JP2006006767A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】上下2つの球振分体の組み合わせにより、同時に複数の球誘導経路に対して遊技球を通過可能にして、球振分けの態様を多様化すると共に、特定入賞口に対する球誘導確率の変化を容易な構造で実現する。
【解決手段】球入口から入った遊技球が通過すると特定遊技となる特典が遊技者に与えられる特定球通過領域と、特定遊技となる特典は与えられない一般球通過領域と、前記特定球通過領域又は一般球通過領域に至るまでの複数の球誘導経路を形成する球振分装置とを有する入賞装置を備えた遊技機であって、前記球振分装置は、上部及び下部の2つの球振分体と、遊技球Bを前記上部球振分体に誘導する第1球誘導管部(第1球通路)17と、前記上部球振分体に対する相対位置の変化により球誘導経路が変化されて、遊技球Bを前記上部又は下部のいずれかの球振分体に確定的に又は選択的に誘導する第2球誘導管部(第2球通路)18とを備えた構成とする。
【選択図】図8

Description

本発明は、特定入賞口(V入賞口)に対する球誘導確率の異なる複数の球誘導経路を設けることにより、遊技の面白さを高めた遊技機に関するものである。
例えば、遊技機の一つである第2種パチンコ機は、遊技盤面の中央部にセンター役物装置を備えている。このセンター役物装置は、始動口に遊技球が入賞すると羽根部材が所定時間だけ解放して球入口が開かれ、該球入口に流入した遊技球はセンター役物装置内に取り込まれる。センター役物装置内において遊技球は、入賞難易度の異なる複数の入賞経路のいずれかを通って前記特定入賞口に入賞して、遊技者に特典(大当り遊技)が付与される場合と、前記特定入賞口に入賞せずに別の一般入賞口に入賞して、所定数の賞球が払い出される場合とがある。
上記センター役物装置の一つとして、特許文献1に記載のものが知られており、水平軸心を中心にして正逆回転する一つの回転振分体による振分機能を主体にして、入賞難易度の異なる種々の入賞経路を形成している。このセンター役物装置は、一つの回転振分体の正逆回転によって入賞難易度の異なる複数の入賞経路を形成している利点はあるが、一つの回転振分体が正逆回転するのみであるため、同一時間において現出可能な入賞経路は常に一つのみであって、動作としてはそれほど複雑ではなかった。
特開2003−260209号公報
本発明の課題は、上記した遊技機において、上下2つの球振分体の組み合わせにより、時間的に同時に複数の球誘導経路に対して遊技球を通過可能にして、球振分けの態様を多様化すると共に、特定入賞口に対する球誘導確率の変化を容易な構造によって実現して遊技の面白さを高めることである。
上記の課題を解決するための第1解決手段は、球入口と、該球入口から入った遊技球が通過すると特定遊技となる特典が遊技者に与えられる特定球通過領域と、前記球入口から入った遊技球が通過しても特定遊技となる特典は与えられない一般球通過領域と、前記球入口から入った遊技球が前記特定球通過領域又は一般球通過領域に至るまでの複数の球誘導経路を形成する球振分装置とを有する入賞装置を備えた遊技機であって、前記球振分装置は、前記複数の球誘導経路の主要部を形成すべく、相上下して配置された上部及び下部の2つの球振分体と、前記球入口に入った遊技球を前記上部球振分体に誘導する第1球通路と、前記上部球振分体に対する相対位置の変化により球誘導経路が変化されて、前記球入口に入った遊技球を前記上部又は下部のいずれかの球振分体に確定的に又は選択的に誘導する第2球通路とを備え、前記下部球振分体は、前記特定球通過領域への球誘導確率が異なる複数の領域に区分され、前記複数の領域は、上部球振分体から下部球振分体に遊技球が誘導される第1領域と、第2球通路から直接に下部球振分体に遊技球が誘導される第2領域とによって構成され、下部球振分体に対する球誘導経路によって遊技球が前記第1又は第2の領域に誘導されることにより特定球通過領域に対する球誘導確率が変化するように構成されていることを特徴としている。
第1解決手段によれば、球入口から第1球通路に流入した遊技球は、上部球振分体に誘導された後に、下部球振分体における区分された第1又は第2のいずれかの領域に誘導される(第1球誘導経路)。一方、別の球入口から第2球通路に流入した遊技球は、上部球振分体に対する第2球通路の出口の相対位置の変化によって球誘導経路が変化して、下部球振分体における区分された別の領域に誘導される場合(第2球誘導経路)と、上部球振分体に誘導される場合(第3球誘導経路)とに大別される。第3球誘導経路の場合には、上部球振分体よりも下流側の球誘導経路は、第2球誘導経路を通った場合と同様であって、特定球通過領域に対する球誘導確率は同一となる。よって、第2球通路から直接に下部球振分体に遊技球が誘導された場合である第2球誘導経路を通った場合における特定球通過領域に対する球誘導確率のみが、他の球誘導経路を通った場合と異なる。一般的には、第2球誘導経路の通過確率は、他の経路の通過確率よりも高いので、第2球誘導経路を通った場合の前記球誘導確率は、他の球誘導経路を通った場合よりも低く設定されることが多い。また、第1及び第3の各球誘導経路において、上部球振分体から下部球振分体の定められた領域に遊技球を誘導させる際に、上部及び下部の各球振分体は、相対的に回転しているために、即ち、同一方向に回転する場合には回転速度が異なっているか、又は逆方向に回転しているために、下部球振分体に遊技球が放出されるタイミングにより特定入賞口に誘導されるか否かが定められる。
ここで、上部球振分体に対する第2球通路の出口の相対位置の変化態様によっては、上部球振分体に対する第2球通路の出口の相対位置の変化によって球誘導経路が確定的に変化して、必ず下部又は上部のいずれか一方の球振分体に誘導される場合(確定的誘導)と、上部球振分体に対する第2球通路の出口の相対位置、或いは第2球通路を誘導される遊技球の出口における速度等の諸条件に応じて、第2球通路の出口まで誘導された遊技球は、上部及び下部の双方の球振分体のいずれか一方に選択して誘導される場合(選択的誘導)とがある。
このように、第1手段は、最終的には、下部球振分体のいずれの領域に遊技球が誘導されるかによって、特定入賞口に対する球誘導確率が変化するように構成されていて、相上下して配置される上部及び下部の2つの球振分体を備えているために、上記した第1ないし第3の3つの各球誘導経路は大きく異なっていて、遊技者はこの経路を認識できるので、遊技の面白さが倍増される。
また、第2解決手段は、第1解決手段において、上部球振分体は、上下動する構成であって、第2球通路から上部又は下部のいずれの球振分体へ遊技球が誘導されるかは、上部球振分体の上下方向に沿った位置によりほぼ定められる構成であることを特徴としている。
第2解決手段によれば、上部球振分体が上昇端位置で上下動を停止して回転している状態では、第2球通路の出口から放出された遊技球は、上部球振分体の周壁部等に当たって落下することにより、殆ど全ての遊技球は下部球振分体の定められた領域まで誘導される。一方、上部球振分体が下降端位置で上下動を停止して回転している状態では、第2球通路の出口から放出された遊技球の大部分は、下降端位置で回転している上部球振分体に誘導されると共に、遊技球の一部である放出速度の小さい遊技球は、前記出口において上部球振分体まで放出されることなく、当該出口でそのまま落下して、下部球振分体の定められた領域まで誘導される。更に、上部球振分体の上下動の途中においては、上部球振分体に対する第2球通路の出口の相対位置、該出口における遊技球の速度等の諸条件によって、上部球振分体又は下部球振分体のいずれかに誘導される。
また、第3解決手段は、第1解決手段において、上部球振分体は、定位置で回転して、周壁部の周方向に沿って所定間隔をおいて第2球通路からの遊技球を通過させる球通過溝が形成されていることを特徴としている。
第3解決手段によれば、第2球通路から上部球振分体に向けて放出される遊技球は、前記放出時における上部球振分体の周方向に沿った位置によって、即ち、上部球振分体の球通過溝と対峙した場合には、そのまま上部球振分体に誘導され、上部球振分体の周壁部と対峙した場合には、該周壁部に当たった後に、直接に下部球振分体の特定の領域に誘導される。
また、第4解決手段は、第1ないし第3のいずれかの解決手段において、下部球振分体の複数の領域は、その内外方向に沿って区分されたリング状に形成されていることを特徴としている。
第4解決手段によれば、リング状をした各領域を周方向に沿って更に複数に区分して、周方向における特定の区分小領域に遊技球が誘導された場合にのみ、特定入賞口に誘導されるように構成することにより、周方向における区分小領域の区分数によって特定球通過領域に対する球誘導確率を容易に定められる。また、上部球振分体から下部球振分体への誘導放出口、及び第2球通路から下部球振分体への誘導放出口の下部球振分体の半径方向に沿った位置を固定できるので、下部球振分体に対する球誘導路の配置設計が容易となる。
本発明によれば、上部球振分体に対する第2球通路の出口の相対位置の変化によって、第2球通路を通過する遊技球の誘導経路が大きく異なって、下部球振分体における特定球通過領域に対する球誘導確率の異なる領域に誘導される。また、上部及び下部の各球振分体の組み合わせにより、複数の球誘導経路の主要部を形成することにより、時間的に同時に複数の球誘導経路に対して遊技球を通過可能にして、球振分けの態様を多様化すると共に、特定球通過領域に対する球誘導確率の変化が簡単な構造によって実現されて、遊技の面白さが高められる。
以下、本発明を実施するための最良形態を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。
図1は、本発明に係るセンター入賞装置Fを備えた第2種パチンコ機の遊技盤1の部分の正面図であり、図2は、図1のX−X線断面図である。図1及び図2において、パチンコ機の遊技盤1の前面に形成された遊技領域2の中央部には、センター入賞装置Fが遊技盤1よりも奥側に入り込んだ状態で配置され、装置枠体3の内部に、本発明に係る球振分装置Aが配置されている。センター入賞装置Fの周囲を取り囲む装置枠体3の上部には、遊技領域2の左右対称線に対して対称位置に、球振分装置A内に遊技球を入れる(取り込む)ための左右一対の羽根部材4が回動可能に設けられ、図1で示されるように、各羽根部材4が開いた状態で球入口5が形成されると共に、各羽根部材4が閉じることにより前記球入口5が閉じられる構成になっている。遊技領域2の下部には、該遊技領域2の左右対称線上、及び該左右対称線に対して対称位置に計3個の始動入賞口6と2個の一般入賞口7が配置されている。中央の連続した3個の始動入賞口6のうち中央の始動入賞口6に遊技球が入賞すると、前記一対の羽根部材4が開閉動作を例えば2回行うようになっていると共に、両端の始動入賞口6に遊技球Bが入賞すると、前記一対の羽根部材4が開閉動作を例えば1回行うようになっている。また、前記装置枠体3の高さ方向の中央部の両側には、一対の一般入賞口8が配置されている。一対の一般入賞口8の直下位置、及び一対の羽根部材4の斜上方には、それぞれ風車19が配置されている。また、遊技盤1における球振分装置Aの直下には、入賞により遊技者に特典を与える特定入賞口9と、該特定入賞口9の両側に配置された一対の一般入賞口10との計3個の入賞口が設けられている。センター入賞装置Fは、球入口5、球振分装置A、特定入賞口9等により構成される。なお、図1において30は、遊技領域2に放たれた遊技球のうちいずれの球入口5及び入賞口6,7,8にも入らなかったアウト球を回収するアウト口を示す。
また、前記装置枠体3の内部は、仕切板部11を介して下室12と、該下室12よりも遙に小さな上室13とに上下方向に区分されて、遊技盤1における上室13の外側に前記一対の球入口5が奥側に向けて形成されている。各球入口5に流入した遊技球Bは、球通路(図示せず)を通って、左右両側のいずれかの球出口14から流出されて上室13に収容される構成となっている。図2に示されるように、装置枠体3の仕切板部11は、左右方向(横方向)及び前後方向(奥行方向)の双方において中央部が最も低くなるように形成され、仕切板部11の中央部の最も低い部分には、球落下口15が形成されている。球落下口15の形成位置は、球振分装置Aを構成する上部及び下部の各球振分体S1 ,S2 の回転中心Cとほぼ一致している。球落下口15に流入した遊技球Bは、球誘導管Dを通って下室12に配設された球振分装置Aに誘導される。球誘導管Dは、仕切板部11の直下に略水平となって配置された第1球誘導管部16と、該第1球誘導管部16の右端側に連結されて、当該部分まで誘導された遊技球Bを更に下方に誘導する第2球誘導管部17と、前記第1球誘導管部16の左端側に連結されて、当該部分まで誘導された遊技球Bを更に下方に誘導する第3球誘導管部18とで構成される。第2球誘導管部17は、駆動機構(図示せず)によって球振分装置Aを構成する上部球振分体S1 の上下動と連動して上下動する構成となっている。よって、球落下口15から直下の第1球誘導管部16の長手方向の中央部に落下した遊技球Bは、左右のいずれかの方向に転動することにより、第2又は第3のいずれかの球誘導管部17,18の上端部分に達した後に、当該部分において誘導方向を下方に変更されて更に誘導される。そして、第2及び第3の各球誘導管部17,18は、それぞれ本発明における第1及び第2の各球通路に該当する。
次に、下室12に配設された球振分装置Aについて詳細に説明する。図3は、球振分装置Aの一部を破断した斜視図であり、図4は、同じく分解斜視図であり、図5は、下部球振分体S2 の配置状態の平面図であり、図6は、図5のY−Y線断面図である。球振分装置Aは、垂直の回転軸心Cを同一にして相上下して配設される上部及び下部の各球振分体S1 ,S2 で構成される。上部球振分体S1 は、図3及び図4に示されるように、略逆円錐状の振分体本体21の外周部に環状の周壁部22が形成されて、振分体本体21の外周部の最も低い部分と前記周壁部22との環状の部分が球収容転動部23となっている。該球収容転動部23は、周方向に沿って高さの変化が設けてあり、最も低い部分に球落下口24が形成されて、振分体本体21における前記球落下口24に連続する部分には、球落下口24に誘導されて落下する遊技球Bをそのまま直下に誘導落下させる球誘導管25が取付けられている。振分体本体21は、所定ストロークで上下動する第1駆動軸26の上端に一体となって取付けられている。
また、図3ないし図6に示されるように、下部球振分体S2 は、リング状の固定体31と、該固定体31内に収容されて回転する円盤状の回転体32とで構成される。回転体32の中心のボス部33には、固定体31のボス部34を貫通する円筒状の第2駆動軸35が嵌合され、回転体32は、第2駆動軸35により所定方向に駆動回転される。回転体32を構成する略円板状の回転板36は、リング状の区分壁部37によって外周領域E1 と内周領域E2 に区分され(図5参照)、外周領域E1 は、半径方向に沿って区分壁部38によって3つの区分室E11〜E13に区分されて、特定の1つの区分室E11には、特定誘導口39が形成されていると共に、残りの2つの区分室E12,E13には、一般誘導口41が形成されている。特定誘導口39は、回転軸心Cから半径方向に沿って最も遠い部分に形成されていると共に、一般誘導口41は、回転軸心Cから半径方向に沿って最も近い部分に形成され、しかも特定及び一般の各誘導口39,41は、区分室E11〜E13において最も低くなっている。一方、内周領域E2 は、半径方向の区分壁部42により5つの区分室E21〜E25に区分されて、特定の一つの区分室E21のみに、内周領域E2 に誘導された遊技球Bを特定入賞口9に誘導するための特定誘導口43が形成され、残りの全ての区分室E22〜E25には、前記特定誘導口43と異なる位置に、遊技球Bを特定入賞口9に誘導することのない一般誘導口44が形成されている。即ち、特定誘導口43は、区分室E21において半径方向に沿って回転軸心Cから最も遠い部分に形成されていると共に、一般誘導口44は、各区分室E22〜E25において回転軸心Cから最も近い部分に形成されていて、特定及び一般の各誘導口43,44は、いずれも各区分室E22〜E25において最も低くなるように、各区分室E22〜E25の板部を傾斜させてある。この結果、回転中の下部球振分体S2 の外周及び内周の各領域E1 ,E2 に誘導される遊技球Bが特定入賞口9に誘導される球誘導確率は、それぞれ(1/3),(1/5)である。
また、固定体31には、環状壁部45の高さ方向の略中央部に、円板状の底板部46が一体に設けられて、前記回転体32は、固定体31の環状壁部45と底板部46とで形成される収容空間47に収容される。固定体31の周方向に沿って異なる位置には、前記回転体32の外周及び内周の各領域E1 ,E2 に形成された特定誘導口39,43に対応する位置に、それぞれ固定体31の側の特定誘導口48,49が形成されている。全く同様に、回転体32の外周及び内周の各領域E1 ,E2 に形成された一般誘導口41,44に対応する位置に、それぞれ固定体31の側の一般誘導口51,52が形成されている。また、固定体31の側の特定誘導口48,49の直下には、回転体32の特定誘導口39(43)と固定体31の特定誘導口48(49)との合致により(図6参照)、該特定誘導口48,49から落下して収容された遊技球Bを遊技盤1の盤面の側に向けて誘導する誘導樋53が回転体32の半径方向に沿って配置されている。また、固定体31の環状壁部45における前記誘導樋53に対応する位置には、該誘導樋53により盤面の側に向けて誘導された遊技球Bを排出させる球排出口54が形成されている。全く同様にして、固定体31の側の一般誘導口51,52の直下には、別の誘導樋55が回転体32の半径方向に沿って配置されて、回転体32の一般誘導口41(44)と固定体31の一般誘導口51(52)との合致により、固定体31の一般誘導口51,52から落下した遊技球Bを収容して、入賞球排出路56に向けて誘導される。
また、図3及び図6に示されるように、下部球振分体S2 を駆動回転される第2駆動軸35の中空部には、クランク機構(図示せず)等によって、上部球振分体S1 を駆動回転させる第1駆動軸26が所定ストロークで軸方向に往復移動可能(上下動可能)に挿通されている。第1及び第2の駆動軸26,35は、それぞれ個別の駆動モータ(図示せず)により駆動回転される。上部及び下部の各球振分体S1 ,S2 は、異なる回転速度で同一方向に回転させることが多いが、逆方向に回転させてもよく、いずれにしても相対的に回転する構成となっている。
このように、下部球振分体S2 は、装置枠体3の下室12の棚板29に僅かに手前側に低くなった状態で設置されていて、第2駆動軸35の駆動回転によって固定体31に対して回転体32が所定方向に回転する。一方、下部球振分体S2 の回転体32と回転軸心Cを同一にして、下部球振分体S2 の直上には上部球振分体S1 が、前記下部球振分体S2 に対して相対的に回転し、しかも所定ストロークで上下動可能なように配置されている。また、図3、図7及び図8に示されるように、第2球誘導管部17は、その下端部が上部球振分体S1 の側に向けて屈曲されていて、上部球振分体S1 の上下動と連動して上下動して、第2球誘導管部17の下端部の出口17aから遊技球Bを放出させることにより、常に上部球振分体S1 に遊技球Bを誘導するものである。上部球振分体S1 の外周部に形成された球落下口24には、球収容転動部23を転動して球落下口24に達した遊技球Bをそのまま下方に誘導させるための球誘導管25が下方に向けて設けられていて、該球誘導管25により誘導された遊技球Bは、直下の回転中の下部球振分体S2 を構成する回転体32の外周領域E1 のいずれかの区分室E11〜E13に誘導されるようになっている。
なお、上部球振分体S1 の上下動と連動されて、第2球誘導管部17を上下動させるのは、第2球誘導管部17の下端部の出口17aから放出された遊技球Bが上部球振分体S1 の振分体本体21の周面に当たって弾むのを防止するためであって、上部球振分体S1 の形状等によって前記弾みが抑制される構成であるならば、第2球誘導管部17は、上部球振分体S1 の上下動と連動させて上下動させる必要はない。
一方、第3球誘導管部18は、緩傾斜方向から垂直方向に誘導路を変更する部分に形成されて、上部球振分体S1 に遊技球Bを誘導するための第1出口27aと、該第1出口27aよりも垂直方向に沿って下方であって、水平方向に沿って回転軸心Cに近い部分に形成されて、下部球振分体S2 を構成する回転体32の内周領域E2 のいずれかの区分室E21〜E25に遊技球Bを誘導するための第2出口27bとの2つの出口を有している。このため、図7に示されるように、上部球振分体S1 が上昇端位置で上下動を停止して回転している場合には、第3球誘導管部18の第1出口27aに達した遊技球Bのうち所定の速度を有しているものは、回転中の上部球振分体S1 の周壁部22に当たった後に、第3球誘導管部18の垂直誘導部18a及び水平誘導部18bにより順次誘導されて、第2出口27bから放出されることにより、下部球振分体S2 の回転体32の内周領域E2 のいずれかの区分室E21〜E25に誘導される。また、第3球誘導管部18の第1出口27aに達した遊技球Bのうち速度が小さいものは、第1出口27aにおいてそのまま落下して、上記と同一経路を通って、回転体32の内周領域E2 のいずれかの区分室E21〜E25に誘導される。即ち、この場合には、誘導経路は一定しているため「確定的誘導」となる。
また、図8に示されるように、上部球振分体S1 が下降端位置で上下動を停止して回転している場合には、第3球誘導管部18の第1出口27aに達した遊技球Bのうち所定の速度を有しているものは、そのまま上部球振分体S1 に向けて放出されて、球収容転動部23に収容されると共に、第1出口27aにおける速度が小さい遊技球Bは、その位置で落下して垂直及び水平の各誘導部18a,18bを通って、下部球振分体S2 を構成する回転体32の内周領域E2 のいずれかの区分室E21〜E25に収容される。この場合には、第3球誘導管部18の第1出口27aに達した遊技球Bは、自身の有している速度によって誘導方向が異なるため、「選択的誘導」となる。
更に、上部球振分体S1 の上下動中においては、上部球振分体S1 に対する第3球誘導管部18の第1出口27aの相対的な位置関係が順次変化するために、前記相対的位置関係、遊技球Bの有している速度等の諸条件によって、上部球振分体S1 に誘導される場合と、下部球振分体S2 の回転体32の内周領域E2 に誘導される場合とがあるため、「選択的誘導」となる。なお、図2において、61は、パチンコ機の前面のガラス扉のガラス板を示し、62は、前記上室13の前面を覆っている装飾板を示す。
そして、遊技領域2に放たれた遊技球Bが3つの始動入賞口6のいずれかに入賞すると、入賞した始動入賞口6に対応した回数だけ左右一対の羽根部材4が所定時間だけ開放されて、球入口5が開かれる。球入口5に流入した遊技球Bは球通路(図示せず)を通って遊技盤1の奥方に誘導されて球出口14から上室13に排出される。なお、球入口5に遊技球Bが流入すると、該球入口5に設けられた球通過検出センサ(図示せず)により遊技球Bの通過が検出されると、所定数の賞球が払い出される。上室13に排出された遊技球Bは、仕切板部11の上面を転動して、最も低い位置に形成された球落下口15から直下の第1球誘導管部16に落下した後に、左右のいずれかの方向に転動する。遊技球Bが右側に転動した場合には、第1球誘導管部16の右端部において第2球誘導管部17に移送された後に下方に誘導されて、その下端の出口17aから回転中の上部球振分体S1 に向けて放出される。上部球振分体S1 に向けて放出された遊技球Bは、振分体本体21に当って、周壁部22の内側の球収容転動部23に収容された後に、最も低い球落下口24に達すると、球誘導管25によって、直下の下部球振分体S2 を構成する回転体32の外周領域E1 に誘導されて(第1球誘導経路R1 )、3つの区分室E11〜E13のいずれかに収容される。3つの区分室E11〜E13のうち区分室E11に遊技球Bが収容されると、回転体32の特定誘導口43と固定体31の特定誘導口49との合致により、前記遊技球Bは、合致した2つの特定誘導口43,49を通過して直下の誘導樋53に収容された後に、手前側に転動して固定体31の球排出口54から遊技領域2に落下放出される。そして、特定入賞口9に入賞して、該入賞口9内に設けられたセンサ9aによって遊技球Bの通過が検出されると、一対の羽根部材4が所定回数だけ開放動作を反復するという遊技者に大当り遊技の特典が与えられる。また、球排出口54から落下放出された遊技球Bが前記特定入賞口9に入賞しない場合は、その両側のいずれかの一般入賞口10に入賞されることとなる。一般入賞口10に入った遊技球(入賞球)Bは、入賞球排出路56に誘導された入賞球と一緒に集められる。
このように、回転中の上部球振分体S1 の球誘導管25から落下される遊技球Bが、直下の下部球振分体S2 を構成する回転中の回転体32の外周領域E1 のいずれの区分室E11〜E13に収容されるかは、遊技球Bの落下のタイミングに依存する。そして、落下のタイミングによって遊技球Bが特定入賞口9を有していない他の区分室E12,E13に収容された場合には、前記区分室E12,E13の一般誘導口41と、固定体31の一般誘導口51との合致により、直下の誘導樋55に落下収容された後に、入賞球排出路56に流入する。なお、「特定入賞口9」は、請求項1における「特定球通過領域」に相当すると共に、「一般入賞口10」及び「入賞球排出路56」は、請求項1における「一般球通過領域」に相当する。
また、図7に示されるように、上部球振分体S1 が上昇端位置で上下動を停止して回転している状態では、上述したように、第3球誘導管部18により誘導されてきた遊技球Bは、下部球振分体S2 を構成する回転体32の内周領域E2 の5つの区分室E21〜E25のいずれかに収容される(第2球誘導経路R2 )。特定誘導口39が設けられた区分室E11に収容されると、上記とほぼ同等の経路を経て、特定入賞口9に向けて誘導される。
更に、図8に示されるように、上部球振分体S1 が下降端位置で上下動を停止して回転している状態では、上述したように、第3球誘導管部18により誘導されてきた遊技球Bの大部分は、上部球振分体S1 に向けて放出されて該振分体S1 に収容され(第3球誘導経路R3 )、速度の遅い一部の遊技球Bのみが、第1出口27aの部分でそのまま落下して、下部球振分体S2 を構成する回転体32の内周領域E2 に誘導される(第2球誘導経路R2 )。第3球誘導経路R3 の場合には、上部球振分体S1 に収容された後においては、第1球誘導経路R1 と同様の経路を経ることとなる。
このため、回転中の上部球振分体S1 が上下動することにより、第3球誘導管部18を通過する遊技球Bの球誘導経路が大きく変更されて、特定入賞口9に対する球誘導確率が変化し、しかも時間的に同時に複数の球誘導経路において遊技球Bが誘導されるので、特定入賞口9に対する球誘導確率の変化と遊技球Bの球誘導経路の変化とが相俟って、遊技の面白さが倍増する。また、回転中の上部球振分体S1 が上下動を停止している時間と、上下動を行う時間との比を適宜変更することにより、球入口5から球振分装置Aに流入した遊技球Bの球誘導経路の変更の速度の調整を行える。
なお、上記実施例では、上部球振分体S1 は、第1駆動軸26の上端部に一体に取付けた構成であるが、上部球振分体S1 の上方に第1駆動軸を配置して、該第1駆動軸の下端に上部球振分体S1 を吊下げ構造にして取付けることも可能である。
また、上記実施例1では、上部球振分体S1 が上下動することにより、「第2球通路」である第3球誘導管部18により誘導された遊技球Bの球誘導経路を変更する構成であるが、上部球振分体S1 の周壁部の形状の工夫により、上部球振分体S1 は上下方向の定位置で(即ち、上下動させないで)、第3球誘導管部18により誘導された遊技球Bの球誘導経路を変更できる。即ち、図9に示される上部球振分体S1 ’は、周壁部22’を高くして、周方向に沿って所定間隔をおいて球通過溝22a’を形成すると、定位置で回転している上部球振分体S1 ’の周壁部22’の球通過溝22a’の部分では、そのまま第3球誘導管部18から放出された遊技球Bは、上部球振分体S1 ’に収容され、球通過溝22a’が形成されていない本来の壁の高さを有する部分では、第3球誘導管部18から放出された遊技球Bが周壁部22’に当たることにより、上部球振分体S1 ’に収容されずに、そのまま別の球誘導部材によって、直下の下部球振分体S2 の所定の領域に誘導される。第2実施例においては、周壁部22’の高さを余り高くすると、上部球振分体S1 ’に収容された遊技球Bの転動状態が視認しにくいので、上記した遊技球Bの誘導経路を分けることが可能な範囲において、可能な限り低くすることが望ましい。このように、第2実施例の上部球振分体S1 ’の場合には、上部球振分体を上下動させるための機構が不要になって、球振分装置Aの全体構成を簡略化でき、更に製作コストの低減化も図られる利点がある。
また、上記実施例において、下部球振分体に対して特定入賞口への球誘導確率の異なる領域を3以上に区分して設けることも可能である。この場合には、例えば、上部球振分体S1 から下部球振分体S2 に誘導される遊技球Bを更に2つの領域に分けて誘導することが考えられる。
なお、実施例は、特定入賞口9の両側にそれぞれ一般入賞口10を配置して、球振分装置Aの球排出口54から遊技領域に落下状態で排出された遊技球が前記特定入賞口9に入賞しない場合には、その両側のいずれかの一般入賞口10に入賞する構成であるが、この一般入賞口10を有しないパチンコ機に対しても、本発明は実施可能である。この一般入賞口10を有しない場合には入賞球排出路56のみが、請求項1における「一般球通過領域」として作用する。また、一般入賞口10を設ける場合には、球排出口54に隣接させて別の球排出口を設けて、入賞球排出路56に流入した遊技球が、この別の球排出口から排出されるように構成することも可能である。
本発明に係るセンター入賞装置Fを備えた第2種パチンコ機の遊技盤1の部分の正面図である。 図1のX−X線断面図である。 球振分装置Aの一部を破断した斜視図である。 同じく分解斜視図である。 下部球振分体S2 の配置状態の平面図である。 図5のY−Y線断面図である。 上昇端位置で上下動を停止した状態で上部球振分体S1 が回転している場合における球誘導経路を示す正面図である。 下降端位置で上下動を停止した状態で上部球振分体S1 が回転している場合における球誘導経路を示す正面図である。 別の実施例の上部球振分体S1 ’の斜視図である。
符号の説明
A:球振分装置
B:遊技球
D:球誘導管
1 :下部球振分体の外周領域(第1領域)
2 :下部球振分体の内周領域(第2領域)
F:センター入賞装置(入賞装置)
1 :第1球誘導経路
2 :第2球誘導経路
3 :第3球誘導経路
1 ,S1 ’:上部球振分体
2 :下部球振分体
5:球入口
9:特定入賞口(特定球通過領域) 10:一般入賞口(一般球通過領域) 17:第2球誘導管部(第1球通路)
18:第3球誘導管部(第2球通路)
26:第1駆動軸
35:第2駆動軸
31:下部球振分体の固定体
32:下部球振分体の回転体
37,38,42:下部球振分体の回転体の区分壁部
56:入賞球排出路(一般球通過領域)

Claims (1)

  1. 球入口と、該球入口から入った遊技球が通過すると特定遊技となる特典が遊技者に与えられる特定球通過領域と、前記球入口から入った遊技球が通過しても特定遊技となる特典は与えられない一般球通過領域と、前記球入口から入った遊技球が前記特定球通過領域又は一般球通過領域に至るまでの複数の球誘導経路を形成する球振分装置とを有する入賞装置を備えた遊技機であって、
    前記球振分装置は、前記複数の球誘導経路の主要部を形成すべく、相上下して配置された上部及び下部の2つの球振分体と、前記球入口に入った遊技球を前記上部球振分体に誘導する第1球通路と、前記上部球振分体に対する相対位置の変化により球誘導経路が変化されて、前記球入口に入った遊技球を前記上部又は下部のいずれかの球振分体に確定的に又は選択的に誘導する第2球通路とを備えていることを特徴とする入賞装置を備えた遊技機。
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