JP3893300B2 - 駆動制御装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、無端ベルト部材やドラム状部材などの無端移動部材が適切に無端移動するための駆動制御を行う駆動制御装置、及びこの駆動制御装置を備えた複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の駆動制御装置としては、感光体ドラムや中間転写ベルト等の画像形成に利用される無端移動部材の駆動制御を行うものが知られている。このような画像形成用の無端移動部材を駆動させる場合、無端移動部材の表面又は無端移動部材で搬送される記録材である転写材の表面に対して、高精度で画像の位置合わせ等を行う必要がある。そのため、その無端移動部材の単位時間当りの無端移動量(以下、単に「無端移動量」という。)や、所定時における無端移動部材上の所定地点の位置(以下、「無端移動位置」という。)を、高い精度で制御することが要求される。しかし、無端移動速度は、その無端移動部材に接触する部材から受ける負荷変動などの種々の要因によって変動しやすく、この速度変動を完全になくすことは極めて困難である。そのため、無端移動部材の無端移動量や無端移動位置を高い精度で制御することは難しい。
【0003】
従来から、無端移動部材の無端移動量や無端移動位置を高い精度で制御する方法が種々提案されている。例えば、特許第3107259号公報では、感光体ドラムの回転軸にロータリーエンコーダを直結し、このエンコーダで検出された感光体ドラムの回転角速度に基づいて駆動源の回転角速度を制御する制御装置が提案されている。この制御装置の制御対象である感光体ドラムは、回転軸に固定されているので、その表面の移動速度と回転軸の角速度との間にズレが生じることはない。よって、この制御装置によれば、感光体ドラムのように回転軸に固定された部材に対しては高い精度で駆動制御を行うことが可能である。しかし、この制御装置は、回転軸の回転角速度に基づいて駆動制御を行うものであり、直接の制御対象である感光体ドラム表面の無端移動量や無端移動位置に基づいて駆動制御を行うものではない。したがって、駆動源からの駆動軸に直結されずに無端移動する感光体ベルトや中間転写ベルト等の無端ベルト部材を駆動させる場合には、高精度で駆動制御を行うことはできない。
【0004】
一方、特開平9−114348号公報や特開平6−263281号公報等には、無端ベルト部材の表面又は裏面にマークを形成し、そのマークをセンサで検出した検出結果を駆動制御にフィードバックする駆動制御装置が開示されている。これらの制御装置は、無端ベルト部材自体の挙動を直接観測しているため、上記特許第3107259号公報に開示の装置よりも高い精度で駆動制御を行うことが可能となる。
具体的には、上記特開平9−114348号公報に開示の装置は、記録紙搬送ベルトの表面移動方向にわたり等間隔で連続するように記録紙搬送ベルト上に形成された複数のマークをマーク検出器で検出する。そして、その検出結果をサンプリングしたデータに基づいて、その記録紙搬送ベルトの駆動制御を行う。その駆動制御の内容は、所定のサンプリング周期における記録紙搬送ベルトの移動距離と平均速度を演算し、その演算結果に基づいて記録紙搬送ベルトの駆動制御を行うというものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記特開平9−114348号公報に開示の装置による駆動制御は、ロータリーエンコーダのように一定間隔の信号出力が得られる場合には有効である。しかし、この公報には、記録紙搬送ベルト上へのマーク形成方法について言及されていないが、記録紙搬送ベルトのような無端ベルト部材上に一定間隔のマークを形成するのは極めて困難である。例えば、金型にマークとなる凹凸の加工を施して無端ベルト部材を成形する場合、一般に金型から取り出した後にアニーリング処理が行われる。このアニーリング処理でベルト材料に均一に熱が与えられないと、ベルト全体の収縮率が不均一になり、成形後の無端ベルト部材上に形成されたマークが一定間隔にならない。また、成形後のベルト内部で生じるひずみによっても、ベルト全体の収縮率が不均一になることがあり、この場合も、成形後の無端ベルト部材上に形成されたマークが一定間隔にならない。
【0006】
一方、無端ベルト部材上にマークを形成する方法としては、無端ベルト部材上にマークを印刷したり、接着したりする方法がある。このように無端ベルト部材を成形した後に印刷や接着等によりマークを形成すれば、ベルト成形時におけるベルト全体の収縮率が不均一であっても、これがマークの間隔に影響することはない。しかし、無端ベルト部材の製造においては、一般にベルト周長の公差を0.2〜0.3%程度に設定する。よって、無端ベルト部材の周長が例えば500mmである場合には、その公差は1mm以上となる。そのため、製造される無端ベルト部材間においては、周長が互いに1mm以上も異なるものが存在することがなる。このように無端ベルト部材間には周長差があるため、マークを印刷したり接着したりする場合であっても、連続するマークの始めと終わりの継ぎ目部分を、そのマークの連続部分と同じ間隔となるようにつなぐのは極めて困難である。
【0007】
以上のように、無端ベルト部材上に一定間隔で連続する複数のマークを形成するのは極めて困難であるため、その連続するマーク中には、マーク間隔が他と異なる不連続部分が存在してしまう。このようなマーク間隔が他と異なる部分の存在は、その部分でマーク検出エラーが生じたり、駆動制御が不安定になったりする要因となる。例えば、PLL(Phase−Locked−Loop)回路を利用して無端ベルト部材を一定速度で無端移動させる駆動制御を行う場合には、そのPLL回路に入力される基準信号とマーク検出による比較信号の位相同期をとる。このとき、マーク検出エラーが生じたり、マーク検出タイミングが大きくズレると、基準信号と比較信号の位相差が大きくズレて制御が不安定になる。このように、従来では、マーク間隔が他と異なる部分が存在すると、適切な駆動制御を行うことが困難であるという問題が生じていた。なお、この問題は、所定間隔で連続する複数のマーク中にマーク間隔が予め決められた範囲外となる不連続部分が存在する場合に生じるものである。また、上記問題は、無端ベルト部材に限らず、ドラム状部材などを含む無端移動部材全般について生じ得るものである。
【0008】
本発明は、上記問題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、無端移動部材の無端移動方向にわたり所定間隔で連続する複数のマーク中に、予め決められた範囲外となる不連続部分が存在する場合であっても、その無端移動部材に対して適切な駆動制御を行うことが可能な駆動制御装置及び画像形成装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、無端移動する無端移動部材の無端移動方向にわたり所定間隔で連続するように該無端移動部材上に設けられる複数のマークを検出するマーク検出手段と、上記マーク検出手段の出力に基づく制御信号を用いて速度制御又は位置制御を行う速度・位置制御手段とを有し、上記無端移動部材の駆動制御を行う駆動制御装置において、上記複数のマークのマーク間隔が予め決められた範囲外となる不連続部分の無端移動方向位置を示す該無端移動部材上に設けられる不連続特定マークを検出する特定マーク検出手段を設け、上記特定マーク検出手段の出力に基づいて上記速度・位置制御手段の速度制御又は位置制御を変更するように、該速度・位置制御手段を構成し、上記マーク検出手段は、上記無端移動部材の無端移動方向に沿って上記不連続部分の長さよりも長い距離離れた位置でそれぞれマーク検出を行う複数のマーク検出器からなり、上記複数のマーク検出器のうち上記不連続部分のマーク検出を行っていないマーク検出器の出力を用いて上記速度制御又は位置制御を行うように、上記速度・位置制御手段を構成したことを特徴とするものである
た、請求項の発明は、請求項の駆動制御装置において、上記速度・位置制御手段に、上記複数のマーク検出器の出力周期の位相を比較する位相比較手段を設け、少なくとも1つの出力について上記位相比較手段による比較結果に基づいて得られる各マーク検出器の出力周期間の位相ずれ分を補正して得られたものを用いて上記速度制御又は位置制御を行うように、上記速度・位置制御手段を構成したことを特徴とするものである。
また、請求項の発明は、無端移動する無端移動部材の無端移動方向にわたり所定間隔で連続するように該無端移動部材上に設けられる複数のマークを検出するマーク検出手段と、上記マーク検出手段の出力に基づく制御信号を用いて速度制御又は位置制御を行う速度・位置制御手段とを有し、上記無端移動部材の駆動制御を行う駆動制御装置において、上記複数のマークのマーク間隔が予め決められた範囲外となる不連続部分の無端移動方向位置を示す該無端移動部材上に設けられる不連続特定マークを検出する特定マーク検出手段を設け、上記特定マーク検出手段の出力に基づいて上記速度・位置制御手段の速度制御又は位置制御を変更するように、該速度・位置制御手段を構成し、上記マーク検出手段は、上記無端移動部材の無端移動方向に沿って上記不連続部分の長さよりも長い距離離れた位置でそれぞれマーク検出を行う複数のマーク検出器からなり、上記速度・位置制御手段に、上記複数のマーク検出器から得られる位相の略一致したそれぞれの出力の論理和を演算する論理和演算手段と、該複数のマーク検出器の出力のうち上記不連続部分のマーク検出を行っているマーク検出器の出力が論理和演算手段で利用されるのを禁止する禁止手段とを設け、上記論理和演算手段により得られる論理和を用いて上記速度制御又は位置制御を行うように、上記速度・位置制御手段を構成したことを特徴とするものである
た、請求項の発明は、無端移動方向にわたり所定間隔で連続する複数のマークが設けられた無端移動部材と、上記無端移動部材が無端移動するための駆動力を該無端移動部材に伝達するための駆動力伝達手段と、上記駆動力伝達手段の駆動制御を行う駆動制御手段とを備えた画像形成装置において、上記無端移動部材として 上記複数のマークのマーク間隔が予め決められた範囲外となる不連続部分の無端移動方向位置を示す不連続特定マークを有する無端移動部材を用い、上記駆動制御手段として、請求項1、2又の駆動制御装置を用いたことを特徴とするものである。
本発明においては、無端移動部材上に、その無端移動方向にわたり所定間隔で連続するように設けられる複数のマークをマーク検出手段により検出する。この所定間隔は、すべてのマーク間隔が一定であるものに限らず、互いにマーク間隔が周期的に繰り返されるものでもよい。そして、マーク検出手段の出力を用いて、速度・位置制御手段により無端移動部材の速度制御又は位置制御を行う。このとき、マーク検出手段の出力をそのまま用いても、その出力を別の信号や情報に変更したものを用いてもよい。ここで、上述したように、マーク形成を同時に行う無端移動部材の製造時における誤差や、製造後の無端移動部材上へのマーク形成時における誤差等によって、マーク間隔が予め決められた範囲外となる不連続部分が発生する。このような不連続部分が存在すると、速度・位置制御手段による無端移動部材の速度制御又は位置制御が不安定になる。
そこで、本請求項1の駆動制御装置においては、無端移動部材上の複数のマークの間隔が予め決められた範囲外となる不連続部分の無端移動方向位置を示す不連続特定マークを特定マーク検出手段により検出する。そして、その検出結果に基づいて、速度・位置制御手段による無端移動部材の速度制御又は位置制御を変更する。
特に、請求項1の発明によれば、無端移動部材の無端移動方向に沿って上記不連続部分の長さよりも長い距離離れた位置でそれぞれマーク検出を行う複数のマーク検出器をマーク検出手段として用い、これらのマーク検出器のうち上記不連続部分のマーク検出を行っていないマーク検出器の出力を用いて上記速度制御又は位置制御を行う。この構成によれば、不連続部分であってもリアルタイムの検出結果に基づいて、速度・位置制御手段による無端移動部材の速度制御又は位置制御を変更することができる。よって、無端移動部材の全周にわたって、高精度な速度制御が可能となる
また、請求項3の発明によれば、無端移動部材の無端移動方向に沿って上記不連続部分の長さよりも長い距離離れた位置でそれぞれマーク検出を行う複数のマーク検出器をマーク検出手段として用いるとともに、上記速度・位置制御手段に、上記複数のマーク検出器から得られる位相の略一致したそれぞれの出力の論理和を演算する論理和演算手段と、該複数のマーク検出器の出力のうち上記不連続部分のマーク検出を行っているマーク検出器の出力が論理和演算手段で利用されるのを禁止する禁止手段とを設け、上記論理和演算手段により得られる論理和を用いて上記速度制御又は位置制御を行う。この構成によれば、一部のマーク検出器がマークの汚れやマークの不連続部分によってマーク検出ができない場合であっても、速度・位置制御手段に、他のマーク検出器の検出結果が連続して入力される。したがって、速度・位置制御手段による無端移動部材の安定した駆動制御が可能となる。
また、本発明のように不連続特定マークが形成されていない無端移動部材に対しても、不連続部分を検出して速度制御又は位置制御を行うこともできる。例えば、マーク検出手段がマークを検出した後に、連続部分では次のマークが検出されるはずの時間を経過してもマークが検出されないときには、そのマーク検出手段の検出領域には不連続部分が存在していることを検出できる。しかし、この構成では、マーク検出手段の検出領域に不連続部分が入ってから所定時間が経過してからでないと、マーク検出手段の検出領域に不連続部分が存在していることを検出できない。よって、このような検出結果に基づいて不連続部分における速度制御又は位置制御を適宜変更しようとすると、速度制御又は位置制御の変更タイミングにタイムラグが生じる。その結果、不連続部分について適切な速度制御又は位置制御を行うことができない場合がある。これに対し、本請求項の駆動制御装置では、無端移動部材上における不連続部分の無端移動方向位置を示す不連続特定マークの検出結果に基づいて速度制御又は位置制御を適宜変更する。よって、上述したタイムラグが生じることはなく、不連続部分について適切な速度制御又は位置制御を行うことができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を、画像形成装置である電子写真方式のカラーレーザプリンタ(以下、「レーザプリンタ」という。)に適用した実施形態について説明する。
図2は、本実施形態に係るレーザプリンタの概略構成図である。このレーザプリンタは、マゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)、黒(K)の各色の画像を形成するための4組の作像手段1M,1C,1Y,1K(以下、各符号の添字M、C、Y、Kは、それぞれマゼンタ、シアン、イエロー、黒用の部材であることを示す。)が、記録材としての転写材である転写紙の移動方向(図中の矢印A方向)における上流側から順に配置されている。この作像手段1M,1C,1Y,1Kはそれぞれ、潜像担持体としての感光体ドラム11M,11C,11Y,11Kを有する感光体ユニットと、現像ユニットとを備えている。また、各作像手段1M,1C,1Y,1Kの配置は、各感光体ユニット内の感光体ドラムの回転軸が平行になるように且つ転写紙移動方向に所定のピッチで配列するように、設定されている。
【0011】
また、本レーザプリンタは、上記作像手段1M,1C,1Y,1Kのほか、光書込ユニット2、給紙カセット3,4、各感光体ドラム11に対向する転写部に向けて転写紙を搬送する無端移動部材としての転写紙搬送ベルト60を有する転写ユニット6、その転写紙搬送ベルト60に転写紙を供給する一対のローラからなるレジストローラ5、ベルト定着方式の定着ユニット7、排紙トレイ8等を備えている。また、本レーザプリンタは、図示していない手差しトレイ、トナー補給容器、廃トナーボトル、両面・反転ユニット、電源ユニットなども備えている。
【0012】
上記光書込ユニット2は、光源、ポリゴンミラー、f−θレンズ、反射ミラー等を備え、画像データに基づいて各感光体ドラム11M,11C,11Y,11Kの表面にレーザ光を走査しながら照射する。
また、図2中の一点鎖線は、転写紙の搬送経路を示している。給紙カセット3,4から給送された転写紙は、図示しない搬送ガイドによってガイドされながら搬送ローラで搬送され、レジストローラ5が設けられている一時停止位置に送られる。転写紙は、レジストローラ5により所定のタイミングで転写紙搬送ベルト60に供給され、各感光体ドラム11に対向する各転写部を通過するように搬送される。これにより、各作像手段1M,1C,1Y,1Kによって形成された各感光体ドラム11上のトナー像が、転写紙上に順次重ね合わされて転写され、転写紙上にカラー画像が形成される。このカラー画像が形成された転写紙は、定着ユニット7でトナー像が定着された後、排紙トレイ8上に排出される。
【0013】
図3は、上記作像手段1M,1C,1Y,1Kのうち、イエローの作像手段1Yの概略構成を示す拡大図である。他の作像手段1M,1C,1Kについてもそれぞれ同じ構成となっているので、それらの説明は省略する。
図3において、作像手段1Yは、上述したように、感光体ユニット10Y及び現像ユニット20Yを備えている。感光体ユニット10Yは、感光体ドラム11Yのほか、その感光体ドラム表面をクリーニングする感光体クリーニング手段としてのクリーニングブレード13Y、その感光体ドラム表面を一様帯電する帯電ローラ15Y等を備えている。また、感光体ドラム表面に潤滑剤を塗布するとともに、感光体ドラム表面を除電する機能を有する潤滑剤塗布兼除電ブラシローラ12Yも備えている。この潤滑剤塗布兼除電ブラシローラ12Yは、ブラシ部が導電性繊維で構成され、その芯金部には除電バイアスを印加するための図示しない除電用電源が接続されている。
【0014】
上記構成の感光体ユニット10Yにおいて、感光体ドラム11Yの表面は、電圧が印加された帯電ローラ15Yにより一様帯電される。この感光体ドラム11Yの表面に、上記光書込ユニット2で変調及び偏向されたレーザ光が走査されながら照射されると、感光体ドラム11Yの表面に静電潜像が形成される。この感光体ドラム11Y上の静電潜像は、後述の現像ユニット20Yで現像されてイエローのトナー像となる。転写紙搬送ベルト60上の転写紙100が通過する転写部Ptでは、感光体ドラム11Y上のトナー像が転写紙100に転写される。トナー像が転写された後の感光体ドラム11Yの表面は、潤滑剤塗布兼除電ブラシローラ12Yで所定量の潤滑剤が塗布されるとともに除電された後、クリーニングブレード13Yでクリーニングされ、次の静電潜像の形成に備えられる。
【0015】
上記現像ユニット20Yは、上記静電潜像を現像するための現像剤として、磁性キャリア及び負帯電のトナーを含む二成分現像剤を使用している。また、この現像ユニット20Yは、現像ケース21Yの感光体ドラム側の開口から一部露出するように配設された現像剤担持体としての現像ローラ22Yや、搬送スクリュウ23Y,24Y、現像ドクタ25Y、トナー濃度センサ(Tセンサ)26Y、粉体ポンプ27Y等を備えている。
【0016】
図3において、現像ケース21Y内に収容された現像剤は、搬送スクリュウ23Y,24Yで撹拌搬送されることにより摩擦帯電される。そして、現像剤の一部が現像ローラ22Yの表面に担持され、現像ドクタ25Yで層厚が規制された後、感光体ドラム11Yと対向する現像位置に搬送される。現像位置では、現像ローラ22Y上の現像剤中の帯電トナーにより、感光体ドラム11Y上の静電潜像が現像される。現像ケース21Y内の現像剤のトナー濃度は、上記トナー濃度センサ26Yで検出され、必要に応じて粉体ポンプ27Yによりトナーが補給される。
【0017】
図4は、上記転写ユニット6の概略構成図である。この転写ユニット6の転写紙搬送ベルト60の材質としては、例えばPVDF(ポリフッ化ビニリデン)を用いることができる。この転写紙搬送ベルト60は、4つの接地された支持ローラ61、62、63、64により回転自在に張架されている。転写紙移動方向下流側の出口ローラ62は、転写紙搬送ベルト60を摩擦駆動する駆動ローラであり、図示しないベルト駆動モータに接続されている。この出口ローラ62により転写紙搬送ベルト60が矢印方向に回転することによって、各作像手段の感光体ドラム11M,11C,11Y,11Kに対向する各転写部に向けて、転写紙100が担持搬送される。
【0018】
また、各転写部において転写電界を形成する転写電界形成手段として、転写バイアス印加部材67M,67C,67Y,67Kが設けられている。これらの転写バイアス印加部材67M,67C,67Y,67Kは、転写紙搬送ベルト60の裏面に接触するように各感光体ドラム11M,11C,11Y,11Kに対向して、各色のトナー像を転写するための転写ニップを形成している。本実施形態で用いている転写バイアス印加部材67M,67C,67Y,67Kは、マイラ製の固定ブラシからなり、各転写バイアス電源9M,9C,9Y,9Kから、転写バイアスとして上記トナーの帯電極性とは逆極性の正電圧が印加されるように構成されている。この転写バイアス印加部材67M,67C,67Y,67Kを介して印加された転写バイアスにより、転写紙搬送ベルト60に転写電荷が付与され、各転写部において感光体ドラム11M,11C,11Y,11Kの表面と転写紙搬送ベルト60との間に所定強度の転写電界が形成される。
【0019】
また、上記転写ユニット6には、転写紙搬送ベルト60を各感光体ドラム11M,11C,11Y,11Kに押圧するバックアップローラ68M,68C,68Y,68Kが設けられており、各転写部の転写紙移動方向上流側で転写紙搬送ベルト60を感光体ドラム11Yの周面の一部に巻き付けている。これにより、上記転写ニップにおける転写紙100と各感光体ドラムとの接触圧が高められて、各転写部における各トナー像の転写効率が高められる。
【0020】
また、上記転写ユニット6の支持ローラ61との対向部には、転写材吸着用電極部材として、転写紙搬送ベルト60に接触対向するように、静電吸着ローラ65が設けられている。この静電吸着ローラ65は、芯金上に導電性発泡弾性体層が形成されたものである。この弾性体層の材料としては、例えば、固有抵抗率105Ωcmのクロロプレインゴムを用いることができる。この静電吸着ローラ65には、バイアス印加手段として、転写紙吸着用の電源65a及び逆極性用の電源65bから選択的に電圧が印加されるようになっている。転写紙吸着用の電源65aは、定電流制御方式の電源であり、トナーの正規極性とは逆のプラス極性の電荷を転写紙に付与する。本実施形態では、支持ローラ61に流れる電流が、例えば、プラス15μAになるように制御される。この転写紙吸着用の電源65aから電源が供給されている状態の静電吸着65と支持ローラ61との間を通過した転写紙は、転写紙搬送ベルト60上に静電吸着される。また、逆極性用の電源65bは、定電圧制御方式の電源であり、転写紙搬送ベルト60上の正規極性であるマイナスに帯電しているトナーの電荷を増加させたり、プラス帯電している逆極性トナーをマイナス極性に反転させたり、静電吸着ローラ65の表面に付着しているマイナス帯電トナーを転写紙搬送ベルト60の表面に転移させ、静電吸着ローラ65をクリーニングしたりするためのものである。本実施形態では、吸着ローラ65に対して、例えば、マイナス2kVの定電圧を印加する。なお、静電吸着ローラ65へ印加する電圧の切り替えは図示を省略した本体制御部により行われる。
【0021】
また、上記転写ユニット6において、転写紙搬送ベルト60の2つの支持ローラ63,64により張架されている部位には、転写紙搬送ベルト60の表面に付着した付着トナーを除去するバイアスクリーニング方式のクリーニング手段としてのバイアスクリーナー70が配設されている。このバイアスクリーナー70は、転写紙搬送ベルト60の表面に対向配置された導電性のクリーニングローラ71と、クリーニングローラ71と転写紙搬送ベルト60との間に負極性の帯電トナーをクリーニングローラ71側に移動させるためのバイアスをクリーニングローラ71に印加してクリーニング電界を形成するためのクリーニングバイアス印加手段としてのクリーニングバイアス電源75が設けられている。また、クリーニングローラ71に付着したトナーをそのローラ表面から除去するための除去ブレード72も設けられている。この除去ブレード72は、クリーニングローラ71の軸方向における画像領域幅よりも僅かに広い当接幅で、クリーニングローラ71の表面に当接するように配置されている。また、転写紙搬送ベルト60を介してクリーニングローラ71に対向する位置には、ばね74により付勢された対向ローラ73が設けられている。
【0022】
次に、転写紙搬送ベルト60の速度制御の一例について説明する。
図5は、本実施形態における転写紙搬送ベルト60を駆動するベルト駆動装置80の概略構成図である。このベルト駆動装置80は、駆動ローラ62を駆動させる駆動力を発生させる駆動力伝達手段としてのベルト駆動モータ81と、速度・位置制御手段としての速度制御装置82と、不連続マーク検出手段としての不連続マークセンサ83を備えている。このうち、速度制御装置82、不連続マークセンサ83及び後述するマークセンサ90により、駆動制御手段としての駆動制御部が構成されている。
本実施形態では、ベルト駆動モータ81としてステッピングモータを利用している。ベルト駆動モータ81からの駆動力は、駆動ローラ62の軸方向外方に同軸に設けられる減速器84を介して駆動ローラ62に伝達される。これにより、駆動ローラ62は回転駆動し、転写紙搬送ベルト60を摩擦により図中矢印Aの方向に無端移動させる。
【0023】
また、転写紙搬送ベルト60の無端移動方向側部には、その無端移動方向にわたり一定間隔で連続するように複数のマーク85が設けられている。また、この複数のマーク85が転写紙搬送ベルト60の無端移動に伴って通過する領域に対向するように、マーク検出手段としてのマークセンサ90が設けられている。このマークセンサ90は、マークが検出されたときにマーク検出信号を出力し、このマーク検出信号は、速度制御装置82に送られる。
【0024】
図6は、マークセンサ90の概略構成図である。本実施形態では、転写紙搬送ベルト60上のマーク85を検出するためのマークセンサ90として、反射型の光学センサを用いている。本実施形態のマークセンサ90の基本構成は、LED(発光ダイオード)からなる光源91と、フォトディテクタ92とが構成されている。光源91からの光は、レンズ93により集光された後、転写紙搬送ベルト60上のマーク85が通過する領域に照射される。そして、照射された光がマーク85に反射すると、その反射光がレンズ94を通って集光された後、フォトディテクタ92に受光される。フォトディテクタ92でマーク85からの反射光が受光されたとき、マークセンサ90からはパルス信号であるマーク検出信号が出力される。なお、マーク検出手段としては、転写紙搬送ベルト60上に設けられるマーク85を検出できるものであれば、本実施形態で使用する反射型の光学センサに限られない。例えば、転写紙搬送ベルト60上のマーク85を磁気パターンで形成した場合には、磁気ヘッドをマーク検出手段として用いることができる。また、マーク85としてエンコーダ用のリニアスケールを用いる場合には、エンコーダヘッドをマーク検出手段として用いることができる。
【0025】
図1は、速度制御装置82の概略構成を示す説明図である。この速度制御装置82は、PLL回路を備えたPLLコントローラから構成されている。この速度制御装置82には、基準信号である基準クロックが入力されるクロック端子と、比較信号であるマーク検出信号が入力される比較信号端子が設けられている。速度制御装置82は、マーク検出信号の位相と基準クロックの位相とを比較し、これらの位相を一致させるための駆動信号をモータOUT端子からベルト駆動モータ81に出力する。また、速度制御装置82には、後述する不連続マークセンサ83から出力される不連続検知信号が入力される制御ON/OFF端子とが設けられている。この制御ON/OFF端子に不連続検知信号が入力されている間は、PLL動作が停止する。PLL動作を停止させる具体的方法としては、例えば、制御ON/OFF端子に不連続検知信号が入力されたとき、比較信号端子の入力信号を、マーク検出信号から基準クロックに切り換える方法が挙げられる。この場合、マークセンサ90からのフィードバック制御を行われず、PLL動作が停止する。しかも、比較信号と基準クロックは同位相であるため、位相が一致しているときの駆動信号がモータOUT端子からベルト駆動モータ81に出力される。
【0026】
ここで、転写紙搬送ベルト60上のマーク間隔は、本レーザプリンタで形成する画像における主走査方向と直交する副走査方向の解像度にほぼ等しいか、又はその整数比にほぼ等しくなるように設定するのが望ましい。この場合、速度制御装置82に入力される基準信号として、例えば、光書込ユニット2がポリゴンスキャナであればそのポリゴンの同期信号を利用することができる。これにより、ポリゴンが1ラインを走査するごとに、マークセンサ90から1パルスのマーク検出信号が出力されることになり、転写紙上の画像位置の誤差を非常に少なくすることが可能となる。このように感光体ドラム1への露光周期と同期をとって速度制御を行うことで、精密な画像の位置決めが可能となる。
【0027】
図7は、転写紙搬送ベルト60上のマーク85が設けられた部分の拡大図である。本実施形態では、反射型光学センサからなるマークセンサ90でマーク検出を行うので、転写紙搬送ベルト60上のマーク85に反射型の光学パターンを用い、転写紙搬送ベルト60の表面を黒色にしている。また、転写紙搬送ベルト60へのマーク形成方法には、一定間隔で連続する複数のマーク85が形成された可撓性部材としての樹脂テープ86を、転写紙搬送ベルト60の無端移動方向一側部に接着する方法を採用している。この方法のほか、転写紙搬送ベルト60の成形時にマーク85を同時に成形する方法もあるが、この方法ではベルト全体の収縮率が不均一であるときにマーク間隔を一定にできない。しかし、本実施形態が採用する接着方法によれば、転写紙搬送ベルト60の収縮率が不均一であっても、これがマークの間隔に影響することはなく、マーク間隔を一定にできる。しかし、転写紙搬送ベルト60の製造時の公差により、製造される転写紙搬送ベルト60の間でベルト周長が異なる。その結果、図示のように、製造される転写紙搬送ベルト60の間で、樹脂テープ86の両端をつなぐ部分に互いに異なる間隔の継ぎ目が発生する。この継ぎ目部分は、通常、マーク間隔が一定である連続部分よりも広いマーク間隔となるようにするので、その継ぎ目部分には、連続部分とは異なるマーク間隔が形成される不連続部分が存在することになる。そのため、マークセンサ90が連続部分の検出を行っているときにはマーク検出信号がもつパルス間隔はほぼ一定であるが、不連続部分の検出を行っているときにはそのパルス周期が大きくズレる。しかも、そのズレ量は、誤差の範囲を越える大きなものである。
【0028】
図8は、速度制御装置82に入力される基準クロック及びマーク検出信号と、PLLコントローラ内部で得られる位相差を示すグラフである。上述のように不連続部分ではパルス周期が大きくズレる結果、図示のように、その不連続部分に対応するマーク検出信号中の切れ目部分では、基準クロックとの位相が大きくズレる。このように大きな位相ズレが生じると、そのマーク検出信号を比較信号としてPLL制御を行う速度制御装置82の動作が不安定になり、転写紙搬送ベルト60を安定して駆動制御することができない。そこで、本実施形態では、特定マーク検出手段としての不連続マークセンサ83により、上記不連続部分を検出し、その検出結果に応じて転写紙搬送ベルト60の速度制御を行う構成となっている。
【0029】
図7に示すように、転写紙搬送ベルト60上に設けられる連続する複数のマーク85の継ぎ目部分のベルト内方側部には、不連続特定マーク89が設けられている。そして、その不連続特定マーク89が転写紙搬送ベルト60の無端移動に伴って通過する領域に対向するように、不連続マークセンサ83が設けられている。この不連続マークセンサ83は、不連続特定マーク89が検出されたときに不連続検知信号を出力し、この不連続検知信号は、上述した速度制御装置82の制御ON/OFF端子に入力される。不連続マークセンサ83は、上記マークセンサ90と同様の構成を有する反射型の光学センサである。なお、特定マーク検出手段としては、転写紙搬送ベルト60上に設けられる不連続特定マーク89を検出できるものであれば、本実施形態で使用する反射型の光学センサに限らず、上記マークセンサ90と同様のものを利用できる。しかし、上記マークセンサ90のように複数のマーク85を連続して検出するようなものではないので、このような連続したマークを検出するのに適したエンコーダヘッド等よりも安価なものを利用することができる。
【0030】
上記不連続検知信号が制御ON/OFF端子に入力されると、速度制御装置82は、マークセンサ90の検出領域に不連続部分が存在することを把握することができる。そして、速度制御装置82は、上述したように、不連続検知信号が入力されている間はPLL動作が停止し、位相ずれがない場合の駆動信号をベルト駆動モータ81に出力するように動作する。このように、本実施形態の速度制御装置82は、PLL動作が不安定になる原因である不連続部分のマーク検出信号を利用しないため、転写紙搬送ベルト60の安定した駆動制御が可能となる。
【0031】
なお、本実施形態では、不連続特定マーク89の無端移動方向の長さは、上記継ぎ目部分を挟んで隣り合うマーク85の間隔よりも長く設定している。これは、不連続マークセンサ83の検出精度や、不連続特定マーク89が検出されてから不連続検知信号が速度制御装置82の制御ON/OFF端子に入力されるまでのタイムラグ等を考慮したものである。これにより、本実施形態では、マークセンサ90の検出領域に不連続部分が入り込む直前にPLL動作を停止させ、その不連続部分が検出領域を抜けた後にPLL動作を再開させることができる。すなわち、本実施形態によれば、マークセンサ90の検出領域に不連続部分が存在している間は確実にPLL動作を停止させることができる。
【0032】
なお、不連続特定マーク89の配置は、複数のマーク85の継ぎ目部分のベルト内方側部でなくてもよく、例えば複数のマーク85の継ぎ目部分のベルト外方側部であってもよい。この場合、不連続特定マーク89は、ベルト側部外方に突出するように設けられるため、後述するように反射型の光学センサよりも有利な透過型の光学センサにより不連続特定マーク89の検出を行うことができる。また、不連続特定マーク89は、複数のマーク85の継ぎ目部分の側部でなく、その継ぎ目部分よりも無端移動方向に前後した位置に配置されてもよい。この場合、転写紙搬送ベルト60の速度制御の目標値である無端移動速度は予め決まっているので、その速度に応じてマークセンサ90の検出領域に不連続部分が存在する時期を特定することができる。
【0033】
また、本実施形態ではPLLコントローラを利用した速度制御装置82を用いた場合について説明したが、制御動作のON/OFFを外部信号でコントロールできるものであれば、そのPLLコントローラの代えて用いることもできる。例えば、上記比較信号に応じて、プログラムに従った処理を実行し、適した駆動信号をベルト駆動モータ81に出力する信号処理部を備えた速度制御装置を用いることもできる。この場合の処理の例としては、上記比較信号から転写紙搬送ベルト60の速度を演算し、その演算結果に応じて目標値となる速度で転写紙搬送ベルト60を駆動させるのに必要な駆動信号を生成するものが挙げられる。この構成によれば、このような信号処理を行う論理回路をハードウェアで構成する場合に比べて、その信号処理の変更に柔軟に対応することができる。
【0034】
〔変形例1〕
次に、上記実施形態における駆動制御部の一変形例(以下、本変形例を「変形例1」という。)について説明する。
図9は、本変形例1に係る駆動制御部の概略構成を示す説明図である。この駆動制御部は、上記マークセンサ90と、上記不連続マークセンサ83と、ダミー信号生成手段としてのダミー信号生成部187と、速度・位置制御手段としての速度制御装置182とから構成されている。また、速度制御装置182は、上記実施形態の速度制御装置82と同様のPLLコントローラ183と、信号切換手段としての信号弁別回路184を備えている。なお、本変形例の場合、PLLコントローラ183は、外部信号で制御動作のON/OFFがコントロールできるものである必要はない。よって、上記実施形態の場合に比べて簡便な構成のコントローラを利用することができ、低コスト化が図ることが可能となる。
【0035】
ダミー信号生成部187は、マーク連続部分に対応するマーク検出信号における信号間隔の平均値と同じ周期で繰り返されるダミー信号を生成する。本変形例におけるダミー信号生成部187は、マークセンサ90の検出結果に基づいてマーク連続部分に対応するマーク検出信号を複数サンプリングし、そのサンプリング間隔の平均値を算出して、その平均値をもつ周期で繰り返されるダミー信号を生成する。このような動作を実行するダミー信号生成部187は、例えば、周波数カウンタ、メモリ、演算回路及びパルス発振器を組み合わせて構成することができる。
なお、制御対象である転写紙搬送ベルト60は、一定速度で無端移動するものである。よって、その一定速度に対応するマーク検出信号と同じ周期の繰り返しパルスを生成するパルス発振器を予め用意しておけば、サンプリング処理や平均値算出処理を行わなくてもダミー信号を得ることができる。この場合、ダミー信号生成部187の構成を簡単化することができる。
【0036】
信号弁別回路184は、マークセンサ90からのマーク検出信号とダミー信号生成部187からのダミー信号とを弁別する回路であり、弁別された信号をPLLコントローラ183に送るものである。この弁別の判断には、上記不連続マークセンサ83からの不連続検知信号を利用する。具体的には、信号弁別回路184は、不連続検知信号の入力がOFFのときにはマーク検出信号を出力し、不連続検知信号の入力がONのときにはダミー信号を出力するように動作する。
【0037】
図10は、信号弁別回路184の入力信号及び出力信号の波形を示すグラフである。図示のように、不連続検知信号がOFFのときには、信号弁別回路184からマーク検出信号が出力される。そして、上記実施形態と同様にして不連続マークセンサ83から不連続検知信号が出力されると、これを受けた信号弁別回路184は、その出力をマーク検出信号からダミー信号に切り換える。不連続検知信号がONの間、信号弁別回路184は、マーク検出信号の代わりにダミー信号を出力する。その後、不連続検知信号が再びOFFになると、信号弁別回路184は、マークセンサ90からのマーク検出信号を出力する。このような動作により、信号弁別回路184からは、図示のように、連続した繰り返しパルス信号が出力される。よって、PLLコントローラ183には、周期に大きな変動のない繰り返しパルス信号が比較信号として入力される。したがって、PLLコントローラ183による転写紙搬送ベルト60の安定した駆動制御が可能となる。
【0038】
〔変形例2〕
次に、上記実施形態における駆動制御部の他の変形例(以下、本変形例を「変形例2」という。)について説明する。
上記変形例1に係る駆動制御部においては、マーク検出信号とダミー信号の位相同期をとっていない。そのため、これらの位相がズレていると、信号弁別回路184による信号切換タイミングによっては、PLLコントローラ183に入力される繰り返しパルス信号の位相が一時的に飛ぶなどして、基準クロックの位相から大きくズレるおそれがある。本変形例2においては、以下の構成により、PLLコントローラ183に入力される繰り返しパルス信号の位相飛びを抑制する。
【0039】
図11は、本変形例2に係る駆動制御部の概略構成を示す説明図である。この駆動制御部は、上記マークセンサ90と、上記不連続マークセンサ83と、速度・位置制御手段としての速度制御装置282とから構成されている。また、速度制御装置282は、上記変形例1の速度制御装置182が備えているものと同じPLLコントローラ183と、速度演算部287と、速度/周波数変換部288と、周波数信号発生手段としてのパルス信号発生部284とを備えている。
【0040】
速度演算部287は、マーク連続部分に対応するマーク検出信号に基づいて転写紙搬送ベルト60の無端移動速度を演算し、その演算結果を速度/周波数変換部288に出力するものである。このような速度演算部287は、例えば、マークセンサ90からのマーク検出信号がもつパルスの間隔をクロックによって計測するカウンタ回路などで構成することができる。この構成を採用する場合、クロックとしてマーク検出信号のパルス周波数よりも高い周波数のクロックを用いる。そして、マーク検出信号のパルスエッジをゲート信号に使用し、次のパルスエッジが発生するまでの間のクロックのパルス数をカウントする。その後、このようにして得られたカウントデータを、次のパルスエッジでラッチし、出力レジスタに記録した後、リセットする。このようにして出力レジスタに格納されたカウントデータは、マーク検出信号の信号間隔であるパルス幅を示すものである。よって、そのカウントデータと転写紙搬送ベルト60上のマーク間隔とから、転写紙搬送ベルト60の速度データを算出することができる。
【0041】
速度/周波数変換部288は、速度演算部287により算出した速度データを、上記速度制御装置282が利用する周波数(マークセンサ90の出力内容)を示す周波数データに変換するものである。このときの変換係数は、速度制御装置282が必要とする周波数に応じて決定される。
なお、速度制御装置282が必要とする周波数がマーク検出信号のパルス周波数と同じである場合、マーク検出信号のパルス幅を示すデータを速度演算部287から出力する。そして、速度/周波数変換部288では、そのパルス幅の逆数を演算し、これを周波数データとして速度制御装置282に出力する。
【0042】
パルス信号発生部284は、上記速度/周波数変換部288から受け取った周波数データが示す周波数をもつ繰り返しパルス信号を発生させるパルス発振器284aを備えている。このパルス発振器284aで発生した繰り返しパルス信号は、比較信号としてPLLコントローラ183に送られる。また、パルス信号発生部284は、マークセンサ90の出力内容を記憶する記憶手段としてのメモリ284bと、データ弁別部284cとを備えている。メモリ284bは、速度/周波数変換部288から送られてくる周波数データのうち、マーク連続部分に対応するものを記憶する。データ弁別部284cは、速度/周波数変換部288からの周波数データと、メモリに記憶された周波数データとを弁別し、いずれか一方の周波数データをパルス発振器284aに送るものである。この弁別の判断には、上記不連続マークセンサ83からの不連続検知信号を利用する。具体的には、データ弁別部284cは、不連続検知信号がOFFのときには速度/周波数変換部288からの周波数データを出力し、不連続検知信号がONのときにはメモリから読み出した周波数データを出力するように動作する。
【0043】
本変形例においては、不連続マークセンサ83からの不連続検知信号により切り換えるものが、パルス発振器284aで出力する繰り返しパルス信号の周波数を決定するための周波数データである。すなわち、上記変形例1の場合とは異なり、PLLコントローラ183に入力される比較信号を直接切り換えるものではない。しかも、データ弁別部284cは、マーク不連続部分に対して検出が行われているときには、マーク連続部分に対応する周波数データをメモリ284bから読み出し、これをパルス発振器284aに送る。よって、パルス発振器284aには、大きなズレのない周波数データが入力される。そして、パルス発振器284aは、そのような周波数データに応じて周波数が変更される繰り返しパルス信号を連続供給することができる。したがって、パルス発振器284aは、安定した周波数をもつ繰り返しパルス信号を切れ目なく連続してPLLコントローラ284aに送ることができる。以上より、本変形例2によれば、PLLコントローラ183に入力される繰り返しパルス信号の位相飛びを抑制でき、より安定した駆動制御を実現できる。
【0044】
〔変形例3〕
次に、上記実施形態における駆動制御部の更に他の変形例(以下、本変形例を「変形例3」という。)について説明する。
図12は、本変形例3に係る駆動制御部の概略構成を示す説明図である。この駆動制御部は、上記マークセンサ90と、上記不連続マークセンサ83と、速度・位置制御手段としての速度制御装置382とから構成されている。また、速度制御装置282は、マークセンサ90から得られるフィードバック信号に応じた駆動信号をベルト駆動モータ81に出力するコントローラ383と、F/V変換回路388と、電圧制御部384とを備えている。
【0045】
本変形例3で用いるコントローラ383は、基準信号である基準電圧が入力される基準信号端子と、上記電圧制御部384からの電圧信号が比較信号として入力される比較信号端子が設けられている。この基準電圧は、目標値となる転写紙搬送ベルト60の無端移動速度に対応するものに設定される。このコントローラ383は、その基準電圧と電圧制御部384からの電圧信号とを比較し、これらの電圧を一致させるための駆動信号をモータOUT端子からベルト駆動モータ81に出力する。
【0046】
F/V変換回路388は、一般的なF/V変換器を利用することができる。F/V変換回路388は、マークセンサ90からの繰り返しパルス信号であるマーク検出信号が入力される。この繰り返しパルス信号は、F/V変換回路388により所定の変換係数に応じて電圧信号に変換される。この電圧信号は、上記電圧制御部384に送られる。なお、この電圧信号は、マークセンサ90から出力されるマーク検出信号のパルス間隔に基づいて得られるものであるため、上記変換係数kを使えば、下記の数1に示す式から速度データを得ることも可能である。この式において、EはF/V変換回路388の出力、Pは転写紙搬送ベルト60上のマーク間隔をそれぞれ示す。
【数1】
速度[m/s] = P[m]×E[V]/k[V/Hz]
【0047】
電圧制御部384は、記憶手段としてのメモリ384bと、上記変形例1における信号弁別回路184と同様の構成をもつ信号弁別部384cとを備えている。メモリ384bは、F/V変換回路388から受け取った電圧信号を所定時間だけ保持した後にその電圧信号を出力する。このときの所定時間は、マーク不連続部分がマークセンサ90の検出領域を通過するのにかかる時間よりも長い時間に設定する。このメモリ384bとしては、一般的なディレイ回路を利用することができる。信号弁別部384cは、F/V変換回路388からの電圧信号と、メモリ384cからの電圧信号とを弁別し、いずれか一方の電圧信号をコントローラ383に出力するものである。この弁別の判断には、上記不連続マークセンサ83からの不連続検知信号を利用する。具体的には、信号弁別部384cは、不連続検知信号がOFFのときにはF/V変換回路388からの電圧信号を出力し、不連続検知信号がONのときにはメモリ384bからの電圧信号を出力するように動作する。
【0048】
本変形例においては、不連続マークセンサ83からの不連続検知信号により、コントローラ383に入力される信号を直接切り換えるものであるが、その信号は電圧信号である。PLLコントローラ182に入力される比較信号として繰り返しパルス信号等の周波数信号を利用する場合、不連続部分の速度制御のための信号と連続部分の速度制御のための信号とを切り換えるときには、切り換え前と後の信号間で周波数と位相の2つのパラメータを同程度のものにする必要がある。これに対し、本変形例のような電圧信号を利用する場合には、その切り換え前と後の信号間で電圧値のパラメータについてのみを同程度のものさせればよい。したがって、電圧信号を利用する場合には、周波数信号を用いる場合に比べて不連続部分の速度制御のための信号の設定等が容易となる。
【0049】
〔変形例4〕
次に、上記実施形態における駆動制御部の更に他の変形例(以下、本変形例を「変形例4」という。)について説明する。
図13は、本変形例4におけるマークセンサ490a,490bの配置を示す外観図である。本変形例では、図示のように、マーク検出手段を構成するマーク検出器として2つのマークセンサ490a,490bを利用し、転写紙搬送ベルト60の駆動制御を行う。なお、本変形例では、説明の簡略化のためマークセンサが2つの場合について説明するが、3つ以上のマークセンサを利用することも可能である。2つのマークセンサ490a,490bの離間距離は、なるべく短い方が好ましい。また、各マークセンサ490a,490bから出力されるマーク検出信号のパルス位相が互いに一致するような位置にそれぞれ配置するのが望ましい。
【0050】
図14は、本変形例4に係る駆動制御部の概略構成を示す説明図である。この駆動制御部は、2つのマークセンサ490a,490bと、上記不連続マークセンサ83と、速度・位置制御手段としての速度制御装置482とから構成されている。また、速度制御装置482は、上記変形例1の速度制御装置182が備えているものと同じPLLコントローラ183と、信号選択回路484とを備えている。
【0051】
信号選択回路484は、2つのマークセンサ490a,490bから送られてくるいずれか一方のマーク検出信号を選択する回路であり、選択された信号をPLLコントローラ183に送るものである。この選択の判断には、上記不連続マークセンサ83からの不連続検知信号を利用する。ここで、不連続マークセンサ83は、転写紙搬送ベルト60の無端移動方向Aの上流側に配置されるマークセンサ490bと同じ無端移動方向位置に配置されている。したがって、不連続マークセンサ83は、上流側のマークセンサ490bの検出領域に不連続部分が存在している間、不連続検知信号を出力する。そして、信号選択回路484は、不連続検知信号の入力がOFFのときには上流側のマークセンサ490bからのマーク検出信号を出力し、不連続検知信号の入力がONのときには下流側のマークセンサ490aからのマーク検出信号を出力する。
【0052】
図15は、信号選択回路484の入力信号及び出力信号の波形を示すグラフである。図示のように、不連続検知信号がOFFのときには、上流側のマークセンサ490bからのマーク検出信号が信号選択回路484から出力される。そして、不連続マークセンサ83から不連続検知信号が出力されると、これを受けた信号選択回路484は、その出力を下流側のマークセンサ490aからのマーク検出信号に切り換える。不連続検知信号がONの間、信号選択回路484は、下流側のマークセンサ490aからのマーク検出信号を出力する。その後、不連続検知信号が再びOFFになると、信号選択回路484は、上流側のマークセンサ490bからのマーク検出信号を出力する。このような動作により、信号選択回路484からは、図示のように、連続した繰り返しパルス信号が出力される。よって、PLLコントローラ183には、周期に大きな変動のない繰り返しパルス信号が比較信号として入力される。したがって、PLLコントローラ183による転写紙搬送ベルト60の安定した駆動制御が可能となる。
しかも、本変形例においては、不連続部分であっても、上述した変形例1〜3の場合と異なり、リアルタイムのマーク検出信号をPLLコントローラ183にフィードバックすることができる。よって、転写紙搬送ベルト60の全周にわたって、より高精度な速度制御が可能となる。
【0053】
〔変形例5〕
次に、上記変形例4の場合と同様に2つのマークセンサ490a,490bからのマーク検出信号を用いる駆動制御部の他の変形例(以下、本変形例を「変形例5」という。)について説明する。
上記変形例4に係る駆動制御部においては、2つのマークセンサ490a,490bの離間距離を適切に設定して、各マークセンサ490a,490bからのマーク検出信号の位相がズレないようにしている。しかし、位相ズレがなくなるようにマークセンサ490a,490bの配置を調節するのは、マーク検出信号のパルス周期が短い場合には困難となる。これらのマーク検出信号の位相がズレていると、PLLコントローラ183に入力される繰り返しパルス信号の位相が一時的に飛ぶなどして、比較信号の位相が基準クロックの位相から大きくズレるおそれがある。本変形例5においては、以下の構成により、PLLコントローラ183に入力される繰り返しパルス信号の位相飛びを抑制する。
【0054】
図16は、本変形例5に係る駆動制御部の概略構成を示す説明図である。この駆動制御部は、上記変形例4の駆動制御部の構成に加えて、位相比較手段としての位相比較器587と、位相補正手段としてのディレイ回路588とを備えている。下流側のマークセンサ490aからのマーク検出信号は、上記信号選択回路484とともに、位相比較器587にも送られる。また、上流側のマークセンサ490bからのマーク検出信号は、位相比較器587とディレイ回路588に送られる。
【0055】
図17は、本変形例5の駆動制御部における各点の信号波形を示すグラフである。2つのマークセンサ490a,490bの配置調整を行わない場合、各マークセンサから出力されるマーク検出信号は、図示のように、互いに位相がズレて出力されることがある。このように位相がズレているマーク検出信号を、上記変形例4のようにそのまま信号選択回路484に入力して切換動作を行うと、その切り換えタイミングで、その位相差分だけPLLコントローラ183による速度制御に誤差が生じる。よって、高精度な速度制御を行うことができなくなる。そこで、本変形例5では、各マークセンサ490a,490bからのマーク検出信号を、位相比較器587に入力して位相差を検出した後、その検出結果をディレイ回路588に入力する。そして、このディレイ回路588において、下流側のマークセンサ490aのマーク検出信号の位相を、上記位相差分だけ遅らせた後、その信号を信号選択回路484に入力する。これにより、信号選択回路484に入力される各マークセンサ490a,490bからのマーク検出信号の位相差は、図示のように一致したものとなる。
【0056】
そして、信号選択回路484は、上記変形例4の場合と同様に、不連続検知信号がOFFのときには上流側のマークセンサ490bから直接送られるマーク検出信号を出力する。一方、不連続検知信号がONのときには、上流側のマークセンサ490bからディレイ回路588を通じて送られるマーク検出信号を出力する。このような動作により、信号選択回路484からは、図示のように、位相が揃っている連続した繰り返しパルス信号が出力される。よって、PLLコントローラ183には、位相飛びのない繰り返しパルス信号が連続して入力される。したがって、PLLコントローラ183による転写紙搬送ベルト60のより安定した駆動制御が可能となる。
【0057】
〔変形例6〕
次に、上記変形例4及び5の場合と同様に2つのマークセンサ490a,490bからのマーク検出信号を用いる駆動制御部の更に他の変形例(以下、本変形例を「変形例6」という。)について説明する。
転写紙搬送ベルト60上のマークがトナー等の付着物により汚れると、マークセンサによるマーク検出が不安定になり、速度制御が不安定になる。上記変形例4及び5の場合であっても、2つのマークセンサ490a,490bのうちの一方からのマーク検出信号しかPLLコントローラ183にフィードバックしないため同様である。本変形例6においては、以下の構成により、マークが付着物により汚れていても、安定した速度制御を実現する。
【0058】
図18は、本変形例6に係る駆動制御部の概略構成を示す説明図である。この駆動制御部は、上記変形例4の駆動制御部の構成中、信号選択回路484に加えて、論理和演算手段としてのOR回路684と、禁止手段としてのゲート回路687と、ディレイ回路688とを備えている。各マークセンサ490aからのマーク検出信号は、ゲート回路687を通じてOR回路684に入力される。また、上記不連続マークセンサ83からの不連続検知信号は、上流側のマークセンサ490bのゲート回路687bに直接入力されるとともに、下流側のマークセンサ490aのゲート回路687aにディレイ回路688を通じて入力される。
【0059】
OR回路684は、位相がほぼ一致している2つのマーク検出信号の論理和を演算して出力するので、一方のマークセンサの検出領域に不連続部分が存在する場合であっても、他方のマークセンサからのマーク検出信号を出力する。このような動作により、OR回路684からは、連続した繰り返しパルス信号が出力される。よって、PLLコントローラ183には、位相飛びのない繰り返しパルス信号が連続して入力される。したがって、PLLコントローラ183による転写紙搬送ベルト60のより安定した駆動制御が可能となる。しかも、一部のマークが付着物により汚れていて、そのマークを一方のマークセンサが検出ができなくても、他方のマークセンサが付着物により汚れていないマークを検出し、そのマーク検出信号がPLLコントローラ183に入力される。したがって、マークが付着物により汚れていても、安定した速度制御が可能となる。
【0060】
ここで、マークセンサ490a,490bが不連続部分を検出するときに得られるマーク検出信号は不安定である。そのため、各マークセンサ490a,490bのマーク検出信号をそのままOR回路684に入力すると、PLLコントローラ183による速度制御が不安定になる。そこで、本変形例では、マークセンサ490a,490bの検出領域に不連続部分が存在する間のマーク検出信号がOR回路684に入力されるのを適切に阻止している。具体的に説明すると、ゲート回路687a,687bは、不連続検知信号が入力されると、マークセンサ490a,490bからのマーク検出信号の通過を禁止する。また、ディレイ回路688は、不連続検知信号が下流側のマークセンサ490aのゲート回路687aに入力されるタイミングを、上流側のマークセンサ490bのゲート回路687bに入力されるタイミングよりも所定時間だけ遅らせる。この所定時間は、転写紙搬送ベルト60上の不連続部分が上流側のマークセンサ490bの検出領域を通過してから下流側のマークセンサ490aの検出領域に入るまでの時間に設定される。このように遅らせることで、マークセンサ490a,490bの検出領域に不連続部分が存在する間のマーク検出信号がOR回路684に入力されるのを適切に阻止することができる。
【0061】
〔変形例7〕
次に、上記不連続マークセンサの配置の一変形例(以下、本変形例を「変形例7」という。)について説明する。
上記実施形態並びに変形例1〜7においては、転写紙搬送ベルト60上のマークの不連続部分を検出するために、その不連続部分のベルト内方側部に不連続特定マーク89を設けた。以下、本変形例7では、転写紙搬送ベルト60上のマークの不連続部分に不連続特定マークを設ける場合について説明する。
【0062】
図19は、本変形例7における不連続特定マーク785の一例を示す説明図である。本変形例では、転写紙搬送ベルト60上に接着されるマークが形成された樹脂テープ86の先端と後端とを継ぎ目部分に、複数の不連続特定マーク789が形成されたテープを接着している。この不連続特定マーク789は、樹脂テープ86上のマーク85と同様に反射型の光学パターンで構成されている。不連続特定マーク789のマーク間隔は、樹脂テープ86上に形成されたマーク連続部分のマーク間隔よりも短いものである。
【0063】
図20は、本変形例7における転写紙搬送ベルト60上の不連続特定マーク785が設けられた部分の拡大図である。本変形例では、連続部分のマークを検出するためのマークセンサとは別に、不連続特定マーク785を検出するためのマークセンサが別途設けられていない。すなわち、本変形例では、マーク検出手段と特定マーク検出手段は、単一のマークセンサ790で構成されている。不連続特定マーク789のマーク間隔は、マーク連続部分のマーク間隔よりも短いので、マークセンサ790から出力されるマーク検出信号のパルス周期を判断すれば、不連続特定マーク789を検出することができる。
【0064】
図21は、本変形例7における不連続特定マーク789を検出するための不連続マーク検知回路783の概略構成を示す説明図である。この不連続マーク検知回路783は、一般的なカウンタ回路を備え、ベースクロックが入力されるSource端子と、マーク検出信号が入力されるGate端子及びReset端子が設けられている。ベースクロックは、不連続特定マーク789に対応するマーク検出信号のパルス周期よりもずっと短い周期の繰り返しパルス信号である。不連続マーク検知回路83は、ベースクロックが入力されるごとにカウントデータを加算していく。そして、そのカウントデータは、Gate端子にマーク検出信号が入力されている間に最初に入力されるベースクロックの立ち上がりタイミングでリセットされる。また、不連続マーク検知回路83には、予め決められたしきい値データが入力されるData端子が設けられている。このしきい値データは、転写紙搬送ベルト60上における不連続特定マーク789の対応部分においてカウントされるカウントデータの最大値よりも大きく、かつ、転写紙搬送ベルト60上におけるマーク85の連続部分においてカウントされるカウントデータの最小値よりも小さい値に設定されている。したがって、不連続特定マーク789の対応部分では、カウントデータの値がしきい値に達しないままリセットされるが、マーク85の連続部分では、カウントデータの値がしきい値に達した後にリセットされる。そして、不連続マーク検知回路783は、カウントデータの値がしきい値に達しないままリセットされたときに、CarryOut端子から不連続検知信号を出力する。
【0065】
図22は、本変形例7における駆動制御部の概略構成を示す説明図である。本変形例における駆動制御部は、上記実施形態で用いた速度制御装置82と同じPLLコントローラを利用している。図示のように、マークセンサ790から出力されるマーク検出信号は、PLLコントローラ82の比較信号端子と、上記不連続マーク検知回路783に入力される。そして、不連続マーク検知回路783から出力される不連続検知信号は、PLLコントローラ82の制御ON/OFF端子に入力される。これにより、PLLコントローラ82のPLL動作が停止し、位相ずれがない場合の駆動信号をベルト駆動モータ81に出力するように動作する。
【0066】
なお、本変形例では、単一のマークセンサ790を、特定マーク検出手段とマーク検出手段とで共用する構成について説明したが、互いに異なるマークセンサを用いるた構成としてもよい。また、不連続特定マーク789のマーク間隔は、樹脂テープ86上のマーク85の連続部分のマーク間隔よりも十分に短いものであれば、不連続特定マーク789を検出できる。よって、不連続特定マーク789のマーク間隔にはあまり高い精度を必要としないので、不連続特定マーク789は樹脂テープ86上のマーク85よりも安易に形成することができる。
【0067】
また、本変形例7には、次のような効果もある。すなわち、樹脂テープ86が接着される転写紙搬送ベルト60は、屈曲、延伸が繰り返されるため、経時使用によりひび割れが生じるおそれがる。このひび割れはベルト側部で発生しやすいが、樹脂テープ86がベルト側部を補強する役割を果たすため、経時使用によるひび割れが生じにくくなる。しかし、上述した実施形態並びに変形例1〜6では、樹脂テープ86の継ぎ目部分にはベルトを補強する部材が存在しないため、経時使用により継ぎ目部分でひび割れが生じ得る。これに対し、本変形例7では、その継ぎ目部分を埋めるように、不連続特定マーク789が形成されたテープが接着されている。これにより、経時使用によるひび割れに対する耐性を向上させることができる。
更に、樹脂テープ86の継ぎ目部分では、樹脂テープ86が転写紙搬送ベルト60から剥がれやすいが、本変形例7によれば、このような樹脂テープ86の剥がれを抑制することができる。
【0068】
なお、上述した実施形態及び変形例1乃至7の構成は、互いに組み合わせて利用してもよい。
【0069】
上記実施形態並びに上記変形例1乃至7では、不連続特定マーク89,789を転写紙搬送ベルト60の表面側に接着する方法により転写紙搬送ベルト60上に形成したが、他の方法であってもよい。以下、転写紙搬送ベルト60上にマークを形成する他の方法について説明する。
図23は、本マーク形成方法1により不連続特定マーク189が形成された転写紙搬送ベルト60をその無端移動方向から見た断面図である。この不連続特定マーク189は、透過型の光学パターンであり、上記実施形態等と同様に樹脂テープ86の継ぎ目部分の無端移動方向側部に配置されている。この不連続特定マーク189は、図示のように、ベルト側部から外方に突出するように接着されている。なお、ここでは、不連続特定マーク189は、転写紙搬送ベルト60の表面側に接着されているが、裏面側に接着してもよい。
【0070】
上記実施形態等では、不連続マークセンサとして反射型の光学センサを用いているが、一般的に光学センサは反射型よりも透過型を用いる方が検出性能が安定している。また、反射型の光学センサを用いる場合、不連続特定マークとして利用するパターンをアルミ等の光を反射する材料を蒸着するなどして形成するため、単に光を遮断できる材料であればよいパターンを利用できる透過型の光学センサよりもコストがかかる。しかも、アルミ蒸着等で形成された不連続特定マークは、ベルト湾曲部分で剥離したり、ひび割れしたりしやすいため、透過型の光学センサよりも安定した検出能力を維持できる寿命が短い。このような理由から、不連続マークセンサとしては、反射型の光学センサよりも透過型の光学センサを用いるのが好ましい。しかし、転写紙搬送ベルト60等の画像形成装置などで用いられる無端移動部材は、その抵抗値を制御するためにカーボンを分散させているものが多い。そのため、転写紙搬送ベルト60の表面又は裏面にマークを形成したのでは、透過型の光学センサを用いたマーク検出ができない。
しかし、本マーク形成方法1により形成される不連続特定マーク189は、転写紙搬送ベルト60の側部外方に突出している。そのため、図23に示すように、樹脂テープ186の突出した部分を挟み込むように、不連続マークセンサ183を配置すれば、透過型の光学センサによるマーク検出が可能となる。
【0071】
なお、同様にして、樹脂テープ86をベルト側部の外方に突出させた状態で転写紙搬送ベルト60上に接着すれば、マークセンサ90についても、透過型の光学センサを利用することが可能となる。この場合、樹脂テープ86は光を透過する透明な部材で形成する必要がある。
【0072】
なお、上述したマークには、光学パターン以外にも、例えば、一般的なエンコーダ用の透過型スケール又は反射型スケールを利用することができる。このようなマークに利用できるポリエステルベースのフォトエマルジョンフィルムを用いたリニアスケールは、インクジェットプリンタなどに広く利用されており、低価格で入手可能である。
【0073】
また、上述した構成では、転写紙搬送ベルト60上に接着されるマーク85や不連続特定マーク89等を例に挙げて説明したが、他のマークを利用することもできる。例えば、ベルト厚み方向に貫通する孔ををマークとして利用することもできる。このような孔をマークとして利用すれば、無端移動部材が光を透過しない不透明なものであっても、上述したように反射型よりも利点の多い透過型のマークセンサを利用することができる。なお、このような孔は、レーザトリミングなどにより容易に形成できる。また、転写紙搬送ベルト60上に反射体又は散乱体を塗布し、これをレーザ除去加工して形成されるマークを利用することもできる。このようなマークは、レーザ除去加工により数μmオーダのマーキングが可能であるので、高分解能なマーク検出信号を得たい場合に有効である。また、転写紙搬送ベルト60上にスクリーン印刷により形成されるマークを利用することもできる。このようなマークは、製本などに利用されているドラム型のスクリーン印刷により形成できるので、高速にマーク形成を行うことができ、マーク付きの転写紙搬送ベルト60を量産する場合に有効である。また、感光材料による露光などにより形成されるマークなども利用することができる。
【0074】
以上、上述した実施形態並びに変形例1乃至7によれば、無端移動する無端移動部材としての転写紙搬送ベルト60の無端移動方向にわたり所定間隔で連続するように転写紙搬送ベルト60上に設けられる複数のマークを検出するマーク検出手段としてのマークセンサ90,490a,490b,790と、マークセンサの出力であるマーク検出信号を用いて速度制御又は位置制御を行う速度・位置制御手段としての速度制御装置82,182,282,382,482,682とを有し、転写紙搬送ベルト60の駆動制御を行う駆動制御装置において、複数のマークのマーク間隔が予め決められた範囲外となる不連続部分の無端移動方向位置を示す転写紙搬送ベルト60上に設けられる不連続特定マーク89,189,789を検出する特定マーク検出手段としての不連続マークセンサ83,183,783を設け、不連続マークセンサ83の出力である不連続検知信号に基づいて速度制御装置82,182,282,382,482,682の速度制御を変更するように、その速度制御装置82,182,282,382,482,682を構成したので、転写紙搬送ベルト60上にマークの不連続部分が存在する場合であっても、その転写紙搬送ベルト60に対して適切な駆動制御を行うことが可能となる。
また、上記変形例1乃至6においては、速度制御装置182,282,382,482,682には、マークセンサ90,490a,490bの検出領域にマークの不連続部分が存在していることを検出したとき、そのマークセンサ90,490a,490bの検出領域に複数のマークのマーク間隔が予め決められた範囲内となる連続部分が存在するときとは異なる速度制御に変更するための信号弁別回路184、データ弁別部284c、信号弁別部384c、信号選択回路484が設けられているので、制御が不安定となる原因の不連続部分のマーク検出信号を利用せずに、他の信号を利用した速度制御を行うことが可能となる。よって、転写紙搬送ベルト60の安定した駆動制御が可能となる。また、ベルト駆動モータ81のコントローラ183として、外部信号で制御動作のON/OFFがコントロールできないものを利用できるので、簡便な構成のコントローラを利用することができ、低コスト化が図ることが可能となる。
また、上記変形例1においては、マークの連続部分に対応するマーク検出信号の信号間隔の平均値を求め、その平均値の間隔で繰り返されるダミー信号を生成するダミー信号生成手段としてのダミー信号生成部187を設け、マークセンサ90の検出領域に上記不連続部分が存在していることを検出したとき、マーク検出信号に代え、ダミー信号生成部187により生成されたダミー信号を用いて速度制御を行うために信号弁別回路184を設けたので、その信号弁別回路184からは、不連続部分についても、連続部分と同様の周期をもつ繰り返しパルス信号が出力される。よって、PLLコントローラ183に、周期に大きな変動のない繰り返しパルス信号を比較信号として入力することができ、PLLコントローラ183による転写紙搬送ベルト60の安定した駆動制御が可能となる。
また、上記変形例2及び3においては、マークセンサ90の検出領域にマークの連続部分が存在しているときのそのマークセンサ90の出力内容である周波数データ又は電圧信号を記憶する記憶手段としてのメモリ284b,384bを有し、マークセンサ90の検出領域にマークの不連続部分が存在していることを検出したとき、マーク検出信号に代え、メモリ284b,384bに記憶されている出力内容に応じた比較信号を用いて速度制御を行うために、データ弁別部284c又は信号弁別部384cが設けられているので、不連続部分についても、連続部分と同様の周期をもつ繰り返しパルス信号又は電圧信号が出力される。よって、PLLコントローラ183に、周期に大きな変動のない繰り返しパルス信号又は電圧値に大きな変動のない電圧信号を比較信号として入力することができ、PLLコントローラ183による転写紙搬送ベルト60の安定した駆動制御が可能となる。
しかも、メモリ284bが記憶する比較信号の内容が、マーク検出信号における信号間隔に基づいて得られる無端移動速度を示す周波数データ又は電圧信号であるため、転写紙搬送ベルト60の速度制御をより適切に行うことができる。
また、上記変形例2においては、マーク検出信号に基づく周波数信号である繰り返しパルス信号を用いて速度制御を行うので、周波数信号をフィードバック信号として利用するPLLコントローラ等の安価なコントローラでベルト駆動モータ81を制御することができる。
また、上記変形例2においては、繰り返しパルス信号を発生させる周波数信号発生手段としてのパルス発振器284aを有し、マークセンサ90の検出領域にマークの連続部分が存在していることを検出したときにはマーク検出手段に基づく周波数をもつ繰り返しパルス信号をパルス発振器284aにより発生させ、マークセンサ90の検出領域にマークの不連続部分が存在していることを検出したときには上記マーク検出信号とは異なる信号であるメモリ284bに記憶されている周波数データに基づいて上記周波数と略同一の周波数をもつ繰り返しパルス信号をパルス発振器284aにより発生させるためのデータ弁別部284cが設けられているので、PLLコントローラ183には、パルス発振器284aにより発生される繰り返しパルス信号が切れ目なく連続して入力される。よって、パルス発振器284aに入力される繰り返しパルス信号を切り換える場合に生じてしまう位相飛びが抑制できる。これにより、連続部分の速度制御から不連続部分の速度制御に切り換わるときに比較信号と基準信号との間に大きな位相ずれはなく、PLLコントローラ183のより安定した駆動制御を実現できる。
また、上記変形例3においては、マーク検出信号に基づく電圧信号を用いて速度制御を行うので、不連続部分の速度制御のための信号と連続部分の速度制御のための信号とを切り換えるときの前と後の信号間で調節する必要のあるパラメータが、周波数信号を用いる場合に比べて少ない。よって、周波数信号を用いる場合に比べて、不連続部分の速度制御のための信号の設定等が容易となる。
また、上記変形例4においては、転写紙搬送ベルト60の無端移動方向に沿ってマーク不連続部分の長さよりも長い距離離れた位置でそれぞれマーク検出を行う複数のマーク検出器としてのマークセンサ490a,490bを備え、複数のマークセンサ490a,490bのうち、不連続部分のマーク検出を行っていないマークセンサのマーク検出信号を用いて速度制御を行うために、信号選択回路484が設けられているので、不連続部分であってもリアルタイムのマーク検出信号をPLLコントローラ183にフィードバックすることができる。よって、転写紙搬送ベルト60の全周にわたって、より高精度な速度制御が可能となる。特に、上記変形例5においては、複数のマークセンサ490a,490bのマーク検出信号の信号周期の位相を比較する位相比較手段としての位相比較器587を設け、少なくとも1つのマーク検出手段について位相比較器587による比較結果に基づいて得られる各マークセンサ490a,490bのマーク検出信号間の位相ずれ分を補正して得られたものを用いて速度制御を行うためにディレイ回路588を設けたので、PLLコントローラ183に、位相飛びのない繰り返しパルス信号を連続して入力することができる。したがって、PLLコントローラ183による転写紙搬送ベルト60のより安定した駆動制御が可能となる。
また、上記変形例6においては、転写紙搬送ベルト60の無端移動方向に沿ってマーク不連続部分の長さよりも長い距離離れた位置でそれぞれマーク検出を行う複数のマークセンサ490a,490bを備え、複数のマークセンサ490a,490bから得られる位相の略一致したそれぞれのマーク検出信号の論理和を演算する論理和演算手段としてのOR回路684と、複数のマークセンサ490a,490bのマーク検出信号のうち不連続部分のマーク検出を行っているマークセンサのマーク検出信号がOR回路684で利用されるのを禁止する禁止手段としてのゲート回路687a,687bを設け、OR回路684により得られる論理和を用いて速度制御を行うので、一部のマークセンサがマークの汚れやマークの不連続部分によってマーク検出ができない場合であっても、PLLコントローラ183に、他のマークセンサのマーク検出信号がを連続して入力される。したがって、PLLコントローラ183による転写紙搬送ベルト60のより安定した駆動制御が可能となる。
また、上述した実施形態並びに変形例1乃至7においては、無端移動方向にわたり所定間隔で連続するように複数のマーク85が設けられた無端移動部材としての転写紙搬送ベルト60には、複数のマーク85のマーク間隔が予め決められた範囲外となる不連続部分の無端移動方向位置を示す不連続特定マーク89,189,789が設けられているので、転写紙搬送ベルト60上にマークの不連続部分が存在する場合であっても、上述した駆動制御装置により、その転写紙搬送ベルト60に対して適切な駆動制御を行うことが可能となる。
また、上述した実施形態並びに変形例1乃至7においては、無端移動方向にわたり所定間隔で連続する複数のマークが設けられた無端移動部材としての転写紙搬送ベルト60と、転写紙搬送ベルト60が無端移動するための駆動力を転写紙搬送ベルト60に伝達するための駆動力伝達手段としてのベルト駆動モータ81と、ベルト駆動モータ81の駆動制御を行う駆動制御手段としての駆動制御部を備えた画像形成装置としてのレーザプリンタの転写紙搬送ベルト60及び駆動制御部に、上述した実施形態並びに変形例1乃至7の構成を適用することで、各色トナー像をぴったりと重ね合わせたカラー画像を得ることができ、色ズレのない高画質の画像を形成することができる。
【0075】
尚、上述した実施形態並びに変形例1乃至7においては、感光体ドラム11M,11C,11Y,11K上に形成したトナー像を転写紙上に直接形成する画像形成装置について説明したが、例えば、感光体ドラム11M,11C,11Y,11K上に形成したトナー像を、一旦中間転写体上に転写した後、その中間転写体上のトナー像を転写紙上に転写する構成の画像形成装置でも同様に適用することができる。また、4つの感光体ドラム11M,11C,11Y,11Kを用いたいわゆるタンデム方式の画像形成装置ではなく、単一の感光体ドラムを有するモノクロ又はカラーの画像形成装置でも同様である。
また、上記実施形態当で例示した駆動制御部の構成は、無端ベルト部材やドラム状部材等の無端移動部材の速度制御を行う装置に対しても同様に適用することができる。例えば、感光体ドラムや感光体ベルトあるいは中間転写ベルトなどの無端移動部材に対する駆動制御にも適用できる。
また、上記実施形態等では、マークの不連続部分が1箇所である場合について説明したが、継ぎ目が複数ある樹脂テープ86などを用いた場合など、マークの不連続部分が複数箇所ある場合にも適用できる。
また、上記実施形態等では、マークセンサとして、マークの有無に応じてパルス信号を出力するセンサを用いているが、マークの有無に応じて正弦波状の出力が得られるアナログ出力型のセンサを用いることもできる。この場合、マークセンサのアナログ出力から信号振幅値によって等位相ごとにパルスを生成して分解能を高める逓倍回路を利用すれば、マークの有無に応じて得られるパルス信号よりも高分解能な信号が得られる。よって、制御帯域を広げて高い周波数の速度、位置変動成分の制御が可能になる。
【0076】
【発明の効果】
請求項1乃至の発明によれば、転写紙搬送ベルト60の無端移動方向にわたり所定間隔で連続する複数のマーク中に、予め決められた範囲外となる不連続部分が存在する場合であっても、そのような駆動制御の不安定化を招く不連続部分のマーク検出信号を用いない駆動制御が可能となるので、転写紙搬送ベルト60に対して適切な駆動制御を行うことが可能となるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係るレーザプリンタにおけるベルト駆動装置の速度制御装置の概略構成を示す説明図。
【図2】同レーザプリンタの概略構成図。
【図3】同レーザプリンタの作像手段の概略構成を示す拡大図。
【図4】同レーザプリンタの転写ユニットの概略構成図。
【図5】同レーザプリンタの転写紙搬送ベルトを駆動するベルト駆動装置の概略構成図。
【図6】同レーザプリンタに設けられるマークセンサの概略構成図。
【図7】同転写紙搬送ベルト上のマークが設けられた部分の拡大図。
【図8】同速度制御装置に入力される基準クロック及びマーク検出信号と、PLLコントローラ内部で得られる位相差を示すグラフ。
【図9】変形例1に係る駆動制御部の概略構成を示す説明図。
【図10】同駆動制御部の信号弁別回路における入力信号及び出力信号の波形を示すグラフ。
【図11】変形例2に係る駆動制御部の概略構成を示す説明図。
【図12】変形例3に係る駆動制御部の概略構成を示す説明図。
【図13】変形例4における2つのマークセンサの配置を示す外観図。
【図14】変形例4に係る駆動制御部の概略構成を示す説明図。
【図15】同駆動制御部の信号選択回路における入力信号及び出力信号の波形を示すグラフ。
【図16】変形例5に係る駆動制御部の概略構成を示す説明図。
【図17】同駆動制御部における各点の信号波形を示すグラフ。
【図18】変形例6に係る駆動制御部の概略構成を示す説明図。
【図19】変形例7における不連続特定マークの一例を示す説明図。
【図20】同不連続特定マークが設けられた部分の拡大図。
【図21】同不連続特定マークを検出するための不連続マーク検知回路の概略構成を示す説明図。
【図22】変形例7における駆動制御部の概略構成を示す説明図。
【図23】ベルト側部外方に突出した不連続特定マークが形成された転写紙搬送ベルトをその無端移動方向から見た断面図。
【符号の説明】
1 作像手段
11 感光体ドラム
60 転写紙搬送ベルト
81 ベルト駆動モータ
82,182,282,382,482,682 速度制御装置
83,183 不連続マークセンサ
85 マーク
89,189,789 不連続特定マーク
90,190,490a,490b,790 マークセンサ
183 PLLコントローラ
184 信号弁別回路
187 ダミー信号生成部
284 パルス信号発生部
284a パルス発振器
284b,384b メモリ
284c データ弁別部
287 速度演算部
288 速度/周波数変換部
384 電圧制御部
384c 信号弁別部
388 F/V変換回路
484 信号選択回路
587 位相比較器
588,688 ディレイ回路
684 OR回路
687a,687b ゲート回路
783 不連続マーク検知回路

Claims (4)

  1. 無端移動する無端移動部材の無端移動方向にわたり所定間隔で連続するように該無端移動部材上に設けられる複数のマークを検出するマーク検出手段と、
    上記マーク検出手段の出力に基づく制御信号を用いて速度制御又は位置制御を行う速度・位置制御手段とを有し、
    上記無端移動部材の駆動制御を行う駆動制御装置において、
    上記複数のマークのマーク間隔が予め決められた範囲外となる不連続部分の無端移動方向位置を示す該無端移動部材上に設けられる不連続特定マークを検出する特定マーク検出手段を設け、
    上記特定マーク検出手段の出力に基づいて上記速度・位置制御手段の速度制御又は位置制御を変更するように、該速度・位置制御手段を構成し
    上記マーク検出手段は、上記無端移動部材の無端移動方向に沿って上記不連続部分の長さよりも長い距離離れた位置でそれぞれマーク検出を行う複数のマーク検出器からなり、
    上記複数のマーク検出器のうち上記不連続部分のマーク検出を行っていないマーク検出器の出力を用いて上記速度制御又は位置制御を行うように、上記速度・位置制御手段を構成したことを特徴とする駆動制御装置
  2. 求項の駆動制御装置において、
    上記速度・位置制御手段に、上記複数のマーク検出器の出力周期の位相を比較する位相比較手段を設け、
    少なくとも1つのマーク検出器については上記位相差比較手段による比較結果に基づいて得られる位相差分を補正して得られたものを用いるように、上記速度・位置制御手段を構成したことを特徴とする駆動制御装置。
  3. 無端移動する無端移動部材の無端移動方向にわたり所定間隔で連続するように該無端移動部材上に設けられる複数のマークを検出するマーク検出手段と、
    上記マーク検出手段の出力に基づく制御信号を用いて速度制御又は位置制御を行う速度・位置制御手段とを有し、
    上記無端移動部材の駆動制御を行う駆動制御装置において、
    上記複数のマークのマーク間隔が予め決められた範囲外となる不連続部分の無端移動方向位置を示す該無端移動部材上に設けられる不連続特定マークを検出する特定マーク検出手段を設け、
    上記特定マーク検出手段の出力に基づいて上記速度・位置制御手段の速度制御又は位置制御を変更するように、該速度・位置制御手段を構成し、
    上記マーク検出手段は、上記無端移動部材の無端移動方向に沿って上記不連続部分の長さよりも長い距離離れた位置でそれぞれマーク検出を行う複数のマーク検出器からなり、
    上記速度・位置制御手段に、上記複数のマーク検出器から得られる位相の略一致したそれぞれの出力の論理和を演算する論理和演算手段と、該複数のマーク検出器の出力のうち上記不連続部分のマーク検出を行っているマーク検出器の出力が論理和演算手段で利用されるのを禁止する禁止手段とを設け、
    上記論理和演算手段により得られる論理和を用いて上記速度制御又は位置制御を行うように、上記速度・位置制御手段を構成したことを特徴とする駆動制御装置
  4. 端移動方向にわたり所定間隔で連続する複数のマークが設けられた無端移動部材と、
    上記無端移動部材が無端移動するための駆動力を該無端移動部材に伝達するための駆動力伝達手段と、
    上記駆動力伝達手段の駆動制御を行う駆動制御手段とを備えた画像形成装置において、
    上記無端移動部材として 上記複数のマークのマーク間隔が予め決められた範囲外となる不連続部分の無端移動方向位置を示す不連続特定マークを有する無端移動部材を用い、
    上記駆動制御手段として、請求項1、2又の駆動制御装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。
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