JPH06279339A - ビスフェノールaの水素化方法 - Google Patents
ビスフェノールaの水素化方法Info
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- JPH06279339A JPH06279339A JP5095434A JP9543493A JPH06279339A JP H06279339 A JPH06279339 A JP H06279339A JP 5095434 A JP5095434 A JP 5095434A JP 9543493 A JP9543493 A JP 9543493A JP H06279339 A JPH06279339 A JP H06279339A
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- bisphenol
- hydroxycyclohexyl
- propane
- hydroxyphenyl
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/52—Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts
Abstract
(57)【要約】
【目的】 ビスフェノールAを比較的低温低圧で水素化
して、繊維や樹脂などの原料あるいは改質剤として有用
な2−(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−2−(p−
ヒドロキシフェニル)プロパンを容易に製造する方法を
提供する。 【構成】 ニッケル系触媒および飽和脂肪族アミンの存
在下、水素圧10〜50kg/cm2、温度50〜14
0℃の条件下で、ビスフェノールAを水素化して、ビス
フェノールAの2個の芳香環のうち1個のみを水素化
し、高純度の2−(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−
2−(p−ヒドロキシフェニル)プロパンを製造する。
して、繊維や樹脂などの原料あるいは改質剤として有用
な2−(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−2−(p−
ヒドロキシフェニル)プロパンを容易に製造する方法を
提供する。 【構成】 ニッケル系触媒および飽和脂肪族アミンの存
在下、水素圧10〜50kg/cm2、温度50〜14
0℃の条件下で、ビスフェノールAを水素化して、ビス
フェノールAの2個の芳香環のうち1個のみを水素化
し、高純度の2−(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−
2−(p−ヒドロキシフェニル)プロパンを製造する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ビスフェノールAを水
素化して、繊維、樹脂などの原料あるいは改質剤として
有用な水素化ビスフェノールAを製造する方法に関す
る。
素化して、繊維、樹脂などの原料あるいは改質剤として
有用な水素化ビスフェノールAを製造する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、脂環式骨格を有するジオール類
やジカルボン酸類は、ポリエステルの溶融粘度を低下さ
せ、繊維などへの成型性を向上させるための改質剤、あ
るいはポリエステル合成用モノマーとして注目されてい
る。この脂環式ジオールとしては、ビスフェノールAの
水素化で合成し得る2,2′−ビス(4−ヒドロキシシ
クロヘキシル)プロパンなどが既に知られているが、ビ
スフェノールAの部分水素化物である2−(4−ヒドロ
キシシクロヘキシル)−2−(p−ヒドロキシフェニ
ル)プロパンも同様の効果があると認められている。
やジカルボン酸類は、ポリエステルの溶融粘度を低下さ
せ、繊維などへの成型性を向上させるための改質剤、あ
るいはポリエステル合成用モノマーとして注目されてい
る。この脂環式ジオールとしては、ビスフェノールAの
水素化で合成し得る2,2′−ビス(4−ヒドロキシシ
クロヘキシル)プロパンなどが既に知られているが、ビ
スフェノールAの部分水素化物である2−(4−ヒドロ
キシシクロヘキシル)−2−(p−ヒドロキシフェニ
ル)プロパンも同様の効果があると認められている。
【0003】2,2′−ビス(4−ヒドロキシシクロヘ
キシル)プロパンの製造方法としては、従来、例えば、
特開昭53−119,855号公報などに示されるルテ
ニウム触媒を用いてビスフェノールAを水素化する方
法、米国特許4,503,273号明細書などに示され
るニッケルあるいはパラジウム触媒などを用い、有機溶
媒中、反応温度140〜200℃、水素圧25〜300
atm程度の条件においてビスフェノールAを水素化す
る方法などが知られている。
キシル)プロパンの製造方法としては、従来、例えば、
特開昭53−119,855号公報などに示されるルテ
ニウム触媒を用いてビスフェノールAを水素化する方
法、米国特許4,503,273号明細書などに示され
るニッケルあるいはパラジウム触媒などを用い、有機溶
媒中、反応温度140〜200℃、水素圧25〜300
atm程度の条件においてビスフェノールAを水素化す
る方法などが知られている。
【0004】また、2−(4−ヒドロキシシクロヘキシ
ル)−2−(p−ヒドロキシフェニル)プロパンの製造
方法としては、従来、例えば、ラネーニッケルを触媒と
して用い、94kg/cm2の水素圧下、反応温度26
0℃の条件において、ビスフェノールAを水素化する方
法する方法が知られている(BLLUETIN OFT
HE CHEMICAL SOCIETY OF JA
PAN VOL392194−2201(196
6))。
ル)−2−(p−ヒドロキシフェニル)プロパンの製造
方法としては、従来、例えば、ラネーニッケルを触媒と
して用い、94kg/cm2の水素圧下、反応温度26
0℃の条件において、ビスフェノールAを水素化する方
法する方法が知られている(BLLUETIN OFT
HE CHEMICAL SOCIETY OF JA
PAN VOL392194−2201(196
6))。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た水素化方法においては、通常、高圧の水素と比較的高
温での水素化条件を必要とするなどの不利な点がある。
また、触媒としてパラジウム−炭素を用いた場合には、
2,2′−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロ
パンが多量に生成し、2−(4−ヒドロキシシクロヘキ
シル)−2−(p−ヒドロキシフェニル)プロパンのみ
を収率良く選択的に製造するのは困難である。
た水素化方法においては、通常、高圧の水素と比較的高
温での水素化条件を必要とするなどの不利な点がある。
また、触媒としてパラジウム−炭素を用いた場合には、
2,2′−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロ
パンが多量に生成し、2−(4−ヒドロキシシクロヘキ
シル)−2−(p−ヒドロキシフェニル)プロパンのみ
を収率良く選択的に製造するのは困難である。
【0006】本発明は、比較的低温低圧の条件でビスフ
ェノールAを水素化することができる方法、特に2−
(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−2−(p−ヒドロ
キシフェニル)プロパンのみを高収率で選択的に製造す
ることができる方法を提供することを目的とする。
ェノールAを水素化することができる方法、特に2−
(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−2−(p−ヒドロ
キシフェニル)プロパンのみを高収率で選択的に製造す
ることができる方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために、検討を重ねた結果、ニッケル系触媒
と飽和脂肪族アミンとを存在させれば、比較的低温低圧
下でビスフェノールAが効率良く水素化され、さらに反
応条件を特定することにより、高純度の2−(4−ヒド
ロキシシクロヘキシル)−2−(p−ヒドロキシフェニ
ル)プロパンが容易に得られることを見出し、本発明を
完成するに至った。
を達成するために、検討を重ねた結果、ニッケル系触媒
と飽和脂肪族アミンとを存在させれば、比較的低温低圧
下でビスフェノールAが効率良く水素化され、さらに反
応条件を特定することにより、高純度の2−(4−ヒド
ロキシシクロヘキシル)−2−(p−ヒドロキシフェニ
ル)プロパンが容易に得られることを見出し、本発明を
完成するに至った。
【0008】すなわち、本発明は、ニッケル系触媒、飽
和脂肪族アミンの存在下、水素圧10〜50kg/cm
2、温度50〜140℃とすることを特徴とするビスフ
ェノールAの水素化方法を要旨とし、この方法によれ
ば、2−(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−2−(p
−ヒドロキシフェニル)プロパンを高純度で得ることが
できる。
和脂肪族アミンの存在下、水素圧10〜50kg/cm
2、温度50〜140℃とすることを特徴とするビスフ
ェノールAの水素化方法を要旨とし、この方法によれ
ば、2−(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−2−(p
−ヒドロキシフェニル)プロパンを高純度で得ることが
できる。
【0009】本発明において用いる触媒は、ニッケル系
触媒であり、各触媒中にニッケルを30〜60wt%含
むものが好ましく用いられる。ニッケルの量が少なすぎ
れば、所望の水素化効率が得られず、ニッケルの量が多
すぎても、それに見合う水素化効率の向上効果は得られ
ないのみならず、触媒コストが向上する分だけ不経済と
なる。この触媒の担体は、ケイソウ土、あるいはアルミ
ナなどの金属を含むものが好ましく使用できる。この触
媒は、通常の触媒調製法、例えば、これらの担体に、所
定量のニッケル化合物を通常の含浸法や混練法などによ
り含有させた後、焼成する方法などにより得ることがで
きる。
触媒であり、各触媒中にニッケルを30〜60wt%含
むものが好ましく用いられる。ニッケルの量が少なすぎ
れば、所望の水素化効率が得られず、ニッケルの量が多
すぎても、それに見合う水素化効率の向上効果は得られ
ないのみならず、触媒コストが向上する分だけ不経済と
なる。この触媒の担体は、ケイソウ土、あるいはアルミ
ナなどの金属を含むものが好ましく使用できる。この触
媒は、通常の触媒調製法、例えば、これらの担体に、所
定量のニッケル化合物を通常の含浸法や混練法などによ
り含有させた後、焼成する方法などにより得ることがで
きる。
【0010】上記触媒の使用量は、少なすぎれば、ビス
フェノールAの水素化に長時間がかかり、多すぎれば、
副生成物が生成してしまう。したがって、本発明では、
原料であるビスフェノールAに対し、0.01〜2.0
0g/g、好ましくは0.10〜1.00g/gとす
る。
フェノールAの水素化に長時間がかかり、多すぎれば、
副生成物が生成してしまう。したがって、本発明では、
原料であるビスフェノールAに対し、0.01〜2.0
0g/g、好ましくは0.10〜1.00g/gとす
る。
【0011】また、本発明では、上記のニッケル系触媒
とともに、飽和脂肪族アミンを存在させるが、この飽和
脂肪族アミンは、塩基性薬剤として作用するもので、上
記のニッケル系触媒の担体の酸性を中和して、原料のビ
スフェノールAや、生成物の2−(4−ヒドロキシシク
ロヘキシル)−2−(p−ヒドロキシフェニル)プロパ
ンあるいは2,2′−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキ
シル)プロパンの分解および重合反応を抑える作用をな
す。
とともに、飽和脂肪族アミンを存在させるが、この飽和
脂肪族アミンは、塩基性薬剤として作用するもので、上
記のニッケル系触媒の担体の酸性を中和して、原料のビ
スフェノールAや、生成物の2−(4−ヒドロキシシク
ロヘキシル)−2−(p−ヒドロキシフェニル)プロパ
ンあるいは2,2′−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキ
シル)プロパンの分解および重合反応を抑える作用をな
す。
【0012】飽和脂肪族アミンとしては、トリメチルア
ミン、トリエチルアミン、ジエチルアミン、ジイソプロ
ピルアミンなどが好ましく使用できる。飽和脂肪族アミ
ンの使用量は、少なすぎると、上記した原料や生成物の
分解および重合反応の抑制効果が不十分となり、多すぎ
ると、水素化反応系が塩基性化し、却って分解や重合反
応が生起し易くなるため、ニッケル系触媒の担体1モル
に対して、1〜5モル、好ましくは2〜3モル等量とす
ることが適している。
ミン、トリエチルアミン、ジエチルアミン、ジイソプロ
ピルアミンなどが好ましく使用できる。飽和脂肪族アミ
ンの使用量は、少なすぎると、上記した原料や生成物の
分解および重合反応の抑制効果が不十分となり、多すぎ
ると、水素化反応系が塩基性化し、却って分解や重合反
応が生起し易くなるため、ニッケル系触媒の担体1モル
に対して、1〜5モル、好ましくは2〜3モル等量とす
ることが適している。
【0013】また、本発明において、ビスフェノールA
を部分的に水素化(すなわち、ビスフェノールA中の2
個の芳香環のうち1環のみを選択的に水素化)し、2−
(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−2−(p−ヒドロ
キシフェニル)プロパンを高純度で得る場合には、水素
圧を10〜50kg/cm2、好ましくは20〜50k
g/cm2とする。10kg/cm2未満では、水素化
反応が進行せず、50kg/cm2を越えると、2,
2′−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン
の生成率が増加するからである。このときの反応温度
は、50〜140℃、好ましくは100〜140℃とす
る。反応温度が高すぎると、過還元物や分解物などの副
生物の生成量が多くなり、2−(4−ヒドロキシシクロ
ヘキシル)−2−(p−ヒドロキシフェニル)プロパン
の選択率が低下し、ビスフェノールA中の2個の芳香環
が全て水素化された2,2′−ビス(4−ヒドロキシシ
クロヘキシル)プロパンの生成率が増加するからであ
る。
を部分的に水素化(すなわち、ビスフェノールA中の2
個の芳香環のうち1環のみを選択的に水素化)し、2−
(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−2−(p−ヒドロ
キシフェニル)プロパンを高純度で得る場合には、水素
圧を10〜50kg/cm2、好ましくは20〜50k
g/cm2とする。10kg/cm2未満では、水素化
反応が進行せず、50kg/cm2を越えると、2,
2′−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン
の生成率が増加するからである。このときの反応温度
は、50〜140℃、好ましくは100〜140℃とす
る。反応温度が高すぎると、過還元物や分解物などの副
生物の生成量が多くなり、2−(4−ヒドロキシシクロ
ヘキシル)−2−(p−ヒドロキシフェニル)プロパン
の選択率が低下し、ビスフェノールA中の2個の芳香環
が全て水素化された2,2′−ビス(4−ヒドロキシシ
クロヘキシル)プロパンの生成率が増加するからであ
る。
【0014】なお、2−(4−ヒドロキシシクロヘキシ
ル)−2−(p−ヒドロキシフェニル)プロパンと2,
2′−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン
との混合物を得ることを目的とする場合には、上記の水
素圧下において、反応温度は100〜250℃、好まし
くは150〜200℃が適している。このとき、100
〜140℃では、ビスフェノールAの部分水素化物であ
る2−(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−2−(p−
ヒドロキシフェニル)プロパンの選択性が高くなるた
め、2−(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−2−(p
−ヒドロキシフェニル)プロパンを多量に含む2,2′
−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンが得
られることとなる。
ル)−2−(p−ヒドロキシフェニル)プロパンと2,
2′−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン
との混合物を得ることを目的とする場合には、上記の水
素圧下において、反応温度は100〜250℃、好まし
くは150〜200℃が適している。このとき、100
〜140℃では、ビスフェノールAの部分水素化物であ
る2−(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−2−(p−
ヒドロキシフェニル)プロパンの選択性が高くなるた
め、2−(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−2−(p
−ヒドロキシフェニル)プロパンを多量に含む2,2′
−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンが得
られることとなる。
【0015】水素化反応の溶媒は、特に限定されない
が、1,4−ジオキサンなどのエーテル類、シクロヘキ
サンなどの飽和炭化水素などが好ましく使用できる。な
お、一般に水素化反応の溶媒として用いられているアル
コール類では水素化反応は全く進行せず、また酢酸エチ
ルなどの低級脂肪酸エステルでは、2−(4−ヒドロキ
シシクロヘキシル)−2−(p−ヒドロキシフェニル)
プロパンの生成はあるが、エステル交換などの副反応が
多いため、十分な収率が得られない。
が、1,4−ジオキサンなどのエーテル類、シクロヘキ
サンなどの飽和炭化水素などが好ましく使用できる。な
お、一般に水素化反応の溶媒として用いられているアル
コール類では水素化反応は全く進行せず、また酢酸エチ
ルなどの低級脂肪酸エステルでは、2−(4−ヒドロキ
シシクロヘキシル)−2−(p−ヒドロキシフェニル)
プロパンの生成はあるが、エステル交換などの副反応が
多いため、十分な収率が得られない。
【0016】上記溶媒の使用量も特に限定されないが、
少なすぎれば、ビスフェノールAが充分に溶解せず、し
たがってビスフェノールAと上記したニッケル系触媒と
の接触が充分に行われず、逆に多すぎても、これらの接
触が不充分となるため、本発明では、ビスフェノールA
1gに対し、5〜200ミリリットル(以下、「mL」
と記す)とすることが好ましい。
少なすぎれば、ビスフェノールAが充分に溶解せず、し
たがってビスフェノールAと上記したニッケル系触媒と
の接触が充分に行われず、逆に多すぎても、これらの接
触が不充分となるため、本発明では、ビスフェノールA
1gに対し、5〜200ミリリットル(以下、「mL」
と記す)とすることが好ましい。
【0017】
参考例1 ビスフェノールA1g(0.004モル)、ニッケル−
ケイソウ土触媒(ニッケル45wt%含)0.05g、
トリエチルアミン0.10g(ニッケル−ケイソウ土触
媒のケイソウ土1モルに対して2モル)および1,4−
ジオキサン100mLを、攪拌機付き200mLオート
クレーブに入れ、200℃に昇温した後、水素ガスで2
5kg/cm2まで昇圧した。よく攪拌しながら、この
温度、圧力で、12時間保持した後、室温まで冷却し、
ニッケル−ケイソウ土触媒をロ過により除去した。この
ロ液から1,4−ジオキサンを留去して、反応混合物を
得た。
ケイソウ土触媒(ニッケル45wt%含)0.05g、
トリエチルアミン0.10g(ニッケル−ケイソウ土触
媒のケイソウ土1モルに対して2モル)および1,4−
ジオキサン100mLを、攪拌機付き200mLオート
クレーブに入れ、200℃に昇温した後、水素ガスで2
5kg/cm2まで昇圧した。よく攪拌しながら、この
温度、圧力で、12時間保持した後、室温まで冷却し、
ニッケル−ケイソウ土触媒をロ過により除去した。この
ロ液から1,4−ジオキサンを留去して、反応混合物を
得た。
【0018】上記の反応混合物をガスクロマトグラフ
(以下、「GC」と略す)により分析したところ、ビス
フェノールAの転換率(水素化率)は96.0wt%で
あり、2−(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−2−
(p−ヒドロキシフェニル)プロパンが57.2wt
%、2,2′−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)
プロパンが18.2wt%、その他分解生成物および重
合生成物が20.6wt%であった。
(以下、「GC」と略す)により分析したところ、ビス
フェノールAの転換率(水素化率)は96.0wt%で
あり、2−(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−2−
(p−ヒドロキシフェニル)プロパンが57.2wt
%、2,2′−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)
プロパンが18.2wt%、その他分解生成物および重
合生成物が20.6wt%であった。
【0019】実施例1 ビスフェノールA1g(0.004モル)、ニッケル−
ケイソウ土触媒(ニッケル45wt%含)0.5g、ト
リエチルアミン1.0g(ニッケル−ケイソウ土触媒の
ケイソウ土1モルに対して2モル)および1,4−ジオ
キサン100mLを、攪拌機付き200mLオートクレ
ーブに入れ、100℃に昇温した後、水素ガスで25k
g/cm2まで昇圧した。よく攪拌しながら、この温
度、圧力で、40時間保持した後、室温まで冷却し、ニ
ッケル−ケイソウ土触媒をロ過により除去した。このロ
液から1,4−ジオキサンを留去して、反応混合物を得
た。
ケイソウ土触媒(ニッケル45wt%含)0.5g、ト
リエチルアミン1.0g(ニッケル−ケイソウ土触媒の
ケイソウ土1モルに対して2モル)および1,4−ジオ
キサン100mLを、攪拌機付き200mLオートクレ
ーブに入れ、100℃に昇温した後、水素ガスで25k
g/cm2まで昇圧した。よく攪拌しながら、この温
度、圧力で、40時間保持した後、室温まで冷却し、ニ
ッケル−ケイソウ土触媒をロ過により除去した。このロ
液から1,4−ジオキサンを留去して、反応混合物を得
た。
【0020】上記の反応混合物をGCにより分析したと
ころ、ビスフェノールAの転換率(水素化率)は10
0.0wt%であり、2−(4−ヒドロキシシクロヘキ
シル)−2−(p−ヒドロキシフェニル)プロパンが9
3.0wt%、2,2′−ビス(4−ヒドロキシシクロ
ヘキシル)プロパンが0wt%、その他分解生成物およ
び重合生成物が7.0wt%であった。
ころ、ビスフェノールAの転換率(水素化率)は10
0.0wt%であり、2−(4−ヒドロキシシクロヘキ
シル)−2−(p−ヒドロキシフェニル)プロパンが9
3.0wt%、2,2′−ビス(4−ヒドロキシシクロ
ヘキシル)プロパンが0wt%、その他分解生成物およ
び重合生成物が7.0wt%であった。
【0021】比較例1 ニッケル−ケイソウ土触媒を0.05gとし、トリエチ
ルアミンを添加せず、反応温度を140℃、反応時間を
4時間とする以外は、実施例1と同様にして、反応混合
物を得た。この反応生成物をGCにより分析したとこ
ろ、ビスフェノールAの転換率(水素化率)は23wt
%であり、2−(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−2
−(p−ヒドロキシフェニル)プロパンが0wt%、
2,2′−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロ
パンが15wt%、その他分解生成物および重合生成物
が8wt%であった。
ルアミンを添加せず、反応温度を140℃、反応時間を
4時間とする以外は、実施例1と同様にして、反応混合
物を得た。この反応生成物をGCにより分析したとこ
ろ、ビスフェノールAの転換率(水素化率)は23wt
%であり、2−(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−2
−(p−ヒドロキシフェニル)プロパンが0wt%、
2,2′−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロ
パンが15wt%、その他分解生成物および重合生成物
が8wt%であった。
【0022】参考例2 ニッケル−ケイソウ土を0.05gとし、トリエチルア
ミンを0.1g(ニッケル−ケイソウ土触媒のケイソウ
土1モルに対して2モル)、反応温度を200℃、反応
時間を14時間とする以外は、実施例1と同様にして、
反応混合物を得た。この反応生成物をGCにより分析し
たところ、ビスフェノールAの転換率(水素化率)は9
8wt%であり、2−(4−ヒドロキシシクロヘキシ
ル)−2−(p−ヒドロキシフェニル)プロパンが55
〜56wt%、2,2′−ビス(4−ヒドロキシシクロ
ヘキシル)プロパンが21wt%、その他分解生成物お
よび重合生成物が21wt%であった。
ミンを0.1g(ニッケル−ケイソウ土触媒のケイソウ
土1モルに対して2モル)、反応温度を200℃、反応
時間を14時間とする以外は、実施例1と同様にして、
反応混合物を得た。この反応生成物をGCにより分析し
たところ、ビスフェノールAの転換率(水素化率)は9
8wt%であり、2−(4−ヒドロキシシクロヘキシ
ル)−2−(p−ヒドロキシフェニル)プロパンが55
〜56wt%、2,2′−ビス(4−ヒドロキシシクロ
ヘキシル)プロパンが21wt%、その他分解生成物お
よび重合生成物が21wt%であった。
【0023】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、従
来のビスフェノールAの水素化方法に比較して、低温低
圧で、ビスフェノールA中の2個の芳香環のうち1環の
みを選択的に水素化することができ、2−(4−ヒドロ
キシシクロヘキシル)−2−(p−ヒドロキシフェニ
ル)プロパンを、高純度で、かつ容易に製造することが
できる。これらのビスフェノールAの水素化物である
2,2′−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロ
パンおよび2−(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−2
−(p−ヒドロキシフェニル)プロパンは、前述したよ
うに、ポリエステルなどの樹脂原料あるいは改質剤とし
て有用である。
来のビスフェノールAの水素化方法に比較して、低温低
圧で、ビスフェノールA中の2個の芳香環のうち1環の
みを選択的に水素化することができ、2−(4−ヒドロ
キシシクロヘキシル)−2−(p−ヒドロキシフェニ
ル)プロパンを、高純度で、かつ容易に製造することが
できる。これらのビスフェノールAの水素化物である
2,2′−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロ
パンおよび2−(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−2
−(p−ヒドロキシフェニル)プロパンは、前述したよ
うに、ポリエステルなどの樹脂原料あるいは改質剤とし
て有用である。
Claims (1)
- 【請求項1】 ニッケル系触媒、飽和脂肪族アミンの存
在下、水素圧10〜50kg/cm2、温度50〜14
0℃の条件下に水素化を行うことを特徴とするビスフェ
ノールAの水素化方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5095434A JPH06279339A (ja) | 1993-03-30 | 1993-03-30 | ビスフェノールaの水素化方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5095434A JPH06279339A (ja) | 1993-03-30 | 1993-03-30 | ビスフェノールaの水素化方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06279339A true JPH06279339A (ja) | 1994-10-04 |
Family
ID=14137594
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5095434A Pending JPH06279339A (ja) | 1993-03-30 | 1993-03-30 | ビスフェノールaの水素化方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06279339A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9545617B2 (en) | 2014-12-09 | 2017-01-17 | Industrial Technology Research Institute | Catalyst and manufacturing method thereof and method for manufacturing hydrogenated bisphenol A or derivatives thereof using the same |
CN109232188A (zh) * | 2018-10-17 | 2019-01-18 | 常州大学 | 一种氢化双酚a的制备方法 |
CN109678661A (zh) * | 2018-12-17 | 2019-04-26 | 常州大学 | 用于连续化制备氢化双酚a的设备及氢化双酚a的连续化制备方法 |
-
1993
- 1993-03-30 JP JP5095434A patent/JPH06279339A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9545617B2 (en) | 2014-12-09 | 2017-01-17 | Industrial Technology Research Institute | Catalyst and manufacturing method thereof and method for manufacturing hydrogenated bisphenol A or derivatives thereof using the same |
US10005068B2 (en) | 2014-12-09 | 2018-06-26 | Industrial Technology Research Institute | Catalyst and manufacturing method thereof |
CN109232188A (zh) * | 2018-10-17 | 2019-01-18 | 常州大学 | 一种氢化双酚a的制备方法 |
CN109232188B (zh) * | 2018-10-17 | 2021-07-27 | 常州大学 | 一种氢化双酚a的制备方法 |
CN109678661A (zh) * | 2018-12-17 | 2019-04-26 | 常州大学 | 用于连续化制备氢化双酚a的设备及氢化双酚a的连续化制备方法 |
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