JP3961382B2 - 外乱推定オブザーバ、角変位制御装置、画像形成装置、画像読み取り装置及び記録媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は外乱推定オブザーバ、角変位制御装置、画像形成装置、画像読み取り装置及び記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的なPIDコントローラによる角変位制御装置においては、摩擦や傾き等による外乱が加わった場合に、偏差を減らすために制御ゲインを大きくすると、制御系全体が不安定になりやすいため、出力角変位に外乱の影響が現れてしまったり、偏差が生じてしまうという問題があった。
【0003】
それに対して、特許文献1には、速度センサを用いずに、アクチュエータとしてのモータの変位を検知する角変位センサからの角変位信号と、アクチュエータの駆動電流を検知する電流センサからの電流信号とから外乱推定オブザーバの外乱推定部で外乱を推定し、その推定外乱をフィードバックすることにより、外乱・制御系の定数変動を抑圧するとともに、2次系ローパスフィルタを外乱推定部に付加して外乱推定オブザーバの動作範囲を限定し、微分項を含まない外乱推定オブザーバとすることにより、機械共振およびノイズの外乱推定オブザーバへの悪影響を抑える角変位制御装置が記載されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平8―147039号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記角変位制御装置では、角変位センサからの角変位信号と電流センサからの電流信号から外乱を推定し、フィードバックすることにより、外乱・制御系の定数変動を抑圧している。しかし、外乱推定部に2次系ローパスフィルタを用いていることにより外乱推定オブザーバの動作範囲がかなり限定されてしまう。
【0006】
本発明の目的は、複数の周波数帯域の異なる1次ローパスフィルタを用いることで動作範囲の限定の選択の幅を広げることができ、かつ、微分項を含まない外乱推定オブザーバとし、機械共振およびノイズによる悪影響を抑える機能の低下を防止することができる外乱推定オブザーバを提供することにある。
【0007】
本発明の他の目的は、高精度な駆動系を構築することができる角変位制御装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、高精度な駆動系を構築して常に高品位な画像を得ることができる画像形成装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、高品質な画像を得ることができる画像読取装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、高精度な駆動系を構築することができる記録媒体を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、目標操作電流または目標操作電圧からなる第1の目標値と外乱推定値との和からなる第2の目標値を求める加算手段と、この加算手段からの第2の目標値に追従するようにモータ駆動電流を求める制御系と、モータを含み、前記制御系からのモータ駆動電流を基に駆動され、前記モータの軸の角変位を計測するアクチュエータ部と、外乱を推定してその推定値を前記外乱推定値として前記加算手段へ与える微分項を持たない外乱推定オブザーバとを有する角変位制御装置の外乱推定オブザーバであって、前記制御系からのモータ駆動電流または前記加算手段からの第2の目標値と前記アクチュエータ部の角変位計測値から外乱を推定する外乱推定部と、互いに直列に接続されて前記外乱推定部の出力が順次に経由し、互いに周波数帯域が異なって外乱推定の動作範囲が異なる複数の1次系ローパスフィルタとを有するものである。
【0009】
請求項2に係る発明は、目標操作電流からなる第1の目標値と外乱推定値としての外乱推定電流との和からなる第2の目標値を求める加算手段と、この加算手段からの第2の目標値に追従するようにモータ駆動電流を求める制御系と、モータを含み、前記制御系からのモータ駆動電流を基に駆動され、前記モータの軸の角変位を計測するアクチュエータ部と、前記制御系からのモータ駆動電流または前記加算手段からの第2の目標値と前記アクチュエータ部の角変位計測値から外乱を推定して電流に換算しその換算値を前記外乱推定電流として前記加算手段へ与える外乱推定オブザーバとを有する角変位制御装置であって、前記外乱推定オブザーバは、前記制御系からのモータ駆動電流または前記加算手段からの第2の目標値と前記アクチュエータ部の角変位計測値から外乱を推定する外乱推定部と、互いに直列に接続されて前記外乱推定部の出力が順次に経由し、互いに周波数帯域が異なって外乱推定の動作範囲が異なる複数の1次系ローパスフィルタとを有する微分項を持たない外乱推定オブザーバであり、該外乱推定オブザーバにて推定外乱を電流に換算する際に推定外乱に前記モータのトルク定数の逆数をかけるものである。
【0010】
請求項3に係る発明は、目標操作電圧からなる第1の目標値と外乱推定値としての外乱推定電圧との和からなる第2の目標値を求める加算手段と、この加算手段からの第2の目標値に追従するようにモータ駆動電流を求める制御系と、モータを含み、前記制御系からのモータ駆動電流を基に駆動され、前記モータの軸の角変位を計測するアクチュエータ部と、前記制御系からのモータ駆動電流または前記加算手段からの第2の目標値と前記アクチュエータ部の角変位計測値から外乱を推定して電圧に換算しその換算値を前記外乱推定電圧として前記加算手段へ与える外乱推定オブザーバとを有する角変位制御装置であって、前記外乱推定オブザーバは、前記制御系からのモータ駆動電流または前記加算手段からの第2の目標値と前記アクチュエータ部の角変位計測値から外乱を推定する外乱推定部と、互いに直列に接続されて前記外乱推定部の出力が順次に経由し、互いに周波数帯域が異なって外乱推定の動作範囲が異なる複数の1次系ローパスフィルタとを有する微分項を持たない外乱推定オブザーバであり、該外乱推定オブザーバにて推定外乱を電圧に換算する際に推定外乱に前記モータのトルク定数の逆数と前記モータの抵抗をかけるものである。
【0011】
請求項4に係る発明は、目標操作電流からなる第1の目標値と外乱推定値との和からなる第2の目標値を求める加算手段と、この加算手段からの第2の目標値に追従するようにモータ駆動電流を求める制御系と、モータを含み、前記制御系からのモータ駆動電流を基に駆動され、前記モータの軸の角変位を計測するアクチュエータ部と、前記制御系からのモータ駆動電流または前記加算手段からの第2の目標値と前記アクチュエータ部の角変位計測値から外乱を推定してその推定値を前記外乱推定値として前記加算手段へ与える外乱推定オブザーバとを有する角変位制御装置であって、前記外乱推定オブザーバは、前記制御系からのモータ駆動電流または前記加算手段からの第2の目標値と前記アクチュエータ部の角変位計測値から外乱を推定する外乱推定部と、互いに直列に接続されて前記外乱推定部の出力が順次に経由し、互いに周波数帯域が異なって外乱推定の動作範囲が異なる複数の1次系ローパスフィルタとを有する微分項を持たない外乱推定オブザーバであり、該外乱推定オブザーバにて推定外乱を電流に換算する際に推定外乱に前記モータのトルク定数の逆数をかけるものである。
【0012】
請求項5に係る発明は、目標操作電流からなる第1の目標値と外乱推定値との和からなる第2の目標値を求める加算手段と、この加算手段からの第2の目標値に追従するようにモータ駆動電流を求める制御系と、モータを含み、前記制御系からのモータ駆動電流を基に駆動され、前記モータの軸の角変位を計測するアクチュエータ部と、前記加算手段からの第2の目標値と前記アクチュエータ部の角変位計測値から外乱を推定してその推定値を前記外乱推定値として前記加算手段へ与える外乱推定オブザーバとを有する角変位制御装置において、前記外乱推定オブザーバは、前記加算手段からの第2の目標値と前記アクチュエータ部の角変位計測値から外乱を推定する外乱推定部と、互いに直列に接続されて前記外乱推定部の出力が順次に経由し、互いに周波数帯域が異なって外乱推定の動作範囲が異なる複数の1次系ローパスフィルタとを有する微分項を持たない外乱推定オブザーバであり、前記外乱推定部にて、前記加算手段からの第2の目標値としての目標操作電流に前記制御系の伝達関数と前記モータのトルク定数をかけたものと、前記アクチュエータ部の計測結果である位置信号を2階微分して前記モータの慣性モーメントをかけたものとの差を前記1次ローパスフィルタに入れるものである。
【0013】
請求項6に係る発明は、目標操作電圧からなる第1の目標値と外乱推定値としての外乱推定電圧との和からなる第2の目標値を求める加算手段と、この加算手段からの第2の目標値に追従するようにモータ駆動電流を求める制御系と、モータを含み、前記制御系からのモータ駆動電流を基に駆動され、前記モータの軸の角変位を計測するアクチュエータ部と、前記制御系からのモータ駆動電流または前記加算手段からの第2の目標値と前記アクチュエータ部の角変位計測値から外乱を推定して電圧に換算しその換算値を前記外乱推定電圧として前記加算手段へ与える外乱推定オブザーバとを有する角変位制御装置であって、前記外乱推定オブザーバは、前記制御系からのモータ駆動電流と前記アクチュエータ部の角変位計測値から外乱を推定する外乱推定部と、互いに直列に接続されて前記外乱推定部の出力が順次に経由し、互いに周波数帯域が異なって外乱推定の動作範囲が異なる複数の1次系ローパスフィルタとを有する微分項を持たない外乱推定オブザーバであり、該外乱推定オブザーバにて推定外乱を電圧に換算する際に推定外乱に前記モータのトルク定数の逆数と前記モータの抵抗をかけるものである。
【0014】
請求項7に係る発明は、目標操作電圧からなる第1の目標値と外乱推定値との和からなる第2の目標値を求める加算手段と、この加算手段からの第2の目標値に追従するようにモータ駆動電流を求める制御系と、モータを含み、前記制御系からのモータ駆動電流を基に駆動され、前記モータの軸の角変位を計測するアクチュエータ部と、前記加算手段からの目標操作電圧と前記アクチュエータ部の角変位計測値から外乱を推定して電圧に換算しその換算値を前記外乱推定値として前記加算手段へ与える外乱推定オブザーバとを有する角変位制御装置において、前記外乱推定オブザーバは、前記加算手段からの目標操作電圧と前記アクチュエータ部の角変位計測値から外乱を推定する外乱推定部と、互いに直列に接続されて前記外乱推定部の出力が順次に経由し、互いに周波数帯域が異なって外乱推定の動作範囲が異なる複数の1次系ローパスフィルタとを有する微分項を持たない外乱推定オブザーバであり、該外乱推定オブザーバにて推定外乱を電圧に換算する際に推定外乱に前記モータのトルク定数の逆数と前記モータの抵抗をかけ、前記外乱推定部は、前記加算手段からの目標操作電圧に前記モータの抵抗Rと自己インダクタンスLsからのR+Lsの逆数と前記モータのトルク定数をかけたものと、前記アクチュエータ部の計測結果である位置信号を2階微分して前記モータの慣性モーメントをかけたものとの差を前記1次ローパスフィルタに入れるものである。
【0015】
請求項8に係る発明は、像担持体を回転させて画像形成を行う画像形成装置において、前記像担持体の駆動制御を前記請求項2〜7のいずれか1つに記載の角変位制御装置により行うものである。
【0016】
請求項9に係る発明は、請求項8記載の画像形成装置において、前記像担持体が感光体ドラムであるものである。
【0017】
請求項10に係る発明は、請求項8記載の画像形成装置において、前記像担持体が感光体ベルトであるものである。
【0018】
請求項11に係る発明は、請求項8記載の画像形成装置において、前記像担持体が転写ドラムであるものである。
【0019】
請求項12に係る発明は、請求項8記載の画像形成装置において、前記像担持体が中間転写ベルトであるものである。
【0020】
請求項13に係る発明は、複数の像担持体を回転させてカラー画像を形成する画像形成装置において、前記複数の像担持体の各駆動制御をそれぞれ請求項2〜7のいずれか1つに記載の角変位制御装置により行うものである。
【0021】
請求項14に係る発明は、走行体駆動装置のモータ制御を請求項2〜7のいずれか1つに記載の角変位制御装置により行うものである。
【0022】
請求項15に係る発明は、コンピュータに回転駆動源を制御させて回転体を駆動させる制御プログラムを記録した記録媒体であって、前記制御プログラムは請求項2〜7のいずれか1つに記載の角変位制御装置に用いる回転駆動源制御プログラムであるものである。
【0023】
【発明の実施の形態】
図2は本発明の実施形態1における回転体駆動装置を示す。
ギヤ126は駆動プーリ120に同軸となるように取り付けられている。モータ109はギヤ126を介して駆動プーリ120を回転駆動する。モータ109にはモータ軸エンコーダ110が取り付けられ、このエンコーダ110はモータ109により回転駆動される。駆動プーリ120、従動プーリ123及びテンションプーリ125にはタイミングベルト122がかけられ、テンションプーリ125によってタイミングベルト122に一定の張力がかかるようになっている。従動プーリ123には同軸度が保たれるように駆動対象124が軸を介して取り付けられ、モータ109を等速度で回転させることにより、駆動対象124がモータ109によりギヤ126、駆動プーリ120、タイミングベルト122及び従動プーリ123を介して回転駆動される。
【0024】
図3は、本実施形態1における電流制御系において、モータ109の角変位をモータ軸エンコーダ110の出力信号に基づいてデジタル的に制御する制御系の構成を示す。図3において、101は、マイクロプロセッサ102、リードオンリメモリ(ROM)103、ランダムアクセスメモリ(RAM)104からなるマイクロコンピュータであり、マイクロプロセッサ102、リードオンリメモリ(ROM)103、ランダムアクセスメモリ(RAM)104がそれぞれバス111を介して接続されている。
【0025】
105はモータ109の角変位を指令する状態指令信号を出力する指令発生装置であり、この指令発生装置105は目標角変位指令信号を発生する。この指令発生装置105の出力側もバス111へ接続されている。108はエンコーダ110の出力パルスを処理してデジタル数値に変換する検出用インターフェース装置である。この検出用インターフェース装置108は、エンコーダ110の出力パルスを計数するカウンタを備えており、このカウンタのカウントした数値に、あらかじめ定められたパルス数対角変位の変換定数をかけてモータ109の軸の角変位に変換する。電流センサ112はモータ駆動装置107からモータ109に供給されるモータ駆動電流を計測し、その計測したモータ駆動電流がI/O113を介してマイクロコンピュータ101に取り込まれる。
【0026】
106は直流電動機駆動用のインターフェイスである。この直流電動機駆動用のインターフェイス106は、モータ軸角変位および目標角変位により、マイクロコンピュータ101による本実施形態1におけるフィードバック制御系の計算結果を、モータ駆動装置107を構成するパワー半導体、例えばトランジスタを動作させるパルス状信号(制御信号)に変換する。モータ駆動装置107は、直流電動機駆動用のインターフェイス106からのパルス状信号に基づき動作し、モータ109に印加する電圧を制御する。この結果、モータ109は指令発生装置105による所定の角変位に追従するように制御される。モータ109の角変位は、エンコーダ110とインターフェイス装置108により検出(計測)され、マイクロコンピュータ101に取り込まれて制御が繰り返される。
【0027】
図1は本実施形態1の電流制御系を用いた角変位制御装置を示す。
図1に示すように、まず、減算器1において目標角変位信号ref2とアクチュエータ部5からの角変位信号xs2との差である角変位誤差信号e2が求められる。この減算器1から出力された角変位誤差信号e2は、コントローラ2に入力され、コントローラ2は入力された角変位誤差信号e2に位相補償およびゲイン調整を行って操作量となる目標操作電流ic2として出力する。
【0028】
コントローラ2から出力された目標操作電流ic2と推定外乱電流id2の和となる目標値は電流制御系4に入力され、電流制御系4は目標値に追従するようにアクチュエータ部5のモータ駆動電流is2を求めて出力する。アクチュエータ部5のモータ駆動電流is2はモータ109を含むアクチュエータ部5に入力される。アクチュエータ部5は、入力されたアクチュエータ部5のモータ駆動電流is2を基に駆動され、モータ109の軸の角変位xs2を計測する。
【0029】
計測されたモータ駆動電流とモータ軸の角変位信号xs2が外乱推定部7に入力される。外乱推定部7の出力は第1の1次ローパスフィルタ8に入力され、その出力が第2の1次ローパスフィルタ9に入力される。第2の1次ローパスフィルタ9より推定外乱信号d2が出力される。第1の1次ローパスフィルタ8と第2の1次ローパスフィルタ9は、互いに周波数帯域が異なり、外乱推定の動作範囲を限定する。
【0030】
外乱推定オブザーバ11は、外乱推定部7と第1の1次ローパスフィルタ8と第2の1次ローパスフィルタ9とから構成され、かつ外乱推定部7と第1の1次ローパスフィルタ8と第2の1次ローパスフィルタ9とから微分項を持たない形に変形される。外乱推定オブザーバ11より出力された推定外乱信号d2は、推定外乱電流換算部40に入力される。推定外乱電流換算部40は、入力された推定外乱d2にモータ109のトルク定数KTの逆数をかけることにより、外乱dに相当する推定外乱電流id2を求めて出力する。推定外乱電流換算部40から出力された推定外乱電流id2は、加算器3でコントローラ2の出力に加算される。
【0031】
図4は本実施形態1における電流制御系4のモデル例を示す。Q(s)は電流制御系4の伝達関数であり、次の(1)式を満たす。
【0032】
【数1】
【0033】
ここで、K(s)は電流制御部のフィードバックコントローラであり、P(s)は次の(2)式を満たす。
【0034】
【数2】
【0035】
Rはアクチュエータ部5内のモータ109の抵抗であり、Lsはアクチュエータ部5内のモータ109の自己インダクタンスである。
【0036】
図5はアクチュエータ部5のモデル例を示す。アクチュエータ部5のモータ駆動電流is2が計算部33においてモータ109のトルク定数KT倍される。計算部33の出力には外乱dが加わり、その結果が計算部34においてモータ軸に換算したアクチュエータ部5のモータ慣性モーメントJで割られて積分される。さらに計算部34の出力が積分器35を通ってアクチュエータ部5の角変位として出力される。アクチュエータ部5は、このような構成になっている。
【0037】
図6は上記外乱推定部7のモデル例を示す。外乱推定部7では、アクチュエータ部5のモータ駆動電流is2が計算部30においてモータ109のトルク定数KT倍されたものが減算器32に入力される。アクチュエータ部5からの角変位信号xs2が計算部31において2階微分され、さらにモータ軸に換算したアクチュエータ部のモータ慣性モーメントJがかけられたものも減算器32に入力される。減算器32は両入力値を比較して外乱を推定する。外乱推定部7はこのような構成になっている。
【0038】
図7は上記外乱推定オブザーバ11のモデル例を示す。
第1の1次ローパスフィルタ16の特性F1と第2の1次ローパスフィルタ18の特性F2は次の(3)式、(4)式で表される。
【0039】
【数3】
【0040】
【数4】
【0041】
ただし、ω0、ω1はそれぞれ1次ローパスフィルタ16、18のカットオフ周波数[rad]を表す。
【0042】
アクチュエータ部5のモータ駆動電流is2は計算部14でモータ109のトルク定数KTがかけられて減算器15に入力される。アクチュエータ部5からの角変位信号xs2は、フィルタ16のカットオフ周波数ω0とアクチュエータ部5のモータ慣性モーメントJが計算部21でかけられ、さらにもう一度フィルタ16のカットオフ周波数ω0が計算部20でかけられて減算器15に入力される。減算器15は、2つの入力値を比較し、その結果を第1の1次ローパスフィルタ16に入力する。
【0043】
アクチュエータ部5からの角変位信号xs2は、計算部21でフィルタ16のカットオフ周波数ω0とアクチュエータ部5のモータ慣性モーメントJがかけられ、さらに計算部22でフィルタ16のカットオフ周波数ω0とフィルタ18のカットオフ周波数ω1の和がかけられて加算器17で第1の1次ローパスフィルタ16の出力値に加算され、その加算結果が1次ローパスフィルタ18に入力される。
【0044】
また、アクチュエータ部5からの角変位信号xs2は、フィルタ16のカットオフ周波数ω0とアクチュエータ部5のモータ慣性モーメントJが計算部21でかけられ、さらにフィルタ18のカットオフ周波数ω1が計算部23でかけられて減算器19で1次ローパスフィルタ18の出力と比較され、その結果が推定外乱信号d2として出力される。外乱推定オブザーバ11の構成はこのようになっている。
【0045】
この実施形態1では、必要な制御帯域において、十分に正しく追従するように電流制御部を設計することが可能である。そのような系においては、推定外乱を推定外乱電流に換算するときに推定外乱にモータ109のトルク定数の逆数をかけるものを用いることができる。
このように実施形態1は構成している。この実施形態1によれば、2つの周波数帯域の異なる1次ローパスフィルタを用いることで動作範囲の限定の選択の幅を広げることができ、かつ、微分項を含まない外乱推定オブザーバとし、機械共振およびノイズによる悪影響を抑える機能の低下を防止することができる。このため、駆動対象124の駆動の精度が向上して駆動対象124の高精度な駆動を行うことができる。
【0046】
図8は、電圧制御系を用いた本発明の実施形態2において、モータ109の角変位をモータ軸エンコーダ110の出力信号に基づいてデジタル的に制御する制御系の構成を示す。図8において、1101は、マイクロプロセッサ1102、リードオンリメモリ(ROM)1103、ランダムアクセスメモリ(RAM)1104からなるマイクロコンピュータであり、マイクロプロセッサ1102、リードオンリメモリ(ROM)1103、ランダムアクセスメモリ(RAM)1104がそれぞれバス1111を介して接続されている。
【0047】
1105は、図2に示す回転体駆動装置におけるモータ109の角変位を指令する状態指令信号を出力する指令発生装置であり、この指令発生装置1105は目標角変位指令信号を発生する。この指令発生装置1105の出力側もバス1111へ接続されている。1108はエンコーダ110の出力パルスを処理してデジタル数値に変換する検出用インターフェース装置である。この検出用インターフェース装置1108は、エンコーダ110の出力パルスを計数するカウンタを備えており、このカウンタのカウントした数値に、あらかじめ定められたパルス数対角変位の変換定数をかけてモータ109の軸の角変位に変換する。
【0048】
1106は電圧電動機駆動用のインターフェイスである。この電圧電動機駆動用のインターフェイス1106は、モータ109の軸の角変位および目標角変位により、マイクロコンピュータ1101による本実施形態2におけるフィードバック制御系の計算結果を、モータ駆動装置1107を構成するパワー半導体、例えばトランジスタを動作させるパルス状信号(制御信号)に変換する。モータ駆動装置1107は、電圧電動機駆動用のインターフェイス1106からのパルス状信号に基づき動作し、モータ109に印加する電圧を制御する。この結果、モータ109は指令発生装置1105による所定の角変位に追従するように制御される。モータ109の角変位は、エンコーダ110とインターフェイス装置1108により検出され、マイクロコンピュータ1101に取り込まれて制御が繰り返される。
【0049】
図9は本実施形態2の電圧制御系を用いた角変位制御装置を示す。
図9に示すように、まず、減算器61において、目標角変位ref2とモータ109を含むアクチュエータ部65からの角変位信号xs2との差である角変位誤差信号e2が求めらる。この減算器61から出力された角変位誤差信号e2は、コントローラ62に入力され、コントローラ62は入力された角変位誤差信号e2に位相補償およびゲイン調整を行って操作量となる目標操作電圧v2として出力する。
【0050】
コントローラ62から出力された目標操作電圧v2と推定外乱電流vd2の和となる目標値は電圧制御系64に入力され、電圧制御系64は目標値に追従するようにモータ駆動電流is2を求めて出力する。このモータ駆動電流is2はアクチュエータ部65に入力され、アクチュエータ部65は、入力されたモータ駆動電流is2を基に駆動され、モータ109の軸の角変位xs2を計測する。
【0051】
計測されたモータ駆動電流とモータ109の軸の角変位xs2が外乱推定部67に入力される。外乱推定部67の出力は第1の1次ローパスフィルタ68に入力され、その出力が第2の1次ローパスフィルタ69に入力される。第2の1次ローパスフィルタ69より推定外乱信号d2が出力され、第1の1次ローパスフィルタ68と第2の1次ローパスフィルタ69は外乱推定の動作範囲を限定する。第1の1次ローパスフィルタ68と第2の1次ローパスフィルタ69は互いに周波数帯域が異なる。
【0052】
外乱推定オブザーバ71は、外乱推定部67と第1の1次ローパスフィルタ68と第2の1次ローパスフィルタ69とから構成され、かつ外乱推定部信号67と第1の1次ローパスフィルタ68と第2の1次ローパスフィルタ69とから微分項を持たない形に変形される。外乱推定オブザーバ71より出力された推定外乱信号d2は、推定外乱電圧換算部41に入力される。推定外乱電圧換算部41は、入力された推定外乱信号d2にモータ109のトルク定数KTの逆数をかけ、さらにモータ109の抵抗Rをかけることにより、外乱dに相当する推定外乱電圧vd2を求めて出力する。推定外乱電圧換算部41から出力された推定外乱電圧vd2は、加算器63でコントローラ62の出力に加算される。
【0053】
本実施形態2におけるアクチュエータ部65のモデル例と外乱推定部67のモデル例と外乱推定オブザーバ71のモデル例は上記実施形態1のアクチュエータ部5のモデル例と外乱推定部7のモデル例と外乱推定オブザーバ11のモデル例と同じである。
【0054】
この実施形態2では、モータ109の抵抗に比べ、モータ109の自己インダクタンスが小さいので、推定外乱を推定外乱電圧に換算するときに、モータ109のトルク定数KTの逆数とモータの抵抗値Rをかけたものを用いることができる。
このように実施形態2は構成している。この実施形態2によれば、駆動対象124の駆動の精度が向上して駆動対象124の高精度な駆動を行うことができる。
【0055】
図10は本発明の実施形態3である電流制御系を用いた角変位制御装置を示す。この実施形態3では、上記実施形態1において、図10に示すように、まず、減算器1において、目標角変位ref2とアクチュエータ部5からの角変位信号xs2の差である角変位誤差信号e2が求められる。この減算器1から出力された角変位誤差信号e2は、コントローラ2に入力され、コントローラ2は入力された角変位誤差信号e2に位相補償およびゲイン調整を行って操作量となる目標操作電流ic1として出力する。
【0056】
コントローラ2から出力された目標操作電流ic1と推定外乱電流id2の和となる目標値ic2は電流制御系4に入力され、電流制御系4は目標値ic2に追従するようにモータ駆動電流is2を求めて出力する。モータ駆動電流is2はアクチュエータ部5に入力され、アクチュエータ部5は入力されたモータ駆動電流is2を基に駆動され、モータ109の軸の角変位xs2を計測する。
【0057】
加算器3からの目標操作電流ic1及び推定外乱電流id2の和ic2とアクチュエータ部5からのモータ軸の角変位信号xs2が外乱推定部7に入力される。外乱推定部7の出力は第1の1次ローパスフィルタ8に入力され、その出力が第2の1次ローパスフィルタ9に入力される。第2の1次ローパスフィルタ9より推定外乱信号d2が出力される。第1の1次ローパスフィルタ8と第2の1次ローパスフィルタ9は、周波数帯域の異なるもので、外乱推定の動作範囲を限定する。
【0058】
外乱推定オブザーバ11は、外乱推定部7と第1の1次ローパスフィルタ8と第2の1次ローパスフィルタ9とから構成され、かつ外乱推定部7と第1の1次ローパスフィルタ8と第2の1次ローパスフィルタ9とから微分項を持たない形に変形される。外乱推定オブザーバ11から出力された推定外乱信号d2は、推定外乱電流換算部40に入力される。推定外乱電流換算部40は、入力された推定外乱信号d2にモータ109のトルク定数KTの逆数をかけることにより、外乱dに相当する推定外乱電流id2を求めて出力する。推定外乱電流換算部40から出力された推定外乱電流id2は、加算器3でコントローラ2の出力に加算される。
【0059】
本実施形態3では、電流制御系4のモデル例とアクチュエータ部5のモデル例は実施形態1における電流制御系4のモデル例とアクチュエータ部5のモデル例と同じである。
【0060】
図11は本実施形態3における外乱推定部7のモデル例を示す。外乱推定部7では、加算器3からの目標操作電流ic1及び推定外乱電流id2の和ic2は、計算部52で電流制御系4の伝達関数Q(s)がかけられ、モータ109のトルク定数KTが計算部33でかけられて減算器32に入力される。また、アクチュエータ部5からの角変位信号xs2は、計算部31で2階微分され、さらにモータ軸に換算したアクチュエータ部5のモータ慣性モーメントJがかけられて減算器32に入力される。減算器32は、両入力値を比較して外乱を推定する。外乱推定部7は、このような構成になっている。
【0061】
図12は本実施形態3における外乱推定オブザーバ11のモデル例を示す。
第1の1次ローパスフィルタ16の特性F1と第2の1次ローパスフィルタ18の特性F2は上述の(3)式、(4)式で表される。
加算器3からの目標操作電流ic1及び推定外乱電流id2の和ic2は、計算部54において電流制御系4の伝達関数Q(s)がかけられ、さらに計算部33でモータ109のトルク定数KTがかけられて減算器15に入力される。アクチュエータ部5からの角変位信号xs2は、フィルタ16のカットオフ周波数ω0とアクチュエータ部5のモータ慣性モーメントJが計算部21でかけられ、さらにもう一度フィルタ16のカットオフ周波数ω0が計算部20でかけられて減算器15に入力される。減算器15は、両入力値を比較し、その比較結果を第1の1次ローパスフィルタ16に入力する。
【0062】
アクチュエータ部5からの角変位信号xs2は、フィルタ16のカットオフ周波数ω0とアクチュエータ部5のモータ慣性モーメントJが計算部21でかけられ、さらにフィルタ16のカットオフ周波数ω0とフィルタ18のカットオフ周波数ω1の和が計算部22でかけられて加算器17で第1の1次ローパスフィルタ16の出力値が加算され、第2の1次ローパスフィルタ18に入力される。
【0063】
アクチュエータ部5からの角変位信号xs2は、フィルタ16のカットオフ周波数ω0とアクチュエータ部5のモータ慣性モーメントJが計算部21でかけられ、さらにフィルタ18のカットオフ周波数ω1が計算部23でかけられて減算器19で第2の1次ローパスフィルタ18の出力と比較され、減算器19から推定外乱d2が出力される。本実施形態3における外乱推定オブザーバ11の構成は、このようになっている。
【0064】
この実施形態3では、必要な制御帯域において、十分に正しく追従するように電流制御部を設計することが可能である。そのような系においては、外乱を推定外乱電流に換算するときにモータのトルク定数の逆数をかけるものを用いることができる。このように実施形態3は構成している。この実施形態3によれば、駆動対象124の駆動の精度が向上して高精度な駆動を行うことができる。
【0065】
本発明の実施形態4では、上記実施形態3において、外乱推定部7に存在する電流制御系の特性を考慮しない方式としている。
図13は本実施形態4における外乱推定部7のモデル例を示し、本実施形態4は上記実施形態3において図13に示すような外乱推定部7を用いている。この外乱推定部7では、加算器3からの目標操作電流ic1及び推定外乱電流id2の和ic2は、計算部33でモータ109のトルク定数KTがかけられて減算器32に入力される。アクチュエータ部5からの角変位信号xs2は、計算部31において2階微分され、さらにモータ109の軸に換算したアクチュエータ部5のモータ慣性モーメントJがかけられて減算器32に入力される。減算器32は、両入力値を比較して外乱を推定する。外乱推定部7は、このような構成になっている。
【0066】
図14は本実施形態4における外乱推定オブザーバ11のモデル例を示す。
第1の1次ローパスフィルタ16の特性F1と第2の1次ローパスフィルタ18の特性F2は上述の(3)式、(4)式で表される。
加算器3からの目標操作電流ic1及び推定外乱電流id2の和ic2は、計算部33でモータ109のトルク定数KTがかけられて減算器15に入力される。アクチュエータ部5からの角変位信号xs2は、フィルタ16のカットオフ周波数ω0とアクチュエータ部5のモータ慣性モーメントJが計算部21でかけられ、さらにもう一度フィルタ16のカットオフ周波数ω0が計算部20でかけられて減算器15に入力される。減算器15は、両入力値を比較し、その比較結果を第1の1次ローパスフィルタ16に入力する。
【0067】
また、アクチュエータ部5からの角変位信号xs2は、フィルタ16のカットフ周波数ω0とアクチュエータ部5のモータ慣性モーメントJが計算部21でかけられ、さらにフィルタ16のカットオフ周波数ω0とフィルタ18のカットオフ周波数ω1の和が計算部22でかけられて加算器17で第1の1次ローパスフィルタ16の出力値に加算され、その加算結果が第2の1次ローパスフィルタ18に入力される。
【0068】
また、アクチュエータ部5からの角変位信号xs2は、フィルタ16のカットオフ周波数ω0とアクチュエータ部5のモータ慣性モーメントJが計算部21でかけられ、さらにフィルタ16のカットオフ周波数ω0が計算部23でかけられて減算器19で第2の1次ローパスフィルタ18の出力と比較され、その比較結果が推定外乱信号d2として出力される。外乱推定オブザーバの構成は、このようになっている。
【0069】
本実施形態4は、外乱推定部7と外乱推定オブザーバ11以外は上記実施形態3と同じである。
本実施形態4では、必要な制御帯域において、十分に正しく追従するように電流制御部を設計することが可能である。そのような系においては、外乱を推定外乱電流に換算するときにモータ109のトルク定数の逆数をかけるものを用いることができる。
このように本実施形態4は構成している。この実施形態4によれば、駆動対象124の駆動の精度が向上し、かつ計算量を減らすことが可能となる。
【0070】
図15は本発明の実施形態5である電圧制御系を有する角変位制御装置を示す。図15に示すように、まず、減算器61において、目標角変位ref2とアクチュエータ部65からの角変位信号xs2との差である角変位誤差信号e2が求められる。この減算器61から出力された角変位誤差信号e2は、コントローラ62に入力され、コントローラ62は入力された角変位誤差信号e2に位相補償およびゲイン調整を行って操作量となる目標操作電圧vc1として出力する。
【0071】
コントローラ62から出力された目標操作電圧vc1と推定外乱電圧vd2の和となる目標値vc2は電圧制御系64に入力され、電圧制御系64は目標値vc2に追従するようにモータ駆動電流is2を求めて出力する。このモータ駆動電流is2はアクチュエータ部65に入力され、アクチュエータ部65は入力されたモータ駆動電流is2を基に駆動され、モータ109の軸の角変位xs2を計測する。
【0072】
加算器63からの目標操作電圧vc1及び推定外乱電圧vd2の和vc2とアクチュエータ部65からのモータ軸の角変位信号xs2が外乱推定部67に入力される。外乱推定部67の出力は第1の1次ローパスフィルタ68に入力され、その出力が第2の1次ローパスフィルタ69に入力される。第2の1次ローパスフィルタ69より推定外乱信号d2が出力される。第1の1次ローパスフィルタ68と第2の1次ローパスフィルタ69は、周波数帯域の異なるもので、外乱推定の動作範囲を限定する。
【0073】
外乱推定オブザーバ71は、外乱推定部67と第1の1次ローパスフィルタ68と第2の1次ローパスフィルタ69とから構成され、かつ外乱推定部67と第1の1次ローパスフィルタ68と第2の1次ローパスフィルタ69とから微分項を持たない形に変形される。外乱推定オブザーバ71から出力された推定外乱信号d2は、推定外乱電圧換算部41に入力される。推定外乱電圧換算部41は、入力された推定外乱信号d2にモータ109のトルク定数KTの逆数をかけ、さらにモータ109の抵抗Rをかけることにより、外乱dに相当する推定外乱電圧vd2を求めて出力する。推定外乱電圧換算部41から出力された推定外乱電圧vd2は、加算器63でコントローラ62の出力に加算される。
【0074】
図16は本実施形態5における外乱推定部67のモデル例を示す。外乱推定部67では、加算器63からの目標操作電圧vc1及び推定外乱電圧vd2の和vc2は、計算部56においてモータ109の抵抗Rと自己インダクタンスLsより求められるR+Lsの逆数がかけられ、さらに計算部30でモータ109のトルク定数KTがかけられて減算器32に入力される。アクチュエータ部65からの角変位信号xs2は、計算部31において2階微分され、さらにモータ軸に換算したアクチュエータ部65のモータ慣性モーメントJがかけられて減算器32に入力される。減算器32は、両入力値を比較して外乱を推定する。外乱推定部67は、このような構成になっている。
【0075】
図17は本実施形態5における外乱推定オブザーバ71のモデル例を示す。
第1の1次ローパスフィルタ16の特性F1と第2の1次ローパスフィルタ18の特性F2は上述の(3)式、(4)式で表される。
加算器63からの目標操作電圧vc1及び推定外乱電圧vd2の和vc2は、計算部54においてモータ109の抵抗Rと自己インダクタンスLsより求められるR+Lsの逆数がかけられ、さらに計算部14においてモータのトルク定数KTがかけられて減算器15に入力される。アクチュエータ部65からの角変位信号xs2は、フィルタ16のカットオフ周波数ω0とアクチュエータ部65のモータ慣性モーメントJが計算部21でかけられ、さらにもう一度フィルタ16のカットオフ周波数ω0が計算部20でかけられて減算器15に入力される。減算器15は、両入力値を比較し、その比較結果を第1の1次ローパスフィルタ16に入力する。
【0076】
また、アクチュエータ部65からの角変位信号xs2は、フィルタ16のカットオフ周波数ω0とアクチュエータ部65のモータ慣性モーメントJが計算部21でかけられ、さらにフィルタ16のカットオフ周波数ω0とフィルタ18のカットオフ周波数ω1の和が計算部22でかけられて加算器17で第1の1次ローパスフィルタ16の出力値に加算され、その加算結果が第2の1次ローパスフィルタ18に入力される。
【0077】
また、アクチュエータ部65からの角変位信号xs2は、フィルタ16のカットオフ周波数ω0とアクチュエータ部65のモータ慣性モーメントJが計算部21でかけられ、さらにフィルタ18のカットオフ周波数ω1が計算部23でかけられて減算器19で第2の1次ローパスフィルタ18の出力と比較され、その比較結果が推定外乱d2として出力される。外乱推定オブザーバ71の構成は、このようになっている。
【0078】
本実施形態5におけるアクチュエータ部65のモデル例は上記実施形態1のアクチュエータ部5のモデル例と同じである。
本実施形態5では、モータ109の抵抗に比べ、モータ109の自己インダクタンスが小さいので、推定外乱を推定外乱電圧に換算するときに、推定外乱にモータ109のトルク定数の逆数とモータ109の抵抗値をかけたものを用いることができる。
【0079】
このように本実施形態5は構成している。この実施形態5によれば、駆動対象124の駆動の精度が向上して高精度な駆動を行うことができる。
【0080】
また、本発明の実施形態6は、上記実施形態5において、外乱推定部67に存在する電圧制御系の特性を考慮しない方式としている。
図18は本実施形態6における外乱推定部67のモデル例を示す。外乱推定部67では、加算器63からの目標操作電圧vc1及び推定外乱電圧vd2の和vc2は、計算部57においてモータ109の抵抗Rの逆数がかけられ、さらに計算部30においてモータ109のトルク定数KTがかけられて減算器32に入力される。アクチュエータ部65からの角変位信号xs2は、計算部31において2階微分され、さらにモータ軸に換算したアクチュエータ部65のモータ慣性モーメントJがかけられて減算器32に入力される。減算器32は、両入力値を比較して外乱を推定する。外乱推定部67は、このような構成になっている。
【0081】
図19は本実施形態6における外乱推定オブザーバ71のモデル例を示す。
第1の1次ローパスフィルタ16の特性F1と第2の1次ローパスフィルタ18の特性F2は上述の(3)式、(4)式で表される。
【0082】
加算器63からの目標操作電圧vc1及び推定外乱電圧vd2の和vc2は、計算部57においてモータ109の抵抗Rの逆数がかけられ、さらに計算部14においてモータ109のトルク定数KTがかけられて減算器15に入力される。アクチュエータ部65からの角変位信号xs2は、フィルタ16のカットオフ周波数ω0とアクチュエータ部65のモータ慣性モーメントJが計算部21でかけられ、さらにもう一度フィルタ16のカットオフ周波数ω0が計算部20でかけられて減算器15に入力される。減算器15は、両入力値を比較し、その比較結果を第1の1次ローパスフィルタ16に入力する。
【0083】
また、アクチュエータ部65からの角変位信号xs2は、フィルタ16のカットオフ周波数ω0とアクチュエータ部65のモータ慣性モーメントJが計算部21でかけられ、さらにフィルタ16のカットオフ周波数ω0とフィルタ18のカットオフ周波数ω1の和が計算部22でかけられて加算器17で第1の1次ローパスフィルタ16の出力値に加算され、その加算結果が第2の1次ローパスフィルタ18に入力される。
【0084】
アクチュエータ部65からの角変位信号xs2は、フィルタ16のカットオフ周波数ω0とアクチュエータ部65のモータ慣性モーメントJが計算部21でかけられ、さらにフィルタ18のカットオフ周波数ω1が計算部23でかけられて減算器19で第2の1次ローパスフィルタ18の出力と比較され、その比較結果が推定外乱信号d2として出力される。外乱推定オブザーバ71の構成は、このようになっている。
【0085】
本実施形態6における外乱推定部67と外乱推定オブザーバ71以外は上記実施形態5と同じである。
本実施形態6では、モータ109の抵抗に比べ、モータ109の自己インダクタンスが小さいので、外乱を推定外乱電圧に換算するときに、モータ109のトルク定数KTの逆数とモータの抵抗値Rをかけたものを用いることができる。
このように実施形態6は構成している。この実施形態6によれば、駆動対象124の駆動の精度が向上し、かつ計算量を減らすことが可能となる。
【0086】
図20は本発明の実施形態7を示す。この実施形態7は、カラー複写機からなる画像形成装置の例である。図20において、310は本実施形態7の装置本体である。この装置本体310は、その外装ケース311内の中央よりもやや右寄りに、像担持体としてのドラム状の感光体(感光体ドラム)312を備えている。感光体312の周りには、その上に設置されている帯電器313から矢示の回転方向(反時計方向)へ順に、現像手段としての回転型現像装置314、中間転写ユニット315、クリーニング装置316、除電器317などが配置されている。
【0087】
これらの帯電器313、回転型現像装置314、クリーニング装置316、除電器317の上には、露光手段としての光書込み装置、例えばレーザ書込み装置318が設置される。回転型現像装置314は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナーをそれぞれ収納した、現像ローラ321を有する現像器320A、320B、320C、320Dを備え、中心軸まわりに回動して各色の現像器320A、320B、320C、320Dを選択的に感光体312の外周に対向する現像角変位の位置へ移動させる。
【0088】
中間転写ユニット315は複数のローラ323に像担持体としての無端状の中間転写体、例えば中間転写ベルト324が掛け渡され、この中間転写ベルト324は感光体312に当接される。中間転写ベルト324の内側には転写装置325が設置され、中間転写ベルト324の外側には転写装置326及びクリーニング装置327が設置されている。クリーニング装置327は中間転写ベルト324に対して接離自在に設けられる。
【0089】
レーザ書込み装置318は、画像読取装置329から図示しない画像処理部を介して各色の画像信号が入力され、この各色の画像信号により順次に変調されたレーザ光Lを一様帯電状態の感光体312に照射して感光体312を露光することで感光体312上に静電潜像を形成する。画像読取装置329は装置本体310の上面に設けられている原稿台330上にセットされた原稿Gの画像を色分解して読み取り、電気的な画像信号に変換する。記録媒体搬送路332は右から左へ用紙等の記録媒体を搬送する。記録媒体搬送路332には、中間転写ユニット315及び転写装置326より手前にレジストローラ333が設置され、中間転写ユニット315及び転写装置326より下流側に搬送ベルト334、定着装置335、排紙ローラ336が配置されている。
【0090】
装置本体310は給紙装置350上に載置される。給紙装置350内には、複数の給紙カセット351が多段に設けられ、複数の給紙ローラ352のいずれか1つが選択的に駆動されて給紙カセット351のいずれか1つから記録媒体が送り出される。この記録媒体は装置本体310内の自動給紙路337を通して記録媒体搬送路332へ搬送される。また、装置本体310の右側には、手差しトレイ338が開閉自在に設けられ、この手差しトレイ338から挿入された記録媒体は装置本体310内の手差し給紙路339を通して記録媒体搬送路332へ搬送される。装置本体310の左側には、図示しない排紙トレイが着脱自在に取り付けられ、記録媒体搬送路332を通して排紙ローラ336により排出された記録媒体が排紙トレイへ収容される。
【0091】
この実施形態7において、カラーコピーをとる時には、原稿台330上に原稿Gをセットし、図示しないスタートスイッチを押すと、複写動作が開始される。まず、画像読取装置329が原稿台30上の原稿Gの画像を色分解して読み取る。同時に、給紙装置350内の複数の給紙カセット351から給紙ローラ352で選択的に記録媒体が送り出され、この記録媒体は自動給紙路337、記録媒体搬送路332を通してレジストローラ333に突き当たって止まる。
【0092】
感光体312は、反時計方向に回転し、複数のローラ323のうちの駆動ローラの回転で中間転写ベルト324が時計方向へ回転する。感光体312は、回転に伴い、帯電器313により一様に帯電され、画像読取装置329から画像処理部を介してレーザ書込み装置318に加えられる1色目の画像信号で変調されたレーザ光がレーザ書込み装置318から照射されて静電潜像が形成される。
【0093】
この感光体312上の静電潜像は回転型現像装置314の1色目の現像器320Aにより現像されて1色目の画像となり、この感光体312上の1色目の画像は転写装置325により中間転写ベルト324に転写される。感光体312は、1色目の画像の転写後にクリーニング装置316でクリーニングされて残留トナーが除去され、除電器317で除電される。
【0094】
続いて、感光体312は、帯電器313により一様に帯電され、画像読取装置329から画像処理部を介してレーザ書込み装置318に加えられる2色目の画像信号で変調されたレーザ光がレーザ書込み装置318から照射されて静電潜像が形成される。この感光体312上の静電潜像は回転型現像装置314の2色目の現像器320Bにより現像されて2色目の画像となり、この感光体312上の2色目の画像は転写装置325により中間転写ベルト324上に1色目の画像と重ねて転写される。感光体312は、2色目の画像の転写後にクリーニング装置316でクリーニングされて残留トナーが除去され、除電器317で除電される。
【0095】
次に、感光体312は、帯電器313により一様に帯電され、画像読取装置329から画像処理部を介してレーザ書込み装置318に加えられる3色目の画像信号で変調されたレーザ光がレーザ書込み装置318から照射されて静電潜像が形成される。この感光体312上の静電潜像は回転型現像装置314の3色目の現像器320Cにより現像されて3色目の画像となり、この感光体312上の3色目の画像は転写装置325により中間転写ベルト324上に1色目の画像、2色目の画像と重ねて転写される。感光体312は、3色目の画像の転写後にクリーニング装置316でクリーニングされて残留トナーが除去され、除電器317で除電される。
【0096】
さらに、感光体312は、帯電器313により一様に帯電され、画像読取装置329から画像処理部を介してレーザ書込み装置318に加えられる4色目の画像信号で変調されたレーザ光がレーザ書込み装置318から照射されて静電潜像が形成される。この感光体312上の静電潜像は回転型現像装置314の4色目の現像器320Dにより現像されて4色目の画像となり、この感光体312上の4色目の画像が転写装置325により中間転写ベルト324上に1色目の画像、2色目の画像、3色目の画像と重ねて転写されることでフルカラー画像が形成される。感光体312は、4色目の画像の転写後にクリーニング装置316でクリーニングされて残留トナーが除去され、除電器317で除電される。
【0097】
そして、レジストローラ333がタイミングをとって回転して記録媒体が送り出され、この記録媒体は転写装置326により中間転写ベルト324上のフルカラー画像が転写される。この記録媒体は、搬送ベルト334で搬送されて定着装置335によりフルカラー画像が定着され、排紙ローラ336により排紙トレイへ排出される。また、中間転写ベルト324はフルカラー画像の転写後にクリーニング装置327でクリーニングされて残留トナーが除去される。
【0098】
以上4色重ね画像を形成する動作について説明したが、3色重ね画像を形成する場合には感光体312上に3つの異なる単色画像が同様に順次に形成されて中間転写ベルト324上に重ねて転写された後に記録媒体に一括して転写され、2色重ね画像を形成する場合には感光体312上に2つの異なる単色画像が同様に順次に形成されて中間転写ベルト324上に重ねて転写された後に記録媒体に一括して転写される。また、単色画像を形成する場合には、感光体312上に1つの単色画像が形成されて中間転写ベルト324上に転写された後に記録媒体に転写される。
【0099】
このようなカラー複写機においては、像担持体312、324の回転精度が最終画像の品質に大きく影響し、より高精度な像担持体312、324の駆動が望まれる。
【0100】
そこで、この実施形態7では、感光体ドラム312の駆動が図2に示す回転体駆動装置により行われる。同様に、中間転写ベルト324の駆動が図2に示す回転体駆動装置により行われる。これらの回転体駆動装置は、それぞれ上記実施形態1〜6のいずれかの角変位制御装置により制御される。
【0101】
この実施形態7によれば、像担持体312、324の駆動制御を上記実施形態1〜6のいずれかにより行うので、像担持体の駆動の精度が向上して高精度な像担持体駆動を行うことができ、高品質な画像を得ることができる。
【0102】
図21は本発明の実施形態8を示す。この実施形態8は、カラー複写機からなる画像形成装置の例である。像担持体としての感光体401は、閉ループ状のNLのベルト基材の外周面上に、有機光半導体(OPC)等の感光層が薄膜状に形成された感光体ベルトである。この感光体401は、3本の感光体搬送ローラ402〜404によって支持され、駆動モータ(図示せず)によって矢印A方向に回動する。
【0103】
感光体401の周りには、矢印Aで示す感光体401回転方向へ順に、帯電器405、露光手段としての露光光学系(以下LSUという)406、ブラック,イエロー,マゼンタ,シアンの各色の現像器407〜410、中間転写ユニット411、感光体クリーニング手段412及び除電器413が設けられている。帯電器405は、-4〜5kV程度の高電圧が図示しない電源装置から印加され、感光体401の帯電器405に対向した部分を帯電して一様な帯電電位を与える。
【0104】
LSU406は、レーザ駆動回路(図示せず)により階調変換手段(図示せず)からの各色の画像信号を順次に光強度変調やパルス幅変調してその変調信号で半導体レーザ(図示せず)を駆動することにより露光光線414を得、この露光光線414により感光体401を走査して感光体401上に各色の画像信号に対応する静電潜像を順次に形成する。継ぎ目センサ415はループ状に形成された感光体401の継ぎ目を検知するものであり、継ぎ目センサ415が感光体401の継ぎ目を検知すると、感光体401の継ぎ目を回避するように、かつ、各色の静電潜像形成角変位が同一になるように、タイミングコントローラ416がLSU406の発光タイミングを制御する。
【0105】
各現像器407〜410は、それぞれの現像色に対応したトナーを収納しており、感光体401上の各色の画像信号に対応した静電潜像に応じたタイミングで選択的に感光体401に当接し、感光体401上の静電潜像をトナーにより現像して各色の画像とすることで、4色重ねの画像によるフルカラー画像を形成する。
【0106】
中間転写ユニット411は、アルミニウム等の金属の素管に導電性の樹脂等からなるベルト状のシートを巻いた中間転写体としての転写ドラム417と、ゴム等をブレード状に形成した中間転写体クリーニング手段418とからなり、中間転写体417上に4色重ねの画像が形成されている間は中間転写体クリーニング手段418が中間転写体417から離間している。中間転写体クリーニング手段418は、中間転写体417をクリーニングする時のみ中間転写体417に当接し、中間転写体417から記録媒体としての記録紙419に転写されずに残ったトナーを除去する。記録紙は、記録紙カセット420から給紙ローラ421により1枚ずつ用紙搬送路422に送り出される。
【0107】
転写手段としての転写ユニット423は、中間転写体417上のフルカラー画像を記録紙419に転写するものであり、導電性のゴム等をベルト状に形成した転写ベルト424と、中間転写体417上のフルカラー画像を記録紙419に転写するための転写バイアスを中間転写体417に印加する転写器425と、記録紙419にフルカラー画像が転写された後に記録紙419が中間転写体417に静電的に張り付くのを防止するようにバイアスを中間転写体417に印加する分離器426とから構成されている。
【0108】
定着器427は、内部に熱源を有するヒートローラ428と、加圧ローラ429とから構成され、記録紙419上に転写されたフルカラー画像をヒートローラ428と加圧ローラ429との記録紙挟持回転に伴い圧力と熱を記録紙419に加えて記録紙419にフルカラー画像を定着させてフルカラー画像を形成する。
以上のように構成された実施形態8について、以下その動作を説明する。ここで、静電潜像の現像は、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの順で行われるものとして説明を進める。
【0109】
感光体401と中間転写体417は、それぞれの駆動源(図示せず)により、矢印A、B方向にそれぞれ駆動される。この状態で、まず、帯電器405に-4〜5kV程度の高電圧が電源装置(図示せず)から印加され、帯電器405が感光体401の表面を一様に-700V程度に帯電させる。次に、継ぎ目センサ415が感光体401の継ぎ目を検知してから、感光体401の継ぎ目を回避するように一定時間が経過した後に感光体401にLSU406からブラックの画像信号に対応したレーザビームの露光光線414が照射され、感光体401は露光光線414が照射された部分の電荷が消えて静電潜像が形成される。
【0110】
一方、ブラック現像器407は所定のタイミングで感光体401に当接される。ブラック現像器407内のブラックトナーは負の電荷が予め与えられており、感光体401上の露光光線414の照射により電荷が無くなった部分(静電潜像部分)にのみブラックトナーが付着し、いわゆるネガポジプロセスによる現像が行われる。ブラック現像器407により感光体401の表面に形成されたブラックトナー像は、中間転写体417に転写される。感光体401から中間転写体417に転写されなかった残留トナーは感光体クリーニング手段412により除去され、さらに除電器413によって感光体401上の電荷が除去される。
【0111】
次に、帯電器405が感光体401の表面を一様に-700V程度に帯電させる。そして、継ぎ目センサ415が感光体1の継ぎ目を検知してから、感光体401の継ぎ目を回避するように一定時間が経過した後に感光体401にLSU406からシアンの画像信号に対応したレーザビームの露光光線414が照射され、感光体401は露光光線414が照射された部分の電荷が消えて静電潜像が形成される。
【0112】
一方、感光体401には所定のタイミングでシアン現像器408が当接される。シアン現像器408内のシアントナーは負の電荷が予め与えられており、感光体401上の露光光線414の照射により電荷が無くなった部分(静電潜像部分)にのみシアントナーが付着し、いわゆるネガポジプロセスによる現像が行われる。シアン現像器408により感光体401の表面に形成されたシアントナー像は、中間転写体417上にブラックトナー像と重ねて転写される。感光体401から中間転写体417に転写されなかった残留トナーは感光体クリーニング手段412により除去され、さらに除電器413によって感光体401上の電荷が除去される。
【0113】
次に、帯電器405が感光体401の表面を一様に-700V程度に帯電させる。そして、継ぎ目センサ415が感光体401の継ぎ目を検知してから、感光体401の継ぎ目を回避するように一定時間が経過した後に感光体401にLSU406からマゼンタの画像信号に対応したレーザビームの露光光線414が照射され、感光体401は露光光線414が照射された部分の電荷が消えて静電潜像が形成される。
【0114】
一方、感光体401には所定のタイミングでマゼンタ現像器409が当接される。マゼンタ現像器409内のマゼンタトナーは負の電荷が予め与えられており、感光体401上の露光光線414の照射により電荷が無くなった部分(静電潜像部分)にのみマゼンタトナーが付着し、いわゆるネガポジプロセスによる現像が行われる。マゼンタ現像器409により感光体401の表面に形成されたマゼンタトナー像は、中間転写体417上にブラックトナー像、シアントナー像と重ねて転写される。感光体401から中間転写体417に転写されなかった残留トナーは感光体クリーニング手段412により除去され、さらに除電器413によって感光体401上の電荷が除去される。
【0115】
さらに、帯電器405が感光体401の表面を一様に-700V程度に帯電させる。そして、継ぎ目センサ415が感光体1の継ぎ目を検知してから、感光体401の継ぎ目を回避するように一定時間が経過した後に感光体401にLSU406からイエローの画像信号に対応したレーザビームの露光光線414が照射され、感光体401は露光光線414が照射された部分の電荷が消えて静電潜像が形成される。
【0116】
一方、感光体401には所定のタイミングでイエロー現像器410が当接される。イエロー現像器410内のイエロートナーは負の電荷が予め与えられており、感光体401上の露光光線414の照射により電荷が無くなった部分(静電潜像部分)にのみイエロートナーが付着し、いわゆるネガポジプロセスによる現像が行われる。イエロー現像器410により感光体401の表面に形成されたイエロートナー像は中間転写体417上にブラックトナー像、シアントナー像、マゼンタトナー像と重ねて転写され、中間転写体417上にフルカラー画像が形成される。感光体401から中間転写体417に転写されなかった残留トナーは感光体クリーニング手段412により除去され、さらに除電器413によって感光体401上の電荷が除去される。
【0117】
中間転写体417上に形成されたフルカラー画像は、これまで中間転写体417から離間していた転写ユニット423が中間転写体417に接触し、転写器425に+1kV程度の高電圧が電源装置(図示せず)から印加されることで、記録紙カセット420から用紙搬送路422に沿って搬送されてきた記録紙419へ転写器425により一括して転写される。
【0118】
また、分離器426には記録紙419を引き付ける静電力が働くように電圧が電源装置から印加され、記録紙419が中間転写体417から剥離される。続いて、記録紙419は、定着器427に送られ、ここでヒートローラ428と加圧ローラ429とによる挟持圧、ヒートローラ428の熱によってフルカラー画像が定着されて排紙ローラ430により排紙トレイ431へ排出される。
【0119】
また、転写ユニット423により記録紙419上に転写されなかった中間転写体417上の残留トナーは中間転写体クリーニング手段418により除去される。中間転写体クリーニング手段418は、フルカラー画像が得られるまで中間転写体417から離間した角変位にあり、フルカラー画像が記録紙419に転写された後に中間転写体417に接触して中間転写体417上の残留トナーを除去する。以上の一連の動作によって1枚分のフルカラー画像形成が終了する。
このようなカラー複写機においては、像担持体401、417の回転精度が最終画像の品質に大きく影響し、特に高精度な像担持体401、417の高精度駆動が望まれる。
【0120】
そこで、この実施形態8では、感光体ベルト401の駆動が図2に示す回転体駆動装置により行われる。同様に、転写ドラム417の駆動が図2に示す回転体駆動装置により行われる。これらの回転体駆動装置は、それぞれ上記実施形態1〜6のいずれかの角変位制御装置により制御される。
【0121】
この実施形態8によれば、像担持体401、417の駆動制御を上記実施形態1〜6のいずれかにより行うので、像担持体の駆動の精度が向上して高精度な像担持体駆動を行うことができ、高品質な画像を得ることができる。
【0122】
図22に本発明の実施形態9を示す。この実施形態9はタンデム方式の画像形成装置の例である。この実施形態9においては、複数色、例えばブラック(以下Bkという)、マゼンタ(以下Mという)、イエロー(以下Yという)、シアン(以下Cという)の各画像をそれぞれ形成する複数の画像形成ユニット221Bk、221M、221Y、221Cが垂直方向に配列され、この画像形成ユニット221Bk、221M、221Y、221Cは、それぞれドラム状の感光体からなる像担持体222Bk、222M、222Y、222C、帯電装置(例えば接触帯電装置)223Bk、223M、223Y、223C、現像装置224Bk、224M、224Y、224C、クリーニング装置225Bk、225M、225Y、225Cなどから構成される。
【0123】
感光体222Bk、222M、222Y、222Cは、無端状搬送転写ベルト226と対向して垂直方向に配列され、搬送転写ベルト226と同じ周速で回転駆動される。この感光体222Bk、222M、222Y、222Cは、それぞれ、帯電装置223Bk、223M、223Y、223Cにより均一に帯電された後に、光書き込み装置からなる露光手段227Bk、227M、227Y、227Cによりそれぞれ露光されて静電潜像が形成される。
【0124】
光書き込み装置227Bk、227M、227Y、227Cは、それぞれY、M、C、Bk各色の画像信号により半導体レーザ駆動回路で半導体レーザを駆動して半導体レーザからのレーザビームをポリゴンミラー229Bk、229M、229Y、229Cにより偏向走査し、このポリゴンミラー229Bk、229M、229Y、229Cからの各レーザビームを図示しないfθレンズやミラーを介して感光体222Bk、222M、222Y、222Cに結像することにより、感光体222Bk、222M、222Y、222Cを露光して静電潜像を形成する。
【0125】
この感光体222Bk、222M、222Y、222C上の静電潜像は、それぞれ現像装置224Bk、224M、224Y、224Cにより現像されてBk、M、Y、C各色のトナー像となる。したがって、帯電装置223Bk、223M、223Y、223C、光書き込み装置227Bk、227M、227Y、227C及び現像装置224Bk、224M、224Y、224Cは、感光体222Bk、222M、222Y、222C上にBk、M、Y、C各色の画像(トナー像)を形成する画像形成手段を構成している。
【0126】
一方、普通紙、OHPシートなどの転写紙は本実施形態9の下部に設置された、給紙カセットを用いて構成された給紙装置230から転写紙搬送路に沿ってレジストローラ231に給紙され、レジストローラ231は1色目の画像形成ユニット(転写紙に最初に感光体上の画像を転写する画像形成ユニット)221Bkにおける感光体222Bk上のトナー像とタイミングを合わせて転写紙を搬送転写ベルト226と感光体222Bkとの転写ニップ部へ送出する。
【0127】
搬送転写ベルト226は垂直方向に配列された駆動ローラ232及び従動ローラ233に掛け渡され、駆動ローラ232が図示しない駆動部により回転駆動されて搬送転写ベルト226が感光体222Bk、222M、222Y、222Cと同じ周速で回転する。レジストローラ231から送出された転写紙は、搬送転写ベルト226により搬送され、感光体222Bk、222M、222Y、222C上のBk、M、Y、C各色のトナー像がコロナ放電器からなる転写手段234Bk、234M、234Y、234Cにより形成される電界の作用で順次に重ねて転写されることによりフルカラー画像が形成されると同時に、搬送転写ベルト226に静電的に吸着されて確実に搬送される。
【0128】
この転写紙は、分離チャージャからなる分離手段236により徐電されて搬送転写ベルト226から分離された後に定着装置237によりフルカラー画像が定着され、排紙ローラ238により本実施形態9の上部に設けられている排紙部239へ排出される。また、感光体222Bk、222M、222Y、222Cは、トナー像転写後にクリーニング装置225Bk、225M、225Y、225Cによりクリーニングされて次の画像形成動作に備える。
【0129】
このようなカラー複写機においては、像担持体222Bk、222M、222Y、222Cの回転精度が最終画像の品質に大きく影響し、より高精度な像担持体222Bk、222M、222Y、222Cの駆動が望まれる。そこで、この実施形態9では、像担持体222Bk、222M、222Y、222Cの駆動がそれぞれ図2に示す回転体駆動装置により行われ、これらの回転体駆動装置はそれぞれ上記実施形態1〜6のいずれかの角変位制御装置により制御される。
【0130】
この実施形態9によれば、複数の像担持体222Bk、222M、222Y、222Cを回転させてカラー画像を形成する画像形成装置において、複数の像担持体222Bk、222M、222Y、222Cの各駆動制御をそれぞれ上記実施形態1〜6のいずれかにより行うので、像担持体の駆動の精度が向上し、高精度な像担持体駆動を行うことができ、高品質な画像を得ることができる。
【0131】
図23は本発明の実施形態10を示す。この実施形態10は、画像読取装置の例である。この画像読取装置において、901は読み取られる原稿、902は原稿901が載置される原稿台、903は原稿901に光を照射する原稿照明系、904は反射光の光軸、905は読取り用の素子で例えばCCD(Charge Coupled Device)、906は結像レンズ、907は全反射ミラーを示す。また、908は、これらCCD905、レンズ906、ミラー907等からなる走行体としての光電変換ユニット、909、910は副走査駆動用のプーリー、911はワイヤ、109は駆動用の電動機、912はイメージスキャナのハウジングを示す。原稿を読み取るための光電変換ユニット908は、ハウジング912に固定された駆動用のモータ109と、ワイヤ911とプーリ909、910など電動機109の駆動力を伝達する手段とを有する駆動装置により駆動され、原稿901の副走査方向に移動する。このとき、蛍光灯などの読取り用照明系903で、原稿台902上の原稿901を照明し、その反射光束(光軸を904で示す)を複数のミラー907で折り返し、結像レンズ906を介して、CCD905などのイメージセンサの受光部に原稿901の像を結像する。そして、この光電変換ユニット908により、原稿901の全面を走査することにより、原稿全体を読み取る。また、読取り開始角変位を示すセンサ913は原稿901の端部の下部に設置されていて、光電変換ユニット908は、ホームポジションAから読取り開始角変位Bの間に立上り等速の定常状態になるように設計されていて、A点に達した後原稿の読取りを開始するようになっている。
【0132】
そこで、この実施形態10では、光電変換ユニット908の駆動が図2に示す駆動装置により行われ、この回転体駆動装置は上記実施形態1〜6のいずれかの角変位制御装置により制御される。
【0133】
この実施形態10によれば、光電変換ユニット908の駆動制御を上記実施形態1〜6のいずれかにより行うので、画像読取装置の走行体の駆動の精度が向上して高精度な走行体駆動を行うことができ、高品質な読み取り画像を得ることができる。
【0134】
図24は、上記実施形態1〜6のいずれかの回転体駆動制御方法を実行するのに使用するコンピュータの一例であるパーソナルコンピュータを示す。
記録媒体としてのCD-ROM1003には、上記パーソナルコンピュータ1001に、制御演算を実行させるためのプログラムが格納されている。パーソナルコンピュータ1001は、フロッピー(登録商標)ディスク1003に格納されているプログラムを実行することにより、上記実施形態1〜6のいずれかの回転体駆動制御を実行する。かかるプログラムは、コンピュータ1001に回転駆動源としてのモータ109を制御させて回転体124を駆動させる制御プログラムであり、具体的には、コンピュータ1001によって回転体109を回転駆動するための制御プログラム、コンピュータ1001によって上記画像形成装置の感光体ドラム312駆動装置を制御するための制御プログラム、コンピュータ1001によって上記画像形成装置の転写ドラム417駆動装置を制御するための制御プログラム,またはコンピュータ1001によって上記画像読み取り装置の走行体駆動装置を制御するための制御プログラムである。上記プログラムが格納されているCD-ROM1003によれば、高精度な駆動系(走行体駆動装置)を構築することができる。
【0135】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、外乱推定オブザーバにおいて、複数の周波数帯域の異なる1次ローパスフィルタを用いることで動作範囲の限定の選択の幅を広げることができ、かつ、微分項を含まない外乱推定オブザーバとし、機械共振およびノイズによる悪影響を抑える機能の低下を防止することができる。
また、本発明によれば、高精度な駆動系を構築することができる角変位制御装置を提供することができる。
【0136】
また、本発明によれば、高精度な駆動系を構築して常に高品位な画像を得ることができる画像形成装置を提供することができる。
また、本発明によれば、高品質な画像を得ることができる画像読取装置を提供することができる。
さらに、本発明によれば、高精度な駆動系を構築することができる記録媒体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1を示すブロック図である。
【図2】同実施形態1における回転体駆動装置を示す斜視図である。
【図3】同実施形態1における電流制御系においてモータの角変位をモータ軸エンコーダの出力信号に基づいてデジタル的に制御する制御系の構成を示すブロック図である。
【図4】同実施形態1における電流制御系のモデル例を示すブロック図である。
【図5】同実施形態1におけるアクチュエータ部のモデル例を示すブロック図である。
【図6】同実施形態1における外乱推定部のモデル例を示すブロック図である。
【図7】同実施形態1における外乱推定オブザーバのモデル例を示すブロック図である。
【図8】本発明の実施形態2においてモータの角変位をモータ軸エンコーダの出力信号に基づいてデジタル的に制御する制御系の構成を示すブロック図である。
【図9】同実施形態2を示すブロック図である。
【図10】本発明の実施形態3を示すブロック図である。
【図11】同実施形態3における外乱推定部のモデル例を示すブロック図である。
【図12】同実施形態3における外乱推定オブザーバのモデル例を示すブロック図である。
【図13】本発明の実施形態4における外乱推定部のモデル例を示すブロック図である。
【図14】同実施形態4における外乱推定オブザーバのモデル例を示すブロック図である。
【図15】本発明の実施形態5を示すブロック図である。
【図16】同実施形態5における外乱推定部のモデル例を示すブロック図である。
【図17】同実施形態5における外乱推定オブザーバのモデル例を示すブロック図である。
【図18】本発明の実施形態6における外乱推定部のモデル例を示すブロック図である。
【図19】同実施形態6における外乱推定オブザーバのモデル例を示すブロック図である。
【図20】本発明の実施形態7を示すブロック図である。
【図21】本発明の実施形態8を示す断面図である。
【図22】本発明の実施形態9を示す断面図である。
【図23】本発明の実施形態10を示す断面図である。
【図24】上記実施形態1〜6のいずれかの回転体駆動制御方法を実行するのに使用するコンピュータの一例であるパーソナルコンピュータを示す概略図である。
【符号の説明】
1、19、15、32、61 減算器
2、62 コントローラ
3、36、63 加算器
4 電流制御系
5、65 アクチュエータ部
7、67 外乱推定部
8、9、16、18、68、69 1次ローパスフィルタ
11、71 外乱推定オブザーバ
14、20〜23、30、31、33〜35 計算部
40 推定外乱電流換算部
41 推定外乱電圧換算部
50、51、52、54、56、57 計算部
64 電圧制御系
109 モータ
Claims (15)
- 目標操作電流または目標操作電圧からなる第1の目標値と外乱推定値との和からなる第2の目標値を求める加算手段と、この加算手段からの第2の目標値に追従するようにモータ駆動電流を求める制御系と、モータを含み、前記制御系からのモータ駆動電流を基に駆動され、前記モータの軸の角変位を計測するアクチュエータ部と、外乱を推定してその推定値を前記外乱推定値として前記加算手段へ与える微分項を持たない外乱推定オブザーバとを有する角変位制御装置の外乱推定オブザーバであって、
前記制御系からのモータ駆動電流または前記加算手段からの第2の目標値と前記アクチュエータ部の角変位計測値から外乱を推定する外乱推定部と、互いに直列に接続されて前記外乱推定部の出力が順次に経由し、互いに周波数帯域が異なって外乱推定の動作範囲が異なる複数の1次系ローパスフィルタとを有することを特徴とする外乱推定オブザーバ。 - 目標操作電流からなる第1の目標値と外乱推定値としての外乱推定電流との和からなる第2の目標値を求める加算手段と、この加算手段からの第2の目標値に追従するようにモータ駆動電流を求める制御系と、モータを含み、前記制御系からのモータ駆動電流を基に駆動され、前記モータの軸の角変位を計測するアクチュエータ部と、前記制御系からのモータ駆動電流または前記加算手段からの第2の目標値と前記アクチュエータ部の角変位計測値から外乱を推定して電流に換算しその換算値を前記外乱推定電流として前記加算手段へ与える外乱推定オブザーバとを有する角変位制御装置であって、前記外乱推定オブザーバは、前記制御系からのモータ駆動電流または前記加算手段からの第2の目標値と前記アクチュエータ部の角変位計測値から外乱を推定する外乱推定部と、互いに直列に接続されて前記外乱推定部の出力が順次に経由し、互いに周波数帯域が異なって外乱推定の動作範囲が異なる複数の1次系ローパスフィルタとを有する微分項を持たない外乱推定オブザーバであり、該外乱推定オブザーバにて推定外乱を電流に換算する際に推定外乱に前記モータのトルク定数の逆数をかけることを特徴とする角変位制御装置。
- 目標操作電圧からなる第1の目標値と外乱推定値としての外乱推定電圧との和からなる第2の目標値を求める加算手段と、この加算手段からの第2の目標値に追従するようにモータ駆動電流を求める制御系と、モータを含み、前記制御系からのモータ駆動電流を基に駆動され、前記モータの軸の角変位を計測するアクチュエータ部と、前記制御系からのモータ駆動電流または前記加算手段からの第2の目標値と前記アクチュエータ部の角変位計測値から外乱を推定して電圧に換算しその換算値を前記外乱推定電圧として前記加算手段へ与える外乱推定オブザーバとを有する角変位制御装置であって、前記外乱推定オブザーバは、前記制御系からのモータ駆動電流または前記加算手段からの第2の目標値と前記アクチュエータ部の角変位計測値から外乱を推定する外乱推定部と、互いに直列に接続されて前記外乱推定部の出力が順次に経由し、互いに周波数帯域が異なって外乱推定の動作範囲が異なる複数の1次系ローパスフィルタとを有する微分項を持たない外乱推定オブザーバであり、該外乱推定オブザーバにて推定外乱を電圧に換算する際に推定外乱に前記モータのトルク定数の逆数と前記モータの抵抗をかけることを特徴とする角変位制御装置。
- 目標操作電流からなる第1の目標値と外乱推定値との和からなる第2の目標値を求める加算手段と、この加算手段からの第2の目標値に追従するようにモータ駆動電流を求める制御系と、モータを含み、前記制御系からのモータ駆動電流を基に駆動され、前記モータの軸の角変位を計測するアクチュエータ部と、前記制御系からのモータ駆動電流または前記加算手段からの第2の目標値と前記アクチュエータ部の角変位計測値から外乱を推定してその推定値を前記外乱推定値として前記加算手段へ与える外乱推定オブザーバとを有する角変位制御装置であって、前記外乱推定オブザーバは、前記制御系からのモータ駆動電流または前記加算手段からの第2の目標値と前記アクチュエータ部の角変位計測値から外乱を推定する外乱推定部と、互いに直列に接続されて前記外乱推定部の出力が順次に経由 し、互いに周波数帯域が異なって外乱推定の動作範囲が異なる複数の1次系ローパスフィルタとを有する微分項を持たない外乱推定オブザーバであり、該外乱推定オブザーバにて推定外乱を電流に換算する際に推定外乱に前記モータのトルク定数の逆数をかけることを特徴とする角変位制御装置。
- 目標操作電流からなる第1の目標値と外乱推定値との和からなる第2の目標値を求める加算手段と、この加算手段からの第2の目標値に追従するようにモータ駆動電流を求める制御系と、モータを含み、前記制御系からのモータ駆動電流を基に駆動され、前記モータの軸の角変位を計測するアクチュエータ部と、前記加算手段からの第2の目標値と前記アクチュエータ部の角変位計測値から外乱を推定してその推定値を前記外乱推定値として前記加算手段へ与える外乱推定オブザーバとを有する角変位制御装置において、前記外乱推定オブザーバは、前記加算手段からの第2の目標値と前記アクチュエータ部の角変位計測値から外乱を推定する外乱推定部と、互いに直列に接続されて前記外乱推定部の出力が順次に経由し、互いに周波数帯域が異なって外乱推定の動作範囲が異なる複数の1次系ローパスフィルタとを有する微分項を持たない外乱推定オブザーバであり、前記外乱推定部にて、前記加算手段からの第2の目標値としての目標操作電流に前記制御系の伝達関数と前記モータのトルク定数をかけたものと、前記アクチュエータ部の計測結果である位置信号を2階微分して前記モータの慣性モーメントをかけたものとの差を前記1次ローパスフィルタに入れることを特徴とする角変位制御装置。
- 目標操作電圧からなる第1の目標値と外乱推定値としての外乱推定電圧との和からなる第2の目標値を求める加算手段と、この加算手段からの第2の目標値に追従するようにモータ駆動電流を求める制御系と、モータを含み、前記制御系からのモータ駆動電流を基に駆動され、前記モータの軸の角変位を計測するアクチュエータ部と、前記制御系からのモータ駆動電流または前記加算手段からの第2の目標値と前記アクチュエータ部の角変位計測値から外乱を推定して電圧に換算しその換算値を前記外乱推定電圧として前記加算手段へ与える外乱推定オブザーバとを有する角変位制御装置であって、前記外乱推定オブザーバは、前記制御系からのモータ駆動電流と前記アクチュエータ部の角変位計測値から外乱を推定する外乱推定部と、互いに直列に接続されて前記外乱推定部の出力が順次に経由し、互いに周波数帯域が異なって外乱推定の動作範囲が異なる複数の1次系ローパスフィルタとを有する微分項を持たない外乱推定オブザーバであり、該外乱推定オブザーバにて推定外乱を電圧に換算する際に推定外乱に前記モータのトルク定数の逆数と前記モータの抵抗をかけることを特徴とする角変位制御装置。
- 目標操作電圧からなる第1の目標値と外乱推定値との和からなる第2の目標値を求める加算手段と、この加算手段からの第2の目標値に追従するようにモータ駆動電流を求める制御系と、モータを含み、前記制御系からのモータ駆動電流を基に駆動され、前記モータの軸の角変位を計測するアクチュエータ部と、前記加算手段からの目標操作電圧と前記アクチュエータ部の角変位計測値から外乱を推定して電圧に換算しその換算値を前記外乱推定値として前記加算手段へ与える外乱推定オブザーバとを有する角変位制御装置において、前記外乱推定オブザーバは、前記加算手段からの目標操作電圧と前記アクチュエータ部の角変位計測値から外乱を推定する外乱推定部と、互いに直列に接続されて前記外乱推定部の出力が順次に経由し、互いに周波数帯域が異なって外乱推定の動作範囲が異なる複数の1次系ローパスフィルタとを有する微分項を持たない外乱推定オブザーバであり、該外乱推定オブザーバにて推定外乱を電圧に換算する際に推定外乱に前記モータのトルク定数の逆数と前記モータの抵抗をかけ、前記外乱推定部は、前記加算手段からの目標操作電圧に前記モータの抵抗Rと自己インダクタンスLsからのR+Lsの逆数と前記モータのトルク定数をかけたものと、前記アクチュエータ部の計測結果である位置信号を2階微分して前記モータの慣性モーメントをかけたものとの差を前記1次ローパスフィルタに入れることを特徴とする角変位制御装置。
- 像担持体を回転させて画像形成を行う画像形成装置において、前記像担持体の駆動制御を前記請求項2〜7のいずれか1つに記載の角変位制御装置により行うことを特徴とする画像形成装置。
- 請求項8記載の画像形成装置において、前記像担持体が感光体ドラムであることを特徴とする画像形成装置。
- 請求項8記載の画像形成装置において、前記像担持体が感光体ベルトであることを特徴とする画像形成装置。
- 請求項8記載の画像形成装置において、前記像担持体が転写ドラムであることを特徴とする画像形成装置。
- 請求項8記載の画像形成装置において、前記像担持体が中間転写ベルトであることを特徴とする画像形成装置。
- 複数の像担持体を回転させてカラー画像を形成する画像形成装置において、前記複数の像担持体の各駆動制御をそれぞれ請求項2〜7のいずれか1つに記載の角変位制御装置により行うことを特徴とする画像形成装置。
- 走行体駆動装置のモータ制御を請求項2〜7のいずれか1つに記載の角変位制御装置により行うことを特徴とする画像読み取り装置。
- コンピュータに回転駆動源を制御させて回転体を駆動させる制御プログラムを記録した記録媒体であって、前記制御プログラムは請求項2〜7のいずれか1つに記載の角変位制御装置に用いる回転駆動源制御プログラムであることを特徴とする記録媒体。
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