塗覆繁殖體之鄰胺苯甲酸二醯胺組合物 |
JP5763371B2 (ja) * | 2010-09-03 | 2015-08-12 | 花王株式会社 | 農薬用効力増強剤組成物 |
-
2015
- 2015-04-10 JP JP2016513758A patent/JP6615088B2/ja active Active
- 2015-04-10 WO PCT/JP2015/061223 patent/WO2015159816A1/ja active Application Filing
Patent Citations (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005535428A (ja) * | 2002-08-09 | 2005-11-24 | ヘンケル・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチエン | 芳香放出システム |
JP2006290868A (ja) * | 2005-04-05 | 2006-10-26 | Sumitomo Chemical Co Ltd | 除草剤組成物 |
JP2006328170A (ja) * | 2005-05-25 | 2006-12-07 | Kao Corp | 衣料用液体洗浄剤組成物 |
JP2008280306A (ja) * | 2007-05-11 | 2008-11-20 | Lion Corp | 抗菌・消臭組成物およびこれを用いた抗菌・消臭方法 |
WO2008144013A1 (en) * | 2007-05-18 | 2008-11-27 | Agion Technologies, Inc. | Food preservation compositions and methods |
JP2012529428A (ja) * | 2009-06-08 | 2012-11-22 | 住友化学株式会社 | 殺菌組成物 |
JP2013249264A (ja) * | 2012-05-30 | 2013-12-12 | Lion Corp | 燻煙剤及び燻煙装置 |
WO2014012171A1 (en) * | 2012-07-19 | 2014-01-23 | Innovotech, Inc. | Anti-microbial gel formulations containing a silver (i) periodate |
JP5318272B1 (ja) * | 2012-11-15 | 2013-10-16 | イーダ株式会社 | 抗菌性液体組成物 |
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
家庭用殺虫剤概論III, vol. 第3版, JPN6015024202, 2006, JP, pages 34 - 44, ISSN: 0004002732 * |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP6615088B2 (ja) | 2019-12-04 |
WO2015159816A1 (ja) | 2015-10-22 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR101681774B1 (ko) | 훈연제 조성물, 훈연 장치 및 훈연 방법 | |
JP5903335B2 (ja) | 間接加熱方式用の燻煙剤及び間接加熱方式の燻煙装置 | |
JP5903334B2 (ja) | 燻煙剤及び燻煙装置 | |
JP6615088B2 (ja) | 自噴式空間処理剤 | |
JP4920377B2 (ja) | 燻煙剤組成物 | |
JP2014210714A (ja) | 燻煙剤組成物 | |
JP6225354B2 (ja) | 燻煙剤 | |
JP2014227369A (ja) | 全量噴射型エアゾール製品 | |
JP6850668B2 (ja) | 燻煙剤組成物 | |
JP6014423B2 (ja) | 燻煙剤及び燻煙装置 | |
JP2011246358A (ja) | 防カビ用エアゾール装置 | |
JP2016202868A (ja) | 燻煙防カビ方法 | |
JP6945337B2 (ja) | 加熱型燻蒸剤組成物 | |
JP5887395B2 (ja) | 浴室用防カビ燻煙剤組成物および浴室用防カビ燻煙装置 | |
JP4248186B2 (ja) | 浴室の防黴方法 | |
JP6621324B2 (ja) | 燻煙剤および燻煙装置 | |
JP2017119643A (ja) | 防カビ燻煙剤組成物 | |
JP2015091876A (ja) | 浴室用防カビ燻煙装置 | |
JP6614961B2 (ja) | 燻煙剤および燻煙装置 | |
JP2014210712A (ja) | 燻煙剤組成物および燻煙装置 | |
JP6489696B2 (ja) | 間接加熱型燻煙剤組成物 | |
JP2017218400A (ja) | 間接加熱型燻煙剤組成物、及び間接加熱型燻煙装置 | |
JP7149814B2 (ja) | 除菌剤組成物 | |
JP2018184359A (ja) | 燻煙剤組成物 | |
JP2022043751A (ja) | 燻煙方法、燻煙装置及び燻煙装置ユニット |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20180206 |
|
RD03 | Notification of appointment of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423 Effective date: 20181019 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20190326 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20190521 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20191008 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20191105 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6615088 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |