JP2005537327A - 光学活性な2−アミノ−、2−クロロ−、2−ヒドロキシ−または2−アルコキシ−1−アルコールの製造方法 - Google Patents

光学活性な2−アミノ−、2−クロロ−、2−ヒドロキシ−または2−アルコキシ−1−アルコールの製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明は光学活性な2-アミノ-、2-クロロ-、2-ヒドロキシ-および2-アルコキシカルボン酸またはこれらの酸の誘導体を接触水素化することにより、対応する光学活性な2-アミノ-、2-クロロ-、2-ヒドロキシ-または2-アルコキシ-1-アルカノールを製造する方法に関する。本発明の方法において、水素化はパラジウムおよびレニウムの存在下、またはパラジウムとレニウムを含む触媒の存在下で行う。

Description

本発明は光学活性な2-アミノ、2-クロロ、2-ヒドロキシもしくは2-アルコキシカルボン酸またはこれらの酸の誘導体を接触水素化することにより、光学活性な2-アミノ-、2-クロロ-、2-ヒドロキシ-または2-アルコキシ-1-アルコールを製造する改良された方法に関する。
欧州特許出願公開第696575号および欧州特許出願公開第717023号の開示によれば、光学活性な2-アミノカルボン酸および2-ヒドロキシカルボン酸は、元素状態のルテニウム、ルテニウム酸化物および水酸化物、または担体に担持されたルテニウムといったルテニウム触媒の存在下で、光学活性な2-アミノ-1-アルカノールおよび1,2-アルカンジオールへと水素化することができる。80〜100℃の反応では、最高で98.5 ee%のエナンチオマー過剰率が維持される。
WO 99/38838によると、2-アミノ-1-アルカノールの収率およびエナンチオマー過剰率は、鉱酸および原子番号23〜82の他の元素を1〜2種含むルテニウム触媒の存在下で対応する2-アミノカルボン酸を水素化することにより向上する。特に好適とされるルテニウム/レニウム触媒を用いると、最高で99.9 ee%のエナンチオマー過剰率を維持できる。
WO 99/38824によると、1,2-アルカンジオールの収率およびエナンチオマー過剰率も、原子番号23〜82の他の元素を1〜2種含むルテニウム触媒を用いることにより、向上させることができる。特に好適とされるのはレニウムの添加である。
WO 99/38613は、ルテニウムおよび少なくとも1種の原子番号23〜82の他の元素を含む特に有利な触媒の調製方法と、水素化のためのその使用について開示している。該調製方法は、50〜300m2/gの比表面積を有するルテニウム化合物のスラリーと、少なくとも1種の金属化合物の溶液とを、混合することを含んでなる。特に好適とされるのは、担体に担持されていないルテニウム/レニウム触媒であり、これらは光学活性な2-アミノアルコールまたは1,2-ジオールの調製に用いられる。
光学活性な2-アミノ-および2-ヒドロキシカルボン酸エステルは、25℃、100バール(bar)の水素圧で、ロジウムと白金からなる触媒および溶媒の存在下に、最高で99.9 ee%のエナンチオマー過剰率で対応する光学活性な2-アミノアルコールまたは1,2-ジオールへと水素化できることも公知である(M. Studerら, Adv. Synth. Catal. 2001, 343, pp. 802-808)。
WO 98/52891では、脂肪族カルボン酸、無水物、エステルまたはラクトンを、対応するアルコールへと水素化するにあたり、モリブデン、銀、またはパラジウムなどの他の元素を含有する白金/レニウム触媒の存在下で行う方法が開示されている。この方法は腐食の問題を回避することができる。
本発明の目的は、光学活性な2-アミノ-、2-クロロ-、2-ヒドロキシ-もしくは2-アルコキシカルボン酸またはこれらの酸の誘導体を、対応する光学活性なアルコールへと水素化する改良された方法を提供することである。水素化に用る触媒は調製が容易で、高い活性を有し、高い収率と高いエナンチオマー過剰率を達成すべきである。
本発明者らは、この目的が、光学活性な2-アミノ-、2-クロロ-、2-ヒドロキシ-もしくは2-アルコキシカルボン酸またはこれらの酸の誘導体を接触水素化することにより、対応する光学活性な2-アミノ-、2-クロロ-、2-ヒドロキシ-または2-アルコキシ-1-アルカノールを調製する方法において、パラジウムおよびレニウムを含む触媒の存在下、または白金およびレニウムを含む触媒の存在下で水素化を行うことにより達成される、ことを見いだした。
本発明の方法においては、例えば、式I
Figure 2005537327
[式I中、
R1は、直鎖もしくは分枝鎖のC1-C12-アルキル、C7-C12-アラルキル、またはC6-C10-アリールであり、前記の基のそれぞれはNR3R4、OH、COOHおよび/または反応条件下で安定な他の基により置換されてもよい、
R2は、水素、直鎖もしくは分枝鎖のC1-C12-アルキルまたはC3-C8-シクロアルキルである、
Xは、塩素、NR5R6またはOR7である、
R3、R4、R5およびR6は、それぞれが互いに独立に、水素、直鎖もしくは分枝鎖のC1-C12-アルキル、C7-C12-アラルキル、C6-C10-アリール、C3-C8-シクロアルキル、または1つのCH2基がOまたはNR8により置換されたC3-C8-シクロアルキルである、
R3とR4、およびR5とR6は、それぞれが独立に、一緒になって-(CH2)m-であり、ここでmは4〜7の整数である、
R1とR5はまた、一緒になって-(CH2)n-であり、ここでnは2〜6の整数である、
R7は、水素、直鎖もしくは分枝鎖のC1-C12-アルキルまたはC3-C8-シクロアルキルである、
R1とR7はまた、一緒になって-(CH2)n-であり、ここでnは2〜6の整数である、
R8は、水素、直鎖もしくは分枝鎖のC1-C12-アルキル、C7-C12-アラルキルまたはC6-C10-アリールである]
で表される光学活性なカルボン酸もしくはこれらの誘導体またはこれらの酸無水物を用いて、対応する光学活性なアルコールに水素化することができる。
R1基は広範に変わることができ、例えば反応条件下で安定なNR3R4、OHおよび/またはCOOHなどの置換基を1〜3個有してもよい。
R1基の例としては、以下のものが挙げられる:
C1-C6-アルキル、例えばメチル、エチル、プロピル、1-メチルエチル、ブチル、1-メチルプロピル、2-メチルプロピル、1,1-ジメチルエチル、ペンチル、1-メチルブチル、2-メチルブチル、3-メチルブチル、2,2-ジメチルプロピル、1-エチルプロピル、ヘキシル、1,1-ジメチルプロピル、1,2-ジメチルプロピル、1-メチルペンチル、2-メンチルペンチル、3-メチルペンチル、4-メチルペンチル、1,1-ジメチルブチル、1,2-ジメチルブチル、1,3-ジメチルブチル、2,2-ジメチルブチル、2,3-ジメチルブチル、3,3-ジメチルブチル、1-エチルブチル、2-エチルブチル、1,1,2-トリメチルプロピル、1,2,2-トリメチルプロピル、1-エチル-1-メチルプロピルまたは1-エチル-2-メチルプロピル、
C1-C12-アルキル、例えば前記C1-C6-アルキルまたは非分枝鎖もしくは分枝鎖のヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシルまたはドデシル、
C7-C12-アラルキル、例えばフェニルメチル、1-フェニルエチル、2-フェニルエチル、1-フェニルプロピル、2-フェニルプロピルまたは3-フェニルプロピル、
C6-C10-アリール、例えばそれぞれがNR9R10、OHおよび/またはCOOHのような置換基を有してもよい、フェニル、ナフチル、またはアントラセニル。
R2基の例としては、以下のものが挙げられる:
水素、直鎖もしくは分枝鎖のC1-C12-アルキル(上で特定した通り)、またはC3-C8-シクロアルキル、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、およびシクロオクチル。
カルボン酸エステルの代わりに、酸無水物をカルボン酸誘導体として用いることも可能である。
X基は塩素、NR5R6またはOR7であり、ここでR5とR6は、R3とR4またはR9とR10と全く同様に、互いに独立に、水素、直鎖もしくは分枝鎖のC1-C12-アルキル(特にC1-C6-アルキル)、C7-C12-アラルキルもしくはC6-C10-アリール(特にフェニル)、またはC3-C8-シクロアルキルであり、各基はそれぞれR1基およびR2基について上で特定した通りである。
R3とR4、R5とR6、およびR9とR10の各対は、それぞれ独立に、一緒になって-(CH2)mを形成することができ、ここでmは4〜7(特に4または5)の整数である。CH2基はOまたはNR8で置き換えてもよい。
R1およびR5基の対もまた、一緒になって-(CH2)n-であってよく、ここでのnは2〜6の整数である。
R7基は、好ましくは水素または直鎖もしくは分枝鎖のC1-C12-アルキルまたはC3-C8-シクロアルキルであり、より好ましくはメチル、エチル、1-メチルエチル、1,1-ジメチルエチル、ヘキシル、シクロヘキシル、またはドデシルである。またR7基は、R1と一緒になって-(CH2)n-であってもよく、ここでのnは2〜6の整数である。
本発明の水素化により式II
Figure 2005537327
[式II中、R1およびXはそれぞれ上で定義した通り]
で表される対応する光学活性なアルコールが得られる。
有用な出発物質の例としては、2-アミノ-、2-クロロ-、2-ヒドロキシ-または2-アルコキシカルボン酸およびその誘導体が含まれ、ここにおけるR1基は反応条件下で不活性である限り、上述のように広範に変えられる。
容易に入手できることから、好適であるのは、式Iで表される化合物の中の2-アミノカルボン酸であり、例えばフェニルアラニン、トレオニン、グルタミン酸、プロリン、アスパラギン酸、アラニン、オルニチン、バリン、ロイシンおよびイソロイシンならびにこれらの誘導体が挙げられ、そしてまた好適であるのは、2-ヒドロキシ-および2-クロロカルボン酸、例えば酒石酸、乳酸、2-クロロプロピオン酸およびリンゴ酸ならびにこれらの誘導体である。
本発明の方法で用いる触媒はパラジウムおよびレニウム、または白金およびレニウムを含む。これらは触媒の担体とともにまたは担体なしで本発明の水素化に用いることができる。これらは少なくとも1種の原子番号23〜82の他の元素をさらに含んでもよい。
このための他の元素としては、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ジルコニウム、モリブデン、銀、スズ、タングステン、鉛、ランタンおよびセリウム、好ましくは銀、タングステン、モリブデンおよびスズ、より好ましくは銀およびスズが含まれる。
白金またはパラジウムとレニウムの重量比は好ましくは100:1〜0.01:1、より好ましくは50:1〜0.05:1、特に好ましくは10:1〜0.1:1である。白金またはパラジウムと少なくとも1種の他の元素の重量比は、好ましくは100:1〜10:1、より好ましくは50:1〜20:1である。
本発明に用いる触媒は、パラジウム、白金、レニウムおよび任意の追加の元素を、さまざまな形で含むことができ、例えば元素状で、パラジウム、白金、レニウムおよび追加の元素の化合物の形で、またはパラジウム、白金、レニウムおよび追加の元素の金属間化合物の形で含みうる。
触媒は担体に担持させたまたは担持させていない触媒として用いることができる。担体に担持させた触媒として用いる場合、担体物質は好適などのような物質でもよく、例えば炭素、カーボンブラック、グラファイト、炭化ケイ素、二酸化ケイ素、ケイ酸塩、ゼオライト、二酸化チタン、二酸化ジルコニウムおよびアルミナであってよい。これらの担体に担持させた触媒は例えば、元素状または化合物の形の金属を1〜50重量%含むことができる。とりわけ好適な担体物質は鉱酸でまたは酸化的に前処理された活性炭である。このような触媒の調製は例えば欧州特許出願公開第848991号および米国特許第5698749号に開示されている。
担体物質に担持させない場合、触媒は本発明の方法において、例えばコロイドの形で、または微細化した固体として用いることができる。触媒の例としては、微細化パラジウム/レニウム、白金/レニウム、パラジウム/レニウム/銀、白金/レニウム/銀、パラジウム/レニウム/モリブデン、白金/レニウム/タングステン、白金/レニウム/スズ粒子が挙げられ、これらは例えば金属の形、またはこれらの酸化物、水酸化物、ハロゲン化物、硝酸塩、カルボン酸塩、アセチルアセトネートの形、またはアミン錯体の形でありうる。
とりわけ好適なのは担体に担持されていないパラジウム/レニウムまたは白金/レニウムのバイメタリック触媒である。これらは少なくとも1種の原子番号23〜82の他の元素を追加的に含んでもよい。該触媒は酸化白金または酸化パラジウムと酸化レニウムの混合物を還元剤(例えば水素)で還元することにより調製できる。第3の金属は、触媒の調製の際に、または水素化反応中にその場で沈着させることができる。このような触媒の調製は例えばWO 98/52891に記載されている。
本発明の方法の好適な実施形態において、上述の光学活性な出発物質は有機または無機酸の存在下で水素化される。一般的に、添加される酸は、出発物質中に存在するあらゆる塩基性基の1当量に基づき0.5〜1.5当量、より好ましくは1〜1.3当量である。有用な有機酸の例としては、酢酸、プロピオン酸、およびアジピン酸が挙げられる。好ましいのは無機酸、とりわけ硫酸、塩酸およびリン酸の添加である。酸は、例えば、そのままで、水溶液の形で、または水素化される出発物質との別個に調製された塩の形で、例えば硫酸塩、硫酸水素塩、塩酸塩、リン酸塩、リン酸一水素塩またはリン酸二水素塩として用いることができる。
用いる光学活性な出発物質1モルに基づき、白金またはパラジウム、レニウムおよび任意の追加的な金属を含む本発明に従って用いられる触媒は、例えば0.1〜10gを用いることができ、また、担持された触媒は1〜50gを用いることができる。
一般的に、本発明の方法は式Iの光学活性な出発物質のための溶媒の存在下で行う。有用な溶媒の例としては、水、水混和性の有機溶媒およびその両方の混合溶媒が含まれる。有用な水混和性の溶媒は、炭素数1〜4の低級アルコールおよび水混和性エーテル、例えばテトラヒドロフランまたはジオキサンが挙げられる。好適な溶媒は水ならびに水と低級アルコールおよび/またはテトラヒドロフランを含む混合溶媒である。
本発明の方法は、例えば、30〜140℃の温度において5〜300バールの圧力で行うことができる。50〜130℃の温度と10〜280バールの圧力が好適である。とりわけ60〜120℃の温度と50〜250バールの圧力が好適である。
反応は水素が取り込まれなくなった時点で終了する。一般的な水素化の反応時間は0.5〜8時間である。
反応混合物を後処理するために、例えば反応混合物を最初に冷却し、触媒を例えば濾過により取り除き、溶媒や水のような反応中に存在する揮発性成分の全部または一部を蒸留(減圧下で行ってもよい)により除去することができる。2-アミノカルボン酸を出発物質として用いる場合には、例えばアルカリ金属水酸化物の水溶液またはアルコキシドのアルコール性溶液などの塩基を用いて、その塩および残留物からアミノアルコールを解放し、沈殿した塩を除き、濾液を減圧下で分画することができる。溶媒同様、取り除いた触媒も再利用できる。
本発明の方法は連続的、半連続的、またはバッチ式で行うことができる。
一般的な水素化の手順:
金属製オートクレーブに、水9g中に懸濁した0.1gのPtO2と0.2gのRe2O7を最初に装填し、60バールの水素で加圧する。この懸濁液を270℃で1時間撹拌し、冷却後減圧し、そして水素化したい化合物1gを添加する。水素化は以下に特定する条件下で行う。
実施例1〜3: (S)-ロイシノールの調製
前記手順に従い、1gのエナンチオマー的に純粋な(L)-ロイシン(99.9 ee%)を0.5gの濃硫酸と一緒に水素化した。反応条件は表1に示す通りである。
Figure 2005537327
エナンチオマー過剰率を求めるために、反応流出物のサンプルを炭酸水素ナトリウムで中和し、トリフルオロアセチル化し、その後、キラルなCyclodex GTAカラムを使用したガスクロマトグラフィーにより分析した。実施例1〜3のいずれにおいてもエナンチオマー過剰率は99 ee%以上であると測定された。
実施例4: (S)-1,2-プロパンジオールの調製
前記手順に従い、1gのエナンチオマー的に純粋な(L)-乳酸(99.9 ee%)を80℃にて200バールの水素圧で5時間にわたり水素化した。
反応流出物のエナンチオマー過剰率は、Chirasil-Dex キャピラリーを使用したガスクロマトグラフィーで測定したところ99 ee%を超えていた。
実施例5: S-1,2,4-ブタントリオールの調製
金属製オートクレーブに最初に、水50g中の1.6gのPtO2および4gのRe2O7の懸濁液を装填し、60バールの水素で加圧して、270℃および124バールで1時間撹拌した。冷却後、混合物を減圧し、水100ml中のL(-)-リンゴ酸24gを添加し、その後水素化を100℃にて250バールの圧力で12時間行った。S-1,2,4-ブタントリオールを収率40.8%、エナンチオマー過剰率97.2 ee%で得た。
実施例6: S-アラニノールの調製
金属製オートクレーブに最初に、水50g中の0.4gのPtO2および1gのRe2O7の懸濁液を装填し、60バールの水素で加圧して、270℃および124バールで1時間撹拌した。冷却後、混合物を減圧し、水100ml中のL-アラニン24gおよび濃硫酸13.8gを添加し、その後水素化を60℃にて200バールの圧力で12時間行った。14%の変換率で、エナンチオマー過剰率が99.4 ee%のアラニノールを得た。
比較例1: エナンチオマー的に純粋な(L)-乳酸のRe 2 O 7 を用いない水素化
実施例4を前記反応条件下で実施したが、0.2gのRe2O7を使用しなかった。前記ガスクロマトグラフィー分析によると、(L)-乳酸のわずか1%程度しか1,2-プロパンジオールに変換されなかった。

Claims (10)

  1. 光学活性な2-アミノ-、2-クロロ-、2-ヒドロキシ-もしくは2-アルコキシカルボン酸またはこれらの酸の誘導体を接触水素化することにより、光学活性な2-アミノ-、2-クロロ-、2-ヒドロキシ-または2-アルコキシ-1-アルカノールを製造する方法であって、水素化をパラジウムおよびレニウムを含む触媒の存在下、または白金およびレニウムを含む触媒の存在下で行うことを含んでなる方法。
  2. 式I
    Figure 2005537327
    [式I中、
    R1は、直鎖もしくは分枝鎖のC1-C12-アルキル、C7-C12-アラルキル、またはC6-C10-アリールであり、前記の基のそれぞれはNR3R4、OH、COOHおよび/または反応条件下で安定な他の基により置換されてもよい、
    R2は、水素、直鎖もしくは分枝鎖のC1-C12-アルキルまたはC3-C8-シクロアルキルである、
    Xは、塩素、NR5R6またはOR7である、
    R3、R4、R5およびR6は、それぞれが互いに独立に、水素、直鎖もしくは分枝鎖のC1-C12-アルキル、C7-C12-アラルキル、C6-C10-アリール、C3-C8-シクロアルキル、または1つのCH2基がOまたはNR8により置換されたC3-C8-シクロアルキルである、
    R3とR4、およびR5とR6は、それぞれが独立に、一緒になって-(CH2)m-であり、ここでmは4〜7の整数である、
    R1とR5はまた、一緒になって-(CH2)n-であり、ここでnは2〜6の整数である、
    R7は、水素、直鎖もしくは分枝鎖のC1-C12-アルキルまたはC3-C8-シクロアルキルである、
    R1とR7はまた、一緒になって-(CH2)n-であり、ここでnは2〜6の整数である、
    R8は、水素、直鎖もしくは分枝鎖のC1-C12-アルキル、C7-C12-アラルキルまたはC6-C10-アリールである]
    で表される光学活性な2-アミノ-、2-クロロ-、2-ヒドロキシ-もしくは2-アルコキシカルボン酸またはこれらの酸のエステルまたはこれらの酸無水物を用いて、対応する光学活性なアルコールへと水素化する、請求項1に記載の方法。
  3. パラジウム/レニウムまたは白金/レニウム触媒が、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ジルコニウム、モリブデン、銀、スズ、タングステン、鉛、ランタンおよびセリウムからなる元素群から選択される少なくとも1種の元素を含む、請求項1または2に記載の方法。
  4. パラジウム/レニウムまたは白金/レニウム触媒が、銀、モリブデン、タングステンおよびスズからなる元素群から選択される少なくとも1種の元素を含む、請求項1または2に記載の方法。
  5. パラジウム/レニウム触媒または白金/レニウム触媒を、担体に担持させてまたは担持させないで用いる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. パラジウムまたは白金とレニウムの元素の重量比が100:1〜0.01:1である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. パラジウムまたは白金とレニウムの元素の重量比が50:1〜0.05:1である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. パラジウムまたは白金と前記触媒の少なくとも1種の他の元素の重量比が100:1〜10:1である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 水素化を酸の存在下で行う、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 水素化を30〜140℃の温度で行う、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
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