JP2005529255A - 中空コアを有するコンクリートパネルの製造方法 - Google Patents

Abstract

中空コアを有するコンクリートパネル２６の打設方法において、製造中、ラフトコネクタ３６を用いて複数の離間された気泡ビレット３０を定位置に保持することにより、離間された気泡体の充填コアをパネルまたは圧板内に形成する。

Description

本発明は、コンクリートを流入中、ラフトコネクタを用いて気泡ビレットを定位置に保持することにより中空コアを形成する、中空コアを備えたコンクリートパネルの打設方法に関する。本願の発明は、押し出し機の必要性を排除する。本発明では、開口部に箱体を備え得る唯一の中空コンクリートパネルを開示する。

従来、中空コアを有するコンクリートパネルは、多数の方法により形成されてきた。これらの方法の一つでは、移動ベッドや静止ベッドを使用して、コンクリートを一回または複数回通過させることにより打設する。中空コアは、スリップフォーム工法の押し出し機を使用して形成される場合もあり、同押し出し機は、上部にコンクリートが打設されるコア材を残留させる。コンクリートが硬化した後、パネルを所定の長さに切断して、同パネルを持ち上げ傾斜させることによってコア材を取り除く。コア材は再利用されてもよい。

いくつかの中空パネルは、特許文献１に開示されているように、その表面全体に絶縁層を設けて形成される。基本的に、中空コアを有するパネルは、打設された後、絶縁固定シートが敷設されて、最終的にコンクリートが流し込まれる。この均一な絶縁層は、完成品の壁用パネルおよび床用圧板のＲ値を上昇させる。
米国特許第４，６２８，６５３号 米国特許第４，０４１，６６９号 米国特許第４，１４１，９４６号

特許文献２および特許文献３には、スクリードで隆起をつけられたコンクリートの第一層上において、手作業により反転Ｕ字形状の気泡体片が配置された中空のコンクリートスラブが開示されている。この反転Ｕ字形状は、気泡体上にニ度目のコンクリート流し込みを行った後に残留する中空の空隙を形成する。残念ながら、このような従来の試みは実施不可能であることが判明しており、本発明の時点まで気泡体遊動の問題が解決されていなかった。

本発明は、気泡ビレットを中空コア領域内にインシュレートすることの利点を有する中空コンクリートパネルの全利益を備えている。本発明により、中空コアを形成するためのコア材の必要性が排除される。さらに、コア材を押し出すための押し出し機も必要なくなる。押し出し機の必要性がなくなるために、本発明ではコンクリートの流動位置に気泡体を配置してコンクリートの流れを制限することによって、パネル内に開口を打設することも可能になり得る。特に米国特許第４，３９８，７６１号に開示されているように、コア材を使用することによって、コア材を取り除く際のパネルの持ち上げ、および傾斜等の取り扱いの困難さが追加されている。また、パネルに持ち上げ挿入物を形成したり、クレーンによりパネルを持ち上げて傾斜させることにより、各パネルにつき約１トンのコア材料が残留する等、不必要な重量およびコストが追加されている。

ラフトコネクタを用いて略矩形の気泡ビレットを一体保持することによって「筏状」の気泡ビレットを構成する。このユニークなラフトコネクタにより、各ビレットがベッド上
に配置された後、同ビレットを一体連結することが可能になる。これに代わって、前もって組み立てた筏状ビレット全体をベッド上に配置してもよい。完成品のパネルおよび圧板には、パネルおよび圧板全体に絶縁体としての気泡体のコアが形成された“中空コア”を有するパネルおよび圧板であり、必要なコンクリート量はかなり減少され、またパネルまたは圧板一枚あたりの重量が相当低下されている。

以下に、特定の図面を参照にして、本発明を詳細に説明する。
図面を参照すると、本発明によるコンクリートスラブ、コンクリートパネルまたはコンクリート圧板は、米国特許第３，２１７，３７５号、米国特許第３，５２３，３４３号、米国特許第４，００４，８７４号、米国特許第４，２８９，２９３号および米国特許第４，４５７，６８２号に開示されている標準的なコンクリート打設装置により形成される。基本的には、図１に示すように、この装置１０は、静止した、またはレールに沿って駆動される打設ベッド１２を備えている。打設ベッド１２は、底部床部１４と側壁１６，１８とを有する。コンクリート分配ホッパ２０が概略的に図示され、同ホッパ２０は現在コンクリートを移動ベッド上へ分配する際に使用されている任意のホッパであり得る。これに代わって、ホッパ２０が静止ベッドに対して移動してもよい。ベッド１２の全長に亘って下部プレストレスケーブル２２と上部プレストレスケーブル２３とが配置されている。

図２に、本発明によるコンクリートパネル２６の完成品の断面図を示す。このパネルは、各プレストレスケーブル２２間において、離間された気泡ビレット３０を備えている。本願にて使用する用語「気泡ビレット」は、完成品パネルの一体部材となる任意の材料からなるビレットを意味する。本願にビレットが使用される場合、ビレットは気泡ビレットを意味するが、ベッド内に配置されて、形成されるべき中空パネルの空隙を形成し得る任意の形状保持構成体も意味する。形状保持構成体はダンボール製品から形成されても、中空コア空隙を形成するものと思われる任意の材料から形成されてもよい。ビレット３０の断面は略矩形にて図示されているが、ビレット３０は、プレストレスケーブル２２を回避するように互いにより接近されて、必要とするコンクリート量が低下された形状を有していてもよい。

本発明によるラフトコネクタ３６は、気泡ビレット３０と上部プレストレスケーブル２３とに取り付けられる。さらに、ラフトコネクタ３６は、同コネクタにより一体固定された気泡ビレット上に配置された任意の横鉄筋に対して取り付けられてもよい。

図３〜図５に示すラフトコネクタ３６はプラスチック成形体であってもよく、各ビレット３０につき、横断バー３８により離間されて一体固定された、プラスチック製の一対の離間するＬ字形ブラケット４０，４２を備えてもよい。Ｌ字形ブラケット４０，４２は、隣接するビレットの端部同士を一体保持するように機能する。図示するように、遠位端に貫通開口４８が形成されてもよく、同貫通開口は、横断バー３８が横断するビレットとその端部同士が接している第二ビレットにラフトコネクタを取り付けることを可能にし得る。さらにビレット３０は、ビレット同士を固定するように形成された端部を備えてもよい。横断バー３８は、気泡ビレット３０内に切り込み、ラフトコネクタ３０を気泡ビレット３０に保持するための下方に突出する大釘４４を備え得る。さらにラフトコネクタ上に、プレストレスケーブルに単純に嵌合するプレストレスケーブルコネクタ４６が形成されてもよい。これに加えて、所望であれば、ラフトコネクタはその頂部において離間された半体クリップ５０を備えてもよく、同半体クリップに横鉄筋が取り付けられ得る。

ラフトコネクタ３６は、ベッドの全幅を覆う単一部品であっても、または任意のベッド幅に適合するように、互いに連結されてベッドを覆う幅を構成し得る部品にて形成されてもよい。図７に、打設ベッド１２の幅を有する単一部品である代替的なラフトコネクタ６
０を示す。ラフトコネクタ６０は、ビレット３０内に圧入する大釘６２と、プレストレスケーブル２２に取り付けられるプレストレスケーブルコネクタ６４と、各ビレット３０の両側に一致する側部案内部６６とを備える。ビレット上に横鉄筋が所望される場合、ラフトコネクタ３６と同様、図７のラフトコネクタ上に半体クリップを設けてもよい。

図８に示すように、代替的にラフトコネクタ３６は、下方向に降下するスタッド７２を有する鉄筋７０から形成されてもよく、各スタッドは溶接、または他の方法により互いに離間されて鉄筋に固着されている。この構成により、スタッド７２は気泡ビレット３０の各側面に配置され、鉄筋はビレット上を横断している。気泡ビレット３０は、同気泡ビレットに気泡体を貫通するピンを突き刺して、気泡体層の上位にコンクリート上部層内に埋没する突出部を設けることにより、コンクリート上部層に対してより強力に結着され得る。ラフトコネクタ上に、ラフトコネクタをプレストレスケーブル２２に連結するためのワイヤ連結具を追加してもよい。

図９および図１０に、別の代替的ラフトコネクタを示す。図において、各気泡ビレット３０下に配置されるＵ字形ブラケット９０を示す。ベッド１２の幅全体に延びる頂部網状格子９２は、ビレットの上位に配置されて、ワイヤ連結具等によりプレストレスケーブル２２に固定される。Ｕ字形部材９０は、該部材９０の端部タブ９４，９６が網状格子９２の横断バー９８に接触するまで、上方から網状格子９２を介して配置され得る。このようにして配置した後、Ｕ字形ブラケット９０と網状格子９２とにより形成された開口内へ気泡ビレット３０を摺動させると、気泡ビレットは長手方向以外の全方向に移動しないように堅固に保持され得る。

作業中、図６に示すように、工業界にて「自己充填コンクリート」と称される非常に流動性の高い混合物を使用して、コンクリートの第一層８０を打設する。このコンクリートはスクリード工程を必要としない。その後、ベッド１２上にてビレットをラフトコネクタ３６に取り付けるか、または部分的に組み立てられた筏状ビレットをコンクリートの第一層上に単に配置してプレストレスケーブル２２に取り付けることにより筏状ビレット３０が形成され得る。その後、任意の横鉄筋をラフトコネクタに取り付けてもよい。最終的に、従来のコンクリート混合物からなるコンクリート上部層８２を打設する。この構造部分上に任意の絶縁シートを配置する。

本発明は多くの異なる形態にて実施され得るが、本願の図面および詳細な説明には本発明の特定の好ましい実施形態が示されている。本開示は、本発明の原理を例証するものであり、本発明を特定の実施形態に限定することを意図しない。

上述した開示は説明することを意図するものであり、網羅的なものではない。
本説明において、当業者は多くの別例および代替物を想起するものと想定される。これらの代替物および別例の全ては特許請求の範囲内に包含されるものとする。当業者は、本願に説明された特定の実施形態の別の等価物を認識し得るが、これらの等価物も特許請求の範囲に包含されるものとする。

さらに、従属請求項に含まれる特定の特徴を、本発明の範囲内において互いに別様に組み合わせることができ、従って本発明は、特に従属請求項の特徴の任意の他の可能な組み合わせを有する、他の実施態様にも関することを認識するべきである。

コンクリートパネルを打設する一般的装置の斜視図。 本発明によるコンクリートパネルの断面図。 本発明によるラフトコネクタの端面図。 図３に示した本発明のラフトコネクタの平面図。 図３および図４のラフトコネクタの斜視図。 気泡ビレット、コネクタ、および打設コンクリートの下部層を備えた打設ベッドの断面図。 本発明による代替的なラフトコネクタを示す側面図。 代替的なラフトコネクタを使用して気泡ビレットが定位置に配置された打設ベッドの斜視図。 Ｕ字形ブラケットと共に使用される代替的ラフトコネクタとしての網状格子の平面図。 Ｕ字形ブラケットの正面図。

Claims (8)

1. コンクリート圧板の形成に使用される、複数の気泡ビレットを一体連結するためのラフトコネクタであって、
   （ａ）横断バーと、
   （ｂ）前記横断バーから下方向に降下する一対の離間された傾斜された部材と、
   （ｃ）気泡ビレット内に挿入保持される少なくとも一個の下方に突出する部材とを備えるラフトコネクタ。
2. 下方向に延びる縒線コネクタをさらに備える請求項１に記載のラフトコネクタ。
3. バー部材に連結させるための複数のクリップ部材をさらに備える、請求項２に記載のラフトコネクタ。
4. 中空コアを有するコンクリートパネルの形成に使用される、複数のビレットを一体連結するためのラフトコネクタであって、
   （ａ）横断バーと、
   （ｂ）少なくとも二対の離間された下方向に延びる突出部と、前記各対は、使用されるべきビレットの幅に離間されて、かつ隣接する対から離間されていることとを備えるラフトコネクタ。
5. （ａ）底部床部と側壁とを有する打設ベッド内に複数のプレストレスケーブルを配列する工程と、
   （ｂ）前記ベッド上にコンクリートの第一層を打設する工程と、
   （ｃ）前記プレストレスケーブル間において、前記打設されたコンクリート層上にビレットを配置する工程と、
   （ｄ）前記ビレットを互いに連結して筏状ビレットを構成する工程と、
   （ｅ）前記筏状ビレット上にコンクリートの上部層を打設する工程と、
   （ｆ）前記コンクリートを硬化させる工程とを含む、コンクリートパネルの形成方法。
6. （ａ）底部床部と側壁とを有する打設ベッド内に複数のプレストレスケーブルを配列する工程と、
   （ｂ）前記ベッド上にコンクリートの第一層を打設する工程と、
   （ｃ）ビレットを互いに連結して筏状ビレットを構成する工程と、
   （ｄ）前記プレストレスケーブル間において、前記打設されたコンクリート層上に前記互いに連結されたビレットを配置する工程と、
   （ｅ）前記互いに連結されたビレット上にコンクリートの上部層を打設する工程と、
   （ｆ）前記コンクリートを硬化させる工程とを含む、コンクリートパネルの形成方法。
7. ａ）コンクリートの下部層と、
   ｂ）前記コンクリート下部層の上位において互いに連結され、かつ離間された複数のビレットと、
   ｃ）前記互いに連結されたビレットを包囲し、かつコンクリート下部層に結着されたコンクリート上部層とを備える、中空コアを有するコンクリートパネル。
8. ａ）コンクリート下部層と、
   ｂ）前記パネルの全長を延びる複数のプレストレスケーブルと、
   ｃ）前記コンクリート下部層の上位において互いに連結され、かつ離間された複数のビレットと、
   ｄ）前記互いに連結されたビレットを包囲し、かつコンクリート下部層に結着されたコ
   ンクリート上部層とを備える、中空コアを有するコンクリートパネル。

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