JP2005529230A - エチレン重合用固体触媒成分、その製造、及びそれを含有する触媒 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、2002年6月6日に出願されたCN 02120861.1に基づく優先権を主張するものであり、その開示の全体を実質的に参照することにより、本明細書の記載の一部とする。
本発明の目的の一つは、マグネシウム及びチタンを含有する組成物上に担持された少なくとも一種類の電子供与体化合物を含む、エチレンの単独重合又は共重合のために用いられる触媒成分であって、前記電子供与体化合物が、脂肪族エーテル、環式エーテル、芳香族エーテル、脂肪族ケトン及び脂環式ケトンからなる群より選択されており、マグネシウム及びチタンを含有する組成物が、マグネシウム化合物を溶媒系へ溶解して均質な溶液を形成し、次にその溶液を、沈殿剤の存在下にチタン化合物と接触させ、前記組成物を沈殿させることにより製造されている、上記触媒成分を提供することである。
有機エポキシ化合物及び有機燐化合物を含有する溶媒系中へマグネシウム化合物を溶解して均質な溶液を形成する工程、
前記溶液を、沈殿助剤の存在下にチタン化合物と接触させて固体を沈殿させる工程、
前記で得られた固体を電子供与体化合物、及び任意選択的にチタン化合物で処理して生成物を得る工程、及び
任意選択的に、前記で得られた生成物を活性化剤で活性化する工程、
を含む、上記方法を提供することである。
(a) 上で定義した触媒成分、及び
(b) 共触媒成分としての有機アルミニウム化合物、
の反応生成物を含む、上記触媒を提供することである。
一つの態様として、本発明は、マグネシウム及びチタンを含有する組成物上に担持した少なくとも一種類の適当な電子供与体化合物を含む、エチレンの単独重合又は共重合のために用いられる触媒成分を提供する。
(i) 有機エポキシ化合物及び有機燐化合物を含有する溶媒系中にマグネシウム化合物を溶解して均質な溶液を形成し、次にその溶液を沈殿助剤の存在下にチタン化合物と接触させて固体を沈殿させることにより、マグネシウム及びチタンを含有する組成物を調製する工程であって、個々の原料として、マグネシウム化合物1モル当たりを基準に、有機エポキシ化合物を0.2〜10モル、有機燐化合物を0.1〜3モル、沈殿助剤を0.03〜1.0モル、チタン化合物を0.5〜120モルの量で用いることのできる、上記工程、
(ii) 工程(i)で得られた固体を、電子供与体化合物、及び任意選択的にチタン化合物と接触させる工程であって、個々の原料として、マグネシウム化合物1モル当たりを基準に、チタン化合物を0〜30モル、好ましくは0.5〜10モル、電子供与体化合物を0.01〜10モル、好ましくは0.05〜1モルの量で用いることのできる、上記工程、及び
(iii) 任意選択的に、工程(ii)で得られた処理した生成物を、一般式AlR’cX’dHe(式中、R′は、1〜14個の炭素原子を有する飽和ヒドロカルビルであり、X′はハロゲンであり、dは1又は2であり、eは0又は1であり、c+d+eの合計は3である)を有する活性化剤で活性化する工程であって、前記活性化剤は、マグネシウム化合物1モル当たりを基準に、0.1〜10モルの量で用いることのできる、上記工程、
を含む、上記方法を提供する。
以下の例は本発明を更に説明するものであり、本発明を何等限定するものではない。別に指示しない限り全ての操作は窒素雰囲気中で行われた。
1. メルトインデックス(MI):ASTM D1238−99に従い、190℃で2.16kgの荷重で測定した。
2. フローインデックス(FI):ASTM D1238−99に従い、190℃で21.6kgの荷重で測定した。
3. メルト・フロー比(MFR):上記手順により測定されたメルトインデックス対フローインデックスの比。
4. 重合体の密度:ASTM D1505−98に従って測定した。
5. 粒径分布:英国のマルバーン社(Malvern Co.)から入手することができるマルバーン装置(Malvern Instr.)2600を用いて、単色レーザーの回折に基づく方法に従って測定した。
1. 触媒成分の製造
N2で完全にパージした反応器へ、連続的に4.8gの無水塩化マグネシウム、93mlのトルエン、4.0mlのエピクロロヒドリン、及び12.5mlの燐酸トリブチルを入れた。450rpmで撹拌しながら、混合物を60℃へ加熱し、その温度に2時間保持して反応させ、次に1.4gの無水フタル酸をそれに添加し、反応混合物をその温度で更に1時間保持して反応させた。反応混合物を−28℃へ冷却し、56mlのTiCl4をそこに1時間かけて滴加し、次に温度を4時間かけて85℃へゆっくり上昇させ、更に1時間維持した。加熱する間に徐々に固体が沈殿した。濾過により母液を除去した後、濾滓をトルエン及びヘキサンで夫々2回洗浄し、次に乾燥してマグネシウム及びチタンを含有する固体Aを得た。
充分真空にし、水素で置換しておいた2リットルステンレス鋼オートクレーブに、撹拌しながら、約0.5リットルのヘキサンを窒素加圧により添加し、ヘキサン中にAlEt3を入れた1mM/ml溶液2mlを注射器を用いて添加し、約30mgの上記固体成分Bを添加した。次に反応器へ合計1リットルの量までヘキサンを補充した。完了した後、反応器を85℃へ加熱し、水素を導入してオートクレーブ中の水素分圧を0.28MPaにし、次にエチレンガスを導入してその分圧を0.75MPaにした。85℃の一定温度で2時間重合反応を継続し、その重合中前記エチレンの分圧を維持するようにエチレンを補充した。次にオートクレーブの温度を低下し、圧力を解放し、重合体スラリーを排出した。ヘキサンを除去した後、重合体を空気中赤外線ランプ下で乾燥し、ポリエチレン粉末を得た。エチレン重合の結果を表1に列挙する。得られた重合体及び触媒成分Bの粒径を夫々決定し、結果を表2及び3に列挙する。
N2で完全にパージした反応器に、10gの例1で得られた固体A、及び90mlのイソペンタンを連続的に入れた。0.7mlの四塩化チタン、及び5mlのテトラヒドロフランを室温で滴加し、その混合物を室温で1時間反応させた。反応混合物に、更に、イソペンタン中にモノクロロジエチルアルミニウムを入れた26.43体積%の溶液2mlを添加し、その混合物を室温で1時間反応させ、次に蒸発により乾燥し、11.3gの固体成分Bを得た。それは、2.90重量%のチタン、12.0重量%のマグネシウム、及び20.6重量%のテトラヒドロフランを含有することが判明した。
N2で完全にパージした反応器に、連続的に10gの例1で得られた固体A、60mlのトルエン、及び40mlの四塩化チタンを入れた。8.3mlのテトラヒドロフランを室温で滴加し、その混合物を120℃へ加熱し、その温度に維持して1時間反応させた。濾過により母液を除去した後、濾滓をヘキサンで3回洗浄し、次に真空中で乾燥して10.6gの固体成分Bを得た。それは、3.61重量%のチタン、13.5重量%のマグネシウム、及び24.1重量%のテトラヒドロフランを含有することが判明した。
N2で完全にパージした反応器へ、連続的に4.8gの無水塩化マグネシウム、92mlのトルエン、4.0mlのエピクロロヒドリン、及び12.5mlの燐酸トリブチルを入れた。450rpmで撹拌しながら、その混合物を60℃へ加熱し、その温度に2時間保持して反応させ、次に1.4gの無水フタル酸をそれに添加し、反応を更に1時間継続した。反応混合物を−28℃へ冷却し、56mlのTiCl4をそこに1時間かけて滴加し、次に温度を4時間かけて85℃へゆっくり上昇させ、更に1時間保持して反応させた。加熱する間に徐々に固体が沈殿した。吸引濾過により母液を除去した後、濾滓をヘキサンで2回洗浄し、マグネシウム及びチタンを含有する固体Aを得た。固体Aの入った反応器へ60mlのヘキサンを添加し、2.4mlのテトラヒドロフランを撹拌しながら添加した。その混合物を室温で1時間反応させ、次にヘキサンで2回洗浄し、真空中で乾燥し、6.72gの粒状固体成分Bを得た。固体成分Bは、2.54重量%のチタン、17.3重量%のマグネシウム、及び16.9重量%のテトラヒドロフランを含有することが判明した。
N2で完全にパージした反応器へ、連続的に4.8gの無水塩化マグネシウム、92mlのトルエン、4.0mlのエピクロロヒドリン、及び12.5mlの燐酸トリブチルを入れた。450rpmで撹拌しながら、その混合物を60℃へ加熱し、その温度に2時間保持して反応させ、次に1.4gの無水フタル酸をそれに添加し、反応を更に1時間継続した。反応混合物を−28℃へ冷却し、56mlのTiCl4をそれに1時間かけて滴加し、次に温度を4時間かけて85℃へゆっくり上昇させ、更に1時間保持して反応させた。加熱する間に徐々に固体が沈殿した。吸引濾過により母液を除去した後、濾滓をヘキサンで2回洗浄し、マグネシウム及びチタンを含有する固体Aを得た。固体Aの入った反応器へ90mlのヘキサンを添加し、10mlの四塩化チタンを撹拌しながら添加した。その混合物を60℃で0.5時間反応させた。吸引濾過した後、残渣へ60mlのヘキサンを添加し、1.5mlのテトラヒドロフランを撹拌しながら添加した。混合物を室温で1時間反応させ、次にヘキサンで2回洗浄し、真空中で乾燥し、7.68gの粒状固体成分Bを得た。固体成分Bは、8.32重量%のチタン、17.9重量%のマグネシウム、及び10.2重量%のテトラヒドロフランを含有することが判明した。
N2で完全にパージした反応器へ、連続的に4.8gの無水塩化マグネシウム、93mlのトルエン、4.0mlのエピクロロヒドリン、及び12.5mlの燐酸トリブチルを入れた。450rpmで撹拌しながら、その混合物を60℃へ加熱し、その温度に2時間保持し、次に1.4gの無水フタル酸をそれに添加し、反応混合物をその温度で更に1時間保持した。反応混合物を−28℃へ冷却し、一定温度を維持しながら、56mlのTiCl4をそれへ1時間かけて滴加し、次に温度を4時間かけて85℃へゆっくり上昇させ、更に1時間維持した。加熱する間に徐々に固体が沈殿した。吸引濾過により母液を除去した後、濾滓をヘキサンで2回洗浄し、吸引濾過してマグネシウム及びチタンを含有する固体Aを得た。
US4,302,565及びUS4,379,759に記載の手順に従って触媒成分を製造した。
シリカ活性化:米国グレース・ダビソン(Grace Davison)から入手できる948級球状シリカを600℃で4時間活性化した。
窒素雰囲気中で反応器へ100mlのTHF、0.74gの三塩化チタン、及び1.13gの無水塩化マグネシウムを入れた。その混合物を70℃へ加熱し、1時間反応させて、そのまま使用できる母ストックを得た。別の反応器に60mlのイソペンタン、10gの上記活性化シリカ、及び4.3mlのトリエチルアルミニウムを入れた。その混合物を室温で30分間反応させた。次に反応器中のイソペンタンを、反応器中に入っている材料中のアルミニウム含有量が1.65重量%になる程度迄、55℃で蒸発させた。然る後、上で調製した母ストックを反応器へ移し、温度を還流が起きるように上昇させた。一定温度を1時間維持した後、反応器中のTHFを、反応器中に入っていた材料中のTHF含有量が12.6重量%になる程度迄、蒸発させた。次に86mlのイソペンタン及び5.3mlのモノクロロジエチルアルミニウムをそれに添加し、反応を室温で30分間継続した。次に3.3mlのトリ−n−ヘキシルアルミニウムをそこに添加し、反応を室温で30分間継続した。真空中で乾燥することにより、粒状固体が得られた。最終的触媒成分は、0.78重量%のチタン、1.58重量%のマグネシウム、10.9重量%のテトラヒドロフランを含有することが判明した。
CN 1229092A(EP 1083187A1に相当)に記載の手順に従って触媒成分を製造した。
高純度N2で完全に置換した反応器へ、連続的に4gの無水塩化マグネシウム、60mlのトルエン、2.2mlのエピクロロヒドリン、4.6mlの燐酸トリブチル、及び1.0mlのエタノールを入れた。その混合物を撹拌しながら80℃へ加熱し、その温度に15分間保持し、固体を完全に溶解し、それにより均質な溶液を得た。次に1.1gの無水フタル酸をそれに添加し、温度を更に1時間維持した。溶液を−25℃へ冷却し、0.5モルのTiCl4を滴加した。次に温度を80℃へゆっくり上昇させ、3時間維持して反応させた。濾過した後、濾滓をトルエンで6回洗浄し、ヘキサンで6回洗浄し、真空乾燥して固体触媒成分を得た。
1mgTi/mlの触媒成分濃度を有するスラリー混合物を、例3で得られた固体触媒成分Bの1gを、白油、トリ−n−ヘキシルアルミニウム及びモノクロロジエチルアルミニウムと混合することにより調製した。この場合トリ−n−ヘキシルアルミニウム及びモノクロロジエチルアルミニウムは、トリ−n−ヘキシルアルミニウム対テトラヒドロフランのモル比が0.2に等しく、モノクロロジエチルアルミニウム対テトラヒドロフランのモル比が0.5に等しくなるような量で用いた。
上で調製したスラリー混合物及び共触媒、即ち、トリエチルアルミニウムを用いて、エチレンと1−ブテンとの共重合を行なった。共重合実験は、バッチ式で操作されたφ150mmの流動床パイロットプラントで行なった。共重合条件及びいくつかの結果は、次の通りであった:
重合温度:88℃
触媒の量:上記スラリー混合物の1ml
共触媒の量:2.5g、トリエチルアルミニウム
全圧力:1700kPa
1−ブテン対エチレンのモル比:0.146
水素対エチレンのモル比:0.149
反応時間:3.0時間
ガスの流速:0.28m/秒
重合体の密度:0.922g/cm3
重合体のメルトインデックス:0.75g/10分
重合体のフローインデックス:22.2g/10分
重合体のMFR:29.6
重合体収率:6999gPE/触媒1g
重合体粉末の嵩密度:0.31g/cm3
1.触媒成分の製造
N2で完全にパージした反応器へ、連続的に6.5kgの無水塩化マグネシウム、124.6リットルのトルエン、5.4リットルのエピクロロヒドリン、及び16.9リットルの燐酸トリブチルを入れた。130rpmで撹拌しながら、混合物を60℃へ加熱し、その温度に3.5時間保持し、次に1.89kgの無水フタル酸をそれに添加し、反応混合物をその温度で更に1時間維持した。反応混合物を−28℃へ冷却し、75.8リットルのTiCl4をそこに滴加し、次に温度を4時間かけて80℃へゆっくり上昇させ、更に1時間保持した。加熱する間に徐々に固体が沈殿した。濾過により母液を除去した後、濾滓をトルエン及びヘキサンで夫々3〜5回洗浄し、次に乾燥してマグネシウム及びチタンを含有する固体Aを得た。
触媒成分を評価し、重合手順及び条件は例1で記載したものと同じであった。結果は表4に示した。
1mgTi/mlの触媒成分濃度を有するスラリー混合物を、上で調製した固体触媒成分Bの1gを、白油、トリ−n−ヘキシルアルミニウム及びモノクロロジエチルアルミニウムと混合することにより調製した。この場合トリ−n−ヘキシルアルミニウム及びモノクロロジエチルアルミニウムは、トリ−n−ヘキシルアルミニウム対テトラヒドロフランのモル比が0.2に等しく、モノクロロジエチルアルミニウム対テトラヒドロフランのモル比が0.5に等しくなるような量で用いた。
重合温度:88℃
触媒の量:上記スラリー混合物の1ml
共触媒の量:2.5g、トリエチルアルミニウム
全圧力:1700kPa
1−ブテン対エチレンのモル比:0.31
水素対エチレンのモル比:0.12
反応時間:3.0時間
ガスの流速:0.28m/秒
重合体の密度:0.919g/cm3
メルトインデックス:1.84g/10分
MFR:30.2
収率:14100gPE/触媒1g
重合体粉末の嵩密度:0.32g/cm3
1.触媒成分の製造
N2で完全にパージした反応器へ、連続的に4.8gの無水塩化マグネシウム、93mlのトルエン、4.0mlのエピクロロヒドリン、及び12.5mlの燐酸トリブチルを入れた。450rpmで撹拌しながら、その混合物を60℃へ加熱し、その温度に2時間保持して反応させ、次に1.4gの無水フタル酸をそれに添加し、反応を更に1時間継続した。反応混合物を−28℃へ冷却し、56mlのTiCl4をそれに滴加し、次に温度を4時間かけて85℃へゆっくり上昇させ、更に1時間維持して反応させた。加熱する間に徐々に固体が沈殿した。吸引濾過により母液を除去した後、濾滓をトルエン及びヘキサンで夫々2回洗浄し、次に乾燥してマグネシウム及びチタンを含有する固体Aを得た。固体Aの入った反応器へ100mlのヘキサンを添加し、次に1.5mlのシクロヘキサノンを撹拌しながら添加した。混合物を室温で1時間反応させ、次にヘキサンで3回洗浄し、真空中で乾燥し、5.2gの粒状固体成分Bを得た。固体成分Bは、2.0重量%のチタン、17.5重量%のマグネシウム、及び14.5重量%のシクロヘキサノンを含有することが判明した。
触媒成分をスラリー重合法で評価し、重合手順及び条件は例1で記載したものと同じであった。結果は表4に示した。
1.5mlのシクロヘキサノンの代わりに1.7mlの4−メチル−3−ペンテン−2−オンを用いた以外は、例9の手順を繰り返し、7.3gの粒状固体成分Bを得た。それは、3.44重量%のチタン、17.4重量%のマグネシウム、及び17.8重量%の4−メチル−3−ペンテン−2−オンを含有することが判明した。
1.5mlのシクロヘキサノンの代わりに1.5mlのフェニルエチルエーテルを用いた以外は、例9の手順を繰り返し、5.6gの粒状固体成分Bを得た。それは、1.46重量%のチタン、17.2重量%のマグネシウム、及び2.22重量%のフェニルエチルエーテルを含有することが判明した。
1.5mlのシクロヘキサノンの代わりに1.5mlのジ−n−ブチルエーテルを用いた以外は、例9の手順を繰り返し、6.3gの粒状固体成分Bを得た。それは、1.77重量%のチタン、18.1重量%のマグネシウム、及び2.71重量%のジ−n−ブチルエーテルを含有することが判明した。
1.5mlのシクロヘキサノンの代わりに1.5mlのブタノンを用いた以外は、例9の手順を繰り返し、7.3gの粒状固体成分Bを得た。それは、3.38重量%のチタン、17.7重量%のマグネシウム、及び15.8重量%のブタノンを含有することが判明した。
1.5mlのシクロヘキサノンの代わりに1.5mlの2,5−ヘキサジオンを用いた以外は、例9の手順を繰り返し、7.2gの粒状固体成分Bを得た。それは、1.79重量%のチタン、17.2重量%のマグネシウム、及び15.7重量%の2,5−ヘキサジオンを含有することが判明した。
1.5mlのシクロヘキサノンの代わりに1.5mlのテトラヒドロピランを用いた以外は、例9の手順を繰り返し、10.5gの粒状固体成分Bを得た。それは、1.79重量%のチタン、17.6重量%のマグネシウム、及び13.4重量%のテトラヒドロピランを含有することが判明した。
1. 触媒成分の製造
N2で完全にパージした反応器へ、連続的に9.6gの無水塩化マグネシウム、50mlのトルエン、46.8mlの2−エチルヘキサノールを入れた。450rpmで撹拌しながら、混合物を110℃へ加熱し、その温度に2時間保持し、次に2.22gの無水フタル酸をそれに添加し、反応を更に1時間継続して均質な溶液を得た。連続的に撹拌しながら50mlの前記均質な溶液を、200mlの四塩化チタンの入った反応器へゆっくり添加し、その添加中、反応器の温度を−20℃に維持した。添加が完了した時、反応混合物を約3時間かけて110℃へゆっくり加熱し、その温度に更に2時間維持した。加熱する間に徐々に固体が沈殿した。吸引濾過により母液を除去した後、固体成分Aが得られた。
触媒成分Bをスラリー重合法で評価し、重合手順及び条件は例1で記載したものと同じであった。結果は表4に示した。
溶媒としてトルエンの代わりにデカンを用いた以外は、例16の手順を繰り返し、6.2gの粒状固体成分Bを得た。それは1.95重量%のチタン、17.9重量%のマグネシウム及び24.2重量%のTHFを含有することが判明した。
1.触媒成分の製造
塩化マグネシウムとアルコールとの付加物からなる球状キャリヤーを、EP395083に記載されている方法に従って製造した。95℃で熱処理することによりアルコールを部分的に除去し、アルコール対塩化マグネシウムのモル比が0.83になるようにした。反応器へ10gのキャリヤーと90mlのヘキサンを入れ、450prmで撹拌しながら、ヘキサン中にモノクロロジエチルアルミニウムを入れた26.43体積%の溶液6ml及び5mlの四塩化チタンを室温で添加した。その混合物を60℃に加熱し、その温度に2時間維持した。反応器中の母液を除去し、90mlのヘキサンを反応器へ添加した後、5mlのテトラヒドロフランを撹拌しながら滴加し、その混合物を室温で1時間反応させた。固体残渣をヘキサンで2回洗浄した後、真空中で乾燥し、10.2gの球状固体成分Bを得た。それは、1.96重量%のチタン、17.7重量%のマグネシウム、及び29.9重量%のテトラヒドロフランを含有することが判明した。
充分真空にし、水素で置換しておいた2リットルのステンレス鋼オートクレーブに、撹拌しながら、窒素加圧により約0.5リットルのヘキサンを入れ、ヘキサン中にAlEt3を入れた1mM/mlの溶液2mlを注射器を用いて入れ、約30mgの上記球状固体成分Bを入れた。次に反応器へ、全量が約1リットルになるようにヘキサンを補充した。完了した後、反応器を85℃へ加熱し、水素を導入してオートクレーブ中の水素の分圧が0.28MPaになるようにし、次にエチレンガスを導入してその分圧が0.75MPaになるようにした。重合反応を85℃の一定温度で2時間継続し、重合中エチレンを補充してエチレンの前記分圧を維持した。次にオートクレーブの温度を低下し、圧力を解放し、重合体スラリーを排出した。ヘキサンを除去した後、重合体を空気中赤外線ランプ下で乾燥し、ポリエチレン粉末を得た。触媒の活性度は7053gPE/触媒1gであり、重合体粉末の嵩密度は0.348g/cm3であり、150μmより小さい微粉末の含有量は1.1重量%であり、重合体のメルトインデックスは1.47g/10分であった。
Claims (25)
- マグネシウム及びチタンを含有する組成物上に担持された少なくとも一種類の電子供与体化合物を含む、エチレンの単独重合又は共重合のために用いられる触媒成分であって、前記電子供与体化合物が、脂肪族エーテル、環式エーテル、芳香族エーテル、脂肪族ケトン及び脂環式ケトンからなる群より選択されており、マグネシウム及びチタンを含有する前記組成物が、マグネシウム化合物を溶媒系へ溶解して均質な溶液を形成し、次にその溶液を沈殿助剤の存在下にチタン化合物と接触させ、前記組成物を沈殿させることにより製造されている、上記触媒成分。
- マグネシウム化合物含有組成物上に担持された少なくとも一種類の電子供与体化合物及び少なくとも一種類のチタン化合物を含むエチレンの単独重合又は共重合に用いられる触媒成分であって、前記電子供与体化合物が、脂肪族エーテル、環式エーテル、芳香族エーテル、脂肪族ケトン及び脂環式ケトンからなる群より選択されている、上記触媒成分。
- 触媒成分が、固体触媒成分の全重量に基づき、5〜30重量%のマグネシウム、0.1〜10重量%のチタン、15〜65重量%のハロゲン、及び1〜60重量%の電子供与体を含有し、前記触媒成分の平均粒径が、D50値として表して、5〜35μである、請求項1又は2に記載のエチレンの単独重合又は共重合に用いられる触媒成分。
- チタン化合物が、一般式Ti(OR)aXb(式中、Rは、C1〜C14脂肪族ヒドロカルビル又は芳香族ヒドロカルビルであり、Xはハロゲンであり、aは0、1又は2であり、bは1〜4の整数であり、a+bの合計は3又は4である)を有する、請求項1又は2に記載のエチレンの単独重合又は共重合に用いられる触媒成分。
- マグネシウム化合物が、二ハロゲン化マグネシウム、二ハロゲン化マグネシウムの水和物又はアルコール付加物、二ハロゲン化マグネシウムの一つのハロゲン原子を、ヒドロカルビルオキシ基又はハロ−ヒドロカルビルオキシ基、又はそれらの混合物で置換することにより形成された誘導体からなる群より選択されている、請求項1又は2に記載のエチレンの単独重合又は共重合に用いられる触媒成分。
- 溶媒系が、有機エポキシ化合物及び有機燐化合物を含有する、請求項1に記載のエチレンの単独重合又は共重合に用いられる触媒成分。
- 有機エポキシ化合物が、2〜8個の炭素原子を有する、脂肪族オレフィン、ジエンの酸化物、又はハロゲン化脂肪族オレフィン又はジエン、グリシジルエーテル及び環式エーテルからなる群より選択された少なくとも一種類を含む、請求項6に記載のエチレンの単独重合又は共重合に用いられる触媒成分。
- 有機燐化合物が、オルト燐酸又は亜燐酸のヒドロカルビルエステル又はハロヒドロカルビルエステルからなる群より選択された少なくとも一種類である、請求項6に記載のエチレンの単独重合又は共重合に用いられる触媒成分。
- 溶媒系が、分岐鎖脂肪族アルコール化合物を含む、請求項1に記載のエチレンの単独重合又は共重合に用いられる触媒成分。
- 溶媒系が、2−エチルヘキサノールを含む、請求項9に記載のエチレンの単独重合又は共重合に用いられる触媒成分。
- 沈殿助剤が、有機カルボン酸無水物、有機カルボン酸、エーテル及びケトンからなる群より選択された少なくとも一種類である、請求項1に記載のエチレンの単独重合又は共重合に用いられる触媒成分。
- 沈殿助剤が、無水酢酸、無水フタル酸、無水コハク酸、無水マレイン酸、1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、酢酸、プロピオン酸、酪酸、アクリル酸、メタクリル酸、アセトン、メチルエチルケトン、ベンゾフェノン、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル及びジペンチルエーテルからなる群より選択された少なくとも一種類である、請求項1に記載のエチレンの単独重合又は共重合に用いられる触媒成分。
- 電子供与体化合物が、合計2〜12個の炭素原子を有する脂肪族エーテル、3〜5個の炭素原子を有する環式エーテル、合計7〜8個の炭素原子を有する芳香族エーテル、3〜6個の炭素原子を有する飽和又は不飽和脂肪族ケトン、5〜10個の炭素原子を有する脂環式ケトンからなる群より選択された少なくとも一種類である、請求項1又は2に記載のエチレンの単独重合又は共重合に用いられる触媒成分。
- 電子供与体化合物が、ジエチルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、ジヘキシルエーテル、エチルフェニルエーテル、テトラヒドロフラン、アセトン、ブタノン、イソブチルメチルケトン、4−メチル−3−ペンテン−2−オン、ヘキサジオン、シクロヘキサノン、及び上記化合物のいずれかの任意の組合せからなる群より選択されている、請求項1又は2に記載のエチレンの単独重合又は共重合に用いられる触媒成分。
- 電子供与体化合物が、3〜5個の炭素原子を有する環式エーテルである、請求項1又は2に記載のエチレンの単独重合又は共重合に用いられる触媒成分。
- 電子供与体化合物がテトラヒドロフランである、請求項1又は2に記載のエチレンの単独重合又は共重合に用いられる触媒成分。
- 一般式AlR’cX’dHc(式中、R′は、1〜14個の炭素原子を有する飽和ヒドロカルビルであり、X′はハロゲンであり、dは1又は2であり、eは0又は1であり、c+d+eの合計は3である)を有する少なくとも一種類の活性化剤を更に含む、請求項1又は2に記載のエチレンの単独重合又は共重合に用いられる触媒成分。
- 活性化剤が、AlEt3、Al(n−Bu)3、Al(n−C6H13)3、Al(i−Bu)3、AlEt2Cl、Al(n−C8H17)3、及びAlEt2Hからなる群より選択された一種類以上である、請求項17に記載のエチレンの単独重合又は共重合に用いられる触媒成分。
- 請求項1に記載のエチレンの単独重合又は共重合のために用いられる触媒成分を製造するための方法であって、
有機エポキシ化合物及び有機燐化合物を含有する溶媒系中へマグネシウム化合物を溶解して均質な溶液を形成する工程、
前記溶液を、沈殿助剤の存在下にチタン化合物と接触させて固体を沈殿させる工程、
前記で得られた固体を電子供与体化合物、及び任意選択的にチタン化合物で処理して生成物を得る工程、及び
任意選択的に、前記で得られた生成物を活性化剤で活性化する工程、
を含む、上記方法。 - 個々の原料が、マグネシウム化合物1モル当たりを基準に、有機エポキシ化合物を0.2〜10モル、有機燐化合物を0.1〜3モル、沈殿助剤を0.03〜1.0モル、チタン化合物を合計0.5〜150モル、電子供与体化合物を0.01〜10モル、及び活性化剤を0.1〜10モルの量で用い得る、請求項19に記載の方法。
- エチレンの単独重合又は共重合のための触媒であって、次の二つの成分:
(a) 請求項1〜18のいずれか1項に記載の触媒成分、及び
(b) 共触媒成分としての有機アルミニウム、
の反応生成物を含む、上記触媒。 - エチレンの単独重合又はエチレンと少なくとも一種類のC3〜C8α−オレフィンとの共重合での、請求項21に記載の触媒の使用。
- 気相法又はスラリー法でエチレンを単独重合又は共重合する際の、請求項21に記載の触媒の使用。
- エチレンを単独重合、又はエチレンと少なくとも一種類のC3〜C8α−オレフィンとを共重合するための方法であって、エチレン、又はエチレンと少なくとも一種類のC3〜C8α−オレフィンとを、重合条件下で請求項21に記載の触媒と接触させることを含む、上記方法。
- エチレンを単独重合、又はエチレンと少なくとも一種類のC3〜C8α−オレフィンとを共重合するための方法であって、エチレン、又はエチレンと少なくとも一種類のC3〜C8α−オレフィンとを、スラリー又は気相法で重合条件下で請求項21に記載の触媒と接触させることを含む、上記方法。
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