JP2005529590A - ARE含有mRNAとHuRタンパク質の結合のインヒビターの同定方法 - Google Patents

ARE含有mRNAとHuRタンパク質の結合のインヒビターの同定方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2005529590A
JP2005529590A JP2003584709A JP2003584709A JP2005529590A JP 2005529590 A JP2005529590 A JP 2005529590A JP 2003584709 A JP2003584709 A JP 2003584709A JP 2003584709 A JP2003584709 A JP 2003584709A JP 2005529590 A JP2005529590 A JP 2005529590A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hur
protein
mrna
full
length
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003584709A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005529590A5 (ja
Inventor
マンフレート・アウアー
ニコーレ−クラウディア・マイスナー
フォルカー・ウール
Original Assignee
ノバルティス アクチエンゲゼルシャフト
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ノバルティス アクチエンゲゼルシャフト filed Critical ノバルティス アクチエンゲゼルシャフト
Publication of JP2005529590A publication Critical patent/JP2005529590A/ja
Publication of JP2005529590A5 publication Critical patent/JP2005529590A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/53Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor
    • G01N33/5308Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor for analytes not provided for elsewhere, e.g. nucleic acids, uric acid, worms, mites
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P29/00Non-central analgesic, antipyretic or antiinflammatory agents, e.g. antirheumatic agents; Non-steroidal antiinflammatory drugs [NSAID]
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/68Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing involving proteins, peptides or amino acids
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N2500/00Screening for compounds of potential therapeutic value
    • G01N2500/02Screening involving studying the effect of compounds C on the interaction between interacting molecules A and B (e.g. A = enzyme and B = substrate for A, or A = receptor and B = ligand for the receptor)

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Urology & Nephrology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Cell Biology (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Food Science & Technology (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Tropical Medicine & Parasitology (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Rheumatology (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Pain & Pain Management (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)
  • Investigating Or Analysing Materials By The Use Of Chemical Reactions (AREA)

Abstract

本発明は、ARE含有mRNAとHuRタンパク質との複合体形成に対する阻害作用を有する薬物を同定する方法を提供する。

Description

本発明は、化合物スクリーニング方法、例えば、AUリッチエレメント(ARE)含有mRNAとHuRタンパク質の複合体形成に対する阻害作用を有する候補化合物を同定するためのアッセイ、および方法に関する。
mRNAの安定性の制御は、真核生物の遺伝子発現を転写後レベルでコントロールする重要機序として認識されている。長時間存続するmRNAは、特定の遺伝子産物の産生に関する急激な変化を和らげるが、半減期の短かいmRNAは、変化する生理条件、および細胞(大抵、受容体介在性)シグナルの調節を適時可能とするための本質である。炎症性サイトカイン、成長因子、およびいくつかのプロトオンコジーン由来のメッセージの半減期は、大抵、AREにより介在される厳重なコントロール機序の影響を受けやすいことが見出された。
多くの疾患関連初期応答遺伝子(ERG)由来のmRNAは、3’非翻訳領域(UTR)中のAREの存在により、特異的分解の標的とされる。ARE含有mRNAによりコード化されるタンパク質の関連性のため、該エレメントは、抗炎症治療の中枢的標的だけでなく、プロトオンコジーン(例えば、c−fos、c−myc、ならびにbcl−2)様の本質的には異なる関連性の標的と見なされ得る。具体的には、サイトカインおよびプロトオンコジーンのmRNAは、トランス作用因子、またはそれと結合するタンパク質により介在される、その3’UTR中のAREにより、分解のシス(cis)での標的とされる。
AREは、5つの部分からなる一致モチーフAUUUAの存在により、基本的に特徴付けられる。しかしながら、ARE配列は、該5ヌクレオチドの配列および数により、互いに異なる。さらに、3’UTR中のAREの数、長さ、および位置は非常に変動する。近接またはAUリッチな領域の多数のAUUUA配列は、mRNAの不安定性と関係するが、単離AUUUA配列は対照的に、例えば、翻訳およびmRNA局在化での他の制御機能を有する。ARE指揮性mRNA減少(分解)は、ポリ(A)テールの迅速な除去により開始され、メッセージ本体(message corpus)の分解が続く(例えば、Chen C.Y et al., Trends Biochem. Sci. 1995, 20(11):465-70を参照)。
現在までに、いくつかの細胞質mRNA結合タンパク質が、AREと特異的に相互作用するとして同定されたが一方で、その結合は、安定化、不安定化のいずれか、あるいは双方向作用を示す。これらのうち、ヒトELAV(胚致死的異常視覚)タンパク質であるHuR(Hu抗原R)は、ARE介在性mRNA分解経路に関与する中心的mRNA安定化タンパク質であるとされる(例えば、Peng S.S. et al., EMBO J. 1998, 17(12):3461-70を参照)。
HuR(Hu抗原R)は、RRM(RNA認識モチーフ)スーパーファミリーの36kDのタンパク質であり、3’UTR中のそのARE結合活性による、短時間存続するmRNAの安定化に加えて、核と細胞質間を再配分することが示された。それ故、それは、核においてその同族mRNAと結合し、次に、それを核孔からエスコートすると想定されている。それは、細胞質への輸送中、および輸送後の分解から保護し、これにより、対応する遺伝子の即時アップレギュレーションを生じる。HuR介在性制御と関係する、AUリッチ含有mRNAの大ファミリーは、例えば、IL−3、c−fos、c−myc、GM−CSF(顆粒球/単球コロニー刺激因子)、AT−R1(アンジオテンシン受容体1)、Cox−2(シクロオキシゲナーゼ2)、IL−8、またはTNF−αを含む(例えば、Hel Z. et al., Nucleic Acids Res. 1998, 26 (11): 2803-12を参照)。
IL−2、Cox−2、またはTNF−α様免疫メディエーターのアップレギュレーションおよびダウンレギュレーションを介在する過程は、免疫応答での鍵となる機序であり、免疫処置および抗炎症治療の重要な標的を表している。
広範な種類のmRNAが、該遺伝子型の制御エレメントを用いる事実にも関わらず、先行研究は、特定のmRNAのAREが、細胞シグナル伝達に対する顕著に特異的な応答を鎮める証拠を提供してきた。従って、個々のAREを標的とすることにより、mRNA特異的機能的インヒビターを同定することが可能となると思われる。これは、プロトオンコジーン、炎症性サイトカイン、およびウイルスタンパク質を含む、疾患関連メディエーターの優れた多様性が、AREかつHuR介在性mRNA安定化および核輸送の共通制御原理に基づき、アッセイされ得ることを示唆する。
本発明は、特に、AREとタンパク質であるHuRにより介在されるERG特異的mRNA減少に焦点をおく、新規スクリーニングコンセプトを提供し、そしてこれは、該分解を阻害する。
我々は、IL−2(インターロイキン2)、TNF−α(腫瘍壊死因子α)、Cox−2(シクロオキシゲナーゼ2)、および他の標的mRNAの3’UTR中のAREとHuRとの相互作用が、本発明の方法に従い、決定され得ることを見出した。HuRのその同族ARE含有mRNA配列との相互作用は、炎症性疾患を標的とする新規アプローチとしての炎症処置を指揮する、可能性のある抗IL−2、抗Cox−2、抗TNF−αなどのための興味深い標的を表す。
本発明のアッセイコンセプトは、選択されたHuR−ARE標的相互作用に対する阻害性作用を有する化合物を同定する可能性を提供する。さらにそれは、対応するmRNAの安定性アッセイのアレイでの直接的特異性クロスチェックの可能性を生じる。これは、第1の場合で、TNF−α、IL−1β、IL−2、IL−8、Cox−2、IL−4、またはAT−R1由来のAREを含む炎症性標的を含むだけでなく、他のARE制御標的ファミリーへとアプローチをさらに拡大する可能性も大抵含む。例えば、c−myc、c−jun、またはc−fos様プロトオンコジーンが、スクリーニング可能であると予測される。従って、本発明の該アッセイコンセプトは、新規mRNA標的アプローチに基づく治療上の処置の基礎となる。
ARE含有mRNAのHuRタンパク質との複合体形成は、その結果、様々な疾患誘発/介在物質、例えば、炎症性薬物(例えば、サイトカイン、成長因子、プロトオンコジーン、またはウイルスタンパク質)の発現を誘導する。従って、該複合体形成を阻害する薬物(agent)は、該物質の発現を妨げる(例えば、該薬物は、炎症介在物質の発現を妨げる(阻害する)か、または低減する)。それ故、該薬物(インヒビター)は、様々な疾患、例えば、サイトカイン、成長因子、プロトオンコジーン、またはウイルスタンパク質により介在される疾患の処置で用いられる。
我々は、ここで、該薬物のスクリーニングの単純かつ迅速なHTS法を可能とする、全長HuRの可溶性形を見出した。
1つの態様において、本発明は、ARE含有mRNAとHuRタンパク質の複合体形成に対する阻害作用を有する薬物を同定する方法を提供し、これは、
(a)HuRタンパク質の可溶性形を用意すること(ただし、全長HuR・グルタチオンSトランスフェラーゼ融合タンパク質は除外される)、
(b)ARE含有mRNAを用意すること、
(c)候補化合物を用意すること、
(ここで、(a)、(b)、および(c)の少なくとも1つが、標識されている)、
(d)(a)および(b)を、(c)の存在下および(c)の非存在下で、(a)および(b)が複合体を形成するのに十分な時間、混合すること、
(e)段階(d)で形成された複合体の量を検出すること、および/または非複合体形成mRNA/タンパク質種を検出すること、
(f)形成された複合体の量および/または見出された非複合体形成mRNA/タンパク質種を、(c)の存在下と非存在下で比較すること、および
(g)段階(f)で検出された複合体形成に影響する薬物を選択すること、
を含む。
全長HuR・グルタチオンSトランスフェラーゼ融合タンパク質は、US2002/0165186(この内容は、引用により本明細書に取り込まれる)に開示されている。
HuRタンパク質の可溶性形は、該HuRタンパク質が、例えば、サイズ排除クロマトグラフィーによりコントロールされるように、水性溶媒、例えば、分光法に適合し、かつ適した条件の生理的pHの水性緩衝液中、すなわち、ミセル形成洗剤、グリセロールなどの非存在下、かつ0.5μMより、好ましくは、5μMより高いタンパク質濃度で凝集および沈殿を示さないことを意味する。これとは対照的に、野生型全長HuRは、該条件で高度合いの凝集、および沈殿の傾向を示す(すなわち、それは、類似条件下で実質的に不溶性である)。
本発明のアッセイで用いられるタンパク質の濃度は、特定のmRNA(フラグメント)とHuRとの結合親和性に依存する(例えば、本発明のアッセイで用いられるタンパク質濃度は、2種間の結合親和性が高い場合低く、あるいはその逆も同様である)。
溶媒は、水性溶媒、例えば、緩衝溶液、例えば、水性生理緩衝溶液を含む。
我々は、HuRタンパク質、すなわち、配列番号:3または配列番号:4のARE−mRNAに対する、全長HuRの生理的結合活性を含む特定のフラグメント;および、なおさらに驚くべきことには、配列番号:1または配列番号:2の全長HuRタンパク質(ここで、ただ1個のアミノ酸のカルボン酸(すなわち、C末端アミノ酸K)が、野生型と比較してエステル化されている)の可溶性形を見出した。好ましくは、C末端アミノ酸の該カルボン酸は、例えば、2−メルカプトエタンスルホン酸、またはその塩(例えば、ナトリウム)の使用により、アルキルメルカプト基でエステル化され、チオエステル形の、配列番号:1または配列番号:2の対応するエステル化HuRタンパク質を生じる。
さらなる態様において、本発明は、配列番号:1または配列番号:2(配列番号:1に対応するが、位置1のアミノ酸は含まない)の全長HuRタンパク質(ここで、位置326のC末端アミノ酸は、エステル化されている(例えば、チオエステル形の、配列番号:1または配列番号:2の全長HuRタンパク質)を提供する。
さらなる態様において、本発明は、配列番号:3または配列番号:4のHuRタンパク質フラグメントを提供する。
配列番号:3または配列番号:4のHuRタンパク質フラグメントは、ARE−mRNAに対する全長HuRの擬似生理的結合活性を含む、mRNA認識モティーフ1および2、すなわち、配列番号:1のアミノ酸1〜189、または配列番号:1のアミノ酸2〜189を含む。「擬似生理的」は、本発明のアッセイ条件下での結合親和性を意味する。結合親和性の証拠は、例えば、表1に示される。
本発明の別の態様において、HuRタンパク質は、同種供給源として提供される。
ARE含有mRNA、またはmRNAフラグメントは、合成方法、または試験管内転写により製造される。mRNAフラグメントの合成製造のため、オリゴヌクレオチドが、例えば、通常の補法に従い(例えば、類似して)(例えば、(保護)ホスホラミダイト、および適当な溶媒中の結合試薬の使用により)、合成される。より長いフラグメントは、好ましくは、試験管内転写により、製造される。好ましくは、ARE含有mRNAフラグメントは、5から80ヌクレオチド長を有する。
我々は、HuRが認識するのに最小限9ヌクレオチドを必要とすることも見出した。HuRは、9つの部分からなるRNA配列モチーフNNUUNNUUU(ここで、Uはウラシルであり、そしてNは、RNAヌクレオチド、アデニン(A)、シトシン(C)、グアニン(G)、またはウラシル(U)の任意の1つであり得る)と高親和性で結合する。該RNA配列モチーフは、HuRの結合部位である。HuRの該モチーフとの結合Kdは一定(基礎となるKd)であり、0.97nM±0.24である。
別の態様において、従って、本発明は、HuRの結合部位である単離RNA配列モティーフを提供する。
候補化合物は、ARE含有mRNAとHuRタンパク質との複合体形成に対するその影響が、本発明に従い、予測されるもの由来の化合物(ライブラリー)を含み、例えば、(m)RNAフラグメント、DNAフラグメント、オリゴペプチド、ポリペプチド、タンパク質、抗体、ミメティックス、低分子(例えば、低分子量化合物(LMW)、好ましくは、LMW)を含む。
薬物は、複合体形成に対する影響が証明されたため、選択された候補化合物の1つである。
検出の目的上、物質(a)、(b)、または(c)の少なくとも1つは、検出可能な標識、例えば、固有の標識タンパク質を生じる。標識は、必要に応じて、通常の方法に従い(例えば、類似して)(例えば、任意の(a)、(b)、または(c)の反応基の、標識物質の反応基との化学反応により)、実行される。該反応基は、アミノ酸残基、例えば、システイン残基、チオエステル、アルデヒド、マレイミド、マレイミドカルボン酸、ビニル、ハロアルキルカルボニル、ヒドロキシスクシンイミジルエステルを含む。好ましくは、それは、標識されたmRNAフラグメントであり、好ましくは、それは蛍光標識されている。
HuRタンパク質とARE含有mRNAフラグメントとの間で形成された複合体、および/または非複合体形成mRNA/タンパク質種の検出の適当な方法は、単分子感度の応用に特に焦点を当てた蛍光分光法、例えば、蛍光相関分光法(FCS)、蛍光強度分布分析法(FIDA)、または蛍光異方性の検出、または蛍光共鳴エネルギー転移(FRET)(例えば、Kask P. et al, Biophys. J. (2000) 78 (4), 1703-1713に記載)に基づく応用法を含む。
好ましい実施態様において、本発明のアッセイは、2次元FIDA異方性分析法(ここで、mRNAとHuR間の複合体の蛍光異方性は、2つの偏光チャンネルに対して設定された、顕微鏡共焦点検出の拡大により、1分子の感度で決定される)の使用により、行われる。
さらなる態様において、本発明は、ARE含有mRNAとHuRタンパク質との複合体形成に対する阻害作用を有する薬物を同定するスクリーニングアッセイを提供し、これは、次の要素
a)HuRタンパク質の可溶性形(ただし、全長HuR・グルタチオンSトランスフェラーゼ融合タンパク質は除外される)、
b)ARE含有mRNA、および
c)必要に応じて、該ARE含有mRNAと該HuRタンパク質間で形成された複合体の量、および/または非複合体形成mRNA/タンパク質種の量を検出する手段、
を含む。
該キットは、例えば、試験されるべき試料の適当な環境を含む、実質的物質、および例えば、試験されるべき試料中の候補化合物の作用を測定する適当な手段をさらにふくんでもよい。
さらなる態様において、本発明は、本発明による方法で同定された薬物を有効成分として、少なくとも1つの医薬賦形剤と共に含む医薬組成物を提供する。
医薬としての使用のため、薬物は、1以上の薬物、例えば、薬物の組合せを含む。
本発明による医薬組成物は、サイトカイン、成長因子、プロトオンコジーン、またはウイルスタンパク質からなる群から選択される、物質、例えば、炎症作用(誘発/増強)物質の産生と関係する病因を有する疾患の処置のために用いられる。
好ましくは、該物質は、IL−1、IL−2、IL−3、IL−4、IL−8、GM−CSF、TNF−α、VEGF、AT−R1、Cox−2、c−fos、およびc−mycからなる群から選択される。
処置は、処置および予防を含む。
以下の実施例において、温度は全て摂氏で示され、そして未補正である。
次の略語が用いられる。
Figure 2005529590
実施例1:
全長ヒトHuRの可溶性形(=sfl−HuR)
アミノ酸1〜326を包含する(=配列番号:1)か、または位置1のアミノ酸Mのない(=配列番号:2)、組換え全長ヒトHuR:
MSNGYEDHMAEDCRGDIGRTNLIVNYLPQNMTQDELRSLFSSIGEVESAKLIRDKVAGHSLGYGFVNYVTAKDAERAINTLNGLRLQSKTIKVSYARPSSEVIKDANLYISGLPRTMTQKDVEDMFSRFGRIINSRVLVDQTTGLSRGVAFIRFDKRSEAEEAITSFNGHKPPGSSEPIAVKFAANPNQNKNVALLSQLYHSPARRFGGPVHHQAQRFRFSPMGVDHMSGLSGVNVPGNASSGWCIFIYNLGQDADEGILWQMFGPFGAVTNVKVIRDFNTNKCKGFGFVTMTNYEEAAMAIASLNGYRLGDKILQVSFKTNKSHK326
の調製を、IMPACT[登録商標]−CNシステム(New England Biolabs)を用いて、次のように行った。
a)クローニング
活性化ヒトTリンパ球、ならびにヒト単球由来樹状細胞から調製したcDNAライブラリーから、全長ヒトHuRをPCR増幅し、ベクターpTXB1およびpTYB1(New England Biolabs)のNdeIとSapI部位向きでクローン化し、これにより、さらにアミノ酸を挿入することなく、インテインCBDタグとのC末端融合が可能となる。
cDNA
活性化ヒトTリンパ球由来のポリ(A)+RNA、およびLPS刺激性単球由来樹状細胞のポリ(A)+RNAのcDNAを、Thermoscript[登録商標]RT−PCRシステム(GIBCO/LIFE TECHNOLOGIES)を用いて、両RNA供給源から調製する。生じたcDNAを、ヒトHuRのPCR増幅のために用いる。
PCR
ベクターpTXB1およびpTYB1のNdeIとSapI制限酵素部位向きにクローン化するための適当な制限酵素部位を含有するオーバーハングを有する、完全コード配列(CDS)(アミノ酸1〜326を包含)フランキングプライマーを設計する。
フォワードプライマー:5’−GGAGGAGGAGGCATATGTCTAATGGTTATGAAGACCACAT−3’
リバースプライマー:5’−AAATAATGCTCTTCCGCATTTGTGGGACTTGTTGGTTTTG−3’
下線のヌクレオチドは、向き指定のクローニングのため、PCR産物に付加した制限酵素部位を示す。
それぞれのcDNA供給源について、標準的PCR条件を用いて、7回、同一のPCR反応を行う。0.8%(w/v)アガロースゲル(15×15×0.8cm)上、10μg/ml エチジウムブロマイド含有TAE緩衝液中、80V(一定電圧)での90分間の製造的アガロース電気泳動により、PCR反応産物を精製する。480nmのトランスイルミネーションの下、Dark Reader上で、滅菌済みメスでバンドを切り出す。
アガロースゲルスライスから、NucleoSpin Extract 2in1 Kit(Machery&Nagel)を用いて、製造元のプロトコールに従い、試料を抽出する。
配列決定
PCR後、増幅物の配列を自動DNAシークエンサーにより確認する。それぞれのcDNA供給源由来の、2つのPCR試料のDNA配列を分析する。ABI PRISM[登録商標]BigDye[登録商標]Terminator Cycle Sequencing Ready Reaction Kit(PE APPLIED BIOSYSTEMS)を用いて、製造元のプロトコールに従い、配列決定反応を行う。キャピラリー電気泳動を、ABI[登録商標] PRISM 310 GENETIC ANALYZER(PE APPLIED BIOSYSTEMS)で、標準的プロトコールに従い行う。データをABI[登録商標]PRISM 310ソフトウエア(PE APPLIED BIOSYSTEMS)で処理する。
制限酵素切断
両cDNA供給源由来のPCR産物、およびベクターpTXB1およびpTYB1をNdeIおよびSapIで2重切断後、ベクターDNAおよびPCR産物を、製造的アガロースSGE(スラブゲル電気泳動)により、分離する。適当なサイズ(pTXB1/NdeI−SapIについては6458bp;pTYB1/NdeI−SapIについては7426bp;PCR産物については985bp)のバンドを、トランスイルミネーション下、Dark Reader(480nm)上で滅菌済みのメスで切り出し、QIAquick Gel Extraction Kit(QIAGEN)を用いて、製造元のプロトコールに従い抽出する。LKB Biochrom II分光光度計にて、50μlのUV石英セル(LKB Biochrom Ultrospec UV石英セル、P/N 4001-088)を用いて、260nmでのUV吸収を測定することにより、溶出したDNAを定量する。
ライゲーション
1:1および3:1(インサート:ベクター)モル比で、両cDNA供給源由来のNdeI/SapI切断PCR産物を、T4DNAリガーゼにより、ベクターpTXB1およびpTYB1にライゲーションし、プラスミドpTXB1/HuRおよびpTYB1/HuRをそれぞれ得る。
形質転換
化学的なコンピテント細胞のヒートショック形質転換のための標準的プロトコールから若干変更した条件を用いて、ライゲーション反応液由来のプラスミドpTXB1/HuRおよびpTYB1/HuR(両cDNA供給源由来のHuRインサート)で、自家製CaClコンピテント細胞(E.coliER2566)を形質転換する。形質転換細菌をLB−Ampプレートにまき、コロニーを37℃で一晩成長させる。シングルコロニーをピックアップし、対数増殖期後期まで液体培地中で成長させる。回収した細菌細胞から、QIAprep Spin Miniprep Kit(QIAGEN)を用いて、製造元のプロトコールに従い、組換えプラスミドDNAを単離し、NdeIでの制限酵素切断、対それぞれ、NdeIかつPstI(pTXB1/HuRに対して)またはNdeIかつKpnI(pTYB1/HuRに対して)での2重切断により、正しいインサートサイズの存在についてチェックする。
生じた組換えプラスミド全ての配列を、上で示したように、自動DNA配列決定により確かめる。ベクターDNAにはない結合部位を有する、NdeI部位の上流およびSapI部位の下流の一致配列に対して相補的なプライマーを用いて、DNA配列を生成する。
b)発現および精製
LBブロス培地中で対数増殖期後期まで成長した、細菌培養液への1mM IPTGの添加により、クローン化HuR−インテイン−CBD融合タンパク質の発現を誘導し、28℃で6時間おく。20mM Tris/Cl(pH8.0)、800mM NaCl、1mM EDTA、および0.2% Pluronic F-127(Molecular Probes)緩衝液中での連続凍結/解凍サイクルにより、該細菌細胞を溶解する。DNA切断後、細菌ライセートを超遠心分離法により透明にし、該融合タンパク質を、CBDによるキチンアガロースビーズ(New England Biolabs)上で捕獲する。溶解緩衝液でビーズを広範囲に洗浄した後、Na−2−MESNAを添加し(最終濃度50mM)、そして4℃で12時間インキュベーションすることで、チオール誘導性カラム上でのインテインのセルフスプライスにより、該組換えタンパク質を回収する。任意の同時に溶出した、インテインタグおよび非切断融合タンパク質を、第2の親和性減少段階での溶出物から取り出す。最後に、該タンパク質を、標的緩衝液(25mM NaHPO/NaHPO(pH7.2)、800mM NaCl、0.2%(w/v)Pluronic F-127)で事前に平衡化した、ゲル濾過カラム(DG-10、Bio-Rad)により溶出し、適当な貯蔵緩衝液に移し、液体窒素中で少量ずつ瞬時に凍結し、−80℃で保存する。
Na−2−MESNAによりエステル化されている全長HuRタンパク質を、チオエステルとして得る。生じたチオエステルは、生理的pH(例えば、分光法に適合した条件)の水性緩衝液中で凝集および沈殿(例えば、サイズ排除クロマトグラフィーおよび/またはUV分光法によりコントロールされる)共に示さず、かつ0.5μMより、好ましくは、5μMより高い濃度を示す。
c)特徴付け
変性SDS−PAGE、UV分光法、分析的サイズ排除クロマトグラフィー、RP−HPLC分析法、LC/ESI−MS分析法、およびCD分光法により、実施例2に記載の標準的プロトコールに従い精製タンパク質の質をコントロールする。記載の条件で、全長HuRは、例えば、グルタチオンSトランスフェラーゼの様な親水性融合タグを必要とすることなく、溶解する。UV分光法の結果は、330nmより上での吸収は示さず、かつ分析的サイズ排除クロマトグラフィー(HuRは、24.2kDを最大とするシグナルピークとして溶出する)は、該タンパク質の高凝集状態は所定の緩衝液濃度で存在しないという証拠を提供する。
実施例2:
配列番号:1の最初の2つのRRMのみ(配列番号:1のアミノ酸1〜189=配列番号:3)または配列番号:1のアミノ酸2〜189(=配列番号:4)を包含するHuR変異体(HuR12)
上記のアミノ酸を包含するヒトHuRの短い可溶性変異体を、IMPACT−TWINシステム(New England Biolabs)を用いて、制限酵素部位NdeIおよびSapIの向きにクローニングすることにより調製する。最近の研究において、該最初の2つのフラグメントを、効率的RNA結合に重要かつ十分であると同定し、そして関係タンパク質(HuD、Sxl)に関する匹敵する発見は、ほぼ、該短い構造物がリガンド結合での十分な特異性を保つという結論を導く。可溶性組換えタンパク質を、細菌培養液から調製する。
a)クローニング
クローニングを実施例1に記載のように行うが、アミノ酸1〜189由来のヒトHuR(以下、HuR12として言及する)の完全コード配列フランキングプライマーを適宜設計する。
b)発現
E.coliER2566−pTWIN1/HuR12を、組換えヒトHuR12の大スケール精製のための発現システムとして用いる。培養を実施例1に記載のように行う。IPTGによる発現の誘導の際の粗細菌細胞ライセートのSDS−PAGE分析は、クローン化HuR12−Mxe−インテイン−CBD融合タンパク質の予測サイズに対応する、〜48kDの新生タンパク質を現す。
c)精製
アフィニティークロマトグラフィーを、実施例1に記載のように行う。
HuR12の製造的HPLC−精製
第2のキチンカラムから溶出した溶液を、製造的RP−HPLCによりさらに精製する。概略、溶液中の全タンパク質濃度を、Bradfordタンパク質アッセイ(Bio-Rad)を用いて、製造元のプロトコールに従い評価する。それぞれの製造的実施において、タンパク質1から5mgに対応する量を、DeltaPak[登録商標]C4、15μm、300Å、250×10mm RP−HPLCカラム(WATERS)に注入する。溶出を、100% A(5%(v/v) CHCN/HO、0.1% TFA)から100% B(95%(v/v) CHCN/HO、0.1% TFA)の直線的勾配、50分間、一定流速10ml/分で行う。230nmでのUV吸収、およびλex=280nm/λem=340nmでの蛍光を測定することにより、検出を行う。HuR12は、典型的には、〜60% B(〜59%(v/v) CHCNに対応)により溶出する。分画3mlを集め、変性非還元SDS−PAGEにより分析し、HuR12含有分画を集める。溶液を最終的に液体N中で容器凍結し、タンパク質を−59℃、0.005mbarで36時間凍結乾燥する。凍結乾燥HuR12含有フラスコをアルゴンで洗い流し、連続する精製段階のため−20℃で貯蔵する。
イオン交換クロマトグラフィーによるリホールディング
凍結乾燥HuR12(理論的pI=7.84)を、イオン交換カラム上でリホールディングする。概略、それぞれのクロマトグラフィーの実施に対して、凍結乾燥HuR12 1〜1.5mgをアルゴン下で計量し、8M 尿素含有50mM NaHPO/NaHPO緩衝液(pH5.50)に溶解し、そして、SセファロースFF(AMERSHAM PHARMACIA BIOTECH)でパックした10mm(内径)×90mmカラムのベッドに直接添加する。LKB−LCC 500装置にカラムを装着後、タンパク質を、増加NaCl濃度の勾配で溶出する。勾配中、分画1mlを集める。等量を変性非還元SDS−PAGEにかけ、タンパク質バンドを銀染色で可視化する。HuR12は典型的には、濃度250mMおよび350mM NaCl(最大値は、285mM NaClのとき)で溶出する。HuR12含有分画を集め、因子5によるAMICON CENTRIPREPS(YM−3、MWCO=3000Da)での遠心により濃縮し、貯蔵緩衝液(25mM NaHPO/NaHPO、300mM NaCl、1mM EDTA、pH6.00)で透析し、液体窒素中、小滴で瞬時に凍結し、−80℃で貯蔵する。
d)生化学的特徴付け
分析的サイズ排除クロマトグラフィー
精製HuR12 30μgを、Zorbax DuPont GF-250、9.4mm(内径)×25cmカラム(HP、P/N 884973901)に注入し、貯蔵緩衝液(25mM NaHPO/NaHPO、300mM NaCl、1mM EDTA、pH6.00)で、一定流速1ml/分、一定組成で溶出する。280nmでのUV吸収、および連続的に配置した2つの検出器でのλex=280nmおよびλem=340nm(ゲイン=10、、減衰=8)での蛍光を測定することにより、検出を行う。試料の保持時間を、同一条件のサイズ検量線から得たクロマトグラムと比較する。HuR12は、最大ピーク20.41kD(ベース範囲=8.33kD〜36.14kD)のシグナルピークとして溶出し、これは、該タンパク質の高い凝集状態がないことが、所定の緩衝液濃度で推定され得るという証拠を提供する。
N末端配列決定
凍結乾燥HuR12 500pmolを、N末端のEdman配列分析(タンパク質配列決定機HP−G1000A)にかける。試料は、予測アミノ酸配列(SNGYEDHMAEDCRGDIGRTN)を生じる同種N末端を示すが、N末端Metを量的に欠く。配列分析から測定した試料の純度は97%より高い。
質量分析
凍結乾燥HuR12 500ngを、LC−ESI/TOF(液体クロマトグラフィーイオン化/フライト時間)質量分析にかける。MS−スペクトルは、4つの主なピークを生じる。
A...20849.5Da (<5%)
B...20974.3Da,=A+124.9Da (>95%)
Aは、Metを欠くN末端を有する(N末端配列決定により示す)、アミノ酸配列配列番号:2
位置2NGYEDHMAEDCRGDIGRTNLIVNYLPQNMTQDELRSLFSSIGEVESAKLIRDKVAGHSLGYGFVNYVTAKDAERAINTLNGLRLQSKTIKVSYARPSSEVIKDANLYISGLPRTMTQKDVEDMFSRFGRIINSRVLVDQTTGLSRGVAFIRFDKRSEAEEAITSFNGHKPPGSSEPITVKFAANPNQ189の予想質量に正確に対応する。Bの質量は、同一アミノ酸配列に対応するが、C末端2−MESNA−チオエステルを有する。
ウェスタンブロッティング
精製タンパク質500ngを、変性還元SDS−PAGEにかけ、次に、標準的半乾燥条件を用いて、PVDF膜にタンパク質バンドを移す。1次抗体としてマウスモノクローナル抗HuR 19F12(N末端ペプチドに対して生じたもの、MOLECULAR PROBES)、2次抗体としてHRP結合ヤギ抗マウスIgG(H+L)(PIERCE)を用いて、タンパク質バンドを検出し、HRP基質(ECL[登録商標]ウエスタンブロッティング検出キット、AMERSHAM PHARMACIA BIOTECH)とインキュベーション後、X線フィルムにブロットを曝露して、可視化する。展開フィルムは、HuR12(21kD)のバンドに対応するサイズの抗HuR抗体の強力シグナル、およびHuR2量体の存在を示す、約42kDに対応するバンドの弱シグナルを現す。試料中の少量のHuR12 3量体を示す、より弱いシグナルを〜70kDのサイズで検出する。
CD−分光法
精製方法後のタンパク質ホールディング、ならびに蛍光標識をCD−分光法によりモニターする。集めたデータは、上記のように精製したHuRをホールディングし、βシートおよびαらせん体含有量(〜30%)を有する第2の構造を示す。さらに連続する実験は、RNA結合の際の該タンパク質の第2の構造は、任意の相当な変化を鎮めないが、RNAの第2の構造での顕著な変化は、HuR12結合の際生じるという証拠を提供する。生じたタンパク質は、例えば、サイズ排除クロマトグラフィーおよび/またはUV分光法によりコントロールするように、例えば、分光法適合条件の生理的pHの水性緩衝液中での凝集および沈殿を示さず、かつ濃度>100μMを示す。
実施例3:
HuR12の蛍光標識
調製タンパク質HuR12の部位特異的蛍光標識については、既に先に記載したいくつかの方法に従い得る。1つの例として、マレイミド活性化蛍光ダイの2重結合とのチオール基の結合により、HuRのより短い変異体中の1システイン残基のみの存在(位置13)を部位特異的標識に理論的に適合させる。最も安定かつ上手く特徴付けるダイの1つとして、5−カルボキシ−TMR−マレイミドを選択し、HuR12と結合させる。
実施例4:
mRNAフラグメントの調製
HuR−mRNA結合と関係するRNA安定化の特異的過程を、分解の標的であるメッセンジャーの3’UTR中のシス作用配列エレメントによりコントロールする。該責任のあるエレメントは、5つの部分からなるAUUUAのいくつかの繰り返しの存在を本質的に特徴とする、AおよびUのリッチな配列(AUリッチエレメント、AREと命名)である。特徴として、これらを、大抵、オーバーラップする9つからなるUUAUUUAUUの形のUのリッチな領域内でクラスター形成する。該エレメントは、サイズ9から約100ntの範囲にあり、典型的には、化学合成に理論的に適した〜30ntの長さである。しかしながら、ARE単独の可能性のある生体内不安定化は、全3’UTRの環境内に取り込まれた同一AREのものより、顕著に弱いという証拠が存在する。従って、ARE自体だけでなく、興味あるメッセンジャーのARE周囲の増加するサイズのフラグメント、ならびに、可能な限り、全長3’UTRは本発明のアッセイコンセプトで適用可能であろう。
酵素的方法は、mRNA配列中の特定の位置での単一標識の誘導を可能としないので、50〜70ntの全フラグメントについての選択方法は、Applied Biosystem 394A合成機でトータルに化学合成することである。例えば、Auer M. et al., in: Schroeder & R Wallis M, editors. RNA-Binding Antibioitics:Molecular Biology Intelligence Unit 13. Georgetown, Texas: Landes Bioscience, 2001:164-180のプロトコールを参考とし、かつ適用して、2つの異なる種類の2’保護基を有する、ntホスホラミダイトで化学合成を行う。合成反応後に異なる範囲のダイとの結合を可能とするために、合成中にアミノリンカーを導入する。該リンカーを、例えば、全合成フラグメントの5’末端で導入する。
合成ORNを脱保護し、製造的ポリアクリルアミドゲル電気泳動法(PAGE)により、精製し、次に、切り出したゲルスライスから抽出し、そして電気溶出する。260nmでの吸収を測定することにより、濃度を決定する。フラグメントの純度を、分析的HPLCによりコントロールする。
a)化学合成
RNA ORNを、それぞれ、5’−O−ジメトキシトリチル−2’O−tBdMS−保護β−シアノエチル−(N,N−ジイソプロピル−)ホスホラミダイト、または5’−O−ジメトキシトリチル−2’O−TOM−保護ntホスホラミダイト溶液[無水CHCN中0.1M]、および2’−tBDMS、または2’−TOM−保護ntにより合成し、公開方法(例えば、Chaix C. et al., Nucleic Acids Symp Ser. 1989 (21) 45-6; Scaringe S.A. et al., Nucleic Acids Res. 1990 Sep.25; 18 (18):5433-41)、および製造元のプロトコールを適用し、1μmolのスケールでApplied Biosystem 394A合成機のCPG上に固定化する。15秒間おき、結合試薬を2カ所の連続する位置に添加する。結合段階のホスホラミダイトの活性化を、テトラゾール(無水CHCN中0.5M)により行う。それぞれ、11分間(2’−tBdMS−保護nt−ホスホラミダイト用)または7分間(2’−TOM−保護nt−ホスホラミダイト用)の結合中、試薬溶液の0.1秒「アップおよびダウン」パルスにより、CPG支持体を定期的に攪拌する。無水酢酸/THFとの結合を20秒間、I/THF/ピリジン/HOでの酸化を1分間、CHCNでの洗浄段階を40秒間行う。ジメトキシトリチル脱保護を、3%(w/v) TCA/CHClにより、40秒間4回、そして計反応時間5分間行う。6−(4−モノメトキシトリチルアミノ)ヘキシル−(2−シアノエチル)−(N,N−ジイソプロピル)ホスホラミダイトを、合成中のオリゴヌクレオチドの5’位置で、15分間、ルアー注射器送達により、アルゴン雰囲気下の活性化溶液200μlに直接溶解した試薬11μmolを用いて、手動で結合させる。溶解試薬を乾燥した注射器に引き入れ、針を除去後、カートリッジにより押し出し、別の注射器の第2のルアー濃度に近づける。15分間の結合時間中、2本の注射器の非同調的攪拌により、定期的に溶液を攪拌する。合成サイクルの残りの段階を、装置上で行う。アミノリンカー取り込みの効率を、収集脱トリエチル基溶液の色調強度に基づき、評価する。
b)合成mRNAの精製
支持体からの切断、塩基およびリン酸塩脱保護
1.0または0.5μmol スケール合成由来の粗RNA産物を、CPG支持体から切断し、飽和エタノール中のNHにより塩基およびリン酸塩脱保護する。40℃で17時間インキュベーション後、該支持体を集める。CPGをさらに、エタノールで3回洗浄し、次に、エタノール/HO(1:1)およびHOで洗浄する。洗浄溶液を切断溶液と合併し、溶媒を蒸発させる。
2’−脱シリル化
粗ORNの2’脱保護のため、乾燥産物を、1.1M TBAF/THF溶液1.8mlに溶解し、ボルテックスミキサー上、RTで少なくとも15時間インキュベーションする。反応を、0.5M NHAc溶液400μlの添加により終結させ、氷上で10分間インキュベーションする。該溶液を、HO1.4mlの添加により、最終濃度50%(v/v)まで希釈し、一部分、2.5ml以下まで蒸発させる。溶液を脱塩し、260nmでの吸収を測定することにより決定した、ORN含有分画を合併し、そして溶媒を蒸発させる。
粗RNA産物のPAGE精製
RNA試料の乾燥分画をHOに溶解し、エタノールで沈殿させ、そして遠心によりペレット化する。該ペレットを乾燥させ、HOに溶解し、ゲルローディングバッファー(95%(v/v) 脱イオン化ホルムアミド、0.5mM EDTA、0.025%(v/v)キシレンシアノールブルー、0.025%(w/v) ブロモフェノールブルー、0.025%(w/v) SDS)と1:1希釈する。RNAを85℃で2分間変性し、氷上ですぐに冷却し、電気泳動する。試料を、変性12% ポリアクリルアミドゲル(6M 尿素、12%(w/v) アクリルアミド/ビスアクリルアミド(40:1)、Tris−ホウ酸−EDTAバッファー;400×200×1.5mm)の電気泳動により精製する。電気泳動を、45W(一定出力)で4時間、ブロムフェノールブルーが底方向の4/5まで移動するまで、行う。電気泳動後、ゲルをプレートから取り出し、サランラップで覆う。バンドを、254nm(携帯用UVランプ)で蛍光TLCプレートをUV照射することにより可視化し、Polaroid PoloPan 52 Iso400(Kodak UV Wrattenフィルター、f.3.5)により、20秒間撮影する。
ポリアクリルアミドゲルからのRNAフラグメントの回収
主要産物のゲルスライスを切り出し、RNAをポリアクリルアミドゲルスライス(それを小片に切り、50mM NHAcと共に、室温で少なくとも9時間インキュベーションすることにより)から抽出し、電気泳動する。さらに、Schleicher and Schuell Elutraps 100、少なくとも3×1時間30分間、200V(一定電圧)、TAE緩衝液中での電気泳動により、ゲル中の任意の残りのRNAを回収する。溶液を脱塩し、260nmでのUV吸収を測定することにより決定した、ORN含有分画を合併し、溶媒を蒸発させる。
c)特徴付け
HPLC分析を、UV検出装置(Beckman System Gold Programable Detection Mode)、および蛍光検出器(Waters[登録商標]471 Scanning Fluorescence Detector)の装着したBeckman System Gold機械(Beckman System Gold Programable Solvent Module)で行う。データ分析を、Beckman System Gold MDQソフトウエアにより行う。タンパク質/ペプチド精製カラム(すなわち、VYDAC[登録商標]Protein & Peptide Column(4.6×250mm、300Å−C18−5μ))上、100% 溶媒A(0.1M TEAAc、pH6.5/CHCN、95:5)の5分間の洗浄段階、および100% 溶媒Aから100% 溶媒B[A(0.1M TEAAc、pH6.5/CHCN、50:50]の連続的勾配による室温での45分間の溶出により、クロマトグラフィーを行う。分析的実施のため、精製RNA1.5から30μgを、85℃での2分間の変性し、氷上で5分間インキュベーションした後、注入する。
この方法に基づき、ヒトIL−1、IL−2、IL−4、IL−8、Cox−2、TNF−α、AT−R1、ならびに様々な戦略的に設計した比較配列のAUリッチエレメントから選択した、5〜58nt長の29の異なるフラグメントを合成する。29の合成配列中25の5’末端に、アミノ−C6修飾因子(Glen Research)を取り込む。該修飾により、スクシンイミジルエステル活性化蛍光ダイの誘導が可能となる(実施例6参照)。
実施例5:
アッセイの実行
増加濃度の組換え全長HuRまたはHuR12の可溶性形に対して、例えば、IL−2、IL−4、IL−8、Cox−2、IL−1β、またはTNF−αのAREに対応する蛍光標識RNAフラグメント(カルボキシ−TMRにより5’末端標識し、そしてそれぞれ、33、58、26、35、33、および34nt長である)のタイトレーションを行う。HuR(分子量〜360912)またはHuR12(分子量〜20974)との複合体の遊離ORN(分子量約6000〜12000Da)についてのサイズ、およびそれ故異方性の予測増加は、異方性シグナルの変化が、必要な正確さで検出されるのに十分であることを示す。
表1に示すように、データは、個々のAREに対するタンパク質親和性の実質的かつ再現可能な変動をはっきりと示す。試験管内において、個々のAUリッチエレメントを、HuR介在性制御と関係すると分かっているmRNA安定化の特異性標的からもたらされるため、高親和性のHuRと結合させる。HuR12の場合と同様、第3のRRM、ならびにヒンジ領域を欠いている場合も、該フラグメント選択性を維持する。このことは、最初の2つのRRM単独で介在される認識機序を示唆し、これは先行研究の知見と非常に一致する。しかしながら、全長タンパク質は、高親和性の全フラグメントと結合する。Kdは、ほぼ一定の因子50より低い。対照的に、低親和性フラグメント(HuR12に対するKd>1μM)を、全長タンパク質はもはや全く認識しない(表1参照)。このことは、すなわち、RNA複合体形成を増強し、かつ非特異的RNAリガンドに対する寛容性を低減させ、増加したレベルの特異性を導く、第3のRRMのさらなる役割を示唆する。
TNF−α AREに対するHuRの親和性(Kd=0.12nM+/−0.02)は、例えば、Cox−2 AREに対するもの(Kd=13.63nM+/−1.07)より有意に高い。この作用は、配列が著しく異ならないが、同一ではないとき、特に驚くべきことである(表1を参照)。我々は、特に配列依存性、かつHuR結合に関与する非常に特異的な機序が存在すると結論づける。その結果、我々は、認識は、さらに、1つのAUUUAエレメントに対する一般的親和性には基づかないが、該5ヌクレオチドコアの周囲の配列が、実質的に重要であると結論づける。実験を全長HuRおよびHuR12(全長HuRを短くした変異体)により行い、我々は、HuR介在性mRNA安定化の特異性が、第3のRRMに起因しないとさらに判断する。HuR介在性mRNA安定化の特異性は、2作用:HuRの第3ドメインが、他の制御タンパク質との特異的相互作用に関与すること、しかし最初の2ドメインは、配列特異性、または少なくとも選択性を示すこと、の組合せに基づく。このことは、最終的には、個々のHuR−ARE標的、またはすでに、RNA認識レベルでの標的ファミリーに対して特異的なインヒビターの可能な同定を示唆する。
表1:
記載の2D−FIDA−rアッセイで決定した、ARE配列およびK
Figure 2005529590
実施例6:
ORNの蛍光標識
標識反応
蛍光ダイを5’末端リンカーと共に導入したアミノ基と、安定カルボキサミドの形成を導く、第1のアミンのスクシンイミジルエステル活性化分子との標準的反応により、結合させ得る。該目的上、HO最大20μl中の精製RNA5〜10nmolを、0.5M NaCO/NaHCOバッファー(pH9.0)ストック溶液と混合し、最終緩衝液濃度150〜300mMとする。1つの例として、TMR−NHS(5−カルボキシ−TMR−N−ヒドロキシ−スクシンイミジルエステルエステル)を、アルゴン雰囲気下、無水DMSOに溶解し、RNAに添加して25倍Mを超えるものとするが、標識反応物中の最終DMSO濃度は、30%(v/v)を超えない。インキュベーションを、室温で少なくとも2時間、ライトから保護したボルテックスミキサー上で行う。非反応ダイを、1.5M NHOH−HClの添加(50倍Mを超える)、および室温で30分間、ライトから保護したボルテックスミキサー上でのインキュベーションにより加水分解する。
標識RNAの精製
標識後、RNAを遊離ダイから分離し、分画0.5mlを集め、上記のRP−HPLCにより分析する。260nmでのUV吸収、ならびに、TMRの励起/放出最大波長に対応する、λex=541nm、λex=567nmでの蛍光を測定することにより、標識および非標識RNAの検出、および遊離ダイの検出を行う。RNA含有分画を、類似の条件での製造的RP−HPLCによりさらに精製する。両標識および非標識RNAのピークを、先のとがったフラスコに別々に集め、該溶液量を、Rotavapor上で蒸発させて減少させりる。該溶液をエッペンドルフチューブに定量的に移し、HO/エタノールと共に5〜7回、共蒸発させ、任意の残存TEAAcを除去する。乾燥RNAをHOに溶解し、濃度20〜50μMとし、さらなる使用のため−20℃で貯蔵する。
実施例7:
試験管内転写により調製したRNAフラグメント
a)DNA鋳型の調製
化学的に合成するには長すぎる、mRNAの3’UTRフラグメントの生化学的調製のため、第1の段階において、それぞれのmRNAの全長3’UTR(または対象領域)を含有する組換えプラスミドを入手する必要がある。該プラスミドは、次に、選択したサブフラグメントの試験管内転写の鋳型となる。ヒトIL−2、IL−1βの全長3’UTR、およびTNF−βの3’UTR由来の最初の600bpの鋳型を調製する。
TNF−α
完全コード配列、ならびにTNF−αの3’UTRの最初の600bpを含有する組換えプラスミドを、ATCC(American Type Culture Collection、#39918、構造物:pAW711)から購入する。
IL−2
ヒトIL−2の全長3’UTRを含有する組換えプラスミドを、実施例1に記載の類似の方法に従い、調製する。概略、ヒトIL−2の全長3’UTRを、ヒトTリンパ球から調製したcDNAライブラリーから、ベクターLITMUS28(New England Biolabs)のKpnIおよびSpeI制限酵素部位の向きでクローン化するための適当な制限酵素部位を含有するオーバーハングを有するよう設計したプライマーで増幅する。PCR増幅およびベクターDNAを、制限酵素KpnIおよびSpeIで2重切断し、T4−DNAリガーゼでライゲーションし、標準的ヒートショックプロトコールを用いて、CaClコンピテントE.coli INVαF’に形質転換する。選択LB寒天プレートに播種後、組換えプラスミドDNA含有シングルコロニー(ブルー・ホワイトセレクションにより決定)をピックアップし、液体LB−Amp培地中で対数増殖期後期まで成長させる。3つのシングルコロニーから単離した組換えプラスミドの配列を、上記の自動DNA配列決定により確かめ、アラインメントし、ヒトIL−2の3’UTRに対して100%同一性とする(GenBank受託番号U25676)。
試験管内転写
1つの例として、TNF−α 3’UTRの最初の697ntに対応する転写物を、次のように試験管内転写により調製する。5’末端のT7−RNAポリメラーゼに対するプロモーター配列を取り込んでいる、TNF−αの3’UTRのnt1〜697フランキングプライマーから、PCR産物を調製する。次に、流出転写物を、MEGASCRIPT T7試験管内転写キット(AMBION)を用いて、製造元のプロトコールに従い調製する。転写後、DNA鋳型を、RNAseフリーのDNAseIで切断し、そして混合物を、酸性フェノール・クロロホルムによる抽出段階を繰り返すことにより、さらに精製する。RNAをエタノールで沈殿させ、ヌクレアーゼフリーのHOに溶解し、−80℃で保存する。該産物を、可視化するためにエチジウムブロマイド染色したPAGEにより、さらに分析し、これは、1つのバンド移動を予測分子量にて現している。さらに、260nmでのUV吸収のRP−HPLC(実施例2参照)分析物は、従って、RNA転写物に対する単一ピークを示す。
実施例8:
HuR結合部位の推測
ポリUはHuRと高親和性で結合するという、我々の事前の知見に基づき、U伸長の影響を試験した。個々のRNAフラグメントを合成し、全長HuRに対する親和性(Kd値として与える)を決定する(表2参照)。Uモチーフ(フラグメント番号1)の最も単純な変異体をHuRは認識しないが、1ヌクレオチド伸長U(フラグメント番号2)は、十分に高い結合を示す。非標識RNAフラグメントとの競合的実験により、蛍光ダイの影響を排除する。9merのフラグメント(フラグメント番号3)は、HuDモチーフ、および3’末端にさらにヌクレオチドを含有するが、HuRと非結合である。しかしながら、フラグメント4の高親和性結合は、非Uヌクレオチドを、HuR結合モチーフ内ではなく、ある種の位置でのみ寛容することを示す。我々は、9ヌクレオチドが、HuRの結合にとって十分であることを見出し、そして(AUUU)A内の4つの異なる9merのフレームを試験した(フラグメント番号4a)から4d)の太字を参照)。4つの対応するフラグメント内のHuRによる、フラグメント4bに限定した認識は、HuRが、(AUUU)A内のフレーム2と結合することを示す。該フレームは、HuDモチーフと一致するが、1ウラシル残基が5’末端で伸長し、これが予備的結合モチーフNN(U/C)UNN(U/C)U(U/C)をしめす。フラグメント5、6、7a〜7d、および8a〜8cは、示した(太字および下線)位置で、それぞれ非ウラシル(A=アデニンにより証明する)およびCに対する寛容性試験となる。結果として、我々は、HuR配列結合モチーフがNNUUNNUUUであることを見出した。該相互作用は、絶対的な機序に従うようである。シングルミスマッチを有する配列を認識しないが、該モチーフを充足した配列と高親和性かつ不変Kd、Kd発見0.99nMで結合する。
表2:
Figure 2005529590
(原文に記載なし)
【配列表】
Figure 2005529590
Figure 2005529590
Figure 2005529590
Figure 2005529590
Figure 2005529590

Claims (10)

  1. ARE含有mRNAとHuRタンパク質との複合体形成に対する阻害作用を有する薬物を同定する方法であって、
    (a)HuRタンパク質の可溶性形を用意すること(ただし、全長HuR・グルタチオンSトランスフェラーゼ融合タンパク質は除外される)、
    (b)ARE含有mRNAを用意すること、
    (c)候補化合物を用意すること、
    (ここで、(a)、(b)、および(c)の少なくとも1つが標識されている)、
    (d)(a)および(b)を、(c)の存在下および(c)の非存在下で、(a)および(b)が複合体を形成するのに十分な時間、混合すること、
    (e)段階(f)で形成された複合体の量を検出すること、および/または非複合体形成mRNA/タンパク質種を検出すること、
    (f)形成された複合体の量、および/または見出された非複合体形成mRNA/タンパク質種を、(c)の存在下と非存在下で比較すること、および
    (g)段階(f)で検出された複合体形成に影響する薬物を選択すること、
    を含む、方法。
  2. HuRタンパク質が同種供給源として用意されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. HuRが、組換え全長タンパク質または変異体の可溶性形、または全長タンパク質の可溶性形の変異型であることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
  4. mRNAフラグメントが蛍光標識されていることを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 検出方法が、1分子分光法、蛍光相関分光法、蛍光強度分布分析法、定常状態蛍光強度法、蛍光異方性測定、およびエネルギー転移法からなる群から選択される蛍光分光法であることを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
  6. ARE含有mRNAとHuRタンパク質の複合体形成に対する阻害作用を有する薬物を同定するためのスクリーニングアッセイ(キット)であって、主な要素として
    a)HuRタンパク質の可溶性形(ただし、全長HuR・グルタチオンSトランスフェラーゼ融合タンパク質は除外される)、
    b)ARE含有mRNA、および
    c)必要に応じて、該HuRタンパク質と該ARE含有mRNA間で形成された複合体の量の検出、および/または非複合体形成mRNA/タンパク質種の検出の手段、
    を含む、アッセイ(キット)。
  7. 請求項1に記載の方法により同定される薬物を少なくとも1つの医薬賦形剤と共に含む、医薬組成物。
  8. 好ましくは、IL−1、IL−2、IL−3、IL−4、IL−8、GM−CSF、TNF−α、VEGF、AT−R1、Cox−2、c−fos、およびc−mycからなる群から選択される、サイトカイン、成長因子、プロトオンコジーン、またはウイルスタンパク質からなる群から選択される物質の産生と関係する病因を有する疾患の処置のための、請求項7に記載の医薬組成物の使用。
  9. 位置326のC末端アミノ酸がエステル化されている、配列番号:1または配列番号:2の全長HuRタンパク質。
  10. HuRの結合部位である、単離RNA配列モチーフ。
JP2003584709A 2002-04-17 2003-04-16 ARE含有mRNAとHuRタンパク質の結合のインヒビターの同定方法 Pending JP2005529590A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US37320702P 2002-04-17 2002-04-17
PCT/EP2003/004008 WO2003087815A2 (en) 2002-04-17 2003-04-16 Method for the identification of inhibitors of the binding of are-containing mrn a and an hur protein

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005529590A true JP2005529590A (ja) 2005-10-06
JP2005529590A5 JP2005529590A5 (ja) 2006-06-08

Family

ID=29250994

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003584709A Pending JP2005529590A (ja) 2002-04-17 2003-04-16 ARE含有mRNAとHuRタンパク質の結合のインヒビターの同定方法

Country Status (5)

Country Link
US (1) US7399583B2 (ja)
EP (1) EP1497327A2 (ja)
JP (1) JP2005529590A (ja)
AU (1) AU2003226820A1 (ja)
WO (1) WO2003087815A2 (ja)

Families Citing this family (29)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9068234B2 (en) 2003-01-21 2015-06-30 Ptc Therapeutics, Inc. Methods and agents for screening for compounds capable of modulating gene expression
EP2500437B1 (en) 2003-01-21 2016-11-30 PTC Therapeutics, Inc. Methods for identifying compounds that modulate untranslated region-dependent gene expression and methods of using same
US8426194B2 (en) 2003-01-21 2013-04-23 Ptc Therapeutics, Inc. Methods and agents for screening for compounds capable of modulating VEGF expression
DE10353803A1 (de) * 2003-11-14 2005-06-23 Oligene Gmbh Diagnostische, prognostische und therapeutische Verfahren bei der Untersuchung und Therapie maligner Tumoren
JP4857452B2 (ja) 2004-03-15 2012-01-18 ピーティーシー セラピューティクス,インコーポレーテッド 血管新生の抑制に有用なカルボリン誘導体
US8076352B2 (en) 2004-03-15 2011-12-13 Ptc Therapeutics, Inc. Administration of carboline derivatives useful in the treatment of cancer and other diseases
US8076353B2 (en) 2004-03-15 2011-12-13 Ptc Therapeutics, Inc. Inhibition of VEGF translation
US7767689B2 (en) 2004-03-15 2010-08-03 Ptc Therapeutics, Inc. Carboline derivatives useful in the treatment of cancer
BRPI0608255A2 (pt) * 2005-03-03 2009-12-08 Novartis Ag método para identificação de compostos que modulam a interação entre mrna e proteìnas e compostos obtidos a partir dos mesmos
US8283115B1 (en) 2007-06-20 2012-10-09 Ptc Therapeutics, Inc. Methods of screening for compounds for treating muscular dystrophy using UTRN mRNA translation regulation
US8283116B1 (en) 2007-06-22 2012-10-09 Ptc Therapeutics, Inc. Methods of screening for compounds for treating spinal muscular atrophy using SMN mRNA translation regulation
KR20100012714A (ko) * 2008-07-29 2010-02-08 재단법인서울대학교산학협력재단 Rna 분자와 단백질 사이의 상호작용을 조절하는 물질을동정하기 위한 분석 방법
US20100209341A1 (en) 2009-02-18 2010-08-19 Csl Limited Treatment of chronic inflammatory conditions
KR20130032866A (ko) * 2010-02-18 2013-04-02 더 유니버시티 오브 멜버른 만성 염증 상태의 치료
CA2807552A1 (en) 2010-08-06 2012-02-09 Moderna Therapeutics, Inc. Engineered nucleic acids and methods of use thereof
CN104531812A (zh) 2010-10-01 2015-04-22 现代治疗公司 设计核酸及其使用方法
WO2012135805A2 (en) 2011-03-31 2012-10-04 modeRNA Therapeutics Delivery and formulation of engineered nucleic acids
US9464124B2 (en) 2011-09-12 2016-10-11 Moderna Therapeutics, Inc. Engineered nucleic acids and methods of use thereof
RU2707251C2 (ru) 2011-10-03 2019-11-25 Модерна Терапьютикс, Инк. Модифицированные нуклеозиды, нуклеотиды и нуклеиновые кислоты и их применение
KR20140102759A (ko) 2011-12-16 2014-08-22 모더나 세라퓨틱스, 인코포레이티드 변형된 뉴클레오사이드, 뉴클레오타이드 및 핵산 조성물
US9572897B2 (en) 2012-04-02 2017-02-21 Modernatx, Inc. Modified polynucleotides for the production of cytoplasmic and cytoskeletal proteins
EP2833892A4 (en) 2012-04-02 2016-07-20 Moderna Therapeutics Inc MODIFIED POLYNUCLEOTIDES FOR THE PRODUCTION OF PROTEINS AND PEPTIDES ASSOCIATED WITH ONCOLOGY
US9878056B2 (en) 2012-04-02 2018-01-30 Modernatx, Inc. Modified polynucleotides for the production of cosmetic proteins and peptides
US9283287B2 (en) 2012-04-02 2016-03-15 Moderna Therapeutics, Inc. Modified polynucleotides for the production of nuclear proteins
JP6144355B2 (ja) 2012-11-26 2017-06-07 モデルナティエックス インコーポレイテッドModernaTX,Inc. 化学修飾mRNA
US8980864B2 (en) 2013-03-15 2015-03-17 Moderna Therapeutics, Inc. Compositions and methods of altering cholesterol levels
WO2015048744A2 (en) 2013-09-30 2015-04-02 Moderna Therapeutics, Inc. Polynucleotides encoding immune modulating polypeptides
US10323076B2 (en) 2013-10-03 2019-06-18 Modernatx, Inc. Polynucleotides encoding low density lipoprotein receptor
CN117448332A (zh) * 2023-08-07 2024-01-26 大连理工大学 一种利用RNA结合蛋白增强mRNA蛋白表达的序列优化方法

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1115230A (ja) * 1997-06-24 1999-01-22 Ricoh Co Ltd 回転型現像装置
US20020165186A1 (en) * 2000-12-20 2002-11-07 Joachim Hauber Compounds that affect CD83 expression, pharmaceutical compositions comprising said compounds and methods for identifying said compounds

Family Cites Families (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5444149A (en) * 1992-05-11 1995-08-22 Duke University Methods and compositions useful in the recognition, binding and expression of ribonucleic acids involved in cell growth, neoplasia and immunoregulation
US5733728A (en) * 1995-08-18 1998-03-31 Regents Of The University Of Colorado Detecting and treating heart failure
US6107029A (en) 1996-07-31 2000-08-22 Message Pharmaceticals, Inc. Universal method for detecting interactions between RNA molecules and RNA binding proteins
US6180604B1 (en) * 1996-08-21 2001-01-30 Micrologix Biotech Inc. Compositions and methods for treating infections using analogues of indolicidin
EP0975796A4 (en) 1997-03-05 2004-04-21 Anadys Pharmaceuticals Inc SELECTION PROCESS BASED ON ANISOTROPLE FLUORESCENCE FOR THE IDENTIFICATION OF COMPOUNDS WITH AFFINITY TO NUCLEIC ACIDS
CA2229449A1 (en) 1997-04-25 1998-10-25 Takeda Chemical Industries, Ltd. Novel receptor protein and its use
KR20010082554A (ko) 1998-05-26 2001-08-30 추후보정 Rna 분자의 안정성 및 교체성을 재현 및 조절하기 위한시스템
GB9828709D0 (en) 1998-12-24 1999-02-17 Novartis Ag Assay
AU4978100A (en) 1999-04-29 2000-11-17 Coley Pharmaceutical Gmbh Screening for immunostimulatory dna functional modifyers
WO2001012213A2 (en) 1999-08-13 2001-02-22 The Government Of The United States Of America, As Represented By The Secretary, Department Of Health And Human Services Ttp-related zinc finger domains and methods of use
US20020127550A1 (en) 1999-11-10 2002-09-12 Anthony Giordano Nucleic acid sequences and methods for identifying compounds that affect rna/rna binding protein interactions and mrna functionality
AUPQ483599A0 (en) 1999-12-23 2000-02-03 University Of Western Australia, The Mrna binding motif
US20040023231A1 (en) 2000-04-12 2004-02-05 Abu-Khabar Khalid S. System for identifying and analyzing expression of are-containing genes

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1115230A (ja) * 1997-06-24 1999-01-22 Ricoh Co Ltd 回転型現像装置
US20020165186A1 (en) * 2000-12-20 2002-11-07 Joachim Hauber Compounds that affect CD83 expression, pharmaceutical compositions comprising said compounds and methods for identifying said compounds

Also Published As

Publication number Publication date
WO2003087815A3 (en) 2004-09-23
US7399583B2 (en) 2008-07-15
AU2003226820A8 (en) 2003-10-27
WO2003087815A2 (en) 2003-10-23
AU2003226820A1 (en) 2003-10-27
EP1497327A2 (en) 2005-01-19
US20060008802A1 (en) 2006-01-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7399583B2 (en) Method for the identification of inhibitors of the binding of ARE-containing mRNA and a HuR protein
JP2005529590A5 (ja)
Demma et al. Omomyc reveals new mechanisms to inhibit the MYC oncogene
Blyn et al. Poly (rC) binding protein 2 binds to stem-loop IV of the poliovirus RNA 5'noncoding region: identification by automated liquid chromatography-tandem mass spectrometry.
US6114120A (en) Systematic evolution of ligands by exponential enrichment: tissue selex
Lamla et al. Searching sequence space for high-affinity binding peptides using ribosome display
KR100713953B1 (ko) Rna-단백질 융합체를 이용한 단백질의 선별
US5763566A (en) Systematic evolution of ligands by exponential enrichment: tissue SELEX
US5712375A (en) Systematic evolution of ligands by exponential enrichment: tissue selex
Grozdanov et al. SHQ1 is required prior to NAF1 for assembly of H/ACA small nucleolar and telomerase RNPs
JP2015519344A (ja) 炭疽菌防御抗原ポアを通しての非天然化学実体のトランスロケーション
US9857362B2 (en) Method for preparing nucleic acid aptamer
US20050095627A1 (en) Multiple antigen detection assays and reagents
JP2002513281A (ja) Rna−蛋白質の融合体を用いた蛋白質の選抜
JP2001516058A (ja) dsRNA/dsRNA結合タンパク質の方法および組成物
JP2019106996A (ja) タンパク質の安定性を測定する方法およびその使用
Loflin et al. HuR binds a cyclic nucleotide-dependent, stabilizing domain in the 3′ untranslated region of Na+/glucose cotransporter (SGLT1) mRNA
AU771451B2 (en) Fluorescent intensity assay for protein or peptide binding to nucleic acids
FR2848572A1 (fr) Molecules inhibitrices de la synthese proteique du virus de l'hepatite c et procede de criblage desdites molecules inhibitrices
JP6461306B2 (ja) インサイチュで自己組織化した、毒性のあるrna阻害剤
Farrow et al. Site-specific cross-linking of amino acids in the basic region of human immunodeficiency virus type 1 Tat peptide to chemically modified TAR RNA duplexes
JP2004097213A (ja) 核酸および/またはタンパク質の選択方法
WO2005024428A1 (ja) 生理活性タンパク質に対する薬剤の新規ハイスループットスクリーニング法
JP3706942B2 (ja) 物質と蛋白質との間の相互作用の検出方法、物質と相互作用する蛋白質のスクリーニング方法、及び、物質とその物質と相互作用する蛋白質との複合体の形成方法
US20040058325A1 (en) Gene expression in biological conditions

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060412

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060412

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081224

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20090310

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20090317

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20090318

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20090326

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090624

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091124

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100427