JP2005533120A - ラクトンおよびアルコールからのアルケノエートエステルの合成 - Google Patents

ラクトンおよびアルコールからのアルケノエートエステルの合成 Download PDF

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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C67/00Preparation of carboxylic acid esters
    • C07C67/03Preparation of carboxylic acid esters by reacting an ester group with a hydroxy group

Abstract

本発明は、塩基触媒の存在下、対応するラクトンおよびアルコールからのアルケノエートエステルの合成に関する。より詳しくは、本発明は5−メチルブチロラクトンおよびメタノールからのメチル−4−ペンテノエートエステルの合成に関する。

Description

本発明は、塩基触媒の存在下、対応するラクトンとアルコールからのアルケノエートエステルの合成に関する。より詳しくは、本発明は5−メチルブチロラクトンおよびアルコールからのアルキル−4−ペンテノエートエステルの合成に関する。
アルケノエートエステルは、多くの方法で、例えばカプロラクタムやアジピン酸のようなナイロン中間体において、有用な前駆体であり、モノマーである。例えば、メチル−4−ペンテノエートエステルは、5−ホルミルバレレートの製造における前駆体であり、続く水素化とアミノカプロエートの環化により、硫酸アンモニウムの生成を伴うことなくカプロラクタムに変換されうる。特許文献1には、対応する5,6、または7員環ラクトンとアルコールから出発して、酸触媒の存在下に、末端に二重結合を有するアルケノエートエステルを調製する方法が開示されている。
特許文献2では、酸触媒の存在下、150℃から400℃の温度で、ガンマ−バレロラクトンとアルコールの反応による、4−ペンテノエートエステルの調製が開示されている。この反応では、4−ペンテノエート、3−ペンテノエート(シス構造とトランス構造)および2−シス−ペンテノエートの異性体混合物が生成される。この反応は次式で表される。
Figure 2005533120

ペンテノエート異性体とg−バレロラクトン、アルコールとの混合物
式中、Rは炭素原子1から6のアルキル基である。
さらに詳しくは、(特許文献2)は、酸触媒の存在下において、ガンマ−バレロラクトンとメタノールから、メチルペンテノエートエステルの異性体混合物:すなわち(1)メチル−4−ペンテノエートエステル、(2)シス−メチル−3−ペンテノエートエステル、(3)トランス−メチル−3−ペンテノエートおよび(4)シス−メチル−2−ペンテノエートエステルを得る反応を開示している。この反応は次のように表される。
Figure 2005533120
特許文献2では、生成物中の全てのペンテノエートエステルの最終組成において、メチル−4−ペンテノエートエステルの最大分配率38%を開示している。特許文献2以前には、メチル−4−ペンテノエートエステルの最大分配率は8%と報告されていた(特許文献2で引用されている特許文献3)。これらの以前の反応では、メチル−4−ペンテノエートエステルはメチル−3−ペンテノエートエステル(トランス70%、シス30%)の異性化によって得ていた。4−ペンテノエート生成物は、そのような異性体混合物から、その後の共沸蒸留によって分離されていた。
しかしながら、特許文献2の方法条件を採用しても、メチル−4−ペンテノエートエステルの分配率が38%より実質的に高くなることはない。このため、費用のかかるメチル−4−ペンテノエートエステルの分離工程(例えば、蒸留)とメチル−2およびメチル−3−ペンテノエートエステル異性体のリサイクルが必要となる。これらの従来の開示は、メチル−3−ペンテノエートエステル異性体をメチル−4−ペンテノエートエステルに変換する方法ではなく、メチル−4−ペンテノエートエステルを直接製造する方法が依然として必要であることを示している。したがって、4−ペンテノエートのより高い選択率と分配率、そしてラクトンのより高い転化率を実現する方法が望まれる。
さらに、各ペンテノエートエステル異性体は他の異性体に変換できるとはいえ、所望する特定の異性体を主生成物として製造できる簡素な方法があれば有利であろう。
米国特許第5,144,061号明細書 米国特許第4,740,613号明細書 独国特許出願公開DOS No.3,412,295
本発明は、ラクトンとアルコールの前駆体からアルケノエートエステルを製造するに際して、酸触媒を使用しない方法を教示するものである。本発明は、ラクトンとアルコールの前駆体からアルケノエートエステルを製造するに際して、塩基触媒を使用する方法を教示するものである。ここで開示する方法によって、3つの主要な目標、すなわち(1)従来法より高い4−ペンテノエートの選択率、(2)4−ペンテノエートの所望の分配率、(3)ラクトン前駆体から生成物へのより高い転化率、が達成される。具体的には、本発明の方法は、ここで開示する塩基触媒系を使用することによって、95%を超えるメチル−4−ペンテノエートエステルの選択率、99%までのメチルペンテノエートエステル生成物中のメチル−4−ペンテノエートエステル異性体の分配率および70%の高いガンマ−バレロラクトンの対応する転化率を与えるものである。さらに、本発明の方法は、直接の、一段法により、メチル−4−ペンテノエートエステルを高収率で製造する方法を提供するものである。
本発明は、式Iのラクトンを式IIのアルカノールと、不均一塩基触媒の存在下で接触させて、対応するアルキルアルケノエートエステルを含有する混合物を生成する工程を含んでなる、アルキルアルケノエートエステル(III)の少なくとも1つの異性体を製造する方法に関する。
Figure 2005533120
式中、
n=0〜2;R、R、RおよびRは独立して、水素、ヒドロカルビルまたは置換されたヒドロカルビル、C〜C18の置換されていないか、または置換されたアルキル、置換されていないか、または置換されたアルケニル、置換されていないか、または置換されたシクロアルキル、少なくとも1つのヘテロ原子を含む置換されていないか、または置換されたシクロアルキル、置換されていないか、または置換されたアリール、および置換されていないか、または置換されたヘテロアリール、RおよびRは独立して、水素または炭素原子1から5のアルキル、但し、RとRの炭素数の合計が5を超えず、Rは炭素原子1から6のアルキルである。
本発明は、特には、不均一塩基触媒の存在下、約250℃から約500℃の温度範囲で、ガンマ−バレロラクトンをアルコールと接触させることによって、アルキル−4−ペンテノエートエステル異性体を高収率で製造する方法に関する。
以下の説明において次の略語を使用するが、これらは本発明の意味と範囲を理解する上で有用である。
「アルキル」は、炭素が12まで、12を含むアルキル基である。アルキル基のよく知られている例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、s−ブチル、イソブチル、ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、2−エチルヘキシル、シクロヘキシルおよびオクチルが挙げられる。
「アリール」は、構造的には1つもしくはそれ以上のベンゼン環のみからなる炭化水素から、水素原子が引き抜かれてできる一価のラジカルと定義される基である。アリール基のよく知られている例としては、ベンゼン、ビフェニル、ターフェニル、ナフタレン、フェニルナフタレンおよびナフチルベンゼンが挙げられる。
「ヘテロアリール」は、1個もしくは2個のO原子とS原子、および/または、環の中のヘテロ原子の数が4個もしくはそれ未満であるという条件において1個から4個のN原子を含有する原子が5もしくは6の不飽和環、あるいは、上で定義したようなO、SおよびNの原子を含む5もしくは6員環がベンゼン環もしくはピリジル環に融合した二環のものである。よく知られた例としては、フランやチオフェンがある。
「ヒドロカルビル」は、炭素および水素のみを含む原子の一価の基であり、キラル性またはアキラル性である。特に明記しない限り、本発明の方法においては、ヒドロカルビル(および置換されたヒドロカルビル)基が炭素原子1から30を含むことが好ましい。
「置換された」は、その化合物を不安定にしたり、希望する反応を行うのに不適切としない1つもしくはそれ以上の置換基を含有する反応物質に付加している基である。本発明の方法において有用な置換基としては、ニトリル、エーテル、エステル、ハロ、アミノ(第1、第2および第3を含む)、ヒドロキシ、オキソ、ビニリデンまたは置換されたビニリデン、シリルまたは置換されたシリル、ニトロ、ニトロソ、スルフィニル、スルフォニル、スルフォン酸アルカリ金属塩、ボラニルまたは置換されたボラニル、およびチオエーテルの基を挙げられる。
「分配率」は、全メチルペンテノエート生成量に対する、特定のメチルペンテノエートエステルの重量パーセントである。
「選択率」は、未反応物質の重量を含む全生成物重量に対する、特定のメチルペンテノエートエステルの重量パーセントである。
「転化率」とは、生成物に変換した特定の反応物質の重量パーセントである。
本発明は、次の反応式に示されるように、式Iで表される少なくとも1種のラクトンを式IIで表される少なくとも1種のアルコールと、不均一塩基触媒の存在下で接触させて、対応するアルケノエートエステルの異性体を含有する反応混合物を生成することを含んでなる、一般式IIIで表される1つもしくはそれ以上のペンテノエートエステルおよびその異性体を製造する方法を提供するものである。
Figure 2005533120
式中、n=0〜2;R、R、RおよびRは独立して、水素、ヒドロカルビルまたは置換されたヒドロカルビル、C〜C18の置換されていないか、または置換されたアルキル、置換されていないか、または置換されたアルケニル、置換されていないか、または置換されたシクロアルキル、少なくとも一つのヘテロ原子を含む置換されていないか、または置換されたシクロアルキル、置換されていないか、または置換されたアリール、および置換されていないか、または置換されたヘテロアリール、RおよびRは独立して、水素または炭素原子1から5のアルキルであって、RとRの炭素数の合計が5を超えない。Rは炭素原子1から6のアルキルである。
好ましい実施形態では、n=0である。より好ましくは、n=0であって、R、R、RおよびRは独立して、水素またはアルキル基である。さらに好ましい実施形態では、n=0であって、R、R、RおよびRは独立して、水素である。
他の好ましい実施形態では、n=0であって、R、R、R、R4、およびRは独立して、水素である。より好ましくは、ラクトン前駆体において、n=0であって、R、R、RおよびRが独立して水素であり、アルコール前駆体のR基がメチル基である。本方法によって製造される不飽和ペンテノエートエステルは、1種の特定の化合物または異性体の混合物である。この特定の実施形態では、ラクトンはガンマ−バレロラクトン(式IV)(ガンマ−メチルブチロラクトン、ガンマ−ペンタラクトンおよび4−メチルブチロラクトンとしても知られている)であり、アルコールはメタノールである(式V)。1つもしくはそれ以上の不飽和ペンテノエートエステル(式VI)、すなわち、(1)シス−メチル−2−ペンテノエートエステル、(2)トランス−メチル−2−ペンテノエートエステル、(3)シス−メチル−3−ペンテノエートエステル、(4)トランス−メチル−3−ペンテノエートエステルおよび(5)メチル−4−ペンテノエートエステルが生成される。
反応は次のように表される:
Figure 2005533120
本発明に有用な触媒は、反応速度には影響するが、反応平衡には影響せず、化学的な変化を受けることなくプロセスから分離できるような物質である。化学促進剤は、一般に、触媒活性を増大させる。ここでの促進剤は、触媒成分を化学的に処理するどのような工程においても触媒と一体となっている。化学促進剤は、一般に、触媒剤の物理的または化学的機能を促進するものであるが、これはまた望ましくない副反応を抑えるために添加されることがある。
「不均一触媒」とは、吸着によって反応種が触媒表面に捕捉されるとき、その表面で生じる反応に作用する触媒をいう。
本発明の方法に有用な適切な塩基触媒は、ブレンステッド(Broensted)によって定義されたようなプロトン受容能を有する物質であるか、あるいは、ルイス(Lewis)によって定義されたような原子、分子またはイオンと共有結合できる非共有電子対を有する物質である。塩基触媒についてのより詳しい説明や、ある触媒が塩基性かどうかを決める方法は、タナベ,ケィ(Tanabe,K.)著、「キャタリシス:サイエンス・アンド・テクノロジー(Catalysis:Science and Technology)」、第2巻、p.232−273、アンダーソン,ジェイ(Anderson,J.)およびボーダート,エム(Boudart,M.)編、スプリンガー−フェアラーク(Springer−Verlag)、ニューヨーク(N.Y.)、1981年に記載されている。
適切な塩基触媒の例としては、金属の酸化物、水酸化物、炭酸塩、珪酸塩、燐酸塩、アルミン酸塩およびこれらの組み合わせが挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。好ましいのは、金属の酸化物、炭酸塩および珪酸塩である。より好ましくは、第1族、第2族および希土類の酸化物、炭酸塩および珪酸塩である。
本発明の触媒は、市販品をそのまま直接使用してもよく、あるいは、適切な出発物質からこの技術分野で知られる方法で調製してもよい。
ここで使用される触媒は、粉末、顆粒その他の粒子形状で使用することができる。触媒の最適な平均粒径は、反応器滞留時間や所望の反応器内流量などのプロセスパラメータに応じて選択される。
ここでの触媒は、触媒の技術分野でよく行われるように、触媒担体に担持させてもよい。適切な触媒担体としては、アルミナ、チタニア、シリカ、ジルコニア、ゼオライト、炭素、クレーおよびこれらの組み合わせを挙げることができるが、特にこれらに限定されるものではない。担持触媒を製造するにあたっては、この技術分野で知られる方法であればいかなる方法も使用可能である。触媒/担体の複合体の表面が塩基性であるならば、担体は中性でも、酸性でも、あるいは塩基性でもよい。好ましい担体は、中性で、かつ、表面積が約10m/gを超えるものである。担体を金属触媒で処理するために一般に用いられている技術は、ビー・シー・ゲイツ(B.C.Gates)著、「ヘテロジーニャス・キャタリシス(Heterogeneous Catalysis)」、第2巻、p.1−29、ビー・エル・シャピロ(B.L.Shapiro)編、テキサス・エー・アンド・エム・ユニバーシティ・プレス(Texas A & M University Press)、カレッジ・ステーション(College Station)、テキサス州(TX)、1984年、に見出すことが出来る。
本発明の触媒は、触媒効率を高めるような触媒添加剤および促進剤をさらに含むことができる。これらの材料の使用は、この技術分野において、一般的であり、またよく知られていることである(例えば、ハウ−グラント(Howe−Grant)編、「カーク−オスマー・エンサイクロペディア・オブ・ケミカル・テクノロジー(Kirk−Othmer Encyclopedia of Chemical Technology)」、第5巻、p.326−346(1993年)、ジョン・ウィリー・アンド・サンズ(John Wiley & Sons)、ニューヨーク(New York)および「ウルマンズ・エンサイクロペディア・オブ・インダストリアル・ケミストリー(Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry)」、A5巻、ガーハーツ(Gerhartz)ら編、p.337−346(1986年)、ブイ・シー・エイチ・パブリッシャーズ(VCH Publishers)、ニューヨーク(New York))を参照)。触媒促進剤の相対的百分率は、任意に変えることができる。本発明の方法において有用な促進剤の量は、触媒重量の約0.01%から約5.00%である。
ここでの好ましい触媒は金属珪酸塩である。「珪酸塩」は、SiおよびO、場合によりHを含んでいてもよい、アニオンを意味する。このようなものとしては、SiO −2、Si −6およびSiO −4およびそれらの種々の水素化物があげられるが、特にこれらに限定されるものではない。より好ましくは、原子周期律表の第2族金属の珪酸塩であり、特に好ましいのは珪酸マグネシウムである。
ここでの特に好ましい1つの触媒は、ザ・ダラス・グループ・オブ・アメリカ・インコーポレーティド(The Dallas Group of America,Inc)製の、珪酸マグネシウムを水素化して合成したアモルファス型の、マグネソル(Magnesol)(登録商標)である。
他の好ましい触媒は、場合により適切な担体に担持されていてもよい第1族、第2族または希土類金属の酸化物および炭酸塩、並びにそれらの組み合わせである。これらの触媒の調製法の1つは、金属酢酸塩を水に溶解するものである。シリカなどの担体を溶液に浸漬し、その後、か焼する。これにより酢酸塩が酸化され、酸化物、炭酸塩またはそれらの複合体が生成される。本方法のより好ましい実施形態では、周期律表の第1族または第2族の金属を使用する。最も好ましい実施形態では、金属触媒としてバリウム、セシウム、またはルビジウムを使用する。他の好ましい触媒としては、酢酸セシウム、酢酸ルビジウム、酢酸カリウム、酢酸バリウム、酢酸マグネシウム、酢酸カルシウム、およびそれらの混合物などの有機酸塩が挙げられる。
担持触媒の好ましい触媒含有量の範囲は、約1%から約30%である。より好ましい触媒金属含有量の範囲は、約10%から約25%である。さらに好ましい触媒金属含有量の範囲は、約12%から約22%である。
本方法は、好ましくは気相で実施される。本方法は、パルス反応器、流動層、固定層、定常ライザ反応器およびリキャルキュレート固体反応システム(a recalculating solids reactor system)などの適切な反応器で実施できるが、特にこれらに限定されるものではない。
本発明においては、反応初期におけるアルコールに対するラクトンの重量比は約1/100から約100/1が好ましい。反応初期の重量比が約40/60から60/40であるとより好ましい。重量比が約50/50であると特に好ましい。
本発明の方法では、温度は約250℃から約500℃の範囲であることが好ましい。温度が約275℃から約450℃の範囲であるとより好ましい。温度が約325℃から約400℃の範囲であると特に好ましい。
本発明の方法では、圧力は約1.0MPaから約6.9MPaの範囲が使用される。圧力は約2.0MPaから約4.0MPaの範囲が好ましい。
本発明の方法は、バッチでも、連続式バッチ(すなわち、一連のバッチ反応器)でも、あるいは連続プロセスで一般に使用されている装置(例えば、エイチ・エス・フォグラー(H.S.Fogler)、「エレメンタリー・ケミカル・リアクション・エンジニアリング(Elementary Chemical Reaction Engineering)」、プレンティス−ホール・インコーポレーティッド(Prentice−Hall)、ニュージャージー州(N.J.)、米国(USA)参照)を用いる連続モードでも実施できる。反応生成物として生じる凝縮水は、このような分離において一般に用いられている分離法で除去できる。
触媒とのさらなる接触により、生成物の選択率と収率がさらに高まることが理解されるであろう。例えば、反応物質と生成物の混合物を含む反応器流出物を、反応物質から生成物への転換を加速するためにここで記載した反応条件下で触媒とさらに接触させると、収率と選択率を増加させることができる。
本発明の方法は、1種もしくはそれ以上のペンテノエートエステルの回収または分離をさらに含むことができる。これは、蒸留、デカンテーション、再結晶化、または抽出など、この分野で知られる方法で行うことができる。
材料と方法
ここでは、次の略語が使用される。
マグネソール(Magnesol)(登録商標) ケイ酸マグネシウム(ザ・ダラス・グループ・オブ・アメリカ・インコーポレーティッド(The Dallas Group of America,Inc.)の登録商標)
VL ガンマ−バレロラクトンまたは5−メチル−ブチロラクトン
MP メチルペンテノエートエステル
M4P メチル−4−ペンテノエートエステル
t−M2P トランス−メチル−2−ペンテノエートエステル
t−M3P トランス−メチル−3−ペンテノエートエステル
c−M3P シス−メチル−3−ペンテノエートエステル
cc 立法センチメートル
Temp. 温度
TOS 実験時間
Dist. 分配率
Sel. 選択率
Conv. 転化率
次の手順は、シリカ担体に担持された塩基触媒の調製手順を説明するものである。金属はすべて酢酸塩として使用した。
シリカ上での20%セシウムの調製手順
酢酸セシウム(2.91g;ミズーリ州セントルイスのシグマ−アルドリッチ・コーポレーション(Sigma−Aldrich Corporation St.Louis,MO))をHO(14ml)中に溶解し、溶液をシリカ(8.07g;メリーランド州コロンビアのダブリュー.アール.グレース(W.R.Grace,Columbia,MD)、;グレード55、12×12メッシュ)に滴下した。混合物を室温で2時間静置し、その後、混合物をアルミナ皿に移した。皿を水平の石英チューブ内に置き、空気でパージした。担持触媒を空気気流中、120℃で4時間加熱し、その後、450℃で16時間加熱した。その後、試料を冷却し、シリカ上での20%セシウムを9.87g得た。
実施例1−49
触媒8ccを外径1/2インチのインコネル(Inconel)(登録商標)(カナダ、オンタリオ州ビームズビルのインターナショナル・ニッケル・カンパニー・オブ・カナダ・リミッティッド(International Nickel Co. of Canada Ltd.,Beamsville,Ontario,Canada))製管型反応器にセットし、管型炉で加熱した。ガンマ−バレロラクトンとメタノール(メタノール:VLの重量比50:50)の水溶液を、流量2〜6ml/hr、2cc/hrで、ポンプにより反応器に供給した。反応器流出液をメタノールの冷溶液(約10℃)に導き急冷した。その後、炎イオン化検出器を使用してHP5890ガスクロマトグラフ(ペンシルバニア州ベルフォンテのレステック・カンパニー(Restech Co.,Bellefonte,PA)から入手した30m×内径0.53mmのRTX−1701カラム)により試料を分析した。検出器を3分間50℃に保ち、その後、30℃/minの昇温速度で165℃まで加熱し、8分間保持した。その後、規格化面積百分率に基づき選択率と転化率を算出した。結果を下記表1に示す。表には、転化したVLの百分率、全ペンテノエートエステルに対する選択率、および全ペンテノエートエステル中の各種ペンテノエートエステル異性体の分配率を示した。
Figure 2005533120
Figure 2005533120

Claims (15)

  1. 式IIIで表されるアルキルアルケノエートエステルを製造する方法であって、場合により触媒担体に担持されていてもよい不均一塩基触媒の存在下に、式Iで表されるラクトンを式IIで表されるアルカノールと接触させて、対応するアルキルアルケノエートエステルを生成することを含んでなる方法。
    Figure 2005533120

    (式中、
    n=0〜2;
    、R、RおよびRは独立して、水素、ヒドロカルビルまたは置換されたヒドロカルビル、C〜C18の置換されていないか、または置換されたアルキル、置換されていないか、または置換されたアルケニル、置換されていないか、または置換されたシクロアルキル、少なくとも1つのヘテロ原子を含む置換されていないか、または置換されたシクロアルキル、置換されていないか、または置換されたアリールおよび置換されていないか、または置換されたヘテロアリール;
    およびRは独立して、水素または炭素原子1から5のアルキル、
    但し、RとRの炭素数の合計が5を超えず;
    Rは炭素原子1から6のアルキルである。)
  2. n=0であり、そして、R、R、R、R4、およびRは独立して水素である請求項1に記載の方法。
  3. Rがメチル基である請求項2に記載の方法。
  4. ラクトンがガンマ−バレロラクトンであり、そしてアルカノールがメタノールである請求項1に記載の方法。
  5. アルカノールに対するラクトンの含有重量比が1/100から100/1の範囲である請求項1または請求項4に記載の方法。
  6. アルカノールに対するラクトンの含有重量比が40/60から60/40の範囲である請求項1または請求項4に記載の方法。
  7. 塩基触媒が、金属珪酸塩、金属炭酸塩、金属酸化物、金属水酸化物、金属燐酸塩、金属アルミン酸塩またはこの組み合わせよりなる群から選択される請求項1に記載の方法。
  8. 塩基触媒が、第1族、第2族または希土類の珪酸塩;第1族、第2族または希土類の酸化物;第1族、第2族または希土類の炭酸塩;および、この組み合わせよりなる群から選択される請求項1に記載の方法。
  9. 250℃から500℃の温度範囲で実施される請求項1に記載の方法。
  10. 325℃から400℃の温度範囲で実施される請求項1に記載の方法。
  11. 前記金属が、バリウム、セシウム、ルビジウムおよびマグネシウムよりなる群から選択される請求項6に記載の方法。
  12. 塩基触媒の含有量が、反応物質の約1重量%から約30重量%である請求項7に記載の方法。
  13. 塩基触媒の含有量が、反応物質の約10重量%から約25重量%である請求項7に記載の方法。
  14. 塩基触媒の含有量が、反応物質の約12重量%から約22重量%である請求項7に記載の方法。
  15. 気相で実施される請求項1に記載の方法。
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