JP4294443B2 - 駆動制御装置、駆動制御方法、画像形成装置、画像読取装置及びプログラム - Google Patents
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また、予め複数のマークが形成されたエンコーダスケール等を上記駆動制御対象部材の表面等に貼り付けることでマークを設けた場合には、つなぎ目が存在してしまう。一般に、スケールを貼り付ける場合、スケールの両端が重ならないようにその両端を離間させるので、そのつなぎ目部分を挟んだ2つのマークの間隔は、通常、他の部分のマーク間隔よりも広くなる。よって、このつなぎ目部分でも、マーク検出手段による正確なマーク検出を行うことができない。
このように、連続する複数のマーク中に傷や汚れあるいはつなぎ目といったものが存在すると、マーク検出信号中に、マークに対応する信号部分の間隔が予め決められた範囲外となる不連続部分が生じることになる。このような不連続部分がマーク検出信号中に存在すると、その不連続部分の期間及びその後の一定期間においては、フィードバック制御が不安定となり、安定した駆動制御を行うことができない。
マーク検出手段として高分解能のマークセンサを用いることは、製造コストを高騰させる結果となる。そのため、上記先願の方法を実用化するあたっては、安価な低分解能のマークセンサを用いることが望まれる。低分解能のマークセンサを用いる場合、その分解能によって検出できるマーク間隔には限界がある。具体的には、例えば、282mm/sの速度で無端移動する駆動制御対象部材の表面に直接マークを設けた場合、そのマーク間隔の限界は160μm程度となる。この場合、駆動制御対象部材の位置は160μm単位でしか把握することができない。したがって、例えば、目標とするマーク数よりも1個だけ多くマークが検出された場合、実際には駆動制御対象部材の位置が目標位置よりも1μmしか進んでいないときでも、駆動制御対象部材の位置は目標位置よりも160μm進んでいると判断されてしまう。そのため、低分解能のマークセンサを用いる場合、高分解能のマークセンサに比べて、駆動制御対象部材の位置を目標位置に追従させる精度は落ちることになる。
このような低分解能のマークセンサを用いた装置であっても、上記先願の方法を適用すれば、不連続部分の期間に関しては安定したフィードバック制御を行うことができる。しかし、上記先願の方法は、不連続部分の期間中、過去の連続部分におけるマーク検出信号等(ダミー信号)を、不連続部分におけるマーク検出信号として擬似的にフィードバックする。よって、不連続部分の期間については、駆動制御対象部材における実際の位置を把握することはできない。しかも、駆動制御対象部材の速度は、駆動系における種々の誤差から変動する。したがって、不連続部分の期間が終わった直後における実際の無端移動位置が、目標位置に対してどのくらい遅れているのか又はどのくらい進んでいるのかを把握することができない。
図示のように、連続部分の期間Aにおいては、マークセンサからのマーク検出信号に基づき、目標位置に追従したフィードバック制御が行われている。低分解能のマークセンサを用いた本例であっても、フィードバック制御により、この期間A中の駆動制御対象部材の位置を、目標位置を中心に160μm程度の範囲内に収めることができる。一方、不連続部分の期間Bにおいては、上記のようなダミー信号を用いてフィードバック制御が行われる。この期間B中においては、上述したように、駆動制御対象部材の位置を把握することはできない。ここでは、期間B中は、目標位置に対する駆動制御対象部材の位置(相対位置)が変化しないものと仮定する。他方、不連続部分の期間Bが終わると、再び、マークセンサからのマーク検出信号に基づいてフィードバック制御が行われる。このとき、そのフィードバック制御の結果は、駆動系にかかるトルク等の影響により、駆動制御対象部材の位置変更に瞬時に反映されない。そのため、不連続部分の期間Bが終わった直後においては、駆動制御対象部材の位置が目標位置から大きくズレることがある。
具体的に説明すると、駆動制御対象部材の速度が最も遅いときに期間Bが開始した場合、駆動制御対象部材の無端移動位置は、図示のように、目標位置に対して最も遅れた状態となる。ここで、駆動制御対象部材の速度が最も速いときに期間Bが終了したとする。期間Bの終了直後においては、上述したようにフィードバック制御の結果が駆動制御対象部材の位置変更に反映されない。よって、期間Bが終了した後、駆動制御対象部材の速度は徐々に遅くなり、その駆動制御対象部材の位置は目標位置から更に遅れてしまう。その結果、上記のように目標位置に対する駆動制御対象部材の位置を160μm程度の範囲内に収めることができる本例であっても、期間Bが終了した直後においては、駆動制御対象部材の位置が目標位置から最大で480μm程度遅れてしまうことになる。このような大幅な遅れが生じると、その遅れを修正すべくフィードバック制御が行われる結果、駆動制御対象部材の速度が急激に変動し、安定した駆動制御を行うことができないという不具合が生じる。また、このような大幅な遅れが生じると、駆動制御対象部材の位置を目標位置に安定して追従させるまでに要する期間C2が長くなってしまうという不具合も生じる。
また、請求項2の発明は、請求項1の駆動制御装置において、上記逓倍手段として、フィードバックした逓倍信号と逓倍前のマーク検出信号とを位相比較し、その位相比較結果を用いて逓倍信号を生成する逓倍回路を用いることを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1又は2の駆動制御装置において、上記フィードバック制御手段として機能するコンピュータを上記制御切替手段として機能させるプログラムを記憶したプログラム記憶媒体を有し、該コンピュータは、該プログラムを実行することにより上記切替処理を行うことを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1又は2の駆動制御装置において、上記制御切替手段は、上記フィードバック制御手段に対して切替信号を送信することにより上記切替処理を行うことを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、無端移動する駆動制御対象部材又は該駆動制御対象部材の無端移動に伴って無端移動する無端移動部材の無端移動方向にわたり所定間隔で連続するように設けた複数のマークをマーク検出手段によって検出し、これにより得られるマーク検出信号を用いて該駆動制御対象部材の駆動をフィードバック制御する駆動制御方法において、上記マーク検出信号を所定倍まで逓倍した逓倍信号を生成する逓倍工程と、該マーク検出信号中又は該逓倍信号中に、マークに対応する信号部分の間隔が予め決められた範囲外となる不連続部分が存在しないと判断したときには、該逓倍信号を用いてフィードバック制御を行い、該不連続部分が存在すると判断したときには、該逓倍信号に代わる代替信号を用いてフィードバック制御を行うフィードバック制御工程と、該フィードバック制御工程で、上記逓倍信号を用いてフィードバック制御させるか、上記代替信号を用いてフィードバック制御させるかを切り替えるための切替処理を行う制御切替工程とを有し、上記制御切替工程により上記フィードバック制御工程で上記代替信号を用いてフィードバック制御させる期間を、上記不連続部分が存在すると判断されてから、該不連続部分が存在しないと判断されるまでの期間に、更に上記逓倍工程による逓倍動作が安定化するまでに必要な時間以上に設定された動作安定期間を加えたものとし、上記不連続部分が存在するか否かの判断は、所定のサンプリング時間内に得た上記マーク検出信号又は上記逓倍信号中におけるマークに対応した信号部分の数が規定数よりも少ないか否かによって行い、上記動作安定期間を、該サンプリング時間の整数倍に相当する期間に設定したことを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、無端移動する駆動制御対象部材と、該駆動制御対象部材の駆動制御を行う駆動制御手段とを備えた画像形成装置において、上記駆動制御手段として、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の駆動制御装置を用いることを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、原稿面に対して光を照射し、あるいは原稿面に対して照射された光の反射光を受光する走行体と、該走行体を該原稿面に沿って走行させるための駆動力を伝達する駆動力伝達経路上に設けられる無端移動する駆動制御対象部材と、該駆動制御対象部材の駆動制御を行う駆動制御手段とを備えた画像読取装置において、上記駆動制御手段として、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の駆動制御装置を用いることを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、無端移動する駆動制御対象部材又は該駆動制御対象部材の無端移動に伴って無端移動する無端移動部材の無端移動方向にわたり所定間隔で連続するように設けた複数のマークをマーク検出手段によって検出し、これにより得られるマーク検出信号を用いて該駆動制御対象部材の駆動をフィードバック制御する駆動制御装置に設けられるコンピュータを機能させるためのプログラムにおいて、上記マーク検出信号中又はこれを上記駆動制御装置に設けられた逓倍手段によって所定倍まで逓倍して得た逓倍信号中に、マークに対応する信号部分の間隔が予め決められた範囲外となる不連続部分が存在しないと判断したときには、該逓倍信号を用いてフィードバック制御を行い、該不連続部分が存在すると判断したときには、該逓倍信号に代わる代替信号を用いてフィードバック制御を行うフィードバック制御手段、及び、該フィードバック制御手段に対し、上記逓倍信号を用いてフィードバック制御させるか、上記代替信号を用いてフィードバック制御させるかを切り替えるための切替処理を行う制御切替手段として、上記コンピュータを機能させるものであって、上記制御切替手段により上記フィードバック制御手段に対して上記代替信号を用いてフィードバック制御させる期間を、上記不連続部分が存在すると判断されてから、該不連続部分が存在しないと判断されるまでの期間に、更に上記逓倍手段による逓倍動作が安定化するまでに必要な時間以上に設定された動作安定期間を加えたものとし、上記不連続部分が存在するか否かの判断は、所定のサンプリング時間内に得た上記マーク検出信号又は上記逓倍信号中におけるマークに対応した信号部分の数が規定数よりも少ないか否かによって行い、上記動作安定期間を、該サンプリング時間の整数倍に相当する期間に設定されていることを特徴とするものである。
図1は、駆動制御対象部材としてのベルト106を含む回転体駆動装置であるベルト駆動装置の構成を示す概略構成図である。このベルト106は、少なくとも2つ以上の軸間に掛け回された無端状のベルトであって、後述する感光体ベルト、中間転写ベルト、直接転写ベルトに相当するものである。
ギヤ100の回転軸には駆動ローラ101が固定されており、直流電動機であるモータ102の回転軸にはギヤ103が固定されている。駆動源としてのモータ102が回転駆動すると、その回転力がギヤ103及びギヤ100を介して駆動ローラ101へ伝えられ、駆動ローラ101が回転駆動する。駆動ローラ101と従動ローラ104,105との間には、ベルト106が掛け回されており、テンションローラ107によって一定の張力が掛かるようになっている。このベルト106の表面には、その表面移動方向(無端移動方向)に沿って複数のマークが形成されたリニアスケール108が貼り付けられている。また、このリニアスケール108に対向するように、マーク検出手段としての反射型フォトセンサからなる表面センサ109が設けられている。この表面センサ109によりリニアスケール108上のマークを読み込むことで、ベルト106の無端移動位置である表面移動位置や、無端移動速度である表面移動速度を計測する。
ギヤ122の回転軸124には駆動プーリ125が固定されており、駆動源としての直流電動機であるモータ121の回転軸にはギア122に噛み合うギヤ123が固定されている。モータ121が回転駆動すると、その回転力がギア122,123を介して駆動プーリ125が回転駆動される。駆動プーリ125と従動プーリ128との間には、タイミングベルト131が掛け回されており、テンションプーリ130によって一定の張力が掛かるようになっている。従動プーリ128には同軸度が保たれるように、ドラム126が軸127を介して取り付けられている。ドラム126の表面には、その周方向に沿って図1に示したものと同様のリニアスケール108が貼り付けられている。また、このリニアスケール108に対向するように、マーク検出手段としての反射型フォトセンサからなる表面センサ109が設けられている。この表面センサ109によりリニアスケール108上のマークを読み込むことで、ドラム126の無端移動位置である表面移動位置や、無端移動速度である表面移動速度を計測する。
本実施形態のように、リニアスケール108を貼り付けることでマークを設ける場合、通常は、図3(a)に示すように、リニアスケール108の両端が重ならないように貼り付ける。そのため、このつなぎ目を挟んで位置する2つのマークの間隔は、リニアスケール108上のマーク間隔よりもずっと広くなる。よって、このつなぎ目部分に対応するマーク検出信号部分では、マークに対応する信号部分の間隔が予め決められた範囲外となる不連続部分となり、正常な信号が得られない。
本実施形態のように、回転体106,126の表面側にマークが設けられている場合、そのマークにトナー等の汚れが付着する場合がある。このように汚れが付着すると、その部分の反射光が弱くなり、この部分は、マークに対応する信号部分の間隔が予め決められた範囲外となる不連続部分となる。したがって、上記つなぎ目の場合と同様に、正常な信号が得られない。なお、汚れに限らず、マークに傷が付いた場合も同様である。
図4において、符号135は、マイクロプロセッサ136、リードオンリメモリ(ROM)137、ランダムアクセスメモリ(RAM)138からなるマイクロコンピュータを示している。マイクロプロセッサ136、リードオンリメモリ(ROM)137、ランダムアクセスメモリ(RAM)138は、それぞれバス143を介して接続されている。また、符号139は、モータ102,121の目標角変位を指令する目標指令信号を出力する指令発生装置を示す。この指令発生装置139もバス143に接続されている。また、符号142は、表面センサ109の出力パルス(マーク検出信号)を処理してデジタル数値に変換する検出用インターフェース装置を示す。この検出用インターフェース装置142は、表面センサ109の出力パルスを所定のサンプリング時間ごとに計数するカウンタを備えており、このカウンタのカウント値をバス143を介してマイクロコンピュータ135へ順次送信する。また、符号140は、モータ駆動用インターフェースを示す。このモータ駆動用インターフェース140は、マイクロコンピュータ135から送られてくるフィードバック信号と、指令発生装置139から送られてくる目標指令信号との比較結果に基づいて、モータ駆動装置141を構成するパワー半導体、例えばトランジスタを動作させるパルス状信号(制御信号)を出力する。モータ駆動装置141は、モータ駆動用インターフェース140からのパルス状信号に基づき動作し、モータ102,121に印加する電圧を制御する。
なお、本実施形態では、検出用インターフェース装置142、マイクロコンピュータ135、指令発生装置139及びモータ駆動用インターフェース140によって、フィードバック制御手段が構成されている。
図7は、補正処理部154による補正処理を行わない場合において、不連続部分の前後にわたる、各サンプリング時間ごとにカウントされるパルス数を示すグラフである。図7において、横軸は時間を、縦軸は表面センサ109から出力パルスについてサンプリング時間ごとにカウントされたパルス数をそれぞれ示している。サンプリング時間ごとのパルス数は、連続部分については、図中の通常領域a1の範囲内となる。しかし、リニアスケール108の傷や汚れが付いた部分やスケールのつなぎ目が表面センサ109の検出領域にやってくると、表面センサ109がマーク108aを検出できず、図示のようにパルス数が減少する。そこで、本実施形態では、サンプリング時間ごとのパルス数が通常領域a1から外れた非通常領域a2の範囲に入り込んだとき、補正処理部154がエラーであると判断するように構成されている。なお、通常領域a1は設計者が任意に決めることができる。
図8は、本実施形態のフィードバック制御系における制御の流れを示すフローチャートである。表面センサ109がリニアスケール108上のマーク108aを検出する(S1)。表面センサ109からの出力パルスは、逓倍部152においてその周波数が64倍に逓倍される(S2)。そして、カウンタ153において、サンプリング時間ごとに、その逓倍パルスのパルス数をカウントする(S3)。補正処理部154では、カウンタ153から出力されるカウント値が規定範囲内にあるか否か、すなわち、上記スレッシュパルス数以上であるか否かを判断する(S4)。
一方、上記S4において、カウント値が規定範囲内にないと判断された場合、そのカウント値はつなぎ目部分や傷、汚れの付いた部分などに対応するエラー値である。よって、本実施形態では、ダミーパルスのパルス数をカウント値としてメモリ(check1)に追加保存する(S8)。その後、カウンタがリセットされ(S6)、ダミーパルスのパルス数が追加保存されたメモリ(check1)の値を用いてフィードバック制御が行われる(S7)。
図7において、パルス数Pn3までは、そのパルス数を示すカウント値がそのままフィードバック信号として用いられる通常のフィードバック制御を行う。このときのパルス数は、例えばRAM138に保存しておく。表面センサ109からの出力パルスのカウント値が通常領域a1に入っている場合は、RAM138に保存されるパルス数の値を更新する。そして、非通常領域a2の範囲内にあるパルス数Pn4がカウントされたら、パルス数Pn4の代わりに、RAM138に保存されているパルス数(最後に更新されたパルス数Pn3)を、ダミーパルスのパルス数Pn4aとして用い、これをフィードバック信号とする。制御ループの中では、このパルス数Pn4aがカウントされたものとして扱われる。パルス数Pn5についても同様である。このときは、RAM138に保存されるパルス数の値を更新せずに、最後に更新されたパルス数Pn3を保持する。そして、通常領域a1に入るパルス数Pn6がカウントされたら、上述した通常のフィードバック制御に戻る。このような補正処理を行うことで、表面センサ109の検出領域につなぎ目部分や傷、汚れの付いた部分が存在しても、フィードバック制御系が不安定となることなく、継続される。
なお、ダミーパルスの決め方は、これに限らず、例えば上記先願に記載される他の決め方を採用してもよい。
次に、上記実施形態の変形例について説明する。
上記実施形態においては、逓倍部152をPLLを利用した逓倍回路を用いているので、ループフィルタ161を含んでいる。このため、そのループフィルタ161の時定数分だけの遅れ時間が存在する。このような遅れ時間が存在する結果、表面センサ109から異常な出力パルスすなわち非通常領域a2の範囲内に入るパルス数をもった出力パルスが逓倍部152へ入力された後、その逓倍部152へ正常な出力パルスすなわち通常領域a1の範囲内に入るパルス数をもった出力パルスが入力されても、即座に所定倍(64倍)の逓倍パルスを生成できない。したがって、表面センサ109から正常な出力パルスが出力されるようになっても、その後上記遅れ時間に相当する期間は、逓倍部152から正常な逓倍パルスが出力されず、適切なフィードバック制御を行うことができない。
表面センサ109の検出領域内につなぎ目部分や傷、汚れの付いた部分が存在すると、図示のように、表面センサ109からの出力パルス中にマークが検出されない不連続部分が生じる。このとき、その出力パルスを逓倍する逓倍部152からは逓倍パルスが出力されないものとしている。なお、場合によっては逓倍部152から周波数の異なる逓倍パルスが出力されることもある。そして、不連続部分の期間Bが終了したら、再び表面センサ109から出力パルスが出力されるが、逓倍部152はループフィルタ161がもつ時定数の関係で、直ちに所定倍(64倍)に逓倍された逓倍パルスを出力することができない。すなわち、不連続部分の期間Bが終了した後も、図中期間Eの間は逓倍部152から適切な逓倍パルスが出力されない。そのため、不連続部分の期間Bが終了した直後に、補正処理部154で利用するパルス数を、ダミーパルス数から逓倍パルスのパルス数へ切り換えてしまうと、適切なフィードバック制御を行うことができないおそれがある。
本変形例では、補正処理部154において、カウンタ153から出力される逓倍パルスのカウント値が規定範囲内にないと判断された場合(S4)、タイマーをスタートさせる。このタイマーは、図4に示したマイクロコンピュータ135の外部に設けられる図示しないタイマー回路によって構成されている。よって、規定範囲内にないと判断したマイクロコンピュータ135は、タイマー回路へ計測信号を送信し、これを受けたタイマー回路は、設定時間に達するまで時間を計測する。また、タイマー回路は、図12に示したように、時間の計測を開始するとLレベルの出力信号をマイクロコンピュータ135へ出力し、設定時間に達した後はHレベルの出力信号を出力する。なお、その後、カウント値が規定範囲内にあると判断されている間は、カウント値が規定範囲内にないと判断されてもタイマーをリスタートさせることはしない。なお、本変形例では、タイマー回路を用いて設定時間を計測しているが、時間が計測可能であれば他の手段でもよい。
また、タイマー回路を用いることなく、上記設定時間に相当する時間に達するまでダミーパルスを用いたフィードバック制御を継続させることもできる。具体例を挙げると、不連続部分の前後にわたる表面センサ109の受光レベルは、図14の上段に示す実線のようになる。この受光レベル信号をローパスフィルタに通過させると、図14の上段に示す一点鎖線のような低周波信号になる。そして、この低周波信号の信号レベルと所定のスレッシュレベルSとを比較して、図14の中段に示す比較結果信号を生成する。この比較結果信号は、低周波信号の信号レベルが所定のスレッシュレベルS以上であればHレベルとなり、所定のスレッシュレベルSよりも小さければLレベルとなる。この比較結果信号は、遅延回路等によって遅延させた後、この遅延信号を補正処理部154へ出力する。この遅延により、補正処理部154へ入力される遅延信号のLレベル終端時期を、図12に示した期間Fの終期に一致させる。このように構成した表面センサ109を用いれば、補正処理部154において、図13で示した上記S9の判断に代えて、この遅延信号がLレベルか否かを判断を行うことにより、タイマー回路を用いることなく、表面センサ109に上記設定時間に相当する時間に達するまでダミーパルスを用いたフィードバック制御を継続させることができる。
次に、上述したフィードバック制御系を、画像形成装置としてのカラー複写機へ適用した実施例(以下、本実施例を「実施例1」という。)について説明する。
図15は、本実施例1に係るカラー複写機を示す概略構成図である。
装置本体10は、外装ケース11内の中央よりもやや図中右寄りに、像担持体としての潜像担持体である感光体ドラム12を備えている。感光体ドラム12の周りには、その上に設置されている帯電器13から矢示の回転方向(反時計回り方向)へ順に、現像手段としての回転型現像装置14、中間転写ユニット15、クリーニング装置16、除電器17などが配置されている。これらの帯電器13、回転型現像装置14、クリーニング装置16、除電器17の上には、露光手段としての光書込み装置、例えばレーザ書込み装置18が設置される。回転型現像装置14は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナーをそれぞれ収納した、現像ローラ21を有する現像器20A、20B、20C、20Dを備え、中心軸回りに回動して各色の現像器20A、20B、20C、20Dを選択的に感光体ドラム12の外周に対向する現像位置へ移動させる。
レーザ書込み装置18は、画像読取装置29から図示しない画像処理部を介して各色の画像信号が入力され、各色の画像信号により順次に変調されたレーザ光Lを一様帯電状態の感光体ドラム12に照射して感光体ドラム12を露光することで感光体ドラム12上に静電潜像を形成する。
画像読取装置29は装置本体10の上面に設けられた原稿台30上にセットされた原稿Gの画像を色分解して読み取り、電気的な画像信号に変換する。記録媒体搬送路32は右から左へ用紙等の記録媒体を搬送する。記録媒体搬送路32には、中間転写ユニット15及び転写装置26より手前にレジストローラ対33が設置され、中間転写ユニット15及び転写装置26より下流側に搬送ベルト34、定着装置35、排紙ローラ対36が配置されている。
装置本体10の右側には、手差しトレイ38が開閉自在に設けられ、この手差しトレイ38から挿入された記録媒体は装置本体10内の手差し給紙路39を通して記録媒体搬送路32へ搬送される。装置本体10の左側には、図示しない排紙トレイが着脱自在に取り付けられ、記録媒体搬送路32を通して排紙ローラ対36により排出された記録媒体が排紙トレイへ収容される。
同時に、給紙装置50内の給紙カセット51から給紙ローラ52で選択的に記録媒体が送り出され、この記録媒体は自動給紙路37、記録媒体搬送路32を通してレジストローラ対33に突き当たって止まる。
感光体ドラム12は、反時計回り方向に回転し、複数のローラ23のうちの駆動ローラの回転で中間転写ベルト24が時計回り方向へ回転する。感光体ドラム12は、回転に伴い、帯電器13により一様に帯電され、画像読取装置29から画像処理部を介してレーザ書込み装置18に加えられる1色目の画像信号で変調されたレーザ光がレーザ書込み装置18から照射されて静電潜像が形成される。
続いて、感光体ドラム12は、帯電器13により一様に帯電され、画像読取装置29から画像処理部を介してレーザ書込み装置18に加えられる2色目の画像信号で変調されたレーザ光がレーザ書込み装置18から照射されて静電潜像が形成される。感光体ドラム12上の静電潜像は回転型現像装置14の2色目の現像器20Bにより現像されて2色目の画像となり、感光体ドラム12上の2色目の画像は転写装置25により中間転写ベルト24上に1色目の画像と重ねて転写される。感光体ドラム12は、2色目の画像の転写後にクリーニング装置16でクリーニングされて残留トナーが除去され、除電器17で除電される。
さらに、感光体ドラム12は、帯電器13により一様に帯電され、画像読取装置29から画像処理部を介してレーザ書込み装置18に加えられる4色目の画像信号で変調されたレーザ光がレーザ書込み装置18から照射されて静電潜像が形成される。感光体ドラム12上の静電潜像は回転型現像装置14の4色目の現像器20Dにより現像されて4色目の画像となり、感光体ドラム12上の4色目の画像が転写装置25により中間転写ベルト24上に1色目の画像、2色目の画像、3色目の画像と重ねて転写されることでフルカラー画像が形成される。
感光体ドラム12は、4色目の画像の転写後にクリーニング装置16でクリーニングされて残留トナーが除去され、除電器17で除電される。
以上4色重ね画像を形成する動作について説明したが、3色重ね画像を形成する場合には感光体ドラム12上に3つの異なる単色画像が順次に形成されて中間転写ベルト24上に重ねて転写された後に記録媒体に一括して転写される。2色重ね画像を形成する場合には感光体ドラム12上に2つの異なる単色画像が順次に形成されて中間転写ベルト24上に重ねて転写された後に記録媒体に一括して転写される。
そこで、本実施例1では、感光体ドラム12が図2で示した駆動装置を用い、中間転写ベルト24及び搬送ベルト34の駆動が図1に示した駆動装置を用いて、上述したフィードバック制御系により駆動制御されている。従って、像担持体の駆動精度、記録材搬送部材の駆動精度が向上し、高品質な画像を得ることができる。
次に、上述したフィードバック制御系を、上記実施例1と同様に、画像形成装置としてのカラー複写機へ適用した実施例(以下、本実施例を「実施例2」という。)について説明する。
図16は、本実施例2に係るカラー複写機を示す概略構成図である。
本実施例2におけるカラー複写機において、像担持体としての潜像担持体である感光体60は、閉ループ状のNi(ニッケル)のベルト基材の外周面上に、有機光半導体(OPC)等の感光層が薄膜状に形成された感光体ベルトである。この感光体60は、3本の感光体搬送ローラ61,62,63によって支持され、駆動モータ(図示せず)によって矢印A方向に回動される。
感光体60の周りには、矢印Aで示す感光体60回転方向へ順に、帯電器64、露光手段としての露光光学系(以下LSUという)65、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの各色の現像器66〜69、中間転写ユニット70、感光体クリーニング手段71及び除電器72が設けられている。
帯電器64は、−4〜5kV程度の高電圧が図示しない電源装置から印加され、感光体60の帯電器64に対向した部分を帯電して一様な帯電電位を与える。
継ぎ目センサ74はループ状に形成された感光体60の継ぎ目を検知するものであり、継ぎ目センサ74が感光体60の継ぎ目を検知すると、感光体60の継ぎ目を回避するように、かつ、各色の静電潜像形成位置が同一になるように、タイミングコントローラ75がLSU65の発光タイミングを制御する。
中間転写ユニット70は、アルミニウム等の金属の素管に導電性の樹脂等からなるベルト状のシートを巻いた中間転写体としての転写ドラム76と、ゴム等をブレード状に形成した中間転写体クリーニング手段77とからなり、中間転写体76上に4色重ねの画像が形成されている間は中間転写体クリーニング手段77が中間転写体76から離間している。
中間転写体クリーニング手段77は、中間転写体76をクリーニングする時のみ中間転写体76に当接し、中間転写体76から記録媒体としての記録紙78に転写されずに残ったトナーを除去する。記録紙78は、記録紙カセット79から給紙ローラ80により1枚ずつ用紙搬送路81に送り出される。
定着器86は、内部に熱源を有するヒートローラ87と、加圧ローラ88とから構成され、記録紙78上に転写されたフルカラー画像をヒートローラ87と加圧ローラ88との記録紙挟持回転に伴い圧力と熱を記録紙78に加えて記録紙78にフルカラー画像を定着させてフルカラー画像を形成する。
感光体60と中間転写体76は、それぞれの駆動源(図示せず)により、矢印A、B方向にそれぞれ駆動される。この状態で、まず、帯電器64に−4〜5kV程度の高電圧が電源装置(図示せず)から印加され、帯電器64が感光体60の表面を一様に−700V程度に帯電させる。
次に、継ぎ目センサ74が感光体60の継ぎ目を検知してから、感光体60の継ぎ目を回避するように一定時間が経過した後に感光体60にLSU65からブラックの画像信号に対応したレーザビームの露光光線73が照射され、感光体60は露光光線73が照射された部分の電荷が消えて静電潜像が形成される。
一方、ブラック現像器66は所定のタイミングで感光体60に当接される。ブラック現像器66内のブラックトナーは負の電荷が予め与えられており、感光体60上の露光光線73の照射により電荷が無くなった部分(静電潜像部分)にのみブラックトナーが付着し、いわゆるネガポジプロセスによる現像が行われる。
ブラック現像器66により感光体60の表面に形成されたブラックトナー像は、中間転写体76に転写される。感光体60から中間転写体76に転写されなかった残留トナーは感光体クリーニング手段71により除去され、さらに除電器72によって感光体60上の電荷が除去される。
一方、感光体60には所定のタイミングでシアン現像器67が当接される。シアン現像器67内のシアントナーは負の電荷が予め与えられており、感光体60上の露光光線73の照射により電荷が無くなった部分(静電潜像部分)にのみシアントナーが付着し、いわゆるネガポジプロセスによる現像が行われる。
シアン現像器67により感光体60の表面に形成されたシアントナー像は、中間転写体76上にブラックトナー像と重ねて転写される。感光体60から中間転写体76に転写されなかった残留トナーは感光体クリーニング手段71により除去され、さらに除電器72によって感光体60上の電荷が除去される。
一方、感光体60には所定のタイミングでマゼンタ現像器68が当接される。マゼンタ現像器68内のマゼンタトナーは負の電荷が予め与えられており、感光体60上の露光光線73の照射により電荷が無くなった部分(静電潜像部分)にのみマゼンタトナーが付着し、いわゆるネガポジプロセスによる現像が行われる。
マゼンタ現像器68により感光体60の表面に形成されたマゼンタトナー像は、中間転写体76上にブラックトナー像、シアントナー像と重ねて転写される。感光体60から中間転写体76に転写されなかった残留トナーは感光体クリーニング手段71により除去され、さらに除電器72によって感光体60上の電荷が除去される。
一方、感光体60には所定のタイミングでイエロー現像器69が当接される。イエロー現像器69内のイエロートナーは負の電荷が予め与えられており、感光体60上の露光光線73の照射により電荷が無くなった部分(静電潜像部分)にのみイエロートナーが付着し、いわゆるネガポジプロセスによる現像が行われる。
イエロー現像器69により感光体60の表面に形成されたイエロートナー像は中間転写体76上にブラックトナー像、シアントナー像、マゼンタトナー像と重ねて転写され、中間転写体76上にフルカラー画像が形成される。感光体60から中間転写体76に転写されなかった残留トナーは感光体クリーニング手段71により除去され、さらに除電器72によって感光体60上の電荷が除去される。
また、分離器85には記録紙78を引き付ける静電力が働くように電圧が電源装置から印加され、記録紙78が中間転写体76から剥離される。続いて、記録紙78は、定着器86に送られ、ここでヒートローラ87と加圧ローラ88とによる挟持圧、ヒートローラ88の熱によってフルカラー画像が定着されて排紙ローラ対89により排紙トレイ90へ排出される。
そこで、本実施例2では、感光体ベルト60と転写ベルト83が図1で示した駆動装置を用い、転写ドラム76が図2に示した駆動装置を用いて、上述したフィードバック制御系により駆動制御されている。従って、像担持体の駆動精度、記録材搬送部材の駆動精度が向上し、高品質な画像を得ることができる。上述した回転体の位置制御方法に基づいて行われる。
次に、上述したフィードバック制御系を、上記実施例1と同様に、画像形成装置としてのカラー複写機へ適用した実施例(以下、本実施例を「実施例3」という。)について説明する。
図17は、本実施例3に係るカラー複写機を示す概略構成図である。
本実施例3では、タンデム方式の画像形成装置への適用例を示している。本実施例3では、複数色、例えばブラック(以下Bkという)、マゼンタ(以下Mという)、イエロー(以下Yという)、シアン(以下Cという)の各画像をそれぞれ形成する複数の画像形成ユニット221Bk、221M、221Y、221Cが垂直方向に配列され、この画像形成ユニット221Bk、221M、221Y、221Cは、それぞれドラム状の感光体からなる像担持体222Bk、222M、222Y、222C、帯電装置(例えば接触帯電装置)223Bk、223M、223Y、223C、現像装置224Bk、224M、224Y、224C、クリーニング装置225Bk、225M、225Y、225Cなどから構成される。
感光体222Bk、222M、222Y、222Cは、無端状の直接転写ベルト(搬送転写ベルト)226と対向して垂直方向に配列され、直接転写ベルト226と同じ周速で回転駆動される。この感光体222Bk、222M、222Y、222Cは、それぞれ、帯電装置223Bk、223M、223Y、223Cにより均一に帯電された後に、光書き込み装置からなる露光手段227Bk、227M、227Y、227Cによりそれぞれ露光されて静電潜像が形成される。
この感光体222Bk、222M、222Y、222C上の静電潜像は、それぞれ現像装置224Bk、224M、224Y、224Cにより現像されてBk、M、Y、C各色のトナー像となる。したがって、帯電装置223Bk、223M、223Y、223C、光書き込み装置227Bk、227M、227Y、227C及び現像装置224Bk、224M、224Y、224Cは、感光体222Bk、222M、222Y、222C上にBk、M、Y、C各色の画像(トナー像)を形成する画像形成手段を構成している。
直接転写ベルト226は垂直方向に配列された駆動ローラ232及び従動ローラ233に掛け渡され、駆動ローラ232が図示しない駆動部により回転駆動されて直接転写ベルト226が感光体222Bk、222M、222Y、222Cと同じ周速で回転する。レジストローラ231から送出された転写紙は、直接転写ベルト226により搬送され、感光体222Bk、222M、222Y、222C上のBk、M、Y、C各色のトナー像がコロナ放電器からなる転写手段234Bk、234M、234Y、234Cにより形成される電界の作用で順次に重ねて転写されることによりフルカラー画像が形成されると同時に、直接転写ベルト226に静電的に吸着されて確実に搬送される。
そこで、本実施例3では、直接転写ベルト226が図1に示した駆動装置を用いて、上述したフィードバック制御系により駆動制御されている。従って、記録材搬送部材の駆動精度が向上し、高品質な画像を得ることができる。
次に、上述したフィードバック制御系を、画像読取装置の走行体駆動装置へ適用した実施例(以下、本実施例を「実施例4」という。)について説明する。
図18は、本実施例4に係る画像読取装置を示す概略構成図である。この画像読取装置において、符号901は読み取られる原稿、符号902は原稿901が載置される原稿台、符号903は原稿901に光を照射する原稿照明系、符号904は反射光の光軸、905は読み取り用の素子で例えばCCD(Charge Coupled Device)、符号906は結像レンズ、符号907は全反射ミラーを示している。
また、符号908は、これらCCD905、レンズ906、ミラー907等からなる走行体としての光電変換ユニット、符号909,910は副走査駆動用のプーリ、符号911はワイヤ、符号300は駆動用の電動機、符号912はイメージスキャナのハウジングをそれぞれ示している。原稿を読み取るための光電変換ユニット908は、駆動用のモータ300をハウジング912に固定して、ワイヤ911とプーリ909,910など電動機の駆動力を伝達する手段を用いて、原稿901の副走査方向に駆動する。
また、読み取り開始位置を示すセンサ913は原稿901の端部の下部に設置されていて、光電変換ユニット908は、ホームポジションHPから読み取り開始位置Nの間に立ち上り等速の定常状態になるように設計されていて、HP点に達した後読み取りを開始するようになっている。
本実施例4では、光電変換ユニット908が図1に示した駆動装置を用いて、上述したフィードバック制御系により駆動制御されている。従って、走行体の駆動精度が向上し、画像の読取精度を高めることができる。
図19は、上記駆動制御の実行に使用するコンピュータの一例であるパーソナルコンピュータ1001の正面図である。パーソナルコンピュータ1001に着脱可能な記録媒体1003には、パーソナルコンピュータ1001に制御のための演算、データ入出力等を実行させるためのプログラムが格納されている。パーソナルコンピュータ1001は、この記録媒体1003に格納されているプログラムを実行することにより、上述したフィードバック制御を実行できる。上記記録媒体1003としては、CD−ROM等の光ディスクやフレキシブルディスク等の磁気ディスクが挙げられる。また、上記プログラムは、記録媒体を用いずに通信ネットワークを介してパーソナルコンピュータ1001に取り込むようにしてもよい。
また、上記実施形態では、上記逓倍部152として、フィードバックした逓倍パルスと逓倍前の出力パルスとを位相比較し、その位相比較結果を用いて逓倍パルスを生成する逓倍回路であるPLL回路を用いている。これにより、安価な構成で、逓倍パルスを生成することが可能となる。
また、上記実施形態では、上記フィードバック制御手段に対し、逓倍パルスを用いてフィードバック制御させるか、ダミーパルスを用いてフィードバック制御させるかを切り替えるための切替処理を行う制御切替手段を有し、これによりフィードバック制御手段に対してダミーパルスを用いてフィードバック制御させる期間を、上記不連続部分が存在すると判断されてから、この不連続部分が存在しないと判断されるまでの期間Bに、更に上記逓倍回路による逓倍動作が安定化するまでに必要な時間E以上に設定された動作安定期間を加えたものとしている。これにより、上述したように、逓倍回路の遅れ時間による影響を受けることなく、適切なフィードバック制御を行うことができる。
また、上記実施形態では、上記不連続部分が存在するか否かの判断は、所定のサンプリング時間内に得た出力パルス又は逓倍パルス中におけるマークに対応した信号部分の数であるカウント値が規定数よりも少ないか否かによって行い、上記動作安定期間を、サンプリング時間の整数倍に相当する期間に設定している。これにより、上述したように、クロック発生回路を省略することが可能となり、低コスト化を図ることが可能となる。
また、上記実施形態では、上記フィードバック制御手段として機能するコンピュータ135であるマイクロプロセッサ136を上記制御切替手段として機能させるプログラムを記憶したプログラム記憶媒体であるROM137を有し、マイクロプロセッサ136は、このプログラムを実行することにより上記切替処理を行う。このようにソフトウェア上で切替処理を行うことにより、別途、上記制御切替手段として機能するハードウェアを設ける必要がないので、低コスト化を図ることができる。
また、上記実施形態中で述べたように、上記制御切替手段は、上記フィードバック制御手段に対して切替信号を送信することにより上記切替処理を行うように構成してもよい。このような構成によっても、上記切替処理を行うことができる。
また、上記実施例1乃至3に係る画像形成装置としてのカラー複写機は、無端移動する駆動制御対象部材としての感光体ドラム12、中間転写ベルト24、搬送ベルト34、感光体ベルト60、転写ベルト83、転写ドラム76、直接転写ベルト226と、これらの駆動制御を行う駆動制御手段とを備えている。そして、この駆動制御手段として、上述した実施形態で説明した駆動制御装置を用いている。これにより、駆動精度が最終画像の品質に大きく影響する駆動制御対象部材の駆動制御を向上させ、高品質な画像を得ることができる。
また、上記実施例4の画像読取装置は、原稿面に対して光を照射し、あるいは原稿面に対して照射された光の反射光を受光する走行体である光電変換ユニット908と、これを原稿面に沿って走行させるための駆動力を伝達する駆動力伝達経路上に設けられる無端移動する駆動制御対象部材であるワイヤ911やプーリ909,910と、これの駆動制御を行う駆動制御手段とを備えている。そして、この駆動制御手段として、上述した実施形態で説明した駆動制御装置を用いている。これにより、光電変換ユニット908の駆動精度が向上し、画像の読取精度を高めることができる。
24 中間転写ベルト
34 搬送ベルト
60 感光体ベルト
76 転写ドラム
83 転写ベルト
102,121 モータ
106 ベルト(駆動制御対象部材)
108 リニアスケール
108a マーク
109 表面センサ
126 ドラム(駆動制御対象部材)
135 マイクロコンピュータ
136 マイクロプロセッサ
139 指令発生装置
140 モータ駆動用インターフェース
141 モータ駆動装置
142 検出用インターフェース装置
152 逓倍部
153 カウンタ
154 補正処理部
155 減算器
160 位相比較器
161 ループフィルタ
163 分周器
908 光電変換ユニット
Claims (8)
- 無端移動する駆動制御対象部材又は該駆動制御対象部材の無端移動に伴って無端移動する無端移動部材の無端移動方向にわたり所定間隔で連続するように設けた複数のマークをマーク検出手段によって検出し、これにより得られるマーク検出信号を用いて該駆動制御対象部材の駆動をフィードバック制御する駆動制御装置において、
上記マーク検出信号を所定倍まで逓倍した逓倍信号を生成する逓倍手段と、
該マーク検出信号中又は該逓倍信号中に、マークに対応する信号部分の間隔が予め決められた範囲外となる不連続部分が存在しないと判断したときには、該逓倍信号を用いてフィードバック制御を行い、該不連続部分が存在すると判断したときには、該逓倍信号に代わる代替信号を用いてフィードバック制御を行うフィードバック制御手段と、
該フィードバック制御手段に対し、上記逓倍信号を用いてフィードバック制御させるか、上記代替信号を用いてフィードバック制御させるかを切り替えるための切替処理を行う制御切替手段とを有し、
上記制御切替手段により上記フィードバック制御手段に対して上記代替信号を用いてフィードバック制御させる期間を、上記不連続部分が存在すると判断されてから、該不連続部分が存在しないと判断されるまでの期間に、更に上記逓倍手段による逓倍動作が安定化するまでに必要な時間以上に設定された動作安定期間を加えたものとし、
上記不連続部分が存在するか否かの判断は、所定のサンプリング時間内に得た上記マーク検出信号又は上記逓倍信号中におけるマークに対応した信号部分の数が規定数よりも少ないか否かによって行い、
上記動作安定期間を、該サンプリング時間の整数倍に相当する期間に設定したことを特徴とする駆動制御装置。 - 請求項1の駆動制御装置において、
上記逓倍手段として、フィードバックした逓倍信号と逓倍前のマーク検出信号とを位相比較し、その位相比較結果を用いて逓倍信号を生成する逓倍回路を用いることを特徴とする駆動制御装置。 - 請求項1又は2の駆動制御装置において、
上記フィードバック制御手段として機能するコンピュータを上記制御切替手段として機能させるプログラムを記憶したプログラム記憶媒体を有し、
該コンピュータは、該プログラムを実行することにより上記切替処理を行うことを特徴とする駆動制御装置。 - 請求項1又は2の駆動制御装置において、
上記制御切替手段は、上記フィードバック制御手段に対して切替信号を送信することにより上記切替処理を行うことを特徴とする駆動制御装置。 - 無端移動する駆動制御対象部材又は該駆動制御対象部材の無端移動に伴って無端移動する無端移動部材の無端移動方向にわたり所定間隔で連続するように設けた複数のマークをマーク検出手段によって検出し、これにより得られるマーク検出信号を用いて該駆動制御対象部材の駆動をフィードバック制御する駆動制御方法において、
上記マーク検出信号を所定倍まで逓倍した逓倍信号を生成する逓倍工程と、
該マーク検出信号中又は該逓倍信号中に、マークに対応する信号部分の間隔が予め決められた範囲外となる不連続部分が存在しないと判断したときには、該逓倍信号を用いてフィードバック制御を行い、該不連続部分が存在すると判断したときには、該逓倍信号に代わる代替信号を用いてフィードバック制御を行うフィードバック制御工程と、
該フィードバック制御工程で、上記逓倍信号を用いてフィードバック制御させるか、上記代替信号を用いてフィードバック制御させるかを切り替えるための切替処理を行う制御切替工程とを有し、
上記制御切替工程により上記フィードバック制御工程で上記代替信号を用いてフィードバック制御させる期間を、上記不連続部分が存在すると判断されてから、該不連続部分が存在しないと判断されるまでの期間に、更に上記逓倍工程による逓倍動作が安定化するまでに必要な時間以上に設定された動作安定期間を加えたものとし、
上記不連続部分が存在するか否かの判断は、所定のサンプリング時間内に得た上記マーク検出信号又は上記逓倍信号中におけるマークに対応した信号部分の数が規定数よりも少ないか否かによって行い、
上記動作安定期間を、該サンプリング時間の整数倍に相当する期間に設定したことを特徴とする駆動制御方法。 - 無端移動する駆動制御対象部材と、
該駆動制御対象部材の駆動制御を行う駆動制御手段とを備えた画像形成装置において、
上記駆動制御手段として、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の駆動制御装置を用いることを特徴とする画像形成装置。 - 原稿面に対して光を照射し、あるいは原稿面に対して照射された光の反射光を受光する走行体と、
該走行体を該原稿面に沿って走行させるための駆動力を伝達する駆動力伝達経路上に設けられる無端移動する駆動制御対象部材と、
該駆動制御対象部材の駆動制御を行う駆動制御手段とを備えた画像読取装置において、
上記駆動制御手段として、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の駆動制御装置を用いることを特徴とする画像読取装置。 - 無端移動する駆動制御対象部材又は該駆動制御対象部材の無端移動に伴って無端移動する無端移動部材の無端移動方向にわたり所定間隔で連続するように設けた複数のマークをマーク検出手段によって検出し、これにより得られるマーク検出信号を用いて該駆動制御対象部材の駆動をフィードバック制御する駆動制御装置に設けられるコンピュータを機能させるためのプログラムにおいて、
上記マーク検出信号中又はこれを上記駆動制御装置に設けられた逓倍手段によって所定倍まで逓倍して得た逓倍信号中に、マークに対応する信号部分の間隔が予め決められた範囲外となる不連続部分が存在しないと判断したときには、該逓倍信号を用いてフィードバック制御を行い、該不連続部分が存在すると判断したときには、該逓倍信号に代わる代替信号を用いてフィードバック制御を行うフィードバック制御手段、及び、該フィードバック制御手段に対し、上記逓倍信号を用いてフィードバック制御させるか、上記代替信号を用いてフィードバック制御させるかを切り替えるための切替処理を行う制御切替手段として、上記コンピュータを機能させるものであって、
上記制御切替手段により上記フィードバック制御手段に対して上記代替信号を用いてフィードバック制御させる期間を、上記不連続部分が存在すると判断されてから、該不連続部分が存在しないと判断されるまでの期間に、更に上記逓倍手段による逓倍動作が安定化するまでに必要な時間以上に設定された動作安定期間を加えたものとし、
上記不連続部分が存在するか否かの判断は、所定のサンプリング時間内に得た上記マーク検出信号又は上記逓倍信号中におけるマークに対応した信号部分の数が規定数よりも少ないか否かによって行い、
上記動作安定期間を、該サンプリング時間の整数倍に相当する期間に設定されていることを特徴とするプログラム。
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