請求項2記載のパチンコ遊技機は、請求項1に記載のパチンコ遊技機において、前記ドラムには内周面側から外周面側に連通する貫通路が形成されるとともに、前記ドラムの下方には玉通路が形成されており、前記ドラムの入賞口に入賞して該ドラム内の下方に落下した遊技球は、前記貫通路が前記ドラムの最下部にあるときに前記貫通路を経由して前記玉通路へ導かれることを特徴とする。請求項2記載のパチンコ遊技機によれば、ドラムの入賞口に入賞した遊技球を貫通路がドラムの最下部にあるときに貫通路を経由して玉通路へ導かれるようにしたので、ドラムへの入賞球を従来からある特図への入賞球と同等に扱ったり、新たな特図への入賞球として扱ったりすることができる。
図1は、本発明の実施例1に係るパチンコ遊技機1を示す正面模式図である。実施例1に係るパチンコ遊技機1は、台枠の内側に配置されてガラス扉2によって覆われる遊技盤3を有する。遊技盤3には、円形状の遊技領域が形成されている。遊技領域の下方には、玉供給皿4が設けられている。玉供給皿4に準備された玉(遊技球;遊技媒体)は、発射ハンドル5を含んで構成される発射装置152(図9参照)によって遊技領域に向けて発射される。遊技領域には釘3a(一部のみ図示)が多数植設されているので、レール(図示省略)を通じて遊技盤3の遊技領域に達した玉は、釘3aに弾かれながら遊技領域を流下する。なお、符号122はスピーカ/アンプ、123は装飾ランプ類を示す(図9参照)。
遊技領域の中央付近には、中央役物10が配設されている。中央役物10は、図2に示すように、所定条件の成立に基づいて実行される内部抽選(抽選手段)の抽選結果(特図の抽選結果ともいう)を遊技者に報知するための回転ドラム式表示装置20と、遊技領域を流下する玉を回転ドラム式表示装置20の左右のドラム21L,21R(図5,図7参照)に導くための左右一対のワープルート(玉誘導通路)40L,40Rと、回転ドラム式表示装置20の左右のドラム21L,21R内から放出される玉を遊技領域に戻すための左右の玉放出通路41L,41Rとを備える。中央役物10の左右側面には、ワープルート40L,40Rへの上端入口が設けられており、ワープルート40L,40Rへ進入した玉は左右のドラム21L,21Rの側面に導かれる。
図1に戻って、中央役物10の下方には、開閉する一対の回動翼片12a,12aを有する電動チューリップ(以下、電チューともいう)である始動入賞装置(スタートチャッカー)12が配置されている。始動入賞装置12の下方には、始動入賞装置12への玉の入賞(所定条件の成立)に基づいて実行される内部抽選において大当たりに当選したときに開放する大入賞装置(大当たり用アタッカー)13が設けられている。また、中央役物10の左側には、玉が通過したときに始動入賞装置12を所定の時間および回数(例えば0.5秒間で1回)だけ開放するための通過ゲート(スルーチャッカー)11が配置されている。なお、符号15は特別図柄(特図)の抽選結果を最大保留数4まで保留していることを表示することができる特図保留ランプ、16は玉を回収するための玉排出口を示す。
図2に示すように、回転ドラム式表示装置20には、3列の図柄(例えば、3桁のアラビア数字等)を上下2段または1段に表示して遊技者に特図の抽選結果を報知するための3列の表示窓20aが形成されている。詳しくは、回転ドラム式表示装置20には、3列の縦長の表示窓20aが並列的に穿設された窓枠26が設けられており、3つの円筒状のドラム21L,21C,21Rが、各表示窓20aから露呈するように、遊技盤3に左右方向に延びる軸線Oに沿って同軸的に配置されている。なお、各ドラム21L,21C,21Rは、左右の幅(円筒の高さ)がほぼ同一に設定されている。各ドラム21L,21C,21Rが、上段横並び、中段横並び、下段横並び、斜め右上がり、斜め右下がりの5ライン(有効ライン)のうちのいずれかにおいて、3桁の「大当たり図柄」(例えば「777」等のゾロ目)で停止表示すると、後述する「大当たり状態」となる。
図3に示すように、左,中,右のドラム21L,21C,21Rは、各ドラム用のステッピングモータ(以下、ドラム用モータともいう)22L,22C,22Rの出力軸(回転軸)22La,22Ca,22Raにより各々独立して回転可能に配置されている。詳しくは、ドラム用モータ22L,22C,22Rは、それぞれ中央役物10の枠体10aに保持された各ドラム用ステー25L,25C,25Rに固定され、ドラム用モータ22L,22C,22Rの出力軸22La,22Ca,22Raに各ドラム21L,21C,21Rの中央部21Ld,21Cd,21Rdが固定されている。これによって、3個のドラム21L,21C,21Rが、ドラム用モータ22L,22C,22Rにより軸線O周りで各々回転して複数の図柄を変動表示した後、所定の図柄を表示窓20aに停止表示することにより特図の抽選結果(当否)を報知する。なお、各ドラム21L,21C,21Rは、玉の動きとは関係なく動作する。
各ドラム用モータ22L,22C,22Rは、周知技術のステッピングモータ(例えば特開2001−58026号公報や特開2004−254974号公報に開示されているステッピングモータ)を採用しており、各ドラム21L,21C,21Rを互いに独立に回転制御するために、各ドラム用基準位置検出センサ23L,23C,23R(図9参照)をそれぞれ内蔵している。各ドラム21L,21C,21Rには回転基準位置が設けられており、各ドラム21L,21C,21Rが1回転するうちに対応する各ドラム用基準位置検出センサ23L,23C,23Rがこの回転基準位置を検出し、検出信号を出力する。
図3および図4(a)に示すように、左ワープルート40Lは、上端入口が遊技領域に、下端出口が玉放出通路41Lを介して左ドラム21Lの左側壁21Lbに対向するように配置され、遊技領域を流下する玉を上端入口から進入させ、進入した玉を重力により下端出口まで導いて放出する。図3および図4(b)に示すように、右ワープルート40Rは、上端入口が遊技領域に、下端出口が玉放出通路41Rを介して右ドラム21Rの右側壁21Rbに対向するように配置され、遊技領域を流下する玉を上端入口から進入させ、進入した玉を重力により下端出口まで導いて放出する。
図5に示すように、左ドラム21Lは、不透明な素材で作成されており、短円筒体でなる外周部21Laと、外周部21Laの左端開口縁から内方に向けて延出された左側壁21Lbと、左側壁21Lbが円錐壁部21Lcを介して軸線O方向の中央側に落ち込むように形成された中央部21Ldと、外周部21Laの右端開口縁から内方に向けて延出された右鍔部21Leとから構成されている。左ドラム21Lのワープルート40Lに面した左側壁21Lbには、扇形の2つの入賞口21Lf,21Lfが軸線Oを挟んで対称となるように、かつ同一円周上となるように穿設されている。左ドラム21Lの外周面には、図8に示すように、「1」,「2」,「3」,「4」,「5」,「6」,「7」,「8」の8つの図柄が配置されており、左ドラム21Lの外周部21Laの図柄「2」,「3」の間、図柄「6」,「7」の間には、貫通路21Lg,21Lgが、入賞口21Lf,21Lfと対応する角度位置となるようにそれぞれ穿設されている。ワープルート40Lを通過した玉が、何れかの入賞口21Lfから左ドラム21L内に進入できると、入賞となる。左ドラム21L内に一旦進入した玉は、左側壁21Lbおよび右鍔部21Leによって外部にこぼれないように阻止されており、外周部21Laの最下位位置にある貫通路21Lgを経由してパチンコ遊技機1の内部に取り込まれ、入賞球として扱われる。つまり、左のドラム21Lは、可動式の入賞口21Lf,21Lfを備えた役物である。一方、左のワープルート40Lを通過した玉がタイミング悪く入賞口21Lfでない左側壁21Lbに衝突すると、跳ね返されてそのまま下方に落下し、左ドラム21Lの左側下方にある玉放出通路41Lを経由して遊技領域に戻る。
図6に示すように、中ドラム21Cは、不透明な素材で作成されており、短円筒体でなる外周部21Caと、外周部21Caの右端開口縁から内方に向けて延出された右側壁21Cbと、右側壁21Cbが円錐壁部21Ccを介して軸線O方向の中央側に落ち込むように形成された中央部21Cdと、外周部21Caの左開口縁から内方に向けて延出された左鍔部21Ceとから構成されている。中ドラム21Cは、右側壁21Cbおよび左鍔部21Ceにより、玉が中に入らないように規制されている。中ドラム21Cの外周面には、図8に示すように、「1」,「2」,「3」,「4」,「5」,「6」,「7」,「8」の8つの図柄が配置されている。
図7に示すように、右ドラム21Rは、不透明な素材で作成されており、短円筒体でなる外周部21Raと、外周部21Raの右端開口縁から内方に向けて延出された右側壁21Rbと、右側壁21Rbが円錐壁部21Rcを介して軸線O方向の中央側に落ち込むように形成された中央部21Rdと、外周部21Raの左端開口縁から内方に向けて延出された左鍔部21Reとから構成されている。右ドラム21Rのワープルート40Rに面した右側壁21Rbには、扇形の2つの入賞口21Rf,21Rfが軸線Oを挟んで対称となるように、かつ同一円周上となるように穿設されている。右ドラム21Rの外周面には、図8に示すように、「8」,「7」,「6」,「5」,「4」,「3」,「2」,「1」の8つの図柄が配置されており、右ドラム21Rの外周部21Raには、図柄「7」,「6」および図柄「3」,「2」の間に貫通路21Rgが、入賞口21Rf,21Rfと対応する角度位置となるようにそれぞれ穿設されている。ワープルート40Rを通過した玉が何れかの入賞口21Rfから右ドラム21R内に進入できると、入賞となる。右ドラム21R内に一旦進入した玉は、右側壁21Rbおよび左鍔部21Reによって外部にこぼれないように阻止されており、外周部21Raの最下位位置にある貫通路21Rgを経由してパチンコ遊技機1の内部に取り込まれ、入賞球として扱われる。つまり、右ドラム21Rは、可動式の入賞口21Rf,21Rfを備えた役物である。一方、右のワープルート40Rを通過した玉がタイミング悪く入賞口21Rfでない右側壁21Rbに衝突すると、跳ね返されてそのまま下方に落下し、右ドラム21Rの右側下方にある玉放出通路41Rを経由して遊技領域に戻る。
図3および図4(a),(b)に示すように、左ドラム21Lの外周部21Laの内周面は中央に向けて傾斜するように形成され、貫通路21Lgは外周部21Laの内周面からさらに傾斜するように形成されており、左ドラム21L内に入賞した玉が確実に貫通路21Lgから排出されるようになっている。同様に、右ドラム21Rの外周部21Raの内周面は中央に向けて傾斜するように形成され、貫通路21Rgは外周部21Raの内周面からさらに傾斜するように形成されており、右ドラム21R内に入賞した玉が確実に貫通路21Rgから排出されるようになっている。また、各ドラム用ステー25L,25C,25Rを取り付けるステー取付板50は、回転ドラム式表示装置20の下方において、後方側(遊技盤3側)よりも前方側(遊技者側)の方が低くなるように表面全体が傾斜しており、この傾斜に沿うように玉放出通路41L,41Rも傾斜して形成されている。
図3および図4(a)に示すように、ステー取付板50の左ドラム21Lの直下の位置には、左ドラム21Lの貫通路21Lgのいずれかが最下位となる回転位置にあるときに、最下位位置にある貫通路21Lgと狭い間隙を介して正対するように、玉通路51Lが穿設されている。玉通路51Lは、始動入賞装置12への玉の入賞に相当する始動入賞(以下、第1入賞という)を検出する第1入賞検出器162(図9参照)を配設し、始動入賞装置12に連通されている。したがって、左ワープルート40Lに進入した玉がタイミング良く左ドラム21Lの入賞口21Lfから入賞すると、入賞球はその入賞口21Lfに対応する位置にある玉通路51Lgを通過して、第1入賞検出器162によって第1入賞が検出されるようになっている(図10のS102参照)。左ワープルート40Lに進入した玉がタイミング悪く左側壁21Lbに衝突すると、跳ね返されてそのまま下方に落下し、左ドラム21Lの左側下方にある玉放出通路41Lを経由して遊技領域に戻る。
図3および図4(b)に示すように、ステー取付板50の右ドラム21Rの直下の位置には、右ドラム21Rの貫通路21Rgのいずれかが最下位となる回転位置にあるときに、最下位位置にある貫通路21Rgと狭い間隙を介して正対するように、玉通路51Rが穿設されている。玉通路51Rは、始動入賞装置12への玉の入賞に相当する始動入賞(以下、第2入賞という)を検出する第2入賞検出器163(図9参照)を配設し、始動入賞装置12に連通されている。したがって、右ワープルート40Rに進入した玉がタイミング良く右ドラム21Rの入賞口21Rfから入賞すると、入賞球はその入賞口21Rfに対応する位置にある玉通路51Rgを通過して、第2入賞検出器163によって第2入賞が検出されるようになっている(図10のS103参照)。右ワープルート40Rに進入した玉がタイミング悪く右側壁21Rbに衝突すると、跳ね返されてそのまま下方に落下し、右ドラム21Rの右側下方にある玉放出通路41Rを経由して遊技領域に戻る。
図9は、実施例1に係るパチンコ遊技機1の回路ブロック図である。このパチンコ遊技機1は、主回路110が搭載された主制御基板100と、アンプ/スピーカ122,装飾ランプ類123およびドラム制御基板130を制御する副制御回路121が搭載された副制御基板120と、各ドラム用基準位置検出センサ23L,23C,23Rからの検出信号を入力するとともに各ドラム用モータ22L,22C,22Rを駆動制御するドラム制御回路131が搭載されたドラム制御基板130と、払出装置142および発射制御基板150を制御する払出制御回路141が搭載された払出制御基板140と、発射装置152を制御する発射制御回路151が搭載された発射制御基板150と、通過ゲート11に併設されたゲート通過検出器161と、第1入賞検出器162と、第2入賞検出器163と、始動入賞装置12に併設された始動入賞検出器164と、大入賞装置13に併設された大入賞検出器165と、始動入賞装置12の回動翼片12a,12aを開閉する電チューソレノイド166と、大入賞装置13を開閉する大入賞ソレノイド167と、各基板に所定電圧を供給する電源回路部168とを含んで構成されている。
主回路110は、CPU(Central Processing Unit)111,プログラム格納用のROM(Read Only Memory)112,ワークエリアや各種カウンタ等が割り当てられるRAM(Random Access Memory)113,入出力インタフェースであるI/O(Input/Output)114等を備える。なお、その他の各基板の制御回路も、個別にCPU(制御回路)やメモリを備える構成が一般的であるが、図9では省略している。
副制御基板120に搭載された副制御回路121は、主回路110より入力される音声制御信号に応じてアンプ/スピーカ122より音声を出力させる。また、副制御回路121は、主回路110より入力されるランプ制御信号に応じて特図保留ランプ15を含む装飾ランプ類123の点灯/消灯を制御する。さらに、副制御回路121は、主回路110より入力される図柄変動信号(ドラム回転制御信号)をドラム制御基板130に出力する。
ドラム制御基板130に搭載されたドラム制御回路131は、副制御基板120を介して主回路110より入力される図柄変動信号(ドラム回転制御信号)に応じて、各ドラム21L,21C,21Rを制御するための処理を実行する。すなわち、ドラム制御回路131は、各ドラム用モータ22L,22C,22Rを駆動制御する。本実施例1では、全部で3つのドラム21L,21C,21Rを回転動作させるために3つのドラム用モータ22L,22C,22Rが備えられており、各ドラム21L,21C,21Rと各ドラム用モータ22L,22C,22Rとは1対1で制御されている。各ドラム21L,21C,21Rには回転基準位置が設けられており、各ドラム21L,21C,21Rが1回転するうちに対応する各ドラム用基準位置検出センサ23L,23C,23Rがこの回転基準位置を検出し、検出信号をドラム制御基板130に送信している。したがって、ドラム制御回路131は、その検出信号を受信してから回転したステップ数に基づいて現在の各ドラム21L,21C,21Rの回転位置を特定している。また、ドラム制御回路131は、各ドラム21L,21C,21Rの各図柄の位置と回転基準位置からのステップ数との関係を全て把握している。よって、ドラム制御回路131は、主回路110から入力される図柄変動信号に応じて各ドラム用モータ22L,22C,22Rを駆動制御し、所望の変動表示、停止表示を行うことができるようになっている。
払出制御基板140に搭載された払出制御回路141は、主回路110より入力される賞球払出信号に応じて払出装置142を制御する。これにより、払出装置142が所定数の賞球を玉供給皿4に払い出す。また、払出制御回路141は、主回路110より入力される発射制御信号を発射制御基板150に出力する。
発射制御基板150に搭載された発射制御回路151は、遊技者が発射ハンドル5(図1参照)を操作することに応じて、発射ハンドル5に対応して設けられた発射装置152を作動させる。発射ハンドル5の操作量に応じて、玉の打出し強さ(玉の飛距離)を調節することが可能となっている。
図10は、実施例1に係るパチンコ遊技機1における始動入賞検出処理を示すフローチャートである。
次に、このように構成された実施例1に係るパチンコ遊技機1の動作について説明する。
パチンコ遊技機1への電源投入後、玉供給皿4に準備された玉は、発射ハンドル5を含んで構成される発射装置152によって遊技盤3に向けて発射される。遊技盤3に達した玉は、遊技盤3の盤面上を流下する。
遊技盤3の盤面上を流下する玉が通過ゲート11に入球して通過(ゲート通過)すると、これをゲート通過検出器161が検出して、通過検出信号が主回路110に送信される。
主回路110は、ゲート通過検出器161からの通過検出信号により通過ゲート11の玉の通過を検出しており、通過ゲート11を玉が通過したことが検出されると、普図用乱数テーブル(図示せず)から値を抽出し、RAM113上の普図用保留記憶領域(図示せず)に普通図柄(普図)の抽選結果を記憶して保留する。次に、主回路110は、RAM113上の普図用保留記憶領域に普図の抽選結果の保留があるかどうかを判定し、普図用保留記憶領域に普図の抽選結果の保留があれば、電チューである始動入賞装置12が開放中であるかどうかを判定する。電チューである始動入賞装置12が開放中でなければ、主回路110は、RAM113上の普図用保留記憶領域に保留されている最古の普図の抽選結果を読み出し、読み出した普図の抽選結果を所定の普図用判定値と照合して当たり/ハズレの判定を行う。なお、普図の当たり確率は、例えば127/128である。判定結果が当たりであれば、主回路110は、電チューソレノイド166を励磁することにより、電チューである始動入賞装置12を所定時間開放する。普図当選時の始動入賞装置12の開放時間は、通常時には、例えば0.5秒間、確変時および時短時には、例えば5秒間である。次に、主回路110は、確変中または時短中であるかどうかを判定し、確変中または時短中であれば、例えば1.8秒経過するのを待機した後、電チューソレノイド166を非励磁とすることにより、電チューである始動入賞装置12を閉鎖する。一方、確変中または時短中でなければ、主回路110は、例えば0.5秒が経過するのを待機した後、電チューである始動入賞装置12を閉鎖する。
電チュー(回動翼片12a,12a)の開閉の如何にかかわらず、始動入賞装置12に玉が入賞すると、始動入賞検出器164が、これを検出して、入賞検出信号を主回路110に送信する。
また、遊技盤3の盤面上を流下する玉が左ワープルート40Lまたは右ワープルート40Rの上端入口に進入(入球)すると、進入した玉は、重力により下端出口まで導かれて放出される。左ワープルート40Lから放出された玉は、左ドラム21Lの回転位置に応じてタイミングよく入賞口21Lfのいずれかに入賞すると、この入賞口21Lfに対応して穿設された貫通路21Lgを通じて玉通路51Lに落下する。すると、第1入賞検出器162が玉を検出し、入賞検出信号を主回路110に送信する。一方、タイミングが悪く左ドラム21Lの左側壁21Lbに衝突して跳ね返された玉は、玉放出通路41Lを転がって遊技領域に戻る。また、右ワープルート40Rから放出された玉は、右ドラム21Rの回転位置に応じてタイミングよく入賞口21Rfのいずれかに入賞すると、この入賞口21Rfに対応して穿設された貫通路21Rgを通じて玉通路51Rに落下する。すると、第2入賞検出器163が玉を検出し、入賞検出信号を主回路110に送信する。一方、タイミングが悪く右ドラム21Rの右側壁21Rbに衝突して跳ね返された玉は、玉放出通路41Rを転がって遊技領域に戻る。
始動入賞検出処理では、主回路110は、始動入賞検出器164,第1入賞検出器162,および第2入賞検出器163からの入賞検出信号により始動入賞装置12,第1入賞検出器162,および第2入賞検出器163での玉の入賞を検出しており、始動入賞装置12,第1入賞検出器162,および第2入賞検出器163での玉の入賞が検出されると、特図用乱数テーブル(図示せず)より値を抽出して特図の内部抽選を行い、RAM113上の特図用保留記憶領域(図示せず)に特図の抽選結果を記憶して保留する。なお、特図の大当たり確率は、通常時には例えば1/250、確変中には例えば1/25である。
詳しくは、主回路110は、始動入賞検出器164からの入賞検出信号により始動入賞が検出されたかどうかを判定し(図10のS101)、始動入賞が検出されていなければ(図10のS101:NO)、第1入賞検出器162からの入賞検出信号により第1入賞が検出されたかどうかを判定する(図10のS102)。第1入賞が検出されていなければ(図10のS102:NO)、主回路110は、第2入賞検出器162からの入賞検出信号により第2入賞が検出されたかどうかを判定する(図10のS103)。第2入賞が検出されていなければ(図10のS103:NO)、主回路110は、始動入賞検出処理を終了する。始動入賞が検出されるか(図10のS101:YES)、第1入賞が検出されるか(図10のS102:YES)、あるいは第2入賞が検出されるかすると(図10のS103:YES)、主回路110は、特図の保留が最大保留数4であるかどうかを判定する(図10のS104)。特図の保留が最大保留数4でなければ(図10のS104:NO)、主回路110は、特図用乱数テーブルより値を抽出して内部抽選を実施し(図10のS105)、RAM113上の特図用保留記憶領域に特図の抽選結果を記憶して保留する(図10のS106)。次に、主回路110は、賞球払出信号を払出制御基板140に出力して所定数の賞球の払出を指示する(図10のS107)。特図の保留が最大保留数4であれば(図10のS104:YES)、主回路110は、内部抽選および抽選結果の記憶をすることなしに、賞球払出信号を払出制御基板140に出力して所定数の賞球の払出を指示する(図10のS107)。
払出制御基板140では、賞球払出信号が入力されると、払出制御回路141が、払出装置142に所定数(例えば、5個)の賞球を払い出させる。
特図保留読出処理では、主回路110は、RAM113上の特図用保留記憶領域に特図の保留があるかどうかを判定し、特図用保留記憶領域に特図の保留があれば、回転ドラム式表示装置20において先の特図の変動表示中であるかどうかを判定する。先の特図の変動表示中でなければ、主回路110は、大当たりフラグがONであるかどうかに基づいて大当たり中であるかどうかを判定する。大当たり中でなければ、主回路110は、RAM113上の特図用保留記憶領域から最古の特図の抽選結果を読み出す。次に、主回路110は、読み出された特図の抽選結果を、通常時(時短状態も含む)であるか確変時であるかに応じて所定の通常時用判定値または確変時用判定値と照合して当たり/ハズレの判定を行い、当たり/ハズレの判定結果に基づいて特図の変動時間,演出パターン,停止図柄等を決定する。次に、主回路110は、回転ドラム式表示装置20における特図の図柄変動,ならびに特図の変動タイマ(図示せず)のカウントを開始する図柄変動信号を副制御基板120を介してドラム制御基板130に送信する。
ドラム回転処理(特図変動処理)では、ドラム制御基板130のドラム制御回路131は、主回路110から副制御基板120を介して回転開始指示があるかどうかを判定しており、回転開始指示がなければ、ドラム回転処理を終了する。回転開始指示があれば、ドラム制御回路131は、左,中,右の各ドラム用モータ22L,22C,22Rを駆動することにより、左,中,右の各ドラム21L,21C,21Rの回転を開始する。次に、ドラム制御回路131は、左ドラム21Lの停止指示があるかどうかを判定する。左ドラム21Lの停止指示がなければ、ドラム制御回路131は、左ドラム21Lの停止指示があるまで待機する。左ドラム21Lの停止指示があると、ドラム制御回路131は、左ドラム用モータ22Lを減速制御することにより左ドラム21Lを停止する。続いて、ドラム制御回路131は、右ドラム21Rの停止指示があるかどうかを判定する。右ドラム21Rの停止指示がなければ、ドラム制御回路131は、右ドラム21Rの停止指示があるまで待機する。右ドラム21Rの停止指示があると、ドラム制御回路131は、右ドラム用モータ22Rを減速制御することにより右ドラム21Rを停止する。次に、ドラム制御回路131は、左ドラム21Lの停止図柄と右ドラム21Rの停止図柄とに基づいてリーチであるかどうかを判定する。リーチであれば、ドラム制御回路131は、中ドラム用モータ22Cを制御して中ドラム21Cを低速回転し、リーチでなければ、そのまま回転を継続する。続いて、ドラム制御回路131は、中ドラム21Cの停止指示があるかどうかを判定する。中ドラム21Cの停止指示がなければ、ドラム制御回路131は、中ドラム21Cの停止指示があるまで待機する。中ドラム21Cの停止指示があると、ドラム制御回路131は、中ドラム用モータ22Cを減速制御することにより中ドラム21Cの回転を停止し、ドラム回転処理を終了する。
ドラム制御回路131によるドラム回転処理が終了すると、主回路110は、同じ数字の図柄が3つ並んだ大当たり図柄での停止であるかどうかを判定する。大当たり図柄での停止であれば、主回路110は、大当たりフラグをONにし、奇数の数字が3つ並んだ確変図柄での停止であるか偶数の数字が3つ並んだ非確変図柄での停止であるかを判定する。確変図柄での停止であれば、主回路110は、確変フラグをONにし、非確変図柄での停止であれば、確変フラグをOFFにする。
大当たり処理では、主回路110は、大当たりフラグがONであるかどうかを判定し、大当たりフラグがONであれば、1回の大当たりで大入賞装置13を最大ラウンド数15まで開放させるために、ラウンド数が最大ラウンド数15でないかどうかを判定する。ラウンド数が最大ラウンド数15でなければ、主回路110は、ラウンド数に1を加算し、大入賞ソレノイド167を励磁することにより大入賞装置13の開放を指示する。これにより、大入賞装置13が開放して、玉の入賞が可能になる。大入賞装置13への1入賞に対し、15個の賞球が玉供給皿4に払い出される。大入賞装置13へ1ラウンドの入賞可能玉数10の玉が入賞するか、大入賞装置13が開放してから1ラウンドの最大開放時間25秒が経過するかのいずれかが満たされると、主回路110は、大入賞ソレノイド167を非励磁とすることにより、大入賞装置13の閉鎖を指示する。これにより、大入賞装置13が閉鎖して、玉の入賞ができなくなる。この後、大当たりフラグがまだONであるため、主回路110は、大入賞装置13の開閉を繰り返す。この開閉動作の繰り返しにより、遊技者は、多量の玉を獲得できる。そして、ラウンド数が最大ラウンド数15になると、主回路110は、ラウンド数を初期値0にリセットして、大当たりフラグをOFFにする。
大当たり処理の終了後、確変フラグがONである確変図柄での大当たりであったときは、その大当たりの終了後は確変状態(通常よりも大当たりの当選確率が高い状態)になり、この確変状態は次の大当たりに当選するまで継続する。また、確変フラグがOFFである非確変図柄での大当たりであったときは、その大当たりの終了後は時短状態(普図の変動時間が短くなり、電チューである始動入賞装置12の開放時間が長くなる状態)になり、特図の図柄変動が100回終了するまで継続する(100回以内に内部抽選で当選したときは、その時点で終了する)。
実施例1によれば、従来は抽選結果を表示する目的でのみ使用されていた回転ドラム式表示装置20の左右のドラム21L,21Rに向けて遊技領域からワープルート40L,40Rを介して玉を導いて、ドラム21L,21Rの回転位置に応じてドラム21L,21Rの入賞口21Lf,21Rfに入賞させるかドラム21L,21Rの側壁21Lb,21Rbに衝突させるかを振り分けるようにしたので、新たな始動入賞経路への新たな玉の動きによって遊技者に遊技に対するより一層の興趣を与えることができる。
ところで、実施例1,2では、左ドラム21Lの入賞口21Lf,21Lf、および右ドラム21Rの入賞口21Rf,21Rfに入賞した入賞球を、遊技盤3上に配置された始動入賞装置12に入賞した入賞球と同じ特図(以下、第1特図という)の内部抽選を行う入賞球として取り扱うようにしたが、左ドラム21Lの入賞口21Lf,21Lf、および右ドラム21Rの入賞口21Rf,21Rfに入賞した入賞球を、遊技盤3上に配置された始動入賞装置12に入賞した入賞球とは別の特図(以下、第2特図という)の内部抽選を行う入賞球として取り扱うようにしてもよい。
図12および図13は、左ドラム21Lの入賞口21Lf,21Lf、および右ドラム21Rの入賞口21Rf,21Rfを遊技盤3上に配置された始動入賞装置12とは別の第2特図の内部抽選を行う第2始動入賞装置とした本発明の実施例3に係るパチンコ遊技機1における始動入賞検出処理および第1・第2入賞検出処理を示すフローチャートである。
始動入賞検出処理では、主回路110は、始動入賞が検出されたかどうかを判定しており(図12のS301)、始動入賞が検出されていなければ(図12のS301:NO)、始動入賞検出処理を終了する。始動入賞が検出されていれば(図12のS301:YES)、主回路110は、第1特図の保留が最大保留数4であるかどうかを判定する(図12のS302)。第1特図の保留が最大保留数4でなければ(図12のS302:NO)、主回路110は、第1特図の内部抽選を実施し(図12のS303)、RAM113上の第1特図用保留記憶領域(図示せず)に第1特図の抽選結果として記憶し(図12のS303)、所定数の賞球の払出を払出制御基板140の払出制御回路141に指示して(図12のS305)、始動入賞検出処理を終了する。第1特図の保留が最大保留数4であれば(図12のS302:YES)、主回路110は、内部抽選および第1特図の抽選結果の記憶をすることなしに、所定数の賞球の払出を払出制御基板140の払出制御回路141に指示して(図12のS305)、始動入賞検出処理を終了する。
第1・第2入賞検出処理では、主回路110は、第1入賞が検出されたかどうかを判定しており(図13のS401)、第1入賞が検出されていなければ(図13のS401:NO)、第2入賞が検出されたかどうかを判定する(図13のS402)。第2入賞が検出されていなければ(図13のS402:NO)、主回路110は、始動入賞検出処理を終了する。第1入賞が検出されているか(図13のS401:YES)、第2入賞が検出されていれば(図13のS402:YES)、主回路110は、第2特図の保留が最大保留数4であるかどうかを判定する(図13のS403)。第2特図の保留が最大保留数4でなければ(図13のS403:NO)、主回路110は、第2特図の内部抽選を実施し(図13のS404)、RAM113上の第2特図用保留記憶領域(図示せず)に第2特図の抽選結果として記憶し(図13のS405)、所定数の賞球の払出を払出制御基板140の払出制御回路141に指示する(図13のS406)。第2特図の保留が最大保留数4であれば(図13のS403:YES)、主回路110は、内部抽選および第2特図の抽選結果の記憶をすることなしに、所定数の賞球の払出を払出制御基板140の払出制御回路141に指示する(図13のS406)。
なお、特図が第1特図と第2特図との2つに増えたので、特図の保留数は8つに倍増することになる。そのため、図1に示した実施例1に係るパチンコ遊技機1において、特図保留ランプ15の左2つのランプを第1特図用に使用し、右2つのランプを第2特図用に使用することができる。例えば、2つのランプの消灯,点滅,点灯の組み合わせで0〜4までの特図の保留数を表すようにしてもよく、また2つのランプの消灯,赤点灯,青点灯の組み合わせで0〜4までの特図の保留数を表すようにしてもよい。
また、図1に示した実施例1に係るパチンコ遊技機1において、特図保留ランプ15のランプの数を4つから8つに増やすようにしてもよい。そして、左4つのランプを第1特図用に使用し、右4つのランプを第2特図用に使用してもよい。また、8つのランプを第1特図用および第2特図用に兼用するようにしてもよい。例えば、第1特図の保留を赤点灯で示し、第2特図の保留を青点灯で示し、保留の発生順に赤点灯または青点灯を左詰めで並べて表示して、現在のドラム回転が第1特図によるものであるか第2特図によるものであるか、現在以降のドラム回転が第1特図によるものと第2特図によるものとがどのような順番で発生するかまで報知するようにしてもよい。この場合、現在のドラム回転が停止したならば、新たな第1特図および第2特図の保留数および保留順序に合わせて特図保留ランプ15のランプの点灯状態を左詰めで順送りに並べ換えるようにする。
その他の特に言及しなかった部分は、図1ないし図9に示した実施例1に係るパチンコ遊技機1の対応部分と同様に構成され、かつ同様に動作するので、それらの詳しい説明を割愛する。
実施例3によれば、特図が2つに増え、特図の保留数が倍増するので、遊技者は従来行っていた特図の保留数が各特図の最大保留数4になったとしても玉の打込みを休止しなくてもすむようになり、パチンコ遊技機1の稼働率が向上する。すなわち、特図が第1特図と第2特図との2つに増えたので、一方の特図の保留数が最大保留数4になっても、他方の特図の保留数が最大保留数4になっていなければ、遊技者は玉の打込みを続けることになり、パチンコ遊技機1の稼働率が向上することになる。
なお、本実施例3に係るパチンコ遊技機1では、回転ドラム式表示装置20とは別に、第2始動入賞装置(入賞口21Lf,21Lfおよび入賞口21Rf,21Rf)へ玉の入賞に対して内部抽選を実行し、その抽選結果を表示する専用の表示装置を設けるようにしてもよい。
また、本実施例3に係るパチンコ遊技機1では、特図保留ランプ15の左2つのランプを第1特図用に使用し、右2つのランプを第2特図用に使用するように説明したが、特図保留ランプ15とは別の保留表示部を設けるようにしてもよい。
以上、本発明の各実施例を説明したが、これらはあくまでも例示にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づく種々の変更が可能である。
例えば、各実施例では、左右のドラム21L,21Rに入賞口を設けたが、何れか一方のドラムだけに入賞口を設けるようにしてもよい。また、真ん中のドラム21Cに入賞口を設けてもよい。例えば、左右のドラム21L,21Rに進入した玉が上手く各ドラム21L,21R内を通過して中ドラム21Cに達すると、中ドラム21Cの入賞口に入賞できるようにしてもよいし、中ドラム21Cへのワープルートの入口を回転ドラム式表示装置20の上側に設けて、玉がワープルートを介して中ドラム21Cの入賞口に直接入賞できるようにしてもよい。
また、各実施例では、左右のドラム内に進入した玉を外周部の貫通路からドラム外に排出するように構成されていたが、左右のドラムの側面からドラム外に排出して遊技機内に取り込むように構成してもよい。左右のドラム内に進入した玉と進入できなかった玉とが正確に区別できるように構成されていればよい。