JP2006000878A - スポット溶接装置 - Google Patents

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Ryutaro Shinohara
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Abstract

【課題】 燃料タンクのタンク本体に金属部品をスポット溶接する際に、電極チップの当接によりタンク本体に発生する凹部をできるだけ浅くする。
【解決手段】 タンク下半体13の内面にバッフルプレート22をスポット溶接する際に、タンク下半体13に接触する第1電極チップ23の接触面積を、バッフルプレート22に接触する第2電極チップ24の接触面積よりも大きく設定したので、第1電極チップ23との接触によりタンク下半体13に発生する凹部を、第2電極チップ24との接触によりバッフルプレート22に発生する凹部よりも浅くすることができ、亀裂等に対するタンク本体の耐久性低下を最小限に抑えることができる。第1電極チップ23はタンク下半体13に面接触する平面形が好適であり、第2電極チップ24はバッフルプレート22に点接触する球面形が好適である。
【選択図】 図5

Description

本発明は、金属製のタンク本体に重ね合わせた金属部品を第1、第2電極チップで挟持してスポット溶接するスポット溶接装置に関する。
車両用の燃料タンクの底板にサブタンクを固定する際に、前記底板に薄金属板をスポット溶接し、この薄金属板に形成した左右の立ち上がり片にサブタンクの左右両側面をスポット溶接することで、サブタンクのがたつきを防止しながらスポット溶接部の剥がれを防止するものが、下記特許文献1により公知である。
特開平5−96963号公報
ところでタンク本体に金属部品をスポット溶接する場合、重ね合わせたタンク本体および金属部品を挟持する一対の電極チップ間に溶接電流を流すと、その抵抗発熱でタンク本体および金属部品の当接部が溶融して溶接が行われる。このとき、一対の電極チップが当接するタンク本体および金属部品の表面にそれぞれ凹部が発生するが、特にタンク本体側の凹部が該タンク本体の亀裂等の原因となり、燃料タンク全体の耐久性を低下させることが懸念される。
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、燃料タンクのタンク本体に金属部品をスポット溶接する際に、電極チップの当接によりタンク本体に発生する凹部をできるだけ浅くすることを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、金属製のタンク本体に重ね合わせた金属部品を第1、第2電極チップで挟持してスポット溶接するスポット溶接装置において、第1電極チップがタンク本体11に接触する接触面積を、第2電極チップが金属部品に接触する接触面積よりも大きく設定したことを特徴とするスポット溶接装置が提案される。
また請求項2に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、第1電極チップを平面形とし、第2電極チップを球面形としたことを特徴とするスポット溶接装置が提案される。
尚、実施例のバッフルプレート22は本発明の金属部品に対応する。
請求項1の構成によれば、スポット溶接すべく重ね合わせた金属製のタンク本体および金属部品のうち、タンク本体に接触する第1電極チップの接触面積を、金属部品に接触する第2電極チップの接触面積よりも大きく設定したので、第1電極チップとの接触によりタンク本体に発生する凹部を、第2電極チップとの接触により金属部品に発生する凹部よりも浅くすることができ、亀裂等に対するタンク本体の耐久性低下を最小限に抑えることができる。
請求項2の構成によれば、第1電極チップを平面形とし、第2電極チップを球面形としたので、第1電極チップの接触面積を第2電極チップの接触面積よりも大きくすることができる。
以下、本発明の実施の形態を、添付の図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
図1〜図5は本発明の一実施例を示すもので、図1は車両用燃料タンクの斜視図、図2は図1の2−2線断面図、図3は図1の3−3線断面図、図4は図3の4部拡大図、図5は溶接ガンによるスポット溶接時の状態を示す図である。
図1〜図3に示すように、車両用の燃料タンクTのタンク本体11は、金属板をプレス成形したタンク上半体12およびタンク下半体13を結合して構成される。タンク本体11のタンク上半体12に形成した開口14を着脱自在に覆う取付フランジ15の下面にステー16を介して燃料ポンプユニット17が支持されており、燃料ポンプユニット17から延びるフィードパイプ18が取付フランジ15を貫通してエンジン(図示せず)に接続されるとともに、エンジンからのリターンパイプ19が取付フランジ15を貫通して燃料タンクT内に延びている。また取付フランジ15の下面にフロート20を備えた液面センサ21が設けられる。
タンク下半体13の底部内面には金属板をL字状に屈曲させた複数枚のバッフルプレート22…が設けられており、これらのバッフルプレート22…によりタンク本体11内の燃料液面の大きな変動や燃料の波立ちを防止している。バッフルプレート22…は、タンク本体11のタンク下半体13をタンク上半体12に結合する前にスポット溶接により固定される。
図5に示すように、スポット溶接に使用される溶接装置は相互に接近・離間可能な第1電極チップ23および第2電極チップ24を備えており、タンク下半体13の上面にバッフルプレート22を位置決めした状態で、タンク下半体13の下面およびバッフルプレート22の上面を、それぞれ第1電極チップ23および第2電極チップ24で挟持する。この状態で第1、第2電極チップ23,24間に溶接電流を流すと、電流の通路にあたるタンク下半体13およびバッフルプレート22が抵抗発熱して溶融し、その合わせ面にナゲット25が形成されることでスポット溶接される。
このとき、第1電極チップ23にはタンク下半体13に円形の平面で面接触する平面形(JISC9304のF形)が用いられ、第2電極チップ24にはバッフルプレート22に球面の先端で点接触する球面形(JISC9304のR形)が用いられているため、第1電極チップ23とタンク下半体13との接触面積は、第2電極チップ24とバッフルプレート22との接触面積よりも大きくなる。
その結果、図4に示すように、スポット溶接が完了したとき、球面形の第2電極チップ24が当接していたバッフルプレート22に深い凹部22aが残るのに対し、平面形の第1電極チップが当接していたタンク下半体13に残る凹部13aは浅いものとなる。その理由は、球面形の第2電極チップ24はバッフルプレート22に点接触するため、その接触部の電流密度および接触面圧が高くなるのに対し、平面形の第1電極チップ23はタンク下半体13に面接触するため、その接触部の電流密度および接触面圧が低くなるからである。
このように、タンク本体11の一部であるタンク下半体13にスポット溶接により形成される凹部13aを浅くすることで、腐食に伴う亀裂等に対するタンク本体11の耐久性を高めることができる。一方、バッフルプレート22はタンク本体11の内部に収納されていて腐食を受ける虞がなく、また強い外力を受ける虞もないため、スポット溶接により形成される凹部22aが深くなっても支障はない。
図6は従来例を示すもので、タンク下半体13′に当接する第1電極チップ23a′およびバッフルプレート22′に当接する第2電極チップ24′は共に円錐台形(JISC9304のC形)であるため、図7に示すように、ナゲット25′を挟んで形成されるタンク下半体13′の凹部13a′およびバッフルプレート22の凹部22a′は共に深くなり、凹部13a′によりタンク下半体13′の耐久性が低下する可能性がある。
尚、第1電極チップ23および第2電極チップ24の両方を平面形としてもタンク下半体13の凹部13aを浅くすることは可能であるが、第1、第2電極チップ23,24の接触面積が共に大きくなるために電流密度が低下してしまい、溶接時に大電流が必要になる問題がある。
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
例えば、実施例ではタンク本体11にスポット溶接する金属部品としてバッフルプレート22を例示したが、本発明はバッフルプレート22以外の他の金属部品に対して適用することができる。
また金属部品をスポット溶接する部位はタンク下半体13に限定されず、タンク上半体12であっても良く、タンク本体11の外面であっても良い。
また実施例では第1電極チップ23を平面形とし、第2電極チップ24を球面形としたが、第1、第2電極チップ23,24の形状は任意であり、第1電極チップ23がタンク本体11に接触する接触面積が、第2電極チップ24が金属部品に接触する接触面積よりも大きければ良い。
車両用燃料タンクの斜視図 図1の2−2線断面図 図1の3−3線断面図 図3の4部拡大図 溶接ガンによるスポット溶接時の状態を示す図 従来の溶接ガンによるスポット溶接時の状態を示す図 従来の溶接部の拡大断面図
符号の説明
11 タンク本体
22 バッフルプレート(金属部品)
23 第1電極チップ
24 第2電極チップ

Claims (2)

  1. 金属製のタンク本体(11)に重ね合わせた金属部品(22)を第1、第2電極チップ(23,24)で挟持してスポット溶接するスポット溶接装置において、
    第1電極チップ(23)がタンク本体(11)に接触する接触面積を、第2電極チップ(24)が金属部品(22)に接触する接触面積よりも大きく設定したことを特徴とするスポット溶接装置。
  2. 第1電極チップ(23)を平面形とし、第2電極チップ(24)を球面形としたことを特徴とする、請求項1に記載のスポット溶接装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009047368A (ja) * 2007-08-21 2009-03-05 Orion Mach Co Ltd 冷却システム
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