JP4351509B2 - 回転体の位置制御方法・回転体の位置制御装置・画像形成装置・画像読み取り装置・記録媒体 - Google Patents
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Description
しかしながら、軸に取り付けたエンコーダからの位置計測フィードバック制御では、その取り付けた軸の偏心や、軸に対するエンコーダの取付位置の偏心などの影響を消すことができない。そのために、例えば回転体の表面に直接スケールを貼り付け、そのスケールを反射型フォトセンサ(以下、単にセンサともいう)で読み込み、読み込んだ信号(パルス)でフィードバック制御を行う手法が実用化されている。
また、回転体上にスケールを貼り付ける方式の場合、製造精度上スケールのつなぎ目が存在することを避けられず、つなぎ目部分においてはノイズも含めたセンサ自身の出力誤差が発生し、制御が不安定になってしまう。特に、回転体が停止した状態から駆動を開始し、定常状態に至るまでにつなぎ目がくると確実に制御不能になってしまう。
この問題に対して、特開2002−108169号公報には、ベルト回転検出用パターンを、スリット未形成部(つなぎ目等)を補完するように複数配置し、これに対応してそれぞれセンサを設け、2つのセンサのうち一方からの情報の信頼性が低い場合には他方のセンサ情報に基づいて制御するという技術が開示されている。
まず、図1に基づいて、位置制御(駆動制御、変位制御)の対象となる回転体としてのベルトを含む基本的なベルト駆動装置の構成を説明する。ここでのベルトは、少なくとも2つ以上の軸間に掛け回された無端状のベルトであって、後述する感光体ベルト、中間転写ベルト、直接転写ベルトに相当するものである。
ギヤ100の回転軸に駆動軸101が同期回転可能に取り付けられている。モータ102の回転軸にはギヤ103が取り付けられており、駆動源としてのモータ102の回転をギヤ103、ギヤ100を介して伝え、駆動軸101を回転駆動するようになっている。駆動軸101と従動軸104、105間に駆動対象で且つ位置制御対象のベルト106が掛け回されており、テンションローラ107によって一定の張力が掛かるようになっている。
モータ102を回転させることで駆動対象のベルト106が回転駆動される。ここではベルト106の表面端部にリニアスケール108を貼り付けているが、中央部や裏面でも良い。また、ベルト106上に直接スケールを書き込んでも良い。
ギヤ122の回転軸124に駆動プーリ125が取り付けられている。駆動源としてのモータ121の回転軸にはギア122に噛み合うギヤ123が取り付けられており、モータ121の回転により駆動プーリ125が回転駆動される。
モータ121には、第2の信号発生手段としてのモータ軸エンコーダ129が取り付けられている。駆動プーリ125と従動プーリ128間にタイミングベルト131が掛け回されていて、テンションプーリ130によって一定の張力が掛かるようになっている。従動プーリ128には同軸度が保たれるように駆動対象で且つ位置制御対象である回転体としてのドラム126が軸127を介して取り付けられている。駆動対象のドラム126の表面にはその周方向に沿ってスケールとしてのリニアスケール108が貼り付けられており、このリニアスケール108を表面センサ109により読み込むことでドラム126の駆動状態(速度変動)を計測する。
エンコーダはモータ軸ではなく、ベルト106を支持する従動軸や、ドラム126のモータ軸に従動して回転する軸(広義には回転体に伴って回転する軸)に取り付けてもよい。
モータ121を回転させることでドラム126が回転駆動される。本構成においてもドラム126の表面端部にリニアスケール108を貼り付けているが、中央部でも良く、ドラム126が筒状であった場合は裏側でも良い。また、ドラム126上に直接スケールを書き込んでも良い。スケールでなくても回転体の位置変位(駆動変位)を何らかの信号量として把握できるものであれば良い。
具体的には、アルミニウム製のテープにパターン108aが書き込まれており、表面センサ109の後述する発光素子から出力される光がリニアスケール108に当たって反射し、その反射光を表面センサ109の後述する受光素子が検出する。パターン108aが書き込まれない部分は反射光が強く、書き込まれた部分は反射光が弱くなることでリニアスケール108のパターン108aが認識される。ここではリニアスケール108の基材としてアルミテープを用いたが、その他の素材のものであっても駆動状態を計測可能ならば良い。
図4において、符号135は、マイクロプロセッサ136、リードオンリメモリ(ROM)137、ランダムアクセスメモリ(RAM)138からなるマイクロコンピュータを示しており、マイクロプロセッサ136、リードオンリメモリ(ROM)137、ランダムアクセスメモリ(RAM)138がそれぞれバス143を介して接続されている。
符号139はモータ121の角変位を指令する状態指令信号を出力する指令発生装置を示し、この指令発生装置139は目標角変位指令信号を発生する。指令発生装置139の出力側もバス143へ接続されている。符号142は、モータ軸エンコーダ129の出力パルスを処理してデジタル数値に変換する検出用インターフェース装置を示す。この検出用インターフェース装置142は、モータ軸エンコーダ129の出力パルスを計数するカウンタを備えており、このカウンタのカウントした数値に、予め定められたパルス数対角変位の変換定数を掛けてモータ軸の角変位に変換する。電流センサ144からはモータ駆動電流がI/O145を介してマイクロコンピュータ135に取り込まれる。
直流電動機駆動装置141は、直流電動機駆動用のインターフェース140からのパルス状信号に基づき動作し、モータ121に印加する電圧を制御する。この結果、モータ121は指令発生装置139による所定の角変位に追値制御される。モータ121の角変位は、モータ軸エンコーダ129とインターフェース装置142により検出され、マイクロコンピュータ135に取り込まれ、制御が繰り返される。
リニアスケール108、表面センサ109、制御手段としてのマイクロコンピュータ135により本実施形態における回転体の位置制御装置が構成される。
ここでは、モータ121から直接エンコーダなどで角変位を検出しているが、モータ102やモータ121によって駆動されるベルト106やドラム126の駆動を検出する方法でも同様に考えることができる。
また、電流系制御について説明したが、制御系が電圧制御系であってもかまわない。
ベルト106あるいはドラム126などの回転体の駆動状態を表面センサ109が計測し、変位計測信号値152が得られる。この変位計測信号値152がフィードバックされ、フィードバックされた変位計測信号値152と規範信号153とが減算器154で比較され、現在の変位と目標変位との偏差155が求められる。この偏差155をコントローラ150に入力することで新しい制御信号が作られる。
また、信号が全く得られなくなった場合にはフィードバック信号が得られないために制御手段により駆動停止の措置が採られ、全く制御を行うことができなくなる。
そこで、本実施形態では、このような装置停止(作業時間におけるデッドタイムの発生)を回避すべく、制御信号を、スケールパルスを読み取る表面センサ109から得られる第1の信号と、モータ軸エンコーダ129から得られる第2の信号の2種類とし、こられ2つの信号を選択的にフィードバック信号(制御信号)として用い、制御系を不安定化させないような処理(切り替え処理)を行うようにしている。
ベルト106あるいはドラム126などの回転体の駆動状態を表面センサ109もしくはモータ軸エンコーダ129が計測し、表面センサ計測変位信号値152と、モータ軸エンコーダ計測変位信号値156が得られる。
それぞれの変位信号値が切り替え処理部157に入力される。この切り替え処理部157では計測された値や制御系全体のその時の状態により、いずれかの信号を選択してフィードバック信号として出力する。
切り替え処理部157により選択されたフィードバック値158と規範信号153とが減算器154で比較され、現在の変位と目標変位との偏差154が求められる。この偏差154をコントローラ150に入力することで新しい制御信号が作られる。これが切り替え処理を行った場合の制御系である。
図6の制御系において、プラント151を除く全体が本実施形態における制御手段(=マイクロコンピュータ135)を構成する。
この制御方式(アルゴリズム)を、図7のフローチャートに基づいて説明する。
現在、モータ軸エンコーダ129からの信号に基づいてベルト106あるいはドラム126が駆動されている(S1)。任意の時間において、フィードバック信号をモータ軸エンコーダ129の信号から表面センサ109による信号に変更しようとする際に、まず、上記制御手段によって表面センサ109に異常が存在するかどうかの判断がされる(S2)。
この判断の基準としては、表面センサ109から異常を知らせる信号が出ている、表面センサ109から正常な信号が出ていない、任意の時間区間にフィードバックされる計測変位信号が来ない、もしくは異常である、などが挙げられる。
上記異常の発生理由には、表面センサ109自体の計測機能の低下、スケール108の経時的劣化等が含まれる。
もし表面センサ109に異常が存在する場合は、表面センサ信号ではなくモータ軸エンコーダ129の信号をフィードバック信号として選択し、ベルト106あるいはドラム126が駆動される(S4)。
モータ軸エンコーダ129による信号ではなく、ホール素子を用いてモータの駆動状態を計測するモータfg信号を第2の信号としても良い。さらに、磁気抵抗効果素子(MR素子)を用いてモータの駆動状態を計測するモータmr信号を第2の信号としても良い。このようにした場合、モータ軸エンコーダ129に必要なスペースを削除でき、駆動源側の装置コストも下げることが可能となる。さらに、モータ軸でなく、ベルト106あるいはドラム126の駆動軸、ベルト106の従動軸(支持する軸)等にエンコーダを取り付ける方法でも良い。
このように、制御信号を選択制御することで、モータ軸エンコーダ129の信号で駆動していたベルト106あるいはドラム126の駆動を不安定にすることなく且つ装置を停止させることなく連続して制御することが可能となる。
本実施形態では、ベルト106あるいはドラム126の駆動において、モータ軸エンコーダ信号(第2の信号)から表面センサ信号(第1の信号)へ切り替えが可能であった場合、切り替え後に用いる表面センサ信号から求めた変位と目標変位との差分を補正することを特徴とする。
現在、モータ軸エンコーダ129からの信号でベルト106あるいはドラム126の駆動が行われている(S11)。任意の時間において、フィードバック信号をモータ軸エンコーダ129からの信号から表面センサ信号に変更しようとする際に、まず、制御手段によって表面センサ109に異常が存在するかどうかの判断がなされる(S12)。
S12において、表面センサ109に異常が存在する場合は、表面センサ信号ではなくモータ軸エンコーダ信号をフィードバック信号として選択し、ベルト106あるいはドラム126が駆動される(S15)
このように制御することで、モータ軸エンコーダ129からの信号でベルト106あるいはドラム126の駆動が行われている場合で、任意の時間で表面センサ信号による制御に切り替えを行おうとしたときに、表面センサ109の計測機能に異常が発生していても、突然装置の停止を招いたり、システム全体に悪影響を及ぼすことなく、ベルト106あるいはドラム126の駆動が継続され、目標変位に沿ってベルト106あるいはドラム126の駆動を連続して正しく制御することが可能となる。
本実施形態では、モータ軸エンコーダ信号から表面センサ信号への切り替えが可能であった場合、表面センサ信号で求めた変位とモータ軸エンコーダ信号で求めた変位との差分を補正することを特徴とする。
現在、モータ軸エンコーダ129からの信号でベルト106あるいはドラム126の駆動が行われている(S21)。任意の時間において、フィードバック信号をモータ軸エンコーダ信号から表面センサ信号に変更しようとする際に、まず、制御手段によって表面センサ109に異常が存在するかどうかの判断がなされる(S22)。
その時に表面センサ信号を選択した最初だけ、表面センサ信号(切り替え後に用いる制御信号)から求めた変位(位置)とモータ軸エンコーダ信号(切り替え前に用いていた制御信号)から求めた変位との差分を求め、保存し、補正処理を行う(S24)。
S22において、表面センサ109に異常が存在する場合は、表面センサ信号ではなくモータ軸エンコーダの信号をフィードバック信号として選択し、ベルト106あるいはドラム126が駆動される(S25)。
このように制御することで、モータ軸エンコーダ129からの信号でベルト106あるいはドラム126の駆動が行われている場合で、任意の時間で表面センサ信号による制御に切り替えを行おうとしたときに、表面センサ109の計測機能に異常が発生していても、突然装置の停止を招いたり、システム全体に悪影響を及ぼすことなく、ベルト106あるいはドラム126の駆動が継続され、目標変位に沿ってベルト106あるいはドラム126の駆動が継続され、モータ軸エンコーダ信号による制御から連続して表面センサ信号による制御へ移行することが可能となる。
本実施形態では、ベルト106あるいはドラム126の駆動を開始してから、定常駆動に至るまではモータ軸エンコーダ129からの計測信号(単に信号ともいう)で制御を行い、定常駆動に至った後は表面センサ109からの計測信号(単に信号ともいう)の制御へ切り替えて駆動することを特徴とする。
ベルト106あるいはドラム126の駆動を開始してから、定常に至るまでにおいて、表面センサからの信号を用いた場合、スケールのつなぎ目などにより信号が得られない部分が来てしまうと制御系が不安定になってしまい、確実な駆動立ち上げができない。そのため、安定した立ち上がり駆動を得るために表面センサ以外の計測手段を用いる方法が有効である。
この場合、ベルト106あるいはドラム126の駆動状態を計測するモータ軸エンコーダ129の出力を元に定常駆動に至ったか決定しても良いし、表面センサ109の出力を元に定常駆動に至ったか決定しても良い。また、計測結果ではなく駆動開始からある時間経過したら定常状態と見なす場合は時間で判断しても良い。
ベルト106あるいはドラム126の駆動が定常に至るまではモータ軸エンコーダ信号による制御が継続される(S32)。ベルト106あるいはドラム126の駆動が定常状態に至ったならばモータ軸エンコーダ信号から表面センサ信号へフィードバック信号を切り替え、以降は表面センサ信号でベルト106あるいはドラム126が駆動される(S33)。
本実施形態では、ベルト106あるいはドラム126の駆動が定常状態に至った後にモータ軸エンコーダ信号から表面センサ信号へ切り替える際、表面センサ信号で求めた変位と目標変位との差分を補正することを特徴とする。
モータ軸エンコーダ信号によるベルト106あるいはドラム126の駆動制御が開始される。駆動が開始されてから、制御手段によりベルト106あるいはドラム126の駆動が定常状態に至ったかどうかの判断が行われる(S41)。
ベルト106あるいはドラム126の駆動が定常状態に至るまではモータ軸エンコーダ信号による制御が継続される(S42)。この時に、同時に表面センサ信号を用いてベルト106あるいはドラム126の変位を計測し、その変位と目標変位との差分を保存しておく(S43)。この差分値はモータ軸エンコーダ信号による制御が継続されている間は常に更新される。
このように制御することで、定常状態に至るまでの表面センサ信号値の影響(制御の不安定化)を消すことができ、ベルト106あるいはドラム126の駆動を目標変位に沿って正しく制御することが可能となる。
本実施形態では、ベルト106あるいはドラム126の駆動が定常状態に至った後にモータ軸エンコーダ信号から表面センサ信号へ切り替える際、表面センサ信号で求めた変位とモータ軸エンコーダ信号で求めた変位との差分を補正することを特徴とする。
モータ軸エンコーダ信号によるベルト106あるいはドラム126の駆動制御が開始される。駆動が開始されてから、制御手段によりベルト106あるいはドラム126の駆動が定常状態に至ったかどうかの判断が行われる(S51)。ベルト106あるいはドラム126の駆動が定常に至るまではモータ軸エンコーダの信号による制御が継続される(S52)。
ベルト106あるいはドラム126の駆動が定常状態に至ったならばモータ軸エンコーダ信号から表面センサ信号へフィードバック信号を切り替え(S54)、その時にS53で保存してある差分値を用いて補正処理を行い(S55)、表面センサ信号による制御が行われる。以降は表面センサ信号でベルト106あるいはドラム126が駆動され、差分値は更新されない。
本実施形態において、上記実施形態と同様にモータ軸エンコーダ信号がモータfg信号あるいはモータmr信号であってもかまわない。
本実施形態では、ベルト106あるいはドラム126を表面センサ109からの計測信号で駆動制御している途中で、表面スケール108や表面センサ109に何らかの異常が発生して計測信号が得られなくなった時に、モータ軸エンコーダからの計測信号による制御へ切り替えて駆動することを特徴とする。
この判断の基準としては、表面センサ109から異常を知らせる信号が出ている、表面センサ109から正常な信号が出ていない、任意の時間区間にフィードバックされる計測変位信号が来ない、もしくは異常である、などが挙げられる。
表面センサ109からの出力に異常がなく何も問題がなければ表面センサ信号をフィードバック信号として選択を継続し(S62)、ベルト106あるいはドラム126が駆動される。
S61において、表面センサ109に異常があった場合は、表面センサ信号ではなくモータ軸エンコーダ信号をフィードバック信号として選択し(S63)、ベルト106あるいはドラム126が駆動される。
本実施形態では、ベルト106あるいはドラム126の駆動において、表面センサ信号からモータ軸エンコーダ信号へ切り替える際、モータ軸エンコーダ信号で求めた変位と目標変位との差分を補正することを特徴とする。
表面センサ信号によるベルト106あるいはドラム126の駆動制御が継続されている。駆動制御を継続しつつ、制御手段により表面センサ109の出力が正常かどうかが判断される(S71)。表面センサ109からの出力に異常がなく何も問題がなければ表面センサ信号をフィードバック信号として選択を継続し(S72)、ベルト106あるいはドラム126が駆動される。
S71において、表面センサ109が異常であった場合には、表面センサ信号からモータ軸エンコーダ信号へフィードバック信号を切り替え(S74)、その時にS73で保存してある差分値を用いて補正処理を行い、モータ軸エンコーダの信号による制御が行われる(S75)。以降はモータ軸エンコーダ信号でベルト106あるいはドラム126が駆動され、差分値は更新されない。
このように制御することで、表面センサ計測に異常(表面センサ109自体の異常とスケール108の異常の双方を含む)が発生しても装置の突然停止を招いたり、システム全体に悪影響を及ぼすことなく、ベルト106あるいはドラム126の駆動が継続され、目標変位に沿って正しく制御することが可能となる。
本実施形態では、ベルト106あるいはドラム126の駆動において、表面センサ信号からモータ軸エンコーダ信号へ切り替える際、モータ軸エンコーダ信号で求めた変位と表面センサ信号で求めた変位との差分を補正することを特徴とする。
表面センサ信号によるベルト106あるいはドラム126の駆動制御が継続されている。駆動制御を継続しつつ、制御手段により表面センサ109の出力が正常かどうかが判断される(S81)。表面センサ109からの出力に異常がなく何も問題がなければ表面センサ信号をフィードバック信号として選択を継続し(S82)、ベルト106あるいはドラム126が駆動される。
S81において、表面センサ109が異常であった場合には、表面センサ信号からモータ軸エンコーダ信号へフィードバック信号を切り替え(S84)、その時にS83で保存してある差分値を用いて補正処理を行い(S85)、モータ軸エンコーダ信号による制御が行われる。以降はモータ軸エンコーダ信号でベルト106あるいはドラム126が駆動され、差分値は更新されない。
このように制御することで、表面センサ計測に異常が発生しても、装置の突然停止を招いたり、システム全体に悪影響を及ぼすことなく、ベルト106あるいはドラム126の駆動が継続され、表面センサ信号による制御から連続してモータ軸エンコーダ信号による制御へ移行することが可能となる。
本実施形態においても、モータ軸エンコーダの信号がモータfg信号あるいはモータmr信号であってもかまわない。
本実施形態では、表面スケール108や表面センサ109に何らかの異常が発生して計測信号が得られない状態であり、モータ軸エンコーダ129の計測信号を用いてベルト106あるいはドラム126の駆動を行っている途中で、表面スケール108や表面センサ109の異常が無くなり、計測信号が得られるようになった時には表面センサ109からの計測信号による制御へ切り替えて駆動することを特徴とする。
表面センサ109に異常(計測機能の低下又は不能)が発生しており、モータ軸エンコーダ信号によるベルト106あるいはドラム126の駆動制御が継続されている(S91)。駆動制御を継続しつつ、制御手段により表面センサ109の状態がチェックされる(S92)。
この判断の基準としては、表面センサ109から異常を知らせる信号が出ていない、表面センサ109から正常に信号が出ている、任意の時間区間にフィードバックされる計測変位信号が来た、もしくは正常である、などが挙げられる。
S92において、表面センサ109の計測機能が復旧しない場合には、モータ軸エンコーダ信号による制御が継続される(S94)。
本実施形態では、ベルト106あるいはドラム126の駆動において、モータ軸エンコーダ信号から表面センサ信号へ切り替える際、表面センサ信号で求めた変位と目標変位との差分を補正することを特徴とする。
表面センサ109に異常が発生しており、モータ軸エンコーダ信号によるベルト106あるいはドラム126の駆動制御が継続されている(S101)。駆動制御を継続しつつ、制御手段により表面センサ109の状態がチェックされる(S102)。表面センサ109の状態に異常がなく、正常になったと判断された場合、表面センサ信号をフィードバック信号として選択し(S103)、ベルト106あるいはドラム126が駆動される。
S102において、表面センサ109の計測機能が復旧しない場合には、モータ軸エンコーダ信号による制御が継続される(S105)。
このように制御することで、表面センサ計測に異常が発生しているベルト106あるいはドラム126の駆動において、表面センサ計測が正常に戻れば装置の突然停止を招いたり、システム全体に悪影響を及ぼすことなく、ベルト106あるいはドラム126の駆動が継続され、目標変位に沿ってベルト106あるいはドラム126の駆動を連続して正しく制御することが可能となる。
本実施形態では、ベルト106あるいはドラム126の駆動において、モータ軸エンコーダ信号から表面センサ信号へ切り替える際、表面センサ信号で求めた変位とモータ軸エンコーダ信号で求めた変位との差分を補正することを特徴とする。
表面センサ109に異常が発生しており、モータ軸エンコーダ信号によるベルト106あるいはドラム126の駆動制御が継続されている(S111)。駆動制御を継続しつつ、制御手段により表面センサ109の状態がチェックされる(S112)。表面センサ109の状態に異常がなく、正常になったと判断された場合、表面センサ信号をフィードバック信号として選択し(S113)、ベルト106あるいはドラム126が駆動される。
その時に選択で表面センサ信号となった最初の一度だけ、表面センサ信号から求めた変位とモータ軸エンコーダ信号から求めた変位との差分を求め、保存し、補正処理を行う(S114)。この後、この差分は更新せずに補正処理だけ継続して行われる。以降は表面センサ信号でベルト106あるいはドラム126が駆動される。
S112において、表面センサ109の計測機能が復旧しない場合には、モータ軸エンコーダ信号による制御が継続される(S115)。
本実施形態においても、モータ軸エンコーダ信号がモータfg信号あるいはモータmr信号であってもかまわない。
本実施形態では、ベルト106あるいはドラム126の駆動制御を表面センサ109からの計測信号で行い、表面スケール108につなぎ目が存在したときに、表面センサ109の計測位置がつなぎ目に入った時はモータ軸エンコーダ129からの計測信号を用い、つなぎ目から通常部分に戻ったならば表面センサ109からの計測信号による制御へ切り替えて駆動することを特徴とする。
図19は、図1におけるベルト106、あるいは図2におけるドラム126に貼り付けたリニアスケール108のつなぎ目部分を拡大した図である。
リニアスケール108等のテープ状スケールを貼り付ける方式においてはつなぎ目が2種類ある。1つは、図19(a)に示すように、リニアスケール108が物理的につながっていない、物理的つなぎ目132が存在することである。もう1つは、図19(b)に示すように、リニアスケール108は連続的に存在するが、パターン108aを書き込む時の精度などの問題から、リニアスケール108上に何も書かれていない空白部分としての書き込みつなぎ目133が存在することである。
表面センサ信号によるベルト106あるいはドラム126の駆動制御が継続されている。駆動制御を継続しつつ、制御手段により表面センサ109がつなぎ目部分に入っているかどうかが判断される(S121)。
この判断の基準としては、表面センサ109からつなぎ目に入っていることを知らせる信号が出ている、表面センサ109から正常な信号が出ていない、などが挙げられる。表面センサ109がつなぎ目に入っていなければ表面センサ信号をフィードバック信号として選択を継続し(S122)、ベルト106あるいはドラム126が駆動される。
S121において、表面センサ109がつなぎ目に入っていると判断された場合には、表面センサ信号ではなくモータ軸エンコーダ信号をフィードバック信号として選択し(S123)、ベルト106あるいはドラム126が駆動される。
つなぎ目に入った後、表面センサ109がつなぎ目部分から出たと判断された場合には、表面センサ信号をフィードバック信号として選択し、ベルト106あるいはドラム126が駆動される。
本実施形態では、ベルト106あるいはドラム126の駆動において、表面センサ信号からモータ軸エンコーダ信号へ切り替える際、モータ軸エンコーダ信号で求めた変位と目標変位との差分を補正、あるいはモータ軸エンコーダ信号から表面センサ信号へ切り替える際、表面センサ信号で求めた変位と目標変位との差分を補正することを特徴とする。
表面センサ信号によるベルト106あるいはドラム126の駆動制御が継続されている。駆動制御を継続しつつ、制御手段により表面センサ109がつなぎ目部分に入っているかどうかが判断される(S131)。表面センサ109がつなぎ目に入っていなければ表面センサ信号をフィードバック値として選択を継続する(S132)。この時に、モータ軸エンコーダ信号から求めた変位と目標変位との差分aを保存しておく(S133)。
この差分値はつなぎ目部分に入っていない、表面センサ制御が継続されている間は常に更新される。そして以前に表面センサ109がつなぎ目を出入りしたことにより発生した表面センサ信号から求めた変位と目標変位との差分bを用いて補正処理し(S134)、ベルト106あるいはドラム126は駆動される。
そして以前に表面センサ109がつなぎ目を出入りしたことにより発生したモータ軸エンコーダ信号から求めた変位と目標変位との差分aを用いて補正処理し(S137)、ベルト106あるいはドラム126は駆動される。
このように制御することで、ベルト106あるいはドラム126のスケール108につなぎ目が存在しても、装置の突然停止を招いたり、システム全体に悪影響を及ぼすことなく、ベルト106あるいはドラム126の駆動が継続され、目標変位に沿って正しく制御することが可能となる。
本実施形態では、ベルト106あるいはドラム126の駆動において、表面センサ信号からモータ軸エンコーダ信号へ切り替える際、モータ軸エンコーダ信号で求めた変位と表面センサ信号から求めた変位との差分を補正することを特徴とする。
表面センサ信号によるベルト106あるいはドラム126の駆動制御が継続されている。駆動制御を継続しつつ、制御手段により表面センサ109がつなぎ目部分に入っているかどうかが判断される(S141)。表面センサ109がつなぎ目に入っていなければ表面センサ信号をフィードバック値として選択を継続する(S142)。この時に、表面センサ信号が選択された最初だけ、モータ軸エンコーダ信号から求めた変位と表面センサ信号から求めた変位との差分cを保存しておく(S143)。
そして、表面センサ信号に対して求めた差分cを用いて補正処理をし(S144)、ベルト106あるいはドラム126は駆動される。
このように制御することで、ベルト106あるいはドラム126のスケール108につなぎ目が存在しても、装置の突然停止を招いたり、システム全体に悪影響を及ぼすことなく、ベルト106あるいはドラム126の駆動が継続され、表面センサ信号とモータ軸エンコーダ信号との制御の移行を連続して行うことが可能となる。
本実施形態においても、モータ軸エンコーダ信号がモータfg信号あるいはモータmr信号であってもかまわない。
ここで、ベルト106あるいはドラム126上のスケールパルスを読み込む際に、センサ(表面センサ109)に異常が発生した時のセンサの状態について示す。
図23は表面センサ109スケール108部分の拡大図である。ベルト106あるいはドラム126の表面にスケール108が貼られている。スケール108上にはパターン108aとパターン108bが一定間隔で交互に書き込まれており、パターン108bは光の反射率が高く、パターン108aの部分は反射率がパターン108bに比べて低くなっている。
スケール108の近傍にパターン108a、パターン108bを読み込む表面センサ109が設けられており、表面センサ109の発光部109aから光が出力される。出力された光がスケール108上に当たり、その反射波を受光部109bが受ける。パターン108aとパターン108bは反射率が異なるため、受光される光の強さの違いを読み取ることでベルト106あるいはドラム126の駆動状態を計測することが可能となる。
この出力170をそのまま計測信号として用いても良く、計測信号をパルス信号にしたい場合は、出力170に対して、任意のスレッシュレベル171を設ける。このスレッシュレベル171を上回った時はH信号、下回った時はL信号とすることで、出力170を図25に示すように、矩形パルス172として得ることができる。
表面センサ109に異常が発生し、出力レベルが高くなってレベル175となった場合は上限レベル173を越えているため、異常発生と判断される。同様に出力レベルが低くなってレベル176となれば下限レベル174を下回るため、異常発生と判断される。
このようにして表面センサ109が異常か正常かの判断が行われ、異常が発生していれば異常発生信号を表面センサ109側から出力することで制御側などに伝えることが可能となる。
図25に示した矩形パルス172のパルス間隔あるいはパルス幅の時間を計測し、間隔の時間あるいはパルス幅の時間が通常の時間よりも長い、あるいは短いということから異常発生を判断しても良い。
制御で、図25で示したような矩形パルス172のパルス数をサンプリング時間ごとにカウントして、累積カウント値で位置制御を行う場合を考える。横軸にサンプリング時間毎の時間経過を示し、縦軸はサンプリング時間毎のカウント値(パルスカウント数)を示している。
位置制御を行っている時、通常の負荷変動(外乱)で考えられるカウント値のばらつき範囲a1内でパルスカウント数がばらつき、パルスカウント数177、178、179が計測される。この時、表面センサ109に異常が発生すると、センサそのものが正しく動作しないために、通常のばらつき範囲a1を下回る範囲a2内のパルスカウント数180、181が計測される。あるいは、通常のばらつき範囲a1を上回る範囲a3内のパルス数182が計測される。
このように通常のばらつき範囲a1に収まらないパルスカウント数が計測された場合は、制御側から表面センサ109に異常が発生していると判断し、異常発生信号を出力して、表面センサ計測が不可能であることを判断、あるいは伝えることが可能となる。
本実施形態は画像形成装置としてのカラー複写機への適用例であり、符号10は装置本体を示す。装置本体10は、外装ケース11内の中央よりもやや右寄りに、像担持体としての感光体ドラム12を備えている。感光体ドラム12の周りには、その上に設置されている帯電器13から矢示の回転方向(反時計回り方向)へ順に、現像手段としての回転型現像装置14、中間転写ユニット15、クリーニング装置16、除電器17などが配置されている。
レーザ書込み装置18は、画像読取装置29から図示しない画像処理部を介して各色の画像信号が入力され、各色の画像信号により順次に変調されたレーザ光Lを一様帯電状態の感光体ドラム12に照射して感光体ドラム12を露光することで感光体ドラム12上に静電潜像を形成する。
画像読取装置29は装置本体10の上面に設けられた原稿台30上にセットされた原稿Gの画像を色分解して読み取り、電気的な画像信号に変換する。記録媒体搬送路32は右から左へ用紙等の記録媒体を搬送する。記録媒体搬送路32には、中間転写ユニット15及び転写装置26より手前にレジストローラ対33が設置され、中間転写ユニット15及び転写装置26より下流側に搬送ベルト34、定着装置35、排紙ローラ対36が配置されている。
装置本体10の右側には、手差しトレイ38が開閉自在に設けられ、この手差しトレイ38から挿入された記録媒体は装置本体10内の手差し給紙路39を通して記録媒体搬送路32へ搬送される。装置本体10の左側には、図示しない排紙トレイが着脱自在に取り付けられ、記録媒体搬送路32を通して排紙ローラ対36により排出された記録媒体が排紙トレイへ収容される。
同時に、給紙装置50内の給紙カセット51から給紙ローラ52で選択的に記録媒体が送り出され、この記録媒体は自動給紙路37、記録媒体搬送路32を通してレジストローラ対33に突き当たって止まる。
感光体ドラム12は、反時計回り方向に回転し、複数のローラ23のうちの駆動ローラの回転で中間転写ベルト24が時計回り方向へ回転する。感光体ドラム12は、回転に伴い、帯電器13により一様に帯電され、画像読取装置29から画像処理部を介してレーザ書込み装置18に加えられる1色目の画像信号で変調されたレーザ光がレーザ書込み装置18から照射されて静電潜像が形成される。
続いて、感光体ドラム12は、帯電器13により一様に帯電され、画像読取装置29から画像処理部を介してレーザ書込み装置18に加えられる2色目の画像信号で変調されたレーザ光がレーザ書込み装置18から照射されて静電潜像が形成される。感光体ドラム12上の静電潜像は回転型現像装置14の2色目の現像器20Bにより現像されて2色目の画像となり、感光体ドラム12上の2色目の画像は転写装置25により中間転写ベルト24上に1色目の画像と重ねて転写される。感光体ドラム12は、2色目の画像の転写後にクリーニング装置16でクリーニングされて残留トナーが除去され、除電器17で除電される。
さらに、感光体ドラム12は、帯電器13により一様に帯電され、画像読取装置29から画像処理部を介してレーザ書込み装置18に加えられる4色目の画像信号で変調されたレーザ光がレーザ書込み装置18から照射されて静電潜像が形成される。感光体ドラム12上の静電潜像は回転型現像装置14の4色目の現像器20Dにより現像されて4色目の画像となり、感光体ドラム12上の4色目の画像が転写装置25により中間転写ベルト24上に1色目の画像、2色目の画像、3色目の画像と重ねて転写されることでフルカラー画像が形成される。
感光体ドラム12は、4色目の画像の転写後にクリーニング装置16でクリーニングされて残留トナーが除去され、除電器17で除電される。
以上4色重ね画像を形成する動作について説明したが、3色重ね画像を形成する場合には感光体ドラム12上に3つの異なる単色画像が順次に形成されて中間転写ベルト24上に重ねて転写された後に記録媒体に一括して転写される。2色重ね画像を形成する場合には感光体ドラム12上に2つの異なる単色画像が順次に形成されて中間転写ベルト24上に重ねて転写された後に記録媒体に一括して転写される。
そこで、本実施形態では、感光体ドラム12の駆動が図2で示した駆動装置により、中間転写ベルト24と搬送ベルト34の駆動が図1に示した駆動装置により、上述した回転体の位置制御方法に基づいて行われる。
従って、像担持体の駆動の精度が向上し、高品質な画像を得ることができる。
本実施形態における画像形成装置としてのカラー複写機において、像担持体としての感光体60は、閉ループ状のNi(ニッケル)のベルト基材の外周面上に、有機光半導体(OPC)等の感光層が薄膜状に形成された感光体ベルトである。この感光体60は、3本の感光体搬送ローラ61〜63によって支持され、駆動モータ(図示せず)によって矢印A方向に回動される。
感光体60の周りには、矢印Aで示す感光体60回転方向へ順に、帯電器64、露光手段としての露光光学系(以下LSUという)65、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの各色の現像器66〜69、中間転写ユニット70、感光体クリーニング手段71及び除電器72が設けられている。
帯電器64は、−4〜5kv程度の高電圧が図示しない電源装置から印加され、感光体60の帯電器64に対向した部分を帯電して一様な帯電電位を与える。
継ぎ目センサ74はループ状に形成された感光体60の継ぎ目を検知するものであり、継ぎ目センサ74が感光体60の継ぎ目を検知すると、感光体60の継ぎ目を回避するように、かつ、各色の静電潜像形成位置が同一になるように、タイミングコントローラ75がLSU65の発光タイミングを制御する。
中間転写ユニット70は、アルミニウム等の金属の素管に導電性の樹脂等からなるベルト状のシートを巻いた中間転写体としての転写ドラム76と、ゴム等をブレード状に形成した中間転写体クリーニング手段77とからなり、中間転写体76上に4色重ねの画像が形成されている間は中間転写体クリーニング手段77が中間転写体76から離間している。
中間転写体クリーニング手段77は、中間転写体76をクリーニングする時のみ中間転写体76に当接し、中間転写体76から記録媒体としての記録紙78に転写されずに残ったトナーを除去する。記録紙78は、記録紙カセット79から給紙ローラ80により1枚ずつ用紙搬送路81に送り出される。
定着器86は、内部に熱源を有するヒートローラ87と、加圧ローラ88とから構成され、記録紙78上に転写されたフルカラー画像をヒートローラ87と加圧ローラ88との記録紙挟持回転に伴い圧力と熱を記録紙78に加えて記録紙78にフルカラー画像を定着させてフルカラー画像を形成する。
感光体60と中間転写体76は、それぞれの駆動源(図示せず)により、矢印A、B方向にそれぞれ駆動される。この状態で、まず、帯電器64に−4〜5kv程度の高電圧が電源装置(図示せず)から印加され、帯電器64が感光体60の表面を一様に−700v程度に帯電させる。
次に、継ぎ目センサ74が感光体60の継ぎ目を検知してから、感光体60の継ぎ目を回避するように一定時間が経過した後に感光体60にLSU65からブラックの画像信号に対応したレーザビームの露光光線73が照射され、感光体60は露光光線73が照射された部分の電荷が消えて静電潜像が形成される。
一方、ブラック現像器66は所定のタイミングで感光体60に当接される。ブラック現像器66内のブラックトナーは負の電荷が予め与えられており、感光体60上の露光光線73の照射により電荷が無くなった部分(静電潜像部分)にのみブラックトナーが付着し、いわゆるネガポジプロセスによる現像が行われる。
ブラック現像器66により感光体60の表面に形成されたブラックトナー像は、中間転写体76に転写される。感光体60から中間転写体76に転写されなかった残留トナーは感光体クリーニング手段71により除去され、さらに除電器72によって感光体60上の電荷が除去される。
一方、感光体60には所定のタイミングでシアン現像器67が当接される。シアン現像器67内のシアントナーは負の電荷が予め与えられており、感光体60上の露光光線73の照射により電荷が無くなった部分(静電潜像部分)にのみシアントナーが付着し、いわゆるネガポジプロセスによる現像が行われる。
シアン現像器67により感光体60の表面に形成されたシアントナー像は、中間転写体76上にブラックトナー像と重ねて転写される。感光体60から中間転写体76に転写されなかった残留トナーは感光体クリーニング手段71により除去され、さらに除電器72によって感光体60上の電荷が除去される。
一方、感光体60には所定のタイミングでマゼンタ現像器68が当接される。マゼンタ現像器68内のマゼンタトナーは負の電荷が予め与えられており、感光体60上の露光光線73の照射により電荷が無くなった部分(静電潜像部分)にのみマゼンタトナーが付着し、いわゆるネガポジプロセスによる現像が行われる。
マゼンタ現像器68により感光体60の表面に形成されたマゼンタトナー像は、中間転写体76上にブラックトナー像、シアントナー像と重ねて転写される。感光体60から中間転写体76に転写されなかった残留トナーは感光体クリーニング手段71により除去され、さらに除電器72によって感光体60上の電荷が除去される。
一方、感光体60には所定のタイミングでイエロー現像器69が当接される。イエロー現像器69内のイエロートナーは負の電荷が予め与えられており、感光体60上の露光光線73の照射により電荷が無くなった部分(静電潜像部分)にのみイエロートナーが付着し、いわゆるネガポジプロセスによる現像が行われる。
イエロー現像器69により感光体60の表面に形成されたイエロートナー像は中間転写体76上にブラックトナー像、シアントナー像、マゼンタトナー像と重ねて転写され、中間転写体76上にフルカラー画像が形成される。感光体60から中間転写体76に転写されなかった残留トナーは感光体クリーニング手段71により除去され、さらに除電器72によって感光体60上の電荷が除去される。
また、分離器85には記録紙78を引き付ける静電力が働くように電圧が電源装置から印加され、記録紙78が中間転写体76から剥離される。続いて、記録紙78は、定着器86に送られ、ここでヒートローラ87と加圧ローラ88とによる挟持圧、ヒートローラ88の熱によってフルカラー画像が定着されて排紙ローラ対89により排紙トレイ90へ排出される。
そこで、本実施形態では、感光体ベルト60と転写ベルト83の駆動が図1で示した駆動装置により、転写ドラム76の駆動が図2に示した駆動装置により、上述した回転体の位置制御方法に基づいて行われる。
従って、像担持体の駆動の精度が向上し、高精度な紙搬送駆動を行うことができ、高品質な画像を得ることができる。
本実施形態ではタンデム方式の画像形成装置への適用例を示している。本実施形態では、複数色、例えばブラック(以下Bkという)、マゼンタ(以下Mという)、イエロー(以下Yという)、シアン(以下Cという)の各画像をそれぞれ形成する複数の画像形成ユニット221Bk、221M、221Y、221Cが垂直方向に配列され、この画像形成ユニット221Bk、221M、221Y、221Cは、それぞれドラム状の感光体からなる像担持体222Bk、222M、222Y、222C、帯電装置(例えば接触帯電装置)223Bk、223M、223Y、223C、現像装置224Bk、224M、224Y、224C、クリーニング装置225Bk、225M、225Y、225Cなどから構成される。
感光体222Bk、222M、222Y、222Cは、無端状の直接転写ベルト(搬送転写ベルト)226と対向して垂直方向に配列され、直接転写ベルト226と同じ周速で回転駆動される。この感光体222Bk、222M、222Y、222Cは、それぞれ、帯電装置223Bk、223M、223Y、223Cにより均一に帯電された後に、光書き込み装置からなる露光手段227Bk、227M、227Y、227Cによりそれぞれ露光されて静電潜像が形成される。
この感光体222Bk、222M、222Y、222C上の静電潜像は、それぞれ現像装置224Bk、224M、224Y、224Cにより現像されてBk、M、Y、C各色のトナー像となる。したがって、帯電装置223Bk、223M、223Y、223C、光書き込み装置227Bk、227M、227Y、227C及び現像装置224Bk、224M、224Y、224Cは、感光体222Bk、222M、222Y、222C上にBk、M、Y、C各色の画像(トナー像)を形成する画像形成手段を構成している。
直接転写ベルト226は垂直方向に配列された駆動ローラ232及び従動ローラ233に掛け渡され、駆動ローラ232が図示しない駆動部により回転駆動されて直接転写ベルト226が感光体222Bk、222M、222Y、222Cと同じ周速で回転する。レジストローラ231から送出された転写紙は、直接転写ベルト226により搬送され、感光体222Bk、222M、222Y、222C上のBk、M、Y、C各色のトナー像がコロナ放電器からなる転写手段234Bk、234M、234Y、234Cにより形成される電界の作用で順次に重ねて転写されることによりフルカラー画像が形成されると同時に、直接転写ベルト226に静電的に吸着されて確実に搬送される。
そこで、本実施形態では、直接転写ベルト226の駆動が図1に示した駆動装置により、上述した回転体の位置制御方法に基づいて行われる。
従って、像担持体の駆動の精度が向上し、高精度な紙搬送駆動を行うことができ、高品質な画像を得ることができる。
本実施形態では画像読取装置の走行体駆動装置への適用例を示す。図28に示す画像読取装置において、符号901は読み取られる原稿、902は原稿901が載置される原稿台、903は原稿901に光を照射する原稿照明系、904は反射光の光軸、905は読み取り用の素子で例えばCCD(Charge Coupled Device)、906は結像レンズ、907は全反射ミラーを示している。
また、符号908は、これらCCD905、レンズ906、ミラー907等からなる光電変換ユニット、909、910は副走査駆動用のプーリ、911はワイヤ、300は駆動用の電動機、912はイメージスキャナのハウジングをそれぞれ示している。原稿を読み取るための光電変換ユニット908は、駆動用のモータ300をハウジング912に固定して、ワイヤ911とプーリ909、910など電動機の駆動力を伝達する手段を用いて、原稿901の副走査方向に駆動する。
また、読み取り開始位置を示すセンサ913は原稿901の端部の下部に設置されていて、光電変換ユニット908は、ホームポジションHPから読み取り開始位置Nの間に立ち上り等速の定常状態になるように設計されていて、HP点に達した後読み取りを開始するようになっている。
本実施形態では、光電変換ユニット908の駆動が図1に示した駆動装置により、上述した回転体の位置制御方法に基づいて行われる。
従って、画像読取装置の走行体の駆動精度が向上して高精度な走行体駆動を行うことができ、高品質な読み取り画像を得ることができる。
図32に、上述した回転体の位置制御方法を実行するのに使用するコンピュータの一例であるパーソナルコンピュータを示す。
記録媒体としてのCD−ROM1003には、パーソナルコンピュータ1001に、制御演算を実行させるためのプログラムが格納されている。パーソナルコンピュータ1001は、このCD−ROM1003に格納されているプログラムを実行することにより、本制御方法を実行できる。
かかるプログラムとしては、具体的には、コンピュータによって回転体を回転駆動するための制御プログラム、コンピュータによって画像形成装置の感光体ドラム駆動装置を制御するための制御プログラム、コンピュータによって画像形成装置の転写ドラム駆動装置を制御するための制御プログラム、コンピュータによって画像読み取り装置の走行体駆動装置を制御するための制御プログラム等がある。図32において、符号1002はディスクドライバを、1004はキーボードを示している。
コンピュータ160は、I/Oインターフェース161、CPU162、ROM163、RAM164を有している。ICカード165には上記各実施形態において説明した回転体の位置制御方法を実行するための回転体の位置制御プログラムが記録されている。
ICカード165が接続されると、コンピュータ160のCPU162は該ICカード165にアクセスし、ここに記憶された回転体の位置制御プログラムを取り込み、必要に応じて何れかの回転体の位置制御プログラムを実行する。
ICカード165から読み込んだプログラムによりROM163に記憶されているプログラムを書き換えるようにすることもできる。この場合、ROM163はフラッシュメモリ等の電気的に消去・書き換え可能な素子で構成される。
また、上記のようなプログラムを焼き付けたROMを用意し、既に実装されているROM163と交換するようにすることも可能である。
本実施形態では、装置を動作させるコンピュータ160が通信ネットワークにNIC(ネットワークインターフェースカード)166を介して接続されている。CPU162は、回転体の位置制御プログラムを供給する側のサーバ167にアクセスし、サーバ167内のハードディスク等に記録された回転体の位置制御プログラムをダウンロードし、ROM163に記憶されているプログラムを書き換える。これにより既存の画像形成装置に上述した回転体の位置制御機能を簡単に付与することができる。
本実施形態では、上述した画像形成装置あるいは画像読み取り装置における、スケールパルス等の信号を読み込む手段(表面センサ109等)が故障した、あるいは過去に故障をしたことを利用者に伝えることを特徴とする。
利用者(オペレータ)が画像を出力、あるいは読み取るために図示しない装置本体を使っている。この時、常にベルト106あるいはドラム126上のスケール108を読み取る表面センサ109からの出力が異常かどうかをチェックする。装置本体では、信号出力部184から表面センサ109の状態を表す信号が出力されている。
信号出力部184からの信号を異常検知部としての制御手段(上記マイクロコンピュータ135、コンピュータ160に相当)183が受け取る。制御手段183は、異常信号が来た、正常に信号が来ない、などから表面センサ109の状態を判断し、異常が発生した場合には表示装置(エラー表示装置)としての操作パネル185へ異常発生を伝える。操作パネル185では異常が発生したことが伝えられた場合、ディスプレイとしての液晶表示部186に異常が発生したことを表示する。
この場合、現在異常が発生している表示と、過去に異常が発生した表示を違う表示手法としても良く、液晶表示部186に表示させるだけでなく、音声などを使って利用者に伝える方法でもかまわない。
さらに、ユーザには表面センサ109に異常が発生していること、もしくは過去に異常が発生したことを知らせずに、メンテナンス者専用の信号でもかまわない。メンテナンス用の信号の場合は、例えば液晶表示部186に表示させずに装置本体の内部にディスプレイを設けても良いし、ネットワーク接続されている場合はネットワークを通じてメンテナンスを行う管理部署へ送信される仕組みとしても良い。
24 像担持体としての中間転写ベルト
60 像担持体としての感光体ベルト
76 像担持体としての転写ドラム
102、121 駆動源としてのモータ
106 回転体としてのベルト
108 スケールとしてのリニアスケール
108 第1の信号発生手段としてのリニアスケール
109 第1の信号発生手段としての表面センサ
126 回転体としてのドラム
129 第2の信号発生手段としてのモータ軸エンコーダ
167 サーバ
183 制御手段
185 表示装置としての操作パネル
226 像担持体としての直接転写ベルト
1001 コンピュータとしてのパーソナルコンピュータ
1003 記録媒体としてのCD−ROM
Claims (25)
- 駆動源により回転駆動される回転体の回転方向の変位を、該回転体の回転に伴って発生する信号を読み込んで制御する回転体の位置制御方法において、
上記信号を、上記回転体自体の回転により発生する第1の信号と、上記回転体の軸(回転体を支持する軸の概念を含む。以下、同じ。)の回転により発生する第2の信号の2種類とし、これら2つの信号を制御信号として選択的に用い、
上記回転体が停止している状態から定常駆動に至るまでは第2の信号に基づいた制御を行い、上記回転体が定常駆動に至った後は第1の信号に基づいた制御に切り替えることを特徴とする回転体の位置制御方法。 - 請求項1記載の回転体の位置制御方法において、
第1の信号に基づいた制御に切り替えた後、第1の信号に異常があるか否かを判断し、異常がある場合には第2の信号に基づいた制御に切り替えることを特徴とする回転体の位置制御方法。 - 請求項1又は2記載の回転体の位置制御方法において、
制御信号を切り替える際に、切り替え後に用いる制御信号に対して、切り替え後に用いる制御信号から求めた位置と、目標位置との差分相当の補正処理をしてから切り替えを行うことを特徴とする回転体の位置制御方法。 - 請求項1又は2記載の回転体の位置制御方法において、
制御信号を切り替える際に、切り替え後に用いる制御信号に対して、切り替え後に用いる制御信号から求めた位置と、切り替え前に用いていた制御信号から求めた位置との差分相当の補正処理をしてから切り替えを行うことを特徴とする回転体の位置制御方法。 - 請求項1乃至4のうちの何れか1つに記載の回転体の位置制御方法において、
第1の信号が上記回転体に設けられたスケールに基づくスケールパルスであり、第2の信号が上記回転体の軸に設けられたエンコーダからの信号であることを特徴とする回転体の位置制御方法。 - 駆動源により回転駆動される回転体に対して設けられ該回転体の回転方向の変位を検出するための第1の信号を発生する第1の信号発生手段と、上記回転体の軸(回転体を支持する軸の概念を含む。以下、同じ。)に対して設けられ該軸の回転方向の変位を検出するための第2の信号を発生する第2の信号発生手段と、第1の信号発生手段又は第2の信号発生手段により発生された信号に基づいて上記駆動源を制御する制御手段を有し、該制御手段は上記2つの信号を制御信号として選択的に用い、
上記回転体が停止している状態から定常駆動に至るまでは上記制御手段は第2の信号に基づいた制御を行い、上記回転体が定常駆動に至った後は第1の信号に基づいた制御に切り替えることを特徴とする回転体の位置制御装置。 - 請求項6記載の回転体の位置制御装置において、
上記制御手段は、第1の信号に基づいた制御に切り替えた後、第1の信号に異常があるか否かを判断し、第1の信号発生手段に異常がある場合には第2の信号に基づいた制御に切り替えることを特徴とする回転体の位置制御装置。 - 請求項6又は7記載の回転体の位置制御装置において、
制御信号を切り替える際に、上記制御手段は切り替え後に用いる制御信号に対して、切り替え後に用いる制御信号から求めた位置と、目標位置との差分相当の補正処理をしてから切り替えを行うことを特徴とする回転体の位置制御装置。 - 請求項6又は7記載の回転体の位置制御装置において、
制御信号を切り替える際に、上記制御手段は切り替え後に用いる制御信号に対して、切り替え後に用いる制御信号から求めた位置と、切り替え前に用いていた制御信号から求めた位置との差分相当の補正処理をしてから切り替えを行うことを特徴とする回転体の位置制御装置。 - 請求項6乃至9のうちの何れか1つに記載の回転体の位置制御装置において、
第1の信号発生手段が、上記回転体に設けられたスケールと、該スケールを読み取る反射型フォトセンサを有し、第1の信号がスケールパルスであり、第2の信号発生手段が上記回転体の軸に設けられたエンコーダを有し、第2の信号が上記エンコーダからの信号であることを特徴とする回転体の位置制御装置。 - 像担持体を回転させて画像形成を行う画像形成装置において、
上記像担持体の駆動制御を、請求項6乃至10のうちの何れか1つに記載の回転体の位置制御装置により行うことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項11記載の画像形成装置において、
上記像担持体が感光体ドラムであることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項11記載の画像形成装置において、
上記像担持体が転写ドラムであることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項11記載の画像形成装置において、
上記像担持体が感光体ベルトであることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項11記載の画像形成装置において、
上記像担持体が中間転写ベルトであることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項11記載の画像形成装置において、
上記像担持体が直接転写ベルトであることを特徴とする画像形成装置。 - 複数の像担持体を回転させてカラー画像を形成する画像形成装置において、
上記複数の像担持体のうちの少なくとも1つ以上の駆動制御を、請求項6乃至10のうちの何れか1つに記載の回転体の位置制御装置により行うことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項11乃至17のうちの何れか1つに記載の画像形成装置において、
装置を動作させる制御手段に着脱自在に接続され回転体の位置制御プログラムが記録された記録媒体を有し、該記録媒体に記録された回転体の位置制御プログラムによって上記像担持体の位置制御がなされることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項11乃至17のうちの何れか1つに記載の画像形成装置において、
装置を動作させる制御手段が通信ネットワークに接続可能に設けられ、該通信ネットワーク上のサーバから取り込まれた回転体の位置制御プログラムによって上記像担持体の位置制御がなされることを特徴とする画像形成装置。 - 画像を読み取るための走行体駆動装置を有する画像読み取り装置において、
上記走行体駆動装置の駆動制御を、請求項6乃至10のうちの何れか1つに記載の回転体の位置制御装置により行うことを特徴とする画像読み取り装置。 - 回転体の位置制御プログラムが記録されコンピュータにより読み取り可能な記録媒体において、
上記回転体の位置制御プログラムが、請求項1乃至5のうちの何れか1つに記載の回転体の位置制御方法を実行するものであることを特徴とする記録媒体。 - 請求項11乃至19のうちの何れか1つに記載の画像形成装置において、
第1の信号発生手段が故障した場合、故障したことを知らせるための表示装置を有していることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項20記載の画像読み取り装置において、
第1の信号発生手段が故障した場合、故障したことを知らせるための表示装置を有していることを特徴とする画像読み取り装置。 - 請求項11乃至19のうちの何れか1つに記載の画像形成装置において、
第1の信号発生手段が故障し、その後に復旧した場合、復旧したことを知らせるための表示装置を有していることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項20記載の画像読み取り装置において、
第1の信号発生手段が故障し、その後に復旧した場合、復旧したことを知らせるための表示装置を有していることを特徴とする画像読み取り装置。
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