JP2006006083A - 駆動制御装置、駆動制御方法、画像形成装置、画像読取装置及びプログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本駆動制御装置は、無端移動する駆動制御対象部材又は該駆動制御対象部材の無端移動とともに無端移動する無端移動部材の無端移動方向にわたり所定間隔で連続するように設けた複数のマークをマーク検出手段によって検出し、これにより得られるマーク検出信号を用いて駆動制御対象部材の駆動をフィードバック制御する。各マークに対応する信号部分の間隔が予め決められた範囲外となるマーク検出信号中の不連続部分、並びに、その不連続部分の直前及び直後の信号部分の少なくとも一方については、マーク検出信号に代わる代替信号を用いてフィードバック制御を行う。
【選択図】 図1
Description
また、予め複数のマークが形成されたエンコーダスケール等を上記駆動制御対象部材の表面等に貼り付けることでマークを設けた場合には、つなぎ目が存在してしまう。一般に、スケールを貼り付ける場合、スケールの両端が重ならないようにその両端を離間させるので、そのつなぎ目部分を挟んだ2つのマークの間隔は、通常、他の部分のマーク間隔よりも広くなる。よって、このつなぎ目部分でも、マーク検出手段による正確なマーク検出を行うことができない。
このように、連続する複数のマーク中に傷や汚れあるいはつなぎ目といったものが存在すると、マーク検出信号中に、マークに対応する信号部分の間隔が予め決められた範囲外となる不連続部分が生じることになる。このような不連続部分がマーク検出信号中に存在すると、その不連続部分の期間においては、フィードバック制御が不安定となり、安定した駆動制御を行うことができない。
なお、このめくれ部分108bは、リニアスケール108のいずれの端部でも生じ得るものである。したがって、このめくれ部分108bが図23(a)中左側のリニアスケール端部で発生した場合には、不連続部分の開始側(図23(c)中左側)においても、同様にデューティ比が崩れた不安定なマーク検出信号が表れることになる。
しかし、トナー等の粉体が固まって上記汚れ部分133が形成される場合、その粉体が汚れ部分133の周囲にも拡散して付着することがある。このように拡散した粉体部分133aでは、図24(b)中破線に示すように受光レベル部分が不安定になる。このように受光レベルが不安定な部分では、図23(c)に示すように、マーク検出信号のデューティ比が崩れ、マーク検出信号も不安定なものとなる。その結果、上記先願のように不連続部分についてだけ代替信号を用いても、適切なフィードバック制御を行うことができないことがある。
また、請求項2の発明は、請求項1の駆動制御装置において、上記代替信号を用いたフィードバック制御を行う上記信号部分は、上記不連続部分の直前及び直後の少なくとも一方に存在する不安定信号部分の全てが含まれるように設定することを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1又は2の駆動制御装置において、上記マーク検出信号中に上記不連続部分が存在する不連続期間及び該期間直後の予め決められた一定期間、特定制御信号を出力する特定制御信号出力手段を有し、上記フィードバック制御手段は、該特定制御信号が出力されている間は上記代替信号を用いてフィードバック制御を行うことを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1又は2の駆動制御装置において、上記マーク検出信号中に上記不連続部分が存在する不連続期間及び該期間直前の予め決められた一定期間、特定制御信号を出力する特定制御信号出力手段を有し、上記フィードバック制御手段は、該特定制御信号が出力されている間は上記代替信号を用いてフィードバック制御を行うことを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項1又は2の駆動制御装置において、上記マーク検出信号中に上記不連続部分が存在する不連続期間、該期間直後の予め決められた一定期間及び該期間直前の予め決められた一定期間、特定制御信号を出力する特定制御信号出力手段を有し、上記フィードバック制御手段は、該特定制御信号が出力されている間は上記代替信号を用いてフィードバック制御を行うことを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項4又は5の駆動制御装置において、上記マーク検出信号中の上記不連続部分の開始時期を記憶する記憶手段を有し、上記特定制御信号出力手段は、次回以降に該不連続部分が該マーク検出信号中に出現する際、該記憶手段に記憶された開始時期から上記一定期間前に上記特定制御信号の出力を開始することを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項3、4、5又は6の駆動制御装置において、上記駆動制御対象部材又は上記無端移動部材の無端移動速度を検出する速度検出手段を有し、上記不連続部分が存在するか否かは、該速度検出手段により検出された無端移動速度が規定範囲外であるか否かによって行うことを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項3、4、5又は6の駆動制御装置において、上記不連続期間の開始時期及び終了時期は、各マークに対応する信号部分の時間間隔に相当する周波数成分を上記マーク検出信号中から除去して得た信号が所定の閾値をまたいで変化するタイミングに設定することを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項3、4、5又は6の駆動制御装置において、上記不連続部分が存在するか否かは、所定のサンプリング時間内に得た上記マーク検出信号中におけるマークに対応した信号部分の数が規定数よりも少ないか否かによって行い、上記一定期間を、該サンプリング時間の整数倍に相当する時間に設定したことを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7、8又は9の駆動制御装置において、上記マーク検出信号を所定倍まで逓倍した逓倍信号を生成する逓倍手段を有し、上記フィードバック制御手段は、上記代替信号を用いたフィードバック制御を行う期間外では、該逓倍信号を用いてフィードバック制御を行うことを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、請求項10の駆動制御装置において、上記逓倍手段として、フィードバックした逓倍信号と逓倍前のマーク検出信号とを位相比較し、その位相比較結果を用いて逓倍信号を生成する逓倍回路を用いることを特徴とするものである。
また、請求項12の発明は、無端移動する駆動制御対象部材又は該駆動制御対象部材の無端移動とともに無端移動する無端移動部材の無端移動方向にわたり所定間隔で連続するように設けた複数のマークをマーク検出手段によって検出し、これにより得られるマーク検出信号を用いて該駆動制御対象部材の駆動をフィードバック制御する駆動制御方法において、各マークに対応する信号部分の間隔が予め決められた範囲外となる上記マーク検出信号中の不連続部分、並びに、該不連続部分の直前及び直後の信号部分の少なくとも一方については、該マーク検出信号に代わる代替信号を用いてフィードバック制御を行うことを特徴とするものである。
また、請求項13の発明は、無端移動する駆動制御対象部材と、該駆動制御対象部材の駆動制御を行う駆動制御手段とを備えた画像形成装置において、上記駆動制御手段として、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又は11の駆動制御装置を用いることを特徴とするものである。
また、請求項14の発明は、原稿面に対して光を照射し、あるいは原稿面に対して照射された光の反射光を受光する走行体と、該走行体を該原稿面に沿って走行させるための駆動力を伝達する駆動力伝達経路上に設けられる無端移動する駆動制御対象部材と、該駆動制御対象部材の駆動制御を行う駆動制御手段とを備えた画像読取装置において、上記駆動制御手段として、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又は11の駆動制御装置を用いることを特徴とするものである。
また、請求項15の発明は、無端移動する駆動制御対象部材又は該駆動制御対象部材の無端移動とともに無端移動する無端移動部材の無端移動方向にわたり所定間隔で連続するように設けた複数のマークをマーク検出手段によって検出し、これにより得られるマーク検出信号を用いて該駆動制御対象部材の駆動をフィードバック制御する駆動制御装置に設けられるコンピュータを機能させるためのプログラムにおいて、各マークに対応する信号部分の間隔が予め決められた範囲外となる上記マーク検出信号中の不連続部分、並びに、該不連続部分の直前及び直後の信号部分の少なくとも一方については、該マーク検出信号に代わる代替信号を用いてフィードバック制御を行うフィードバック制御手段として、上記コンピュータを機能させることを特徴とするものである。
なお、代替信号を用いたフィードバック制御が行われる不連続部分の直前や直後の信号部分は、不連続部分の直前や直後で発生する不安定信号部分の少なくとも一部が含まれるように、例えば実験等に基づいて設定することができる。
図1は、駆動制御対象部材としてのベルト106を含む回転体駆動装置であるベルト駆動装置の構成を示す概略構成図である。このベルト106は、少なくとも2つ以上の軸間に掛け渡された無端状のベルトであって、後述する感光体ベルト、中間転写ベルト、直接転写ベルトに相当するものである。
ギヤ100の回転軸には駆動ローラ101が固定されており、直流電動機であるモータ102の回転軸にはギヤ103が固定されている。駆動源としてのモータ102が回転駆動すると、その回転力がギヤ103及びギヤ100を介して駆動ローラ101へ伝えられ、駆動ローラ101が回転駆動する。駆動ローラ101と従動ローラ104,105との間には、ベルト106が掛け渡されており、テンションローラ107によって一定の張力が掛かるようになっている。このベルト106の表面には、その表面移動方向(無端移動方向)に沿って複数のマークが形成されたリニアスケール108が貼り付けられている。また、このリニアスケール108に対向するように、マーク検出手段としての反射型フォトセンサからなる表面センサ109が設けられている。この表面センサ109によりリニアスケール108上のマークを読み込むことで、ベルト106の無端移動位置である表面移動位置や、無端移動速度である表面移動速度を計測する。
ギヤ122の回転軸124には駆動プーリ125が固定されており、駆動源としての直流電動機であるモータ121の回転軸にはギア122に噛み合うギヤ123が固定されている。モータ121が回転駆動すると、その回転力がギア122,123を介して駆動プーリ125が回転駆動される。駆動プーリ125と従動プーリ128との間には、タイミングベルト131が掛け渡されており、テンションプーリ130によって一定の張力が掛かるようになっている。従動プーリ128には同軸度が保たれるように、ドラム126が軸127を介して取り付けられている。ドラム126の表面には、その周方向に沿って図1に示したものと同様のリニアスケール108が貼り付けられている。また、このリニアスケール108に対向するように、マーク検出手段としての反射型フォトセンサからなる表面センサ109が設けられている。この表面センサ109によりリニアスケール108上のマークを読み込むことで、ドラム126の無端移動位置である表面移動位置や、無端移動速度である表面移動速度を計測する。
本実施形態のように、リニアスケール108を貼り付けることでマークを設ける場合、通常は、図3(a)に示すように、リニアスケール108の両端が重ならないように貼り付ける。そのため、このつなぎ目を挟んで位置する2つのマークの間隔は、リニアスケール108上のマーク間隔よりもずっと広くなる。よって、このつなぎ目部分に対応するマーク検出信号部分では、マークに対応する信号部分の間隔が予め決められた範囲外となる不連続部分となり、正常な信号が得られない。
本実施形態のように、回転体106,126の表面側にマークが設けられている場合、そのマークにトナー等の汚れが付着する場合がある。このように汚れが付着すると、その部分の反射光が弱くなり、この部分は、マークに対応する信号部分の間隔が予め決められた範囲外となる不連続部分となる。したがって、上記つなぎ目の場合と同様に、正常な信号が得られない。なお、汚れに限らず、スケール製作ミスによるマーク間隔のズレがある場合や、マークに傷が付いた場合も同様である。
図4(a)及び図4(b)において、符号135は、マイクロプロセッサ136、リードオンリメモリ(ROM)137、ランダムアクセスメモリ(RAM)138からなるマイクロコンピュータを示している。マイクロプロセッサ136、リードオンリメモリ(ROM)137、ランダムアクセスメモリ(RAM)138は、それぞれバス143を介して接続されている。また、符号139は、モータ102,121の目標角変位を指令する目標指令信号を出力する指令発生装置を示す。この指令発生装置139もバス143に接続されている。また、符号142は、表面センサ109の出力パルス(マーク検出信号)を処理してデジタル数値に変換する検出用インターフェース装置を示す。この検出用インターフェース装置142は、表面センサ109の出力パルスを所定のサンプリング時間ごとに計数するカウンタを備えており、このカウンタのカウント値をバス143を介してマイクロコンピュータ135へ順次送信する。マイクロコンピュータ135では、このカウント値に予め定められたパルス数対角変位の変換定数を乗じて、モータ102の回転軸の角変位を得る。また、符号140は、モータ駆動用インターフェースを示す。このモータ駆動用インターフェース140は、マイクロコンピュータ135から送られてくるフィードバック信号と、指令発生装置139から送られてくる目標指令信号との比較結果に基づいて、モータ駆動装置141を構成するパワー半導体、例えばトランジスタを動作させるパルス状信号(制御信号)を出力する。モータ駆動装置141は、モータ駆動用インターフェース140からのパルス状信号に基づき動作し、モータ102,121に印加する電圧を制御する。また、符号144は、モータ102,121に流れるモータ駆動電流を検出する電流センサである。この電流センサ144の検出結果は、モータ駆動電流用インターフェース装置145を介してマイクロコンピュータ135へ送られる。
また、図4(b)においては、更に、モータ102,121の角速度を検出する機構が設けられている。具体的には、モータ102,121には、角速度検出器146が設けられている。この角速度検出器146は、モータ102,121の回転軸に設けられたエンコーダからの出力パルスを任意の時間毎にカウントし、そのカウンタ値やパルス幅の通過時間などから、モータ102,121の角速度を検出する。その検出結果は、モータ角速度用インターフェース装置147を介してマイクロコンピュータ135へ送られる。
なお、本実施形態では、検出用インターフェース装置142、マイクロコンピュータ135、指令発生装置139及びモータ駆動用インターフェース140によって、フィードバック制御手段が構成されている。
図8は、補正処理部154による補正処理を行わない場合において、不連続部分の前後にわたる、各サンプリング時間ごとにカウントされるパルス数を示すグラフである。図8において、横軸は時間を、縦軸は表面センサ109から出力パルスについてサンプリング時間ごとにカウントされたパルス数をそれぞれ示している。サンプリング時間ごとのパルス数は、連続部分については、図中の通常領域a1の範囲内となる。しかし、リニアスケール108の傷や汚れが付いた部分やスケールのつなぎ目が表面センサ109の検出領域にやってくると、表面センサ109がマーク108aを検出できず、図示のようにパルス数が減少する。そこで、本実施形態では、サンプリング時間ごとのパルス数が通常領域a1から外れた非通常領域a2の範囲に入り込んだとき、補正処理部154がエラーであると判断するように構成されている。なお、通常領域a1は設計者が任意に決めることができる。
ここで、本発明者らの研究の結果、不連続部分についてだけダミーパルスを用いても、その不連続部分の直前や直後において適切な駆動制御を行うことができないことがあることが判明した。その原因は、図22に示したような表面センサ109の電気回路中に設けられたコンデンサの充電時間等の影響、図23に示したようなリニアスケール108の端部めくれ、図24に示したような汚れ部分周囲に飛散した粉体などである。
そこで、本実施形態では、このような原因が発生しても不連続部分の直前や直後において適切な駆動制御を行えるように、不連続部分だけでなく、その不連続部分の直前や直後においても、上記ダミーパルスを用いて制御を行う。
まず、図22に示したような表面センサ109の電気回路中に設けられたコンデンサの充電時間等の影響により、不連続部分の直後において適切な駆動制御が行えない場合の動作例(以下、本動作例を「動作例1」という。)について説明する。
表面センサ109の電気回路中に設けられたコンデンサの充電時間等の影響により、不連続部分の直後においては、図6(a)中破線で示したように受光レベルが不安定になり、図6(b)に示したように出力パルスも不安定になる。なお、図6(c)は、後述する特定制御信号出力手段としてのタイマーの出力信号であるマーク制御信号(特定制御信号)を示している。
また、この設定時間は、サンプリング時間の整数倍に相当する時間となるように設定するのが望ましい。これにより、サンプリング時間を計測するために利用する基準クロックを、タイマー回路でも利用することが可能となり、本フィードバック制御系を実現するにあたりクロック発生回路を省略することが可能となる。
図8において、パルス数Pn3までは、そのパルス数を示すカウント値がそのままフィードバック信号として用いられる通常のフィードバック制御を行う。このときのパルス数を、例えばRAM138に保存しておく。表面センサ109からの出力パルスのカウント値が通常領域a1に入っている場合は、RAM138に保存されるパルス数の値を更新する。そして、非通常領域a2の範囲内にあるパルス数Pn4がカウントされたら、パルス数Pn4の代わりに、RAM138に保存されているパルス数(最後に更新されたパルス数Pn3)を、ダミーパルスのパルス数Pn4aとして用い、これをフィードバック信号とする。制御ループの中では、このパルス数Pn4aがカウントされたものとして扱われる。パルス数Pn5についても同様である。このときは、RAM138に保存されるパルス数の値を更新せずに、最後に更新されたパルス数Pn3を保持する。更に、通常領域a1に入った後、設定時間が経過するまでは、ダミーパルスのパルス数Pn6a,Pn7aとして用い、これをフィードバック信号とする。このときも、RAM138に保存されるパルス数の値を更新せずに、最後に更新されたパルス数Pn3を保持する。そして、設定時間が経過したら、上述した通常のフィードバック制御に戻る。このような補正処理を行うことで、表面センサ109の検出領域につなぎ目部分や傷、汚れの付いた部分が存在しても、フィードバック制御系が不安定となることなく、継続される。更に、表面センサ109の電気回路中に設けられたコンデンサの充電時間等の影響を受けることなく、適切なフィードバック制御を行うことができる。
なお、ダミーパルスの決め方は、これに限らず、例えば上記先願に記載される他の決め方を採用してもよい。
具体的に説明すると、図11(a)に示すように、逓倍前の出力パルスにおいては、サンプリング時間T1,T2の区切りタイミングT0にまたがるように1個のパルスが存在する場合、パルスの立ち上がり部分でパルス数をカウントするときは、この1個のパルスはサンプリング時間T1でカウントされる。このような場合、サンプリング時間T1がちょうどパルスの立ち上がり部分で開始されたとしたら、このサンプリング時間T1では、およそマーク間隔の3/4に相当する進み位置誤差が生じる。また、サンプリング時間T2がちょうどパルスの立ち上がり部分で終了されたとしたら、このサンプリング時間T2では、おおよそマーク間隔の1/4に相当する遅れ位置誤差が生じる。これに対し、本動作例1のように上記出力パルスを逓倍した逓倍パルスを用いる場合、図11(b)に示すように、サンプリング時間T1,T2で生じ得る位置誤差は、最大でもマーク間隔の1/64に相当するものとなる。この結果、目標位置に対するベルト106やドラム126の位置の誤差範囲を、出力パルスを逓倍しない場合に比べて小さくすることができる。
また、本動作例1では、表面センサ109の電気回路中に設けられたコンデンサの充電時間等の影響に限定されることなく、図23に示したようなリニアスケール108の端部めくれ、図24に示したような汚れ部分周囲に飛散した粉体などが原因で、不連続部分の期間Aが終了した直後の出力パルス中に不安定信号部分が存在する場合でも、同様である。
次に、図23に示したようなリニアスケール108の端部めくれが、つなぎ目の無端移動方向下流側で発生して、不連続部分の直前において適切な駆動制御が行えない場合の動作例(以下、本動作例を「動作例2」という。)について説明する。
リニアスケール108の端部めくれにより、不連続部分の直前においては、図12(a)中破線で示したように受光レベルが不安定になり、図12(b)に示したように出力パルスも不安定になる。なお、図12(c)は、上記動作例1の場合と同様にマーク制御信号(特定制御信号)を示している。なお、本動作例2では、不連続部分の直前部分にだけ不安定な信号部分を有し、不連続部分の直後部分には不安定な信号部分がないと想定した場合について説明する。
本動作例2においては、補正処理部154でカウンタ153から出力されるカウント値が規定範囲内にあるか否かを判断する前に(S4)、現在、後述する補正処理期間(一定期間)内であるか否かを判断する(S11)。ここでは、まだ補正処理期間は設定されていないため、上記動作例1と同様に、カウント値が規定範囲内にあるか否かを判断する(S4)。そして、カウント値が規定範囲内にないと判断された場合、そのカウント値は、およそ、端部めくれが生じたリニアスケール108と、つなぎ目部分におけるベルト表面との境目に対応するエラー値である。この場合、本動作例2では、補正処理期間を特定制御信号出力手段としての図示しない信号生成部に設けられた記憶手段としての記憶部に記憶する。この信号生成部は、その記憶部に記憶された補正処理期間中には、Lレベルのマーク制御信号(特定制御信号)を出力し、それ以外の期間中はHレベルのマーク制御信号を出力する。このマーク制御信号は、マイクロコンピュータ135に入力される。
なお、その後、更にリニアスケール端部のめくれ量が広がった場合、その時点で設定されている補正処理期間が始まる前に(S11)、カウント値が規定範囲外となる(S4)。この場合、新しい補正処理期間が信号生成部の記憶部に記憶される。
なお、本動作例2では、不連続部分の期間Aの直前部分の期間が、出力パルス中に不安定信号部分が存在する期間Cに一致する期間としているが、この期間Cよりも長い期間とし、誤差を考慮したマージンを確保するようにしてもよい。
また、本動作例2では、信号生成部の記憶部に補正処理期間の開始時期及び終了時期の両方について記憶し、この補正処理期間中にLレベルのマーク制御信号を出力する場合について説明したが、この記憶部には補正処理期間の開始時期だけを記憶しておいてもよい。この場合、補正処理期間の終了時期は、上記S4においてカウント値が規定範囲内に戻った時点とすればよい。
また、リニアスケール108の端部めくれの発生を想定して、当初から補正処理期間を設定しておき、その補正処理期間を信号生成部の記憶部に記憶しておいてもよい。この場合でも、想定した以上の端部めくれが発生したら、上述したように新しい補正処理期間が信号生成部の記憶部に記憶されることになる。
次に、図24に示したようにリニアスケール108上にトナーによる汚れが付いて、不連続部分の直前及び直後において適切な駆動制御が行えない場合の動作例(以下、本動作例を「動作例3」という。)について説明する。
リニアスケール108上にトナーによる汚れが付着すると、不連続部分の直前及び直後において、図14(a)中破線で示したように受光レベルが不安定になり、図14(b)に示したように出力パルスも不安定になる。なお、図14(c)は、上記動作例2の場合と同様に、信号生成部からの出力信号であるマーク制御信号(特定制御信号)を示している。
その後、更に汚れ部分が広がった場合、不連続部分の期間Aも長くなる。よって、このような不連続部分の期間Aの変化に応じて、補正処理期間を更新することが望ましい。
なお、本動作例3では、不連続部分の期間Aの直前部分及び直後部分の期間が、それぞれ、出力パルス中に不安定信号部分が存在する期間D,Eに一致する期間としているが、上述した理由と同様の理由から、これらの期間D,Eよりも短い期間としたり長い期間としたりしてもよい。
不連続部分の前後における表面センサ109の受光レベルは、図14(a)及び図15(a)に示すとおりである。この受光レベル信号をフィルタ手段であるローパスフィルタに通過させると、各マークに対応する信号部分の時間間隔に相当する周波数成分が除去され、図15(a)に示す一点鎖線のような低周波信号になる。そして、この低周波信号の信号レベルと所定のスレッシュレベル(閾値)Sとを比較して、図15(b)に示すようなマスク制御信号を生成する。このマスク制御信号は、低周波信号の信号レベルが所定のスレッシュレベルS以上であればHレベルとなり、所定のスレッシュレベルSよりも小さければLレベルとなる。このようなマスク制御信号を生成する機構は、表面センサ109に設けることが可能である。その場合、補正処理部154において、上記S4の判断に代えて、このマスク制御信号がLレベルか否かを判断を行うという簡単な処理とすることができる。すなわち、上記S4のようにカウント値が規定範囲内か否かを判断する処理ではなく、表面センサ109から入力されるマスク制御信号がLレベルか否かを判断するという簡単な処理で済む。
すなわち、図16(a)に示す目標速度に対応する基準パルス(基準信号)と、図16(b)に示す出力パルスとから、図16(c)に示す差分信号を算出する。この差分信号は、ベルト106やドラム106等の回転体の実際の速度が目標速度に対してどの程度遅いのか又は速いのかを示すものである。すなわち、この差分信号は、目標速度を考慮することで回転体の実際の速度を示すものである。そして、この差分信号が示す回転体の実際の速度が予め決められた規定範囲外である期間を、不連続部分の期間であると判断する。上記動作例1〜3で採用する不連続部分の判断方法では、出力パルス中に不連続部分が存在し始めてからパルス数個分の時間が経過までは、出力パルス中に不連続部分が存在することを認識することができない。これに対し、上記他の方法であれば、出力パルス中における不連続部分の開始直前及び終了直後の1つのパルスと、対応する基準パルスとだけから、不連続部分の開始時期及び終了時期を認識することができる。したがって、上記他の方法によれば、不連続部分の開始時期及び終了時期をより早期に認識することができる。これにより、出力パルス中に不連続部分が出現してからこれを認識するまでのタイムラグが小さくなる結果、不連続部分が存在し初めてからすぐにダミーパルスを用いた駆動制御を行うことができるようになる。したがって、より安定した駆動制御を実現することができる。
なお、上記動作例2や上記動作例3においては、不連続部分が存在し初めるよりも一定時間前からダミーパルスを用いた駆動制御を開始するため、このような駆動制御中においては、上記タイムラグが小さくしても特に有益な効果を奏することはない。しかし、上述したように、上記動作例2や上記動作例3においては、不連続部分となる端部めくれや汚れ部分が最初に表面センサ109の検出領域を通過する際には、上記動作例1の場合と同様に、その不連続部分が存在すると判断したときからダミーパルスを用いたフィードバック制御を行う。したがって、端部めくれや汚れ部分が最初に表面センサ109の検出領域を通過する際の駆動制御においては、上記タイムラグが小さくすることにより安定した駆動制御を実現する効果は有益なものとなる。
次に、上述したフィードバック制御系を、画像形成装置としてのカラー複写機へ適用した実施例(以下、本実施例を「実施例1」という。)について説明する。
図17は、本実施例1に係るカラー複写機を示す概略構成図である。
装置本体10は、外装ケース11内の中央よりもやや図中右寄りに、像担持体としての潜像担持体である感光体ドラム12を備えている。感光体ドラム12の周りには、その上に設置されている帯電器13から矢示の回転方向(反時計回り方向)へ順に、現像手段としての回転型現像装置14、中間転写ユニット15、クリーニング装置16、除電器17などが配置されている。これらの帯電器13、回転型現像装置14、クリーニング装置16、除電器17の上には、露光手段としての光書込み装置、例えばレーザ書込み装置18が設置される。回転型現像装置14は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナーをそれぞれ収納した、現像ローラ21を有する現像器20A、20B、20C、20Dを備え、中心軸回りに回動して各色の現像器20A、20B、20C、20Dを選択的に感光体ドラム12の外周に対向する現像位置へ移動させる。
レーザ書込み装置18は、画像読取装置29から図示しない画像処理部を介して各色の画像信号が入力され、各色の画像信号により順次に変調されたレーザ光Lを一様帯電状態の感光体ドラム12に照射して感光体ドラム12を露光することで感光体ドラム12上に静電潜像を形成する。
画像読取装置29は装置本体10の上面に設けられた原稿台30上にセットされた原稿Gの画像を色分解して読み取り、電気的な画像信号に変換する。記録媒体搬送路32は右から左へ用紙等の記録媒体を搬送する。記録媒体搬送路32には、中間転写ユニット15及び転写装置26より手前にレジストローラ対33が設置され、中間転写ユニット15及び転写装置26より下流側に搬送ベルト34、定着装置35、排紙ローラ対36が配置されている。
装置本体10の右側には、手差しトレイ38が開閉自在に設けられ、この手差しトレイ38から挿入された記録媒体は装置本体10内の手差し給紙路39を通して記録媒体搬送路32へ搬送される。装置本体10の左側には、図示しない排紙トレイが着脱自在に取り付けられ、記録媒体搬送路32を通して排紙ローラ対36により排出された記録媒体が排紙トレイへ収容される。
同時に、給紙装置50内の給紙カセット51から給紙ローラ52で選択的に記録媒体が送り出され、この記録媒体は自動給紙路37、記録媒体搬送路32を通してレジストローラ対33に突き当たって止まる。
感光体ドラム12は、反時計回り方向に回転し、複数のローラ23のうちの駆動ローラの回転で中間転写ベルト24が時計回り方向へ回転する。感光体ドラム12は、回転に伴い、帯電器13により一様に帯電され、画像読取装置29から画像処理部を介してレーザ書込み装置18に加えられる1色目の画像信号で変調されたレーザ光がレーザ書込み装置18から照射されて静電潜像が形成される。
続いて、感光体ドラム12は、帯電器13により一様に帯電され、画像読取装置29から画像処理部を介してレーザ書込み装置18に加えられる2色目の画像信号で変調されたレーザ光がレーザ書込み装置18から照射されて静電潜像が形成される。感光体ドラム12上の静電潜像は回転型現像装置14の2色目の現像器20Bにより現像されて2色目の画像となり、感光体ドラム12上の2色目の画像は転写装置25により中間転写ベルト24上に1色目の画像と重ねて転写される。感光体ドラム12は、2色目の画像の転写後にクリーニング装置16でクリーニングされて残留トナーが除去され、除電器17で除電される。
さらに、感光体ドラム12は、帯電器13により一様に帯電され、画像読取装置29から画像処理部を介してレーザ書込み装置18に加えられる4色目の画像信号で変調されたレーザ光がレーザ書込み装置18から照射されて静電潜像が形成される。感光体ドラム12上の静電潜像は回転型現像装置14の4色目の現像器20Dにより現像されて4色目の画像となり、感光体ドラム12上の4色目の画像が転写装置25により中間転写ベルト24上に1色目の画像、2色目の画像、3色目の画像と重ねて転写されることでフルカラー画像が形成される。
感光体ドラム12は、4色目の画像の転写後にクリーニング装置16でクリーニングされて残留トナーが除去され、除電器17で除電される。
以上4色重ね画像を形成する動作について説明したが、3色重ね画像を形成する場合には感光体ドラム12上に3つの異なる単色画像が順次に形成されて中間転写ベルト24上に重ねて転写された後に記録媒体に一括して転写される。2色重ね画像を形成する場合には感光体ドラム12上に2つの異なる単色画像が順次に形成されて中間転写ベルト24上に重ねて転写された後に記録媒体に一括して転写される。
そこで、本実施例1では、感光体ドラム12が図2で示した駆動装置を用い、中間転写ベルト24及び搬送ベルト34の駆動が図1に示した駆動装置を用いて、上述したフィードバック制御系により駆動制御されている。従って、像担持体の駆動精度、記録材搬送部材の駆動精度が向上し、高品質な画像を得ることができる。
次に、上述したフィードバック制御系を、上記実施例1と同様に、画像形成装置としてのカラー複写機へ適用した実施例(以下、本実施例を「実施例2」という。)について説明する。
図18は、本実施例2に係るカラー複写機を示す概略構成図である。
本実施例2におけるカラー複写機において、像担持体としての潜像担持体である感光体60は、閉ループ状のNi(ニッケル)のベルト基材の外周面上に、有機光半導体(OPC)等の感光層が薄膜状に形成された感光体ベルトである。この感光体60は、3本の感光体搬送ローラ61,62,63によって支持され、駆動モータ(図示せず)によって矢印A方向に回動される。
感光体60の周りには、矢印Aで示す感光体60回転方向へ順に、帯電器64、露光手段としての露光光学系(以下LSUという)65、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの各色の現像器66〜69、中間転写ユニット70、感光体クリーニング手段71及び除電器72が設けられている。
帯電器64は、−4〜5kV程度の高電圧が図示しない電源装置から印加され、感光体60の帯電器64に対向した部分を帯電して一様な帯電電位を与える。
継ぎ目センサ74はループ状に形成された感光体60の継ぎ目を検知するものであり、継ぎ目センサ74が感光体60の継ぎ目を検知すると、感光体60の継ぎ目を回避するように、かつ、各色の静電潜像形成位置が同一になるように、タイミングコントローラ75がLSU65の発光タイミングを制御する。
中間転写ユニット70は、アルミニウム等の金属の素管に導電性の樹脂等からなるベルト状のシートを巻いた中間転写体としての転写ドラム76と、ゴム等をブレード状に形成した中間転写体クリーニング手段77とからなり、中間転写体76上に4色重ねの画像が形成されている間は中間転写体クリーニング手段77が中間転写体76から離間している。
中間転写体クリーニング手段77は、中間転写体76をクリーニングする時のみ中間転写体76に当接し、中間転写体76から記録媒体としての記録紙78に転写されずに残ったトナーを除去する。記録紙78は、記録紙カセット79から給紙ローラ80により1枚ずつ用紙搬送路81に送り出される。
定着器86は、内部に熱源を有するヒートローラ87と、加圧ローラ88とから構成され、記録紙78上に転写されたフルカラー画像をヒートローラ87と加圧ローラ88との記録紙挟持回転に伴い圧力と熱を記録紙78に加えて記録紙78にフルカラー画像を定着させてフルカラー画像を形成する。
感光体60と中間転写体76は、それぞれの駆動源(図示せず)により、矢印A、B方向にそれぞれ駆動される。この状態で、まず、帯電器64に−4〜5kV程度の高電圧が電源装置(図示せず)から印加され、帯電器64が感光体60の表面を一様に−700V程度に帯電させる。
次に、継ぎ目センサ74が感光体60の継ぎ目を検知してから、感光体60の継ぎ目を回避するように一定時間が経過した後に感光体60にLSU65からブラックの画像信号に対応したレーザビームの露光光線73が照射され、感光体60は露光光線73が照射された部分の電荷が消えて静電潜像が形成される。
一方、ブラック現像器66は所定のタイミングで感光体60に当接される。ブラック現像器66内のブラックトナーは負の電荷が予め与えられており、感光体60上の露光光線73の照射により電荷が無くなった部分(静電潜像部分)にのみブラックトナーが付着し、いわゆるネガポジプロセスによる現像が行われる。
ブラック現像器66により感光体60の表面に形成されたブラックトナー像は、中間転写体76に転写される。感光体60から中間転写体76に転写されなかった残留トナーは感光体クリーニング手段71により除去され、さらに除電器72によって感光体60上の電荷が除去される。
一方、感光体60には所定のタイミングでシアン現像器67が当接される。シアン現像器67内のシアントナーは負の電荷が予め与えられており、感光体60上の露光光線73の照射により電荷が無くなった部分(静電潜像部分)にのみシアントナーが付着し、いわゆるネガポジプロセスによる現像が行われる。
シアン現像器67により感光体60の表面に形成されたシアントナー像は、中間転写体76上にブラックトナー像と重ねて転写される。感光体60から中間転写体76に転写されなかった残留トナーは感光体クリーニング手段71により除去され、さらに除電器72によって感光体60上の電荷が除去される。
一方、感光体60には所定のタイミングでマゼンタ現像器68が当接される。マゼンタ現像器68内のマゼンタトナーは負の電荷が予め与えられており、感光体60上の露光光線73の照射により電荷が無くなった部分(静電潜像部分)にのみマゼンタトナーが付着し、いわゆるネガポジプロセスによる現像が行われる。
マゼンタ現像器68により感光体60の表面に形成されたマゼンタトナー像は、中間転写体76上にブラックトナー像、シアントナー像と重ねて転写される。感光体60から中間転写体76に転写されなかった残留トナーは感光体クリーニング手段71により除去され、さらに除電器72によって感光体60上の電荷が除去される。
一方、感光体60には所定のタイミングでイエロー現像器69が当接される。イエロー現像器69内のイエロートナーは負の電荷が予め与えられており、感光体60上の露光光線73の照射により電荷が無くなった部分(静電潜像部分)にのみイエロートナーが付着し、いわゆるネガポジプロセスによる現像が行われる。
イエロー現像器69により感光体60の表面に形成されたイエロートナー像は中間転写体76上にブラックトナー像、シアントナー像、マゼンタトナー像と重ねて転写され、中間転写体76上にフルカラー画像が形成される。感光体60から中間転写体76に転写されなかった残留トナーは感光体クリーニング手段71により除去され、さらに除電器72によって感光体60上の電荷が除去される。
また、分離器85には記録紙78を引き付ける静電力が働くように電圧が電源装置から印加され、記録紙78が中間転写体76から剥離される。続いて、記録紙78は、定着器86に送られ、ここでヒートローラ87と加圧ローラ88とによる挟持圧、ヒートローラ88の熱によってフルカラー画像が定着されて排紙ローラ対89により排紙トレイ90へ排出される。
そこで、本実施例2では、感光体ベルト60と転写ベルト83が図1で示した駆動装置を用い、転写ドラム76が図2に示した駆動装置を用いて、上述したフィードバック制御系により駆動制御されている。従って、像担持体の駆動精度、記録材搬送部材の駆動精度が向上し、高品質な画像を得ることができる。上述した回転体の位置制御方法に基づいて行われる。
次に、上述したフィードバック制御系を、上記実施例1と同様に、画像形成装置としてのカラー複写機へ適用した実施例(以下、本実施例を「実施例3」という。)について説明する。
図19は、本実施例3に係るカラー複写機を示す概略構成図である。
本実施例3では、タンデム方式の画像形成装置への適用例を示している。本実施例3では、複数色、例えばブラック(以下Bkという)、マゼンタ(以下Mという)、イエロー(以下Yという)、シアン(以下Cという)の各画像をそれぞれ形成する複数の画像形成ユニット221Bk、221M、221Y、221Cが垂直方向に配列され、この画像形成ユニット221Bk、221M、221Y、221Cは、それぞれドラム状の感光体からなる像担持体222Bk、222M、222Y、222C、帯電装置(例えば接触帯電装置)223Bk、223M、223Y、223C、現像装置224Bk、224M、224Y、224C、クリーニング装置225Bk、225M、225Y、225Cなどから構成される。
感光体222Bk、222M、222Y、222Cは、無端状の直接転写ベルト(搬送転写ベルト)226と対向して垂直方向に配列され、直接転写ベルト226と同じ周速で回転駆動される。この感光体222Bk、222M、222Y、222Cは、それぞれ、帯電装置223Bk、223M、223Y、223Cにより均一に帯電された後に、光書き込み装置からなる露光手段227Bk、227M、227Y、227Cによりそれぞれ露光されて静電潜像が形成される。
この感光体222Bk、222M、222Y、222C上の静電潜像は、それぞれ現像装置224Bk、224M、224Y、224Cにより現像されてBk、M、Y、C各色のトナー像となる。したがって、帯電装置223Bk、223M、223Y、223C、光書き込み装置227Bk、227M、227Y、227C及び現像装置224Bk、224M、224Y、224Cは、感光体222Bk、222M、222Y、222C上にBk、M、Y、C各色の画像(トナー像)を形成する画像形成手段を構成している。
直接転写ベルト226は垂直方向に配列された駆動ローラ232及び従動ローラ233に掛け渡され、駆動ローラ232が図示しない駆動部により回転駆動されて直接転写ベルト226が感光体222Bk、222M、222Y、222Cと同じ周速で回転する。レジストローラ231から送出された転写紙は、直接転写ベルト226により搬送され、感光体222Bk、222M、222Y、222C上のBk、M、Y、C各色のトナー像がコロナ放電器からなる転写手段234Bk、234M、234Y、234Cにより形成される電界の作用で順次に重ねて転写されることによりフルカラー画像が形成されると同時に、直接転写ベルト226に静電的に吸着されて確実に搬送される。
そこで、本実施例3では、直接転写ベルト226が図1に示した駆動装置を用いて、上述したフィードバック制御系により駆動制御されている。従って、記録材搬送部材の駆動精度が向上し、高品質な画像を得ることができる。
次に、上述したフィードバック制御系を、画像読取装置の走行体駆動装置へ適用した実施例(以下、本実施例を「実施例4」という。)について説明する。
図20は、本実施例4に係る画像読取装置を示す概略構成図である。この画像読取装置において、符号901は読み取られる原稿、符号902は原稿901が載置される原稿台、符号903は原稿901に光を照射する原稿照明系、符号904は反射光の光軸、905は読み取り用の素子で例えばCCD(Charge Coupled Device)、符号906は結像レンズ、符号907は全反射ミラーを示している。
また、符号908は、これらCCD905、レンズ906、ミラー907等からなる走行体としての光電変換ユニット、符号909,910は副走査駆動用のプーリ、符号911はワイヤ、符号300は駆動用の電動機、符号912はイメージスキャナのハウジングをそれぞれ示している。原稿を読み取るための光電変換ユニット908は、駆動用のモータ300をハウジング912に固定して、ワイヤ911とプーリ909,910など電動機の駆動力を伝達する手段を用いて、原稿901の副走査方向に駆動する。
また、読み取り開始位置を示すセンサ913は原稿901の端部の下部に設置されていて、光電変換ユニット908は、ホームポジションHPから読み取り開始位置Nの間に立ち上り等速の定常状態になるように設計されていて、HP点に達した後読み取りを開始するようになっている。
本実施例4では、光電変換ユニット908が図1に示した駆動装置を用いて、上述したフィードバック制御系により駆動制御されている。従って、走行体の駆動精度が向上し、画像の読取精度を高めることができる。
図21は、上記駆動制御の実行に使用するコンピュータの一例であるパーソナルコンピュータ1001の正面図である。パーソナルコンピュータ1001に着脱可能な記録媒体1003には、パーソナルコンピュータ1001に制御のための演算、データ入出力等を実行させるためのプログラムが格納されている。パーソナルコンピュータ1001は、この記録媒体1003に格納されているプログラムを実行することにより、上述したフィードバック制御を実行できる。上記記録媒体1003としては、CD−ROM等の光ディスクやフレキシブルディスク等の磁気ディスクが挙げられる。また、上記プログラムは、記録媒体を用いずに通信ネットワークを介してパーソナルコンピュータ1001に取り込むようにしてもよい。
また、上記実施形態では、ダミーパルスを用いたフィードバック制御を、上記不連続部分Aの直前及び直後の少なくとも一方に存在する不安定信号部分B,C,D,Eの全てについて行う。これにより、不安定信号部分により駆動制御が不安定になるのを防止することができる。
また、上記実施形態の動作例1では、上記出力パルス中に上記不連続部分が存在する不連続期間及びこの期間直後の予め決められた一定期間、特定制御信号であるマーク制御信号を出力する特定制御信号出力手段としてのタイマーを設け、そのマーク制御信号が出力されている間は上記ダミーパルスを用いてフィードバック制御を行う。これにより、不連続部分の直後に不安定信号部分が存在しても、複雑な演算処理を行うことなく適切な駆動制御を行うことが可能となる。
また、上記実施形態の動作例2では、上記出力パルス中に上記不連続部分が存在する不連続期間及びこの期間直前の予め決められた一定期間、特定制御信号であるマーク制御信号を出力する特定制御信号出力手段としての信号生成部を設け、そのマーク制御信号が出力されている間は上記ダミーパルスを用いてフィードバック制御を行う。これにより、不連続部分の直前に不安定信号部分が存在しても、複雑な演算処理を行うことなく適切な駆動制御を行うことが可能となる。
また、上記実施形態の動作例3では、上記出力パルス中に上記不連続部分が存在する不連続期間、不連続期間直後の予め決められた一定期間及び不連続期間直前の予め決められた一定期間、特定制御信号であるマーク制御信号を出力する特定制御信号出力手段としての信号生成部を設け、そのマーク制御信号が出力されている間は上記ダミーパルスを用いてフィードバック制御を行う。これにより、不連続部分の直前及び直後の両方に不安定信号部分が存在しても、複雑な演算処理を行うことなく適切な駆動制御を行うことが可能となる。
また、上記実施形態の動作例2及び動作例3では、上記出力パルス中の上記不連続部分の開始時期を記憶する記憶手段としての記憶部を設け、次回以降に不連続部分が出力パルス中に出現する際、その記憶部に記憶された開始時期から上記一定期間前にマーク制御信号の出力を開始する。これにより、不連続部分の直前に不安定信号部分が存在する期間に、ダミーパルスを用いた駆動制御を確実に行うことができる。
また、上記実施形態の動作例2及び動作例3において説明したように、ベルト106やドラム126又は駆動ローラ101、従動ローラ104,105、従動プーリ128の無端移動速度を検出する速度検出手段を設け、この速度検出手段により検出された無端移動速度が規定範囲外であるか否かによって行う。これにより、上述したように、出力パルス中に不連続部分が出現してからこれを認識するまでのタイムラグが小さくなり、より安定した駆動制御を実現することができる。
また、上記実施形態では、上記不連続期間の開始時期及び終了時期は、各マークに対応する信号部分の時間間隔に相当する周波数成分を上記出力パルス中から除去して得た信号が所定の閾値であるスレッシュレベルSをまたいで変化するタイミングに設定している。これにより、上記不連続期間の開始時期及び終了時期を明確に把握することができる。
また、上記実施形態では、上記不連続部分が存在するか否かを、所定のサンプリング時間内に得た上記出力パルス中におけるマークに対応した信号部分の数が規定数よりも少ないか否かによって行い、上記一定期間を、そのサンプリング時間の整数倍に相当する時間に設定している。これにより、上述したように、クロック発生回路を省略することが可能となり、低コスト化を図ることが可能となる。
また、上記実施形態では、上記出力パルスを所定倍まで逓倍した逓倍信号を生成する逓倍手段としての逓倍部152を構成する検出用インターフェース装置142を有し、上記ダミーパルスを用いたフィードバック制御を行う期間外では、その逓倍信号を用いてフィードバック制御を行う。このような構成を有することで、上述したように、表面センサ109が低分解能のものであっても、その見かけ上の分解能を高める効果が得られ、出力パルス又は逓倍パルス中の連続部分については、目標位置に対するベルト106やドラム126の位置の誤差範囲を小さくすることができる。その結果、不連続部分の期間Bが終了した直後に生じ得る最大ズレ量を小さくすることができる。したがって、不連続部分の期間Bが終了した直後に生じ得るベルト106やドラム126の急激な速度変動を抑制することができる。特に、上記逓倍部152として、フィードバックした逓倍パルスと逓倍前の出力パルスとを位相比較し、その位相比較結果を用いて逓倍パルスを生成する逓倍回路であるPLL回路を用いているので、安価な構成で、逓倍パルスを生成することが可能となる。
また、上記実施例1乃至3に係る画像形成装置としてのカラー複写機は、無端移動する駆動制御対象部材としての感光体ドラム12、中間転写ベルト24、搬送ベルト34、感光体ベルト60、転写ベルト83、転写ドラム76、直接転写ベルト226と、これらの駆動制御を行う駆動制御手段とを備えている。そして、この駆動制御手段として、上述した実施形態で説明した駆動制御装置を用いている。これにより、駆動精度が最終画像の品質に大きく影響する駆動制御対象部材の駆動制御を向上させ、高品質な画像を得ることができる。
また、上記実施例4の画像読取装置は、原稿面に対して光を照射し、あるいは原稿面に対して照射された光の反射光を受光する走行体である光電変換ユニット908と、これを原稿面に沿って走行させるための駆動力を伝達する駆動力伝達経路上に設けられる無端移動する駆動制御対象部材であるワイヤ911やプーリ909,910と、これの駆動制御を行う駆動制御手段とを備えている。そして、この駆動制御手段として、上述した実施形態で説明した駆動制御装置を用いている。これにより、光電変換ユニット908の駆動精度が向上し、画像の読取精度を高めることができる。
24 中間転写ベルト
34 搬送ベルト
60 感光体ベルト
76 転写ドラム
83 転写ベルト
102,121 モータ
106 ベルト(駆動制御対象部材)
108 リニアスケール
108a マーク
109 表面センサ
126 ドラム(駆動制御対象部材)
135 マイクロコンピュータ
136 マイクロプロセッサ
139 指令発生装置
140 モータ駆動用インターフェース
141 モータ駆動装置
142 検出用インターフェース装置
152 逓倍部
153 カウンタ
154 補正処理部
155 減算器
160 位相比較器
161 ループフィルタ
163 分周器
908 光電変換ユニット
Claims (15)
- 無端移動する駆動制御対象部材又は該駆動制御対象部材の無端移動とともに無端移動する無端移動部材の無端移動方向にわたり所定間隔で連続するように設けた複数のマークをマーク検出手段によって検出し、これにより得られるマーク検出信号を用いて該駆動制御対象部材の駆動をフィードバック制御する駆動制御装置において、
各マークに対応する信号部分の間隔が予め決められた範囲外となる上記マーク検出信号中の不連続部分、並びに、該不連続部分の直前及び直後の信号部分の少なくとも一方については、該マーク検出信号に代わる代替信号を用いてフィードバック制御を行うフィードバック制御手段を有することを特徴とする駆動制御装置。 - 請求項1の駆動制御装置において、
上記代替信号を用いたフィードバック制御を行う上記信号部分は、上記不連続部分の直前及び直後の少なくとも一方に存在する不安定信号部分の全てが含まれるように設定することを特徴とする駆動制御装置。 - 請求項1又は2の駆動制御装置において、
上記マーク検出信号中に上記不連続部分が存在する不連続期間及び該期間直後の予め決められた一定期間、特定制御信号を出力する特定制御信号出力手段を有し、
上記フィードバック制御手段は、該特定制御信号が出力されている間は上記代替信号を用いてフィードバック制御を行うことを特徴とする駆動制御装置。 - 請求項1又は2の駆動制御装置において、
上記マーク検出信号中に上記不連続部分が存在する不連続期間及び該期間直前の予め決められた一定期間、特定制御信号を出力する特定制御信号出力手段を有し、
上記フィードバック制御手段は、該特定制御信号が出力されている間は上記代替信号を用いてフィードバック制御を行うことを特徴とする駆動制御装置。 - 請求項1又は2の駆動制御装置において、
上記マーク検出信号中に上記不連続部分が存在する不連続期間、該期間直後の予め決められた一定期間及び該期間直前の予め決められた一定期間、特定制御信号を出力する特定制御信号出力手段を有し、
上記フィードバック制御手段は、該特定制御信号が出力されている間は上記代替信号を用いてフィードバック制御を行うことを特徴とする駆動制御装置。 - 請求項4又は5の駆動制御装置において、
上記マーク検出信号中の上記不連続部分の開始時期を記憶する記憶手段を有し、
上記特定制御信号出力手段は、次回以降に該不連続部分が該マーク検出信号中に出現する際、該記憶手段に記憶された開始時期から上記一定期間前に上記特定制御信号の出力を開始することを特徴とする駆動制御装置。 - 請求項3、4、5又は6の駆動制御装置において、
上記駆動制御対象部材又は上記無端移動部材の無端移動速度を検出する速度検出手段を有し、
上記不連続部分が存在するか否かは、該速度検出手段により検出された無端移動速度が規定範囲外であるか否かによって行うことを特徴とする駆動制御装置。 - 請求項3、4、5又は6の駆動制御装置において、
上記不連続期間の開始時期及び終了時期は、各マークに対応する信号部分の時間間隔に相当する周波数成分を上記マーク検出信号中から除去して得た信号が所定の閾値をまたいで変化するタイミングに設定することを特徴とする駆動制御装置。 - 請求項3、4、5又は6の駆動制御装置において、
上記不連続部分が存在するか否かは、所定のサンプリング時間内に得た上記マーク検出信号中におけるマークに対応した信号部分の数が規定数よりも少ないか否かによって行い、
上記一定期間を、該サンプリング時間の整数倍に相当する時間に設定したことを特徴とする駆動制御装置。 - 請求項1、2、3、4、5、6、7、8又は9の駆動制御装置において、
上記マーク検出信号を所定倍まで逓倍した逓倍信号を生成する逓倍手段を有し、
上記フィードバック制御手段は、上記代替信号を用いたフィードバック制御を行う期間外では、該逓倍信号を用いてフィードバック制御を行うことを特徴とする駆動制御装置。 - 請求項10の駆動制御装置において、
上記逓倍手段として、フィードバックした逓倍信号と逓倍前のマーク検出信号とを位相比較し、その位相比較結果を用いて逓倍信号を生成する逓倍回路を用いることを特徴とする駆動制御装置。 - 無端移動する駆動制御対象部材又は該駆動制御対象部材の無端移動とともに無端移動する無端移動部材の無端移動方向にわたり所定間隔で連続するように設けた複数のマークをマーク検出手段によって検出し、これにより得られるマーク検出信号を用いて該駆動制御対象部材の駆動をフィードバック制御する駆動制御方法において、
各マークに対応する信号部分の間隔が予め決められた範囲外となる上記マーク検出信号中の不連続部分、並びに、該不連続部分の直前及び直後の信号部分の少なくとも一方については、該マーク検出信号に代わる代替信号を用いてフィードバック制御を行うことを特徴とする駆動制御方法。 - 無端移動する駆動制御対象部材と、
該駆動制御対象部材の駆動制御を行う駆動制御手段とを備えた画像形成装置において、
上記駆動制御手段として、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又は11の駆動制御装置を用いることを特徴とする画像形成装置。 - 原稿面に対して光を照射し、あるいは原稿面に対して照射された光の反射光を受光する走行体と、
該走行体を該原稿面に沿って走行させるための駆動力を伝達する駆動力伝達経路上に設けられる無端移動する駆動制御対象部材と、
該駆動制御対象部材の駆動制御を行う駆動制御手段とを備えた画像読取装置において、
上記駆動制御手段として、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又は11の駆動制御装置を用いることを特徴とする画像読取装置。 - 無端移動する駆動制御対象部材又は該駆動制御対象部材の無端移動とともに無端移動する無端移動部材の無端移動方向にわたり所定間隔で連続するように設けた複数のマークをマーク検出手段によって検出し、これにより得られるマーク検出信号を用いて該駆動制御対象部材の駆動をフィードバック制御する駆動制御装置に設けられるコンピュータを機能させるためのプログラムにおいて、
各マークに対応する信号部分の間隔が予め決められた範囲外となる上記マーク検出信号中の不連続部分、並びに、該不連続部分の直前及び直後の信号部分の少なくとも一方については、該マーク検出信号に代わる代替信号を用いてフィードバック制御を行うフィードバック制御手段として、上記コンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
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